JP5937379B2 - エアバッグモジュール - Google Patents
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Description
そして、カバー部材には、バックプレート部材にしっかりと支持されていることが求められている。なぜなら、上記のようにエアバッグが膨張展開するとき、カバー部材がバックプレート部材にしっかりと支持されていてはじめて、カバー部材が、エアバッグの膨張力を受けて上記破断線から破断できるからである。
しかし、上記のようにカバー部材がバックプレート部材から外れないように、バックプレート部材とカバー部材とを強固に組み付けることと、それら両者の組み付け作業を簡略化することとは相反することになるので、それらの条件を同時に満足することが、従来から大きな課題になっている。
ステアリングホィールにカバー部材を上記のように初期の設計通りに組み付けるためには、組み付け時の寸法誤差は許されず、高度な組み付け精度が要求される。
そこで、組み立て作業の簡略化のために、上記したデルタ部分の強度を弱くしてしまうと、今度は強固な組み付け性が損なわれることになる。
いずれにしても、上記従来のエアバッグモジュールでは、強固な組み付け性と組み付け作業の簡略性の両方を同時に満足させることができないという問題があった。
さらに、掛け止め孔に掛け止められたフックが囲い壁を押さえているので、エアバッグが膨張展開するときに、カバー部材の囲い壁を外側に膨らませるような力が作用したとしても、カバー部材を確実に保持することができる。
更に、掛け止め突部及び掛け止め段部と、フック及びフック掛け止め孔とで、引き抜き方向の力を分担するので、上記フック及びフック掛け止め孔の組の数を少なくでき、その分、フック掛け止め孔の数を少なくできる。フック掛け止め孔は、フックがくぐり抜ける大きさを必要とするので、カバー部材の囲い壁の強度に多少影響を及ぼすが、その数が少なくなれば、強度的にも有利になる。
そして、図1〜図4におけるカバー部材Cは、乗員側に対向する側を表面とし、その反対側を裏面とし、その裏面となる側の周囲に囲い壁1を設けている。
一方、バックプレート部材Pは、その周囲に起立壁2を設けるとともに、この起立壁2を上記囲い壁1の内側に押し込むこと、即ち起立壁2を上記囲い壁1の内側に挿入することによって、バックプレート部材Pとカバー部材Cとの間に、折りたたんだエアバッグ(図示していない)等を組み込むための組み込みスペースが形成されるようにしている。なお、図中符号3はバックプレート部材Pに設けたインフレータである。
さらに、上記カバー部材Cは、バックプレート部材Pよりも柔軟な素材で構成されている。言い換えると、バックプレート部材Pは硬質材で構成されている。
なお、以下の説明では、カバー部材Cとバックプレート部材Pとを互いに引き離す方向を引き抜き方向とし、バックプレート部材Pの起立壁2をバックプレート部材Pの囲い壁1に押し込む方向を押し込み方向とする。
上記フック4は、起立壁2の周方向に間隔を保って複数形成されるとともに、図2に示すように、上記引き抜き方向先端を開口部4aとしている。
そして、上記フック4の開口部4a側の先端には、フック4の内側に向かって傾斜して当該先端をやや先細りにした傾斜部4bを形成し、この傾斜部4bの分だけ上記開口部4aの開口幅大きくしている。また、上記フック4の底部の外側は弧面4cとしている。
なお、図中符号4dは上記弧面4cと起立壁2との間に設けた補強用リブである。
上記フック掛け止め孔8は、この囲い壁1にバックプレート部材Pの起立壁2が設計どおりに組み付けられたとき、図2(c)に示すようにフック掛け止め孔8に上記フック4が掛け止められる。
そして、上記フック掛け止め孔8は、図2(b)に示すように、フック4がフック掛け止め孔8に正対しながら平行移動したとき、それをくぐり抜けることができる大きさにしている。
なお、上記フック掛け止め孔8に対応する囲い壁1の開口縁は、図2に示すように弧面1aとしている。
したがって、上記のように位置決め孔9に位置決め突部5がぴったりと嵌った状態では、上記フック4が、図2(c)に示すようにフック掛け止め孔8に掛け止められることになる。
このようにした可撓部11は、位置決め突部5の斜面5aに当接することによって、図3(b)に示すように上記斜面5aに沿って撓むものである。
そして、上記円弧状部10aに上記起立壁2の円弧部7が当たって互いに相対移動するとき、図4(a)に示すように、上記薄肉部12が撓んで上記掛け止め突部10が外側に退避するようにしている。
カバー部材Cは囲い壁1を上側に向けるとともに、上記囲い壁1の内側にバックプレート部材Pの起立壁2を押し込むようにする。
このとき、最初に、囲い壁1の開口縁に形成した掛け止め突部10が起立壁2の円弧部7に接触する。
そして、上記のようにして起立壁2が押し込み方向に移動して、掛け止め段部6が上記掛け止め突部10を通過すると、図4(b)に示すように掛け止め突部10は薄肉部12の弾性で原位置に復帰する。
上記のように位置決め突部5が位置決め孔9に嵌っていない状態で囲い壁1が原位置もしくはそれに近い位置に復帰できるのは、可撓部11が図3(b)に示すように十分に撓むことができるからである。
図2(b)に示すようにフック4がフック掛け止め孔8をくぐり抜けた状態で、起立壁2を上記引き抜き方向に移動させれば、フック4が引き上げられてフック掛け止め孔8に引っ掛かる。このときフック4の先端に傾斜部4bを形成して、その開口部4aの開口幅を大きくしているので、囲い壁1が多少反っていても、フック掛け止め孔8の開口縁がフック4内にスムーズに導かれる。
さらに、カバー部材Cの囲い壁1に、それを外側に開く力が作用したとしても、その力に対してはフック4の掛け止め力で対抗できる。
したがって、エアバッグの膨張展開時に、カバー部材Cがバックプレート部材Pから外れて、乗員側に飛び出したりしない。
したがって、囲い壁1に起立壁2を所定位置まで上記押し込み方向に押し込んでから、起立壁2を上記引き抜き方向に移動させるだけで、フック4を自動的にフック掛け止め孔8に引っ掛けることができるとともに、掛け止め段部6も自動的に掛け止め突部10に引っ掛けられる。
いずれにしても、設計事項として可撓部11を肉厚方向内側に設けるか選択することができる。
なお、上記図3に示した可撓部11は、図1におけるY部に形成され、図5に示した可撓部11は図1におけるZ部に形成される。
したがって、この第2実施形態においても、フック4がフック掛け止め孔8をくぐり抜けた状態で、起立壁2を上記引き抜き方向に移動させれば、フック4が引き上げられてフック掛け止め孔8に引っ掛かるが、この点は第1実施形態と同様である。
しかも、上記位置決め突部5は、フック4がフック掛け止め孔8をくぐり抜けた位置において、図7に示すように、可撓部11のエリア内に位置するとともに、位置決め孔9との間で上下に間隔を保つようにしている。
このようにして、フック4がフック掛け止め孔8をくぐり抜けた状態で、起立壁2を上記引き抜き方向に移動させれば、フック4が引き上げられてフック掛け止め孔8に引っ掛かる。
この状態で、囲い壁1と起立壁2とを、上記幅L1分だけ相対移動させれば、位置決め突部5が位置決め孔9にぴったりとはまることになる。
上記以外の作用効果については、第1実施形態と同様である。
そして、この第3実施形態においては、位置決め孔9が肉厚を薄くした可撓部11と接する箇所が少なくなるので、位置決め孔9の周縁の強度が増し、その分、カバー部材Cがバックプレート部材Pに強固に固定されることになる。
また、位置決め突部5と位置決め孔9のそれぞれの向きは、第3実施形態と同じにしているが、この第4実施形態においては、可撓部11のエリアを相対的に小さくできる。
このようにして、フック4がフック掛け止め孔8をくぐり抜けた状態で、起立壁2を上記引き抜き方向に移動させれば、フック4が引き上げられてフック掛け止め孔8に引っ掛けられる。
この状態から、囲い壁1と起立壁2とを、図9に示す幅L1の分だけ相対移動させれば、フック4がフック掛け止め孔8に掛け止められるとともに、位置決め突部5も位置決め孔9にぴったりと嵌る。
なお、この第4実施形態においては、位置決め突部5の上下方向の相対移動を小さくできるので、その分、可撓部11の大きさも小さくできる。
1 囲い壁
P バックプレート部材
2 起立壁
4 フック
4a 開口部
5 位置決め突部
6 掛け止め段部
8 フック掛け止め孔
9 位置決め孔
10 掛け止め突部
11 可撓部
Claims (5)
- 乗員側に対向する表面に対して裏面となる側の周囲に囲い壁を設けたカバー部材と、周囲に前記囲い壁の内側に挿入する起立壁を設けたバックプレート部材とを備え、前記起立壁を前記囲い壁の内側に挿入して組み付けた際に、前記カバー部材と前記バックプレート部材との間にエアバッグ等を組み込む組込スペースを形成したエアバッグモジュールであって、
前記起立壁の周方向における異なる位置にそれぞれ形成した、フック、位置決め突部、及び掛け止め段部と、
前記囲い壁の周方向における異なる位置にそれぞれ形成した、前記フックを掛け止めるフック掛け止め孔、前記位置決め突部を嵌入する位置決め孔、及び前記掛け止め段部を掛け止め、前記囲い壁の開口部分に形成した掛け止め突部と、を有し、
前記囲い壁における前記フックが挿入される前記フック掛け止め孔の上方側部位が、前記フックの当接により弾性変形可能に構成され、
前記フックが前記フック掛け止め孔をくぐり抜けて、前記位置決め突部が前記位置決め孔に嵌入した際に、前記掛け止め段部は前記掛け止め突部に掛け止められた構成であることを特徴とするエアバッグモジュール。 - 前記囲い壁における前記位置決め突部が当接する前記位置決め孔の周囲の部位に、可撓部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグモジュール。
- 前記可撓部を形成した前記囲い壁の部位の肉厚が、前記囲い壁における他の部位の肉厚よりも薄肉に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のエアバッグモジュール。
- 前記フックと前記フック掛け止め孔からなる組を一組として、当該組を複数設けるとともに、隣接する前記組間に、前記位置決め突部と前記位置決め孔とからなる組を配設させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のエアバッグモジュール。
- 前記カバー部材と前記バックプレート部材とを組み付けた前記エアバッグが、線対称形状に構成され、
前記フックと前記フック掛け止め孔からなる組及び前記位置決め突部と前記位置決め孔とからなる組のそれぞれが、前記線対称形状の対称軸を境にして対称の配置関係に配されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のエアバッグモジュール。
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