JP5937360B2 - 帯電ローラ - Google Patents

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Description

本発明は、帯電ローラ(以下、単に「ローラ」とも称する)に関し、詳しくは汚染性を低減しつつ、摩擦抵抗を低減し、さらにセット性を向上させた帯電ローラに関する。
従来、複写機、プリンター等の電子写真装置では、まず、感光体の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して、光の当たった部分の帯電を消去することによって潜像を形成する静電潜像プロセスにより静電潜像を得、次いで、トナーの付着によるトナー像の形成、紙等の記録媒体へのトナー像の転写により、プリントする方法がとられている。
この場合、最初の感光体を帯電させる操作としては、従来、コロナ放電方式が一般に採用されていた。しかし、このコロナ放電方式は6〜10kVもの高電圧印加が必要とされるために、機械の安全保守の観点から好ましくなく、また、コロナ放電中にオゾン、NOx等の有害物質が発生するために、環境上の問題もあった。
このため、コロナ放電に比べて低い印加電圧で帯電を行うことができ、かつ、オゾン等の有害物質の発生を抑制することができる帯電方式への取り組みがなされており、新たな帯電方式として、電圧を印加した帯電用部材を感光体等の被帯電体に所定の圧力で接触させることにより被帯電体を帯電させる、接触方式による帯電方法が提案されている。
この接触帯電方式で使用される帯電部材としては、例えば、芯金(シャフト)の外周にゴムやウレタンフォーム等からなる導電性弾性層(弾性層)を形成し、さらに、表面粗さの制御やトナーの付着防止のために、ウレタン、ナイロン等の樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液や水に溶解もしくは分散させた樹脂溶液をディッピング法やスプレー法などにより塗布してなる表層を設けた多層構造の帯電ローラが知られている。また、弾性層と表層との間の接着性の改良のために、これらの層の間に接着層を設ける技術もよく知られている。
しかしながら、上記樹脂溶液中で粒子が沈降したり凝集したりするため、樹脂溶液中に粒子を均一に分散させることが非常に難しく、その結果として、ローラ内の表面粗さにバラツキが発生し易い問いという問題を有していた。また、樹脂溶液の塗工方式としては、DIP方式、スプレー方式、ロールコータ方式等の種々の塗工方式が知られているが、いずれの塗工方式によっても、ローラ内の表面粗さのバラツキを抑制することは困難であり、トナーが付着してしまっていた。
上記問題を解消する技術として、例えば特許文献1には、弾性基材と、表層とを備えたローラであって、表層に複数のOH基を有する脂肪酸アミドを含有させることで、ローラの表面粗さのバラツキを抑制して均一にする技術が開示されている。また、特許文献2には、長期の使用によるローラの表面粗さの変化を抑えることを目的として、ローラの表層に添加するアクリルの粗粒子にUV処理、コロナ処理またはプラズマ処理を施す技術が開示されている。
特開2007−57559号公報 特開2010−230824号公報
特許文献1および2の手法によれば、帯電ローラへのトナーの付着を低減させることは可能である。しかしながら、近年、電子写真装置に対してさらなる高耐久化が望まれており、特許文献1および2に記載の技術だけでは必ずしも満足のいくものではなく、トナーの帯電ローラへの付着防止技術の改善が望まれている。また、帯電ローラの要求性能は耐汚染性(帯電ローラ上にトナーが残留しないこと)だけではなく、セット(変形回復)性も挙げられ、これら性能の向上も望まれている。
そこで本発明の目的は、汚染性を低減しつつ、セット性を向上させた帯電ローラを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記の知見を得た。すなわち、従来、帯電ローラの帯電性能向上を目的として、樹脂溶液中にフッ素粒子を含有させたり、アクリル粒子を含有させたりと様々な粒子を含有させる手法が行われてきた。しかしながら、これら粒子は粉砕加工により得られた粒子であるため、その粒子形状が不定形である。そのため、帯電ローラの表層に凹部が形成され、その凹部にトナーが吸着することによりトナーが付着していた。
本発明者は、上記知見に基づき、さらに鋭意検討した結果、下記構成とすることにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の帯電ローラは、シャフトと、該シャフトの外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周面に形成された表層と、を備える帯電ローラにおいて、
前記表層に、分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子を表層樹脂100質量部に対して10質量部以上含有していることを特徴とするものである。
本発明の帯電ローラにおいては、前記表層に含有される、分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子の硬度は2N〜10Nであることが好ましい。ここで硬度とは、粒子を10%潰すのに、必要な力(N)ニュートンである。各粒子の硬度測定は、FICHER社製 H−100、測定端子:ピッカース圧子先端25μm平方角で実施した。
本発明によれば、汚染性を低減しつつ、さらにセット性を向上させた帯電ローラを提供することができる。
本発明の好適実施形態に係る帯電ローラの一例を示す断面図である。 本発明の好適実施形態に係る帯電ローラの他の一例を示す断面図である。 本発明の好適実施形態に係る帯電ローラの他の一例を示す断面図である。 実施例1の帯電ローラの表面粗さプロファイルを示したチャート図である。 実施例2の帯電ローラの表面粗さプロファイルを示したチャート図である。 実施例3の帯電ローラの表面粗さプロファイルを示したチャート図である。 実施例4の帯電ローラの表面粗さプロファイルを示したチャート図である。 実施例5の帯電ローラの表面粗さプロファイルを示したチャート図である。 従来例の帯電ローラの表面粗さプロファイルを示したチャート図である。
以下、本発明の好適実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の好適実施形態に係る帯電ローラの一例を示す断面図である。本発明の帯電ローラ10は、シャフト1と、シャフト1の外周に形成された弾性層2と、弾性層2の外周面に形成された表層3と、を備えるものである。
本発明の帯電ローラ10は、表層3に分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子を表層樹脂100質量部に対して10質量部以上含有している。分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の粒子を真球形状とすることにより、ローラ10の表面粗さの制御が容易となる。これにより、ローラ10の表面の凹部を減少させることができ、ローラ10のトナーの付着が抑制され、汚染性が改善される。また、上記アクリル粒子はフッ素を含有しているため、撥油性が向上し、トナー付着性を低下させることができる。
本発明においては、分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子の添加量については、特に制限はなく、添加量が多いほど表層3の硬度が高くなりセット性が向上する。なお、分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子の添加量が多くなると、ローラ10の表面の凸部が多くなり汚染性が悪化するとも考えられるが、この凸部はフッ素の滑りの良さおよび撥油性の良さにより、トナー滞留の原因となることはない。好適には表層樹脂100質量部に対して10〜100質量部である。
本発明においては、分子中にフッ素を置換基として有するアクリルの粒子としては、例えば、フッ素含有のアクリル酸エステルやフッ素含有のメタクリル酸エステルのモノマーまたはポリマーから形成された粒子やフッ素グラフトアクリル粒子を用いることができる。
本発明においては、分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子の硬度は2N〜10Nであることが好ましい。分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子の硬度を上記範囲にすることにより、より良好にセット性を向上させることができる。また、本発明においては、上記アクリル粒子の粒径は5〜15μm程度であることが好ましい。
本発明においては、シャフト1としては、金属製あるいはプラスチック製で、中空円筒体または中実円柱体のものを使用することができる。
本発明においては、弾性層2を形成する弾性体は、特に制限はなく、感光体等の被帯電体との良好な接触状態を得ることができる弾性体であればよく、公知のゴム、樹脂、またはこれらに独立気泡を分散させたフォーム体で形成することができる。具体的には、ポリウレタン、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム等を基材ゴムとするゴム組成物が例示されるが、ポリウレタンが好ましく、好適にはポリウレタンフォームである。この場合、ポリウレタンフォームの発泡倍率は、特に制限されるものではないが、1.2〜50倍が好ましく、好適には1.5〜10倍程度である。フォーム密度は、0.1〜0.7g/cm程度が好ましい。なお、弾性層2は、水系塗料(樹脂溶液)を用いてディピング法等により形成することができる。この場合、シャフト1に直接水系塗料を塗布することができ、これにより製造工程の簡略化が図れる。
本発明においては、弾性層2に導電剤を添加し、導電性を付与または調整して所定の抵抗値とすることができる。導電剤としては、特に限定されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム塩などの陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩などの陰イオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤などの帯電防止剤、NaClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCN、NaCl等のLi、Na、K等の周期律表第1族の金属塩、あるいはNH の塩などの電解質、また、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属および金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられる。この場合、これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常弾性層の体積抵抗率が10〜10Ω・cm、好ましくは10〜10Ω・cmとなるように調整される。
本発明においては、弾性層2に導電剤の他にも必要に応じて、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤、湿潤剤、ブロッキング防止剤、架橋剤、成膜助剤等の公知の添加剤を適量配合することができる。
本発明においては、弾性層2の厚みは1.0〜5.0mmであることが好ましく、好適には1.0〜3.0mmである。弾性層2の厚みを上記範囲とすることで、スパーク放電を防止することができる。
本発明においては、表層3は分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子を表層樹脂100質量部に対して10質量部以上含有している。表層3は、通常は溶剤塗料および導電剤等を分散または溶解した溶剤塗料溶液(樹脂溶液)を調製し、この塗料溶液をディピング法、スプレー法、ロールコーター法、リング塗装法などにより弾性層2または後述する抵抗調整層上に塗布して乾燥固化させることにより形成され、特にディピング法が好ましく用いられる。本発明においては、表層3中の分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子が表層樹脂100質量部に対して10質量部以上となるように、上記溶剤塗料溶液に分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子を添加する。また、本発明の帯電ローラは、粒子分散剤を適正化することにより、水系塗料にも適応できる。
水系塗料としては、帯電ローラの表層の形成に用いられる公知のゴムや樹脂を用いることができる。例えば、ウレタン変性アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポリアミド樹脂、およびフッ素樹脂等が例示され、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。ゴム系樹脂としては、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のラテックス、ウレタン系樹脂としては、エーテル系、エステル系等のエマルジョンやディスパージョン、アクリル系樹脂としては、アクリル、アクリルスチレン等のエマルジョン、フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド等を好適に用いることができる。
本発明においては、水系塗料としては水系アクリル樹脂が好ましい。水系アクリル樹脂としては、アクリロニトリルとn−ブチルアクリレートとを必須成分とし、任意にその他のモノマーを含むものが好ましく、その他のモノマーとしては、エチルアクリレート、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。アクリロニトリルおよびn−ブチルアクリレートを必須成分とするのは、これらが弾性(セット性)の向上に寄与するためであり、かかる観点からは、可能な限りn−ブチルアクリレート量を増量し、他の成分を減量するとともに、必須成分以外のその他のモノマー成分のモノマー比率を減らすことが好ましい。一方、アクリロニトリルの比率を高めすぎると、弾性層2が硬くなってしまうため好ましくない。したがって、必須成分であるアクリロニトリルとn−ブチルアクリレートとのモノマー比率は、モル比で1〜25:99〜75とするのが好ましく、好適には5〜20:95〜80の範囲内である。
本発明においては、水系アクリル樹脂は分子中に活性水素を有する基を含んでいることが好ましい。活性水素を有する基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等が挙げられるが、好適にはカルボキシル基である。また、活性水素を有する基を含むモノマーの比率は、全モノマー量の3〜6%の範囲内とすることが好ましい。活性水素を有する基を含むモノマーの比率を上記範囲内とすることで、表面酸価が10mg/g以上、例えば10〜20mg/gに調整された水系アクリル樹脂とすることができる。
本発明に用いることができる水系塗料としては、例えば、アクリルシリコン樹脂(EX102SI、(株)日本触媒製)、アクリルウレタン樹脂(WEM3058、大成ファインケミカル(株)製)、アクリルウレタン樹脂(WEM3056、大成ファインケミカル(株)製)、アクリルシリコン樹脂(DK−C−3、新中村化学工業(株)製)等を挙げることができる。
また、本発明においては、表層3に使用する水系塗料に造膜助剤を含有させてもよい。一般にTgが高い水系塗料は製膜時にクラックが発生するおそれがあるが、造膜助剤を含有させることでTgの高い水系塗料のクラックの発生を防止することができる。
造膜助剤としては、製膜時のクラックの発生を防止できれば特に限定されないが、例えば、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(CS−12、チッソ(株)製)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノアセテート(CS−8、チッソ(株)製)等を挙げることができる。
また、本発明においては、帯電ローラ10の均一放電性を補助するために、水系塗料中にシリカ、ナイロン、ウレタン−尿素粒子、アクリル粒子等の粒子を分散させてもよい。さらに、表層3のトナーフィルミングの発生を防止するため、シリコーンアクリルグラフトポリマーを添加してもよい。
さらに、本発明においては、水系塗料中に導電剤を添加して表層3の導電性(電気抵抗)を付与または調整することができる。導電剤としては、特に制限はなく、各種電子導電剤や各種イオン導電剤を用いることができるが、特にカーボンを用いることが好ましい。
導電剤の添加量は、所望とする抵抗が得られるように適宜調整することができる。この場合、表層3の抵抗は、体積抵抗率1×10〜1×1012Ω・cm、特に1×10〜1×10Ω・cmとすることが好ましく、このような体積抵抗率を達成するように導電剤の添加量を調整することができ、導電剤としてカーボンを用いた場合の添加量は、通常、基材樹脂に対して1〜100質量部、特に10〜70質量部程度とされる。
なお、表層3を形成する水系塗料中には、その他架橋剤、増粘剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等の添加剤を必要に応じて添加してもよい。
本発明においては、表層3の厚さは、帯電ローラ10の形態等に応じて設定され、特に制限されるものではないが通常1〜30μm、特に1〜20μmとすることができる。1μm未満であると、ローラの耐久性に劣る場合があり、一方、20μmを超えると帯電特性に悪影響を与えたり、表面にしわを生じたりするなど、良好な表面性が得られない場合がある。
図2は、本発明の好適実施形態に係る帯電ローラの他の一例を示す断面図である。
図示する帯電ローラ20は、シャフト1の外周に弾性層2を形成し、弾性層2上に特定の樹脂組成物からなる接着層4および抵抗調整層5を形成すると共に、この抵抗調整層5上に表層3を備えている。本発明においては、接着層4、抵抗調製層5は必須の構成ではなく、弾性層2上に直接抵抗層5を形成してもよい。
抵抗調整層5は、樹脂基材に導電剤を添加した樹脂組成物により形成される。この樹脂組成物を構成する樹脂基材は、上記体積抵抗率を有するものであればいずれのものでもよく、特に制限されるものではないが、具体的には、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができ、特にウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂等の水系塗料が好ましい。また、この水系塗料に添加される導電剤としては、弾性層2に用いられた導電剤と同じものを使用することができる。
抵抗調整層5は、帯電ローラ20の電気抵抗値を調整するものであり、抵抗調整層5の抵抗値は弾性層2の抵抗値や部材に求められる抵抗値に応じて適宜設定されるが、通常は1×10〜1×10Ω・cm、特に1×10〜1×10Ω・cmとされる。この場合、導電剤の配合量は、この抵抗値が達成される適量とされるが、通常は水系塗料基材100質量部に対して、0.1〜20質量部、特に1〜10質量部とすることが好ましい。
また、抵抗調整層5には、導電剤の他に本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜な添加剤を配合することができ、例えば、オキサゾリン系、エポキシ系、メラミン系、グアナミン系、イソシアネート系、フェノール系等の架橋剤を用いる低抵抗樹脂基材に応じて適量配合することができ、さらに抵抗調整層5の目的を逸脱しない範囲で、造膜助剤、分散剤、増粘剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等の公知の添加剤を適量配合することができる。
抵抗調整層5の厚さは、弾性層2の厚さや帯電ローラ20の形態などに応じて適宜選定され、特に制限されるものではないが、通常は10〜500μm、特に50〜300μmとすることが好ましく、50μm未満であると、十分な抵抗値の調整を行うことが困難になる場合があり、一方、300μmを超えると、相対的に弾性層2の厚みが薄くなってローラ硬度(部材硬度)が高くなってしまったり、必要以上にコスト高となったりする場合がある。
抵抗調整層5の形成方法は、特に制限はなく、公知のディピング法、スプレー法、押出成形法などの公知の方法により形成することができるが、通常は低抵抗樹脂基材、イオン導電性物質、その他の添加剤を分散又は溶解した塗料溶液を用いてディピング法、スプレー法などが好ましく用いられ、特にディピング法が好適に用いられる。
本発明においては、弾性層2と抵抗調整層5との間に両層を強固に接着させるために厚さ1〜50μm程度の接着層4を設けることができる。この場合、接着層4は、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂材料を含有する塗料をディピング法などにより弾性層2上に塗布することにより形成することができ、必要に応じて導電剤や他の添加剤を添加することもできる。
図3は、本発明の好適実施形態に係る帯電ローラの他の一例を示す断面図である。感光ドラムに押圧される際長さ方向に均一な当たり面を形成することが重要であるため、帯電ローラ30は、長さ方向中央部が端部よりも径が大きいクラウン形状を有している。
本発明においては、ローラ長さ方向断面において、長さ方向中央が端部より突出され、その突出の程度を表すクラウン量としては、50〜300μmとすることが好ましく、このようにすることによって、通常の画像を一層良好なものにすることができる。クラウン量を50μm未満とした場合には、ローラ長さ方向中央部の接触圧が低くなり、一方、これを、300μmを超えるものとした場合には、ローラ長さ方向中央部が強く接触しすぎ、いずれの場合も帯電量の不均一を招くおそれがある。なお、本発明における帯電ローラのクラウン量の測定は、ミツトヨ(株)製高精度レーザ測定機LSM−430vを用いて行った。本測定機により、ローラ中央部および中央部から端部へ向かう90mmの位置において外径を測定し、中央部の外径と両端部方向へ各90mmの位置における外径の平均値との差をローラクラウン量とする。例えばローラ長250mmの帯電ローラにおいては、一方の端から35mm、125mm、215mmの3点において外径を測定する。その際、一方の端から35mm位置における外径をA(mm)、125mm位置における外径をB(mm)、215mm位置における外径をC(mm)とすると、クラウン量(μm)は下記計算式(1)、
クラウン量(μm)={B−(A+C)/2}×1000 (1)
で求めることができる。
また、本発明においては、帯電ローラ10、20、30は、振れ(膜厚精度)をローラ長さ方向全領域において、70μm以下とすることが好ましい。帯電ローラ10、20、30の振れが70μmより大きいと、帯電ローラ10、20、30と感光体との間に空隙が生じる場合がある。さらにその空隙距離も様々になってしまう。この場合、感光体上に残留しているトナー粒子および外添剤が、その空隙に侵入しやすくなり、帯電ローラ10、20、30にムラとなって付着する。従って、ローラ表面は、まだらに汚れる結果となり、画像不良の原因となってしまう。なお、帯電ローラ10、20、30の振れの測定は、ミツトヨ(株)製高精度レーザ測定機LSM−430vを用いて行うことができる。なお、振れとは本測定機により、外径を、ローラ長さ方向各5点について測定し、各点について測定した外径の最大値と最小値との差の平均値をいう。
以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。
<実施例1>
直径8mm、長さ260mmの金属シャフトの外周上に、厚さ4mm、長さ240mmの弾性層が配設されたローラ本体部を用意した。弾性層は、メカニカルフロス法によって形成されたポリウレタンフォームからなり、導電性を付与するためにポリウレタン100質量部に対してアセチレンブラック2質量部およびイオン導電剤0.2質量部が添加されている。
次に、表層用塗料として、最終的な表層用塗料のアクリル樹脂成分を100質量部として、アクリル樹脂(DIC社製,TR−350)10質量部および添加剤(伊藤製油株式会社製,A−S−AT−530SF,OH価:25mgKOH/g,粒径:6μm,12−ヒドロキシステアリン酸(脂肪酸)とエチレンジアミン(アミン)とから合成したOH基を複数有する脂肪酸アミド)10質量部を溶剤(エチルメチルケトン)に溶解させ、ペイントシェーカーで攪拌した。その後、アクリル樹脂(TR−350)100質量部と分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子(積水化成品工業株式会社製,MFX−110)10質量部を添加し、再びペイントシェーカーで攪拌した。その後、導電剤としてカーボンブラック(東海カーボン株式会社,トーカブラック#5500)、添加剤(A−S−AT−530SF)および粘度調製用に溶剤(エチルメチルケトン)を添加して粘度を(10〜30mPa・s)として、表層用塗料を調製した。得られた表層用塗料を上記ローラ本体部にDIP塗装および乾燥して、ローラ本体の外周面上に厚さ10μmの表層を形成した。得られた各ローラにつき下記の手順に従ってローラの表面粗さプロファイル、汚染性、およびセット性について評価した。
<実施例2〜5>
分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子の添加量を20,30,50,60質量部としたこと以外は実施例1と同様の手順で、それぞれ実施例2〜5のローラを作製した。得られた各ローラにつき下記の手順に従ってローラの表面粗さプロファイル、汚染性およびセット性について評価した。
<従来例>
添加剤(A−S−A T−530SF)を添加せず、フッ素含有真球アクリル粒子の代わりにビーズミル粉砕品(SHAMROCK社製,ポリエチレン/ポリテトラフルオロエチレン粒子(融点:126℃,粒径:6μm,ポリテトラフルオロエチレン7質量%含))30質量部添加したこと以外は実施例と同様の操作でローラを作製した。得られたローラにつき、下記の手順に従ってローラの表面粗さプロファイル、汚染性およびセット性について評価した。
<比較例>
添加剤(A−S−A T−530SF)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様の手順で比較例のローラを作製した。得られたローラにつき、下記の手順に従ってローラの表面粗さプロファイル、汚染性およびセット性について評価した。得られた結果を表1に示す。
<表面粗さプロファイル>
得られた各ローラの表面粗さプロファイルを、東京精密社製SURFCOM 1400D 測定端子:010−2501により測定した。得られた表面粗さプロファイルを図4〜9に示す。
<セット性>
各ローラを平板上にセットし、両端に500gの荷重をかけ、温度32.5℃/湿度85%R.H.環境下で一週間放置した後、荷重を取り除き、温度20℃/湿度55%R.H.環境下に30分間放置後、平板との圧接面におけるセット跡の有無を目視で判定した。セット跡の激しいものを×とし、軽微で実用上問題の無いものを○とした。なお、セット跡の激しいものは、現像ローラの圧縮永久歪が大きいことを示す。得られた結果を表1に示す。
<汚染性>
帯電ローラを有するプリンターに、本発明の帯電ローラをセットし、実機耐久試験により、評価を実施した。評価方法は、1%印字をトナーが完全に消費されるまで、印刷し、帯電ローラの表面を観察した。
Figure 0005937360
ARX−806: 柔らかいアクリル真球粒子 硬度0.5N
分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子を10質量部含有させた実施例1のローラの表面粗さプロファイルである図4と、従来例のローラの表面粗さプロファイルである図9を比較すると、実施例1のローラの表面の凹部が少なくなっていることがわかる。これにより、汚染性が改善されていることがわかる。分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子を20〜60質量部含有させた実施例2〜5のローラの表面粗さプロファイルを示した図5〜8と従来例のローラの表面粗さプロファイルを表した図9を比較すると、実施例2〜5のローラの表面粗さプロファイルの方が、凹部が大きい。しかしながら、これは粒子の重なりができて凹部が形成されているように見えるだけで、実際には汚染性は改善されている(表1参照)。これは、フッ素の撥油性によりトナーの滞留がなくなったためであると考えられる。その他、分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子を10質量部以上添加することで汚染性およびセット性も向上していることが表1からわかる。
1 シャフト
2 弾性層
3 表層
4 接着層
5 抵抗調整層
10、20、30 帯電ローラ

Claims (2)

  1. シャフトと、該シャフトの外周に形成された弾性層と、該弾性層の外周面に形成された表層と、を備える帯電ローラにおいて、
    前記表層に、分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子を表層樹脂100質量部に対して10質量部以上含有していることを特徴とする帯電ローラ。
  2. 前記表層に含有される、分子中にフッ素を置換基として有するアクリル樹脂の真球状の粒子の硬度が2N〜10Nである請求項1記載の帯電ローラ。
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