JP5196089B2 - 帯電部材及び帯電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター等における静電潜像プロセスで、感光体等の被帯電体を帯電させる場合に好適に用いられる帯電部材及び帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンター等の電子写真装置では、まず、感光体の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して、光の当たった部分の帯電を消去することによって潜像を形成する静電潜像プロセスにより静電潜像を得、次いで、トナーの付着によるトナー像の形成、紙等の記録媒体へのトナー像の転写により、プリントする方法がとられている。
【0003】
この場合、最初の感光体を帯電させる操作は、コロナ放電方式が一般的に採用されてきた。しかしながら、このコロナ放電方式は6〜10kVもの高電圧印加が必要とされるため、機械の安全保守の観点から好ましくないものである。また、コロナ放電中にオゾン、NOx等の有害物質が発生するため、環境上の問題もある。
【0004】
このため、コロナ放電に比べて低い印加電圧で帯電を行うことができ、かつ、オゾン等の有害物質の発生を抑制することができる帯電方式への取り組みがなされており、新たな帯電方式として、電圧を印加した帯電用部材を感光体等の被帯電体に所定の圧力で接触させることにより、被帯電体を帯電させる接触方式による方法が提案されている。
【0005】
この場合、この接触帯電方式で使用される帯電部材としては、例えば、ゴムやウレタンフォーム等の弾性層の表面に、アクリル、ウレタン、ナイロン等の樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液をディッピング法やスプレー法などにより塗布して、表面に塗膜層を形成したものが知られているが、最近の帯電部材では、感光体等の被帯電体との摩擦が少なく、かつ残留トナーが付着しにくいことが重要な特性として要求されるようになってきており、このような特性を得るために被帯電体と接触する表面層を、フッ素系樹脂を添加した樹脂で形成することも提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような帯電ローラを用いた接触帯電法により感光ドラムを帯電を行う場合、28〜35℃,80〜90%RHの高温,高湿環境下における耐久画像出しにおいて、帯電不良によってピントがボケたような画像、或いは画像にスジが現れる画像不良(以下、特に断りのない限り本明細書で「画像不良」とは、この不良をいう)が発生する場合がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高温,高湿環境下で長時間連続運転した場合でも、感光ドラムを良好かつ確実に帯電させることができ、感光ドラムの帯電不良による画像不良を生じることなく、きれいな画像を確実に得ることができる帯電部材、及び該帯電部材を用いた帯電装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、帯電部材表面の接触角を大きくすることにより、高温・高湿環境下でも帯電不良を生じることなく、感光ドラムを良好に帯電させることができ、感光ドラムの帯電不良による上記画像不良を生じることなく、きれいな画像を確実に得ることを見出した。そこで、本発明者は、他の特性を低下させることなく帯電部材表面接触角を増大させることについて、更に検討を進めた結果、帯電ローラの表面層を形成する樹脂材料中に疎水化処理を施したシリカ粉末及び/又はフッ素樹脂粉末を添加することにより、帯電ローラ表面の接触角を効果的に増大させることができ、特にフッ素樹脂を基材とする樹脂組成物に上記シリカ粉末やフッ素樹脂粉末を適量添加することによって、90°以上の接触角を達成することが可能であり、高温・高湿環境下で長時間連続運転した場合でも、良好かつ安定的に感光ドラムを帯電させることができ、帯電不良による上記画像不良の発生を可及的に防止し得ることを見出し、本発明を完成したものである。
【0009】
従って、本発明は、被帯電体に当接させて、この被帯電体との間に電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させる帯電部材において、少なくとも上記被帯電体と接触する部材表面が、基材樹脂としてフッ素樹脂を含有すると共に、疎水化処理を施したシリカ粉末を上記フッ素樹脂100重量部に対して30〜60重量部含有する樹脂組成物からなる表面層で形成され、かつ該部材表面の接触角が90°以上であることを特徴とする帯電部材を提供する。
【0010】
また、本発明は、被帯電体に当接し、該被帯電体を帯電させる帯電部材と、被帯電体と帯電部材との間に電圧を印加する電圧印加手段とを具備してなる帯電装置において、前記帯電部材として上記本発明の帯電部材を用いたことを特徴とする帯電装置を提供する。
【0011】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の帯電部材は、上述のように、疎水性粉末を添加した樹脂組成物により表面層を形成したものである。
【0012】
上記表面層を形成する樹脂組成物の基材樹脂としては、帯電部材の表面層を形成する場合に用いられる公知のゴムや樹脂を用いることができ、特に制限されるものではないが、ウレタン変性アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、及びフッ素樹脂等が例示され、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、フッ素樹脂が特に好ましく用いられ、フッ素樹脂を用いることにより、良好な低摩擦性及びトナー付着性を達成することができる。
【0013】
このフッ素樹脂として具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフルオライド、ポリビニルフルオライド等が例示される。
【0014】
本発明では、表面層を形成する上記基材樹脂に疎水性粉末を添加して表面層に撥水性を向上させる。疎水性粉末としては、特に制限されるものではないが、疎水化処理を施したシリカ粉末、又はフッ素樹脂粉末、或いはこれらの両方が好適に用いられる。
【0015】
この場合、上記シリカ粉末に施される疎水化処理としては、粒子表面をワックス等でコーティングする方法、粒子表面に官能基を導入し反応により表面を改質する方法、粉砕又は微粒化をおこなって表面改質剤と反応させる方法などが挙げられる。
【0016】
また、シリカ粉末としては、特に制限されるものではないが、帯電部材の性能を低下させることなく、接触角を効果的に増大させることから、平均粒子径、吸油量、比表面積、見かけ比重等の物性を適宜調整することが好ましい。具体的には、上記平均粒子径は100μm以下、特に1〜100μm、更には1〜10μmであることが好ましく、吸油量は50ml/100g以下、特に50〜500ml/100g、更には150〜200ml/100gであることが好ましく、比表面積は30m2/g以上、特に30〜1000m2/g、更には50〜120m2/gであることが好ましく、見かけ比重は20〜500g/l、特に20〜100g/lであることが好ましい。
【0017】
また、上記フッ素樹脂粉末としては、特に制限されるものではないが、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等を例示することができる。なお、フッ素樹脂粉末は、特に制限されるものではないが、粒径0.1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
【0018】
上記シリカ粉末、フッ素樹脂粉末等の疎水性粉末の添加量は、基材樹脂の種類、用いる疎水性粉末の種類や諸物性、形成する表面層の厚さなどに応じて適宜設定され、特に制限されるものではないが、通常は基材樹脂100重量部に対して5〜60重量部、特に10〜50重量部、更には20〜40重量部とすることが好ましい。この場合、疎水性粉末の添加量が5重量部未満であると、ローラ表面の接触角を十分に増大させることができない場合があり、一方60重量部を超えると分散が不均一になるなどの不都合を生じる場合がある。具体的には、後述する実施例の塗料溶液No.1〜7のように、疎水化処理したシリカ粉末の場合、基材樹脂100重量部に対して30〜60重量部とすることができる。
【0019】
また、この表面層を形成する樹脂組成物中には、特に制限されるものではないが、通常は導電剤を添加して、表面層の導電性(電気抵抗)を付与又は調整することが行われる。この場合、導電剤としては、特に制限はなく、各種電子導電剤や各種イオン導電剤を用いることができるが、本発明では特にカーボンを用いることが好ましい。
【0020】
この場合、この表面層に用いられるカーボンとしては、特に制限されるものではないが、酸素含有率が5%以上、特に7%以上、更には9%以上であることが好ましく、かつpHが5以上、特に6以上、更には7以上であることが好ましい。即ち、通常のカーボンの酸素含有率は0.1〜3%程度であり、一部、酸化処理を施したカーボンも存在するが、この酸化処理を施したカーボンは、酸素含有率が若干増加するにつれてpHが酸性側へとシフトしてしまう傾向があり、カーボンが酸性になると水系樹脂(具体的には、水系フッ素樹脂)に添加した場合に安定性が低下するおそれがある。これに対して、本発明に好適に用いられる上記カーボンは、酸素含有率が多いにもかかわらず、中性ないしアルカリ性を維持したものであり、安定的に水系フッ素樹脂に添加し得るものである。このような酸素含有率及びpHを有するカーボンの詳細な構造は明らかではないが、カーボン表面にカルボキシル基、水酸基、ケトン基等の官能基を付け、しかもこれらの官能基が有する水素の一部をナトリウム等のアルカリ金属に置換させたものが好適に使用される。
【0021】
導電剤の添加量は、所望とする抵抗が得られるように適宜調整することができる。この場合、表面層の抵抗は、体積抵抗率103〜1012Ω・cm、特に105〜1010Ω・cmとすることが好ましく、このような体積抵抗率を達成するように導電剤の添加量を調整することができ、導電剤としてカーボンを用いた場合の添加量は、通常、基材樹脂に対して0.01〜60phr、特に10〜30phr程度とされる。
【0022】
なお、この表面層を形成する樹脂組成物には、架橋剤、増粘剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
【0023】
上記樹脂組成物を用いて帯電部材に表面層を形成する方法は、特に制限されるものではないが、通常は上記樹脂組成物を分散又は溶解した塗料溶液を調整し、この塗料溶液をディピング法、スプレー法、ロールコーター法などにより帯電部材表面に塗布して乾燥固化させる方法が好適に採用される。なお、上記塗料溶液を調製するための溶媒としては、樹脂組成物を構成する基材樹脂の種類などに応じて適宜選定すればよく、例えば基材樹脂としてフッ素樹脂を用いる場合には、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン、キシレン等が好適に用いられる。
【0024】
ここで、上記シリカ粉末及び/又はフッ素樹脂粉末等の疎水性粉末をこの樹脂組成物中に分散させる際、特に制限されるものではないが、ペイントシェーカーを用いて1〜10時間分散操作することにより、疎水性粉末を樹脂組成物中に分散させることが好ましく、これにより得られる表面層の接触角をより効果的に増大させることができる。
【0025】
この表面層の厚さは、帯電部材の形態等に応じて設定され、特に制限されるものではないが、例えば後述するロール状の帯電ローラの表面層3であれば、通常1〜15μm、特に3〜5μmとすることができ、1μm未満であると、ローラの耐久性に劣る場合があり、一方15μmを超えると帯電特性に悪影響を与えたり、表面にしわを生じるなど、良好な表面性が得られない場合がある。
【0026】
本発明の帯電部材は、少なくとも感光ドラムなどの被帯電体と接触する部材表面が上記疎水性粉末を含有する樹脂組成物からなる表面層で形成されたものであり、その形態はロール状、プレート状、ブロック状、球状、ブラシ状などの適宜な形態とすることができ、特に制限されるものではないが、通常は部材表面に上記表面層を有するロール状の帯電ローラとすることが好ましく、例えば、図1(A)に示したように、シャフト1の外周に弾性層2を形成し、この弾性層2上に上述の表面層3を形成した帯電ローラや、更に図1(B)に示したように、弾性層2と表面層3との間に抵抗調整層4を設けた帯電ローラなどとすることができる。
【0027】
この場合、上記シャフト1としては、金属或いはプラスチック製のシャフトを用いることができ、また部材の形態や帯電部材が用いられる帯電装置の機構などによってはこのシャフト1を省略することもできる。
【0028】
また、上記弾性層2を形成する弾性体も特に制限されず、被帯電体との良好な接触状態を得ることができる弾性体であればよく、公知のゴム或いは樹脂、又はこれらの発泡体(以下、「フォーム」という)で形成することができる。具体的には、ポリウレタン、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム等を基材ゴムとするゴム組成物が例示されるが、特にポリウレタンが好ましく、より好ましくは発泡倍率が1.5〜50倍のポリウレタンフォームが用いられる。なお、この場合のフォーム密度は、0.05〜0.9g/cm3程度が適当である。
【0029】
上記弾性層2には、導電剤を添加することにより、導電性を付与又は調整して所定の抵抗値とすることができる。その導電剤としては、特に限定されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム塩などの陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩などの陰イオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤などの帯電防止剤、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN、NaCl等のLi+、Na+、K+等の周期律表第1族の金属塩、あるいはNH4 +の塩などの電解質、また、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられる。この場合、これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常弾性層の体積抵抗率が100〜108Ω・cm、好ましくは102〜106Ω・cmとなるように調整される。
【0030】
なお、この弾性層2の厚さは、部材の形態や大きさ、層構成等に応じて適宜設定され、特に制限されるものではないが、図1(A),(B)に示したようなロール状の帯電部材の場合、通常1〜3.5mm、特に2〜2.9mm程度とすることが好ましい。
【0031】
次に、上記抵抗調整層4は、部材の電気抵抗を調整すると共に、発泡体等で形成される上記弾性層2の表面をある程度平滑にし、部材表面の平滑性を向上させるために任意に形成される層であり、有機溶剤系及び水系樹脂を用いて形成される塗膜であるが、特に成膜性、塗膜乾燥時のひび・割れ等の発生が少ない点、更に弾性層を膨潤させるなどの弾性層2への影響が少ない点などから水系樹脂を主材として用いることが好ましい。水系樹脂としては、上記弾性層2上に確実に塗膜を形成することができるものであればいずれのものでもよく特に制限されるものではないが、特にポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が好適に用いられる。
【0032】
この抵抗調整層4には、上記水系樹脂を架橋するための架橋剤を添加することができる。架橋剤は、用いられる上記水系樹脂の種類に応じて適宜選定され、所望の架橋効果が得られるものであればよいが、通常は、オキサゾリン系、エポキシ系、メラミン系、グアナミン系、イソシアネート系、フェノール系等の架橋剤が好適に用いられる。なお、架橋剤の添加量は、通常上記架橋対象樹脂100重量部に対して0.1〜50の範囲とされるが、表面粗度調整の目的を逸脱しない限り、50重量部を超えて架橋剤を添加しても差し支えない。
【0033】
また、この抵抗調整層4には、導電剤を添加して導電性を付与又は調整することができ、通常は体積抵抗率が1×103〜1×1012Ω・cm、特に1×105〜1×1010Ω・cmとなるように抵抗値を調整することが好ましい。この場合、導電剤としては、上記表面層3及び弾性層2で例示したものと同様の導電剤を例示することができるが、中でもカーボンを用いることが好ましく、特に上記表面層3に用いられるカーボンとして示した特定の酸素含有率及びpHを有するカーボンが好ましく用いられる。導電剤の添加量は、導電剤の種類などに応じて上記体積抵抗率が得られるように適宜調節され、特に制限されるものではないが、導電剤としてカーボンを用いる場合には、通常0.01〜40重量%、特に5〜20重量%程度とされる。
【0034】
この抵抗調整層4には、その目的を逸脱しない範囲で、造膜助剤、顔料分散剤、増粘剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等の適宜な添加剤を必要に応じて適量添加することができる。
【0035】
なお、この抵抗調整層4は、上述のように、水系樹脂を用いて形成することが好ましいが、この水系樹脂以外の樹脂を含有していても差し支えく、また必要に応じてこの抵抗調整層4を複数層形成することもできる。更に、この抵抗調整層4の厚さは、特に制限されるものではないが、通常1〜800μm、特に30〜300μm程度とすることが好ましく、1μm未満であると、十分な抵抗値の調整、表面粗度の調整効果が得られない場合があり、一方600μmを超えると、相対的に弾性層の厚みが薄くなってローラ硬度が高くなったり、コスト高となる場合がある。
【0036】
上記表面層3及び上記抵抗調整層4の形成方法は、特に制限はなく、公知のディピング法、スプレー法、押出成形法などを採用することができるが、通常、各成分を溶剤に溶解又は分散した塗料を調製してディピング法により塗膜を形成する方法が好ましく用いられる。
【0037】
本発明の帯電部材は、上記表面層3の表面、即ち帯電部材の表面に凹凸があると、この凹凸内にトナーが詰まって画像不良の原因となることがあるため、その表面はできるだけ平滑であることが好ましく、特に制限されるものではないが、表面層3の表面粗さ、即ち帯電部材の表面粗さは、JIS10点平均粗さRzで4μm以下、特に3μm以下、さらには2μm以下であることが好ましい。この場合、上記抵抗調整層4を設けることにより、このような良好な平滑性を容易に得ることができる。
【0038】
本発明の帯電部材は、感光ドラム等の被帯電体に当接した状態に配設され、被帯電体と本発明帯電部材との間に電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させるものであるが、この場合、帯電部材と被帯電体との間に印加する電圧は、直流電圧であっても交流電圧であってもよく、特に制限されるものではないが、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加して帯電を行うようにすることが好ましく、これにより被帯電体をより均一に帯電させることができる。また、特に制限されるものではないが、本発明の帯電部材と被帯電体との接触圧力は、50〜2000g、特に100〜1000gとすることが好ましく、これにより良好な帯電を確実に得ることができる。
【0039】
本発明帯電部材を用いた帯電装置については、例えば、図2に示したように、本発明の帯電部材5を感光ドラム等の被帯電体6に所定の圧力で当接させ、電圧印加手段6から被帯電体5との間に電圧を印加するように構成した帯電装置を例示することができるが、これに限定されるものではなく、被帯電体6、帯電部材5の形態や電圧印加手段7による電圧印加方式等は適宜変更して差し支えない。
【0040】
【発明の効果】
本発明の帯電部材は、高温,高湿環境下で長時間連続運転した場合でも、感光ドラムを良好かつ確実に帯電させることができ、感光ドラムの帯電不良による画像不良を生じることなく、きれいな画像を確実に得ることができるものである。
従って、本発明の帯電部材を用いた帯電装置によれば、良好な帯電操作を長期に亘って安定的に行うことができるものである。
【0041】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0042】
フッ素樹脂(旭硝子社製「LF200」)100重量部に対して、カーボン(電気化学工業社製「デンカブラック」)25重量部、及びシリカ粉末(日本アエロジル社製「R972」)を表1に示した割合で添加し、これをメチルエチルケトン溶媒140重量部に溶解し、ペイントシェーカーを用いて表1に示した時間分散させるよりシリカ粉末を分散させて、数種類の表面層用塗料溶液を調製した。なお、用いたシリカ粉末「R972」は、平均粒子径16μm、比表面積110m2/g、見かけ比重50g/lのものである。また、このシリカ粉末「R972」は、粒子表面をCH3グループで化学的に覆うことにより、疎水化処理を施したものである。
【0043】
次に、金属性シャフト1の外周に、厚さ3000μmの下記弾性層2を形成し、該弾性層2上に水系アクリル樹脂に適量のカーボンを添加した抵抗調整用塗料を塗布して厚さ200μmの抵抗調整層4を形成し、更に上記塗料溶液No.1〜12を塗布して、厚さ4μmの表面層を形成して、図1(B)と同様の構成を有する12種類の帯電ローラを作成した。
弾性層
ポリエステル系ポリオール、イソシアネートにカーボンを添加して調製した密度0.55g/cm3のポリウレタンフォームである。
【0044】
得られた各帯電ローラ表面の接触角を測定した。結果を表1に示す。また、各帯電ローラをプリンターに装着して30℃,80%RHの高温,高湿環境下で、24時間連続して画像出しを行い(印刷枚数5000枚)、得られた画像を○△×の3段階で評価した。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
表1に示されいるように、表面層への疎水性粉末(本実施例では、シリカ粉末)の添加により表面層の接触角が増大することが認められ、この場合疎水性粉末(シリカ粉末)の添加量が多いほど接触角も増大し、また分散時間が長くなりすぎると接触角が減少する傾向が見られた。また、疎水性粉末(シリカ粉末)が添加された樹脂組成物からなる表面層を有する帯電ドラムは、高温高湿環境下でも良好な帯電操作を安定的に行うことができ、良好な画像が確実に得られることが認められる。特に、接触角が90°以上の表面層を有するものは、非常に優れた結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる帯電部材を例示する概略断面図である。
【図2】本発明帯電装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 シャフト
2 弾性層
3 表面層
4 抵抗調整層
5 帯電ローラ(帯電部材)
6 感光ドラム(被帯電体)
7 電圧印加手段
Claims (6)
- 被帯電体に当接させて、この被帯電体との間に電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させる帯電部材において、
少なくとも上記被帯電体と接触する部材表面が、基材樹脂としてフッ素樹脂を含有すると共に、疎水化処理を施したシリカ粉末を上記フッ素樹脂100重量部に対して30〜60重量部含有する樹脂組成物からなる表面層で形成され、かつ該部材表面の接触角が90°以上であることを特徴とする帯電部材。 - 上記表面層を形成する樹脂組成物の基材樹脂がフッ素系ブロック重合体である請求項1記載の帯電部材。
- 上記シリカ粉末が、平均粒子径100μm以下、吸油量50ml/100g以上、比表面積30m2/g以上、見かけ比重20〜500g/lの物性を有するものである請求項1又は2記載の帯電部材。
- 上記表面層を形成する樹脂組成物が、ペイントシェーカーを用いて1〜10時間分散することにより、上記シリカ粉末を分散させたものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電部材。
- 上記表面層を形成する樹脂組成物が、導電剤としてカーボン粉末を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電部材。
- 被帯電体に当接し、該被帯電体を帯電させる帯電部材と、被帯電体と帯電部材との間に電圧を印加する電圧印加手段とを具備してなる帯電装置において、上記帯電部材として請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電部材を用いたことを特徴とする帯電装置。
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