JP2017173732A - 導電性部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材30と、基材30上に設けられた弾性層31と、弾性層31上に設けられ、樹脂と絶縁性粒子とを含み、厚み方向の断面において絶縁性粒子が占める面積の割合が50%以上70%以下である表面層32と、を備えた導電性部材121Aである。
【選択図】図2
Description
具体的には、例えば導電性部材を導電性部材を画像形成装置の帯電部材として用いた場合、画像形成に伴って、例えばトナーの外添剤等の絶縁性の高い汚染物質によって導電性部材の外周面が汚染され、導電性部材の抵抗ムラが生じる場合がある。抵抗ムラを有する導電性部材を帯電部材として用いてさらに画像形成を行うと、帯電部材の帯電性(帯電能力)にムラが生じ、帯電ムラに起因する画像濃度ムラが発生することがある。
基材と、
前記基材上に設けられた弾性層と、
前記弾性層上に設けられ、樹脂と絶縁性粒子とを含み、厚み方向の断面において前記絶縁性粒子が占める面積の割合が50%以上70%以下である表面層と、
を備えた導電性部材。
前記表面層は、割れ目を有する請求項1に記載の導電性部材。
前記樹脂は、ポリアミド樹脂を含む請求項1又は請求項2に記載の導電性部材。
前記樹脂は、メトキシメチル化ポリアミド樹脂を含む請求項1又は請求項2に記載の導電性部材。
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の導電性部材を備える帯電装置。
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段であって、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の導電性部材を備える帯電手段と、
を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段であって、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の導電性部材を備える帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
本実施形態に係る導電性部材は、基材と、基材上に設けられた弾性層と、弾性層上に設けられた表面層と、を有する。そして、表面層は、樹脂と絶縁性粒子とを含み、表面層の厚み方向の断面において前記絶縁性粒子が占める面積の割合(以下「絶縁性粒子の面積率」ともいう)が50%以上70%以下である。
なお、本明細書において絶縁性とは、20℃における体積抵抗率が1×1014Ω・cm以上であることを意味する。
特に、例えば導電性部材を、電子写真方式の画像形成装置において像保持体を帯電する帯電部材として用いて画像形成を行うと、次第に導電性部材の外周面が汚染物質によって汚染されることがある。汚染物質としては、例えば、トナーの外添剤等が挙げられる。具体的には、例えば、像保持体に残留したトナーの外添剤等が帯電部材に移行することで、帯電部材として用いられている導電性部材の外周面が汚染されると考えられる。そして、導電性部材の外周面が、トナーの外添剤等の絶縁性の高い汚染物質で汚染されると、汚染された領域における導電性が低く(抵抗が高く)なり、汚染されていない領域における導電性が高い(抵抗が低い)ままとなるため、これらの差に起因する抵抗ムラが生じやすくなる。なお、この導電性部材の外周面の汚染は、使用に伴って次第に増えていき、導電性部材の抵抗の分布(抵抗ムラの程度)が使用履歴に応じて変化していくと考えられる。
そして、抵抗ムラが生じた導電性部材を帯電部材として用いてさらに画像形成を行うと、像保持体を帯電する際に、帯電部材と像保持体との間に絶縁性の汚染物質が存在することで、帯電ムラが発生しやすくなる。そして、像保持体の帯電ムラが発生すると、帯電ムラに起因する画像濃度ムラが発生しやすくなる。
そして、抵抗ムラの発生が抑制された導電性部材を帯電部材として用いて画像形成を行うと、帯電ムラが抑制され、帯電ムラに起因する画像濃度ムラも抑制される。
クライオミクロトーム法により、導電性部材の表面層を厚さ方向に切った切片試料を調製し、この試料を走査型電子顕微鏡により観察して、4μm×4μm四方の領域を任意に10領域選択する。それぞれの領域ごとに絶縁性粒子が占める領域の面積を測定し、それらの平均値を「表面層における絶縁性粒子の面積率」とする。なお、表面層の層厚が4μmに満たない場合は、上記観察面積と同じ面積となるように、観察する領域数を増やす。
図1は、本実施形態に係る導電性部材の一例を示す概略斜視図である。図2は、図1に示す導電性部材のA−A線概略断面図である。
基材は、導電性部材の電極及び支持部材として機能する部材(シャフト)である。
基材の材質としては、例えば、鉄(快削鋼等),銅,真鍮,ステンレス,アルミニウム,ニッケル等の金属が挙げられる。基材としては、外側の面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂部材、セラミック部材)、導電剤の分散された部材(例えば樹脂部材、セラミック部材)等も挙げられる。
基材は、中空状の部材(筒状部材)であってもよいし、非中空状の部材(柱状部材)であってもよく、導電性の部材であることが好ましい。
なお、本明細書において導電性とは、20℃における体積抵抗率が1×1014Ωcm未満であることを意味する。
弾性層は、例えば、弾性材料と導電剤とその他添加剤とを含む。
電子導電剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理した物;等の粉末が挙げられる。
イオン導電剤としては、例えば、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等のオニウム類の過塩素酸塩又は塩素酸塩;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩又は塩素酸塩;等が挙げられる。
導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、平均粒子径は、弾性層を切り出した試料を用い、電子顕微鏡により観察し、導電剤の100個の直径(最大径)を測定し、それを平均(個数平均)することにより算出する。
即ち、弾性層からシート状の測定試料を採取し、その測定試料に対し、JIS K 6911(1995)に従って、測定治具(R12702A/Bレジスティビティ・チェンバ:アドバンテスト社製)と高抵抗測定器(R8340Aデジタル高抵抗/微小電流計:アドバンテスト社製)とを用い、電場(印加電圧/組成物シート厚)が1000V/cmになるよう調節した電圧を30秒印加した後、その流れる電流値より、下記式を用いて算出する。
体積抵抗率(Ωcm)=(19.63×印加電圧(V))/(電流値(A)×測定試料厚(cm))
即ち、弾性層の軸方向両端20mm位置及び中央部の3か所を片刃ナイフで切り取り、切り取った試料の断面を5から50倍の厚みに応じて適切な倍率で観察して、膜厚を測定して、その平均値とする。測定装置は、キーエンス社製、デジタルマイクロスコープVHX−200を用いる。
接着剤層は、必要に応じて設けられる層であり、例えば、接着剤(樹脂又はゴム)を含む組成物によって形成される。接着剤層は、接着剤以外に、必要に応じて、導電剤等のその他添加剤を含む組成物によって形成されてもよい。
樹脂としては、RB(ブタジエン樹脂)、ポリスチレン樹脂(例えば、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンエラストマー等)、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、PE(ポリエチレン樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)、PVC(ポリ塩化ビニル樹脂)、アクリル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸(EMAA)共重合体樹脂、およびこれらの樹脂を変性したもの等の樹脂も挙げられる。
ゴムとしては、例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム)、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、SBR(スチレンブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム等のゴムが挙げられる。
これらの中でも、樹脂又はゴムとして、好ましくは、クロロプレン、エピクロロヒドリンヒドリン、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。
なお、平均粒子径は、接着剤層を切り出した試料を用い、電子顕微鏡により観察し、導電剤の100個の直径(最大径)を測定し、それを平均することにより算出する。
表面層は、樹脂と絶縁性粒子とを含み、必要に応じて導電剤、その他添加剤を含んでもよい。
共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン及び12ナイロンのいずれか1種又は複数種を重合単位として含む共重合体であり、他の重合単位として6ナイロン、66ナイロン等を含んでもよい。
なお、樹脂として、弾性層に配合される弾性材料を適用してもよい。
表面層に用いられる樹脂としては、表面層の電気特性、汚染への耐性、適度な硬度、機械的強度の維持性、導電剤の分散適性、塗膜形成性等の観点から、ポリアミド樹脂(ナイロン)が好ましく、メトキシメチル化ポリアミド樹脂(メトキシメチル化ナイロン)がより好ましい。
樹脂としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記海島構造は、第1樹脂と第2樹脂との溶解度パラメータ(SP値)の差、及び、第1樹脂と第2樹脂との混合比を調整することで形成される。第1樹脂と第2樹脂とのSP値差は、海島構造が形成されやすい観点から、2以上10以下が好ましい。第1樹脂と第2樹脂との混合比は、適度な大きさの島部が形成されやすい観点から、第1樹脂100質量部に対して、第2樹脂を2質量部乃至20質量部混合することが好ましく、5質量部乃至15質量部がより好ましい。
また、第2樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機粒子の具体例としては、例えば、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4、10CaO・3P2O5・H2O、ガラス、雲母等の粒子が挙げられる。
また、絶縁性粒子として、樹脂粒子を用いてもよい。樹脂粒子の具体例としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の粒子が挙げられる。
絶縁性粒子は、これらの中でも、無機粒子が好ましく、抵抗ムラの発生を抑制する観点から、さらにその中でもSiO2、TiO2、Al2O3、ガラス、雲母の粒子がより好ましく、SiO2粒子がさらに好ましい。
絶縁性粒子の体積抵抗率は、次のようにして測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
まず、層中から絶縁性粒子を分離する。そして、20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となる分離した絶縁性粒子を1mm以上3mm以下程度の厚さになるように載せ、絶縁性粒子層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せ絶縁性粒子層を挟み込む。絶縁性粒子間の空隙をなくすため、絶縁性粒子層上に載せた電極板の上に4kgの荷重をかけてから絶縁性粒子層の厚み(cm)を測定する。絶縁性粒子層上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が予め定められた値となるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、絶縁性粒子の体積抵抗率(Ω・cm)を計算する。絶縁性粒子の体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下式に示す通りである。
なお、式中、ρは絶縁性粒子の体積抵抗率(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは絶縁性粒子層の厚み(cm)をそれぞれ表す。本評価では印加電圧が1000Vの時の体積抵抗率を用いた。
・式:ρ=E×20/(I−I0)/L
絶縁性粒子の個数平均粒径が上記範囲であることにより、上記範囲よりも小さい場合に比べて像保持体や導電性部材の汚染が抑制され、上記範囲よりも大きい場合に比べて、絶縁性粒子が導電性部材から脱離して画像に反映することが抑制される。
なお、絶縁性粒子の個数平均粒径は、前述の表面層における絶縁性粒子の面積率の測定と同様にして断面の観察を行い、絶縁性粒子100個の直径(最大径)を測定し、それを平均することにより算出する。
また、表面層における絶縁性粒子の面積率は、50%以上70%以下であり、抵抗ムラの発生の抑制及び表面層の耐久性の観点から、53%以上70%以下が好ましく、55%以上70%以下がより好ましい。
表面層の厚みは、弾性層の厚みと同様な方法により測定される値である。
図3に、本実施形態の導電性部材における表面層及び弾性層の厚み方向における断面の模式図を示し、図4に、本実施形態の導電性部材における表面層の外周面の模式図を示す。
ただし、図3に示す割れ目34はいずれも表面層32を貫通しているが、割れ目34は、少なくとも表面層32の外周面32Aに形成された溝状のものであればよく、必ずしも表面層32を貫通している必要はない。
また、割れ目34は、表面層32の外周面32Aから弾性層31側に向かって形成されていればよく、外周面32Aに対して垂直である必要はない。
導電性部材の表面層32の外周面32Aにおける割れ目34の形状は、特に限定されないが、例えば、図4に示すように、乾燥した大地の地割れのような形状、つまり非秩序的(ランダム)な形状が挙げられる。表面層32の外周面32Aでは、複数の割れ目34が交差してもよく、他の割れ目34と交差しない割れ目34が存在してもよい。
本実施形態の導電性部材では、前述のように、表面層における絶縁性粒子の面積率が前記範囲であるため、従来の導電性部材に比べて表面層の体積抵抗率は高くなる傾向にある。しかしながら、表面層が割れ目を有すると、弾性層の導電性が導電性部材の帯電能力に寄与しやすくなるため、汚染による抵抗ムラの発生を抑制しつつ、高い帯電性が得られると考えられる。そして、抵抗ムラの抑制及び高い帯電性が実現された導電性部材を帯電部材として用いて画像形成を行うと、抵抗ムラに起因する帯電ムラによる画像濃度ムラと、帯電性低下に起因する非画像部におけるカブリと、の両方が抑制される。
ここで、上記表面層における割れ目の面積率は、表面層の外周面全体に対する、割れ目部の面積の割合を意味する。
割れ目の面積率が上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べて表面層の耐久性及び外周面の汚染されにくさが良好となり、上記範囲より小さい場合に比べて帯電性が高くなる。
ここで、上記割れ目の幅の値は、表面層の外周面における割れ目の幅を、割れ目の長さ方向に100μmの間隔で測定した平均の値である。なお、割れ目の幅は、1本の割れ目の長さ方向及び深さ方向において、それぞれ異なる幅となっていてもよい。
割れ目の幅の値が上記範囲であることにより、上記範囲より広い場合に比べて外周面が汚染されにくく、上記範囲より狭い場合に比べて帯電性が高くなる。
また、表面層における割れ目の面積率及び割れ目の幅の値を調整する方法としては、例えば、表面層に添加する絶縁性粒子の含有量により調整する方法が挙げられる。
まず、例えば、円筒状又は円柱状の基材の外周面に弾性層が設けられたロール状部材を用意する。本ロール状部材の製造方法は、特に限定されない。例えば、ゴム材料と、必要に応じて、導電剤と、その他の添加剤とを含む混合物を基材に巻き付け、加熱し加硫させて弾性層を形成する製造方法が挙げられる。
以下、本実施形態に係る帯電装置について説明する。図5は、本実施形態に係る帯電装置の一例の概略斜視図である。本実施形態に係る帯電装置は、帯電部材として、本実施形態に係る導電性部材を適用した形態である。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備える。そして、帯電手段として、本実施形態に係る導電性部材を備える帯電手段、即ち、本実施形態に係る帯電装置を適用する。
なお、画像形成に用いるトナーは、外添剤として、本実施形態に係る導電性部材の表面層に用いる絶縁性粒子の体積抵抗率に対し、同程度(例えば0.9倍以上1.1倍以下)の体積抵抗率を有する外添剤を用いたものが好ましい。それにより、本実施形態の導電性部材の外周面がトナーの外添剤によって汚染されることに起因する抵抗ムラの発生が抑制され、抵抗ムラに起因する帯電ムラによる画像濃度ムラが抑制される。
未定着のトナー像の定着プロセスは、例えば、定着ローラと加圧ローラ又は加圧ベルトとの間に未定着のトナー像が転写された記録媒体Aを挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。
[弾性層の形成]
弾性材料(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム)100質量部に対して、導電剤(カーボンブラック、旭カーボン社製アサヒサーマル)15質量部、加硫剤(硫黄、200メッシュ。鶴見化学工業社製)1質量部、及び加硫促進剤(大内新興化学工業社製ノクセラーDM)2.0質量部を加えた混合物を、オープンロールで混練りし、弾性層形成用組成物を得た。SUS303を材質とする直径8mmのシャフト(基材)の外周面に、接着剤層を介して、プレス成形機を用いて弾性層形成用組成物を巻き付け、温度180℃の炉に入れて30分間加熱処理を施し、シャフト上に
接着剤層を介して層厚3.5mmの弾性層を形成した。
なお、接着剤層は、接着剤(ロードファーイースト社製、品番:XJ150)で構成された層(膜厚:15μm)である。
得られた弾性層の外周面を研磨して、層厚3.0mmの弾性層を有する直径14mmの導電性弾性ロールを得た。
メタノールと1−ブタノールの混合溶剤(メタノール:1−ブタノール=質量比3:1)に第1樹脂としてナイロン樹脂(N−メトキシメチル化ナイロン、鉛市製FR−101)を溶解した第1樹脂溶液(固形分濃度8質量%)100質量部と、メタノールと1−ブタノールの混合溶剤(メタノール:1−ブタノール=質量比3:1)に第2樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業製デンカブチラール)10質量部を溶解し、カーボンブラック(キャボット社製MONARCH880)8質量部を加えて30分間攪拌して調製した第2樹脂溶液と、硬化剤(クエン酸)2質量部と、個数平均粒径0.1μmのシリカ粒子90質量部と、を混合し、ビーズミルにて分散し、分散液を得た。
分散液の温度を18.5℃に調整し、導電性弾性ロールの外周面に、環境温度21℃下にて浸漬塗布し、同温度下に保持して乾燥させた。
その後、160℃で20分間加熱して焼成し、層厚8μmの表面層を形成した。
実施例1の[表面層の形成]において、表1に従って絶縁性粒子の種類、個数平均粒径、及び添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ロールを得た。
なお、表中「−」は、含有されていないことを表す。
実施例1と同様にして導電性弾性ロールを得た。
メタノールと1−ブタノールの混合溶剤(メタノール:1−ブタノール=質量比3:1)に第1樹脂としてナイロン樹脂(N−メトキシメチル化ナイロン、鉛市製FR−101)を溶解した第1樹脂溶液(固形分濃度8質量%)100質量部と、カーボンブラック(キャボット社製MONARCH880)8質量部と、硬化剤(クエン酸)2質量部と、個数平均粒径0.1μmのシリカ粒子54質量部と、を混合し、ビーズミルにて分散し、分散液を得た。
分散液の温度を18.5℃に調整し、導電性弾性ロールの外周面に、環境温度21℃下にて浸漬塗布し、同温度下に保持して乾燥させた。
その後、160℃で20分間加熱して焼成し、層厚8μmの表面層を形成した。
[表面層の特性]
既述の通りにして、走査型電子顕微鏡(SEM)により、表面層における絶縁性粒子の面積率を測定した。また、既述の方法で、表面層における割れ目の有無、割れ目の面積率、及び割れ目の幅の値を求めた。結果を表1に示す。
富士ゼロックス製カラー複写機DocuCentre Color450のプロセスカートリッジに、作製した帯電ロールを搭載し、温度10℃、相対湿度15%の環境下で、ハーフトーン画像(画像濃度50%)を出力し、10枚目及び1万枚目において画像の濃度ムラを目視で観察し、下記のとおりに分類した。
なお、画像形成に用いるトナーは、外添剤としてシリカ粒子(個数平均粒径:0.3μm、体積抵抗率:1×1016Ω・cm)のみを含むものを用いた。
G2(○):よく観察してようやく識別できる程度の濃度ムラが2箇所以下である。
G3(△):よく観察してようやく識別できる程度の濃度ムラが3箇所以上であるが、許容できる。
G4(×):明らかに識別できる程度であり、許容できない。
富士ゼロックス製カラー複写機DocuCentre Color450のプロセスカートリッジに、作製した帯電ロールを搭載し、温度10℃、相対湿度15%の環境下で、画像部と非画像部とを有する画像を出力し、10枚目及び1万枚目において、非画像部におけるカブリを目視で観察し、下記のとおりに分類した。
なお、画像形成に用いるトナーは、外添剤としてシリカ粒子(個数平均粒径:0.3μm、体積抵抗率:1×1016Ω・cm)のみを含むものを用いた。
G2(△):よく観察してようやく識別できる程度であり、許容できる。
G3(×):明らかに識別できる程度であり、許容できない。
Claims (7)
- 基材と、
前記基材上に設けられた弾性層と、
前記弾性層上に設けられ、樹脂と絶縁性粒子とを含み、厚み方向の断面において前記絶縁性粒子が占める面積の割合が50%以上70%以下である表面層と、
を備えた導電性部材。 - 前記表面層は、割れ目を有する請求項1に記載の導電性部材。
- 前記樹脂は、ポリアミド樹脂を含む請求項1又は請求項2に記載の導電性部材。
- 前記樹脂は、メトキシメチル化ポリアミド樹脂を含む請求項1又は請求項2に記載の導電性部材。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の導電性部材を備える帯電装置。
- 像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段であって、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の導電性部材を備える帯電手段と、
を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段であって、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の導電性部材を備える帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
Priority Applications (3)
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