JP5936753B2 - 現像装置、及びマグネットローラ - Google Patents

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Description

本発明は、現像剤担持体の内側にマグネットローラを非回転に配置した現像装置、詳しくはマグネットローラの長手方向の端部の段差部分における現像剤担持体表面の現像剤の過剰を緩和する構造に関する。
現像装置が、トナーを含む一成分現像剤又は二成分現像剤を用いて、像担持体に形成された静電像をトナー像に現像する画像形成装置が広く用いられている。現像装置は、内側にマグネットローラを非回転に配置した現像剤担持体(現像スリーブ)に現像剤を担持させて、像担持体の静電像を現像する(図2参照)。
マグネットローラは、長手方向に連続したN磁極とS磁極とが外周面に配置され、非磁性体の現像剤担持体を貫通して隣接するN磁極とS磁極との間を連絡する磁束が、現像剤を現像剤担持体の表面に磁気的に担持させる。
特許文献1には、扇形断面のマグネットピースを支持シャフトの周囲に接着固定してマグネットローラを形成するマグネットローラの製造方法が示される。
ところで、図2に示すように、マグネットローラ29は、回転する円筒状の現像スリーブ28(現像剤担持体)の表面との距離を一定に保てるように、外周面が円柱状に形成されている。しかし、一般的に、永久磁石の磁極面のエッジ部分では、エッジの内側の磁極面よりも磁束密度が高まって磁力が強くなるため、マグネットローラ29の長手方向の端面の角部でも、長手方向の内側の円筒面上よりも磁束密度が高まる。
このため、マグネットローラ29の長手方向の端面に対応する位置の現像スリーブ28の表面には、局所的に、マグネットローラ29の円周面に対応する位置よりも多くの現像剤が担持されてしまう。その結果、現像剤が多く担持された部分では、規制ブレード30の加圧力が高まって摺擦による現像剤の劣化が進んだり、画像面に線状の現像ムラが発生したりする(特許文献2)。
そこで、特許文献2では、マグネットローラの長手方向の端面における磁力の盛り上がりを軽減するために、円柱状のマグネットローラの両端部の外表面に面取りを施している。図7に示すように、長手方向の外側へ向かってマグネットローラ29の端部の直径を次第に小さくして、マグネットローラ29の表面と現像スリーブ28表面との距離を次第に拡大させている。これにより、マグネットローラ29の両端部の角部における磁力の盛り上がりを相殺していた。
特開平1−115109号公報 特開平10−91002号公報
特許文献2に示されるように、マグネットローラの外径を長手方向で変化させると、マグネットローラの端部の内側に新たな磁気力の盛り上がりが形成されて、現像剤担持体における現像剤の担持ムラを発生していることが判明した(図10参照)。外径を変化させた位置に磁束密度の高い部分が形成されて周囲よりも現像剤の担持量が増えるからである。
また、マグネットローラの円周面におけるN磁極とS磁極は、それぞれの個数が異なる場合やそれぞれの合計磁束量が異なる場合がある。この場合、N磁極とS磁極とでマグネットローラの長手方向両端部の磁気力の盛り上がり量が異なってくる。
本発明は、マグネット部材の長手方向両端部の外表面に段差や切欠きを設けなくても、マグネット部材の長手方向両端部の磁気力の盛り上がりを軽減して、現像剤の劣化や現像ムラを軽減できる現像装置及びマグネットローラを提供することを目的としている。
本発明の現像装置は、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の内側に配置されたマグネット部材と、を備えたものである。そして、前記マグネット部材は、外表面が第1極性である第1のマグネット部と、外表面が前記第1極性とは異極となる第2極性である第2のマグネット部と、を周方向に備え、前記第1のマグネット部に対応する磁極の数の方が、前記第2のマグネット部に対応する磁極の数よりも多く、前記マグネット部材の長手方向と直交する断面をみたとき、前記第1のマグネット部の長手方向両端部の内表面は、長手方向中央部の内表面よりも、前記マグネット部材の中心軸線から離れた位置にあり、かつ、前記内表面は、前記外表面に向かって凹んだ円弧状を為している。
別の発明の現像装置は、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の内側に配置されたマグネット部材と、を備えたものである。そして、前記マグネット部材は、外表面が第1極性である第1のマグネット部と、外表面が前記第1極性とは異極となる第2極性である第2のマグネット部と、を周方向に備え、前記第1のマグネット部に対応する磁極の数の方が、前記第2のマグネット部に対応する磁極の数よりも多く、前記マグネット部材の長手方向と直交する断面をみたとき、前記断面に占められる前記第1のマグネット部の割合は、前記マグネット部材の長手方向中央部よりも長手方向両端部の方が小さくなるように、前記第1のマグネット部の長手方向両端部の内表面は、長手方向中央部の内表面よりも前記マグネット部材の中心軸線から離れた位置に設けられている。
本発明の現像装置では、第1のマグネット部材の長手方向両端部の内表面において磁性体材料を部分的に少なくして長手方向の両端部の外表面の角部における磁束の集中を緩和している。このため、マグネットローラの外表面に段差を形成する必要が無い。
したがって、マグネットローラの外径の変化をできるだけ無くした状態でマグネットローラの端部の磁気力の盛り上がりを軽減して、現像剤の劣化や現像ムラを軽減できる。
画像形成装置の構成の説明図である。 長手方向に垂直な断面における現像装置の構成の説明図である。 長手方向に沿った断面における現像装置の構成の説明図である。 従来のマグネットローラの構成の説明図である。 マグネットローラの境界条件の説明図である。 現像スリーブ表面における長手方向の磁束密度分布の説明図である。 比較例のマグネットローラの構成の説明図である。 永久磁石が発生する磁束の説明図である。 磁化方向に永久磁石を短くする効果の説明図である。 現像スリーブ表面における長手方向の磁束密度分布の説明図である。 実施例1のマグネットローラの構成の説明図である。 現像スリーブ表面における長手方向の磁束密度分布の説明図である。 実施例2のマグネットローラの構成の説明図である。 実施例3のマグネットローラの構成の説明図である。 実施例4のマグネットローラの構成の説明図である。 実施例5のマグネットローラの構成の説明図である。 現像スリーブ表面における磁極ごとの長手方向の磁束密度分布の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、マグネットローラの端部における外周面から離れた位置でマグネットローラの磁束密度分布が調整されている限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、二成分現像剤のみならず一成分現像剤を使用する現像装置でも実施できる。二成分現像剤のものにおいては、現像室と撹拌室を上下に配置する縦型の現像装置みならず、現像室と撹拌室を水平に並べて配置する横型の現像装置でも実施できる。そのような現像装置は、タンデム型/1ドラム型、中間転写型/記録材搬送型、枚葉転写型の画像形成装置において、区別無く実施できる。
本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途の画像形成装置で実施できる。
なお、特許文献1、2に示される現像装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト5に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
中間転写ベルト5は、ローラ61、62、63に懸架され、矢印R2方向に移動自在とされる。画像形成部Paでは、感光ドラム1aにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト5に転写される。画像形成部Pbでは、感光ドラム1bにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト5に転写される。画像形成部Pc、Pdでは、それぞれ感光ドラム1c、1dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト5に転写される。
中間転写ベルト5に転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Pへ二次転写される。ピックアップローラ13によって記録材カセット12から取り出された記録材Pは、分離ローラ11で1枚ずつに分離して、レジストローラ14へ給送される。レジストローラ14は、中間転写ベルト5のトナー像にタイミングを合わせて二次転写部T2へ記録材Pを送り出す。トナー像を転写された記録材Pは、定着装置16で加熱加圧を受けて、表面にトナー像を定着された後に、排出トレイ17へ排出される。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、現像装置4a、4b、4c、4dで用いるトナーの色が異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部Paについて説明し、画像形成部Pb、Pc、Pdについては、画像形成部Paの構成部材に付した符号末尾のaをb、c、dに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部Paは、感光ドラム1aの周囲に、コロナ帯電器2a、露光装置3a、現像装置4a、一次転写ローラ6a、ドラムクリーニング装置19aを配置している。
感光ドラム1aは、アルミニウムシリンダの外周面に負極性の帯電極性を持たせた感光層が形成され、所定のプロセススピードで矢印方向に回転する。コロナ帯電器2aは、感光ドラム1aの表面を一様な負極性の暗部電位VDに帯電させる。露光装置3aは、レーザービームを回転ミラーで走査して、帯電した感光ドラム1aの表面に画像の静電像を書き込む。現像装置4aは、静電像を現像して、感光ドラム1aの表面にトナー像を形成する。
一次転写ローラ6aは、中間転写ベルト5の内側面を押圧して、感光ドラム1aと中間転写ベルト5との間にトナー像の転写部を形成する。一次転写ローラ6aに正極性の直流電圧を印加することにより、感光ドラム1aに担持された負極性のトナー像が中間転写ベルト5へ一次転写される。ドラムクリーニング装置19aは、記録材Pへの転写を逃れて感光ドラム1aに残った転写残トナーを回収する。
なお、本実施形態では、像担持体としてドラム状の有機感光体である感光ドラム1aを使用したが、アモルファスシリコン感光体等の無機感光体を使用してもよく、ベルト状の感光体を用いることも可能である。帯電方式、現像方式、転写方式、クリーニング方式、定着方式に関しても、上記方式に限られるものではない。
<現像装置>
図2は長手方向に垂直な断面における現像装置の構成の説明図である。図3は長手方向に沿った断面における現像装置の構成の説明図である。図2に示すように、現像装置4aは、現像剤として非磁性トナーと磁性キャリアとを混合した二成分現像剤を使用する。現像装置4aは、現像スリーブ28にトナーとキャリアを含む現像剤を担持して感光ドラム1aの静電像を現像する。感光ドラム1aは、矢示R1方向に273mm/secのプロセススピード(周速度)で回転する。現像容器22は、現像スリーブ28に現像剤を供給する現像室23と現像スリーブ28から現像剤を回収する攪拌室24とを縦に並べて配置する。
図3に示すように、現像容器22を隔壁27で仕切って構成される現像室23と攪拌室24は、現像剤を撹拌しつつ搬送する現像剤の循環経路を構成している。現像室23の下方に攪拌室24が配置され、現像室23には現像スクリュー25が回転可能に設けられ、攪拌室24には攪拌スクリュー26が回転可能に設けられている。現像スクリュー25と攪拌スクリュー26は、現像室23と攪拌室24の現像剤を逆方向に搬送して、現像容器22内を循環させる。隔壁27は、長手方向の両端部で垂直方向に現像剤を受け渡す開口部27A、27Bを設けられている。
図2に示すように、現像容器22の感光ドラム1aに対向する領域に現像スリーブ28が回転可能に配置されている。現像容器22の感光ドラム1aに対向した現像領域に相当する位置に開口部があり、この開口部に現像スリーブ28が感光ドラム1a方向に一部露出するように回転可能に配設されている。現像スリーブ28は、アルミニウムやステンレスのような非磁性材料で構成され、直径は20mm、感光ドラム1aの直径は80mmである。現像スリーブ28と感光ドラム1aとの最近接領域を約300μmの距離とすることによって、現像部に搬送した現像剤を感光ドラム1aと接触させた状態で、現像が行なえるように設定されている。
現像領域では、現像スリーブ28は、感光ドラム1aの表面の移動方向と順方向で移動し、周速比は、対感光ドラム1.75倍である。この周速比は、0〜3.0倍の間で設定され、好ましくは、0.5〜2.0倍の間に設定される。周速比は、大きくなればなるほど現像効率はアップするが、大きすぎると、トナー飛散、現像剤劣化等の問題点が発生するので、上記の範囲内で設定することが好ましい。
現像スリーブ28の内側には、非磁性体の現像スリーブ28に現像剤を拘束するため、表面に複数の磁極N1、S1、N3、N2、S2、N3を配置して非回転に支持されたマグネットローラ29が配置される。現像極S2は、現像部における感光ドラム1に対向して配置される。磁極S1は、規制ブレード30に対向して配置される。磁極N2は、磁極S1、S2の間に配置される。磁極N1及びN3は、現像室23及び攪拌室24にそれぞれ対向して配置される。各々の磁極の磁束密度の大きさは40mT〜70mTとしたが、現像に供されるS2極は100mTとした。
現像スリーブ28は、マグネットローラ29の磁界によって現像剤を担持して矢印R28方向に回転し、規制ブレード30による磁気ブラシの穂切りによって現像剤の層厚を規制される。規制ブレード30は、現像スリーブ28の長手方向軸線に沿って延在した板状のアルミニウムなどで形成された非磁性材料で構成され、感光ドラム1aよりも現像スリーブ回転方向上流側に配設されている。規制ブレード30の先端部と現像スリーブ28との間を現像剤のトナーとキャリアの両方が通過して現像領域へと送られる。
規制ブレード30の現像スリーブ28の表面との間隙(ギャップ)を調整することによって、現像スリーブ28上に担持した現像剤磁気ブラシの穂切り量が規制されて現像領域へ搬送される現像剤量が調整される。規制ブレード30と現像スリーブ28は、間隙を200〜1000μm、好ましくは300〜700μmに設定される。ここでは、500μmに設定して、規制ブレード30によって、現像スリーブ28上の単位面積当りの現像剤コート量を30mg/cmに規制している。
現像スリーブ28は、規制ブレード30によって層厚を規制された二成分現像剤を、感光ドラム1aと対向した現像領域に搬送し、感光ドラム1a上に形成された静電像に現像剤を供給してトナー像に現像する。現像部では、マグネットローラ29の磁極S2によって穂立ちした二成分現像剤の磁気ブラシが感光ドラム1aの表面を摺擦する。この時、現像効率、つまり、静電像へのトナーの付与率を向上させるために、電源D28は、直流電圧Vdcに交流電圧を重畳した振動電圧を、現像バイアス電圧として現像スリーブ28に印加する。ここでは、−500Vの直流電圧Vdcと、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vppが800V、周波数fが12kHzの交流電圧を用いたが、直流電圧、交流電圧条件は、これに限られるものではない。
このような二成分磁気ブラシ現像法においては、一般的に、交流電圧を印加すると現像効率が増して画像は高品位になるが、逆に画像の白地部にトナーが付着するかぶり画像が発生し易くなる。このため、現像スリーブ28に印加する直流電圧Vdcと感光ドラム1aの帯電電位(即ち白地部電位)との間にかぶり取り電位Vbackを設けることにより、かぶり画像を防止している。
<従来のマグネットローラ>
図4は従来のマグネットローラの構成の説明図である。図5はマグネットローラの境界条件の説明図である。図6は現像スリーブ表面における長手方向の磁束密度分布の説明図である。
図4に示すように、従来のマグネットローラ129は、非磁性体の支持シャフト140の周囲に磁性体からなる複数のマグネットピース141を放射状に貼り付けて構成している。マグネットローラ129は、長手方向のどの部分においても、場所に拠らずほぼ同様の磁極断面パターンが得られる必要がある。このため、複数のマグネットピース141は、各々支持シャフト140の長手方向で磁束密度の大きさが変化しないように磁化を調整されている。
図5に示すように、マグネットローラ129の任意の部分を輪切りにして磁界を考えると、マグネットローラ129が周囲の空間に形成する磁力線(磁束)は専らマグネットローラ129の周方向に形成され、長手方向には形成されない。長手方向に隣接する断面の磁化が等しいため、長手方向の磁化(磁束密度差)が0となって長手方向の磁束が形成されないからである。
言い換えれば、マグネットローラ129の磁極の断面構成が支持シャフト140方向で変化しない場合、任意の輪切り断面に対して周期境界条件を適用できるため、マグネットローラ129の長手方向には磁力線が伸びない。なぜなら、仮に長手方向に磁力線が伸びるとすると、周期境界条件が適用可能な対称性が失われることとなり、矛盾が生じるからである。
したがって、マグネットローラ129の端部を除いた大部分に関して言えば、周期境界条件が適用できるため、マグネットローラ129の長手方向に磁力線が伸びない。しかし、マグネットローラ129の端部においては、周期境界条件が適用できないため、上記議論が成り立たない。マグネットローラ129の端部においては、外側に向かって伸びる磁束や端面を周回して中心側へ回り込む磁束が追加的に発生する。マグネットローラ129の端部においては、マグネットローラ129の周方向だけでなく、長手方向にも磁力線が形成されるため、内側の部分よりも磁束密度が高くなる。
図6に示すように、現像スリーブの表面に沿って長手方向にホール素子を移動させて現像スリーブの表面における長手方向の磁束密度分布を測定した。その結果、マグネットローラ129の端部に対応する長手方向の位置で、磁束密度が局所的に高まって磁気特性が盛り上がっていることが確認された。このような磁気特性の盛り上がりは、エッジ効果と呼ばれている。
このようなエッジ効果があると、マグネットローラ129の端部に対応する位置の現像スリーブ表面のみ現像剤の穂立ち量が多くなる。現像剤の穂立ち量が多くなると、その部分のみ現像スリーブに対向する感光ドラムに強く接触して、著しい場合には現像剤が感光ドラム表面を傷付けてしまう恐れがある。
仮に感光ドラムが傷つかないとしても、エッジ効果のような急激な磁束密度の変化は、現像スリーブ上の現像剤量の急激な変化を引き起こすので、部分的に現像性の差が生じ、結果として濃度差として認識される不良画像となりやすい。
また、現像剤が感光ドラムへ移行し易くなる結果、図1に示すように、現像装置4aよりも下流に存在するドラムクリーニング装置19a、二次転写ローラ10、定着装置16などに影響を与える恐れもある。
<比較例>
図7は比較例のマグネットローラの構成の説明図である。図8は永久磁石が発生する磁束の説明図である。図9は磁化方向に永久磁石を短くする効果の説明図である。図10は現像スリーブ表面における長手方向の磁束密度分布の説明図である。
上述したように、特許文献1(特開平1−115109号公報)及び特許文献2(特開平10−91002号公報)では、マグネットローラ29の両端部の外径を小径にすることで、エッジ効果による磁気特性の盛り上がりを補正する提案がされている。
図7に示すように、マグネットローラ29の両端部の外径を中央部よりも小径に構成して、エッジ効果の無い長手方向で平坦な磁気特性が得られるようにしている。マグネットピース41の磁力は、マグネットピース41の体積の増減に対応して変化するため、マグネットピース41の体積を変更することで、磁束密度を減らすことが可能である。マグネットローラ29の両端部でマグネットローラ29の外径をなだらかに小さくすることで、エッジ効果による両端部の磁気特性を補正して磁気特性の盛り上がりを軽減することができる。
図8に示すように、この点について詳しく述べると、一般的な永久磁石の磁束密度は磁束線の密度によって定義されるが、磁束線は磁力線と磁力線の(ベクトル的な)足し合わせとして表すことができる。これは、磁束密度Bが磁場Hと磁化M(に透磁率μをかけたもの)の足し算(B=H+μM)で表現できることに対応する。図8には棒磁石を例にしてこれらの関係を表現した。
磁束線は、その性質として、磁束に関するガウスの法則divB=0(磁束保存の式)を満たすことから、すべての点において湧き出しも吸い込みもないことが特徴である(磁荷が存在しないことと同義)。つまり、永久磁石の内部の磁化Mが変化すると、磁束線が保存されることから外部の磁化も変化することとなる。
図9に示すように、したがって、永久磁石の長さを変化させて、磁石の体積を小さくすると、永久磁石の磁化Mも小さくなるので、磁石外部の磁束線も変化し、磁束密度が小さくなる。マグネットローラ29の両端部の外径を小さくする構成では、両端部においてマグネットピース41の体積が小さくなるので、端部の磁束密度は小さくなり、エッジ効果による磁気特性の盛り上がりが軽減される。
しかし、発明者らの検討によれば、このような構成においても、直径の変化する部分に対応してリップル状の急激な磁気特性の変化が生じ易く、平坦化という目的に対して未だ十分な構成とは言い難いことがわかった。図7の構成では、発明者らの検討によると、現像スリーブ表面で測定した磁束密度の長手方向の分布は、完全に平坦にはならずに、リップル状の盛り上がりが残り易いことがわかった。
図10に示すように、マグネットローラ29の両端部の外径を小さくした場合についても、現像スリーブ28の表面に沿って長手方向にホール素子Hを移動させて現像スリーブ28の表面における長手方向の磁束密度分布を測定した。その結果、マグネットローラ29の端部の角部に対応する位置の磁気特性の盛り上がりは補正できている。しかし、マグネットローラ29の端部の内側に、リップル状の出っ張りが新たに生じている。これは、径の変化するエッジ部に磁力線が集中し易いことによる。エッジ部に磁力線が集中し易い理由は、外径が変化した部分では、上述したように、周期境界条件が適用できないことによる。
リップル形状の急激な磁気特性の変化が生じる理由は、マグネットローラ29の径が変化する部分に、磁力線(磁束)が集中し易いためである。直径の変化する部分では周期境界条件が成立しないことから、磁力線(磁束)が周方向だけでなくマグネットローラ29の長手方向にも回り込み始めて磁束密度が高くなる。さらに、現像スリーブ28表面に近いマグネットローラ29の外径部分を変化させているため、磁気特性の変化が現像スリーブ28表面位置の磁束密度に影響を与え易いことも大きく関係している。
現像スリーブ28が現像剤を保持するのは、現像スリーブ28の表面なので、マグネットローラ29によって形成する磁界のうち、現像スリーブ28表面位置の磁気特性が最も重要である。従って、磁気特性のリップル状の盛り上がりの解決には、マグネットローラ29が作る磁界のうち、現像スリーブ28の表面位置の磁束密度を平坦化することが必要である。
この点、図10に示すように、マグネットローラ29の外径を変化させた場合、現像スリーブ28の表面位置に近い部分で直径が変化するエッジ部分が新たに追加されている。このため、マグネットローラ29の長手方向の磁力線(磁束)の回り込みが現像スリーブ28の表面位置の磁束密度に影響を及ぼして、直径が変化する部分に対応してリップル状の急激な磁気特性の変化が生じ易くなる。
磁気特性のリップル状の変化は、先にも述べたように濃度差を伴う不良画像となりやすい懸念がある。このため、特許文献1、2に提案される構成では、エッジ効果による磁気特性の盛り上がりに対する対策としては未だ十分とは言い難い。
そこで、以下の実施例では、マグネットローラの両端部におけるエッジ効果を抑制することで、現像剤の穂立ちの状態を改善し、これによって良好な画像形成状態を維持している。
<実施例1>
図11は実施例1のマグネットローラの構成の説明図である。図12は現像スリーブ表面における長手方向の磁束密度分布の説明図である。
図11に示すように、磁性部材の一例であるマグネットローラ29は、現像剤担持体の一例である現像スリーブ28の内側に非回転に配置され、両端面まで均一な直径の円柱状の外周面を持たせて形成されている。マグネットローラ29は、長手方向の端部の方が中央部よりも、現像スリーブ28の回転中心側を占めるマグネットローラ29の体積が少ない。なお、「体積を少なくする」方法は、マグネットピース41から磁性材料が除去される方法には限らない。製品状態において磁性材料が除去されているような外観上の特徴を有しておればよく、現実に「磁性材料が除去されていないブロックの状態から最終形状に削り出す」製造方法には限定されない。
マグネットローラ29は、マグネットローラ20の中心軸線上に配置した支持シャフト40の周囲に、マグネットローラ20の中心軸線に垂直な断面形状が扇形のマグネットピース41を複数配置して構成される。そして、マグネットローラ20の長手方向と直交する断面をみたとき、マグネットピース41の長手方向両端部の内表面は、長手方向中央部の内表面よりも、マグネットローラ20の中心軸線から離れた位置にあり、かつ、内表面は、外表面に向かって凹んだ円弧状を為している。
実施例1のマグネットローラ29について詳しく説明する。マグネットローラ29の中心部には、丸軸の支持シャフト40が設けられている。実施例1においては、図2に示すように磁極は5個で構成されているので、支持シャフトの周りに5つの磁極N1、S1、N2、S2、N3を形成すべく、各々の磁極に対応する位置に5個のマグネットピース41を貼り合わせて構成されている。
なお、磁極の数が5個でなくとも、また、マグネットピースの数が5個でなくとも、さらに、マグネットピースを貼り合せる構成でなくとも、本発明が適用可能なこことは言うまでもない。
支持シャフト40としては、実施例1においてはステンレススチールを用いたが、これに限られるものではなく、例えば鉄のような金属などある程度の剛性を持つ材料であれば、何を用いてもかまわない。形状に関しても、実施例1においては丸軸としたが、その他の形でもかまわない。
マグネットピース41は、特許文献1に示されるように、樹脂やゴム等をベースにした樹脂磁石や焼結磁石等の周知の磁石で構成すればよい。実施例1においては、個々のマグネットピース41を扇形が延伸した形状に形成し、これらを支持シャフト40に接着剤等で放射状に貼り合わせてマグネットローラ29を構成した。
ここで、図4のマグネットローラ129のように、マグネットピース141の断面形状を両端部も含めて長手方向全域にわたり同一形状に形成すると、両端部においてエッジ効果による磁気特性の盛り上がりが発生してしまう。
また、図7のマグネットローラ29のように、マグネットローラ29の両端部においてマグネットピース41の外周を切り欠くことで体積を減らした場合、両端部の内側に磁気特性のリップル状の変化が発生してしまう。
図11に示すように、そこで、実施例1では、マグネットローラ29の外径部分を切り欠くのではなく、内表面を支持シャフトから離れた位置まで円柱状に切り欠くことで磁性材料の体積を減らしている。マグネットピース41の外径部分ではなく内側を切り欠いても、マグネットローラ29の両端部でマグネットピース41の体積が減っている。このため、外径部分を切り欠いた時と同様に、マグネットピース41の外部における磁束密度を減らすことが可能である。これは、先に述べた磁束線の保存の観点からも理解できる。なお、「内表面側を切り欠く」方法は、現実に「内表面側を切り欠いていないブロックの状態から一部分を切り欠く」製造方法には限定されない。
図12に示すように、実施例1のマグネットローラ29についても、現像スリーブ28の表面に沿って長手方向にホール素子Hを移動させて現像スリーブ28の表面における長手方向の磁束密度分布を測定した。図12には、実施例1のマグネットローラ29の断面図に対応させて現像スリーブ28の表面における長手方向の磁束密度分布の測定値が表されている。実施例1の切り欠き構成によれば、両端部において元々存在するエッジ効果による磁気特性の盛り上がりを軽減することができるため、マグネットローラ29の端部において平坦な磁気特性を得ることが可能となる。
また、この時、外径を変化させた場合のようなリップル状の磁気特性の変化は見られなかった。実施例1においても、マグネットピース41の内側の切り欠き部分では、支持シャフト40の軸方向への磁力線(磁束)の回り込みが存在する。
しかし、回り込みの存在する位置が現像スリーブ28の表面から大きく離れているため、現像スリーブ28の表面では影響をほとんど受けない。そのため、外径を変化させた場合のようなリップル状の急激な磁気特性の変化は見られない。
実施例1のマグネットローラ29によれば、マグネットピースの長手両端部の支持シャフト側内面を切り欠くことで、現像スリーブ近傍に新たな磁束線の回り込みを発生させることなく、エッジ効果を抑制できる。これによって、現像剤の穂立ちの状態を改善し、良好な画像形成状態を維持することができる。
実施例1では、マグネットローラ29を構成するマグネットピース41の材質は、樹脂マグネットとしたが、例えば焼結フェライトマグネットでもかまわない。ただし、焼結マグネットはもろく破損しやすい欠点があり、また、焼結時に収縮しやすく、マグネット形状制御に限界がある。そのため、両端部形状を変化させてエッジ効果の補正を行う実施例1の構成には、形状を制御しやすい樹脂マグネットが適している。
実施例1では、複数のマグネットピースを貼り合わせてマグネットローラ29を構成したが、マグネットローラ29の全体を一体に構成した場合にも、本発明は適用可能である。
<実施例2>
図13は実施例2のマグネットローラの構成の説明図である。図12に示すように、実施例1のマグネットローラ29においては、マグネットピース41の両端部を一定の深さまで長手方向に均一な厚みで円柱状に切り欠いていた。
図13に示すように、実施例2では、マグネットピース41の両端部をテーパー状に切り欠いている。このような構成においては、エッジ効果が端部に行くほど顕著になることにうまく対応して磁気特性を平坦化することが可能である。また、切り欠いたエッジ部がなだらかなので、製造時の取り扱い時において、衝突破損などのおもわぬ事故を抑制することも可能である。
<実施例3>
図14は実施例3のマグネットローラの構成の説明図である。実施例1、2においては、マグネットピース41の内側のみ切り欠いて、外径は両端部を含めて全体が一定に形成されている。これは、先に述べたように、現像スリーブ28に近い位置でマグネットローラ29の直径を変化させると、その部分で、リップル状の磁気特性変化が発生するからである。
しかし、エッジ効果が大きく、内側の切り欠きだけでエッジ効果による磁気特性の盛り上がりを軽減できない場合などは、マグネットピース41の内側のみ切り欠いても対処できない場合がある。
図14に示すように、そこで、実施例3では、内側だけでなく外径部分を同時に少し変化させている。内側と外径を同時に変化させると、マグネットピース41の体積減少による磁束密度軽減効果とともに、マグネットピース41が現像スリーブ28の表面から離れることによる軽減効果も期待できる。このため、二重の意味で磁束密度を減らすことができて有利である。このような場合でも、外径のみを変化させた場合に比較すれば、リップル状の磁気特性の発生を軽減しつつ、エッジ効果による磁気特性の盛り上がりを抑制することが可能である。
<実施例4>
図15は実施例4のマグネットローラの構成の説明図である。実施例1、2、3では、マグネットピース41の端部を切り欠いた後の開口部をそのまま放置していた。
図15に示すように、これに対して、実施例4では、マグネットピース41の磁性材料が除去された体積が非磁性材料で埋め合わせられている。切り欠いて形成された開口部に非磁性材料の詰め物を配置している。
実施例4では、マグネットローラ29の内側を切り欠くことで課題の解決を行うが、内側を切り欠くと、その切り欠き部分が支持シャフト40と接着されていないため、強度的に不安が残る。
そこで、実施例4においては、切り欠き形状に合わせて支持シャフト40を膨らまし、その膨らました支持シャフト40にマグネットピース41を接着する構成とした。これにより、強度的な懸念を無くすことができる。
具体的には、図15に示すように、支持シャフト40とは別に、切り掻き形状に合わせた円筒状の埋め部材42を用意した。そして、支持シャフト40にマグネットピース41を貼り付けた後に、支持シャフト40に円盤状の埋め部材42を通して支持シャフト40の直径を部分的に膨らましている。そして、埋め部材42と支持シャフト40およびマグネットピース41は、接着剤で貼り合わせた。
この時、埋め部材42は非磁性材料であることが望ましい。埋め部材42を磁性材料とすると、磁性材料が磁化されて磁石外部の磁束密度が増加するため、エッジ効果による磁気特性の盛り上がりを軽減しづらいからである。実施例4においては、埋め部材42を非磁性材料であるABS樹脂で構成した。ちなみに、埋め部材42と支持シャフト40は最初から一体構成としても構わない。
なお、支持シャフト40に関しても、同様な理由で非磁性で構成するほうが好ましく、実施例4においては先に述べたようにステンレススチールで構成した。
<実施例5>
図16は実施例5のマグネットローラの構成の説明図である。図17は現像スリーブ表面における磁極ごとの長手方向の磁束密度分布の説明図である。
実施例1、2、3、4では、支持シャフト40の周囲に配置された5個のマグネットピース41の端部の中心側を同一直径に切り欠いていた。これに対して、実施例5では、外周面がN極のマグネットピース3個については外周面がS極のマグネットピース2個よりも切り欠きの直径を大きくしている。
図16の(a)に示すように、マグネットローラ29は、回転する現像スリーブ(28)の表面との距離を一定に保てるように、全体が円柱状に形成されている。このため、マグネットローラ29の長手方向の端面の角部では、端面に沿って中心へ向かう磁束の回り込みが発生して、内側の円筒面上よりも磁束が多く発生する。永久磁石の磁極面のエッジ部分では、磁極面の内側よりも磁束が集中して磁化が高まるからである。
図7に示すように、特許文献2では、マグネットローラ29の長手方向の端面の角部における磁化の高まりはN磁極とS磁極とで同一であると想定して、マグネットローラ29の端部をN磁極もS磁極も一様なテーパ状に仕上げていた。
しかし、図7のマグネットローラ29の長手方向の磁束密度分布を測定したところ、N磁極とS磁極とではマグネットローラ29の長手方向の端面の角部における磁化の高まりパターンが異なることが判明した。
図17の(b)に示すように、N磁極のマグネットピース41に沿ってホール素子Hを移動させて現像スリーブ28表面の長手方向の磁束密度分布を測定した。その結果、マグネットローラ29の端部に相当する位置では磁束密度の大きな高まりが観察された。
しかし、図17の(c)に示すように、S磁極のマグネットピース41に沿って現像スリーブ28表面の長手方向の磁束密度分布を測定したところ、マグネットローラ29の端部に相当する位置では磁束密度の高まりが観察されなかった。
これは、図2に示すように、マグネットローラ29の外周面のN磁極数がS磁極数よりも多いため、マグネットローラ29の中心側では逆にS磁極数がN磁極数よりも多くなるためである。中心側がS磁極に偏っているため、マグネットローラ29の端面を回り込む磁束は、外周面のN磁極を起点とするほうが、S磁極を終点とするよりも多くなるからである。
そこで、外周面がN磁極のマグネットピース41の端部をテーパ状に切り欠く一方、外周面がS磁極のマグネットピース41は、端部を円柱面のままにして貼り合せることが提案された。端部に対応した磁気力の盛り上がりが形成されない外周面がS磁極のマグネットピース41では、磁気力の盛り上がりを相殺するために直径を小さくする必要が無いからである。
しかし、この場合、マグネットローラ29の端部には、N極とS極の境界に周方向の新たな段差が形成されてしまい、現像スリーブ28の表面には、段差に対応した新たな現像剤の担持ムラが形成される結果となった。
そこで、実施例5では、図16の(a)に示すように、外周面がN磁極のマグネットピース41の端部の中心側を実施例2と同様にテーパ状とする一方、外周面がS磁極のマグネットピース41は、端部を円柱面のままにしている。また、外周面がN磁極のマグネットピース41のテーパ状に切り欠いた部分には、非磁性体の樹脂を充填して、外見的には切り欠きが無い構成とした。
なお、マグネットローラ29の円周面におけるN磁極とS磁極は、個数が異なる場合の他、それぞれの合計面積が異なる場合もある。個数や外周面に占める合計面積が同一の場合でも、磁化の強さや配置の間隔によって磁極の端部の角部の磁束密度に違いが発生する。そして、このような場合も、実施例2のように、マグネットローラの内周面を均等に切り欠くと、マグネットローラの端部における磁束密度の低下量が磁極ごとに不足したり過剰になったりする可能性がある。そのため、支持シャフト40に隣接した部分を磁極ごとに最適化した体積で切り欠くことが有効である。
実施例5では、マグネットローラ29は、外周面に配置されたN磁極の数とS磁極の数が異なる。外周面に配置された同一の磁極数が多いN磁極のマグネットピース41は、外周面に配置された同一の磁極が少ないS磁極のマグネットピース41よりも長手方向の端部における磁性材料の除去量が多い。
実施例5によれば、マグネットローラ29の外周面に余計な段差を形成することなく、マグネットローラ29の端部の磁束密度を磁極ごとに適正化することを容易にして、現像剤の劣化や現像ムラを軽減できる。
1a、1b、1c、1d 感光ドラム
3a、3b、3c、3d 露光装置
4a、4b、4c、4d 現像装置
22 現像容器、23 現像室、24 撹拌室
25 現像スクリュー、26 撹拌スクリュー
28 現像スリーブ、29 マグネットローラ
40 支持シャフト、41 マグネットピース、42 埋め部材

Claims (14)

  1. 現像剤を担持する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体の内側に配置されたマグネット部材と、
    を備えた現像装置において、
    前記マグネット部材は、外表面が第1極性である第1のマグネット部と、外表面が前記第1極性とは異極となる第2極性である第2のマグネット部と、を周方向に備え、
    前記第1のマグネット部に対応する磁極の数の方が、前記第2のマグネット部に対応する磁極の数よりも多く、
    前記マグネット部材の長手方向と直交する断面をみたとき、前記第1のマグネット部の長手方向両端部の内表面は、長手方向中央部の内表面よりも、前記マグネット部材の中心軸線から離れた位置にあり、かつ、前記内表面は、前記外表面に向かって凹んだ円弧状を為している、ことを特徴とする現像装置。
  2. 現像剤を担持する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体の内側に配置されたマグネット部材と、
    を備えた現像装置において、
    前記マグネット部材は、外表面が第1極性である第1のマグネット部と、外表面が前記第1極性とは異極となる第2極性である第2のマグネット部と、を周方向に備え、
    前記第1のマグネット部に対応する磁極の数の方が、前記第2のマグネット部に対応する磁極の数よりも多く、
    前記マグネット部材の長手方向と直交する断面をみたとき、前記断面に占められる前記第1のマグネット部の割合は、前記マグネット部材の長手方向中央部よりも長手方向両端部の方が小さくなるように、前記第1のマグネット部の長手方向両端部の内表面は、長手方向中央部の内表面よりも前記マグネット部材の中心軸線から離れた位置に設けられていることを特徴とする現像装置。
  3. 前記第1のマグネット部の長手方向両端部の前記内表面は、前記マグネット部材の中心軸線をその中心軸線とする円柱の表面に沿う形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記第1のマグネット部の長手方向両端部の前記内表面は、前記マグネット部材の中心軸線をその中心軸線とする円錐の表面に沿う形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
  5. 前記マグネット部材は、前記マグネット部材の中心軸線上に配置された支持シャフトの周囲に、前記中心軸線に垂直な断面形状が扇形のマグネットピースを複数配置して構成され、
    前記第1のマグネット部に対応する前記マグネットピースは、前記マグネット部材の長手方向両端部における前記扇形の中心側に切欠きが設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置。
  6. 前記切欠きは非磁性材料で埋め合わせられていることを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
  7. 前記マグネット部材の外表面は、前記マグネット部材と同一直径である円柱形状の表面に沿うように形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置。
  8. 外表面が第1極性である第1のマグネット部と、外表面が前記第1極性と異極の第2極性である第2のマグネット部と、を周方向に備えたマグネットローラにおいて、
    前記第1のマグネット部に対応する磁極の数の方が、前記第2のマグネット部に対応する磁極の数よりも多く、
    前記マグネットローラの長手方向と直交する断面をみたとき、前記第1のマグネット部の長手方向両端部の内表面は、長手方向中央部の内表面よりも、前記マグネットローラの中心軸線から離れた位置にあり、かつ、前記内表面は、前記外表面に向かって凹んだ円弧状を為している、ことを特徴とするマグネットローラ。
  9. 外表面が第1極性である第1のマグネット部と、外表面が前記第1極性と異極の第2極性である第2のマグネット部と、を周方向に備えたマグネットローラにおいて、
    前記第1のマグネット部に対応する磁極の数の方が、前記第2のマグネット部に対応する磁極の数よりも多く、
    前記マグネットローラの長手方向と直交する断面をみたとき、前記断面に占められる前記第1のマグネット部の割合は、前記マグネットローラの長手方向中央部よりも長手方向両端部の方が小さくなるように、前記第1のマグネット部の長手方向両端部の内表面は、長手方向中央部の内表面よりも前記マグネットローラの中心軸線から離れた位置に設けられていることを特徴とするマグネットローラ。
  10. 前記第1のマグネット部の長手方向両端部の内表面は、前記マグネットローラの中心軸線をその中心軸線とする円柱の表面に沿う形状であることを特徴とする請求項8又は9に記載のマグネットローラ。
  11. 前記第1のマグネット部の長手方向両端部の内表面は、前記マグネットローラの中心軸線をその中心軸線とする円錐の表面に沿う形状であることを特徴とする請求項8又は9に記載のマグネットローラ。
  12. 前記マグネットローラは、前記マグネットローラの中心軸線上に配置された支持シャフトの周囲に、前記中心軸線に垂直な断面形状が扇形のマグネットピースを複数配置して構成され、
    前記第1のマグネット部に対応する前記マグネットピースは、前記マグネットローラの長手方向両端部における前記扇形の中心側に切欠きが設けられていることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
  13. 前記切欠きは非磁性材料で埋め合わせられていることを特徴とする請求項12に記載のマグネットローラ。
  14. 前記マグネットローラの外表面は、前記マグネットローラと同一中心軸線を有して前記マグネットローラと同一直径である円柱形状の表面に沿うように形成されていることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載のマグネットローラ。
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