JP5935752B2 - 電気接続箱 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される電気接続箱に係り、特に、排水構造を備えた電気接続箱に関するものである。
従来から、車両に搭載される電気接続箱は、リレーやヒューズ、電線等の電気部品が装着される箱本体と、かかる箱本体の上下側の開口部を覆うアッパカバーやロアカバーを含んで構成されており、アッパカバーやロアカバーにより、箱本体への直接の水掛かりが防止されるようになっている。
ところで、電気接続箱の表面に付着した水が、箱本体とアッパカバーおよびロアカバーとの嵌合隙間から電気接続箱の内部に入り込む場合がある。そこで、例えば、特開平9−308053号公報(特許文献1)に記載のように、ロアカバーの底壁に排水穴を設けると共に、排水穴に向かって下方傾斜する傾斜面を底壁に設けることで、電気接続箱の内部に浸入した水を排水穴へと流下させて排水する、排水構造を備えた電気接続箱が提案されている。
ところが、特許文献1に記載の排水構造は、そもそも四輪自動車のように、接地面に対して車体自体が傾斜しない場合を前提として考えられており、例えば二輪自動車の如き接地面に対して車体が左右に傾斜した状態で走行したり停車される車両に対応した対策は、特に取られていないのが現状である。
それ故、排水穴に向かって下方傾斜する傾斜面を設けるのみでは、接地面に対して車体自体が左右に傾斜する場合が多い自動二輪車等の車両において、期待する排水効果が得られない場合が発生するおそれがあった。
特開平9−308053号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、接地面に対して車体自体が左右に傾斜する車両においても、有効な排水効果が得られる排水構造を備えた、新規な構造の電気接続箱を提供することにある。
本発明の第一の態様は、電気部品が装着される箱本体と、該箱本体の下方開口部を覆うロアカバーを備えて車両に搭載される電気接続箱において、ロアカバーの底壁が、一方の上側端部から他方の下側端部に向かって下方に傾斜する傾斜面を有していると共に、前記傾斜面の傾斜方向の両端部に排水穴が設けられており、前記車両が、左右方向の一方が下降するように傾斜して駐車されるものであって、駐車時に下降する一方側に前記上側端部が位置し、且つ、前記車両の駐車時において前記上側端部の方が前記下側端部よりも下に位置するように前記車両に搭載されていることを、特徴とする。
本発明に従う構造とされた電気接続箱によれば、ロアカバーの底壁に、上側端部から他方の下側端部に向かって下方に傾斜する傾斜面が設けられており、その傾斜面の両端部に排水穴が設けられている。従って、車体が接地面に対して傾斜していない非傾斜状態では、ロアカバーの底壁に到達した水が、下方傾斜する傾斜面を伝って、最下端に位置する他方の下側端部に集水され、他方の下側端部に設けられた排水穴から速やかに排水される。
また、車体が接地面に対して傾斜する場合であって、下方傾斜面の最下端に位置する他方の下側端部側に車体が傾斜する際には、他方の下側端部へ向かう傾斜面の傾斜が一層急になって、排水穴へ向かう水の集水効果が一層有利に発揮される。さらに、車体が接地面に対して傾斜する場合であって、下方傾斜面の最上端に位置する一方の上側端部側に車体が傾斜する際には、傾斜面が一方の上側端部に向かって下方傾斜されることとなり、傾斜面を伝って一方の上側端部に水が集水され、一方の上側端部に設けた排水穴から速やかに排水できるのである。
要するに、従来構造では、排水穴が傾斜面の他方の下側端部にしか設けられていないことから、車体が下方傾斜する傾斜面と逆方向に傾斜した場合に、傾斜面の一方の上側端部に集水された水が排水されず、箱本体側に到達するおそれがあったが、本態様では、一方の上側端部にも排水穴が設けられていることから、車体が下方傾斜する傾斜面と逆方向に傾斜した場合にも、排水穴からの速やかな排水を実現できるのである。さらに、本態様では、自動二輪車等がサイドスタンドにより、車両自体が左右方向の一方が下降するように傾斜して駐車される際に、駐車時に下降する一方側に上側端部が位置し、且つ、上側端部の方が下側端部よりも下に位置するように車両に搭載されるようになっている。それ故、駐車時の傾斜面の傾斜角度が、上側端部に設けた排水穴からの排水が促されるよう適切に調節されている。しかも、駐車時の傾斜面の傾斜角度が鉛直に近い程大きくなり過ぎて、却って排水穴からの排水が促され難くなる不具合を防止できるのである。
なお、車体が接地面に対して傾斜しない自動四輪車の場合でも、路面の傾斜状態によっては、傾斜面の一方の上側端部が他方の下側端部よりも鉛直下方に位置する場合も想定されるが、そのような場合でも、一方の上側端部の排水穴から速やかな排水が促され得る。
本発明の第の態様は、前記第の態様に記載のものにおいて、前記ロアカバーの前記下側端部における側壁に電線導出孔が形成されているものである。
本態様によれば、ロアカバー傾斜面における下側端部側の側壁に電線導出孔が形成されている。車両の駐車時において傾斜面の上側端部の方が下側端部よりも下に位置するようになっており、上側端部の排水穴から速やかに排水できる。それ故、下側端部側の側壁に形成された電線導出孔からの排水や排水された水が電線を伝って電気系統に故障を生じさせるおそれを未然に防止することができる。
本発明の電気接続箱によれば、ロアカバーの底壁に、一方の上側端部から他方の下側端部に向かって下方傾斜する傾斜面が設けられており、その傾斜面の両端部に排水穴が設けられている。従って、下方傾斜面の傾斜方向の何れの側に車体が傾斜しても、傾斜面の両端部に設けられた排水穴から速やかな排水が促され、接地面に対して車体自体が傾斜する車両に対して搭載した場合でも、有効な排水効果が安定して得られるのである。
本発明の一実施形態としての電気接続箱の正面図。 図1に示した電気接続箱の平面図。 図1に示した電気接続箱の箱本体の平面図。 図2におけるIV−IV断面図。 図1におけるVーV断面図。 図1に示した電気接続箱のロアカバーの平面図。 図6に示したロアカバーの要部拡大斜視図。 車体が接地面に対して傾斜した際の図1に示した電気接続箱の状態を示す説明図。 本発明の別の実施形態であって、図8(a)に相当する説明図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1〜8に、本発明の一実施形態としての電気接続箱10を示す。電気接続箱10は、図示しない車両としての自動二輪車の適所に配設されて、バッテリーから供給される電力をモータやランプ等の車載電装品に分配する機能を担っている。なお、電気接続箱10は、図1の上下方向を鉛直方向として自動二輪車へ搭載される。図1には、自動二輪車が接地面に対して左右何れの側にも傾斜されていない非傾斜状態における電気接続箱10の状態が示されており、自動二輪車の車体の左右両側への傾斜に伴い、電気接続箱10も図1の左右側に傾斜するようになっている。以下の説明においては、特に断りのない限り、上下方向とは図1における上下方向を言い、左右方向とは図1における左右方向を言うものとする。
より詳細には、電気接続箱10は、箱本体12と、箱本体12の上方開口部を覆うアッパカバー14と、箱本体12の下方開口部を覆うロアカバー16を含んで構成されている。これら箱本体12とアッパカバー14およびロアカバー16は、何れも合成樹脂により形成されている。
箱本体12は、全体として長手矩形ブロック形状を呈し、図3に示すように、箱本体12の上面には、複数のリレー装着部18a,18b(本実施形態では2つ)や複数のヒューズ装着部20(本実施形態では6つ)が、上方に向かって開口形成されている。図4に示すように、箱本体12の下面には、複数の端子収容孔22が下方に向かって開口形成されており、電線21の端末に圧着された圧着端子23が端子収容孔22に収容配置されるようになっている。さらに、箱本体12には、内部回路を構成する図示しないバスバーが、図示しないバスバー収容溝等に収容配置されるようになっている。なお、図面の明瞭化の目的から、電線21および圧着端子23は、図4にのみ仮想線で示し、他の図における図示を省略している。
そして、箱本体12の上面側から、各リレー装着部18や各ヒューズ装着部20に対して、電気部品としてのリレー24a,24bやヒューズ26が装着されると、リレー24a,24bやヒューズ26から突出する各タブ端子28が、電線21の端末の圧着端子23や図示しないバスバー等に接続されて導通されるようになっている。
箱本体12の幅方向(図3中、上下方向)で対向する周壁30a,30cの外周面には、図示しない固定用ブラケットに装着されるロック嵌合部32,34がそれぞれ突設されており、ロック嵌合部32,34を図示しない固定用ブラケットに嵌合させることにより、電気接続箱10が車両の所定位置に安定して保持されるようになっている。
箱本体12の長手方向(図3中の左右方向)で対向する周壁30b,30dには、箱本体12の上方開口部近傍において、それぞれ平面視でコ字状のロック枠体36が突設されている。また、箱本体12の周壁30b,30dにおける下方開口部近傍において、それぞれ2つのロック突部38,38が周方向に離隔して突設されている。
アッパカバー14は、下方に開口する有底箱体形状を有しており(図4参照)、平面視において、箱本体12の上面と略同一の長手矩形状に形成されている(図2参照)。アッパカバー14の上底部40において、箱本体12への組み付け時にリレー24a,24bと対向する位置には、それぞれリレー24a,24bに向かって突出する押え突起42a,42bが設けられている。これら押え突起42a,42bの突出端面は、図4に示すように、リレー24a,24bに対して僅かな隙間を隔てて対向配置されている。これにより、車両走行時の振動等によりリレー24a,24bが浮き上がった場合に、リレー24a,24bが押え突起42a,42bに当接することで、リレー装着部18a,18bからのリレー24a,24bの抜け出しが防止されるようになっている。
また、アッパカバー14の上底部40において、箱本体12への組み付け時にヒューズ装着部20と対向する位置には、予備ヒューズ保持部43が設けられており、予備のヒューズ26が収容保持されている。
アッパカバー14の長手方向(図2中の左右方向)で対向する周壁44b,44dには、箱本体12のロック枠体36と対向する位置に、それぞれ弾性ロック片46,46が、周壁44b,44dとの間に隙間を隔てて片持ち梁状に突設されている。各弾性ロック片46の突出先端部には、外方に向かって突出するロック爪部48,48がそれぞれ設けられている。なお、アッパカバー14の幅方向(図2中の上下方向)で対向する周壁44a,44cの外面は、何も突設されない平坦面とされている。
このようなアッパカバー14を箱本体12の上方開口部に組み付ける際には、図5に示すように、アッパカバー14の周壁44の内周面が、箱本体12の周壁30の上端部分の外周面に重ね合されるように挿し入れられる。さらに、アッパカバー14が箱本体12側に押し込まれると、図4に示すように、アッパカバー14の弾性ロック片46,46の各ロック爪部48,が、箱本体12のロック枠体36に当接し、弾性ロック片46,46が内方に撓み変形して更なる押し込みが許容される。そして、ロック爪部48,48がロック枠体36,36を乗り越えて弾性ロック片46,46が弾性復帰されると、各ロック爪部48がロック枠体36に係合して、アッパカバー14が箱本体12の上方開口部への装着状態にロックされるのである。
次に、ロアカバー16は、上方に開口する有底箱体形状を有しており(図4参照)、平面視において、箱本体12の下面と略同一の長手矩形状に形成されている(図6参照)。ロアカバー16の幅方向(図6中、上下方向)で対向する周壁50a,50cの外面は何も突設されない平坦面とされている。一方、ロアカバー16の長手方向(図6中の左右方向)で対向する周壁50b,50dの開口側端部には、箱本体12のロック突部38と対向する位置に、それぞれ2つの弾性ロック片52,52が、片持ち梁状に上方に向かって突設されている(図7参照)。各弾性ロック片52は、逆U字形状で周壁50b,50dの開口側端部から上方に向かって突出しており、突出先端部に設けられた係合部54が、ロック突部38と干渉することで弾性ロック片52が外周側に撓み変形する一方、係合部54がロック突部38を乗り越えて弾性ロック片52が弾性復帰することで、ロック突部38に係合部54が係合されて、ロアカバー16が箱本体12の下方開口部への装着状態にロックされるようになっている。
そして、ロアカバー16の周壁50における開口端面56には、箱本体12の周壁30の外周面に重ね合される外周側止水壁58と、箱本体12の周壁30の内周面に重ね合される内周側止水壁60が、開口端面56の周方向で分散して設けられている。具体的には、開口端面56において、図6の左側の領域では、周壁50a,50b,50cに跨って外周側止水壁58が突設されている。一方、図6の中央部分から右側の領域では、周壁50c,50d,50aに跨って内周側止水壁60が突設されている。このように、外周側止水壁58と内周側止水壁60を周方向で分散して設けることにより、ロアカバー16を箱本体12の下方開口部へ装着する際のタイミングを外周側止水壁58嵌合時と内周側止水壁60嵌合時に分散させることができ、一時に必要な嵌合力の低減を図ることができるのである。
図5には、ロアカバー16の開口端面56に設けられた内周側止水壁60が、箱本体12の周壁30a,30cの内周面に重ね合されている状態が断面で示されている。また、その奥方には、開口端面56に設けられた外周側止水壁58が表れており、外周側止水壁58が箱本体12の周壁30a,30cの外周面に重ね合されていることが確認できる。
さらに、図7に示すように、ロアカバー16には、周壁50bにおける弾性ロック片52に挟まれた中央部分において、電線導出孔62が開口端面56に開口して貫設されており、箱本体12に装着された電線21を電線導出孔62から外部に引き出せるようになっている。これにより、周壁50a〜50cに跨って開口端面56に突設された外周側止水壁58の形成領域に、電線導出孔62が形成されており、外周側止水壁58が電線導出孔62により周方向で分断されている。さらに、図7に示すように、周壁50bの内周面側では、電線導出孔62の周方向両側において、ロアカバー16の開口端面56が、外周側止水壁58の内面に対して鈍角:θで連接する傾斜端面64とされている。これにより、ロアカバー16を箱本体12の下方開口部に装着する際に、電線導出孔62から導出される電線21を、ロアカバー16の開口端面56と箱本体12の周壁30bの端面の間で挟み込む不具合が有利に防止できる。なお、鈍角:θは、より好ましくは135°以上の鈍角に設定される。
一方、ロアカバー16の底壁66は、長手方向の一方の上側端部(図4中、右側)となる周壁50d側から、長手方向の他方の下側端部(図4中、左側)となる周壁50b側に向かって下方傾斜する傾斜面68を有している。ここで、傾斜面68の下方傾斜角度:A(図4,8参照)は、電気接続箱10の配設スペース等により任意に設定可能であるが、本実施形態では10°に設定されている。また、底壁66の傾斜方向である長手方向の両端部には、それぞれ排水穴70a,70bが貫設されている。そして、底壁66の傾斜方向で最下端に位置する他方の下側端部側となる周壁50bに、電線導出孔62が設けられているのである。なお、図6に示すように、本実施形態では、排水穴70aが、外周側止水壁58と内周側止水壁60が周方向で分断された領域G部分の直下に設けられており、領域Gから浸水した場合にも、排水穴70aから速やかな排水が確保されるようになっている。
このような構造とされた本実施形態の電気接続箱10によれば、ロアカバー16の底壁66に、一方の上側端部から他方の下側端部に向かって下方傾斜する傾斜面68が設けられている。しかも、傾斜面68の傾斜方向となる電気接続箱10の長手方向の両端部に、排水穴70a,70bがそれぞれ設けられている。従って、自動二輪車の車体が接地面に対して傾斜していない図1に示す非傾斜状態では、電気接続箱10における箱本体12とアッパカバー14およびロアカバー16との嵌合面間から、電気接続箱10の内部に浸入してロアカバー16の底壁66に到達した水が、下方傾斜する傾斜面68を伝って、最下端に位置する他方の下側端部側となる周壁50b側に設けられた排水穴70aに向かって集水され、排水穴70aから速やかに排水される。
次に、自動二輪車の車体が接地面に対して傾斜する場合について、図8(a),(b)を用いて説明する。図8(a),(b)には、自動二輪車の車体72が接地面74に対して傾斜する場合が、概略的に示されている。なお、図8(a),(b)では、理解を容易とするために、車体72と接地面74を概念的に仮想線で示すと共に、電気接続箱10の断面を拡大して示している。
図8(a)には、自動二輪車がサイドスタンド76により、車体72自体が接地面74に対して左側に傾斜した状態で駐車された状態が示されている。この場合、傾斜面68に設けられた排水穴70a,70bが自動二輪車の左右方向で離隔配置されており、駐車時に下降する左側に傾斜面68の下側端部や周壁50bが位置するように電気接続箱10が車体72に搭載されている一方、傾斜面68の最下端となる周壁50b側に位置して、排水穴70aが配設されている。これにより、駐車時のロアカバー16の底壁66において、傾斜面68の排水穴70aに向かう傾斜が、車体72の接地面74に対する非傾斜状態(鉛直方向)からの傾斜角度:αだけ急になって(A+α)、排水穴70aへ向かう水の集水効果や、排水穴70aからの排水効果を一層有利に発揮することができるのである。
図8(b)には、自動二輪車が走行時に右側にカーブする際や誤って右側に傾斜した際に、車体72自体が接地面74に対して右側に傾斜角度:βだけ傾斜した状態が示されている。この場合、電気接続箱10が鉛直方向に対して傾斜角度:βだけ傾斜することにより、非傾斜状態で傾斜面68の最上端となる周壁50d側の端部(図8中、右側)が、鉛直方向で最下端に位置することとなり、傾斜面68が周壁50d側の端部に向かって下方傾斜されることとなる。これにより、傾斜面68を伝って一方の上側端部に水が集水され、一方の上側端部に設けた排水穴70bから速やかに排水できるのである。
すなわち、従来構造では、車体72が接地面74に対して非傾斜状態であることが前提となり、非傾斜状態における傾斜面68の傾斜方向で下端となる側にしか排水穴が設けられておらず、車体72が下方傾斜する傾斜面68と逆方向に傾斜した場合に、傾斜面68において排水穴が設けられていない側に集水された水が排水されないという問題があった。本実施形態では、傾斜面68の傾斜方向の両端部に排水穴70a,70bが設けられていることから、車体72が下方傾斜する傾斜面68と逆方向に傾斜した場合にも、排水穴70bからの速やかな排水が実現できるのである。それ故、本実施形態に従う電気接続箱10は、車体72が接地面74に対して傾斜する自動二輪車に搭載されても、自動二輪車に適した有効な排水効果を発揮することができるのである。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、車両への電気接続箱10の設置方向や位置は任意に設定可能である。具体的には、図9に示す別の実施形態では、駐車時に下降する左側に傾斜面68の上側端部(周壁50d側)が位置し、且つ、車体72の駐車時において傾斜面68の上側端部が下側端部(周壁50b側)よりも鉛直方向(図9中上下方向)で下に位置するように電気接続箱10が車体72に搭載されている。このように車体72が下方傾斜する傾斜面68と逆方向に傾斜した場合でも、一方の上側端部にも排水穴70bが設けられていることから、排水穴70bからの速やかな排水を実現できるのである。また、駐車時の傾斜面68の傾斜角度が鉛直に近い程大きくなり過ぎて、却って排水性が阻害される不具合を未然に防止できる。
加えて、ロアカバー16の傾斜面68の下側端部側の側壁たる周壁50bに電線導出孔62が形成されている。本実施形態においては、車体72の駐車時において傾斜面68の下側端部(周壁50b側)の方が上側端部(周壁50d側)よりも鉛直方向で上に位置されていることから、下側端部側の周壁50bに形成された電線導出孔62から排水されることが有利に防止されている。この結果、排水が電線21を伝って電気系統に故障を生じさせるおそれを未然に防止できる。
加えて、ロアカバー16の底壁66に設ける傾斜面68の傾斜角度や排水穴の個数や位置等は、電気接続箱の配設スペースや被水可能性等を考慮して適宜変更可能である。
10:電気接続箱、12:箱本体、16:ロアカバー、24a,b:リレー(電気部品)、26:ヒューズ(電気部品)、50d:周壁(側壁)、62:電線導出孔、66:底壁、68:傾斜面、70a,b:排水穴、72:車体

Claims (2)

  1. 電気部品が装着される箱本体と、該箱本体の下方開口部を覆うロアカバーを備えて車両に搭載される電気接続箱において、
    ロアカバーの底壁が、一方の上側端部から他方の下側端部に向かって下方に傾斜する傾斜面を有していると共に、前記傾斜面の傾斜方向の両端部に排水穴が設けられており、
    前記車両が、左右方向の一方が下降するように傾斜して駐車されるものであって、
    駐車時に下降する一方側に前記上側端部が位置し、且つ、前記車両の駐車時において前記上側端部の方が前記下側端部よりも下に位置するように前記車両に搭載されている
    ことを特徴とする電気接続箱。
  2. 前記ロアカバーの前記下側端部における側壁に電線導出孔が形成されている請求項に記載の電気接続箱。
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