JP5935329B2 - タッチパネルセンサおよびタッチパネルセンサの製造方法 - Google Patents

タッチパネルセンサおよびタッチパネルセンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、センサ部および額縁配線部がそれぞれ異なるオーバーコート層を有するタッチパネルセンサに関する。
近年、入力手段としてタッチパネルが広く用いられている。一般にタッチパネルは、入出力する情報を処理する情報処理部並びに情報入力に対するタッチパネルセンサ、タッチパネルセンサ上への接触位置を検出する制御回路およびタッチパネルセンサと当該情報処理部とを接続する配線を有する基板等を含む。
タッチパネルは多くの場合、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ又はプラズマディスプレイ(PDP)等の表示装置が組み込まれた種々の機器等(例えば、パーソナルコンピュータのディスプレイ、券売機等の販売機、ATM(現金自動預け払い機)、携帯電話、携帯情報端末、電子書籍端末、コピー機、デジタルオーディオプレーヤー、ゲーム機およびカーナビゲーション)に対する入力手段として表示装置とともに用いられている。このとき、タッチパネルは表示装置の組み込まれた機器の表示面上に配置され、その機器に対する直接的な入力を可能にする。
タッチパネルの方式は、入力位置の検出方法により、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式、超音波方式等が提案されているが、中でも、光学的に明るいこと、意匠性があること、構造が容易であることおよび機能的に優れていること等の理由から静電容量方式(「容量結合方式」又は「静電容量結合方式」ともいう。)のタッチパネルが注目されている。
静電容量方式のタッチパネルにおいては、位置を検出されるべき外部導体(例えば、指)がタッチパネルセンサに接触又は接近することにより、新たに寄生容量が発生し、この静電容量の変化を利用して、タッチパネルセンサ上における対象物の位置を検出する仕組みとなっている。
ところで、タッチパネルセンサは、一般に、表示面上において出力される情報の視認性を阻害しないように透明を有する材料で形成され、かつ、非常に薄く微細で複雑な構造を有するため、タッチパネルセンサが外部損傷を受けると、予定した動作をしない又は機能を発揮しないという問題が生じる。これに対し、特許文献1に記載されるように、タッチパネルセンサ上にオーバーコート層(または保護層ともいう。)を形成することにより、外部損傷からの保護を図っている。
特開2010−27033号公報
特許文献1で記載されるように、従来、タッチパネルセンサの表面全域を一枚のオーバーコート層で覆うように形成されている。しかし、タッチパネルセンサを構成する部位によって、オーバーコート層に求められる特性が異なり、従来の一枚仕様では各構成部位に対応した特性を十分に付与できないという課題がある。
具体的には、タッチパネルとしての機能を有するセンサ部は、光学特性を必要とする部位であるため、上記センサ部に配置された透明電極上に形成されるオーバーコート層は薄層で、且つ、透明性を有することが求められるのに対し、上記透明電極と接続された配線が形成された額縁配線部では、透明電極端部に用いられる金属(例えば、銀等がある。)が印加電圧や周囲の湿気およびガス等により金属イオンとなって電極間および配線パターン間を移動する現象(以下、マイグレーションと省略する。)が起こり、電極間および配線パターン間に析出した金属により短絡等を生じる問題があるため、上記配線上に形成されるオーバーコート層はマイグレーション抑制機能を有することが求められる。しかし、透明性を有し、且つ、マイグレーション抑制機能を有する薄層のオーバーコート層を形成することは難しいといった問題がある。
上記課題を解決するために、本発明においては、透明基材と、上記透明基材上に形成されたタッチパネルとしての機能を有するセンサ部と、上記透明基材上に形成され、上記センサ部に配置された透明電極と接続された配線が形成された額縁配線部と、を有するタッチパネルセンサにおいて、上記センサ部上には、透明性を有するセンサ部オーバーコート層が形成され、上記額縁配線部上にはマイグレーション抑制機能を有する額縁配線部オーバーコート層が形成されていることを特徴とするタッチパネルセンサを提供する。
本発明によれば、上記センサ部上にセンサ部オーバーコート層を形成し、上記額縁配線部上に額縁配線部オーバーコート層を形成することにより、センサ部の光学特性を損なわず、且つ、額縁配線部におけるマイグレーションの発生を防止することが可能なタッチパネルセンサとすることができる。
上記発明においては、上記額縁配線部オーバーコート層が、上記センサ部を囲うように形成されていることが好ましい。センサ部を額縁配線部オーバーコート層で囲うことにより、囲まれた上記センサ部上に粘性の低い材料を用いてセンサ部オーバーコート層を形成する際に、上記センサ部オーバーコート層の組成材料が額縁配線部やその他領域へ流出することを防ぐことができるからである。
上記発明においては、上記額縁配線部オーバーコート層が、加飾層として用いられることが好ましい。加飾層として用いることにより、新たに加飾層を設ける必要がなく、タッチパネルセンサを薄層とすることができるからである。
また、本発明においては、上述のタッチパネルセンサを製造する、タッチパネルセンサの製造方法であって、上記額縁配線部オーバーコート層を形成する、額縁配線部オーバーコート層形成工程と、上記額縁配線部オーバーコート層の内側にセンサ部オーバーコート層を形成する、センサ部オーバーコート層形成工程と、を有することを特徴とするタッチパネルセンサの製造方法を提供する。
本発明によれば、センサ部が額縁配線部オーバーコート層に囲まれることにより、センサ部オーバーコート層を形成する際に、粘性が低いセンサ部オーバーコート層の組成材料を用いる場合においても、額縁配線部やその他領域への上記組成材料の流出を防ぐことができるため、上記センサ部オーバーコート層の組成材料の選択の幅を広げることができる。
本発明によれば、センサ部および額縁配線部がそれぞれ異なるオーバーコート層を有することにより、センサ部の光学特性を損なわず、且つ、額縁配線部でのマイグレーションの発生を防止することが可能な、タッチパネルセンサを得ることができるという作用効果を奏する。
本発明のタッチパネルセンサの一例を示す概略断面図である。 本発明における額縁配線部上に形成された、額縁配線部オーバーコート層の一例を示す概略断面図である。 本発明のタッチパネルセンサの他の一例を示す概略断面図である。 合成例における透明電極および配線の製版により形成される、透明電極および配線のパターン図である。
以下、本発明のタッチパネルセンサおよびタッチパネルセンサの製造方法について説明する。
A. タッチパネルセンサ
本発明のタッチパネルセンサは、透明基材と、上記透明基材上に形成されたタッチパネルとしての機能を有するセンサ部と、上記透明基材上に形成され、上記センサ部に配置された透明電極と接続された配線が形成された額縁配線部と、を有するタッチパネルセンサにおいて、上記センサ部上には、透明性を有するセンサ部オーバーコート層が形成され、上記額縁配線部上には、マイグレーション抑制機能を有する額縁配線部オーバーコート層が形成されていることを特徴とするものである。
本発明のタッチパネルセンサについて、図を用いて説明する。図1は本発明のタッチパネルセンサの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明のタッチパネルセンサ10は、透明基材1と、上記透明基材1上に形成された透明電極2と、上記透明電極2の上に形成されたセンサ部オーバーコート層3とを含むセンサ部4、および、透明基材1と、上記透明基材1上に形成され、上記センサ部4に配置された透明電極2と接続された配線5と、上記配線5上に形成された額縁配線部オーバーコート層6とを含む額縁配線部7を有するものである。
上記センサ部オーバーコート層3は、上記額縁配線部オーバーコート層6と接していても良く、上記センサ部オーバーコート層3と上記額縁配線部オーバーコート層6との間に空間を有し、接していなくてもよい。
タッチパネルセンサにおいて、タッチパネルとしての機能を有するセンサ部では光学特性を低下させないためにオーバーオート層の透明性が求められるのに対し、上記センサ部に配置された透明電極と接続された配線が形成された額縁配線部では、マイグレーションによる短絡や絶縁不良の発生を防止するために、オーバーコート層がマイグレーション抑制機能を有することが求められる。
しかし、従来のように、タッチパネルセンサの表面全体をオーバーコート層一層で覆う場合、透明性を有し、且つ、マイグレーション抑制機能を有する薄層オーバーコート層を形成することは困難である。その理由として、マイグレーション抑制機能を有する材料を選択するとオーバーコート層を形成した際に透明性を得ることが難しくなり、上記センサ部の光学特性の低下を抑制できない場合があるからであり、一方、高い透明性を有する材料を選択すると、オーバーコート層のマイグレーション抑制機能が低下し、額縁配線部でのマイグレーションの発生を防止できない場合があるからである。
そこで、本発明のタッチパネルセンサでは、上記センサ部上に透明性を有するセンサ部オーバーコート層を形成させ、上記額縁配線部上にはマイグレーション抑制機能を有する額縁配線部オーバーコート層を形成させることにより、センサ部の光学特性を損なわず、且つ、額縁配線部におけるマイグレーションが起こりにくいタッチパネルセンサとすることを可能にした。
以下、本発明のタッチパネルセンサについて、詳細について説明する。
1. センサ部
本発明におけるセンサ部について説明する。本発明におけるセンサ部は、透明基材上に形成されたタッチパネルとしての機能を有する領域を示唆し、上記センサ部は、透明基材と、透明電極と、透明性を有するセンサ部オーバーコート層を含むものである。
以下、本発明におけるセンサ部について、構成ごとに説明する。
(1)透明基材
上記センサ部に用いられる透明基材は、光透過性を有するものであれば、従来公知のタッチパネルに使用されている透明基材を用いることができ、例えば、フィルム、シート、板、膜等の概念を含む樹脂より構成される透明基材や、ガラス、カバーガラス製の透明基材等を用いることができ、中でもフィルムを用いることが好ましい。タッチパネルセンサの軽量化が促進され、また、フレキシブル性を付与することが可能となり、ロールツーロールによる高い生産性を実現することができるからである。
上記センサ部に用いられる上記フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)等のポリエチレンフィルム、あるいはポリエーテルサルフォンフィルム(PESフィルム)等のポリエステルフィルムの他、ポリメチルメタクリレート等のアクリル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、もしくはシンジオタクティック・ポリスチレン等、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、もしくはポリエーテルニトリル等、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリシクロヘキセン、もしくはポリノルボルネン系樹脂等、または、ポリサルホン、ポリサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、もしくは熱可塑性ポリイミド等からなるフィルムや、TACフィルムやCOPフィルム等を挙げることができる。
上記センサ部に用いられる透明基材の厚さとしては、目的とするタッチパネルの種類に応じて適宜選択されるものであるが、20μm〜1500μmの範囲内であることが好ましく、20μm〜1000μmの範囲内であることがより好ましく、20μm〜300μmの範囲内であることがさらに好ましい。
上記センサ部に用いられる透明基材の厚さが上記範囲よりも厚いと、タッチパネルセンサの薄層化が難しくなる可能性があるからであり、一方、上記範囲よりも薄いと、製造ラインでのハンドリングが困難となる可能性があるからである。
上記センサ部に用いられる透明基材は、より多くの光を透過することが好ましく、可視光領域における透過率としては、具体的には、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。なお、透明基材の光透過率は、JIS K 7105で規定する方法により測定した値(全光線透過率)とする。
上記センサ部に用いられる透明基材は、後述する透明電極との密着性を向上させるために、プライマー処理等の表面処理を施してもよい。また、有機層からなるアンダーコート層や、酸化ケイ素、酸化ニオブ等からなる屈折率調整層等が形成されていてもよい。
(2)透明電極
上記センサ部における透明電極は、上述した透明基材上にパターン状に形成されるものであり、外部導体(例えば、指)による入力の位置情報を検出する働きを有するものである。
透明電極は一般的には、タッチパネル部材の使用者から視認されるため、光透過性の導電材料で形成されることが一般的である。なお、使用者に視認される画面において、視認されない程度の小さい領域となる透明電極の形成パターン部分においては、光透過性のない材料から形成されてもよい。
本発明におけるセンサ部に用いられる透明電極は、透明性を有するものであれば従来公知のタッチパネルセンサで用いられる透明電極を使用することができ、例えば、インジウム錫オキサイド(ITO)、酸化インジウム、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)等の酸化インジウム系材料、あるいは、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物、ポリアニリン、ポリアセチレン等の導電性高分子材料等を用いることができ、中でも、インジウム錫オキサイド(ITO)が好ましいが、材料はこれに限定されない。また、本発明のセンサ部において、透明電極が、例えば、第1透明電極と第2透明電極というように複数有する場合、複数の透明電極は互いに同種の導電性高分子材料から構成されていてもよく、異種の導電性高分子材料が用いられていてもよい。
上記透明電極は、膜状であることが好ましく、その厚さは10nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、10nm〜300nmの範囲内であることがより好ましく、10nm〜200nmの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明における透明電極の膜厚が、上記範囲よりも厚い場合、透明性に問題が生じる可能性があり、一方、上記範囲よりも薄い場合、所定の導電性が得られない等の問題が生じる可能性があるからである。
上記透明電極の膜は、検出した入力位置情報を外部の情報処理部へ確実に伝達するために、表面抵抗が低いことが好ましく、例えば、200Ω/□以下の範囲内であることが好ましい。なお、上記透明電極の膜の表面抵抗は、ロレスタGP MCP-T601型 (JIS K7194準拠)を用い、4端子4探針法 定電流印加方式により確認することができる。
本発明における透明電極の形成方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法、スクリーン印刷法等を挙げることができるが、中でも、フォトリソグラフィー法を用いることが好ましい。透明電極を形成する際にライン幅やその均一性等高精度のパターンを安定的に形成することが可能となるからである。また、透明基材の両面に透明電極をパターン状に形成する場合に、フォトリソグラフィー法により両面同時にパターニングすることができ、位置精度が良好であり、微細なパターンを精度良く形成することが可能となるからである。
透明電極のパターン形状としては、タッチパネルセンサとして機能しうる透明電極のパターン形状を適宜選択することができ、例えば、ストライプ形状、菱形形状等の任意のパターン形状とすることができる。
(3)センサ部オーバーコート層
上記センサ部におけるセンサ部オーバーコート層は、透明性を有するものであり、上記透明電極を保護する機能を有する。
上記センサ部オーバーコート層は、1層から構成されていてもよく、2層以上から構成されていてもよい。この時、2層目以降のセンサ部オーバーコート層は、1層目のセンサ部オーバーコート層と同じものであってもよく、1層目のセンサ部オーバーコート層と異なる材料から形成された、透明性を有するものであってもよい。
上記センサ部オーバーコート層の材料としては、透明性を有し、且つ、透明電極等との密着性を有するものであれば特に限定されるものではない。通常、硬化性を有する樹脂を用いることができ、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線や電子線等の放射線硬化性樹脂等を用いることができる。具体的には、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。
上記硬化性樹脂は、分子または単体構造内にアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合、あるいはエポキシ基等の重合性官能基が含まれており、それぞれ硬化反応により重合に寄与する。これらの中でも特に、アクリロイル基を含むアクリル系樹脂が硬化反応に優れるため好ましい。
また、上記硬化性樹脂としては、例えば、(1)フルオレン骨格を有するエポキシアクリレート樹脂と多塩基酸無水物との付加生成物、(2)多官能アクリレートモノマー、(3)重合開始剤、および(4)エポキシ基を1分子中に2個以上有するエポキシ樹脂を必須成分とするカルド樹脂(カルドポリマーともいう。)を挙げることができる。カルドポリマーからなるセンサ部オーバーコート層は、例えば透明基材の表面に酸化ケイ素等からなる無機層が形成されている場合には、スパッタリング法、イオンプレーティング法もしくは化学気相蒸着法等で形成した際に生じる、無機層の微細なピンホール等の欠陥をカバーし、望ましい水蒸気透過率を維持する効果が期待される。カルドポリマーは、ビスフェノール化合物から誘導されるフルオレン骨格を有する樹脂を含有することが好ましい。カルドポリマーの構造に関する詳細は、特開2005−324406に記載されているため、ここでの説明は省略する。
上記硬化性樹脂に、さらにポリマー分子との相互作用を強めるために、アルコキシシランの加水分解物やシランカップリング剤を含有させてもよい。上記シランカップリング剤としては、分子の一端にメトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基等の加水分解可能な反応基を備え、他端にエポキシ基、ビニル基、アミノ基、ハロゲン基、メルカプト基を備えるものが、樹脂硬化反応へ好ましく関与する。具体的には、信越化学工業株式会社製のKBM−503、KBM−803、日本ユニカー株式会社製のA−187等を挙げることができる。
上記センサ部オーバーコート層の材料として熱硬化性樹脂を用いる場合、透明性を損なわない程度の量であれば上記熱硬化性樹脂の他に、硬化剤を用いることができる。硬化剤としては、特に限定されず、公知の硬化剤を用いることができるが、例えば、アミン系、ポリアミノアミド系、酸および酸無水物、イミダゾール、メルカプタン、フェノール樹脂等の硬化剤等を用いてよい。中でも、耐溶剤性、光学特性、熱特性等の観点から、酸無水物および酸無水物構造を含むポリマーまたは脂肪族アミン類が汎用される。さらに、公知の第三アミン類やイミダゾール類等の硬化触媒を適量加えてもよい。
一方、上記センサ部オーバーコート層の材料として放射線硬化性樹脂を用いる場合、透明性を損なわない程度の量であれば上記放射線硬化性樹脂の他に、光重合開始剤等の公知の添加剤を適量含有させることができる。光重合開始剤は特に限定されず、従来公知の物を用いることができる。
また、上述したセンサ部上に上記センサ部オーバーコート層を形成する際に、上記材料の他に必要に応じて溶媒を用いても良く、例えば、イソプロパノール(IPA)およびメタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)およびメチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類、酢酸メチルおよび酢酸エチル等のエステル類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物、ジイソプロピルエーテルおよびテトラヒドロフラン等のエーテル類、塩化メチレンおよびクロロホルム等のハロゲン化炭化水素水類、ブチルカルビトールアセテートおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルスルホキシドおよび炭酸プロピレン等のその他の溶媒並びにこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
上記センサ部上に形成される上記センサ部オーバーコート層の厚みは、0.5μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。センサ部上に形成される上記センサ部オーバーコート層の厚みが上記範囲よりも厚いと、センサ部の光透過性が低下し、光学特性が悪くなる可能性があるからである。
なお、センサ部オーバーコート層の厚みとは、透明電極表面からセンサ部オーバーコート層の厚みの表面までの距離をいう。
上記センサ部オーバーコート層は光透過性を有するものである。上記センサ部オーバーコート層の可視光領域における透過率としては、所望の光透過性を有するセンサ部オーバーコート層を形成可能であれば特に限定されるものではないが、具体的には、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。上記光透過率が上記範囲内であることにより、光透過性に優れたセンサ部オーバーコート層を形成することができるからである。
ここで、センサ部オーバーコート層の光透過率は、ガラス上に形成したセンサ部オーバーコート層を、JIS K 7105で規定する方法により測定した値(全光線透過率)とする。
上記センサ部オーバーコート層は、高屈折率を有することが好ましく、例えば1.5〜1.8の範囲内であることが好ましい。センサ部の不可視化性を発揮させることができるからである。なお、上記センサ部オーバーコート層の屈折率は、ヤーマン株式会社製のFilmTekにより測定した。
また、センサ部オーバーコート層の屈折率を調整する手段は特に限定されないが、例えば、高屈折材料をセンサ部オーバーコート層に含有させて、センサ部の一般的な屈折率である1.8〜1.9の範囲内にセンサ部オーバーコート層の屈折率を近似させる方法等を挙げることができる。具体的には、上記センサ部オーバーコート層の材料に、さらに、高屈折材料として、例えば二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、酸化タングステン、および酸化セリウム等から選ばれるいずれか1種またはこれらの2種以上を含有させることにより、センサ部オーバーコート層の屈折率を増大させることができる。上記方法を用いることにより、センサ部オーバーコート層の屈折率を、例えば1.6〜1.8程度の範囲内に調整することができる。
(4)センサ部
本発明におけるセンサ部は、上記透明基材の片面に、上記透明電極およびセンサ部オーバーコート層を有していても良く、上記透明基材の両面に上記透明電極およびセンサ部オーバーコート層を有していても良い。
また、本発明におけるセンサ部は、上記透明基材の片面に透明電極を1層のみ有していても良く、2層以上積層して有していても良い。その場合、透明電極の層間に誘電性層を有していても良い。
本発明におけるセンサ部は、透明基材、透明電極、センサ部オーバーコート層の他に、誘電体層、電極密着性向上層等を有していても良い。
2.額縁配線部
次に、本発明における額縁配線部について説明する。本発明における額縁配線部は、透明基材上に形成され、上述したセンサ部に配置された透明電極と接続された配線が形成され、上記配線上にマイグレーション抑制機能を有する額縁配線部オーバーコート層が形成される領域を示し、透明基材と、配線と、額縁配線部オーバーコート層とを含むものである。本発明における額縁配線部は、上記センサ部の周囲であって、少なくとも配線が配置されている領域を示すものであるが、上記センサ部の周囲であって、配線が配置されていない領域を含む場合もある。
以下、本発明における額縁配線部について、構成ごとに説明する。
(1)透明基材
上記額縁配線部における透明基材については、上述した「1.センサ部」の項で記載した透明基材と同じであるため、ここでの説明は省略する。
(2)配線
上記額縁配線部における配線は、上述したセンサ部の透明電極で検出した位置情報の信号等をタッチパネルセンサの外部に有する情報処理部に送るために用いられるものである。
上記額縁配線部における配線は、一般的には、タッチパネルセンサの使用者から視認される領域の外側に形成される。したがって、配線を構成する材料は導電性材料であればよく、光透過性の有無は問わない。上記配線に用いられる材料としては、高い導電性を有する金属単体や、金属の複合体や、金属と金属化合物の複合体や、金属合金等を挙げることができ、具体的には、金、銅、銀、アルミニウム、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン等の金属単体、MAM(Mo−Al−Mo、すなわちモリブデン・アルミニウム・モリブデンの3層構造体)等の金属の複合体、酸化クロム/クロム積層体等の金属と金属化合物の複合体、銀合金や銅合金、APC(Au・Pd・Cu、すなわち銀・パラジウム・銅)等の金属合金等を挙げることができる。中でも、本発明の効果をより発揮するという観点から、銀および銅を用いることが好ましい。
また、配線を構成する金属材料には、適宜、樹脂組成物が混在してもよい。
また、スクリーン印刷等の印刷方法により配線を形成する場合には、配線の形成材料として、数十nm〜数μmの粒径の銀や銅等の金属粒子と樹脂バインダとを含有し、溶媒を用いて適度に調製された金属粒子含有ペーストが汎用される。樹脂バインダとしては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン等の単体あるいは混合物が用いられる。
上記配線は微細な配線パターンであることが好ましく、その幅寸法は特に限定されない。例えば、上記配線をフォトリソグラフィー法により形成する場合、上記配線の幅寸法は5μm〜200μmの範囲内が好ましい。一方、上記配線をスクリーン印刷等の印刷により形成する場合、上記配線の幅寸法は20μm〜300μmの範囲内が好ましい。
上記配線は膜状であることが好ましく、その厚さは特に限定されない。例えば、上記配線をフォトリソグラフィー法により形成する場合、上記配線の厚さは、10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。一方、上記配線をスクリーン印刷等の印刷により形成する場合、上記配線の厚さは5μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。
本発明における配線の形成方法としては、一般的なタッチパネルセンサに用いられる配線と同様とすることができ、例えば、フォトリソグラフィー法、スクリーン印刷法等を挙げることができるが、中でも、フォトリソグラフィー法を用いることが好ましい。配線の幅やその均一性等高精細のパターンを安定的に形成することが可能となるからである。
また、本発明における配線は、その一方の端部に接続端子を有することができる。接続端子は、タッチパネルセンサとタッチパネルセンサの外部に有する情報処理部とを接続する部材である。
上記接続端子の材料は、従来公知のタッチパネルセンサに用いられる接続端子の材料と同様のものを用いることができ、例えば、金、銅、銀、アルミニウム、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン等を用いることができる。
なお、通常、上記接続端子上には、後述する額縁配線部オーバーコート層は形成されない。
(3)額縁配線部オーバーコート層
本発明における額縁配線部オーバーコート層は、額縁配線部上に形成されるマイグレーション抑制機能を有するものである。また、絶縁性を有し、上記配線を保護する機能を有するものである。本願明細書において、「マイグレーション抑制機能を有する」とは、配線や、透明電極と配線との接続部分等の金属が金属イオンとなることによるマイグレーションが発生しないことをいう。
本発明における額縁配線部オーバーコート層の態様について、図を用いて更に説明する。図2は、本発明における額縁配線部上に形成された、額縁配線部オーバーコート層の一例を示す概略断面図である。額縁配線部オーバーコート層は図2で示されるように、複数本からなる配線5の表面を全て被覆するように額縁配線部オーバーコート層6が形成されているものである。通常、額縁配線部オーバーコート層は後述する接続端子の部分を除いて形成される。
上記額縁配線部オーバーコート層が後述するようにセンサ部を囲う構造で形成される場合は、上記額縁配線部オーバーコート層は上記センサ部オーバーコート層より厚く形成されることが好ましい。上記額縁配線部オーバーコート層に囲われたセンサ部上にセンサ部オーバーコート層を形成する際に、粘性の低いセンサ部オーバーコート層の組成材料が上記額縁配線部オーバーコート層の囲いを超えて流出することを防ぐことができるからである。
また、上記額縁配線部オーバーコート層が後述するように加飾層として用いられる場合は、加飾層としての機能を発揮する必要があるため、上記額縁配線部オーバーコート層は通常配線5を被覆する際の被覆幅よりも幅広となるように形成されることが好ましい。
上記額縁配線部オーバーコート層は、上述したセンサ部に重ならないことが好ましい。上記額縁配線部オーバーコート層がセンサ部に重なると、センサ部の光透過性が低下し、光学特性が低下する可能性があるからである。
また、上記額縁配線部オーバーコート層は、上述したセンサ部における透明電極と配線との接続部分にも形成されることが好ましい。上記透明電極と配線との接続部分では銀等の金属等が含まれており、上記接続部分においてもマイグレーションが起こるため、上記接続部分においても額縁配線部オーバーコート層を有することにより、マイグレーションの発生を防止することができるからである。
本発明における額縁配線部オーバーコート層は、上記額縁配線部上に形成されるものであるが、中でも、上記センサ部を囲うように額縁配線部上に形成されることが好ましい。上記センサ部を囲うように額縁配線部オーバーコート層が形成されることにより、上述したセンサ部オーバーコート層の組成材料が額縁配線部やその他領域へ流出することを防ぐことができるため、上記センサ部オーバーコート層を形成する際に、透明性の高く低粘度な材料を用いることが可能となり、また、上記センサ部オーバーコート層の組成材料の固形分を減らして上記センサ部オーバーコート層をさらに薄層化させることが可能となるからである。
なお、この場合、配線が配置されていない領域にも額縁配線部オーバーコート層が形成されるものとなる。
また、上記額縁配線部オーバーコート層は、加飾層として用いられることが好ましい。加飾層として用いられることにより、新たに加飾層を設ける必要が無くなり、タッチパネルセンサをさらに薄層化させることができるからである。
なお、本発明において、加飾層とは、意匠性を高め、また、隠蔽機能を持つ層である。
上記額縁配線部オーバーコート層の材料としては、硬化性を有する樹脂を用いることができ、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線や電子線等の放射線硬化性樹脂等を用いることができ、中でもエポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等を用いることが好ましい。
エポキシ系樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジキシレノール型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリアジン環含有エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等があり、これらを単独または混合して使用する。また、エポキシ樹脂の硬化剤としては、ジシアンジアミドおよびその誘導体(例えば、フェニルピグアニド)、有機酸ヒドラジド(例えば、アジピン酸ジヒドラジド)、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジンを2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1)−エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のイミダゾール化合物類、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−ビニル−4,6−ジアミノ−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、2−メトキシエチル−4,6−ジアミノ−s−トリアジン等のトリアジン化合物、4,4−ジアミノジフェニルメタンのような芳香族アミン、光カチオン重合触媒(例えば、2,4−シクロペンタジエン−1−イル((1−メチルエチル)−ベンゼン)−Fe−ヘキサフルオロホスフェート)、ヘキサメトキシメラミン、ヘキサブトキシメラミン等のようなメラミン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等をあげることができ、これらは単独あるいは混合して使用することができる。
また、ウレタン系樹脂としては、例えば、熱硬化性ポリウレタン樹脂系成型体を用いることができる。熱硬化性ポリウレタン樹脂系成型体は、一般式(1)
Figure 0005935329

(式中R1、R2、R3、R4はそれぞれ同一でも異なっても良く、それぞれ炭素数1〜3の低級アルキル基を示す。)
で表されるポリイソシアナート化合物と、ヒドロキシ化合物、メルカプト化合物、ヒドロキシ基を有するメルカプト化合物、アミン化合物、ヒドロキシ基を有するアミン化合物、メルカプト基を有するアミン化合物から選ばれた1種又は2種以上の活性水素化合物とを、鋳型内で反応させることによって得られる。
上記熱硬化性ポリウレタン樹脂系成型体の合成に用いられる一般式(1)(化1)で表される特定のポリイソシアナート化合物は、キシリレンジイソシアナート誘導体で、具体的には、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、α,α,α’,α’−テトラエチルキシリレンジイソシアナート、α,α,α’,α’−テトラ−n−プロピルキシリレンジイソシアナート、α,α,α’,α’−テトライソプロピルキシリレンジイソシアナート、α,α−ジメチル−α’,α’−ジイソプロピルキシリレンジイソシアナート、α−メチル−α−エチル−α’−プロピル−α’−イソプロピルキシリレンジイソシアナート等があげられる。またこれらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や、多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等もまた使用できる。
上記熱硬化性ポリウレタン樹脂系成型体の合成に用いられるヒドロキシ化合物としては、例えば、メタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エトキシエタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、1,2−メチルグルコサイド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、エリスリトール、スレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、マニトール、ドルシトール、イディトール、グリコール、イノシトール、ヘキサントリオール、トリグリセロース、ジグリペロール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ〔5,2,1,0,2,6〕デカン−ジメタノール、ビシクロ〔4,3,0〕−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカンジオール、ビシクロ〔4,3,0〕ノナンジメタノール、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカン−ジエタノール、ヒドロキシプロピルトリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカノール、スピロ〔3,4〕オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール、1,1’−ビシクロヘキシリデンジオール、シクロヘキサントリオール、マルチトール、ラクチトール等の脂肪族ポリオール、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、テトラヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、ビフェニルテトラオール、ピロガロール、(ヒドロキシナフチル)ピロガロール、トリヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、キシリレングリコール、ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)等の芳香族ポリオール、ジブロモネオペンチルグリコール等のハロゲン化ポリオール、エポキシ樹脂等の高分子ポリオールの他にシュウ酸、グルタミン酸、アジピン酸、酢酸、プロピオン酸、シクロヘキサンカルボン酸、β−オキソシクロヘキサンプロピオン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、サリチル酸、3−ブロモプロピオン酸、2−ブロモグリコール、ジカルボキシシクロヘキサン、ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸、ブロモフタル酸などの有機酸と上記ポリオールとの縮合反応生成物、上記ポリオールとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどアルキレンオキサイドとの付加反応生成物、アルキレンポリアミンとエチレンオキサイドや、プロピレンオキサイドなどアルキレンオキサイドとの付加反応生成物、さらには、ビス〔4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−ヒドロキシシクロヘキシロキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔2−メチル−4−(ヒドロキシエトキシ)−6−ブチルフェニル〕スルフィドおよびこれらの化合物に水酸基当たり平均3分子以下のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドが付加された化合物、ジ−(2−ヒドロキシエチル)スルフィド、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルメルカプト)エタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジスルフィド、1,4−ジチアン−2,5−ジオール、ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)スルフィド、テトラキス(4−ヒドロキシ−2−チアブチル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(商品名ビスフェノールS)、テトラブロモビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールS、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチルチオエチル)−シクロヘキサンなどの硫黄原子を含有したポリオール等が挙げられる。
また、上記熱硬化性ポリウレタン樹脂系成型体の合成に用いられるメルカプト化合物としては、例えば、メチルメルカプタン、ベンゼンチオ−ル、ベンジルチオ−ル、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−exo−cis−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプトコハク酸(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン)等の脂肪族ポリチオール、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、 1,4−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,2’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビベンジル、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、9,10−アントラセンジメタンチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン− 2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等の芳香族ポリチオール、また、2,5−ジクロロベンゼン−1,3−ジチオール、1,3−ジ(p−クロロフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、3,4,5−トリブロム−1,2−ジメルカプトベンゼン、2,3,4,6−テトラクロロ−1,5−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン等の塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換芳香族ポリチオール、また、2−メチルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−エチルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−モルホリノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−シクロヘキシルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−フェノキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−チオベンゼンオキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−チオブチルオキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン等の複素環を含有したポリチオール、さらには1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルメルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルメルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルメルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン等、及びこれらの核アルキル化物等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する芳香族ポリチオール、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピル)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−(3−メルカプトプロピル)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、2−メルカプトエチルチオ−1,3−プロパンジチオール、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド等、及びこれらのチオグリコール酸及びメルカプトプロピオン酸のエステル、ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−チオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−ジチオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオン酸(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する脂肪族ポリチオール、3,4−チオフェンジチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する複素環化合物等が挙げられる。
また、上記熱硬化性ポリウレタン樹脂系成型体の合成に用いられるヒドロキシ基を有するメルカプト化合物としては、例えば、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グリセリンジ(メルカプトアセテート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトハイドロキノン、4−メルカプトフェノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン、4−ヒドロキシ−4’−メルカプトジフェニルスルホン、2−(2−メルカプトエチルチオ)エタノール、ジヒドロキシエチルスルフィドモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトエタンモノ(サルチレート)、ヒドロキシエチルチオメチル−トリス(メルカプトエチルチオ)メタン等が挙げられる。
上記熱硬化性ポリウレタン樹脂系成型体の合成に用いられるアミン化合物としては、例えば、メチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、キシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス(アミノエチル)スルフィド、ビス(アミノエチル)ジスルフィド等の脂肪族アミン類、アニリン、ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ビス(アミノフェニル)メタン、ビス(アミノフェニル)プロパン、ビス(アミノフェニル)スルフィド、ビス(アミノフェニル)スルフォン、ジアミノジエチルトルエン、メトキシジアミノベンゼン、t−ブトキシジアミノトルエン、7,8−ジヒドロ−6,6−ジメチル−1−メチル−2,4−ジアミノベンゾシクロペンタン等の芳香族アミン類が挙げられる。
上記熱硬化性ポリウレタン樹脂系成型体の合成に用いられるヒドロキシ基を有するアミン化合物としては、例えば、ヒドロキシエチルアミン、アミノフェノール等が挙げられる。
上記熱硬化性ポリウレタン樹脂系成型体の合成に用いられるメルカプト基を有するアミン化合物としては、例えば、システアミン、アミノチオフェノール等が挙げられる。
さらには、これら活性水素化合物の塩素置換体、臭素置換体のハロゲン置換体を使用してもよい。これらはそれぞれ単独で用いることも、また2種類以上を混合して用いてもよい。
上記のキシリレンジイソシアナート誘導体から選ばれた少なくとも1種のイソシアナート化合物と上記の活性水素化合物から選ばれた少なくとも1種の配合比率は、(NCO)/(OH+SH+アミノ基)の官能基モル比が通常0.5〜3.0の範囲内、好ましくは0.5〜1.5の範囲内である。
上記熱硬化性ポリウレタン樹脂系成型体はウレタン結合、チオウレタン結合、尿素結合を主体とするものであるが、目的によっては、それ以外にジチオウレン結合、アロハネート結合、チオウレヤ結合、ビュウレット結合等を含有しても、勿論差し支えない。例えば、ウレタン結合に、さらにイソシアナト化合物を反応させり、チオウレタン結合にさらにイソチオシアナト化合物を反応させて架橋密度を増大させることは好ましい結果を与える場合が多い。この場合には反応温度を少なくとも100℃以上に高くし、イソシアナート成分又はイソチオシアナート成分を多く使用する。あるいはまた、尿素結合に更にイソシアナート化合物を反応させて、ビウレット結合を利用することもできる。このようにイソシアナート化合物と反応する上記活性水素化合物以外のものを使用する場合には、特に着色の点に留意する必要がある。
上記額縁配線部オーバーコート層は、上記硬化性樹脂の他にフィラーを含有していてもよい。フィラーを含有することにより、額縁配線部上に額縁配線部オーバーコート層を形成させる際に上記額縁配線部オーバーコート層の組成材料に粘性を付与させることができるからである。
また、上記額縁配線部オーバーコート層が粘性を有することにより、上記額縁配線部オーバーコート層に囲まれたセンサ部の透明電極上にセンサ部オーバーコート層を形成する際に、上記センサ部オーバーコート層にフィラーを含有させることなく、上述したセンサ部オーバーコート層のエッジの垂れや表面のうねりを防止することができるからである。
上記額縁配線部オーバーコート層に用いられるフィラー材料としては、無機フィラーや有機フィラー等を挙げることができる。
無機フィラーとしては、例えば、シリカ、ケイ酸アルミニウム、アナターゼ型酸化チタンおよびルチル型酸化チタン等の酸化チタン類、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、タルク、クレー、ワラストナイト、カオリン、マイカ、セラミックビーズ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素およびダイアモンドカーボランダム等の炭化物、窒化ホウ素等の窒化物、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスパウダー等が挙げられる。
また、有機フィラーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;フッ素系樹脂;スチレン系樹脂;エポキシ系樹脂;メラミン系樹脂;尿素系樹脂;アクリル系樹脂;フェノール系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
中でもシリカ等を用いることが好ましい。
上記フィラーの形状としては、粒子状、フレーク状、板状、鱗片状等を挙げることができる。上記フィラーの形状が粒子状である場合、フィラーの平均一次粒径は、1nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、5nm〜80nmの範囲内であることがより好ましい。
上記額縁配線部オーバーコート層は、上記樹脂や上記フィラーの他に、界面活性剤、カップリング剤、硬化剤等の材料を適宜加えることができる。
また、上述した額縁配線部上に上記額縁配線部オーバーコート層を形成する際に、上記組成材料の他に必要に応じて溶媒を用いても良く、例えば、イソプロパノール(IPA)およびメタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)およびメチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類、酢酸メチルおよび酢酸エチル等のエステル類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物、ジイソプロピルエーテルおよびテトラヒドロフラン等のエーテル類、塩化メチレンおよびクロロホルム等のハロゲン化炭化水素水類、ブチルカルビトールアセテートおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルスルホキシドおよび炭酸プロピレン等のその他の溶媒並びにこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
上記額縁配線部オーバーコート層は、所望のマイグレーション抑制機能が得られるものであれば、透明性を有していても良く、半透明性を有していても良く、不透明性であっても良い。
また、上記額縁配線部オーバーコート層を加飾層として用いる場合、上記額縁配線部オーバーコート層は着色されていることが好ましく、中でも、黒色または白色に着色されていることが好ましい。
上記額縁配線部上に形成される場合、額縁配線部オーバーコート層の厚みは、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜30μmの範囲内であることがより好ましく、1μm〜20μmの範囲内であることがさらに好ましい。
額縁配線部上に形成される上記額縁配線部オーバーコート層の厚みが上記範囲よりも厚いと、タッチパネルセンサの薄層化が困難となる可能性があり、一方、上記範囲よりも厚みが薄いと、保護層として機能することが困難となる可能性があるからである。
また、上記額縁配線部オーバーコート層がセンサ部を囲うように形成される場合、上記額縁配線部オーバーコート層の厚みは、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜30μmの範囲内であることがより好ましく、1μm〜20μmの範囲内であることがさらに好ましい。
3.タッチパネルセンサ
本発明のタッチパネルセンサについて、さらに図を用いて説明する。図3は本発明のタッチパネルセンサの他の一例を示す概略断面図である。本発明のタッチパネルセンサは、図1で示した態様のように、センサ部を囲うように形成された額縁配線部オーバーコート層とセンサ部オーバーコート層が繋がり、境目部分がなだらかになるように形成されていても良く、図3(a)に示すタッチパネルセンサ11のように、センサオーバーコート層3が額縁配線部オーバーコート層6の一部または全部を覆うように形成されていても良い。
また、本発明のタッチパネルセンサは、透明基材の少なくとも一面側の少なくとも一部に上述したセンサ部が設けられ、上記センサ部と同じ透明基材面に上述した額縁配線部を有しているが、図3(b)に示すタッチパネルセンサ12のように、上記透明基材1の両面に上述したセンサ部4および額縁配線部7を有していても良い。
なお、上述したセンサ部および額縁配線部が透明基材の両面に設けられる場合は、各面に形成されるセンサ部および額縁配線部の形状や材質、厚み等は同じであっても良く、異なるものでもあってもよい。
本発明のタッチパネルセンサは、高い光学特性を有するために光透過率が高いことが好ましく、具体的には、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。なお、タッチパネルセンサの光透過率は、JIS K 7105で規定する方法により測定した値(全光線透過率)とする。
本発明のタッチパネルセンサは、上記構成部位の他に、プライマー層、不可視化層、アンダーコート層、ガスバリア層、誘電体層等を有することができる。
4.用途
本発明のタッチパネルセンサの用途としては、例えば、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置等の表示装置を挙げることができる。
B.タッチパネルセンサの製造方法
次に、本発明のタッチパネルセンサの製造方法について説明する。
本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、上述の「A.タッチパネルセンサ」の項に記載された、額縁配線部オーバーコート層がセンサ部を囲うように形成されているタッチパネルセンサの製造方法であって、上記額縁配線部オーバーコート層を形成する、額縁配線部オーバーコート層形成工程と、上記額縁配線部オーバーコート層の内側にセンサ部オーバーコート層を形成する、センサ部オーバーコート層形成工程と、を有するものである。
本発明のタッチパネルセンサの製造方法について、一例を挙げて説明する。
まず、透明電極および配線が形成された透明基材を用意する。額縁配線部オーバーコート層が上記配線の上を覆い、且つ、センサ部を囲う形状となるようにスクリーン印刷を行い、額縁配線部オーバーコート層の組成材料を塗布して額縁配線部オーバーコート層を形成する。
次に、上記額縁配線部オーバーコート層により枠状に囲われたセンサ部上に、スクリーン印刷によりセンサ部オーバーコート層の組成材料を充填し、センサ部オーバーコート層を形成する。これにより、本発明のタッチパネルセンサを形成することができる。
本発明によれば、額縁配線部オーバーコート層形成工程を行うことにより、額縁配線部オーバーコート層は透明電極を囲うように形成させることができる。これにより、センサ部オーバーコート層形成工程において、粘性が低いセンサ部オーバーコート層の組成材料を用いた場合においても、額縁配線部やその他領域への流出を防ぐことができるため、上記センサ部オーバーコート層の組成材料の選択の幅を広げることができる。
以下、本発明のタッチパネルセンサの製造方法について、工程ごとに説明する。
1.額縁配線部オーバーコート層形成工程
本発明における額縁配線部オーバーコート層形成工程は、額縁配線部オーバーコート層を形成する工程である。
本工程において額縁配線部オーバーコート層は、額縁配線部を覆い、センサ部の周囲を囲うようにして枠状に形成されるものである。
本発明における額縁配線部オーバーコート層の形成方法は、パターニングが可能な方法であれば良く、例えば、フォトリソグラフィー法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、インクジェット法等を用いることができる。中でも、スクリーン印刷が好ましい。比較的安価に製造することができるからである。
2.センサ部オーバーコート層形成工程
本発明におけるセンサ部オーバーコート層形成工程は、上記額縁配線部オーバーコート層の内側にセンサ部オーバーコート層を形成する工程である。
本工程において、上述した額縁配線部オーバーコート層形成工程において額縁配線部オーバーコート層がセンサ部の透明電極を囲うように枠状に形成されており、その囲まれた部分にセンサ部オーバーコート層の組成材料を充填してパターニングすることにより、センサ部オーバーコート層を形成することができる。
上記センサ部オーバーコート層の形成方法は、額縁配線部オーバーコート層により形成された囲いの内側に、上記センサ部オーバーコート層を形成できる方法であればパターニングの可否は問われないが、中でも、パターニングが可能な方法が好ましく、フォトリソグラフィー法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、インクジェット法等を用いることができる。本発明においては、中でもスクリーン印刷法を用いることが好ましい。比較的安価に製造することができるからである。
3.その他
本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、上記額縁配線部オーバーコート層形成工程およびセンサ部オーバーコート層形成工程を有するものであるが、通常はその他の工程として、感光性膜形成工程、透明電極形成工程、配線形成工程、保護層形成工程等が行われる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[合成例]
(センサ部オーバーコート層の組成材料の調製)
以下の材料を用いて、センサ部オーバーコート層の組成材料を調整した。
・メタクリル酸 2−(0−[1‘−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(昭和電工(株)社製、カレンズMOI−BM)
… 50重量部
・脂肪族ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、FSK−700)
… 50重量部
・ブチルカルビトールアセテート …100重量部
(額縁配線部オーバーコート層の組成材料の調製)
以下の材料を用いて、額縁配線部オーバーコート層の組成材料を調整した。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、#850:商標エピクロン) … 70重量部
・シリカ … 30重量部
・ブチルカルビトールアセテート …100重量部
(透明基材の前処理)
透明基材として、300mm×400mm、厚み100μmのPET基材(東レ(株)製、ルミラーT60)を準備し、表面を清浄となるよう水洗処理した。
(アンダーコート層の形成)
アクリレート化合物(4官能アクリレート)(東亞合成株式会社製、アロニックスM405)100重量部、イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5重量部をイソブチルアルコールに溶解させた液(アンダーコート層形成液)を準備した。上記アンダーコート層形成液をバーコート法(松尾産業株式会社製、K303マルチコーター)により上記透明基材の一方面上に塗布して塗布膜を形成し、塗布膜に紫外線(波長365nm、照射エネルギー300mJ/m)を照射して、塗布膜を硬化させることにより、アンダーコート層(厚さ1μm)を形成した。アンダーコート層は、透明基材の片面側に形成された後、反対面側についても同様にして形成した。
(電極密着性向上層の形成)
上記アンダーコート層を形成した透明基材において、上記アンダーコート層の両面に二酸化ケイ素(SiO)をスパッタリング(株式会社 アルバック製、小型スパッタ装置)して二酸化ケイ素膜を形成し、これを密着性向上層とした。二酸化ケイ素膜からなる電極密着性向上層は、透明基材の両面のいずれに形成されているものについても、厚みが30nmの層であった。
(透明電極および配線の製版)
上記透明基材に、タッチパネルセンサが12面取りできるよう設計した。
透明電極を形成する材料として、ITOを準備した。上記透明基材の一方側を第一面とし、他方側を第二面とし、第一面および第二面ほぼ全面に、ITOを用い、スパッタにより30nmの厚みの導電性膜を製膜した。
続いて、銀・パラジウム・銅を含むAPC材料を準備し、上記第一面および第二面における導電性膜上ほぼ全面に厚み100nmの金属含有膜をスパッタにより製膜した。
その後、上記透明基材の両面における金属含有膜の上面ほぼ全面に、ポジ感光性材料(AZマテリアルズ社製)を塗布して、1μmの厚みの感光性膜を形成した。そして、上記第一面側では、第一電極パターンおよびこれに連続する第一配線パターンに対応した露光マスクを感光性膜上に配置し、一方、第二面側では、第二電極パターンおよびこれに連続する第二配線パターンに対応した露光マスクを感光性膜上に配置し、透明基材の両面側から露光光として紫外線(波長365nm、照射エネルギー100mJ/m)を照射し、第一面および第二面において同時に感光性膜をパターン露光した。その後、露光マスクを取り除き、感光性膜を現像し、第一電極および第二電極、並びに、第一配線および第二配線の形成パターンで感光性膜をパターニングし、不要な感光性膜を除去した。その後、パターニングされた感光性膜を型にして、金属含有膜を酸性溶剤でエッチングし、第一配線および第二配線を形成した。
感光性膜除去後、続いて、第一電極パターンおよび第二電極パターン以外の領域を感光性膜で覆い、導電性膜をエッチングし、第一電極パターンおよび第二電極パターン上に残る金属含有膜を除去して、第一電極および第二電極を形成し、透明電極積層体を有する透明基材を得た。
なお、図4は合成例における透明電極および配線の製版により形成される、透明電極および配線のパターン図である。第一電極および第二電極の形成パターンは、図4に示す第一面の上面図である(a)および第二面の上面図である(b)に示されるように、短冊状のパターンがX方向とY方向とに伸長し、平面視上、透明基材101の第一面102上に形成された第一電極104と、第二面103上に形成された第二電極105とがほぼ直交するパターンとした。
また、図4(a)に示されるように、透明基材101の第一面102上には第一配線106が形成され、図4(b)に示されるように、透明基材101の第二面103上には第二配線部108が形成された。
[実施例]
(タッチパネルセンサの作製)
まず、紫外線硬化性樹脂(住友スリーエム(株)社製、UV硬化粘着剤 LC−3200)を用い、上述の合成例で得た透明電極積層体の第二面ほぼ全面にダイコーターでコーティングし、その後、紫外線(波長325nm、照射エネルギー1000mJ/m)を照射して硬化させ、第二保護層(厚み50μm)を形成した。
次に、上述の合成例で調製した額縁配線部オーバーコート層の組成材料を用いて、上記透明基材上に形成された第一配線上のみを覆うように、枠状にスクリーン印刷法を用いて、額縁配線部オーバーコート層を形成した。上記額縁配線部オーバーコート層の膜厚は20μmで形成した。
次に、上述の合成例で調製したセンサ部オーバーコート層の組成材料を、先に形成した額縁配線部オーバーコート層の枠の内部にスクリーン印刷により充填して、約5μmの厚みの膜を形成し、これをセンサ部オーバーコート層とした。
続いて、第一面側に、第二保護層の形成方法と同様の方法および材料で、第一保護層を形成した。そして、透明基材を反転させて、第二保護層の端部を、透明基材面に対しほぼ垂直方向に持ち上げて、第二保護層を剥離した。なお、第一保護層は、第一面に形成された額縁配線部オーバーコート層およびセンサ部オーバーコート層の、後工程における損傷を防止するために形成した。
次に、上述のとおり形成された第一保護層を下面側にして、第二面側に、第一面と同様に額縁配線部オーバーコート層と、センサ部オーバーコート層を形成した。
続いて、第一保護層の端部を、基材面に対しほぼ垂直方向に持ち上げて、第一保護層を剥離し、所望のタッチパネルセンサを得た。
[比較例1]
実施例のタッチパネルセンサの作製において、額縁配線部オーバーコート層を形成せず、センサ部オーバーコート層をセンサ部および額縁配線部上に形成したこと以外は実施例と同様にしてタッチパネルセンサを得た。
[比較例2]
実施例のタッチパネルセンサの作製において、センサ部オーバーコート層を形成せず、額縁配線部オーバーコート層をセンサ部および額縁配線部上に形成したこと以外は実施例と同様にしてタッチパネルセンサを得た。
[評価]
(外観性)
実施例、比較例1および比較例2で得られたタッチパネルセンサについて、外観性を確認した。
実施例で得られたタッチパネルセンサでは、センサ部オーバーコート層はレベリングされており、ゆず肌は確認されなかった。
一方、比較例1で得られたタッチパネルセンサでは、センサ部オーバーコート層がセンサ部および額縁配線部以外の領域にまで濡れ拡がり、オーバーコート層を形成することができなかった。
また、比較例2で得られたタッチパネルセンサでは、センサ部上に形成された額縁配線部オーバーコート層はレベリングされず、ゆず肌が観察された。また、センサ部上の額縁配線部オーバーコート層は透明性が悪いため、比較例2で得られたタッチパネルセンサは所望の光学特性を有することが難しいといえる。
(マイグレーション発生評価)
実施例、比較例1および比較例2について、以下のとおり金属イオンによるマイグレーションの発生の有無を測定し、評価した。
タッチパネルセンサを、楠本化成株式会社製の絶縁劣化評価システムSIR−12に接続し、電圧を印加した状態で恒温恒湿槽(恒温恒湿試験機楠本化成(株)品ETAC事業部HIFLEX FH14PH)に投入した。この際、恒温恒湿槽は、温度60℃、相対湿度90%RHとした。タッチパネルセンサには、表示面側上に形成された配線において、互いに隣接する配線片間に電位差(3.3V)が発生するように直流電流が印加された。すなわち、互いに隣接する配線片に対して、一方端位置の配線片から、それぞれ0V、3.3V、0V、3.3V・・・の順に、交互に直流電圧が印加された。この状態で、タッチパネルセンサを240時間放置し、上記絶縁劣化評価システムで配線片間の絶縁抵抗値をモニタリングした。マイグレーションが生じれば、配線片間の絶縁抵抗値が下がるため、このモニタリングにより、マイグレーションの発生を確認することができる。
なお、モニタリングのパターンは、原則、毎秒1回ずつ絶縁抵抗値を測定し、絶縁抵抗値が1.0×10(Ω)(閾値)を下回ると、0.2秒ごとに1回ずつ絶縁抵抗値を測定するようなパターンとなっている。上述のとおりの試験において、(1)絶縁抵抗値が1.0×10(Ω)を下回った値として測定された場合に、マイグレーションが1回発生したと判定した。また、(2)絶縁抵抗値が1.0×10(Ω)以下の測定が積算200回となったときに、測定を中止した。(3)327μA以上の電流(1.0×10(Ω)以下)が計測され、配線部間でショートが確認された場合、測定中止した。上記(1)、(2)および(3)のいずれもが確認されなかったものを良好と評価し、上記(1)、(2)および(3)のいずれかが確認されたものを不良と評価した。
実施例および比較例2で得られたタッチパネルセンサでは、評価結果は良好であり、マイグレーション抑制機能を有することが確認された。しかし、比較例2では、センサ部上の額縁配線部オーバーコート層の透明性が悪く、タッチパネルセンサとしては不適であった。
一方、比較例1で得られたタッチパネルセンサでは、評価結果は不良となり、マイグレーション抑制機能を有しないことが確認された。
1 … 透明基材
2 … 透明電極
3 … センサ部オーバーコート層
4 … センサ部
5 … 配線
6 … 額縁配線部オーバーコート層
7 … 額縁配線部
10、11、12 … タッチパネルセンサ

Claims (3)

  1. 透明基材と、前記透明基材上に形成されたタッチパネルとしての機能を有するセンサ部と、前記透明基材上に形成され、前記センサ部に配置された透明電極と接続された配線が形成された額縁配線部と、を有するタッチパネルセンサにおいて、
    前記センサ部上には、透明性を有するセンサ部オーバーコート層が形成され、
    前記額縁配線部上には、マイグレーション抑制機能を有する額縁配線部オーバーコート層が形成され
    前記額縁配線部オーバーコート層が、前記センサ部を囲うように形成され、
    前記額縁配線部オーバーコート層と前記センサ部オーバーコート層とが繋がっていることを特徴とするタッチパネルセンサ。
  2. 前記額縁配線部オーバーコート層が、加飾層として用いられることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルセンサ。
  3. 請求項1に記載のタッチパネルセンサを製造する、タッチパネルセンサの製造方法であって、
    前記額縁配線部オーバーコート層を形成する、額縁配線部オーバーコート層形成工程と、
    前記額縁配線部オーバーコート層の内側にセンサ部オーバーコート層を形成する、センサ部オーバーコート層形成工程と、
    を有することを特徴とするタッチパネルセンサの製造方法。
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