JP5935329B2 - タッチパネルセンサおよびタッチパネルセンサの製造方法 - Google Patents
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Description
タッチパネルは多くの場合、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ又はプラズマディスプレイ(PDP)等の表示装置が組み込まれた種々の機器等(例えば、パーソナルコンピュータのディスプレイ、券売機等の販売機、ATM(現金自動預け払い機)、携帯電話、携帯情報端末、電子書籍端末、コピー機、デジタルオーディオプレーヤー、ゲーム機およびカーナビゲーション)に対する入力手段として表示装置とともに用いられている。このとき、タッチパネルは表示装置の組み込まれた機器の表示面上に配置され、その機器に対する直接的な入力を可能にする。
静電容量方式のタッチパネルにおいては、位置を検出されるべき外部導体(例えば、指)がタッチパネルセンサに接触又は接近することにより、新たに寄生容量が発生し、この静電容量の変化を利用して、タッチパネルセンサ上における対象物の位置を検出する仕組みとなっている。
具体的には、タッチパネルとしての機能を有するセンサ部は、光学特性を必要とする部位であるため、上記センサ部に配置された透明電極上に形成されるオーバーコート層は薄層で、且つ、透明性を有することが求められるのに対し、上記透明電極と接続された配線が形成された額縁配線部では、透明電極端部に用いられる金属(例えば、銀等がある。)が印加電圧や周囲の湿気およびガス等により金属イオンとなって電極間および配線パターン間を移動する現象(以下、マイグレーションと省略する。)が起こり、電極間および配線パターン間に析出した金属により短絡等を生じる問題があるため、上記配線上に形成されるオーバーコート層はマイグレーション抑制機能を有することが求められる。しかし、透明性を有し、且つ、マイグレーション抑制機能を有する薄層のオーバーコート層を形成することは難しいといった問題がある。
本発明のタッチパネルセンサは、透明基材と、上記透明基材上に形成されたタッチパネルとしての機能を有するセンサ部と、上記透明基材上に形成され、上記センサ部に配置された透明電極と接続された配線が形成された額縁配線部と、を有するタッチパネルセンサにおいて、上記センサ部上には、透明性を有するセンサ部オーバーコート層が形成され、上記額縁配線部上には、マイグレーション抑制機能を有する額縁配線部オーバーコート層が形成されていることを特徴とするものである。
上記センサ部オーバーコート層3は、上記額縁配線部オーバーコート層6と接していても良く、上記センサ部オーバーコート層3と上記額縁配線部オーバーコート層6との間に空間を有し、接していなくてもよい。
しかし、従来のように、タッチパネルセンサの表面全体をオーバーコート層一層で覆う場合、透明性を有し、且つ、マイグレーション抑制機能を有する薄層オーバーコート層を形成することは困難である。その理由として、マイグレーション抑制機能を有する材料を選択するとオーバーコート層を形成した際に透明性を得ることが難しくなり、上記センサ部の光学特性の低下を抑制できない場合があるからであり、一方、高い透明性を有する材料を選択すると、オーバーコート層のマイグレーション抑制機能が低下し、額縁配線部でのマイグレーションの発生を防止できない場合があるからである。
本発明におけるセンサ部について説明する。本発明におけるセンサ部は、透明基材上に形成されたタッチパネルとしての機能を有する領域を示唆し、上記センサ部は、透明基材と、透明電極と、透明性を有するセンサ部オーバーコート層を含むものである。
以下、本発明におけるセンサ部について、構成ごとに説明する。
上記センサ部に用いられる透明基材は、光透過性を有するものであれば、従来公知のタッチパネルに使用されている透明基材を用いることができ、例えば、フィルム、シート、板、膜等の概念を含む樹脂より構成される透明基材や、ガラス、カバーガラス製の透明基材等を用いることができ、中でもフィルムを用いることが好ましい。タッチパネルセンサの軽量化が促進され、また、フレキシブル性を付与することが可能となり、ロールツーロールによる高い生産性を実現することができるからである。
上記センサ部に用いられる上記フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)等のポリエチレンフィルム、あるいはポリエーテルサルフォンフィルム(PESフィルム)等のポリエステルフィルムの他、ポリメチルメタクリレート等のアクリル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、もしくはシンジオタクティック・ポリスチレン等、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、もしくはポリエーテルニトリル等、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリシクロヘキセン、もしくはポリノルボルネン系樹脂等、または、ポリサルホン、ポリサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、もしくは熱可塑性ポリイミド等からなるフィルムや、TACフィルムやCOPフィルム等を挙げることができる。
上記センサ部に用いられる透明基材の厚さが上記範囲よりも厚いと、タッチパネルセンサの薄層化が難しくなる可能性があるからであり、一方、上記範囲よりも薄いと、製造ラインでのハンドリングが困難となる可能性があるからである。
上記センサ部における透明電極は、上述した透明基材上にパターン状に形成されるものであり、外部導体(例えば、指)による入力の位置情報を検出する働きを有するものである。
透明電極は一般的には、タッチパネル部材の使用者から視認されるため、光透過性の導電材料で形成されることが一般的である。なお、使用者に視認される画面において、視認されない程度の小さい領域となる透明電極の形成パターン部分においては、光透過性のない材料から形成されてもよい。
本発明における透明電極の膜厚が、上記範囲よりも厚い場合、透明性に問題が生じる可能性があり、一方、上記範囲よりも薄い場合、所定の導電性が得られない等の問題が生じる可能性があるからである。
上記センサ部におけるセンサ部オーバーコート層は、透明性を有するものであり、上記透明電極を保護する機能を有する。
上記硬化性樹脂は、分子または単体構造内にアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合、あるいはエポキシ基等の重合性官能基が含まれており、それぞれ硬化反応により重合に寄与する。これらの中でも特に、アクリロイル基を含むアクリル系樹脂が硬化反応に優れるため好ましい。
なお、センサ部オーバーコート層の厚みとは、透明電極表面からセンサ部オーバーコート層の厚みの表面までの距離をいう。
ここで、センサ部オーバーコート層の光透過率は、ガラス上に形成したセンサ部オーバーコート層を、JIS K 7105で規定する方法により測定した値(全光線透過率)とする。
また、センサ部オーバーコート層の屈折率を調整する手段は特に限定されないが、例えば、高屈折材料をセンサ部オーバーコート層に含有させて、センサ部の一般的な屈折率である1.8〜1.9の範囲内にセンサ部オーバーコート層の屈折率を近似させる方法等を挙げることができる。具体的には、上記センサ部オーバーコート層の材料に、さらに、高屈折材料として、例えば二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、酸化タングステン、および酸化セリウム等から選ばれるいずれか1種またはこれらの2種以上を含有させることにより、センサ部オーバーコート層の屈折率を増大させることができる。上記方法を用いることにより、センサ部オーバーコート層の屈折率を、例えば1.6〜1.8程度の範囲内に調整することができる。
本発明におけるセンサ部は、上記透明基材の片面に、上記透明電極およびセンサ部オーバーコート層を有していても良く、上記透明基材の両面に上記透明電極およびセンサ部オーバーコート層を有していても良い。
また、本発明におけるセンサ部は、上記透明基材の片面に透明電極を1層のみ有していても良く、2層以上積層して有していても良い。その場合、透明電極の層間に誘電性層を有していても良い。
次に、本発明における額縁配線部について説明する。本発明における額縁配線部は、透明基材上に形成され、上述したセンサ部に配置された透明電極と接続された配線が形成され、上記配線上にマイグレーション抑制機能を有する額縁配線部オーバーコート層が形成される領域を示し、透明基材と、配線と、額縁配線部オーバーコート層とを含むものである。本発明における額縁配線部は、上記センサ部の周囲であって、少なくとも配線が配置されている領域を示すものであるが、上記センサ部の周囲であって、配線が配置されていない領域を含む場合もある。
以下、本発明における額縁配線部について、構成ごとに説明する。
上記額縁配線部における透明基材については、上述した「1.センサ部」の項で記載した透明基材と同じであるため、ここでの説明は省略する。
上記額縁配線部における配線は、上述したセンサ部の透明電極で検出した位置情報の信号等をタッチパネルセンサの外部に有する情報処理部に送るために用いられるものである。
また、配線を構成する金属材料には、適宜、樹脂組成物が混在してもよい。
また、スクリーン印刷等の印刷方法により配線を形成する場合には、配線の形成材料として、数十nm〜数μmの粒径の銀や銅等の金属粒子と樹脂バインダとを含有し、溶媒を用いて適度に調製された金属粒子含有ペーストが汎用される。樹脂バインダとしては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン等の単体あるいは混合物が用いられる。
上記接続端子の材料は、従来公知のタッチパネルセンサに用いられる接続端子の材料と同様のものを用いることができ、例えば、金、銅、銀、アルミニウム、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン等を用いることができる。
なお、通常、上記接続端子上には、後述する額縁配線部オーバーコート層は形成されない。
本発明における額縁配線部オーバーコート層は、額縁配線部上に形成されるマイグレーション抑制機能を有するものである。また、絶縁性を有し、上記配線を保護する機能を有するものである。本願明細書において、「マイグレーション抑制機能を有する」とは、配線や、透明電極と配線との接続部分等の金属が金属イオンとなることによるマイグレーションが発生しないことをいう。
上記額縁配線部オーバーコート層が後述するようにセンサ部を囲う構造で形成される場合は、上記額縁配線部オーバーコート層は上記センサ部オーバーコート層より厚く形成されることが好ましい。上記額縁配線部オーバーコート層に囲われたセンサ部上にセンサ部オーバーコート層を形成する際に、粘性の低いセンサ部オーバーコート層の組成材料が上記額縁配線部オーバーコート層の囲いを超えて流出することを防ぐことができるからである。
また、上記額縁配線部オーバーコート層が後述するように加飾層として用いられる場合は、加飾層としての機能を発揮する必要があるため、上記額縁配線部オーバーコート層は通常配線5を被覆する際の被覆幅よりも幅広となるように形成されることが好ましい。
また、上記額縁配線部オーバーコート層は、上述したセンサ部における透明電極と配線との接続部分にも形成されることが好ましい。上記透明電極と配線との接続部分では銀等の金属等が含まれており、上記接続部分においてもマイグレーションが起こるため、上記接続部分においても額縁配線部オーバーコート層を有することにより、マイグレーションの発生を防止することができるからである。
なお、この場合、配線が配置されていない領域にも額縁配線部オーバーコート層が形成されるものとなる。
なお、本発明において、加飾層とは、意匠性を高め、また、隠蔽機能を持つ層である。
(式中R1、R2、R3、R4はそれぞれ同一でも異なっても良く、それぞれ炭素数1〜3の低級アルキル基を示す。)
で表されるポリイソシアナート化合物と、ヒドロキシ化合物、メルカプト化合物、ヒドロキシ基を有するメルカプト化合物、アミン化合物、ヒドロキシ基を有するアミン化合物、メルカプト基を有するアミン化合物から選ばれた1種又は2種以上の活性水素化合物とを、鋳型内で反応させることによって得られる。
また、上記額縁配線部オーバーコート層が粘性を有することにより、上記額縁配線部オーバーコート層に囲まれたセンサ部の透明電極上にセンサ部オーバーコート層を形成する際に、上記センサ部オーバーコート層にフィラーを含有させることなく、上述したセンサ部オーバーコート層のエッジの垂れや表面のうねりを防止することができるからである。
無機フィラーとしては、例えば、シリカ、ケイ酸アルミニウム、アナターゼ型酸化チタンおよびルチル型酸化チタン等の酸化チタン類、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、タルク、クレー、ワラストナイト、カオリン、マイカ、セラミックビーズ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素およびダイアモンドカーボランダム等の炭化物、窒化ホウ素等の窒化物、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスパウダー等が挙げられる。
また、有機フィラーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;フッ素系樹脂;スチレン系樹脂;エポキシ系樹脂;メラミン系樹脂;尿素系樹脂;アクリル系樹脂;フェノール系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
中でもシリカ等を用いることが好ましい。
また、上記額縁配線部オーバーコート層を加飾層として用いる場合、上記額縁配線部オーバーコート層は着色されていることが好ましく、中でも、黒色または白色に着色されていることが好ましい。
額縁配線部上に形成される上記額縁配線部オーバーコート層の厚みが上記範囲よりも厚いと、タッチパネルセンサの薄層化が困難となる可能性があり、一方、上記範囲よりも厚みが薄いと、保護層として機能することが困難となる可能性があるからである。
また、上記額縁配線部オーバーコート層がセンサ部を囲うように形成される場合、上記額縁配線部オーバーコート層の厚みは、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜30μmの範囲内であることがより好ましく、1μm〜20μmの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明のタッチパネルセンサについて、さらに図を用いて説明する。図3は本発明のタッチパネルセンサの他の一例を示す概略断面図である。本発明のタッチパネルセンサは、図1で示した態様のように、センサ部を囲うように形成された額縁配線部オーバーコート層とセンサ部オーバーコート層が繋がり、境目部分がなだらかになるように形成されていても良く、図3(a)に示すタッチパネルセンサ11のように、センサオーバーコート層3が額縁配線部オーバーコート層6の一部または全部を覆うように形成されていても良い。
なお、上述したセンサ部および額縁配線部が透明基材の両面に設けられる場合は、各面に形成されるセンサ部および額縁配線部の形状や材質、厚み等は同じであっても良く、異なるものでもあってもよい。
本発明のタッチパネルセンサの用途としては、例えば、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置等の表示装置を挙げることができる。
次に、本発明のタッチパネルセンサの製造方法について説明する。
本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、上述の「A.タッチパネルセンサ」の項に記載された、額縁配線部オーバーコート層がセンサ部を囲うように形成されているタッチパネルセンサの製造方法であって、上記額縁配線部オーバーコート層を形成する、額縁配線部オーバーコート層形成工程と、上記額縁配線部オーバーコート層の内側にセンサ部オーバーコート層を形成する、センサ部オーバーコート層形成工程と、を有するものである。
まず、透明電極および配線が形成された透明基材を用意する。額縁配線部オーバーコート層が上記配線の上を覆い、且つ、センサ部を囲う形状となるようにスクリーン印刷を行い、額縁配線部オーバーコート層の組成材料を塗布して額縁配線部オーバーコート層を形成する。
次に、上記額縁配線部オーバーコート層により枠状に囲われたセンサ部上に、スクリーン印刷によりセンサ部オーバーコート層の組成材料を充填し、センサ部オーバーコート層を形成する。これにより、本発明のタッチパネルセンサを形成することができる。
以下、本発明のタッチパネルセンサの製造方法について、工程ごとに説明する。
本発明における額縁配線部オーバーコート層形成工程は、額縁配線部オーバーコート層を形成する工程である。
本工程において額縁配線部オーバーコート層は、額縁配線部を覆い、センサ部の周囲を囲うようにして枠状に形成されるものである。
本発明におけるセンサ部オーバーコート層形成工程は、上記額縁配線部オーバーコート層の内側にセンサ部オーバーコート層を形成する工程である。
本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、上記額縁配線部オーバーコート層形成工程およびセンサ部オーバーコート層形成工程を有するものであるが、通常はその他の工程として、感光性膜形成工程、透明電極形成工程、配線形成工程、保護層形成工程等が行われる。
(センサ部オーバーコート層の組成材料の調製)
以下の材料を用いて、センサ部オーバーコート層の組成材料を調整した。
・メタクリル酸 2−(0−[1‘−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(昭和電工(株)社製、カレンズMOI−BM)
… 50重量部
・脂肪族ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、FSK−700)
… 50重量部
・ブチルカルビトールアセテート …100重量部
以下の材料を用いて、額縁配線部オーバーコート層の組成材料を調整した。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、#850:商標エピクロン) … 70重量部
・シリカ … 30重量部
・ブチルカルビトールアセテート …100重量部
透明基材として、300mm×400mm、厚み100μmのPET基材(東レ(株)製、ルミラーT60)を準備し、表面を清浄となるよう水洗処理した。
アクリレート化合物(4官能アクリレート)(東亞合成株式会社製、アロニックスM405)100重量部、イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5重量部をイソブチルアルコールに溶解させた液(アンダーコート層形成液)を準備した。上記アンダーコート層形成液をバーコート法(松尾産業株式会社製、K303マルチコーター)により上記透明基材の一方面上に塗布して塗布膜を形成し、塗布膜に紫外線(波長365nm、照射エネルギー300mJ/m2)を照射して、塗布膜を硬化させることにより、アンダーコート層(厚さ1μm)を形成した。アンダーコート層は、透明基材の片面側に形成された後、反対面側についても同様にして形成した。
上記アンダーコート層を形成した透明基材において、上記アンダーコート層の両面に二酸化ケイ素(SiO2)をスパッタリング(株式会社 アルバック製、小型スパッタ装置)して二酸化ケイ素膜を形成し、これを密着性向上層とした。二酸化ケイ素膜からなる電極密着性向上層は、透明基材の両面のいずれに形成されているものについても、厚みが30nmの層であった。
上記透明基材に、タッチパネルセンサが12面取りできるよう設計した。
透明電極を形成する材料として、ITOを準備した。上記透明基材の一方側を第一面とし、他方側を第二面とし、第一面および第二面ほぼ全面に、ITOを用い、スパッタにより30nmの厚みの導電性膜を製膜した。
続いて、銀・パラジウム・銅を含むAPC材料を準備し、上記第一面および第二面における導電性膜上ほぼ全面に厚み100nmの金属含有膜をスパッタにより製膜した。
その後、上記透明基材の両面における金属含有膜の上面ほぼ全面に、ポジ感光性材料(AZマテリアルズ社製)を塗布して、1μmの厚みの感光性膜を形成した。そして、上記第一面側では、第一電極パターンおよびこれに連続する第一配線パターンに対応した露光マスクを感光性膜上に配置し、一方、第二面側では、第二電極パターンおよびこれに連続する第二配線パターンに対応した露光マスクを感光性膜上に配置し、透明基材の両面側から露光光として紫外線(波長365nm、照射エネルギー100mJ/m2)を照射し、第一面および第二面において同時に感光性膜をパターン露光した。その後、露光マスクを取り除き、感光性膜を現像し、第一電極および第二電極、並びに、第一配線および第二配線の形成パターンで感光性膜をパターニングし、不要な感光性膜を除去した。その後、パターニングされた感光性膜を型にして、金属含有膜を酸性溶剤でエッチングし、第一配線および第二配線を形成した。
感光性膜除去後、続いて、第一電極パターンおよび第二電極パターン以外の領域を感光性膜で覆い、導電性膜をエッチングし、第一電極パターンおよび第二電極パターン上に残る金属含有膜を除去して、第一電極および第二電極を形成し、透明電極積層体を有する透明基材を得た。
なお、図4は合成例における透明電極および配線の製版により形成される、透明電極および配線のパターン図である。第一電極および第二電極の形成パターンは、図4に示す第一面の上面図である(a)および第二面の上面図である(b)に示されるように、短冊状のパターンがX方向とY方向とに伸長し、平面視上、透明基材101の第一面102上に形成された第一電極104と、第二面103上に形成された第二電極105とがほぼ直交するパターンとした。
また、図4(a)に示されるように、透明基材101の第一面102上には第一配線106が形成され、図4(b)に示されるように、透明基材101の第二面103上には第二配線部108が形成された。
(タッチパネルセンサの作製)
まず、紫外線硬化性樹脂(住友スリーエム(株)社製、UV硬化粘着剤 LC−3200)を用い、上述の合成例で得た透明電極積層体の第二面ほぼ全面にダイコーターでコーティングし、その後、紫外線(波長325nm、照射エネルギー1000mJ/m2)を照射して硬化させ、第二保護層(厚み50μm)を形成した。
次に、上述の合成例で調製した額縁配線部オーバーコート層の組成材料を用いて、上記透明基材上に形成された第一配線上のみを覆うように、枠状にスクリーン印刷法を用いて、額縁配線部オーバーコート層を形成した。上記額縁配線部オーバーコート層の膜厚は20μmで形成した。
次に、上述の合成例で調製したセンサ部オーバーコート層の組成材料を、先に形成した額縁配線部オーバーコート層の枠の内部にスクリーン印刷により充填して、約5μmの厚みの膜を形成し、これをセンサ部オーバーコート層とした。
続いて、第一面側に、第二保護層の形成方法と同様の方法および材料で、第一保護層を形成した。そして、透明基材を反転させて、第二保護層の端部を、透明基材面に対しほぼ垂直方向に持ち上げて、第二保護層を剥離した。なお、第一保護層は、第一面に形成された額縁配線部オーバーコート層およびセンサ部オーバーコート層の、後工程における損傷を防止するために形成した。
次に、上述のとおり形成された第一保護層を下面側にして、第二面側に、第一面と同様に額縁配線部オーバーコート層と、センサ部オーバーコート層を形成した。
続いて、第一保護層の端部を、基材面に対しほぼ垂直方向に持ち上げて、第一保護層を剥離し、所望のタッチパネルセンサを得た。
実施例のタッチパネルセンサの作製において、額縁配線部オーバーコート層を形成せず、センサ部オーバーコート層をセンサ部および額縁配線部上に形成したこと以外は実施例と同様にしてタッチパネルセンサを得た。
実施例のタッチパネルセンサの作製において、センサ部オーバーコート層を形成せず、額縁配線部オーバーコート層をセンサ部および額縁配線部上に形成したこと以外は実施例と同様にしてタッチパネルセンサを得た。
(外観性)
実施例、比較例1および比較例2で得られたタッチパネルセンサについて、外観性を確認した。
実施例で得られたタッチパネルセンサでは、センサ部オーバーコート層はレベリングされており、ゆず肌は確認されなかった。
一方、比較例1で得られたタッチパネルセンサでは、センサ部オーバーコート層がセンサ部および額縁配線部以外の領域にまで濡れ拡がり、オーバーコート層を形成することができなかった。
また、比較例2で得られたタッチパネルセンサでは、センサ部上に形成された額縁配線部オーバーコート層はレベリングされず、ゆず肌が観察された。また、センサ部上の額縁配線部オーバーコート層は透明性が悪いため、比較例2で得られたタッチパネルセンサは所望の光学特性を有することが難しいといえる。
実施例、比較例1および比較例2について、以下のとおり金属イオンによるマイグレーションの発生の有無を測定し、評価した。
タッチパネルセンサを、楠本化成株式会社製の絶縁劣化評価システムSIR−12に接続し、電圧を印加した状態で恒温恒湿槽(恒温恒湿試験機楠本化成(株)品ETAC事業部HIFLEX FH14PH)に投入した。この際、恒温恒湿槽は、温度60℃、相対湿度90%RHとした。タッチパネルセンサには、表示面側上に形成された配線において、互いに隣接する配線片間に電位差(3.3V)が発生するように直流電流が印加された。すなわち、互いに隣接する配線片に対して、一方端位置の配線片から、それぞれ0V、3.3V、0V、3.3V・・・の順に、交互に直流電圧が印加された。この状態で、タッチパネルセンサを240時間放置し、上記絶縁劣化評価システムで配線片間の絶縁抵抗値をモニタリングした。マイグレーションが生じれば、配線片間の絶縁抵抗値が下がるため、このモニタリングにより、マイグレーションの発生を確認することができる。
なお、モニタリングのパターンは、原則、毎秒1回ずつ絶縁抵抗値を測定し、絶縁抵抗値が1.0×106(Ω)(閾値)を下回ると、0.2秒ごとに1回ずつ絶縁抵抗値を測定するようなパターンとなっている。上述のとおりの試験において、(1)絶縁抵抗値が1.0×106(Ω)を下回った値として測定された場合に、マイグレーションが1回発生したと判定した。また、(2)絶縁抵抗値が1.0×106(Ω)以下の測定が積算200回となったときに、測定を中止した。(3)327μA以上の電流(1.0×104(Ω)以下)が計測され、配線部間でショートが確認された場合、測定中止した。上記(1)、(2)および(3)のいずれもが確認されなかったものを良好と評価し、上記(1)、(2)および(3)のいずれかが確認されたものを不良と評価した。
実施例および比較例2で得られたタッチパネルセンサでは、評価結果は良好であり、マイグレーション抑制機能を有することが確認された。しかし、比較例2では、センサ部上の額縁配線部オーバーコート層の透明性が悪く、タッチパネルセンサとしては不適であった。
一方、比較例1で得られたタッチパネルセンサでは、評価結果は不良となり、マイグレーション抑制機能を有しないことが確認された。
2 … 透明電極
3 … センサ部オーバーコート層
4 … センサ部
5 … 配線
6 … 額縁配線部オーバーコート層
7 … 額縁配線部
10、11、12 … タッチパネルセンサ
Claims (3)
- 透明基材と、前記透明基材上に形成されたタッチパネルとしての機能を有するセンサ部と、前記透明基材上に形成され、前記センサ部に配置された透明電極と接続された配線が形成された額縁配線部と、を有するタッチパネルセンサにおいて、
前記センサ部上には、透明性を有するセンサ部オーバーコート層が形成され、
前記額縁配線部上には、マイグレーション抑制機能を有する額縁配線部オーバーコート層が形成され、
前記額縁配線部オーバーコート層が、前記センサ部を囲うように形成され、
前記額縁配線部オーバーコート層と前記センサ部オーバーコート層とが繋がっていることを特徴とするタッチパネルセンサ。 - 前記額縁配線部オーバーコート層が、加飾層として用いられることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルセンサ。
- 請求項1に記載のタッチパネルセンサを製造する、タッチパネルセンサの製造方法であって、
前記額縁配線部オーバーコート層を形成する、額縁配線部オーバーコート層形成工程と、
前記額縁配線部オーバーコート層の内側にセンサ部オーバーコート層を形成する、センサ部オーバーコート層形成工程と、
を有することを特徴とするタッチパネルセンサの製造方法。
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