JP5935256B2 - p型拡散層形成組成物、p型拡散層の製造方法、及び太陽電池素子の製造方法 - Google Patents
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Description
まず、光閉じ込め効果を促して高効率化を図るよう、テクスチャー構造を形成したp型シリコン基板を準備し、続いてオキシ塩化リン(POCl3)、窒素、酸素の混合ガス雰囲気において800℃〜900℃で数十分の処理を行って一様にn型拡散層を形成する。この従来の方法では、混合ガスを用いてリンの拡散を行うため、表面のみならず、側面、裏面にもn型拡散層が形成される。そのため、側面のn型拡散層を除去するためのサイドエッチングを行う。また、裏面のn型拡散層はp+型拡散層へ変換する必要があり、裏面にアルミペーストを印刷し、これを焼成して、n型拡散層をp+型拡散層にするのと同時に、オーミックコンタクトを得ている。
また、アルミニウムの代わりにホウ素化合物を拡散源として用いる手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらにアルコキシシランの加水分解生成物と不純物拡散成分等を含む拡散剤組成物を用いた不純物拡散層の形成方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、アルコキシシランの加水分解生成物及びホウ素化合物を原料とする拡散液は、アウトディフュージョンの問題だけでなく、スクリーン印刷ができないという課題があった。
加えて、太陽電池のコストの大部分を占めるシリコン基板の薄型化は今後避けることはできず、ますます基板の反りを抑制する必要が重要となる。
<1> シリコンアルコキシド及びホウ素化合物の反応生成物であるホウ素含有ケイ素酸化物の少なくとも1種を含み、前記ホウ素含有ケイ素酸化物が、体積平均粒径0.01μm〜50μmの粒子であるp型拡散層形成組成物、
本発明のp型拡散層形成組成物は、シリコンアルコキシド及びホウ素化合物の反応生成物であるホウ素含有ケイ素酸化物の少なくとも1種を含み、必要に応じてその他の成分を含んで構成される。
シリコンアルコキシド及びホウ素化合物の反応生成物を含むことで、アウトディフュージョンを抑制しながら、p型拡散層を所望の領域にのみ形成することができる。
また例えば、ホウ素化合物に起因する吸湿性も抑えることができるため、分散媒との反応や水分との反応を抑制できるため、p型拡散層形成組成物としての化学的安定性が向上する。さらにホウ素原子は前記反応生成物中で拡散することが可能であるため、熱拡散処理中においても、p型拡散層形成組成物の拡散性能を保持することが可能である。
シリコンアルコキシドとホウ素化合物とを反応させて得られるホウ素含有ケイ素酸化物においては、ホウ素化合物に由来する構造が酸化ケイ素ネットワーク(シリカゲルマトリクス)中に分散して存在していると考えられる。そのためホウ素化合物自体の性質と大きく異なる性質を示すと考えられる。例えば、ホウ素化合物自体の揮発性が抑制されるため、半導体基板(例えば、シリコン基板)にp型拡散層を形成する高温におけるホウ素化合物のアウトディフュージョンを抑制できる。すなわち所望の領域にのみp型拡散層を形成することができる。
従って、本発明のp型拡散層形成組成物を用いることで、従来は選択的な領域にのみp型拡散層を形成する際に必要とされたマスク処理工程が不要となる。
前記ホウ素含有ケイ素酸化物は、シリコンアルコキシドとホウ素化合物とを反応させて得られる反応生成物であれば、特に制限されない。また前記ホウ素含有ケイ素酸化物は、シリコンアルキキシドとホウ素化合物とを反応させた後、未反応のホウ素化合物等の少なくとも一部を除去して得られるものであることが好ましい。これによりアウトディフュージョンをより効果的に抑制することができる。
またシリコンアルコキシドを構成するアルコキシ基の数が3以下の場合、シリコンアルコキシドは、ケイ素原子の原子価が4になるように水素原子、ヒドロキシ基及び炭化水素基から選ばれる置換基をさらに有することが好ましい。
前記炭化水素基としては、脂肪族基であっても芳香族基であってもよい。中でも炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基等が好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、プロペニル基、ブテニル基等を挙げることができる。
前記アルコキシ基におけるアルキル基部分は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれのアルキル基であってもよい。中でも直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。
またシリコンアルコキシドが有する複数のアルキコキシ基は、同一のアルコキシ基であっても、互いに異なるアルコキシ基であってもよい。
中でも、入手の容易さからシリコンメトキシド、シリコンエトキシドを用いることが好ましい。
前記有機基としては炭素原子と水素原子を少なくとも含んで構成される基であれば特に制限されない。前記有機基は、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基等の脂肪族基であっても、芳香族基であってもよい。前記脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよく、さらに置換基を有していてもよい。また前記芳香族基は、芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基のいずれであってもよく、さらに置換基を有していてもよい。
脂肪族基及び芳香族基における置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子等を挙げることができる。また芳香族複素環基におけるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を挙げることができる。
これらのなかでも、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。
またR1〜R3のうち2以上が炭素数1〜10の有機基の場合、それらは同一であっても、互いに異なっていてもよい。
前記比率が、0.1以上であると拡散能力がより向上する傾向にある。また5.0以下であるとアウトディフュージョンをより効果的に抑制できる傾向にある。
なお、ホウ素含有ケイ素酸化物に含まれるケイ素原子とホウ素原子との比率は、ICP発光分光分析装置、グロー放電質量分析等を用いて常法により測定することができる。
具体的にはカーボネート化合物(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、複素環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン、N−メチルピロリドン等)、環状エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、鎖状エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、ニトリル化合物(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、エステル類(カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等)、非プロトン極性溶剤(ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、非極性炭化水素溶剤(トルエン、キシレン等)、塩素系溶剤(メチレンクロリド、エチレンクロリド等)、水等を用いることができる。
中でも、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類等が好ましい。
これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
アルカリとしては特に制限されず、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、アンモニア等の一般的なものから適宜選択することができる。
また酸としては、無機プロトン酸及び有機プロトン酸を挙げることができる。無機プロトン酸としては、塩酸、硫酸、硼酸、硝酸、過塩素酸、テトラフルオロ硼酸、ヘキサフルオロ砒素酸、臭化水素酸等が挙げられる。また有機プロトン酸としては、酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。
特に触媒として酸を用いる場合、酸の量によりゾルの溶媒への溶解度が変化するため、ゾルが可溶な溶解度になるように調節することが好ましい。
前記金属の塩として具体的には、硝酸アルミニウム、硝酸鉄、オキシ硝酸ジルコニウム、塩化チタン、塩化アルミニウム、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、硫酸チタン、及び硫酸アルミニウム等が挙げられる。
これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また前記反応は、減圧下で行なってもよく、その場合は減圧下における前記アルコールや溶媒の沸点等に応じて反応温度を適宜選択することができる。
前記比率が、0.1以上であると拡散能力がより向上する傾向にある。また5.0以下であるとアウトディフュージョンをより効果的に抑制できる傾向にある。
シリコンアルコキシド、例えばシリコンエトキシドをゾル−ゲル反応の溶媒、例えばエタノールに溶解し、酸またはアルカリとして、例えば硝酸水溶液を加え、室温で撹拌してシリカゾルを調製する。この水溶液にホウ酸エステル等のホウ素化合物を加えて撹拌する。次いで、25℃〜100℃で溶媒の少なくとも一部を除去することでシリコンアルコキシドの加水分解、脱水縮合が完結する。溶媒の除去は揮発成分が実質的になくなって固形物となるまで行なってもよいし、溶媒が一部残存したゲル状体となるまで行なってもよい。
またこの製造方法においては、ホウ素化合物としてホウ酸エステルを用いることが好ましい。ホウ酸エステル自体も縮合反応可能なため、より効率よくホウ素含有ケイ素酸化物を得ることができる。
特に、ホウ素化合物をエステル類として加えることで、より効率的にシリカゲルマトリクス内にホウ素原子を化学結合した状態でとじこめることができる。
また、このような状態であってもホウ素原子はシリカネットワーク内を拡散することができるため、p型拡散層形成組成物の拡散性能を保持することが可能である。
精製工程としては特に制限されない。例えばホウ素化合物を溶解可能な溶媒で洗浄する方法を挙げることができる。
この場合、ホウ素含有ケイ素酸化物の形状としては、略球状、扁平状、ブロック状、板状、および鱗片状等が挙げられる。p型拡散層形成拡散層形成組成物とした場合の基板への塗布性や均一拡散性の点から略球状、扁平状、または板状であることが望ましい。
またホウ素含有ケイ素酸化物の粒径は、50μm以下であることが望ましい。粒径が50μm以下のホウ素含有ケイ素酸化物を用いた場合には、平滑な塗膜が得られやすい。更に、前記粒径は10μm以下であることがより望ましい。なお、下限は特に制限されないが、0.01μm以上であることが好ましい。
ここで、ホウ素含有ケイ素酸化物の粒径は、体積平均粒径を表し、レーザー散乱回折法粒度分布測定装置等により測定することができる。
前記p型拡散層形成組成物がシリコンアルコキシドを含む場合、シリコンアルコキシドの含有率は、前記ホウ素含有ケイ素酸化物に対して、100質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。100質量%以下であると、p型拡散層形成組成物の拡散性能がより向上する傾向がある。
さらに前記p型拡散層形成組成物がホウ素化合物を含む場合、ホウ素化合物の含有率は、前記ホウ素含有ケイ素酸化物に対して、200質量%以下であることが好ましく、100質量%以下であることがより好ましい。200質量%以下であるとより効果的にアウトディフュージョンを抑制できる傾向にある。
前記分散媒とは、p型拡散層形成組成物中において上記ホウ素含有ケイ素酸化物を分散させる媒体である。具体的に分散媒としては、溶剤、バインダーなどが採用される。
p型拡散層形成組成物とした場合、基板への塗布性の観点から、α−テルピネオール、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチルが好ましい。
またp型拡散層形成組成物中の分散媒の含有比率は、塗布性、ドナー濃度を考慮して適宜決定される。
p型拡散層形成組成物の粘度は、塗布性を考慮して、10mPa・s以上1000000mPa・s以下であることが好ましく、50mPa・s以上500000mPa・s以下であることがより好ましい。
詳細には、インゴットからスライスした際に発生するシリコン表面のダメージ層を20質量%苛性ソーダで除去する。次いで1質量%苛性ソーダと10質量%イソプロピルアルコールの混合液によりエッチングを行い、テクスチャー構造を形成する。太陽電池素子は、受光面(表面)側にテクスチャー構造を形成することにより、光閉じ込め効果が促され、高効率化が図られる。
また熱拡散処理時間はp型拡散層形成組成物に含まれるアクセプタ元素の含有率等に応じて適宜選択することができる。例えば1分〜60分間とすることができ、2分〜30分間であることが好ましい。
さらに前記拡散処理は、短時間熱処理(RTP)技術を用いて実施することもできる。
詳細には、インゴットからスライスした際に発生するシリコン表面のダメージ層を20質量%苛性ソーダで除去する。次いで1質量%苛性ソーダと10質量%イソプロピルアルコールの混合液によりエッチングを行い、テクスチャー構造を形成する(図中ではテクスチャー構造の記載を省略する)。太陽電池素子は、受光面(表面)側にテクスチャー構造を形成することにより、光閉じ込め効果が促され、高効率化が図られる。
上記p型拡散層形成組成物の塗布量としては特に制限は無いが、例えば、ガラス粉末量として0.01g/m2〜100g/m2とすることができ、0.1g/m2〜10g/m2であることが好ましい。
熱拡散処理時間は、p型拡散層形成組成物に含まれるアクセプタ元素の含有率などに応じて適宜選択することができる。例えば、1分間〜60分間とすることができ、2分間〜30分間であることがより好ましい。
この内部応力は、結晶の結晶粒界に損傷を与え、電力損失が大きくなるという課題があった。また、反りは、モジュール工程における太陽電池素子の搬送や、タブ線と呼ばれる銅線との接続において、太陽電池素子を破損させ易くしていた。近年では、スライス加工技術の向上から、シリコン基板の厚みが薄型化されつつあり、更に太陽電池素子が割れ易い傾向にある。
より具体的には、上記混合ガス流量比NH3/SiH4が0.05〜1.0、反応室の圧力が13.3Pa(0.1Torr)〜266.6Pa(2Torr)、成膜時の温度が300℃〜550℃、プラズマの放電のための周波数が100kHz以上の条件下で形成される。
バックコンタクト型の太陽電池素子は、電極を全て裏面に設けて受光面の面積を大きくするものである。つまりバックコンタクト型の太陽電池素子では、裏面にn型拡散部位及びp+型拡散部位の両方を形成しpn接合構造とする必要がある。本発明のp型拡散層形成組成物は、特定の部位にp型拡散部位を形成することが可能であり、よってバックコンタクト型の太陽電池素子の製造に好適に適用することができる。
これにより図3(a)に示すように、p型半導体基板1のp+型拡散層3の上にはp型拡散層形成組成物の熱処理物層2が形成され、n型拡散層6の上にはn型拡散層形成組成物の熱処理物層5が形成される。
これにより図3(b)に示すように、図3(a)におけるp型拡散層形成組成物の熱処理物層2及びn型拡散層形成組成物の熱処理物層5がエッチング除去され、表面近傍にp+型拡散層3とn型拡散層6とが選択的に形成されたn型半導体基板1が得られる。
また図3(c2)に示すように、n型半導体基板1の全面に反射膜又は表面保護膜7を形成してもよい。
尚、図3(c2)に示すようにn型半導体基板1の全面に反射膜又は表面保護膜を形成した場合は、電極ペーストとしてファイアースルー性を有するガラス粉末を含むものを用いることで、図3(d)に示すようにp+型拡散層3及びn型拡散層6の上に、電極4及び電極8をそれぞれ形成することができる。
上述した図3で示される実施の形態では、基板の伝導型がn型の場合について説明を行ったが、この発明はp型でも適用可能である。
(合成例1)〜ホウ素含有ケイ素酸化物の合成〜
トリイソプロピルボレート(東京化成工業製)1.0gをエタノール3gに溶解し、次いでテトラエトキシシラン(和光純薬工業製)1.1gを加えた。これに10%硝酸水溶液を1.0gを加えた。これを、40℃にて還流しながら1時間攪拌後、100℃にて攪拌しながら蒸発乾固した。得られた固体をメノウ乳鉢で粉砕し粉末として、ホウ素含有ケイ素酸化物を得た。ケイ素原子に対するホウ素原子のモル比は1.0であった。なお前記モル比はICP発光分光分析装置を用いて常法により測定した。
得られたホウ素含有ケイ素酸化物の体積平均粒子径を、レーザー回折法で測定したところ6μmであった。
エチルセルロース(日進化成製エトセル)を6%含むテルピネオール(日本テルペン化学)溶液を調製した。この溶液9gと合成例1で合成した粉末1gとを自動乳鉢混練装置を用いて混合し、p型拡散層形成組成物を調製した。
得られたp型拡散層形成組成物をスクリーン印刷によって、スライスしたn型シリコン基板表面(156mm角)に塗布し、150℃のホットプレート上で5分間乾燥させた。続いて、窒素ガスを5L/分で流した950℃の環状炉で20分間熱拡散処理を行った。
n型拡散層形成組成物を塗布した側の表面のシート抵抗を三菱化学(株)製Loresta−EP MCP−T360型低抵抗率計を用いて四探針法により測定した。ペーストを塗布した部分は70Ω/□であり、ホウ素が拡散しp型拡散層が形成されていた。また、面内を9等分した各箇所の中心部のシート抵抗を測定したところ、標準偏差は5であった。塗布していない側(裏側)のシート抵抗は1000Ω/□以上であり、n型拡散層は実質的に形成されていないと判断された。
トリイソプロピルボレート1.0gの代わりに酸化ホウ素(和光純薬工業製)0.37gを用いたこと以外は実施例1と同様にしてホウ素含有ケイ素酸化物を得て、これを用いてp型拡散層形成組成物を調製した。ホウ素含有ケイ素酸化物におけるケイ素原子に対するホウ素原子のモル比は1.0であった。
得られたp型拡散層形成組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にしてn型シリコン基板上にp型拡散層を形成して評価用サンプルを得た。
得られた評価用サンプルのn型拡散層形成組成物を塗布した側の表面のシート抵抗は95Ω/□であった。面内シート抵抗の標準偏差は4であった。塗布していない側(裏側)のシート抵抗は750Ω/□以上であり、n型拡散層は実質的に形成されていないと判断された。
あった。
実施例1においてトリイソプロピルボレートの量を1gから0.3gに変更した以外は実施例1と同様にしてホウ素含有ケイ素酸化物を得て、これを用いてp型拡散層形成組成物を調製した。ホウ素含有ケイ素酸化物におけるケイ素原子に対するホウ素原子のモル比は0.3であった。
得られたp型拡散層形成組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にしてn型シリコン基板上にp型拡散層を形成して評価用サンプルを得た。
得られた評価用サンプルのn型拡散層形成組成物を塗布した側の表面のシート抵抗は60Ω/□であった。面内シート抵抗の標準偏差は3であった。塗布していない側(裏側)のシート抵抗は750Ω/□以上であり、n型拡散層は実質的に形成されていないと判断された。
SiO2粉末(和光純薬工業製)2gと、酸化ホウ素1gと、水1gとを混合し、120℃で蒸発乾固し、次いでメノウ乳鉢で粉砕して粉末を得た。
得られた粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ペースト状の組成物を調製した。
得られた組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、熱拡散処理を行って評価用サンプルを得た。
得られた評価用サンプルのn型拡散層形成組成物を塗布した側の表面のシート抵抗は95Ω/□であった。一方、裏側のシート抵抗は180Ω/□であり、塗布部以外にもホウ素が拡散していた。
シランアルコキシド1.1gと、酸化ホウ素0.37gと、10%硝酸水溶液0.01gと、10%PVA水溶液0.5gと、エタノール1gとを混合した。この組成物を用いて、n型シリコン基板表面にスピンコート(回転数1000rpm)し、150℃のホットプレート上で5分間乾燥させた。続いて、窒素ガスを5L/分で流した950℃の環状炉で20分間熱拡散処理を行った。その後ガラス層を除去するため基板を、2.5質量%HF水溶液に2分間浸漬し、流水洗浄し、乾燥を行って評価用サンプルを得た。表面のシート抵抗は50Ω/□であった。また面内シート抵抗の標準偏差は10であった。塗布していない側(裏側)のシート抵抗は250Ω/□以上であった。
2、5 熱処理物層
3 p+型拡散層
4、8 電極
6 n型拡散層
7 反射膜又は表面保護膜
10 p型半導体基板
12 n型拡散層
13 p型拡散層形成組成物層
14 p+型拡散層
16 反射防止膜
18 表面電極
20 裏面電極(電極層)
30 バスバー電極
32 フィンガー電極
Claims (9)
- シリコンアルコキシド及びホウ素化合物の反応生成物であるホウ素含有ケイ素酸化物の少なくとも1種を含み、前記ホウ素含有ケイ素酸化物が、体積平均粒径0.01μm〜50μmの粒子であるp型拡散層形成組成物。
- 前記ホウ素化合物が、ホウ酸、酸化ホウ素、及びホウ酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のp型拡散層形成組成物。
- 前記ホウ素化合物が下記一般式(I)で表されるホウ酸エステルである請求項1又は請求項2に記載のp型拡散層形成組成物。
(式中、R1、R2及びR3は各々独立に、炭素数1〜10の有機基又は水素原子を示し、R1〜R3のうち少なくとも1つは炭素数1〜10の有機基である) - 前記ホウ素含有ケイ素酸化物は、ケイ素原子に対して0.1〜5.0のモル比でホウ素原子を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のp型拡散層形成組成物。
- さらに分散媒を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のp型拡散層形成組成物。
- 前記分散媒はバインダーを含む請求項5に記載のp型拡散層形成組成物。
- 半導体基板上に、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のp型拡散層形成組成物を塗布する工程と、熱拡散処理を施す工程と、を有するp型拡散層の製造方法。
- 半導体基板上に、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のp型拡散層形成組成物を塗布する工程と、熱拡散処理を施してp型拡散層を形成する工程と、前記p型拡散層上に電極を形成する工程と、を有する太陽電池素子の製造方法。
- 前記熱拡散処理は、800℃以上で行われる請求項8に記載の太陽電池素子の製造方法。
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