JP5934540B2 - 圧電/電歪アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents

圧電/電歪アクチュエータ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電/電歪アクチュエータに関する。より詳しくは、本発明は、圧電変位の阻害を抑制しつつ、高湿度雰囲気下において高い信頼性を有する圧電/電歪アクチュエータに関する。更に、本発明は、かかる圧電/電歪アクチュエータの製造方法にも関する。
圧電/電歪アクチュエータは、サブミクロンのオーダーで変位を精密に制御することができるという利点を有する。特に、圧電/電歪磁器組成物の焼結体を圧電/電歪体として用いた圧電/電歪アクチュエータは、変位を精密に制御することができる他にも、電気機械変換効率が高く、発生力が大きく、応答速度が速く、耐久性が高く、消費電力が少ないという利点も有し、これらの利点を生かして、インクジェットヘッドやマイクロポンプ等に採用されている。しかしながら、これらの用途においては、高温、高湿度における圧電膜(以降、「圧電体」又は「圧電/電歪層」と称する場合がある)の劣化や絶縁破壊に対する懸念が従前より存在しており、このような水による圧電膜の劣化や絶縁破壊を抑制するために、種々の手段が講じられている。
そこで、当該技術分野においては、例えばAlやSiO等の無機材料からなる緻密な防湿膜で圧電/電歪アクチュエータを覆うことにより、外部から圧電膜への水分の侵入を防止することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、上記のような無機材料からなる防湿膜は硬く、圧電素子の変位を阻害する虞が高い。そこで、当該技術分野においては、圧電素子としての変位を発生させる活性部を防湿膜で覆わないようにするためのパターニング等の対策が提案されている。この場合、圧電素子の外表面の活性部に対応する領域は防湿膜で覆われずに露出することとなる。
上記のように圧電素子の活性部に対応する箇所に開口部を有する防湿膜を備える圧電/電歪アクチュエータにおいては、例えば、水蒸気透過率が低い金属(例えば、Ti、Ru等)からなる上部電極を用いたり、例えば、スパッタ法等の気相法やゾルゲル(Sol−Gel)法等の液相法等を始めとする薄膜法によって圧電膜を形成したりすることが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。因みに、上記のような薄膜法によって形成される圧電膜は微細な柱状構造を有し、例えば、ゲルキャスト法やドクターブレード法等を始めとする一般的な成形法(以降、「厚膜法」と称する場合がある)によって形成される圧電膜と比較して、より緻密な構造を有する。
上記の結果、薄膜法によって形成される圧電膜は、厚膜法によって形成される圧電膜と比較して、例えば、圧電素子の分極処理又は駆動の際に層内にマイクロクラック(微細な亀裂)を生じ難い。従って、薄膜法によって形成される圧電膜においては、例えば、圧電素子の製造工程におけるエッチング等の処理に起因するダメージを受ける側面部のみを被覆することで、ある程度良好なレベルの防湿性を達成することができる。つまり、薄膜法によって形成される圧電膜は、上記のように圧電素子の活性部に対応する箇所に開口部を有する防湿膜を適用するのに適していると言うことができる。
しかしながら、防湿膜の圧電素子の活性部に対応する箇所に開口部を設けるためには、上記のようにパターニング等の加工処理が必要とされるので、圧電/電歪アクチュエータの製造工程を複雑化し、製造コストの増大を招く虞がある。また、薄膜法によって形成される圧電膜は非常に薄く、所望の変位及び応力を発生させるのに必要な厚みを有する圧電膜を薄膜法によって形成するためには、圧電膜が所望の厚みに達するまで薄膜法を繰り返す必要があり、やはり製造コストの増大を招く虞がある。
一方、上述のような厚膜法によれば所望の厚みを有する圧電膜を容易に形成することができる。しかしながら、前述のように、厚膜法によって形成される圧電膜は、薄膜法によって形成される圧電膜ほど緻密な構造を有する訳ではない。具体的には、厚膜法によって形成される圧電膜においては、薄膜法によって形成される圧電膜と比較して、膜内に存在する結晶粒が大きく、結晶粒同士の界面である粒界の間隔がより広い。従って、厚膜法によって形成される圧電膜においては、例えば、分極処理又は圧電/電歪素子としての駆動の際に、薄膜法によって形成される圧電膜と比較して、より大きい応力が粒界(特に、三重点となる粒界)に集中し易い。特に活性部(作動部)と不活性部(非作動部)との境界近傍においては、層内にマイクロクラック(微細な亀裂)を生じ易い。
上記のように活性部(作動部)と不活性部(非作動部)との境界近傍や粒界(特に、三重点となる粒界)に生ずるマイクロクラック(微細な亀裂)は、圧電/電歪層の劣化や絶縁破壊、電極のショート等の問題に繋がる虞がある。従って、厚膜法によって形成される圧電膜については、薄膜法によって形成される圧電膜のように側面部のみを被覆することによっては、高湿度雰囲気下において十分な絶縁性を確保することは困難である。尚、活性部(作動部)と不活性部(非作動部)、及び粒界(特に、三重点となる粒界)の詳細については後述する。
以上のように、当該技術分野においては、圧電/電歪アクチュエータの変位を阻害すること無く、圧電/電歪層を備える圧電/電歪アクチュエータの防湿性を高めて高湿度雰囲気下における絶縁性を改善することができる技術に対する継続的な要求が存在する。
特開2007−276384号公報 特開2009−081347号公報
前述のように、当該技術分野においては、圧電/電歪アクチュエータの変位を阻害すること無く、圧電/電歪層を備える圧電/電歪アクチュエータの防湿性を高めて高湿度雰囲気下における絶縁性を改善することができる技術に対する継続的な要求が存在する。本発明は、かかる要求に応えるために為されたものである。即ち、本発明は、圧電/電歪アクチュエータの変位を阻害すること無く、圧電/電歪層を備える圧電/電歪アクチュエータの防湿性を高めて高湿度雰囲気下における絶縁性を改善することを1つの目的とする。
上記目的は、
圧電/電歪セラミックスを含んでなる第1圧電/電歪層と前記第1圧電/電歪層の両面にそれぞれ配設された1対の電極とを含む積層体を少なくとも1つ含んでなり、前記第1圧電/電歪層が前記1対の電極の間に挟まれている部分に対応する作動部と、前記第1圧電/電歪層が前記1対の電極の間に挟まれていない部分に対応する非作動部とを有する圧電/電歪素子を備える、圧電/電歪アクチュエータであって、
周囲雰囲気に最も近い前記積層体において、
周囲雰囲気側の前記電極と前記第1圧電/電歪層との間に、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第2圧電/電歪層を更に備え、
前記第2圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第2圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第2直径が、前記第1圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第1圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第1直径の0.109倍以下であり、且つ
前記第2直径が、前記第2圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第2層厚の1.5倍以下である、
圧電/電歪アクチュエータによって達成される。
本発明によれば、圧電/電歪アクチュエータとしての変位を阻害すること無く、圧電/電歪層を備える圧電/電歪アクチュエータの防湿性を高めて高湿度雰囲気下における絶縁性を改善することができる。
本発明の1つの実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータを構成する第1圧電/電歪層及び第1圧電/電歪層の上に配設された第2圧電/電歪層の断面のSEM写真である。 圧電/電歪アクチュエータの上部電極と下部電極との間に印加する電界の強度と、電極間に流れる電流との関係(IV特性)を表すグラフである。 第1直径(D1)に対する第2直径(D2)の比率(D2/D1)と第2層厚(T2)に対する第2直径(D2)の比率(D2/T2)との種々の組み合わせにおける高湿絶縁性の評価結果を表すグラフである。
前述のように、本発明の1つの目的は、圧電/電歪アクチュエータの変位を阻害すること無く、圧電/電歪層を備える圧電/電歪アクチュエータの防湿性を高めて高湿度雰囲気下における絶縁性を改善することである。本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、第1圧電/電歪層の外側(周囲雰囲気側)に第2圧電/電歪層を防湿膜として配設し、第2圧電/電歪層を構成する結晶粒の大きさの第1圧電/電歪層を構成する結晶粒の大きさ及び第2圧電/電歪層の厚みのそれぞれに対する比率が特定の範囲に入るように構成することにより、圧電/電歪アクチュエータの変位を阻害すること無く、圧電/電歪層を備える圧電/電歪アクチュエータの防湿性を高めて高湿度雰囲気下における絶縁性を改善することができることを見出し、本発明を想到するに至ったものである。
即ち、本発明の第1の実施態様は、
圧電/電歪セラミックスを含んでなる第1圧電/電歪層と前記第1圧電/電歪層の両面にそれぞれ配設された1対の電極とを含む積層体を少なくとも1つ含んでなり、前記第1圧電/電歪層が前記1対の電極の間に挟まれている部分に対応する作動部と、前記第1圧電/電歪層が前記1対の電極の間に挟まれていない部分に対応する非作動部とを有する圧電/電歪素子を備える、圧電/電歪アクチュエータであって、
周囲雰囲気に最も近い前記積層体において、
周囲雰囲気側の前記電極と前記第1圧電/電歪層との間に、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第2圧電/電歪層を更に備え、
前記第2圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第2圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第2直径が、前記第1圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第1圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第1直径の0.109倍以下であり、且つ
前記第2直径が、前記第2圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第2層厚の1.5倍以下である、
圧電/電歪アクチュエータである。
上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータは、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第1圧電/電歪層と前記第1圧電/電歪層の両面にそれぞれ配設された1対の電極とを含む積層体を少なくとも1つ含んでなる圧電/電歪素子を備える。上記第1圧電/電歪層は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の圧電/電歪磁器組成物や昨今の環境保護の観点から精力的に開発が進められている非鉛系の圧電/電歪磁器組成物を始めとする、圧電/電歪焼結体の製造に使用される各種圧電/電歪磁器組成物の中から適宜選択することができる。具体例としては、例えば、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、ニッケルニオブ酸ビスマス、チタン酸ナトリウムビスマス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス等の単独、あるいは、2成分以上、好ましくは3成分以上の混合物として含有する圧電/電歪セラミックスが挙げられる。
また、上記電極は、例えば、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)等、当該技術分野において電極として使用される種々の材料の中から適宜選択することができる。更に、上記圧電/電歪層や電極の厚みについても、本発明に係る圧電/電歪アクチュエータを適用しようとする用途に応じて、適宜設定することができる。尚、上記第1圧電/電歪層と上記電極との積層は、当該技術分野において周知の何れの手法(例えば、気相成長法、又は各層のスクリーン印刷後の焼成等)によって行ってもよい。
ところで、上記圧電/電歪素子は、上記積層体を2つ以上含んでもよい。このように上記積層体を2つ以上含む圧電/電歪素子もまた、当該技術分野において周知の手法によって製造することができる。何れの場合であっても、当該技術分野において既知の様々な手法を用いて上記圧電/電歪素子を様々な構成に製造することができることは当業者にとって明らかであるので、本明細書においては、これ以上の詳細な説明は割愛する。
また、前述のように、圧電/電歪層においては、例えば、分極処理又は圧電/電歪素子としての駆動の際に、粒界(特に、粒界三重点)においてマイクロクラック等の微少な欠陥が発生し易い。尚、粒界とは、圧電/電歪層(圧電体)を構成する複数の結晶粒の境界を指す。更に、粒界三重点とは、隣り合う3つの結晶粒の境界が交わる点を指す。圧電/電歪層(圧電体)においては、電界が印加された際に、結晶粒内のドメインが伸縮、回転することにより、変位が発現される。その際、特にドメインや結晶格子の方向性が整っていない粒界において応力が集中する。粒界の三重点は、かかる粒界の中で特に応力が集中し易い箇所である。従って、前記作動部に含まれる圧電/電歪層(圧電体)の粒界(特に、粒界三重点)においても、マイクロクラックが発生しがちである。
特に、前述のように、厚膜法によって形成される圧電膜は、薄膜法によって形成される圧電膜ほど緻密な構造を有する訳ではなく、薄膜法によって形成される圧電膜と比べて、膜内に存在する結晶粒が大きく、結晶粒同士の界面である粒界の間隔がより広い。即ち、厚膜法によって形成される圧電膜においては、例えば、分極処理又は圧電/電歪素子としての駆動の際に、薄膜法によって形成される圧電膜と比較して、より大きい応力が粒界(特に、三重点となる粒界)に集中し易い。
更に、上記圧電/電歪素子が含む上記積層体(1層の圧電/電歪層と前記圧電/電歪層の両面にそれぞれ配置された1対の電極とを含む)の数の如何にかかわらず、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータが備える圧電/電歪素子には、上記第1圧電/電歪層が上記1対の電極に挟まれている部分に対応する作動部と、上記第1圧電/電歪層が上記1対の電極に挟まれていない部分に対応する非作動部とが存在する。
上記圧電/電歪素子において、上記作動部は、上記第1圧電/電歪層が上記1対の電極に挟まれている部分に対応する部分を指し、当該作動部は、焼成後の当該圧電/電歪素子において、上記電極間に電界が印加された際に、印加された電界に応じた変形(変位)を生ずる部位である。一方、上記非作動部は、上記第1圧電/電歪層が上記1対の電極に挟まれていない部分に対応する部分を指し、当該非作動部は、焼成後の当該圧電/電歪素子において、上記電極間に電界が印加されても、印加された電界に応じた変形(変位)を(殆ど又は全く)生じない部位である。
従って、前述のように、例えば、分極処理の際又は圧電/電歪素子としての駆動の際等において、作動部と非作動部との境界近傍に応力が作用し、マイクロクラックが発生しがちである。ましてや、作動部と非作動部との境界近傍に含まれる圧電/電歪層(圧電体)の粒界においては、マイクロクラックが特に発生し易い。このマイクロクラックは、圧電/電歪層の劣化や絶縁破壊、電極のショート等の問題を引き起こす主因となり、高湿度雰囲気下における圧電/電歪素子の絶縁性を低下させる要因となる。
そこで、従来技術に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、前述のように、例えばAlやSiO等の無機材料からなる緻密な防湿膜で圧電/電歪アクチュエータを覆うことにより、外部から圧電膜への水分の侵入を防止することが提案されている。また、上記のような無機材料からなる硬い防湿膜によって圧電/電歪アクチュエータを覆うことに伴う圧電素子の変位の阻害を軽減することを目的として、防湿膜の圧電素子の活性部に対応する領域に開口部を設けることも提案されている。しかしながら、防湿膜の開口部を介する水分の侵入を防ぐためには、例えば、水蒸気透過率が低い特殊な金属(例えば、Ti、Ru等)からなる上部電極を用いたり、例えば、スパッタ法等の気相法やゾルゲル(Sol−Gel)法等の液相法等を始めとする薄膜法によって圧電膜を形成したりすることが必要とされる。
上記のような薄膜法によって形成される圧電膜は、例えば、ゲルキャスト法やドクターブレード法等を始めとする一般的な成形法である厚膜法によって形成される圧電膜と比較して、より微細な柱状構造を有することから、例えば、圧電素子の分極処理又は駆動の際に層内にマイクロクラック(微細な亀裂)を生じ難い。結果として、薄膜法によって形成される圧電膜においては、例えば、圧電素子の製造工程におけるエッチング等の処理に起因するダメージを受ける側面部のみを被覆すれば、ある程度良好なレベルの防湿性を達成することができる。しかしながら、防湿膜の圧電素子の活性部に対応する箇所に開口部を設けるためには、上記のようにパターニング等の加工処理が必要とされる。加えて、薄膜法によって形成される圧電膜は非常に薄く、所望の変位及び応力を発生させるのに必要な厚みを有する圧電膜を薄膜法によって形成するためには、圧電膜が所望の厚みに達するまで薄膜法を繰り返す必要がある。かかる事情から、当該技術分野においては、前述のように、圧電/電歪アクチュエータの変位を阻害すること無く、圧電/電歪層を備える圧電/電歪アクチュエータの防湿性を高めて高湿度雰囲気下における絶縁性を改善することができる技術に対する継続的な要求が存在していた。
そこで、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、当該圧電/電歪アクチュエータが備える圧電/電歪素子に含まれる、第1圧電/電歪層とその両面に配設された1対の電極とを含む少なくとも1つの積層体のうち、周囲雰囲気に最も近い前記積層体において、周囲雰囲気側の前記電極と前記第1圧電/電歪層との間に、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第2圧電/電歪層を更に備える。ここで、周囲雰囲気とは、例えば、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータが備える圧電/電歪素子が接触している外気等、当該圧電/電歪素子を構成する第1圧電/電歪層に侵入する水分の供給源となり得る外部環境を指す。従って、例えば、圧電/電歪素子の一方の主面が基板上に配置されており、他方の主面が外気に露出している場合、当該圧電/電歪素子の他方の主面に最も近い積層体が上記「周囲雰囲気に最も近い積層体」に該当する。尚、当該「周囲雰囲気に最も近い積層体」は、上述のように、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第1圧電/電歪層と前記第1圧電/電歪層の両面にそれぞれ配設された1対の電極とを含む。
本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、かかる「周囲雰囲気に最も近い積層体」を構成する第1圧電/電歪層と、1対の電極のうち周囲雰囲気(例えば、外部環境、外気等)に近い側の電極との間に、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第2圧電/電歪層を更に備える。当該第2圧電/電歪層は、詳しくは後述するように、当該第1圧電/電歪層(及び、更に下層の第1圧電/電歪層が存在する場合は、更なる第1圧電/電歪層)への周囲雰囲気からの水分の侵入を防ぐ防湿膜として機能する。当該防湿層は、上述のように、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第2圧電/電歪層からなり、且つ周囲雰囲気側の電極と第1圧電/電歪層との間に配設される。
従って、第2圧電/電歪層がピエゾ(圧電/電歪)効果を呈する圧電/電歪セラミックスを含んでなる場合、当該防湿層は、電極間に電界が印加された際には、第1圧電/電歪層と共に、印加された電界に応じた変形(変位)を生ずることができる。この場合、かかる第2圧電/電歪層からなる防湿膜は、ピエゾ効果を呈する圧電/電歪セラミックスを含んでなるが故に、前述のような従来技術に係る防湿膜において懸念されてきた第1圧電/電歪層による圧電/電歪アクチュエータのピエゾ効果に基づく変位(本明細書においては、単に「圧電変位」と称する場合がある)の阻害を招く虞が低い。かかる観点から、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第2圧電/電歪層からなる防湿層は、上述のように、周囲雰囲気に最も近い積層体において、周囲雰囲気側の電極と第1圧電/電歪層との間に配設されることが望ましい。
尚、第2圧電/電歪層は、上記のように防湿層として機能することを目的として配設される。従って、第2圧電/電歪層は、第1圧電/電歪層と比較して、より緻密な構造を有することが望ましい。即ち、第2圧電/電歪層は、例えば、第2圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶性の高低や、結晶構造の如何によらず、小さい結晶粒によって構成される緻密な構造を有することが望ましい。
具体的には、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、前記第2圧電/
電歪層の主面に平行な面における前記第2圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミック
スの結晶粒の直径の平均値である第2直径が、前記第1圧電/電歪層の主面に平行な面に
おける前記第1圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値
である第1直径の0.109倍以下であり、且つ前記第2直径が、前記第2圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第2層厚の1.5倍以下である。
上述のように、第1圧電/電歪層及び第2圧電/電歪層は何れも圧電/電歪セラミックスを含んでなる圧電/電歪層である。従って、これらの圧電/電歪層は、圧電/電歪セラミックスの複数の結晶粒によって構成される。本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、上述のように、前記第2圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第2圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第2直径が、前記第1圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第1圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第1直径の0.109倍以下である。
ここで、第1直径とは、第1圧電/電歪層の主面に平行な面における第1圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である。第1直径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)によって第1圧電/電歪層の主面において観察される結晶粒の等価円直径の平均値として求めることができる。第2直径についても第1直径と同様に定義され、第1直径と同様に求めることができる。上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、第2直径が第1直径の0.109倍以下、より好ましくは0.073倍以下である。第2直径が第1直径の0.109倍を超えると、高湿度雰囲気下における絶縁性(以降、「IV特性」とも称する場合がある)が低下するので望ましくない。
上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、各々の圧電/電歪層の主面において観察される結晶粒の大きさが、第2圧電/電歪層の方が第1圧電/電歪層よりも十分に小さくなるように構成される。これにより、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、第2圧電/電歪層が、第1圧電/電歪層と比較して、より緻密な構造を有することができ、結果として、周囲雰囲気から第1圧電/電歪層への水分の侵入を防ぐ防湿膜として機能することができる。
尚、上述のように、第1直径及び第2直径は、それぞれ第1圧電/電歪層及び第2圧電/電歪層を構成するセラミックの結晶粒の各圧電/電歪層の主面に平行な(厚み方向に垂直な)面における結晶粒の直径(例えば、等価円直径)の平均値である。従って、場合によっては(例えば、結晶粒の形状が平板状である場合等においては)、第2直径が第2圧電/電歪層の厚み(即ち、第2圧電/電歪層の主面の法線方向における寸法)よりも大きい場合もあり得る。しかしながら、第2直径が第2圧電/電歪層の厚みに対して過大である場合、結晶粒同士の界面である粒界の間隔が過度に広くなり、例えば、分極処理又は圧電/電歪素子としての駆動の際に、個々の粒界に応力が集中して過大となり、マイクロクラック(微細な亀裂)を生じて、第2圧電/電歪層の防湿膜としての機能が低下する虞がある。
そこで、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、上述のように、前記第2直径が、前記第2圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第2層厚の1.5倍以下である。第2直径が第2層厚の1.5倍を超えると、上記のように第2直径が第2層厚に対して過大となり、結晶粒同士の界面である粒界の間隔が過度に広くなった結果として、例えば、分極処理又は圧電/電歪素子としての駆動の際に、個々の粒界に応力が集中して過大となり、マイクロクラック(微細な亀裂)を生じて、第2圧電/電歪層の防湿膜としての機能が低下する等の問題に繋がる虞があるので望ましくない。
以上のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、第1圧電/電歪層の外側(周囲雰囲気側)に第2圧電/電歪層を防湿膜として配設し、第2圧電/電歪層を構成する結晶粒の大きさ(第2直径)の第1圧電/電歪層を構成する結晶粒の大きさ(第1直径)に対する比率、及び第2圧電/電歪層を構成する結晶粒の大きさ(第2直径)の第2圧電/電歪層の厚み(第2層厚)に対する比率を、それぞれ、特定の範囲に入るように構成することにより、圧電/電歪アクチュエータの変位を阻害すること無く、圧電/電歪層を備える圧電/電歪アクチュエータの防湿性を高めて、高湿度雰囲気下における絶縁性を改善することができる。
ところで、上述のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、第2直径が第1直径の0.109倍以下、より好ましくは0.073倍以下である。第2直径が第1直径の0.073倍以下である場合、極めて良好なIV特性を発揮することができる(高湿度雰囲気下における絶縁性が極めて高い)。
従って、本発明の第2の実施態様は、
本発明の前記第1の実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータであって、
前記第2直径が前記第1直径の0.073倍以下である、
圧電/電歪アクチュエータである。
上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、前記第2直径が前記第1直径の0.073倍以下である。即ち、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、第2圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒は、第1圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒と比較して、より一層細かい(粒径が小さい)。その結果、第2圧電/電歪層は、第1圧電/電歪層と比較して、より一層緻密な構造を有することができる。これにより、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、第2圧電/電歪層の防湿膜としての機能がより一層高まり、極めて良好なIV特性を発揮することができる(高湿度雰囲気下における絶縁性が極めて高い)。
ところで、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第2圧電/電歪層といえども、その層厚が過大であると、第1圧電/電歪層の圧電変位を阻害する要因となり得る。例えば、上述のように、第1圧電/電歪層と第2圧電/電歪層とでは、それぞれの圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の大きさが大きく異なることから、例えば、分極処理又は圧電/電歪素子としての駆動の際に、電界の印加に伴う結晶粒内のドメインの伸縮や回転の程度や様式が、第1圧電/電歪層と第2圧電/電歪層とで異なる場合がある。このような場合、結果として、第1圧電/電歪層の圧電変位が阻害されることとなる。従って、第2圧電/電歪層の層厚は、第1圧電/電歪層の圧電変位を阻害することの無い範囲に限定することが望ましい。
従って、本発明の第3の実施態様は、
本発明の前記第1又は前記第2の実施態様の何れか1つに係る圧電/電歪アクチュエータであって、
前記第2層厚が、前記第1圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第1層厚の0.11倍以下である、
圧電/電歪アクチュエータである。
上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、前記第2層厚が、前記第1圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第1層厚の0.11倍以下である。即ち、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、第2圧電/電歪層は、第1圧電/電歪層と比較して、その厚み(圧電/電歪層の主面の法線方向における寸法)が大幅に薄い。これにより、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、第2圧電/電歪層が第1圧電/電歪層の圧電変位を阻害することを回避することができる。
ここで、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータの構成につき、添付図面を参照しながら、更に説明する。図1は、前述のように、本発明の1つの実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータを構成する第1圧電/電歪層及び第1圧電/電歪層の上に配設された第2圧電/電歪層の断面のSEM写真である。尚、実際の本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータが備える圧電/電歪素子においては、かかる第1圧電/電歪層と第2圧電/電歪層との積層体を挟むように1対の電極が設けられる。しかしながら、図1に示すSEM写真においては、第1圧電/電歪層と第2圧電/電歪層との積層体の構造を判り易くすることを目的として、電極を省いた積層体の破断面を観察した。
図1に示すように、図面に向かって上側に配設された第2圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第2層厚T2は、図面に向かって下側に配設された第1圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第1層厚T1よりも、大幅に薄い。従って、上述のように、例えば、電界の印加に伴う結晶粒内のドメインの伸縮や回転の程度や様式における相違等に起因して第2圧電/電歪層が第1圧電/電歪層の圧電変位を阻害する要因となり得る場合においても、第2層厚T2が第1層厚T1よりも十分に薄いことから、第2圧電/電歪層が第1圧電/電歪層の圧電変位を阻害することが回避される。
また、図1に示すSEM写真においては判り難いけれども、図面に向かって上側に配設された第2圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の大きさは、図面に向かって下側に配設された第1圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の大きさと比較して、十分に小さい。即ち、図1に示す実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいても、上述のように、周囲雰囲気に最も近い前記積層体において、周囲雰囲気側の前記電極と前記第1圧電/電歪層との間に、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第2圧電/電歪層を更に備え、前記第2圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第2圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第2直径が、前記第1圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第1圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第1直径の0.109倍以下であり、且つ前記第2直径が、前記第2圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第2層厚の1.5倍以下である。これにより、図1に示す実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいても、第2圧電/電歪層が、第1圧電/電歪層と比較して、より緻密な構造を有することができ、結果として、周囲雰囲気から第1圧電/電歪層への水分の侵入を防ぐ防湿膜として機能することができる。
ところで、第2圧電/電歪層の主面に平行な面における第2圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第2直径は、上述の種々の条件を満足する限りにおいて、如何なる大きさであってもよい。しかしながら、第2圧電/電歪層の構造を十分に緻密なものとする観点からは、上記第2直径は、0.20μm以下であることがより望ましい。
従って、本発明の第4の実施態様は、
本発明の前記第1乃至前記第3の実施態様の何れか1つに係る圧電/電歪アクチュエータであって、
前記第2直径が0.20μm以下である、
圧電/電歪アクチュエータである。
上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、前記第2直径が0.20μm以下である。これにより、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、第2圧電/電歪層の構造を十分に緻密なものとすることができ、かかる第2圧電/電歪層は、結果として、周囲雰囲気から第1圧電/電歪層への水分の侵入を防ぐ防湿膜として確実に機能することができる。
ところで、当業者に周知であるように、圧電/電歪アクチュエータは、印加される電圧(電界)に起因する圧電体の変形(ピエゾ効果)を利用して、電圧(電界)を力(応力)に変換する素子である圧電/電歪素子を含んでなる。圧電/電歪素子の少なくとも一方の主面は、ピエゾ効果によって生ずる圧電/電歪素子の変位に応じて変形又は移動する基板上に配設されることが一般的である。
従って、本発明の第5の実施態様は、
本発明の前記第1乃至前記第4の実施態様の何れか1つに係る圧電/電歪アクチュエータであって、
前記圧電/電歪素子が基板上に配置されている、
圧電/電歪アクチュエータである。
上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、前記圧電/電歪素子が基板上に配置されている。当該基板は、ピエゾ効果によって生ずる圧電/電歪素子の変位に応じて変形又は移動する。これにより、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、ピエゾ効果に起因して電圧(電界)に応じて生ずる圧電/電歪素子の変位を有効に利用することができる。
ところで、上記基板としては、圧電/電歪アクチュエータ用の基板として一般的に使用されるものを用いることができる。かかる基板は、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化珪素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)等の材質を用いて製造することができる。また、上記基板には、少量の添加剤、例えば、酸化イットリウム(Y)、酸化チタン(TiO)等が含有されていてもよい。更に、基板の製造方法としては、当該技術分野において周知の技法(例えば、グリーンシート成形等)を用いることができる。尚、上記基板の厚みや形状については、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータを適用しようとする用途に応じて、適宜設計することができる。
例えば、上記基板は、他の部分よりも薄い厚みを有する薄肉部を有していてもよい。この場合、上記薄肉部(の少なくとも一部)を覆うように圧電/電歪素子を配置することにより、ピエゾ効果に起因して電圧(電界)に応じて生ずる圧電/電歪素子の変位を、より一層有効に利用することができる。
従って、本発明の第6の実施態様は、
本発明の前記第5の実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータであって、
前記基板が薄肉部を有しており、その薄肉部の少なくとも一部を覆うように前記圧電/電歪素子が配置されている、
圧電/電歪アクチュエータである。
上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、前記基板が薄肉部を有しており、その薄肉部の少なくとも一部を覆うように前記圧電/電歪素子が配置されている。これにより、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、ピエゾ効果に起因して電圧(電界)に応じて生ずる圧電/電歪素子の変位を、より一層有効に利用することができる。
上記基板が有する薄肉部もまた、圧電/電歪アクチュエータ用の基板において一般的に用いられている手法によって形成することができる。例えば、薄肉部は、基板をエッチング等の手法によって切削することによって形成されていてもよく、また、薄肉部を形成すべき相対的に薄い(例えば、数μmの厚みを有する)部材に、薄肉部に対応する箇所に開口部を有するように加工された比較的厚い別の部材(厚肉部)を積層することによって形成されていてもよい。
つまり、上記薄肉部を形成する方法(切削法又は積層法)の如何を問わず、上記薄肉部の圧電/電歪素子が固着される側とは反対の側には、ある面(例えば、上面)が薄肉部に接し、その面と交差する面(例えば、側面)が厚肉部の開口部の内壁に接する空間が存在することとなる。尚、上記基板の厚みや上記基板における薄肉部の厚みや面積、厚肉部の開口部の容積(厚肉部の厚み)についても、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータを適用しようとする用途に応じて、適宜設計することができる。
例えば、インクジェットプリンタにおいて使用されるインクジェットヘッド等の液体噴射ヘッドとして本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータを使用する場合には、インク等の液体を噴射させるための機構(例えば、噴射ノズル等)を、上記空間の開口面(薄肉部にも厚肉部の内壁にも接していない面)に接続するように設けることができる。かかる噴射機構の構成についても、液体噴射ヘッドの技術分野において一般的に用いられる構成を採用することができる。
ところで、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、上述のように、前記基板が薄肉部を有しており、その薄肉部の少なくとも一部を覆うように前記圧電/電歪素子が配置されている。換言すれば、前記圧電/電歪素子は、前記基板の前記空間(厚肉部の開口部)とは反対側の、上記薄肉部に対応する領域に配置される。当該領域においては、前記圧電/電歪素子と前記基板とは、互いにしっかりと固着されていてもよく、あるいは前記圧電/電歪素子が前記薄肉部の少なくとも一部を覆うように配置されているのみで、前記圧電/電歪素子と前記基板との間は固着されていなくてもよい。何れの配置方法を採用するかは、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータを適用しようとする用途に応じて、適宜決定することができる。
従って、本発明の第7の実施態様は、
本発明の前記第6の実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータであって、
前記圧電/電歪素子が、前記基板上の前記薄肉部に対応する領域に固着されている、
圧電/電歪アクチュエータである。
上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、前記圧電/電歪素子が、前記基板上の前記薄肉部に対応する領域に固着されている。換言すれば、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、前記圧電/電歪素子は、前記基板の前記空間(厚肉部の開口部)とは反対側の、上記薄肉部に対応する領域に固着される。これにより、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、前記基板が有する薄肉部の少なくとも一部を覆うように前記圧電/電歪素子を確実に配置することができる。加えて、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、前記基板上の前記薄肉部に対応する領域に前記圧電/電歪素子が固着されるので、例えば、ピエゾ効果に起因して電圧(電界)に応じて生ずる圧電/電歪素子の変位を、より忠実に薄肉部に伝えることができる。
ところで、前述のように、本発明に係る圧電/電歪アクチュエータが備える圧電/電歪素子は、1層の圧電/電歪層と当該圧電/電歪層の両面にそれぞれ配置された1対の電極とを含む積層体を少なくとも1つ含んでなる。かかる構成を有する圧電/電歪素子の最外層は、最外層に位置する積層体を構成する電極が露出していてもよく、あるいは、例えば加工上又は設計上の理由等から、最外層に位置する積層体を構成する電極を何等かの絶縁材料が覆っていてもよい。前者の場合は、前記基板と前記圧電/電歪素子が、前記電極を介して固着されることとなる。
従って、本発明の第8の実施態様は、
本発明の前記第5乃至前記第7の実施態様の何れか1つに係る圧電/電歪アクチュエータであって、
前記基板と前記圧電/電歪素子が、前記電極を介して固着されている、
圧電/電歪アクチュエータである。
上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、前記基板と前記圧電/電歪素子が、前記電極を介して固着されている。換言すれば、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、前記圧電/電歪素子を構成する電極のうち、前記基板に最も近い電極が、例えば前記圧電/電歪層等を介すること無く、前記基板に直接固着されている。かかる構成により、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータにおいては、例えば、前記基板の厚み方向における寸法をより小さくする(薄型化する)ことができる。また、かかる構成は、前記基板に最も近い電極が前記圧電/電歪層を介して前記基板に固着されている(即ち、前記基板に最も近い電極と前記基板との間に前記圧電/電歪層が介在する)構成と比較して、圧電変位に寄与しない部分がより少ないことから、より小さい圧電/電歪アクチュエータにおいて、より大きい圧電変位を達成しようとする用途において有用である。
ところで、本発明は、前述のように、上述した各種実施態様を始めとする本発明に係る種々の圧電/電歪アクチュエータの製造方法にも関する。
即ち、本発明の第9の実施態様は、
圧電/電歪セラミックスを含んでなる第1圧電/電歪層と前記第1圧電/電歪層の両面にそれぞれ配設された1対の電極とを含む積層体を少なくとも1つ含んでなり、前記第1圧電/電歪層が前記1対の電極の間に挟まれている部分に対応する作動部と、前記第1圧電/電歪層が前記1対の電極の間に挟まれていない部分に対応する非作動部とを有する圧電/電歪素子を備える、圧電/電歪アクチュエータであって、
周囲雰囲気に最も近い前記積層体において、
周囲雰囲気側の前記電極と前記第1圧電/電歪層との間に、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第2圧電/電歪層を更に備え、
前記第2圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第2圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第2直径が、前記第1圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第1圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第1直径の0.109倍以下であり、且つ
前記第2直径が、前記第2圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第2層厚の1.5倍以下である、
圧電/電歪アクチュエータ、
の製造方法であって、
前記第1圧電/電歪層は、第1温度における熱処理を伴う固相反応法によって形成され、
前記第2圧電/電歪層は、前記第1温度より低い温度である第2温度における熱処理を伴う薄膜法によって形成される、
圧電/電歪アクチュエータの製造方法である。
上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータの製造方法は、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第1圧電/電歪層と前記第1圧電/電歪層の両面にそれぞれ配設された1対の電極とを含む積層体を少なくとも1つ含んでなり、前記第1圧電/電歪層が前記1対の電極の間に挟まれている部分に対応する作動部と、前記第1圧電/電歪層が前記1対の電極の間に挟まれていない部分に対応する非作動部とを有する圧電/電歪素子を備える、圧電/電歪アクチュエータであって、周囲雰囲気に最も近い前記積層体において、周囲雰囲気側の前記電極と前記第1圧電/電歪層との間に、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第2圧電/電歪層を更に備え、前記第2圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第2圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第2直径が、前記第1圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第1圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第1直径の0.109倍以下であり、且つ前記第2直径が、前記第2圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第2層厚の1.5倍以下である、圧電/電歪アクチュエータを製造しようとするものである。上記圧電/電歪アクチュエータの構成等については、上述した各種実施態様に関する説明において既に述べたので、ここでは説明を繰り返さない。
上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータの製造方法においては、前記第1圧電/電歪層は、第1温度における熱処理を伴う固相反応法によって形成され、前記第2圧電/電歪層は、前記第1温度より低い第2温度における熱処理を伴う薄膜法によって形成される。ここで、固相反応法とは、当業者に周知であるように、例えば、目的とするセラミックの原料となる酸化物、炭酸塩、硝酸塩等(の粉末)を所定の組成となるように秤量、混合した後、熱処理を行って、所望の組成を有する圧電/電歪セラミックスを得る方法である。斯くして得られた圧電/電歪セラミックスは、例えば、粉砕後、ゲルキャスト法やドクターブレード法等を始めとする一般的な成形法である厚膜法によって成形することができる。
前述のように、本実施態様に係る製造方法によって製造される圧電/電歪アクチュエータが備える圧電/電歪素子を構成する第1圧電/電歪層は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の圧電/電歪磁器組成物や昨今の環境保護の観点から精力的に開発が進められている非鉛系の圧電/電歪磁器組成物を始めとする、圧電/電歪焼結体の製造に使用される各種圧電/電歪磁器組成物の中から適宜選択することができる。具体例としては、例えば、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、ニッケルニオブ酸ビスマス、チタン酸ナトリウムビスマス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス等の単独、あるいは、2成分以上、好ましくは3成分以上の混合物として含有する圧電/電歪セラミックスが挙げられる。また、コスト削減等の観点から低温焼成が望まれているが、かかる目的のために焼結助剤を添加してもよい。
また、上記電極は、前述のように、例えば、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)等、当該技術分野において電極として使用される種々の材料の中から適宜選択することができる。更に、上記圧電/電歪層や電極の厚みについても、本発明に係る圧電/電歪アクチュエータを適用しようとする用途に応じて、適宜設定することができる。尚、上記第1圧電/電歪層と上記電極との積層は、当該技術分野において周知の何れの手法(例えば、気相成長法、又は各層のスクリーン印刷後の焼成等)によって行ってもよい。
一方、前記第2圧電/電歪層は、前記第1温度より低い第2温度における熱処理を伴う薄膜法によって形成される。ここで、薄膜法とは、当業者に周知であるように、例えば、スパッタ法等の気相法やゾルゲル法等の液相法等を始めとする成膜法である。かかる薄膜法によって形成される圧電膜は、例えば、ゲルキャスト法やドクターブレード法等を始めとする一般的な圧電/電歪セラミックスの成膜法である厚膜法によって形成される圧電膜と比較して、より微細な柱状構造を有することから、例えば、圧電素子の分極処理又は駆動の際に層内にマイクロクラック(微細な亀裂)を生じ難く、防湿膜としての機能を発揮することができる。尚、上述の第1直径、第2直径、及び第2層厚に関する条件を満足する限り、第2圧電/電歪層が含んでなる圧電/電歪セラミックスの組成は、第1圧電/電歪層が含んでなる圧電/電歪セラミックスの組成と同じであっても、異なっていてもよい。
ところで、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータの製造方法においては、上述の
ように、前記第1圧電/電歪層は、第1温度における熱処理を伴う固相反応法によって形成され、前記第2圧電/電歪層は、前記第1温度より低い第2温度における熱処理を伴う薄膜法によって形成される。これにより、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータの製造方法によって製造される圧電/電歪アクチュエータは、上述の第1直径、第2直径、及び第2層厚等に関する条件を満足することができる。尚、第1温度及び第2温度の具体的な値は、例えば、第1圧電/電歪層が含んでなる圧電/電歪セラミックスの組成、第2圧電/電歪層が含んでなる圧電/電歪セラミックスの組成等に応じて、適宜設定することができる。また、第1圧電/電歪層及び/又は第2圧電/電歪層の熱処理の方法としては、例えば、高速熱処理(RTA:Rapid Thermal Annealing)を採用することもできる。第1温度及び第2温度の具体例としては、例えば、それぞれ、800℃以上1300℃未満及び500℃以上700℃未満の温度範囲を挙げることができる。
従って、本発明の第10の実施態様は、
本発明の前記第9の実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータの製造方法であって、
前記第1温度が800℃以上1300℃未満であり、
前記第2温度が500℃以上700℃未満である、
圧電/電歪アクチュエータの製造方法である。
上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータの製造方法においては、前記第1温度が800℃以上1300℃未満であり、前記第2温度が500℃以上700℃未満である。これにより、これにより、上述の第1直径、第2直径、及び第2層厚等に関する条件を満足する本発明に係る圧電/電歪アクチュエータを、より確実に製造することができる。因みに、第1温度が800℃未満であると、例えば、緻密性に乏しくなり絶縁性が悪くなったり、第2圧電/電歪層を焼成する際に第1圧電/電歪層と一体化し易くなったりするので望ましくなく、1300℃以上であると、例えば、圧電/電歪層の鉛成分の蒸発を抑えることが困難となるので望ましくない。一方、第2温度が500℃未満であると、例えば、第2圧電/電歪層の結晶化が困難となるため、緻密性に乏しくなり絶縁性が悪くなったり、圧電変位の量が低下したりするので望ましくなく、700℃以上であると、例えば、焼成時に第2圧電/電歪層と一体化したり、鉛成分の蒸発を抑えるのが困難となったりするので望ましくない。
ところで、上述したように、本発明に係る圧電/電歪アクチュエータの製造方法において第2圧電/電歪層を形成するための方法としては、薄膜法が採用される。薄膜法とは、上述したように、例えば、スパッタ法等の気相法やゾルゲル法等の液相法等を始めとする成膜法であり、本発明に係る圧電/電歪アクチュエータの製造方法において第2圧電/電歪層を形成するための方法としては、何れの薄膜法を採用してもよい。
従って、本発明の第11の実施態様は、
本発明の前記第9又は前記第10の実施態様の何れか1つに係る圧電/電歪アクチュエータの製造方法であって、
前記薄膜法が、ゾル−ゲル法及びスパッタリング法から選ばれる何れか一方の方法を含む、
圧電/電歪アクチュエータの製造方法である。
上記のように、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータの製造方法においては、前記薄膜法が、ゾル−ゲル法及びスパッタリング法から選ばれる何れか一方の方法を含む。換言すれば、本実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータの製造方法においては、第2圧電/電歪層を形成するための方法として、ゾル−ゲル法及びスパッタリング法から選ばれる何れか一方の方法を採用することができる。これにより、本実施態様に係る製造方法によって製造される圧電/電歪アクチュエータにおいては、第2圧電/電歪層が、第1圧電/電歪層と比較して、より緻密な構造を有することができ、結果として、周囲雰囲気から第1圧電/電歪層への水分の侵入を防ぐ防湿膜として機能することができる。
以下に記載する実施例によって本発明を更に詳しく説明するけれども、本発明の技術的範囲は、これらの例に限定されるものではない。
圧電/電歪アクチュエータの製造
上述のような構成を有する圧電/電歪アクチュエータの高湿度雰囲気下における絶縁性に対する第1直径、第2直径、第1層厚、及び第2層厚の影響を評価することを目的として、様々な第1直径、第2直径、第1層厚、及び第2層厚の組み合わせを有する圧電/電歪アクチュエータを製造し、個々の圧電/電歪アクチュエータの高湿度雰囲気下における絶縁性を評価した。但し、以下に説明する構成や製造方法等はあくまでも例示であって、本発明に係る圧電/電歪アクチュエータの構成や製造方法は、これらに限定されるものではない。
(1)圧電/電歪アクチュエータの製造
本実施例においては、基板の材料として、主として酸化ジルコニウム(ZrO)からなる基板を使用し、薄肉部の厚みを2μm、幅を80μm、長さを1mmとした。次に、当該基板の主面の薄肉部に対応する領域(薄肉部によって形成されるキャビティとは反対側)を覆うように、厚み0.5μmの白金(Pt)電極(下部電極)をレジスト法により形成した。
第1圧電/電歪層の主材料としては、0.2Bi(Ni2/3Nb1/3)O + 0.80PZTの圧電/電歪セラミックスを固相反応法によって合成した。斯くして得られた圧電/電歪セラミックスに、酸化鉛(PbO)、分散剤、及びバインダーを添加して湿式粉砕し、0.15μmの平均粒径を有するスラリーとした。当該スラリーを上記下部電極にスクリーン印刷し、脱脂した後、1000℃の温度において2時間焼成することにより、第1圧電/電歪層を形成した。尚、スクリーン印刷時の塗布量を変化させることにより、第1層厚を種々に変化させた。個々の圧電/電歪アクチュエータにおける第1層厚(T1)及び第1直径(D1)の値は、表1に列挙されている。
一方、第2圧電/電歪層は、Pb/Zr/Ti=1.1/0.52/0.48の組成比を有するゾルゲル液を、スピンコート法によって、上記第1圧電/電歪層の上に塗布し、RTAによって熱処理することにより形成した。尚、RTA時の温度を500℃乃至700℃の範囲において変化させることにより、第2直径(D2)を種々に変化させた。個々の圧電/電歪アクチュエータにおける第2層厚(T2)及び第2直径(D2)の値もまた、表1に列挙されている。斯くして得られた第2圧電/電歪層の上に、金(Au)レジネートを用いるレジスト法により、0.1μmの厚みを有する上部電極を形成した。
(2)圧電/電歪アクチュエータの分極処理
上記のようにして得られた圧電/電歪アクチュエータを分極処理に付した。上記のように電極が形成された圧電/電歪アクチュエータ(焼結体)の電極に電圧を印加した。この際、圧電/電歪アクチュエータを50〜150℃に加熱する高温分極処理を行うことが望ましい。高温分極処理を行うときには、圧電/電歪アクチュエータに2〜20kV/mmの電界が印加される。尚、本実施例においては、圧電/電歪アクチュエータに、70℃において、15kV/mmの電界を印加したが、分極処理の条件もまた、圧電/電歪素子の構成等に応じて、当該技術分野において周知の種々の技法の中から適宜選択することができる。更にエージング処理を行う場合は、電極が開放された状態で当該圧電/電歪アクチュエータを大気中で100〜300℃に加熱してもよい。
A)高湿度雰囲気下における絶縁性の評価
上述のようにして製造した種々の圧電/電歪アクチュエータの高湿度雰囲気下における絶縁性の評価方法及び評価結果につき、以下に説明する。27℃×85%RHの高湿度雰囲気下において、上述のように製造した種々の圧電/電歪アクチュエータの上部電極と下部電極との間に印加する電界の強度を変化させながら、これらの電極間に流れる電流(IV特性)を測定した。当該測定結果の一例につき、添付図面を参照しながら更に説明する。図2は、前述のように、圧電/電歪アクチュエータの上部電極と下部電極との間に印加する電界の強度と、電極間に流れる電流との関係(IV特性)を表すグラフである。
図2のグラフにおいて、本発明の例示的な実施態様に係る圧電/電歪アクチュエータは実線で、従来技術に係る圧電/電歪アクチュエータは点線で、それぞれ表されている。図2のグラフに示すように、本発明に係る圧電/電歪アクチュエータ及び従来技術に係る圧電/電歪アクチュエータの両方において、上部電極と下部電極との間に印加する電界の強度が増大すると、これらの電極間に流れる電流の値が増大する傾向が認められる。しかしながら、同じ電界強度において比較すると、本発明に係る圧電/電歪アクチュエータにおいて流れる電流値は、従来技術に係る圧電/電歪アクチュエータにおいて流れる電流値よりも著しく小さい。即ち、本発明に係る圧電/電歪アクチュエータは、従来技術に係る圧電/電歪アクチュエータと比較して、高湿度雰囲気下における優れた絶縁性を呈することが確認された。斯くして得られた評価結果として、20V/μmの電界強度における電流値[μA]を、個々の圧電/電歪アクチュエータにおける第1直径(D1)、第2直径(D2)、第1層厚(T1)、及び第2層厚(T2)の値と共に、以下の表1に列挙する。
上述のように、表1においては、第1直径(D1)、第2直径(D2)、第1層厚(T1)、及び第2層厚(T2)の種々の組み合わせの各々について、20V/μmの電界強度での電流値(μA)が上段に、個々の電流値に基づく高湿度雰囲気下における絶縁性の評価結果が下段に、それぞれ列挙されている。尚、高湿度雰囲気下における絶縁性の評価基準としては、20V/μmの電界強度における電流値(μA)が、0.10μA以下である場合は良(○)、0.10μAを超え且つ1.5μA以下である場合は可(△)、1.5μAを超える場合は不良(×)とした。表1に示す結果からも明らかであるように、第1直径(D1)、第2直径(D2)、第1層厚(T1)、及び第2層厚(T2)が特定の関係を満たしている範囲においてのみ、高湿度雰囲気下における絶縁性が良(○)又は可(△)として評価される結果となった。そこで、圧電/電歪アクチュエータの高湿度雰囲気下における絶縁性に対する第1直径(D1)、第2直径(D2)、第1層厚(T1)、及び第2層厚(T2)の影響につき、以下に詳しく考察する。
[A−1]第1直径(D1)に対する第2直径(D2)の比率(D2/D1)
先ず、ここでは、第1直径(D1)に対する第2直径(D2)の比率(D2/D1)が高湿度雰囲気下における絶縁性に与える影響について考察する。そこで、表1に列挙した第1直径(D1)、第2直径(D2)、第1層厚(T1)、及び第2層厚(T2)の種々の組み合わせにつき、高湿度雰囲気下における絶縁性の評価結果と共に、第1直径(D1)に対する第2直径(D2)の比率(D2/D1)を以下の表2に列挙する。
表2においては、第1直径(D1)、第2直径(D2)、第1層厚(T1)、及び第2層厚(T2)の種々の組み合わせの各々について、第1直径(D1)に対する第2直径(D2)の比率(D2/D1)が上段に、高湿度雰囲気下における絶縁性の評価結果が下段に、それぞれ列挙されている。表2に示す結果からも明らかであるように、第1直径(D1)に対する第2直径(D2)の比率(D2/D1)が0.109以下である場合にのみ、20V/μmの電界強度での電流値に基づく評価結果として可(△)以上の高湿度雰囲気下における絶縁性が達成された。更に、高湿度雰囲気下における絶縁性の評価結果を良(○)とするためには、第1直径(D1)に対する第2直径(D2)の比率(D2/D1)を0.073以下とする必要があることが確認された。
但し、第2層厚(T2)が0.04μmであり且つ第2直径(D2)が0.08μmで
ある場合及び第2層厚(T2)が0.04μmであり且つ第2直径(D2)が0.12μ
mである場合においては、第1直径(D1)(何れの場合も1.2μm)に対する第2直
径(D2)の比率(D2/D1)は0.109以下(具体的には、それぞれ0.067及び0.100)であるにも拘わらず、高湿絶縁性が不良(×)となっている。これは、これらの場合において、第2層厚(T2)に対する第2直径(D2)の比率(D2/T2)が適切な範囲(具体的には、前述したように、1.5以下)から逸脱しているために、高湿度雰囲気下における絶縁性が悪化したものと考えられる。
[A−2]第2層厚(T2)に対する第2直径(D2)の比率(D2/T2)
次に、ここでは、第2層厚(T2)に対する第2直径(D2)の比率(D2/T2)が高湿度雰囲気下における絶縁性に与える影響について考察する。そこで、表1に列挙した第1直径(D1)、第2直径(D2)、第1層厚(T1)、及び第2層厚(T2)の種々の組み合わせにつき、高湿度雰囲気下における絶縁性の評価結果と共に、第2層厚(T2)に対する第2直径(D2)の比率(D2/T2)を以下の表3に列挙する。
表3においては、第1直径(D1)、第2直径(D2)、第1層厚(T1)、及び第2層厚(T2)の種々の組み合わせの各々について、第2層厚(T2)に対する第2直径(D2)の比率(D2/T2)が上段に、高湿度雰囲気下における絶縁性の評価結果が下段に、それぞれ列挙されている。表3に示す結果からも明らかであるように、第2層厚(T2)に対する第2直径(D2)の比率(D2/T2)が1.5以下である場合にのみ、20V/μmの電界強度での電流値に基づく評価結果として可(△)以上の高湿度雰囲気下における絶縁性が達成されることが確認された。
但し、第2直径(D2)が0.20μmであり且つ第2層厚(T2)が0.18μm乃至1.50μmである場合においては、第2層厚(T2)に対する第2直径(D2)の比率(D2/T2)が1.5以下(具体的には、それぞれ1.11、1.00、0.67、0.50、0.25、0.17、及び0.13)であるにも拘わらず、高湿絶縁性が不良(×)となっている。これは、これらの場合において、第1直径(D1)に対する第2直径(D2)の比率(D2/D1)が適切な範囲(具体的には、前述したように、0.109以下)から逸脱しているために、高湿度雰囲気下における絶縁性が悪化したものと考えられる。
上述のA−1及びA−2における考察から、高湿度雰囲気下における絶縁性(高湿絶縁性)を良好なものとするためには、第1直径(D1)に対する第2直径(D2)の比率(D2/D1)及び第2層厚(T2)に対する第2直径(D2)の比率(D2/T2)の両方が適切な範囲にある必要があることが示唆された。そこで、以下のA−3において、上述のA−1及びA−2における種々のデータを整理し、第1直径(D1)に対する第2直径(D2)の比率(D2/D1)と第2層厚(T2)に対する第2直径(D2)の比率(D2/T2)との種々の組み合わせにおける高湿絶縁性を改めて評価する。
[A−3]D2/D1とD2/T2との種々の組み合わせにおける高湿絶縁性
上述のように、ここでは、上述のA−1及びA−2における種々のデータを整理し、第1直径(D1)に対する第2直径(D2)の比率(D2/D1)と第2層厚(T2)に対する第2直径(D2)の比率(D2/T2)との種々の組み合わせにおける高湿絶縁性について改めて考察する。そこで、表1及び表2に列挙したデータに基づき、D2/D1とD2/T2との種々の組み合わせにおける高湿絶縁性の評価結果をグラフとして纏めたものを図3に示す。図3に示すグラフにおいて、個々のプロットにおいて表示されている記号は、それぞれ、高湿度雰囲気下における絶縁性の評価結果(良(○)、可(△)、及びf不良(×))を表す。
図3に示すグラフからも明らかであるように、高湿度雰囲気下における絶縁性(高湿絶
縁性)を良好なものとするためには、第1直径(D1)に対する第2直径(D2)の比率
(D2/D1)及び第2層厚(T2)に対する第2直径(D2)の比率(D2/T2)の
両方が適切な範囲にある必要があることが確認された。具体的には、高湿絶縁性を良好な
ものとするためには、第1直径(D1)に対する第2直径(D2)の比率(D2/D1)
0.109以下、より好ましくは0.073以下であり、且つ第2層厚(T2)に対する第2直径(D2)の比率(D2/T2)が1.5以下である必要がある。
B)高湿度雰囲気下における絶縁性の評価
前述のように、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第2圧電/電歪層といえども、その層厚が過大であると、第1圧電/電歪層の圧電変位を阻害する要因となり得る。そこで、本実施例においては、上述のようにして製造した種々の圧電/電歪アクチュエータの各々について圧電変位の大きさを測定した。尚、圧電変位は、個々の圧電/電歪アクチュエータの電極間に4kV/mmの電界を印加した際の厚み方向の変位量をレーザードップラーにて測定することによって求めた。斯くして得られた圧電変位[nm]を、個々の圧電/電歪アクチュエータにおける第1直径(D1)、第2直径(D2)、第1層厚(T1)、及び第2層厚(T2)の値と共に、以下の表4に列挙する。
上述のように、表4においては、第1直径(D1)、第2直径(D2)、第1層厚(T1)、及び第2層厚(T2)の種々の組み合わせの各々について、上述のようにして測定された圧電変位[nm]が列挙されている。尚、圧電変位の評価基準としては、測定値が345nm以上である場合は良(○)、345nm未満である場合は不良(×)とした。表4に示す結果からも明らかであるように、第1層厚(T1)に対する第2層厚(T2)の比率(T2/T1)が0.11以下である場合にのみ、十分な圧電変位が維持される結果となった。即ち、第1層厚(T1)に対する第2層厚(T2)の比率(T2/T1)が0.11を超える程度にまで第2圧電/電歪層を厚くすると、第1圧電/電歪層による圧電変位が阻害されることが確認された。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施態様について説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることができることは言うまでも無い。

Claims (11)

  1. 圧電/電歪セラミックスを含んでなる第1圧電/電歪層と前記第1圧電/電歪層の両面にそれぞれ配設された1対の電極とを含む積層体を少なくとも1つ含んでなり、前記第1圧電/電歪層が前記1対の電極の間に挟まれている部分に対応する作動部と、前記第1圧電/電歪層が前記1対の電極の間に挟まれていない部分に対応する非作動部とを有する圧電/電歪素子を備える、圧電/電歪アクチュエータであって、
    周囲雰囲気に最も近い前記積層体において、
    周囲雰囲気側の前記電極と前記第1圧電/電歪層との間に、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第2圧電/電歪層を更に備え、
    前記第2圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第2圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第2直径が、前記第1圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第1圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第1直径の0.109倍以下であり、且つ
    前記第2直径が、前記第2圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第2層厚の1.5倍以下である、
    圧電/電歪アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の圧電/電歪アクチュエータであって、
    前記第2直径が前記第1直径の0.073倍以下である、
    圧電/電歪アクチュエータ。
  3. 請求項1又は2の何れか1項に記載の圧電/電歪アクチュエータであって、
    前記第2層厚が、前記第1圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第1層厚の0.11倍以下である、
    圧電/電歪アクチュエータ。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の圧電/電歪アクチュエータであって、
    前記第2直径が0.20μm以下である、
    圧電/電歪アクチュエータ。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の圧電/電歪アクチュエータであって、
    前記圧電/電歪素子が基板上に配置されている、
    圧電/電歪アクチュエータ。
  6. 請求項5に記載の圧電/電歪アクチュエータであって、
    前記基板が薄肉部を有しており、その薄肉部の少なくとも一部を覆うように前記圧電/電歪素子が配置されている、
    圧電/電歪アクチュエータ。
  7. 請求項6に記載の圧電/電歪アクチュエータであって、
    前記圧電/電歪素子が、前記基板上の前記薄肉部に対応する領域に固着されている、
    圧電/電歪アクチュエータ。
  8. 請求項5乃至7の何れか1項に記載の圧電/電歪アクチュエータであって、
    前記基板と前記圧電/電歪素子が、前記電極を介して固着されている、
    圧電/電歪アクチュエータ。
  9. 圧電/電歪セラミックスを含んでなる第1圧電/電歪層と前記第1圧電/電歪層の両面にそれぞれ配設された1対の電極とを含む積層体を少なくとも1つ含んでなり、前記第1圧電/電歪層が前記1対の電極の間に挟まれている部分に対応する作動部と、前記第1圧電/電歪層が前記1対の電極の間に挟まれていない部分に対応する非作動部とを有する圧電/電歪素子を備える、圧電/電歪アクチュエータであって、
    周囲雰囲気に最も近い前記積層体において、
    周囲雰囲気側の前記電極と前記第1圧電/電歪層との間に、圧電/電歪セラミックスを含んでなる第2圧電/電歪層を更に備え、
    前記第2圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第2圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第2直径が、前記第1圧電/電歪層の主面に平行な面における前記第1圧電/電歪層を構成する圧電/電歪セラミックスの結晶粒の直径の平均値である第1直径の0.109倍以下であり、且つ
    前記第2直径が、前記第2圧電/電歪層の主面の法線方向における厚みである第2層厚の1.5倍以下である、
    圧電/電歪アクチュエータ、
    の製造方法であって、
    前記第1圧電/電歪層は、第1温度における熱処理を伴う固相反応法によって形成され、
    前記第2圧電/電歪層は、前記第1温度より低い第2温度における熱処理を伴う薄膜法によって形成される、
    圧電/電歪アクチュエータの製造方法。
  10. 請求項9に記載の圧電/電歪アクチュエータの製造方法であって、
    前記第1温度が800℃以上1300℃未満であり、
    前記第2温度が500℃以上700℃未満である、
    圧電/電歪アクチュエータの製造方法。
  11. 請求項9又は10の何れか1項に記載の圧電/電歪アクチュエータの製造方法であって、
    前記薄膜法が、ゾル−ゲル法及びスパッタリング法から選ばれる何れか一方の方法を含む、
    圧電/電歪アクチュエータの製造方法。
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