JP5934370B2 - 尿素仕上げ法 - Google Patents

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Description

本発明は、尿素製造の分野におけるものであり、特に、尿素の仕上げに関する。本発明はまた、尿素製造プラントの仕上げセクションのオフガスからのアンモニアの除去にも関する。
尿素合成
尿素は、通常、アンモニアと二酸化炭素から製造される。それは、過剰のアンモニアを、二酸化炭素と共に、12と40MPaの間の圧力及び150と250℃の間の温度で、尿素合成ゾーンに導入することによって製造することができる。その結果の尿素の生成は、2つの連続した反応ステップの形で、最もよく表すことができ、第1ステップにおいて、カルバミン酸アンモニウムが、次の発熱反応:
2NH3 + CO2 → H2N-CO-ONH4
に従って生成され、その後、第2ステップにおいて、次の吸熱平衡反応:
H2N-CO-ONH4 ⇔ H2N-CO-NH2 + H2O
に従って、生成したカルバミン酸アンモニウムが脱水されて尿素を生じる。
これらの反応が起こる程度は、とりわけ、温度及び用いられる過剰のアンモニアに依存する。尿素合成溶液として得られる反応生成物は、実質的に、尿素、水、未結合アンモニア及びカルバミン酸アンモニウムからなる。カルバミン酸アンモニウム及びアンモニアは、溶液から除去され、通常、尿素合成ゾーンに戻される。尿素合成ゾーンにおける前記溶液以外に、不活性ガスを伴った未転化アンモニア及び二酸化炭素からなるガス混合物、いわゆる反応器オフガスが生成される。尿素合成セクションは、カルバミン酸アンモニウム及び尿素の生成のための別個のゾーンを含み得る。これらのゾーンは、また、単一の装置内に組み合わされてもよい。
尿素ストリッピングプラントにおいて、尿素に転化されなかったカルバミン酸アンモニウムの分解、及び通常の過剰アンモニアの排除は、合成反応器における圧力に本質的にほぼ等しい圧力で、一般に行われる。この分解及び排除は、例えば二酸化炭素及び/又はアンモニアなどのストリッピングガスの補助並びに熱の付加を場合によっては伴って、反応器の下流に設置される1つ又は複数のストリッパーで行われる。熱ストリッピングを適用することもまた可能である。熱ストリッピングは、カルバミン酸アンモニウムを分解し、また存在するアンモニア及び二酸化炭素を尿素溶液から除去するために、専ら、熱の供給を用いることを意味する。ストリッパーを出て行くガス流は、アンモニア及び二酸化炭素を含み、これらは、高圧凝縮器において凝縮され、次いで、尿素合成ゾーンに戻される。
尿素ストリッピングプラントにおいて、合成ゾーンは、160〜240℃の温度で、好ましくは170〜220℃の温度で運転される。合成反応器における圧力は、12〜21MPa、好ましくは12.5〜20MPaである。ストリッピングプラントの尿素合成ゾーンにおけるアンモニアと二酸化炭素のモル比(N/C比)は、通常、2.2と5の間、好ましくは2.5と4.5mol/molの間にある。合成ゾーンは、単一の反応器において、又は並列若しくは直列に配置された複数の反応器において遂行され得る。
ストリッピング処理の後、ストリッピングされた尿素溶液の圧力は、尿素回収セクションにおいて下げられる。回収セクションにおいて、尿素溶液中の転化されなかったアンモニア及び二酸化炭素は、尿素と水の溶液から分離される。回収セクションは、通常、ヒーター、液体/ガス分離セクション、及び凝縮器を含む。回収セクションに入る尿素溶液は、その溶液から揮発性成分のアンモニア及び二酸化炭素を蒸発させるために加熱される。ヒーターに用いられる加熱作用剤は、通常、水蒸気である。前記ヒーターにおいて生成される蒸気は、液体/ガス分離セクションにおいて尿素水溶液から分離され、その後、この蒸気は、凝縮器で凝縮されて、カルバメート溶液を生成する。放出される凝縮熱は、通常、冷却水に散逸される。合成セクションにおける圧力より低い圧力で運転される前記回収セクションにおいて生成されるカルバメート溶液は、合成圧力で運転される尿素合成セクションに、好ましくは戻される。回収セクションは、通常、単一セクションであるか、又は直列に配置される複数の回収セクションであり得る。
尿素の仕上げ
今日の尿素の製造は、特に尿素ダスト及びアンモニアの放出の少ない、比較的クリーンなプロセスを含む。しかし、尿素を化学的に合成すること以外に、工業的規模での尿素の製造には、尿素が適切な固体の粒子状で提供されるということが必要である。この目的のために、尿素の製造は、尿素融解物が望ましい粒子状にされる仕上げステップを含み、このステップは、通常、プリル化、造粒及びペレット化のいずれか1つを含む。
プリル化は、常に最も一般的な方法であったが、この方法では、尿素融解物が、プリル化タワーにおいて散布され、液滴が降下する時に固化する。しかし、多くの場合、最終生成物は、プリル化法により得られるものより大きな直径及び大きな破砕強度を有することが求められる。これらの欠点は流動床造粒法の開発を導いたが、この方法においては、尿素融解物が粒子上にスプレーされ、これらの粒子はプロセスが続くにつれて大きくなる。造粒器への注入の前に、ホルムアルデヒドが、ケーキングを防ぐため、及び最終生成物に強度をもたせるために添加される。
仕上げセクションを出て行く空気は、尿素ダスト及びアンモニアを含む。後者は、詳細には、仕上げステップにおける望まれていない副反応、すなわち、アンモニアの放出を伴うビウレットの生成(すなわち、尿素の2量化)によって生じる。起こり得る別の副反応は、やはり、アンモニアの放出を伴う、尿素の加水分解である。このように、尿素合成の比較的クリーンな特質にもかかわらず、尿素の工業的製造は、必然的に、アンモニアの生成を伴う。このアンモニアは、通常、尿素プラントの仕上げセクションのオフガスを通じて放出される。
尿素の濃縮は、通常、高温及び大気圧未満の圧力で行われる。通常、無水尿素融解物における望ましい水分含有量への、尿素溶液の濃縮は、1つ又は直列の1つ若しくは複数の濃縮器のシーケンスを含む濃縮セクションにおいて行われる。
通常、濃縮器における望ましい圧力に向けた、尿素溶液を濃縮するために必要とされる大気圧未満の圧力は、濃縮器内に大気圧未満の圧力を生み出すための、冷却水による放出ガスの冷却と、エジェクターのための駆動力としての蒸気の使用との組合せによってなされる。代わりに、ある尿素濃縮器では、大気圧未満の圧力は、真空ポンプの利用によって生み出される。
濃縮器は、通常、シェル及びチューブ熱交換器並びに気液分離器を含む。尿素溶液は、熱交換器のチューブ側に通され、前記溶液を加熱するために必要な加熱作用剤は、熱交換器のシェル側に通される。加熱作用剤は、前記の尿素プロセスからのプロセス蒸気、高温水又は水蒸気であり得る。前記熱交換器を出て行く尿素溶液相と生成される蒸気相とは、前記の気液分離器内で分離される。
濃縮セクションを出て行く尿素融解物は、通常、尿素仕上げセクションへ、ポンプで送られる。尿素最終生成物を製造するために尿素プラントにおいて通常用いられる尿素仕上げセクションは、尿素造粒仕上げ及び尿素プリル化仕上げである。
尿素造粒仕上げでは、造粒器への尿素融解物に望まれる尿素濃度は、95と99重量%の間にある。プリル化仕上げに送られる尿素融解物における尿素濃度は、99.6と99.9重量%の間にある。仕上げセクションに送られる尿素融解物は、尿素、水、及び少量のアンモニアを含む。前記尿素仕上げセクションに送られる尿素融解物におけるアンモニア濃度は、100と900重量ppmの間にある。
濃縮器において放出される蒸気は、アンモニア、二酸化炭素及び水を含む。この蒸気は、凝縮器において凝縮される。凝縮熱は、通常、冷却水に散逸される。
別の背景技術の方法において、回収セクションを出て行く尿素溶液は、晶析セクションに通される。0.5重量%より小さいビウレット含有量を有する尿素最終生成物が必要とされる時に、晶析セクションは、通常用いられる。尿素溶液は晶析器に通される。大気圧未満の圧力で通常運転される晶析器において、尿素は、一部分、晶析する。晶析器において生成される蒸気は、凝縮器において凝縮され、一方、晶析器を出て行く、生成した尿素結晶を含む尿素溶液は、固液分離器に通される。この固液分離器において、大部分の溶液が、尿素結晶から分離され、その後、これらの結晶は、遠心機に通される。遠心機において、尿素結晶は、ビウレット含有量が1と10重量%の間にある尿素水溶液を含む母液を用いることによって洗浄される。
液相は、さらに、前記結晶から分離され、その後、尿素結晶は、再融解炉に運ばれて、尿素仕上げセクションに通される、99.5と99.9重量%の間の濃度の濃厚尿素融解物を生成する。
プリル化による尿素仕上げセクションにおいて、実質的に無水の尿素融解物は、プリル化カラムの頂部から、環境温度の空気の上昇流にスプレーされ、その中で、液滴は固化して、いわゆるプリルを生成する。尿素液滴を固化させる晶析熱が、この上昇空気流によって取り除かれる。
尿素仕上げセクションに用いられる尿素造粒セクションの流動床に送られる尿素融解物は、尿素及び水以外に、アンモニアもまた含む。尿素融解物中に存在する水は、尿素の流動床造粒の間に、かなりの程度、蒸発する。さらに、尿素融解物は固化される。放出される晶析熱は、通常、床を流動状態に保つために用いられる空気によって取り除かれる。
尿素融解物の晶析によって、生成される固化尿素の小粒子は、プリル化タワー又は流動床を出て行く。これらの小粒子は、用いられる仕上げ技法に応じて、0.1と100μmの間の粒径を有する尿素ダストとして特徴付けられる。これらの粒子は、排出される空気流によって、仕上げセクションを出て行く。記載された仕上げ技法では大量の空気が用いられるので、前記空気流から前記粒子を取り除くために、強力で効果的な除ダストシステムが必要とされる。この除ダストシステムは、大きな投資と大きなエネルギー消費を必要とする。
前記尿素仕上げセクションにおけるダスト生成のみならず、前記仕上げセクションに送られる尿素融解物に溶解したアンモニアの大部分が、遊離され、それもまた排出される空気流によって前記仕上げセクションを出て行く。前記仕上げセクションにおいて用いられる空気の量に応じて、排出される空気流におけるアンモニア濃度は、1m3の空気当たり、50〜150mgの間で変わる。
Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、Vol. A27、1996、333〜350頁
環境にとって、排出される空気流中の前記の生成アンモニア及び尿素ダストを、大気中に出すことは、もはや許容されない。その空気流からアンモニアを除去するための知られている技法、例えば酸洗浄は、大きな投資費用を必要とし、このような酸洗浄システムによって生成される生成物は処理されなければならないという欠点を有する。
1つ又は複数の前述の要求に、より良く対処するために、本発明は、一態様において、尿素水溶液から尿素粒子を製造するための方法を提供し、この方法は、晶析ステップを含み、このステップにおいては、前記溶液が、晶析した固体尿素含有生成物とアンモニア及び水含有蒸気とを得るために、尿素溶液をフラッシングすること、好ましくはドライフラッシングすることを含む晶析ステップに供され、その後、尿素結晶に機械的な力を加えることを含む成型ステップを含む。
本発明はまた、尿素水溶液から尿素粒子を製造するための方法であって、晶析した固体尿素含有生成物とアンモニア及び水含有蒸気とを得るために、尿素溶液を、1〜30kPa、好ましくは1〜20kPaの圧力でフラッシングすることを含む晶析ステップと、尿素結晶に機械的な力を加えることを含むその後の成型ステップとを含む、前記方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、本発明の方法によって得られる尿素結晶が型にプレスされる、尿素粒子を成型するための圧縮機の使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、尿素合成セクション、回収セクション及び仕上げセクションを含む尿素プラントであって、回収セクションは、溶液から尿素を晶析させるのに適するデバイスを含み、仕上げセクションは、尿素結晶に機械的な力を加えるのに適するデバイスを含む、前記尿素プラントを提供する。
別の態様において、本発明は、既存の尿素プラントを、それからのアンモニア及びダストの放出を減らすように改修する方法であって、プラントに、溶液から尿素を晶析させるのに適するデバイス、及び尿素結晶に機械的な力を加えるのに適するデバイスを付加するステップを含む、前記方法である。
さらなる態様において、本発明は、尿素プラントのプラント能力を、前記プラントの仕上げセクションの能力を増大させることによって、増大させるための方法であって、溶液から尿素を晶析させるのに適するデバイス、及び尿素結晶に機械的な力を加えるのに適するデバイスを、並列仕上げセクションとして付加するステップを含む、前記方法を提供する。
尿素溶液を尿素融解物に濃縮し、その後、尿素融解物が、先行技術から知られる尿素仕上げセクションとしての典型的な造粒ユニットに通される、典型的なシーケンスの概略図である。 0.1と0.5重量%の間の低ビウレット含有量を有する尿素融解物を得るために、尿素プラントからの尿素溶液が晶析セクションに通される、従来の方法の例示的な別のスキームを示す。 本発明による例を示すスキームである。 本発明による別の例の概略図である。
一般的な意味で、本発明は、尿素結晶の供給は、プリル化又は造粒という従来の尿素仕上げ技法を避けるのに役立てることができるという賢明な洞察に基づく。詳細には、本発明は、機械的な力によって成型される粒子を得るために、尿素結晶を直接、すなわち従来のメルト処理なしに、使用することに基づく。
本発明の方法は、その1つの利点として、大気中にアンモニア及びダストを放出しがちであるステップを回避する。こうして、従来の処理によるプリル化又は造粒化ステップとは著しく対照的に、本発明の方法は、アンモニア及び尿素ダストの放出を減らすための追加の手段を必要としない。
この目的のために、尿素結晶が、本発明による代替仕上げセクションに供給され、そこで、機械的な力が結晶に加えられる。結晶の供給源は成型ステップの実施にとって決定的に重要ではないが、本発明の利点は、尿素結晶の自発的生成を可能にするように、晶析が、尿素溶液を大気圧未満の条件に置くことによって実施される場合において、最もよく享受される。好ましくは、晶析ステップの前に、溶液は、50重量%〜99重量%、好ましくは60重量%〜98重量%の尿素及びビウレットの尿素濃度を有するように、濃縮される。破砕強度に関する生成物の品質を向上させるために、ホルムアルデヒド又は尿素ホルムアルデヒドが、晶析ステップに供される尿素溶液に添加され得る。
理論によって拘束されることを望むものではないが、本発明者等は、尿素溶液が大気圧未満の条件に置かれる晶析ステップが、尿素溶液の膨張を導き、その結果として、自発的に尿素結晶が生成され、水及び少量のアンモニアのなどの、尿素溶液中の残りの成分は蒸発すると考えている。結果として、大気に放出される、生成されるアンモニアの濃度及びダスト生成物は、これらの成分のいずれに対しても、これが1m3当たり50mg未満であるという意味で、無視できる。
このように、本発明は、尿素粒子を成型するのに、生成される尿素結晶を直接用いることに伴う、予想外の利点をもたらす。本発明によれば、これは、晶析した粒子に機械的な力を加えることによって行われる。こうして、本発明によれば、機械的な力を用いることによって、好ましくはプレスすることによって、尿素結晶がペレット又はフレークに成型される、すなわち、機械的な力が圧縮力によって尿素結晶に加えられる、新規尿素仕上げが得られる。この代替尿素仕上げセクションの好ましい例は、ペレタイザー、圧縮機又はフレーク製造機である。好ましい実施形態において、成型は、圧縮機において実施され、この場合、成型は、尿素結晶を型にプレスすることを含む。
前記の代替尿素仕上げによって生成される尿素生成物は、任意の大きさ及び形状に製造され得る。好ましくは、尿素最終生成物の形状は、球状であり、その直径は、0.3と20ミリメートルの間にある。好ましくは、尿素粒子(すなわち、尿素最終生成物)の直径は、1.0と10.0ミリメートルの間にある。これに関連して、本発明はまた、本明細書に記載されている実施形態のいずれか1つによる方法によって得ることができる尿素粒子にも関する。
本発明に従う晶析法は、どのような尿素合成法に基づいても実施され得る。
ストリッピング法による尿素の製造で頻繁に用いられる方法は、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、Vol. A27、1996、333〜350頁に記載されている二酸化炭素ストリッピング法である。この方法では、合成セクションの次には、1つ又は複数の回収セクションがある。合成セクションは、反応器、ストリッパー、凝縮器、及びスクラバーを含み、このセクションでは、運転圧力は、12と18MPaの間、好ましくは13と16MPaの間にある。合成セクションにおいて、尿素反応器を出て行く尿素溶液は、ストリッパーに供給され、そこで、転化されなかった大量のアンモニア及び二酸化炭素が、尿素水溶液から分離される。このようなストリッパーは、シェル及びチューブ熱交換器であってよく、そこで、尿素溶液は、チューブ側の頂部に供給され、合成セクションへの二酸化炭素フィードが、ストリッパーの底部に加えられる。シェル側では、溶液を加熱するために、水蒸気が入れられる。尿素溶液は、底部で熱交換器から出て行き、一方、蒸気相は、頂部でストリッパーを出て行く。前記ストリッパーを出て行く蒸気は、アンモニア、二酸化炭素及び少量の水を含む。この蒸気は、流下液膜型熱交換器、又は水平型若しくは縦型であり得る浸漬型凝縮器において、凝縮される。水平型浸漬熱交換器は、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、Vol. A27、1996、333〜350頁に記載されている。前記凝縮器におけるカルバメートの発熱縮合反応によって放出される熱は、尿素溶液を加熱し、濃縮するために、下流の尿素処理セクションにおいて用いられる水蒸気を生成するために通常用いられる。浸漬型凝縮器では、いくらかの液体滞留時間が生じるので、一部の尿素反応が、前記凝縮器においてすでに起こる。生成される溶液は、凝縮したアンモニア、二酸化炭素、水及び尿素を、凝縮しなかったアンモニア、二酸化炭素及び不活性蒸気と共に含み、反応器に送られる。反応器において、カルバメートから尿素への前記反応は、平衡に近づく。反応器を出て行く尿素溶液におけるアンモニアと二酸化炭素のモル比は、通常、2.5と4mol/molの間にある。凝縮器と反応器を1つの設備内で組み合わせることもまた可能である。この1つの設備の例は、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、Vol. A27、1996、333〜350頁に記載されている。尿素反応器を出て行く、生成した尿素溶液は、ストリッパーに供給され、凝縮しなかったアンモニア及び二酸化炭素を含む不活性蒸気は、反応器と似た圧力で運転されるスクラビングセクションに送られる。そのスクラビングセクションにおいて、アンモニア及び二酸化炭素は、不活性蒸気から除かれる。下流の回収システムにより生成されるカルバメート溶液は、そのスクラビングセクションにおいて吸収剤として用いられる。この合成セクションにおけるストリッパーを出て行く尿素溶液は、ストリッパーの下流の1つの単一回収システムにおいて処理されるためには、少なくとも45重量%、好ましくは少なくとも50重量%の尿素濃度を必要とする。回収セクションは、ヒーター、液体/ガス分離器及び凝縮器を含む。この回収セクションにおける圧力は、200〜600kPaの間である。回収セクションのヒーターにおいて、大部分のアンモニア及び二酸化炭素が、尿素溶液を加熱することによって、尿素と水の相から分離される。通常、水蒸気が加熱作用剤として用いられる。回収セクションを出て行く尿素と水の相は、少量の溶解したアンモニア及び二酸化炭素を含み、下流の尿素処理セクションに送られ、そこで、尿素溶液は、この溶液から水を蒸発させることによって濃縮される。
本発明は、何らかの特定の尿素製造法には限定されない。他の方法及びプラントには、Urea Casaleによって開発されたHEC法、Toyo Engineering Corporationによって開発されたACES法、及びSnamprogettiによって開発された方法などの技術に基づくものが含まれる。これらの方法の全て、及び他のものは、本発明の尿素仕上げ法の前で用いられ得る。
本発明では、何らかの尿素合成法において得られる尿素溶液が、大気圧未満の圧力条件下に置かれることによって尿素溶液が膨張を受けることによる、すなわちフラッシングによる、晶析ステップを経る。この方式の晶析は、工業的規模の処理の観点では、非常に適切である。好ましくは、晶析ステップは、固体尿素生成物を自発的に得るために、1〜60kPa、好ましくは2〜50kPaの圧力で、尿素溶液をフラッシングすることを含む。
この一実施形態において、尿素プラントからの回収セクションにおいて生成される尿素溶液は、晶析器に送られる。晶析器は、10と60kPaの間、好ましくは20と50kPaの間の圧力で運転され、自発的に膨張によって尿素結晶が生成される。生成される蒸気は、凝縮器に通される。晶析器を出て行く、残留する尿素溶液を含む尿素結晶は、固液分離器に通され、そこで、大部分の尿素溶液が、生成した尿素結晶から分離される。固液分離器を出て行く、この尿素結晶は、遠心機に通され、そこで、残された尿素溶液が、前記結晶からさらに分離される。ビウレットを含む尿素水溶液を含む母液が、僅か0.1と0.6重量%の間にすぎないビウレット含有量を有する精製尿素結晶を得るために前記結晶を洗うために、遠心機に添加され得る。遠心機を出て行く尿素結晶は、乾燥カラムにおいて、さらに乾燥され、その後、僅か約0.1〜0.6重量%にすぎない水分を含み、好ましくは僅か0.1〜0.4重量%にすぎない水分を含む乾燥された尿素結晶は、前記尿素成型デバイスに通される。
尿素溶液の膨張の後、放出される蒸気は、圧力を増大させられ、凝縮器に送られる。好ましくは、水蒸気エジェクター又は真空ポンプが、圧力を増すために用いられる。凝縮器において、水と、アンモニア及び二酸化炭素及び不活性物などの少量の不純物成分とを含む蒸気が、凝縮される。好ましくは、前記蒸気を凝縮させるために、冷却水が用いられる。凝縮器を出て行く凝縮しなかった蒸気は、水蒸気エジェクター又は真空ポンプの働きで、圧力を増し、その後、これらの蒸気のさらなる精製が行われる。これは、やはり、これらの蒸気を、より高い圧力で凝縮させることによって行うことができ、その後、残された不活性蒸気は、大気中に放出されるか、又は、例えば吸収器のような不活性物精製ユニットにおいて、再び精製される。凝縮器において生成されるプロセス凝縮物は、捕集され、その後、このプロセス凝縮物は、尿素プラントにおいてプロセス凝縮物精製を受ける。
好ましい実施形態において、固体尿素生成物とアンモニア及び水含有蒸気とを自発的に得るために、尿素溶液を大気圧未満の条件に置くことは、尿素溶液をフラッシングすること、すなわち、減圧下の蒸発によって液体を除去することによって、実施される。典型的な実施形態において、フラッシングは、1〜30kPa、好ましくは1〜20kPaの圧力で実施される。
フラッシングは、フラッシングデバイス、例えばドライフラッシャーにおいて行うことができる。ドライフラッシャーは、液体の流れが、晶析及び蒸発によって、実質的に固体と蒸気へ変換されることに特徴がある。ドライフラッシャーにおいて、プロセス条件は、残留する液体の量が実質的に皆無であるように選択される。これは、実質的な固着及び付着なしに、ガスと固体の完全な分離を可能にする。ドライフラッシングの別の利点は、スラリーが存在しないために、遠心などの固液分離も、再融解炉も必要でないということである。これは、かなり簡単なプロセススキームを可能にする。このようなドライフラッシャーは、1と30kPaの間の圧力、好ましくは2と10kPaの間の圧力で運転される容器である。このドライフラッシャーにおいて、尿素溶液は、液体ディストリビューターによって散布される。膨張によって、尿素及びビウレットは、固体として自発的に晶析し、水、アンモニア及び少量の二酸化炭素を含む残りの成分は蒸発する。
断熱フラッシングによって得られる固体尿素生成物の粒径は、0.1μm〜1000μm、好ましくは1μm〜800μmの範囲にある。
本発明はまた、尿素プラントにも関する。本発明のプラントは、尿素合成セクション、回収セクション及び仕上げセクションを含み、回収セクションは、溶液から尿素を晶析させるのに適するデバイスを含み、仕上げセクションは、尿素結晶に機械的な力を加えるのに適するデバイスを含む。晶析に適するデバイスは、通常の晶析容器、又は上で示された断熱フラッシュデバイスであり得る。
特に興味深い実施形態において、本発明はまた、既存の尿素プラントを改修することに用いることにあり得る。このような既存の尿素プラントは、プリル化又は造粒に基づく仕上げセクションを通常有するが、前記の方法の晶析及び成型ステップを実施するのに適する設備を付加することによって改修され得る。こうして従来の仕上げセクションを、本発明の新たな設備によって置き換えることにより、プリル化又は造粒に通常伴うアンモニア及び/又はダストの放出は、さらなる手段なしに、減らすことができる、又は避けることさえできる。このように、本発明は、既存の尿素のプラントを、それからのアンモニア及びダストの放出を減らすように、改修する方法を含み、この方法は、前記プラントに、溶液から尿素を晶析させるのに適するデバイス、及び尿素結晶に機械的な力を加えるのに適するデバイスを付加することを含む。
別の興味深い実施形態において、本発明は、既存の尿素プラントの能力を増すために用いることができる。仕上げセクションは、時に、プラントの能力を最大限に利用する上での障害であり得る。従来の仕上げセクションは、特にプリル化タワーの場合に、比較的大きいので、既存のプラントの仕上げセクションを拡張することは、常に可能とは限らない。また、仕上げセクションの拡張は、通常、アンモニアガス及び尿素ダストの放出の少なくとも比例した増加を伴う。本発明のおかげで、今や、既存の尿素プラントの能力を、このようなプラントの仕上げセクションの能力を増大させることによって、増大させることが可能である。これは、既存の仕上げセクションに並列に、本発明による仕上げセクション、すなわち、溶液から尿素を晶析させるのに適するデバイス、及び尿素結晶に機械的な力を加えるのに適するデバイスを付加することによって、やり遂げることができる。本発明によれば、並列の代替仕上げセクションが、ガス状アンモニア及び尿素ダストの放出を減らして又は回避さえして使用されるため、仕上げセクションの能力の増大に伴う問題は、対処されている。こうして、能力の増大により、生成される一定量の尿素当たりの放出は、実際には減少する。また、本発明の並列仕上げセクションの追加は、新たな又は大きくされたプリル化タワーは必要ではないので、既に大きい仕上げセクションを拡大することに伴う通常の難題に対処するものである。
本発明によれば、最終生成物への尿素の代替仕上げセクションにより、1トンの生成される尿素最終生成物当たり、0.3kg未満の尿素の値まで、大気へのアンモニア及び尿素ダストの放出を回避すること又は最小限度に抑えることが可能である。アンモニアの場合、放出量は、1トンの生成される尿素最終生成物当たり、好ましくは0.1kgを超えない。
ここで、以下の非限定的例を参照して、本発明をさらに例示する。現況技術が、図1及び2に例示され、一方、本発明の2つの実施形態は、図3及び4に示されている。
図1は、尿素溶液を尿素融解物に濃縮し、その後、尿素融解物が、当技術分野において知られている尿素仕上げセクションとしての通常の造粒ユニットに通される、典型的なシーケンスを示す。
50と80重量%の間の典型的な濃度、及び60と90℃の間の典型的な温度を有する、尿素プラントの再循環セクションからの尿素溶液が、ライン(a)を通じて濃縮器(CONC1)に入れられる。濃縮器(CONC1)は、シェル&チューブ熱交換器であり、尿素溶液は、この濃縮器のチューブ側に通される。この濃縮器のシェル側には、溶液を加熱し、揮発する水フラクションを蒸発させるために、水蒸気が入れられる。ライン(b)を通じて濃縮器(CONC1)を出て行く尿素溶液は、通常、125〜135℃の温度を有し、通常、93〜96重量%の尿素まで濃縮される。前記濃縮器における圧力は、大気圧未満であり、通常、20〜50kPaの間である。水と少量のアンモニア及び二酸化炭素とを含む、生成される蒸気は、前記濃縮器からライン(c)を通じて排出される。この蒸気は、凝縮器(COND1)において凝縮され、この凝縮器を、ライン(d)を通じて、プロセス凝縮物として出て行く。凝縮しなかった蒸気は、前記凝縮器を、ライン(e)を通じて出て行き、圧力を大気圧まで高めるためにエジェクター(EJEC1)に通される。このエジェクターの駆動力は、通常、ライン(f)による水蒸気である。水蒸気は、凝縮しなかった蒸気と共に、前記エジェクターを、ライン(g)を通じて出て行き、大気に出されてもよいが、好ましくは、尿素プラント自体において精製される。
濃縮器(CONC1)を、ライン(b)を通じて出て行く尿素溶液は、第2濃縮器(CONC2)に通される。この濃縮器(CONC2)もまた、通常、シェル&チューブ熱交換器であり、ここで、尿素溶液は、この熱交換機のチューブ側に通され、一方、シェル側には、水蒸気が、大気圧未満の圧力(通常、1と30kPaの間、好ましくは2と20kPaの間である)で揮発する水フラクションを加熱し、蒸発させるために入れられる。この濃縮器を、ライン(h)を通じて出て行く尿素融解物の温度は、通常、136と145℃の間にあり、通常、97.5〜99重量%の間の尿素及びビウレットの濃度を有する。前記メルトへの前記溶液の濃縮によって生成される、水、アンモニア及びいくらかの同伴される尿素を含む生成蒸気は、ライン(i)を通じて、凝縮器(COND2)に通される。この凝縮器(COND2)において、大部分の蒸気は、冷却水の助けによって凝縮して、プロセス凝縮物を生成する。生成されるプロセス凝縮物は、前記凝縮器を、ライン(j)を通じて出て行く。ライン(k)を通じて前記凝縮器(COND2)を出て行く、水、及び少量のアンモニアを含む、不活性な、凝縮しなかった蒸気は、水蒸気エジェクター(EJEC2)に通される。このエジェクターは、ライン(l)による水蒸気によって駆動され、前記エジェクターを、ライン(m)を通じて凝縮器(COND1)へ出て行く前記不活性蒸気の圧力を高める。
前記濃縮器(CONC2)を、ライン(h)を通じて出て行く尿素溶液は、ポンプ(PUMP)によって、尿素仕上げセクションとしての流動床造粒器(GRAN1)に送られる。ホルムアルデヒド又は尿素ホルムアルデヒド溶液のような添加物が、前記尿素溶液に加えられてもよい。通常の流動床造粒プロセスは、造粒器(GRAN1)を含み、この中で、尿素融解物は、固体尿素核の流動床に供給され、核上で固化によって成長し、尿素粒子が得られる。得られる粒子は、前記造粒器を出て行く時、一定の粒径分布を有する。これらの粒子は、通常、冷却され、その後、得られるこれらの粒子は、ライン(n)を通じて、粒径選別ユニットに送られ、大抵の場合、この選別ユニットは、かなりの数のスクリーン(SCREEN)を含む。その選別ユニットによって、細かいものと粗い材料が、残りの粒子から分離され、残りの粒子は、第2冷却ユニットの後、ライン(o)を通じて、生成物として、貯蔵又は輸送セクションに送られる。
粗い材料フラクションは、特定の粒子の大きさに粉砕され、細かいフラクションと共に、ライン(p)を通じて、造粒器(GRAN1)に戻され、そこで、それは、核としての役目を果たす。
空気が、前記造粒器における固体核を流動状態に保つために、ライン(q)を通じて、流動床造粒器に供給される。ライン(r)を通じて、この造粒器から排出される空気は、アンモニア及び尿素ダストを含み、この空気がライン(s)を通じて大気中に排出される前に、尿素ダストキャッチャー(CATCH)において処理されなければならない。ライン(q)によって、流動床造粒器(GRAN1)における流動化のために必要とされる空気として供給される空気の量に応じて、ライン(s)を通じて大気中に排出される空気中のアンモニア及びダストの放出は、通常、それぞれ、1ノルマルm3当たり50と200mgの間、1ノルマルm3当たり20と50mgの間にある。これは、生成される1トンの尿素最終生成物当たり、0.5と1.5kgの間のアンモニア放出に、また、生成される1トンの尿素最終生成物当たり、0.2と1kgの間の尿素ダスト放出に相当する。
図2は、0.1と0.5重量%の間の低ビウレット含有量を有する尿素融解物を得るために、晶析セクションを通される、尿素プラントからの尿素溶液の別の例である。
50と80重量%の間の典型的な濃度、及び60と90℃の間の温度を有する、尿素プラントの再循環セクションからの尿素溶液が、ライン(a)を通じて晶析器(CRYS)に入れられる。晶析器における圧力は、10と50kPaの間にある。尿素溶液の膨張によって、自発的に、尿素結晶が生成されて、尿素溶液中、固体尿素結晶の混合物を含むスラリーとなる。このスラリーにおける尿素結晶の量は、2と30重量%の間にある。水、アンモニア及び少量の二酸化炭素を含む、前記晶析器(CRYS)において生成される蒸気は、凝縮器(COND)に、ライン(b)を通じて排出される。前記凝縮器において、前記蒸気は凝縮され、前記凝縮器を、ライン(c)を通じて出て行く。いくらかの水、アンモニア及び痕跡量の凝縮しなかった他の成分を含む不活性蒸気は、前記凝縮器を、ライン(d)を通じて、エジェクター(EJEC)に出て行き、ほぼ大気圧まで圧力を高める。このエジェクターの駆動力は、通常、ライン(e)による水蒸気である。水蒸気は、前記の凝縮しなかった不活性蒸気と共に、前記凝縮器を、ライン(f)を通じて、大気に出て行くか、又は、大気に放出される前に、尿素プラントにおける他の場所で、さらに精製される。
晶析器(CRYS)を、ライン(g)を通じて出て行く、前記尿素結晶及び尿素溶液を含むスラリーは、前記晶析器に、ライン(h)を通じて部分的に戻され、残りは、固液分離器(LSSEP)に、ライン(i)を通じて排出される。この固液分離器において、大部分の尿素溶液は、尿素結晶から分離される。この尿素溶液は、晶析器(CRYS)に、ライン(k)を通じて戻される。固液分離器(LSSEP)を出て行く尿素結晶は、依然として、かなりの量(約2〜10重量%)の尿素溶液を含み、ライン(l)を通じて遠心機(CENTR)に通される。この遠心機において、尿素結晶からの尿素溶液のさらなる分離が、遠心力を用いることによって行われる。尿素、ビウレット、水及びアンモニアを通常含む洗浄液が、ライン(m)を通じて、尿素結晶におけるビウレット含有量を減らすために、前記遠心機に加えられてもよい。尿素結晶は、前記遠心機(CENTR)を、ライン(n)を通じて、尿素結晶輸送手段(TRANS)へ出て行く。前記遠心機を、ライン(o)を通じて出て行く尿素溶液は、晶析器(CRYS)へ戻され、一部は、ライン(p)を通じて、尿素プラントへ取り出される。尿素結晶輸送手段(TRANS)を出て行く尿素結晶は、ライン(q)を通じて、熱交換器に通され、そこで、尿素結晶は融解される(MELTER)。通常、水蒸気が、前記熱交換器(MELTER)のための加熱作用剤として用いられる。プリル化が尿素仕上げセクションとして用いられる場合、生成される尿素融解物は、前記熱交換器(MELTER)を出て行き、ライン(r)を通じて、プリル化タワー(TOWER)頂部のメルトディストリビューター(SPIN)に通され、そこで、メルトは、このプリル化タワーの頂部から、外周直径に渡って、環境温度の空気の上昇流中に散布され、その空気中で、生成された液滴は、固化して、いわゆるプリルを生成する。
前記プリル化タワーにおいて、空気は、前記タワーに、ライン(s)を通じて、底部で入れられ、前記タワーを、ライン(t)を通じて、頂部で出て行く。散布、メルトの経路の冷却及び固体プリルによって生成される尿素ダストは、前記プリル化タワーを、排出空気と共に出て行き、生成される1トンの尿素最終生成物当たり、0.7と1.5kgの間の量になる。メルトディストリビューター(SPIN)に供給される尿素融解物中のアンモニアは、前記プリル化タワーを、やはり空気と共に、ライン(t)を通じて、前記タワーの頂部で出て行き、生成される1トンの尿素最終生成物当たり、0.5と1kgの間の量になる。
尿素最終生成物(プリル)は、プリル化タワー(TOWER)から、ライン(u)を通じて、底部で排出される。
図3は、本発明による実施形態の例を示す。
典型的には50〜80重量%の濃度、及び典型的には60〜90℃の温度を有する尿素溶液が、ライン(a)を通じて、濃縮器(CONC)に入れられる。濃縮器(CONC)は、シェル&チューブ熱交換器であり、尿素溶液は、この濃縮器のチューブ側に通される。前記濃縮器のシェル側には、水蒸気が、溶液を加熱し、揮発する水フラクションを蒸発させるために入れられる。濃縮器(CONC)を、ライン(b)を通じて出て行く尿素溶液は、通常、110〜130℃の温度を有し、80〜97重量%の尿素まで、好ましくは85と95重量%の間の尿素濃度まで濃縮される。前記濃縮器における圧力は、大気圧未満であり、通常、15〜70kPaの間、好ましくは20と50kPaの間である。生成される蒸気は、水とある量のアンモニア及び二酸化炭素とを含み、前記濃縮器を、ライン(c)を通じて排出される。前記蒸気は、凝縮器(COND1)において凝縮され、この凝縮器を、プロセス濃縮物として、ライン(d)を通じて出て行く。不活性物、水、アンモニア及び二酸化炭素を含む、凝縮しなかった蒸気は、前記濃縮器を、ライン(e)を通じて出て行き、大気圧まで圧力を高めるために、エジェクター(EJEC1)に通される。前記エジェクターに対する駆動力は、通常、ライン(f)による水蒸気である。水蒸気は、凝縮しなかった蒸気と共に、前記エジェクターを、ライン(g)を通じて出て行き、大気に出されてもよいが、好ましくは、それを大気中に放出する前に、尿素プラント自体において精製される。
濃縮器(CONC)を、ライン(b)を通じて出て行く尿素溶液は、ドライフラッシャー(FLASH)に送られる。前記ドライフラッシャーは、1と30kPaの間の圧力、好ましくは2と10kPaの間の圧力で運転される容器である。前記ドライフラッシャーにおいて、尿素溶液は、液体ディストリビューター(SPRAY)によって散布される。膨張によって、尿素及びビウレットは、固体として自発的に晶析し、水、アンモニア及び小量の二酸化炭素を含む残りの成分は、蒸発する。生成される蒸気は、ドライフラッシャー(FLASH)を、ライン(h)を通じて、ブースターエジェクター(BOOS)に出て行く。前記ブースターエジェクターに対する好ましい駆動力は、ライン(i)による水蒸気供給である。前記ブースターエジェクターを、ライン(j)を通じて出て行く、昇圧された蒸気は、凝縮器(COND2)に通される。生成されるプロセス凝縮物は、少量の尿素ダストもまた含み得るが、前記凝縮器を、ライン(k)を通じて出て行き、濃縮器(CONC)の上流のプロセスに戻され得るのに対して、前記凝縮器を、ライン(l)を通じて出て行く、凝縮しなかった蒸気は、エジェクター(EJEC2)に通される。前記エジェクターも、また、ライン(m)による水蒸気によって駆動され、前記エジェクターを、ライン(n)を通じて出て行く蒸気の圧力を高める。この蒸気は、次の凝縮器(COND3)に通され、そこで、生成されるプロセス凝縮物は、前記凝縮器を、ライン(o)を通じて出て行き、凝縮しなかった不活性蒸気は、ライン(p)を通じて、次のエジェクター(EJEC3)に通される。前記エジェクターもまた、ライン(q)による水蒸気によって駆動され、前記エジェクターから排出される蒸気の圧力を大気圧まで高める。この不活性蒸気は、ライン(r)を通じて、大気に送り出されるか、又は、好ましくは、それを大気に放出する前に、尿素プラントにおける他の場所で、アンモニアを除去される。前記凝縮器を出て行くプロセス凝縮物は、捕集され、尿素プラントにおいて処理されて、クリーンなプロセス凝縮物となる。
ドライフラッシャーにおいて生成される固体尿素粒子は、1と1000μmの間、好ましくは10と500μmの間の粒径を有し、前記ドイフラッシャー(FLASH)から、ライン(s)を通じて、抜き取られる。
真空システムから固体生成物を抜き取る、知られているエクストラクターは、例えば、これらに限らないが、エアーロックロータリーフィーダー、2重バルブ付きシール容器、及びベンチャーエジェクターである。
ライン(s)を通じて抜き取られた固体尿素粒子は、尿素成型デバイス(SHAPING)を含む、代替尿素仕上げセクションに運ばれる。前記尿素成型デバイスにおいて、尿素粒子は、型に通され、機械的な力を用いることによって、望ましい最終生成物の形状にプレスされる。好ましくは、尿素最終生成物の形状は球状であり、その直径は、0.3と10ミリメートルの間である。このような尿素成型デバイスによって尿素最終生成物を成型することによって、このような尿素仕上げ技法により大気に放出されるアンモニアは、無視できる。尿素ダストが生成される場合、生成される尿素ダストの量は、1トンの生成される生成物当たり0.3kgを超えず、このようなダストの粒径は、10μmより大きく、このため、サイクロン及びウェットウォッシャーのような通常の除ダストシステムにおいて、容易に捕捉される。尿素最終生成物は、尿素成型デバイス(SHAPING)を、ライン(t)を通じて出て行く。
図4は、本発明による実施形態の別の例を示す。
50と80重量%の間の典型的な濃度、及び60と90℃の間の温度を有する、尿素プラントの再循環セクションからの尿素溶液が、晶析器(CRYS)に、ライン(a)を通じて入れられる。晶析器における圧力は、10と50kPaの間にある。尿素溶液の膨張によって、自発的に、尿素結晶が生成されて、尿素溶液中、固体尿素結晶の混合物を含むスラリーとなる。前記スラリーにおける尿素結晶の量は、2と30重量%の間にある。前記晶析器(CRYS)において生成される、水、アンモニア及び少量の二酸化炭素を含む蒸気は、ライン(b)を通じて、凝縮器(COND1)に排出される。前記凝縮器において、前記蒸気は、凝縮され、前記凝縮器を、ライン(c)を通じて出て行く。いくらかの水、アンモニア、及び凝縮しなかった痕跡量の他の成分を含む不活性蒸気は、前記凝縮器を、ライン(d)を通じて、エジェクター(EJEC1)に出て行き、圧力を、ほぼ大気圧まで高める。前記エジェクターに対する駆動力は、通常、ライン(e)による水蒸気である。水蒸気は、前記の凝縮しなかった不活性蒸気と共に、前記エジェクターを、ライン(f)を通じて、大気に出て行くか、又は、大気に放出される前に、尿素プラントにおける他の場所でさらに精製される。
晶析器(CRYS)を、ライン(g)を通じて出て行く、前記尿素結晶及び尿素溶液を含むスラリーは、一部分、前記晶析器に、ライン(h)を通じて戻され、残りは、固液分離器(LSSEP)に、ライン(i)を通じて排出される。前記固液分離器において、大部分の尿素溶液は、尿素結晶から分離される。前記尿素溶液は、晶析器(CRYS)に、ライン(k)を通じて戻される。固液分離器(LSSEP)を出て行く尿素結晶は、依然として、かなりの量(約2〜10重量%)の尿素溶液を含み、ライン(l)を通じて遠心機(CENTR)に通される。前記遠心機において、尿素結晶からの尿素溶液のさらなる分離が、遠心力を用い、行われる。尿素、ビウレット、水及びアンモニアを通常含む洗浄液が、尿素結晶におけるビウレット含有量を低下させるために、ライン(m)を通じて、前記遠心機に加えられてもよい。尿素結晶は、前記遠心機(CENTR)を、ライン(n)を通じて、尿素結晶輸送手段(TRANS)へ出て行く。前記遠心機を、ライン(o)を通じて出て行く尿素溶液は、晶析器(CRYS)に戻され、一部は、ライン(p)を通じて、尿素プラントへ取り出される。
尿素結晶輸送手段(TRANS)を出て行く尿素結晶は、ライン(q)を通じて、尿素結晶ドライヤー(DRYER)へ通されて、そこで、残留する尿素溶液は、尿素結晶から蒸発させられる。ライン(r)による、100〜150℃の温度の高温の乾燥空気が、使用され得るが、この空気は、また、尿素結晶を、ライン(s)を通じて、成型デバイスを含む代替尿素仕上げセクションへ輸送するためにも使用される。ライン(r)による乾燥高温空気、及びライン(q)による尿素結晶は、好ましくは、尿素結晶ドライヤー(DRYER)の底部に供給され、ライン(s)を通じて、前記ドライヤーの頂部で排出される。尿素結晶は、好ましくは、サイクロン(CYCLONE)の適用によって、空気から分離される。尿素結晶は、ライン(t)を通じて、尿素成型デバイス(SHAPING)へ通され、一方、空気は、前記サイクロンを、ライン(u)を通じて出て行く。前記尿素成型デバイスにおいて、尿素結晶は、型に通され、機械的な力を用いることによって、望ましい最終生成物が得られる。好ましくは、尿素最終生成物の形状は球状であり、その直径は、0.3と10ミリメートルの間にある。このような尿素成型デバイスによって尿素最終生成物を成型することによって、このような尿素仕上げ技法により大気に放出されるアンモニアは、無視できる。尿素ダストが生成される場合、生成される尿素ダストの量は、1トンの生成される生成物当たり、0.3kgを超えず、このようなダストの粒径は、10μmより大きく、このため、サイクロン及びウェットウォッシャーのような通常の除ダストシステムにおいて、容易に捕捉される。
尿素最終生成物は、尿素成型デバイス(SHAPING)を、ライン(v)を通じて出て行く。

Claims (13)

  1. 尿素水溶液がフラッシングされて、晶析した固体尿素含有生成物とアンモニア及び水含有蒸気とを得る晶析ステップと、
    尿素結晶に機械的な力を加えることを含む、その後の成型ステップと
    を含み、
    前記フラッシングが、ドライフラッシングとして実施される、尿素水溶液から尿素粒子を製造するための方法。
  2. 前記晶析ステップの前に、溶液が、50重量%〜99重量%の尿素及びビウレットの尿素濃度を有するように濃縮される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記晶析ステップが、1〜60kPaの圧力で、尿素溶液をフラッシングすることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記晶析ステップが、1〜30kPaの圧力で、尿素溶液をフラッシングすることを含み、ドライフラッシングに供給される前記尿素溶液が、85から95重量%の尿素濃度、及び110から130℃の温度を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. フラッシングによって得られる固体尿素生成物の粒径が、0.1μm〜1000μmの範囲にある、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記成型ステップの後に得られる尿素粒子が、0.3μm〜20mmの範囲の粒径を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記機械的な力が、尿素結晶に、圧縮力によって加えられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記成型が、尿素結晶を型にプレスすることによって実施される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記晶析ステップに供される尿素溶液が、添加物として、ホルムアルデヒド又は尿素ホルムアルデヒドを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の方法によって得られる尿素結晶が型にプレスされる、尿素粒子の成型のための圧縮機の使用。
  11. 既存の尿素プラントを改修して、それからのアンモニア及びダストの放出を減らす方法であって、プラントに、溶液から尿素を晶析させるのに適するデバイス、及び尿素結晶に機械的な力を加えるのに適するデバイスを付加するステップを含み、
    溶液から尿素を晶析させるのに適する前記デバイスが、断熱フラッシュデバイスである、方法。
  12. 尿素プラントのプラント能力を、前記プラントの仕上げセクションの能力を増大させることによって、増大させるための方法であって、真空システムから固体生成物を抜き取るエクストラクターを含む、ドライフラッシングによって溶液から尿素を晶析させるのに適するデバイス、及び尿素結晶に機械的な力を加えるのに適するデバイスを、既存の仕上げセクションに並列する仕上げセクションとして付加するステップを含む、方法。
  13. 晶析から得られた前記蒸気が、凝縮器に供給される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
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