JP5934072B2 - サスペンション制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、サスペンション制御装置に関するもので、詳しくは、鉄道車両向けのセミアクティブサスペンション制御装置に関するものである。
一般に、鉄道車両向けのセミアクティブサスペンション制御装置では、車体に配置される制御手段から緩衝器のソレノイドバルブまでダンパ配線を引き回すために、長く引き回したケーブルがアンテナとなり、周辺機器へ障害を与える虞がある。特に、車体の上下方向の振動を抑制する緩衝器は、台車の最も外側に取り付けられることから、ダンパ配線が地上側の通信信号設備(ATC)の最も近くを通過するノイズ源になる。
この対策として、緩衝器のソレノイドバルブへの通電電流に対して、ドロッパー方式の駆動回路を採用することでダンパ配線からのノイズを低減していた。しかしながら、ドロッパー方式の駆動回路では,通電時のトランジスタ部分での損失が大きく、特に電源電圧が損失量に大きく影響することから,電源電圧の変動が大きい車両では、駆動回路の前段で電圧を安定させる手段が必要となり、部品点数が増えるという課題があった。
一方、PWMパルス制御方式の駆動回路では、原理上、トランジスタ部分での損失が小さく、電源電圧の変動が大きい車両にも無変圧で対応できるが、電源電圧が高圧になるとスイッチングに伴う制御電流の脈動幅が大きくなるため、放射ノイズ量が増加するという課題があった。
このために、PWMパルス制御方式のキャリア周波数を高く設定することで、高電圧の場合にも電流振幅(脈動幅)を最小限に抑えてノイズを低減することは可能であるが、電流振幅が小さい場合、ソレノイドバルブのプランジャの動作が鈍くなるという新たな課題が生じるようになった。この問題に対処するために、特許文献1及び2に開示されたサスペンション制御装置では、電流指令にディザ波形を重畳させることでプランジャの動作をスムーズにするようにしている。
特開平10−95216号公報 特開平10−166828号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示されたサスペンション制御装置では、電源電圧の大きさに関わらず、キャリア周波数が高いためにスイッチングロスが大きいという課題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、損失やノイズを抑えながら、緩衝器の減衰力調整に対する応答性を良好にするサスペンション制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、第一の発明は、車体と台車との間に設けられた緩衝器と、該緩衝器に設けられたアクチュエータと、該アクチュエータを制御する制御手段とを備えたサスペンション制御装置であって、前記アクチェータは、ソレノイドへの通電電流に応じて変位するプランジャを有し、該プランジャの変位に応じて作動流体の通過量を調整することで前記緩衝器に減衰力を発生させ、前記制御手段は、供給される電源電圧の大きさに基づいて、前記ソレノイドへの通電電流に対して、PWMパルスのキャリア周波数を変動させると共にディザを付与するためのディザ振幅電流値を変動させることを特徴とするものである。
また、第二の発明は、車体と台車、または台車枠と輪軸との間に設けられた緩衝器と、該緩衝器に設けられたアクチュエータと、該アクチュエータを制御する制御手段とを備えたサスペンション制御装置であって、前記アクチェータは、ソレノイドへの通電電流に応じて変位するプランジャを有し、該プランジャの変位に応じて作動流体の通過量を調整することで前記緩衝器に減衰力を発生させ、前記制御手段は、供給される電源電圧及びソレノイド駆動回路への通電電流の大きさに基づいて、前記ソレノイドへの通電電流に対して、PWMパルスのキャリア周波数を変動させると共にディザを付与するためのディザ振幅電流値を変動させることを特徴とするものである。
本発明のサスペンション制御装置よれば、損失やノイズを抑えながら、緩衝器の減衰力調整に対する応答性を良好にすることができる。
本発明の実施形態に係るサスペンション制御装置を概略図である。 本発明の実施形態に係るサスペンション制御装置を模式的に示す図である。 本サスペンション制御装置の制御手段のCPUの構成を示す図である。 第1制御方法に採用される電源電圧に対するキャリア周波数のマップを示す図である。 第1制御方法に採用され、ディザ振幅電流値の要、不要の電源電圧の閾値が、電圧下降時と電圧上昇時とで相違するヒステリシス制御を実行するためのマップを示す図である。 CPUの基本演算手段からの基本電流値が0.8Aである場合、図4のA部分の電流波形を示す図である。 CPUの基本演算手段からの基本電流値が0.8Aである場合、図4のB部分の電流波形を示す図である。 第2制御方法に採用される電源電圧に対するキャリア周波数のマップを示す図である。 第3制御方法に採用される電源電圧に対するキャリア周波数のマップを示す図である。 第3制御方法に採用される制御手段のCPUの構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図10に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係るサスペンション制御装置1は、鉄道車両用向けのセミアクティブサスペンション制御装置として構成される。本サスペンション装置1は、図1及び図2に示すように、ソレノイド2及びソレノイド2への通電電流に応じて変位するプランジャ3を有し、該プランジャ3の変位に応じて作動流体8の通過量を調整するアクチュエータとしての比例ソレノイドバルブ4と、車体5と台車6との間に上下方向に介装されて、比例ソレノイドバルブ4のプランジャ3の変位に応じた大きさの減衰力を発生させる減衰力可変型緩衝器7と、車体5の上下方向の加速度を検出する加速度センサー9と、該加速度センサー9からの検出結果等に基づいて比例ソレノイドバルブ4のソレノイド2への通電電流を制御して減衰力可変型緩衝器7の減衰力を制御する制御手段10とを備えている。なお、本実施例では、車体5と台車6との間に減衰力可変型緩衝器7を設ける例を示したが、例えば図示せぬ台車枠と輪軸間に減衰力可変型緩衝器7を取付けるようにしてもよい。
減衰力可変型緩衝器7は、比例ソレノイドバルブ4とユニット化され、例えば、図1に示すように、前側台車6及び後側台車6に夫々4台ずつ備えられている。加速度センサー9は、例えば、図1に示すように、前側台車6及び後側台車6に夫々2個ずつ備えられている。制御手段10と比例ソレノイドバルブ4を含む各減衰力可変型緩衝器7とは電気的に接続される。また、制御手段10と各加速度センサー9とも電気的に接続される。
制御手段10は、図2に示すように、車両用電源11からの電源電圧を検出する電源電圧検出器12と、加速度センサー9及び電源電圧検出器12からの検出結果に基づいてPWMパルスを出力可能なCPU13と、該CPU13からのPWMパルスをソレノイド2へ出力するソレノイド駆動回路14とから概略構成されている。
車両用電源11は、他の車載機器と共通の電源線から本サスペンション制御装置1へ電源電圧を供給するものである。該車両用電源11は、車両によってDC24V、48V、72V、87V、96V、110V(公称電圧)などが設定されており、これらの電源電圧は、走行中や停車中の車両状況に応じて±30%以上で変動し得る。ソレノイド駆動回路14は、システムの最大消費電流が通電可能な電流容量と、高速なスイッチングで発生するスパイク電圧のレベルを十分に低く抑えられるだけの配線幅(低インダクタンス)とを有する配線パターンを備えている。該ソレノイド駆動回路14は、図2に示すように、高電圧及び高速なスイッチングに応答可能なゲートドライバ16及びトランジスタ17と、トランジスタ17がOFF時にソレノイド2へ流れる電流を還流させる還流ダイオード18と、ソレノイド2へ流れる実電流を電圧として出力するための電流検出抵抗19と、該電流検出抵抗19の電圧を所定電圧に増幅してCPU13に出力する電流検出回路20とを備えている。
図3に示すように、CPU13は、電源電圧入力手段25と、キャリア周波数選択手段26と、加速度入力手段27と、基本演算手段28と、ディザ演算手段29と、電流値検出手段30と、PWM駆動部31とを備えている。
電源電圧入力手段25は、電源電圧検出器12で検出した電源電圧をAD入力してCPU13内部に取り込むものである。キャリア周波数選択手段26は、電源電圧入力手段25により取り込んだ電源電圧値に基づいてキャリア周波数を選択するものである。加速度入力手段27は、各加速度センサー9にて検出した加速度をデジタル通信またはAD入力してCPU13内部に取り込むものである。基本演算手段28は、加速度入力手段27により取り込んだ各加速度値に基づいて、車体5の振動を制御するのに最適な目標減衰力を演算し、該目標減衰力に基づいて比例ソレノイドバルブ4に必要な基本電流値を演算するものである。ディザ演算手段29は、キャリア周波数選択手段26により選択されたキャリア周波数に基づいて、微振幅電流値(以下、ディザ振幅電流値という)を演算するものである。ディザ振幅電流は、比例ソレノイドバルブ4のプランジャ3をスムーズに変位させて減衰力可変型緩衝器7の減衰力調整の応答性を向上させるためにプランジャ3に微振動(ディザ)を付与するためのものである。なお、本実施の形態では、ディザ演算手段29は、キャリア周波数選択手段26により選択されたキャリア周波数に基づいて、ディザ振幅電流値を演算しているが、電源電圧入力手段25により取り込んだ電源電圧値に基づいて、ディザ振幅電流値を演算してもよい。電流値検出手段30は、電流検出回路20で検出したソレノイド2の実電流値をAD入力してCPU13内に取り込むものである。
PWM駆動部31は、キャリア周波数選択手段26により選択されたキャリア周波数に基づいて、基本演算手段28により演算された基本電流値とディザ演算手段29により演算されたディザ振幅電流値との和である目標電流値に、電流検出回路20により取り込まれたソレノイド2の実電流値をフィードバックして、PWMパルスのデューティ比を可変するものである。PWM駆動部31は、ソレノイド2に対する目標電流値にソレノイド2の実電流値を追従させるように、内部にPI制御器やPID制御器などの制御器を含むものであるが、この制御器はPI制御やPID制御以外の制御を用いても良い。また、PWM駆動部31では,PWMパルスがキャリア周波数選択手段26により選択されたキャリア周波数に基づいて、三角波などの変調手段によって生成される。なお、PWMパルスの生成方法は三角波変調に限らず、のこぎり波変調やベクトル変調など、三角波変調とほぼ同等の効果が得られれば、一般的に知られている他の変調手段を採用してもよい。
次に、ソレノイド2への通電電流に対する第1実施形態の制御方法を説明する。
なお、第1実施形態の制御方法では、CPU13に、図4及び図5に示すマップが予め入力されている。図4は、電源電圧に対するキャリア周波数のマップを示している。また、図5は、ディザ振幅電流値の要、不要の電源電圧の閾値が、電圧下降時と電圧上昇時とで相違するヒステリシス制御を実行するためのマップを示している。要するに、図4において、ディザ振幅電流値の有無の閾値は、電源電圧が下降過程である場合は電圧値V1が採用され、一方、上昇過程である場合は電圧値V2が採用される。図5に示すように、電圧下降時の電源電圧の閾値V1より電圧上昇時の電源電圧の閾値V2の方が大きく設定される。
そして、電源電圧検出器12により車両用電源11からの電源電圧値が検出されて、該電源電圧値がCPU13に入力される。該CPU13では、当該電源電圧値に基づいて、キャリア周波数選択手段26により図4のマップから対応するキャリア周波数が選択される。この時、例えば、電源電圧が上昇時、電源電圧がその閾値V2よりも大きくなると、選択されるキャリア周波数が低周波(H1より小さい)から高周波(H2より大きい)に切り替えられる。続いて、選択されたキャリア周波数はディザ演算手段29に入力される。なお、図4において車載機器や地上装置が通信等で使用するキャリア周波数帯は選択しないようにしている。そこで、電源電圧値に基づいて、選択できないキャリア周波数帯に至った場合には、その周波数帯の最大値に近いキャリア周波数を選択する。続いて、ディザ演算手段29より、選択されたキャリア周波数に基づいて図4のマップから、ディザ振幅電流の有無が判断される。詳しくは、図4において、選択されたキャリア周波数がH1より小さい場合には、ディザ振幅電流値は設定されず(ディザ振幅電流値は0)、選択されたキャリア周波数がH2より大きい場合には、キャリア周波数の大きさには関係なく一定のディザ振幅電流値が設定されるようになる。なお、ディザ演算手段29において、電源電圧値に基づいて、図4のマップからディザ振幅電流の有無を判断するようにしてもよい。また、各加速度センサー9により車体5の上下方向の加速度がそれぞれ検出されて、各加速度センサー9からの検出値がCPU13に入力される。該CPU13では、基本演算手段28により、車体5の振動を制御するのに最適な目標減衰力が演算され、該目標減衰力に基づいて比例ソレノイドバルブ4に必要な基本電流値が決定される。
最終的に、CPU13では、PWM駆動部31において、基本演算手段28により算出された基本電流値とディザ演算手段29により演算されたディザ振幅電流値との和である目標電流値に、電流検出回路20により取り込まれたソレノイド2の実電流値をフィードバックして、PWMパルスのデューティ比を可変したものをソレノイド駆動回路14に出力する。
そこで、図6には、CPU13の基本演算手段28からの基本電流値が0.8Aである場合を例に、電源電圧が低電圧で、ディザ振幅電流値が不要な領域の電流波形を示している(図4のA部分)。また、図7には、CPU13の基本演算手段28からの基本電流値が0.8Aである場合を例に、電源電圧が高電圧で、ディザ振幅電流値が必要な領域の電流波形を示している(図4のB部分)。
電源電圧が低電圧時には、図6から、0.8Aを中心とした±0.05A程度の電流脈動が、PWMパルスよるトランジスタ17のスイッチングによって生じていることが解る。この電流脈動には、比例ソレノイドバルブ4のプランジャ3をスムーズに変位させる効果がある。低電圧時にはこの電流脈動をトランジスタ17のスイッチングによってのみ生じるようにキャリア周波数を設定することで、減衰力可変型緩衝器7の減衰力調整の応答性を向上させることができると共にスイッチングによる損失を最小限に抑制することができる。
一方、電源電圧が高電圧の場合は、トランジスタ17のON/OFF時の電流変化量が大きく、したがって、スイッチング時の基板のパターンや配線のインダクタンスで発生するスパイクやノイズも大きい。したがって、電源電圧が高電圧の場合に、電流脈動幅が図6と比較して時間当たりの電流変化量が大きく、結果としてノイズを発する。そこで、電源電圧が高電圧の場合には、スイッチングノイズのキャリア周波数をさらに高周波側に設定し、電流脈動を例えば±0.005Aまで抑えることで、発生するノイズの周波数を高周波側にシフトし、且つノイズのレベルを低下させることができる。さらに、比例ソレノイドバルブ4のプランジャ3をスムーズに変位させるための電流脈動は、図7に示すように、高周波微振幅の電流脈動に低周波大振幅の脈動成分を重畳させるようにしている。これにより、高電圧時におけるノイズを抑制すると共に減衰力可変型緩衝器7の減衰力調整の応答性を向上させることができる。
なお、上述しているように、キャリア周波数選択手段26で選択するキャリア周波数は、鉄道の車載機器や地上装置の通信周波数を避けたもので選択することが好ましい。また、スイッチングの損失を最小限にする観点では、通信機器に干渉せず、かつノイズレベルが規定値を超えない範囲で最も低いキャリア周波数を選択することが好ましい。
また、本実施の形態では、減衰力可変型緩衝器7の減衰力調整時、比例ソレノイドバルブ4のプランジャ3の変位をスムーズにするために電流振幅を±0.05A,±0.005Aとしたが、これに限るものではなく、これらの値は減衰力可変型緩衝器7の構造や特性に合わせて最適に調整されるべきものである。
次に、ソレノイド2への通電電流に対する第2実施形態の制御方法を説明する。第2実施形態の制御方法を説明する際には、第1実施形態の制御方法との相違点のみを説明する。
第2実施形態の制御方法では、CPU13に、図8に示すマップが予め入力されている。図8は、電源電圧に対するキャリア周波数及びディザ振幅電流値のマップを示している。図8から解るように、第2実施形態では、電源電圧が上昇するに伴ってキャリア周波数を高くして、キャリア周波数が高くなるごとにディザ振幅電流値を除々に上昇させる制御方法を採用している。すなわち、第2実施形態では、図8に示すように、電源電圧が高いほどスイッチングによる電流脈動幅が小さくなるように、例えば、電源電圧が2倍になったときにキャリア周波数を3倍にするなど、電源電圧−キャリア周波数特性は線形比例以外で、曲線状で上方に凸するような曲線特性としている。また、ディザ振幅電流値は、各キャリア周波数でスイッチングによる電流脈動が減少した分を補うように徐々に大きくする。
そして、CPU13では、入力された電源電圧値に基づいて、図8のマップから対応するキャリア周波数及びディザ振幅電流値がそれぞれ選択される。
次に、ソレノイド2への通電電流に対する第3実施形態の制御方法を説明する。第3実施形態の制御方法を説明する際には、第1実施形態の制御方法との相違点のみを説明する。
なお、図2に示す、1個のソレノイド2を1個のトランジスタ17で駆動する形式のソレノイド駆動回路14の場合は、スイッチOFF時は、電流がダイオード(抵抗成分)を通過するため、スイッチON時とスイッチOFF時のソレノイド2への通電電流の変化速度の違いが顕著となる(スイッチOFF時の電流勾配が急)。そのために、同じ電源電圧、同じキャリア周波数で比較しても、デューティ比が大きい場合と、デューティ比が小さい場合とでスイッチングによる電流脈動の振幅に大きな差が生じる場合がある。具体的には,デューティー比(オンデューティー)が大きい場合はスイッチONの期間が長くスイッチOFFの期間が短いため電流脈動の振幅は小さく,デューティー比が小さい場合はスイッチONの期間が短くスイッチOFFの期間が長いため電流脈動の振幅は大きくなる。
そこで、第3実施形態の制御方法では、CPU13に、図9に示す、電源電圧に対するキャリア周波数及びディザ振動のマップが入力されている。図9には、電源電圧−キャリア周波数及びディザ振幅電流値特性として、基準特性と、基準特性から上方に示される基本電流値(大)特性と、基準特性から下方に示される基本電流値(小)特性とがそれぞれ設定されている。
図10に示すように、CPU13では、入力された電源電圧値と基本演算手段28により算出された基本電流値とに基づいて、キャリア周波数選択手段26により図9のマップから対応するキャリア周波数を選択する。そして、ディザ演算手段29は電源電圧をもとに図9のマップから対応するディザ振幅電流値を選択する。本実施例は,キャリア周波数が電源電圧だけでなく,基本電流値の大きさによっても変化することが第2実施形態とは異なる。具体的には基本電流値が大きい時にはキャリア周波数は低めに基本電流値が小さいときにはキャリア周波数は高めにシフトすることで、スイッチングに伴う電流脈動の振幅を基本電流値の大きさ関わらず一定にすることができる。
なお、本実施の形態では、1個のソレノイド2を1個のトランジスタ17で駆動する形式のソレノイド駆動回路14を採用したが、複数のトランジスタ17でブリッジを組んだ駆動回路を適用してもよい。
以上説明したように、サスペンション制御装置1において、ソレノイド2への通電電流に対する第1及び第2実施形態の制御方法では、車両用電源11から供給される電源電圧の大きさに基づいて、ソレノイド2への通電電流に対して、PWMパルスのキャリア周波数を変動させると共にディザを付与するためのディザ振幅電流値を変動させるので、車両用電源11からの電源電圧値の大きさに関わらず、損失やノイズを抑制すると共に減衰力可変型緩衝器7の減衰力調整に対する応答性を良好にすることができる。
また、ソレノイド2への通電電流に対する第3実施形態の制御方法では、車両用電源11から供給される電源電圧及びソレノイド駆動回路14への通電電流の大きさに基づいて、ソレノイド2への通電電流に対して、PWMパルスのキャリア周波数を変動させると共にディザを付与するためのディザ振幅電流値を変動させるので、電源電圧からの電源電圧値の大きさ及び基本演算手段28により算出された基本電流値の大きさに関わらず、損失やノイズを抑制すると共に減衰力可変型緩衝器7の減衰力調整に対する応答性を良好にすることができる。
1 サスペンション制御装置,2 ソレノイド,3 プランジャ,4 比例ソレノイドバルブ(アクチュエータ),5 車体,6 台車,7 減衰力可変型緩衝器,9 加速度センサー,10 制御手段,11 車両用電源,13 CPU,14 ソレノイド駆動回路

Claims (3)

  1. 車体と台車との間に設けられた緩衝器と、該緩衝器に設けられたアクチュエータと、該アクチュエータを制御する制御手段とを備えたサスペンション制御装置であって、
    前記アクチェータは、ソレノイドへの通電電流に応じて変位するプランジャを有し、該プランジャの変位に応じて作動流体の通過量を調整することで前記緩衝器に減衰力を発生させ、
    前記制御手段は、供給される電源電圧の大きさに基づいて、前記ソレノイドへの通電電流に対して、PWMパルスのキャリア周波数を変動させると共にディザを付与するためのディザ振幅電流値を変動させることを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 前記キャリア周波数及び前記ディザ振幅電流を変動させる際の電源電圧の閾値にヒステリシス制御を採用したことを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置。
  3. 車体と台車、または台車枠と輪軸との間に設けられた緩衝器と、該緩衝器に設けられたアクチュエータと、該アクチュエータを制御する制御手段とを備えたサスペンション制御装置であって、
    前記アクチェータは、ソレノイドへの通電電流に応じて変位するプランジャを有し、該プランジャの変位に応じて作動流体の通過量を調整することで前記緩衝器に減衰力を発生させ、
    前記制御手段は、供給される電源電圧及びソレノイド駆動回路への通電電流の大きさに基づいて、前記ソレノイドへの通電電流に対して、PWMパルスのキャリア周波数を変動させると共にディザを付与するためのディザ振幅電流値を変動させることを特徴とするサスペンション制御装置。
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