JP5214258B2 - Pwm信号生成回路、このpwm信号生成回路を備えた系統連系インバータシステム、及びこのpwm信号生成回路を実現するためのプログラム - Google Patents

Pwm信号生成回路、このpwm信号生成回路を備えた系統連系インバータシステム、及びこのpwm信号生成回路を実現するためのプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5214258B2
JP5214258B2 JP2008010535A JP2008010535A JP5214258B2 JP 5214258 B2 JP5214258 B2 JP 5214258B2 JP 2008010535 A JP2008010535 A JP 2008010535A JP 2008010535 A JP2008010535 A JP 2008010535A JP 5214258 B2 JP5214258 B2 JP 5214258B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pwm signal
carrier frequency
signal generation
circuit
boost converter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008010535A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009177857A5 (ja
JP2009177857A (ja
Inventor
徳行 諸富
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihen Corp filed Critical Daihen Corp
Priority to JP2008010535A priority Critical patent/JP5214258B2/ja
Publication of JP2009177857A publication Critical patent/JP2009177857A/ja
Publication of JP2009177857A5 publication Critical patent/JP2009177857A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5214258B2 publication Critical patent/JP5214258B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Electrical Variables (AREA)
  • Dc-Dc Converters (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Description

本発明は、直流電力の電圧を昇圧する昇圧コンバータ回路をPWM制御するための信号を生成するPWM信号生成回路、このPWM信号生成回路を備えた系統連系インバータシステム、及びこのPWM信号生成回路を実現するためのプログラムに関する。
従来、太陽電池などの直流電源によって生成される直流電力を交流電力に変換して商用電力系統に供給する系統連系インバータシステムが開発されている。系統連系インバータシステムでは、供給電力を商用電力系統に連系させるために、システムの出力電圧(交流電圧)を商用電力系統の電圧(系統電圧)に合わせる構成を要し、例えば、システムの出力段に変圧器を設け、その変圧器で出力電圧を系統電圧に変圧する構成が知られている。また、例えば、特開2001−103768号公報に示されるように、系統連系インバータシステムの小型軽量化と製造コスト低減のために、変圧器に代えて直流電源の出力段に昇圧コンバータを設け、直流電源からの出力電圧(直流電圧)を昇圧するトランスレス方式の系統連系インバータシステムも開発されている。
図7は、従来のトランスレス方式の系統連系インバータシステムの基本構成を示すブロック図である。また、図8は、系統連系インバータシステム内に設けられる昇圧コンバータ回路の基本的な回路構成を示す図である。
系統連系インバータシステム110は基本構成として、燃料電池や太陽電池などで構成される直流電源120、直流電源120からの出力電圧を昇圧する昇圧コンバータ回路130、昇圧コンバータ回路130の昇圧動作を制御するPWM(Pulse Width Modulation)信号生成回路160、昇圧コンバータ回路130から出力される直流電力を交流電力に変換して商用電力系統150に出力するインバータ回路140を含む。なお、インバータ回路140の電力変換動作を制御する制御ブロックは省略している。
この系統連系インバータシステム110は、直流電源120により出力された直流電圧を昇圧コンバータ回路130で所定の電圧に昇圧した後、その昇圧コンバータ回路130から出力される直流電力をインバータ回路140で交流電力に変換して商用電力系統150に供給する構成となっている。
系統連系インバータシステム110において商用電力系統150に連系した後は、インバータ回路140は、昇圧コンバータ回路130とインバータ回路140との間の電圧(以下、必要に応じて「バス電圧」という。)が一定の電圧となるように電圧制御を行い、昇圧コンバータ回路130は、直流電源により出力された直流電圧が任意の値となるよう電圧制御を行う。
昇圧コンバータ回路130は、図8に示すように、インダクタL1、半導体スイッチ素子としてのトランジスタQ、ダイオードD1及びコンデンサC1からなる周知の昇圧コンバータ回路で構成されている。なお、半導体スイッチ素子としては、電界効果トランジスタやIGBTなどを用いることもできる。
昇圧コンバータ回路130の昇圧制御は、PWM信号生成回路160が生成するPWM信号により行われる。PWM信号生成回路160は、電圧計161、入力電圧目標値設定回路162、PI制御回路163、キャリア信号生成回路164、比較回路165、およびパルス信号生成回路166を備えている。
PWM信号生成回路160は、電圧計161により計測された入力電圧と入力電圧目標値設定回路162により設定された入力電圧の目標値との偏差のPI制御値をPI制御回路163で生成し、比較回路165でそのPI制御値と予め設定されているキャリア周波数のキャリア信号との比較を行い、パルス信号生成回路166でその比較結果からパルス信号を生成し、昇圧を制御するPWM信号として昇圧コンバータ回路130に出力する。
特開2001−103768号公報
ところで、系統連系インバータシステムの直流電源は、多数の電池を直列又は並列に接続して構成されている。この直流電源の出力電圧は、系統連系インバータシステムの設置場所や電池の接続方法によって異なるので、系統連系インバータシステムの入力側の運転電圧範囲(直流電源120の出力電圧の範囲)の仕様は比較的広い電圧範囲に設定されている。
系統連系インバータシステム110の入力側の運転電圧範囲の仕様が、例えば、360〜700[v]に設定されている場合、直流電源120から供給される電力が同一であれば、出力電圧が低いほど出力電流は大きくなる。例えば、直流電源120から供給さる電力Pが100[kW]の場合、P=VIN×IIN=100[kW]より、入力電圧VINが7
00[v]のとき入力電流IINは143[A]となり、入力電圧VINが360[v]のとき入力電流IINは278[A]となる。
また、リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値(以下、「リプルPP値」とする。)IRP
Lは、図9に示すように、入力電圧が360[v]のときの方が700vのときより大きくなり、昇圧コンバータ回路130に入力される直流電流のピーク値IP(=IIN+IRPL/2)は入力電圧が360[v]のときに最大となる。
なお、図9(a)は、入力電圧VINを運転電圧範囲の上限値(700[v])と下限値(360[v])とした場合の入力電圧VINと出力電圧VOUTとの関係を示し、同図(b)は、入力電圧VINを運転電圧範囲の上限値(700[v])と下限値(360[v])とした場合の入力電流のリプル値IRPLとピーク値IPの変化を示している。
従って、昇圧コンバータ回路130を構成するインダクタL1、半導体スイッチ素子Q、ダイオードD1およびコンデンサC1に対しては運転電圧範囲の最小電圧のとき(入力電流のピーク値IPが最大のとき)が最も厳しい動作条件となるので、昇圧コンバータ回路130及びPWM信号生成回路160の設計においては、運転電圧範囲の最小電圧で回路素子の選択やキャリア周波数の設定が行われている。
しかしながら、系統連系インバータシステム110の直流電源120の出力電圧が運転電圧範囲の最小電圧の近くで運転されることは少なく、平均的には運転電圧範囲の中央付近の電圧(およそ530[v])で運転されることが多いと考えられる。設置場所や電池の接続条件などによって直流電源120の出力電圧が運転電圧範囲の中央付近やそれ以上になる場合は、その系統連系インバータシステムについては、耐久性や電力損失などの観点から見れば、昇圧コンバータ回路130及びPWM信号生成回路160の設計値に余裕があることになる。
特に、PWM信号生成回路160では、以下に説明するように、スイッチング損失の点で設計値の余裕が生じる。
図9の例の場合、PWM信号の周波数を決定するキャリア信号生成回路164で生成されるキャリア信号のキャリア周波数は、入力電圧VINが360[v]のときの入力電流のピーク値IPが許容範囲の上限値IPMAXを越えない値に固定されている。
具体的には、リプルPP値IRPLは、バス電圧をVDCB、昇圧レベルをΔV=VDCB−VIN、キャリア周波数をFSW、昇圧コンバータ回路130内のインダクタL1のインダクタンス値をLとすると、IRPL=(ΔV・VDCB−ΔV2)/(L・VDCB・FSW)=K/FSW(但し、K=(ΔV・VDCB−ΔV2)/(L・VDCB))で表されるが、図9の例では、VDCB=720[v]とすると、ΔV=360[v]となるから、このときの(ΔV・VDCB−ΔV2)/(L・VDCB)をKsとし、入力電圧VIN=360[v]における入力電流IIN(278[A])と入力電流のピーク値IPの上限値IPMAXの差から決定されるリプルPP値をIRPLSとすると、キャリア周波数FSWは、Ks/IRPLSで決定され、その値に固定される。
入力電圧VINが運転電圧範囲の最小電圧360[v]よりも高い電圧で動作する状況では、図9(a)に示されるように、入力電流IINが小さくなるとともにリプルPP値IRPLが小さくなるので、入力電流のピーク値IPも入力電圧VINが360[v]のときよりも低くなり、入力電流のピーク値IPの許容範囲に対して余裕が生じることになる。
このことは、昇圧レベルΔVが0〜360「v」の範囲では昇圧レベルΔVが小さくなると、Kの値は小さくなるから、キャリア周波数FSWをKs/IRPLSで決定された周波数FSWSよりも小さくできる余裕があるにも拘らず、その周波数FSWSに固定することを意味する。
すなわち、系統連系インバータシステム110は、昇圧レベルΔVの小さい運転電圧範囲では、キャリア周波数FSWを低くしてPWM信号の周波数を低くすることにより昇圧コンバータ回路130のスイッチング損失を抑制することができるにも拘らず、キャリア周波数FSWを高い周波数FSWSに固定し、抑制可能なスイッチング損失を生じさせていることにな
る。
なお、上記の説明は、キャリア周波数FSWの設計値と系統連系インバータシステム110が実際に設置されたときの最適なキャリア周波数FSWとの関係についてのものであるが、直流電源120として太陽電池を用いた場合は、系統連系インバータシステム110を設置した後の動作中において、日射光量や電池の表面温度の変動により直流電源120から出力される最大電力点が変化し、昇圧レベルΔVが0〜360[v]の範囲で変動して最適なキャリア周波数FSWが変化するので、抑制可能なスイッチング損失がより増加する。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、昇圧レベルが小さい場合にキャリア周波数を低くしてスイッチング損失の発生を抑制するようにした昇圧コンバータ回路を制御するPWM信号生成回路を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供されるPWM信号生成回路は、直流電圧を昇圧する昇圧コンバータ回路に含まれるスイッチング素子のオン・オフ動作を制御するためのPWM信号を生成するPWM信号生成回路において、前記昇圧コンバータ回路より出力される出力電圧から前記昇圧コンバータ回路に入力される入力電圧を減じた昇圧レベルが小さくなるに応じて低くなるキャリア周波数を決定するキャリア周波数決定手段と、前記キャリア周波数決定手段により決定されたキャリア周波数を有するキャリア信号を生成するキャリア信号生成手段と、前記昇圧コンバータ回路に入力される入力電圧または入力電流に基づいて指令値信号を生成する指令値信号生成手段と、前記キャリア信号と前記指令値信号の比較結果から前記PWM信号を生成するPWM信号生成手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によると、前記入力電圧と前記出力電圧に応じて前記キャリア周波数が変更され、周波数が変動するPWM信号が生成される。したがって、前記昇圧コンバータ回路の昇圧レベルが小さい場合に前記キャリア周波数を低くするように設定しておけば、昇圧レベルが小さいときには周波数の低いPWM信号が生成される。このPWM信号が入力されることにより、前記昇圧コンバータ回路は、昇圧レベルが小さいときにはスイッチング回数が低減され、スイッチング損失の発生を抑制することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記キャリア周波数決定手段は、下記演算式により前記キャリア周波数FSWを算出する。
Figure 0005214258
この構成によると、前記昇圧コンバータ回路の昇圧レベルが小さい場合には前記キャリア周波数は低くなる。これにより、前記昇圧コンバータ回路はスイッチング回数が低減され、スイッチング損失の発生を抑制することができる。また、前記リプル電流のピーク・トゥ・ピーク値が一定となるように前記キャリア周波数が制限されるので、流れるリプル電流の増加によるスイッチング素子の劣化を防止することができる。また、前記昇圧コンバータ回路の電圧および電流制御が不安定となることを防止することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記昇圧コンバータ回路に入力される入力電流のリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値を検出する検出手段を更に備え、前記検出手段により検出された検出値が前記目標値 RPL にフィードバック制御される。
この構成によると、前記フィードバック制御により、前記昇圧コンバータ回路に入力される入力電流のリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値が前記目標値となるよう制御されるので、より正確に前記昇圧コンバータ回路に入力される入力電流のリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値を一定にすることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記キャリア周波数決定手段は、前記昇圧レベルに所定の変換比率を乗算し所定の基準周波数を加えて前記キャリア周波数を算出する。
この構成によると、変換比率を正の値としておけば、前記昇圧コンバータ回路の昇圧レベルが小さい場合には前記キャリア周波数は低くなる。これにより、前記昇圧コンバータ回路はスイッチング回数が低減され、スイッチング損失の発生を抑制することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記キャリア周波数決定手段は、前記昇圧レベルに対応する周波数を記憶する記憶手段を備え、前記昇圧レベルに基づいて、前記記憶手段に記憶されている周波数を前記キャリア周波数に決定する。
この構成によると、前記昇圧コンバータ回路の昇圧レベルに基づいて前記キャリア周波数が決定される。したがって、前記昇圧コンバータ回路の昇圧レベルが小さい場合に前記キャリア周波数を低くするように設定しておけば、昇圧レベルが小さいときには前記昇圧コンバータ回路はスイッチング回数が低減され、スイッチング損失の発生を抑制することができる。
本発明の第2の側面によって提供される系統連系インバータシステムは、本発明の第1の側面によって提供されるPWM信号生成回路と、前記昇圧コンバータ回路と、前記昇圧コンバータ回路に直流電力を供給する直流電源と、前記昇圧コンバータ回路から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、を備えたことを特徴とする。
この構成によると、前記昇圧コンバータ回路の昇圧レベルが小さいときにはスイッチング回数が低減されスイッチング損失の発生を抑制することができる。したがって、前記直流電源から供給される電力が増加して前記昇圧コンバータ回路の昇圧レベルが小さくなったときに電力の変換効率が上昇し、前記系統連系インバータシステムのトータル効率を改善することができる。
本発明の第3の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、直流電圧を昇圧する昇圧コンバータ回路に含まれるスイッチング素子のオン・オフ動作を制御するためのPWM信号を生成するPWM信号生成回路として機能させるためのプログラムにおいて、前記コンピュータを、前記昇圧コンバータ回路より出力される出力電圧から前記昇圧コンバータ回路に入力される入力電圧を減じた昇圧レベルが小さくなるに応じて低くなるキャリア周波数を決定するキャリア周波数決定手段と、前記キャリア周波数決定手段により決定されたキャリア周波数を有するキャリア信号を生成するキャリア信号生成手段と、前記昇圧コンバータ回路に入力される入力電圧または入力電流に基づいて指令値信号を生成する指令値信号生成手段と、前記キャリア信号と前記指令値信号の比較結果から前記PWM信号を生成するPWM信号生成手段と、して機能させることを特徴とする。この構成によると、上記本発明の第1の側面によって提供されるPWM信号生成回路と同様の作用効果を奏する。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係るPWM信号生成回路の第1実施形態を備えた系統連系インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。
図1に示す系統連系インバータシステム1は、直流電源として太陽電池を用いたものである。系統連系インバータシステム1は基本構成として、直流電力を供給する直流電源2、直流電源2からの出力電圧を昇圧する昇圧コンバータ回路3、昇圧コンバータ回路3から出力される直流電力を交流電力に変換して商用電力系統5に出力するインバータ回路4、昇圧コンバータ回路3の昇圧動作を制御するPWM信号生成回路6、を備えている。なお、インバータ回路4の電力変換動作を制御する制御ブロックは省略している。
直流電源2、昇圧コンバータ回路3、インバータ回路4、および商用電力系統5は、この順で直列に接続されている。昇圧コンバータ回路3にはPWM信号生成回路6が接続されている。系統連系インバータシステム1は、直流電源2により出力された直流電圧を昇圧コンバータ回路3で所定の電圧に昇圧した後、その昇圧コンバータ回路3から出力される直流電力をインバータ回路4で交流電力に変換して商用電力系統5に供給する構成となっている。
直流電源2は、直流電力を生成するものであり、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池を備えている。一般的に、太陽電池の出力電圧と出力電流との関係は、図2の電流−電圧特性に示すようになる。同図において、横軸は太陽電池の出力電圧であり、縦軸は太陽電池の出力電流である。また、曲線Aは、日射光量が多いときの特性の一例を示し、曲線Bは日射光量が少ないときの特性の一例を示し、日射光量がこれらの中間にあるときの電流−電圧特性は、曲線Aと曲線Bに挟まれた部分に同様の波形で変化する特性となる。
太陽電池の出力電圧と出力電流は、日射光量に応じた電流−電圧特性の曲線上で変化する。いずれの特性においても、曲線A,Bに示すように最大電力点Pmaxがあり、出力電圧Voutが最大電力動作電圧Vmax、出力電流Ioutが最大電力動作電流Imaxのときに太陽電池の出力電力Poutが最大となる。
したがって、直流電源2から効率よく電力を得るためには、太陽電池を同図における最大電力点Pmax付近で動作させる必要がある。系統連系インバータシステム1では、昇圧コンバータ回路3に直流電源2からの入力電圧VIN、すなわち、太陽電池の出力電圧Voutが最大電力動作電圧Vmaxとなるように制御させることで、最大電力点追従制御を行なう。
昇圧コンバータ回路3は、図8に示した周知の昇圧コンバータ回路で構成されている。トランジスタQをオン・オフすることにより、トランジスタQのオン期間に直流電源2から供給される電力がインダクタL1に蓄積され、トランジスタQのオフ期間にインダクタL1に蓄積された電力がダイオードD1を介してコンデンサC1に放出される。従って、昇圧コンバータ回路3では、PWM信号生成回路6からのPWM信号によってトランジスタQをオン・オフすることにより直流電源2からの電力のインダクタL1への蓄積とインダクタL1の蓄積電力のコンデンサC1への放出とが交互に繰り返されて直流電源2からの直流電力が一旦当該コンデンサC1に蓄積され、このコンデンサC1から負荷(図1ではインバータ回路4)に当該コンデンサC1の両端電圧(入力電圧VINを昇圧した電圧。出力電圧VOUT)で供給される。
インバータ回路4は、例えば、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ又はサイリスタ等の複数のスイッチング素子を含むブリッジ回路からなる電圧制御型自励式インバータ回路によって構成され、各スイッチング素子をオン・オフ動作させることで、昇圧コンバータ回路3から入力される直流電力を交流電力に変換する。インバータ回路4には、ブリッジ回路の後段にスイッチングノイズを除去するローパスフィルタが設けられており、そのローパスフィルタから正弦波状の交流電圧が商用電力系統5に出力される。
系統連系インバータシステム1では、商用電力系統5に連系した後はインバータ回路4の出力電圧(交流電圧)を商用電力系統5の系統電圧に一致させる必要があるため、インバータ回路4は、入力電圧(昇圧コンバータ回路3とインバータ回路4との間の電圧。以下、必要に応じて「バス電圧VDCB」という。)を一定の電圧(例えば、720[v])にするように電力変換の制御が行われる。
PWM信号生成回路6は、昇圧コンバータ回路3のトランジスタQのオン・オフ動作を制御するPWM信号を生成するものである。PWM信号生成回路6は、電圧計61a,61b、入力電圧目標値設定回路62、減算器63、PI制御回路64、キャリア周波数決定回路65、キャリア信号生成回路66、比較回路67、パルス信号生成回路68、および電流計69を備えている。
電圧計61aは、昇圧コンバータ回路3の入力電圧VINを計測するものである。電圧計61bは、バス電圧VDCB、すなわち昇圧コンバータ回路3の出力電圧VOUTを計測するものである。電圧計61aにより計測された入力電圧VINは入力電圧目標値設定回路62、減算器63およびキャリア周波数決定回路65に入力され、電圧計61bにより計測された出力電圧VOUTはキャリア周波数決定回路65に入力される。電流計69は、昇圧コンバータ回路3の入力電流IINを計測するものである。電流計69により計測された入力電流IINは入力電圧目標値設定回路62に入力される。
入力電圧目標値設定回路62は、直流電源2からの入力電圧の目標値VCを設定する。昇圧コンバータ回路3は、直流電源2からの入力電圧VINがこの目標値VCとなるように制御する。入力電圧目標値設定回路62は、一定の時間間隔でこの目標値VCを変化させる。例えば本実施形態では0.3秒毎に2[v]ずつ変化させる。入力電圧目標値設定回路62は、電圧計61aにより計測された入力電圧VINと、電流計69により計測された入力電流IINとから直流電源2から出力される電力POUT(=VIN×IIN)を算出し、この電力POUTを前回の目標値VC’で算出された電力POUT’と比較する。比較結果がPOUT>POUT’であれば、目標値VCを2[v]増加させ、POUT<POUT’であれば、目標値Vcを2[v]減少させる。これにより、直流電源2からの入力電圧VINは、直流電源2から出力される電力POUTが最大電力点Pmaxに対応する最大電力動作電圧Vmaxに制御される。
減算器63は、入力電圧目標値設定回路62で設定される入力電圧の目標値Vcと電圧計61aにより計測された入力電圧VINとの偏差ΔV(=VIN−VC)を算出する。PI制御回路64は、減算器63により算出された偏差ΔVのPI制御値を算出し、そのPI制御値を指令値信号として比較回路67に出力する。すなわち、入力電圧目標値設定回路62、減算器63およびPI制御回路64により、指令値信号生成手段が構成される。
キャリア周波数決定回路65は、電圧計61aで計測された入力電圧VINと電圧計61bで計測された出力電圧VOUTと入力電流IINのリプルPP値の目標値IRPLCからキャリア周波数FSWを決定し、キャリア信号生成回路66に出力するものである。本実施形態ではキャリア周波数FSWを入力電圧VINの変動に応じて変化させており、そのキャリア周波数FSWは、2〜4kHzの範囲で下記(1)式により決定される。
Figure 0005214258
なお、(1)式で、Lは、インダクタL1のインダクタンス値である。また、キャリア周波数FSWを求めるときには、IRPLに目標値IRPLCを入力してキャリア周波数FSWが算出される。また、上記(1)式は、入力電流IINのリプルPP値IRPLを算出する下記(2)式、PWM信号のオン時間TONを算出する下記(3)式、および昇圧比αを算出する下記(4)式より導出される。
Figure 0005214258
すなわち、(2),(3),(4)式より、IRPL・L/VIN=(VDCB−VIN)/(VDCB・FSW)であるから、この式よりFSWの式に変形すると、(1)式が求められる。
キャリア信号生成回路66は、キャリア周波数決定回路65から入力されたキャリア周波数の三角波信号を生成し、キャリア信号として比較回路67に出力する。
比較回路67は、PI制御回路64から入力される指令値信号とキャリア信号生成回路66から入力されるキャリア信号とを比較し、例えば、指令値信号≧キャリア信号のときにはハイレベルの信号をパルス信号生成回路68に出力し、指令値信号<キャリア信号のときにはローレベルの信号をパルス信号生成回路68に出力する。
パルス信号生成回路68は、比較回路67から入力される矩形波信号を、リミッタ回路などにより補正して、パルス信号を生成する。このパルス信号は、PWM信号として、昇圧コンバータ回路3に入力される。昇圧コンバータ回路3は、入力されたPWM信号によってトランジスタQのスイッチングを行う。すなわち、トランジスタQはPWM信号がハイレベルのときオン動作し、直流電源2から入力される直流電力をインダクタL1に蓄積し、PWM信号がローレベルのときオフ動作し、インダクタL1に蓄積した直流電力をダイオードD1を介してコンデンサC1に放出する。
図8の示す昇圧コンバータ回路3においては、PWM信号の周期をT、オフ期間をTOFF、オン期間をTONとすると、VIN=(TOFF/T)・VOUTが成立する。出力電圧VOUTは、インバータ回路4によりバス電圧VDCBに固定されるから、PWM信号の周期Tが一定であれば、オフ期間TOFFが長くなるほど、入力電圧VINは大きくなり、オン期間TONが長くなるほど、入力電圧VINは小さくなる。
直流電源2からの入力電圧VINが目標値VCより高くなると、指令値信号のレベルはキャリア信号の振幅の中央のレベルより高くなり、比較回路67から出力される信号は、周波数がキャリア信号と同一でデューティ比(オン期間)が50%よりも大きいパルス信号となる。したがって、パルス信号生成回路68から出力されるPWM信号のデューティ比(オン期間)も50%より大きくなるから、PWM信号生成回路6は、入力電圧VINが目標値VCより高くなるのに応じて入力電圧VINを低下させるPWM信号を生成する。
一方、直流電源2からの入力電圧VINが目標値VCより低くなると、指令値信号のレベルはキャリア信号の振幅の中央のレベルより低くなり、比較回路67から出力される信号は、周波数がキャリア信号と同一でデューティ比(オン期間)が50%よりも小さいパルス信号となる。したがって、パルス信号生成回路68から出力されるPWM信号のデューティ比(オン期間)も50%より小さくなるから、PWM信号生成回路6は、入力電圧VINが目標電圧VCより低くなるのに応じて入力電圧VINを上昇させるPWM信号を生成する。
上記のように、入力電圧目標値設定回路62は、直流電源2から出力される電力POUTが最大電力点Pmaxに近づく方向に目標値VCを2[v]ピッチで減少させるから、昇圧コンバータ回路3は、このように目標値VCを変化させることで、直流電源2からの出力電圧VINを最大電力動作電圧Vmaxに制御する。
次に、PWM信号生成回路6の作用について説明する。
インバータ回路4によって制御されるバス電圧VDCBは720[v]に設定され、系統連系インバータシステム1の入力側の運転電圧範囲の仕様は360〜700[v]に設定されているとする。したがって、昇圧コンバータ回路3の入力電流IINのリプルPP値IRPLは、入力電圧VINが360[v]の条件で設定される値IRPLCまで許容され、キャリア周波数決定回路65に設定されるリプル電流目標値はその許容値IRPLCであるとする。
すなわち、従来の系統連系インバータシステムでは、入力電圧VINの変動に関係なくキャリア周波数FSWを固定し、入力電流IINのリプルPP値IRPLを入力電圧VINの変動に応じて変化させていたが、本実施形態では、入力電圧VINの変動に関係なく入力電流IINのリプルPP値IRPLを目標値IRPLCに固定し、キャリア周波数FSWを入力電圧VINの変動に応じて変化させる。
具体的には、キャリア周波数FSWは、上記(1)式により算出される。(1)式において、リプルPP値IRPLをIRPLCに固定すると、上記(1)式は、 SW −A・VIN 2+B・VIN(但し、A=1/(VDCB・IRPLC・L)、B=1/(IRPLC・L)となる。すなわち、キャリア周波数FSWは、VIN=B/2A=VDCB/2=360[v]で最大となり、360[v]≦VIN≦700[v]の範囲ではVINの増加に応じて単調に減少する。
したがって、本実施形態では、キャリア周波数FSWは、入力電圧VINが増加するのに応じて低くなるように、言い換えると、昇圧レベルΔV(=VDCB−VIN)が減少するのに応じて低くなるように制御される。
なお、図2で説明したように、太陽電池の最大電力点Pmaxは日射光量によって変化し、例えば、日射光量が曲線Bの特性(以下、「特性B」という。)の状態から曲線Aの特性(以下、「特性A」という。)の状態に変化した場合は、太陽電池の最大電力点Pmaxは特性Bの最大電力点PmaxからCのライン上を通って特性Aの最大電力点Pmaxに変化するから、直流電源2からの入力電圧VIN及び入力電流IINは、日射光量が増大するのに応じて上昇し、日射光量が減少するのに応じて低下する。したがって、キャリア周波数FSWは、日射光量が増大するのに応じて低くなり、日射光量が減少するのに応じて高くなるように変化する。
図3は、太陽電池の電流−電圧特性が図2の特性Bから特性Aに変化したときの昇圧コンバータ回路3の入力電流の変化を説明するための図である。
同図(a)は、太陽電池の電流−電圧特性が特性Bから特性Aに変化したときの入力電圧VINの変化を示し、同図(b)は、従来のPWM信号生成回路160の制御(キャリア周波数FSWを固定した制御)による入力電流IINとリプルPP値IRPLの変化を示し、同図(c)はPWM信号生成回路6の制御(昇圧レベルに応じてキャリア周波数FSWを変化させる制御)による入力電流IINとリプルPP値IRPLの変化を示す。
太陽電池が電流−電圧特性Bで動作しているときには、最大電力点追従制御により、直流電源2から電力40[kW]が入力電圧VIN=550[v]、入力電流IIN=73[A]で昇圧コンバータ回路3に供給されるように制御される。この状態から日射光量が増大し、太陽電池が電流−電圧特性Aで動作するように変化すると、最大電力点追従制御により、直流電源2から電力100[kW]が入力電圧VIN=650[v]、入力電流IIN=154[A]で昇圧コンバータ回路3に供給されるように制御が変化する。
従来のPWM信号生成回路の場合、入力電圧VINの変化に関係なくキャリア周波数FSWは固定されているので、同図(b)に示すように、入力電流のリプル電流の周波数も変化していない。入力電圧VINが高い場合、すなわち昇圧レベルΔVが小さい場合、入力電流のリプルPP値IRPLは小さくなり、入力電流IINのピーク値IPが上限値IPMAXに対して余裕が生じるので、キャリア周波数FSWを低くすることが可能である。しかしながら、キャリア周波数FSWは固定されているので、昇圧コンバータ回路3内のトランジスタQのスイッチング回数を低減できるにも拘らず、高いままであるので、その分、不必要にスイッチング損失を発生させることになる。
本実施形態におけるPWM信号生成回路6の場合、入力電圧VINが増加するのに応じてキャリア周波数FSWが減少するように変化するので、同図(c)に示すように、太陽電池の電流−電圧特性が特性Bから特性Aに変化すると、入力電流IINのリプルPP値IRPLを特性Bのときの値に保持しながら(入力電流IINのピーク値IPが上限値IPMAXの近傍まで変化することを許容しながら)、リプル電流の周波数も低くなる。したがって、キャリア周波数FSWの低下により、昇圧コンバータ回路3内のトランジスタQのスイッチング回数が減少され、抑制可能なスイッチング損失を好適に抑制することができる。また、入力電流IINのリプルPP値IRPLが一定に保たれるので、リプル電流の増加による不具合を抑制することができる。
上記第1実施形態では、直流電源2として太陽電池を用い、昇圧コンバータ回路3によって最大電力点追従制御を行っているので、昇圧コンバータ回路3は入力電圧VINが目標値となるように制御していたが、最大電力点追従制御を行わない場合は、昇圧コンバータ回路3の入力電流IINを制御するようにしてもよい。
図4は、本発明に係るPWM信号生成回路の第2実施形態を備えた系統連系インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。なお、同図において、上記第1実施形態と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。系統連系インバータシステム1’は、入力電圧目標値設定回路62に替えて入力電流目標値設定回路62'を備えている点で、系統連系インバータシステム1と異なる。
入力電流目標値設定回路62'は、直流電源2からの入力電流の目標値ICを設定する。PI制御回路64は、減算器63により算出された、入力電流目標値設定回路62’により設定された目標値ICと電流計69により計測された入力電流IINとの偏差のPI制御値を算出し、そのPI制御値を指令値信号として比較回路67に出力する。他の構成、動作、および作用は第1実施形態と同様なので、説明を省略する。本発明の効果をより解りやすくするために、入力電流を一定に制御した場合について図5を参照して説明する。
図5は、入力電流を一定に制御している場合に、入力電圧が変化したときの昇圧コンバータ回路3の入力電流の変化を説明するための図である。同図(a)は、入力電流を一定に制御している場合に、日射光量の変化により直流電源2の出力電力が変化したときの入力電圧VINの変化を示す。同図(b)は従来のPWM信号生成回路の制御による入力電流IINとリプルPP値IRPLの変化を示し、同図(c)はPWM信号生成回路6'の制御による入力電流IINとリプルPP値IRPLの変化を示す。
従来のPWM信号生成回路の場合、入力電圧VINの変化に関係なくキャリア周波数FSWは固定されているので、同図(b)に示すように、入力電流のリプル電流の周波数も変化していない。また、入力電流のリプルPP値IRPLは、入力電圧VINの変化に応じて変化している。同図(b)から、入力電圧VINが高い場合、すなわち昇圧レベルΔVが小さい場合、入力電流のリプルPP値IRPLは小さくなり、入力電流IINのピーク値IPが上限値IPMAXに対して余裕が生じるので、キャリア周波数FSWを低くすることが可能である。しかしながら、キャリア周波数FSWは固定されているので、昇圧コンバータ回路3内のトランジスタQのスイッチング回数を低減できるにも拘らず、高いままであるので、その分、不必要にスイッチング損失を発生させることになる。
本実施形態におけるPWM信号生成回路6'の場合、入力電圧VINが増加するのに応じてキャリア周波数FSWが減少するように変化する。キャリア周波数FSWは上記(1)式より算出され、リプルPP値IRPLは一定の目標値IRPLCである。これにより、同図(c)に示すように、入力電圧VINに応じてリプル電流の周波数が変化し、リプルPP値IRPLが一定となる。したがって、キャリア周波数FSWの低下により、昇圧コンバータ回路3内のトランジスタQのスイッチング回数が減少され、抑制可能なスイッチング損失を好適に抑制することができる。また、入力電流IINのリプルPP値IRPLが一定に保たれるので、リプル電流の増加による不具合を抑制することができる。
上記第1実施形態では、キャリア周波数決定回路65がリプルPP値の目標値IRPLCを用いてキャリア周波数FSWを算出し、このキャリア周波数FSWを用いて生成したPWM信号を入力することで、昇圧コンバータ回路3の入力電流のリプルPP値を目標値IRPLCに近付けていたが、フィードバック制御により当該リプルPP値を目標値IRPLCに近付けるようにしてもよい。
図6は、本発明に係るPWM信号生成回路の第3実施形態を備えた系統連系インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。なお、同図において、上記第1実施形態と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。系統連系インバータシステム1”は、昇圧コンバータ回路3の入力電流のリプルPP値をPI制御する構成を備えている点で、系統連系インバータシステム1と異なる。具体的には、系統連系インバータシステム1”は、PWM信号生成回路6”内にリプル電流検出回路70、減算器71、PI制御回路72、および加算器73を備えている。
リプル電流検出回路70は、電流計69により計測された入力電流IINからリプルPP値IRPLを検出する。減算器71は、入力電流IINのリプルPP値の目標値IRPLCとリプル電流検出回路70により検出された入力電流IINのリプルPP値IRPLとの偏差ΔIRPL(=IRPLC−IRPL)を算出する。PI制御回路72は、減算器71により算出された偏差ΔIRPLのPI制御値を算出する。加算器73は、PI制御回路72が算出したPI制御値と入力電流IINのリプルPP値の目標値IRPLCとを加算して、キャリア周波数決定回路65に出力する。他の構成、動作、および作用は第1実施形態と同様なので、説明を省略する。
本実施形態によると、PI制御により、昇圧コンバータ回路3の入力電流のリプルPP値IRPLが目標値IRPLCとなるよう制御されるので、より正確にリプルPP値を一定にすることができる。
上述した第1実施形態ないし第3実施形態では、キャリア周波数を上記(1)式で算出していたが、これに限られない。すなわち、上述したように、(1)式において、リプルPP値IRPLをIRPLCに固定すると、FSW=−A・VIN 2+B・VINとなり、キャリア周波数FSWは、VIN=360[v]で最大となり、360[v]≦VIN≦700[v]の範囲ではVINの増加に応じて単調に減少する特性を有する。第1実施形態ないし第3実施形態は、この単調減少特性を利用して入力電圧VIN増加に応じてキャリア周波数FSWを低下させ、スイッチング損失を抑制するものであるから、上記の単調減少特性を二次関数の曲線ではなく一次関数で近似してもよく、他の曲線で近似してもよい。また、入力電圧VIN増加に応じて連続的にキャリア周波数FSWを減少させるのではなく、段階的に減少させるようにしてもよい。
一次関数で近似した単調減少特性を用いる場合は、例えば、キャリア周波数決定回路65が、電圧計61aにより計測された入力電圧VINと電圧計61bにより計測された出力電圧VDCBとから、下記(5)式により、キャリア周波数を決定するようにするとよい。ここで、KIは、昇圧レベル(VDCB−VIN)からキャリア周波数への変換比であり、FINIはキャリア周波数の初期値である。キャリア周波数の範囲を制限する場合、例えば、入力電圧の運転範囲が360V〜700Vで、キャリア周波数を2〜4kHzに制限する場合は、入力電圧が360Vのとき4kHz、入力電圧が700Vのとき2kHzとなるように、KIおよびFINIを定めればよい。
Figure 0005214258
この場合でも、上記第1実施形態と同様、昇圧レベルが小さいときにキャリア周波数が低くなり、スイッチング損失の発生が抑制される。しかし、上記第1実施形態のようにリプルPP値を固定していないので、キャリア周波数の変化に応じてリプルPP値も変化する。したがって、入力電流のピーク値(リプル電流込み)が昇圧コンバータ回路3の設計範囲を超えないように、キャリア周波数の範囲を制限する必要がある。
上述した実施形態においては、キャリア周波数決定回路65が演算式によりキャリア周波数を算出し、キャリア周波数が線形変化するようにしたが、キャリア周波数が非線形変化するように構成してもよい。
例えば、記憶回路を設けて、昇圧レベルに対応する最適なキャリア周波数を記憶させておき、電圧計61aにより計測された入力電圧VINと電圧計61bにより計測された出力電圧VDCBとから昇圧レベル(VDCB−VIN)を算出し、その値に応じてキャリア周波数を出力するようにしてもよい。このとき、記憶回路に記憶させるキャリア周波数を入力電流のピーク値(リプル電流込み)が昇圧コンバータ回路3の設計範囲を超えないように設定しておけば、入力電圧の変化により昇圧レベルが変化しても、リプル電流の増加による不具合を防止することができる。また、必要以上にキャリア周波数が高くならないので、スイッチング損失の発生が抑制される。
また、記憶回路に記憶させるキャリア周波数を所定の昇圧レベルの範囲毎に設定し、算出された昇圧レベルに応じて、当該設定されたキャリア周波数を出力するようにしてもよい。例えば、昇圧レベルが140V未満のときは2kHz、140V以上250V未満のときは3kHz、250V以上のときは4kHzのキャリア周波数を出力するようにしてもよい。
なお、上述した実施形態では、系統連系インバータシステムに用いられる昇圧コンバータ回路を制御する場合について説明したが、これに限られない。本発明に係るPWM信号生成回路は、他のシステムに用いられる昇圧コンバータ回路をPWM制御する場合にも適用できる。特に、昇圧コンバータ回路のスイッチング損失の発生を抑制したい場合に有効である。
本発明に係るPWM信号生成回路は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るPWM信号生成回路の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
また、上述した方法でPWM信号を生成させるプログラムを、コンピュータ読み取り可能に記録したROM、CD−ROM、DVD−ROM、フラッシュメモリなどの記録媒体から読み込んで、コンピュータに本発明のPWM信号生成回路を実現させてもよい。また、従来のPWM信号生成回路にそのプログラムを実行させることにより、本発明のPWM信号生成回路を実現させてもよい。
本発明に係るPWM信号生成回路の第1実施形態を備えた系統連系インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。 太陽電池の出力電圧と出力電流との関係を示す電流−電圧特性図である。 太陽電池の電流−電圧特性が図2の特性Aから特性Bに変化したときの昇圧コンバータ回路の入力電流の変化を説明するための図である。 本発明に係るPWM信号生成回路の第2実施形態を備えた系統連系インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。 入力電流を一定に制御している場合に、入力電圧が変化したときの昇圧コンバータ回路の入力電流の変化を説明するための図である。 本発明に係るPWM信号生成回路の第3実施形態を備えた系統連系インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。 従来のトランスレス方式の系統連系インバータシステムの基本構成を示すブロック図である。 系統連系インバータシステム内の昇圧コンバータ回路の基本的な回路構成を示す図である。 直流電源の最大出力電力Pmaxを100[kW]とし、昇圧コンバータ回路の入力電を運転電圧範囲の上限値(700[V])と下限値(360[V])とした場合の入力電流IINのリプル値IRPLとピーク値IPの変化を示す図である。
符号の説明
1 系統連系インバータシステム
2 直流電源
3 昇圧コンバータ回路
4 インバータ回路
5 商用電力系統
6 PWM信号生成回路
61a,61b 電圧計
62 入力電圧目標値設定回路(指令値信号生成手段)
62’ 入力電流目標値設定回路(指令値信号生成手段)
63 減算器(指令値信号生成手段)
64 PI制御回路(指令値信号生成手段)
65 キャリア周波数決定回路
66 キャリア信号生成回路
67 比較回路
68 パルス信号生成回路
69 電流計
70 リプル電流検出回路
71 減算器
72 PI制御回路
73 加算器

Claims (7)

  1. 直流電圧を昇圧する昇圧コンバータ回路に含まれるスイッチング素子のオン・オフ動作を制御するためのPWM信号を生成するPWM信号生成回路において、
    前記昇圧コンバータ回路より出力される出力電圧から前記昇圧コンバータ回路に入力される入力電圧を減じた昇圧レベルが小さくなるに応じて低くなるキャリア周波数を決定するキャリア周波数決定手段と、
    前記キャリア周波数決定手段により決定されたキャリア周波数を有するキャリア信号を生成するキャリア信号生成手段と、
    前記昇圧コンバータ回路に入力される入力電圧または入力電流に基づいて指令値信号を生成する指令値信号生成手段と、
    前記キャリア信号と前記指令値信号の比較結果から前記PWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
    を備えたことを特徴とするPWM信号生成回路。
  2. 前記キャリア周波数決定手段は、下記演算式により前記キャリア周波数FSWを算出することを特徴とする、請求項1に記載のPWM信号生成回路。
    Figure 0005214258
  3. 前記昇圧コンバータ回路に入力される入力電流のリプル電流のピーク・トゥ・ピーク値を検出する検出手段を更に備え、
    前記検出手段により検出された検出値が前記目標値 RPL にフィードバック制御されることを特徴とする、請求項2に記載のPWM信号生成回路。
  4. 前記キャリア周波数決定手段は、前記昇圧レベルに所定の変換比率を乗算し所定の基準周波数を加えて前記キャリア周波数を算出する
    ことを特徴とする、請求項1に記載のPWM信号生成回路。
  5. 前記キャリア周波数決定手段は、
    前記昇圧レベルに対応する周波数を記憶する記憶手段を備え、
    前記昇圧レベルに基づいて、前記記憶手段に記憶されている周波数を前記キャリア周波数に決定する
    ことを特徴とする、請求項1に記載のPWM信号生成回路。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のPWM信号生成回路と、
    前記昇圧コンバータ回路と、
    前記昇圧コンバータ回路に直流電力を供給する直流電源と、
    前記昇圧コンバータ回路から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、
    を備えたことを特徴とする系統連系インバータシステム。
  7. コンピュータを、
    直流電圧を昇圧する昇圧コンバータ回路に含まれるスイッチング素子のオン・オフ動作を制御するためのPWM信号を生成するPWM信号生成回路として機能させるためのプログラムにおいて、
    前記コンピュータを、
    前記昇圧コンバータ回路より出力される出力電圧から前記昇圧コンバータ回路に入力される入力電圧を減じた昇圧レベルが小さくなるに応じて低くなるキャリア周波数を決定するキャリア周波数決定手段と、
    前記キャリア周波数決定手段により決定されたキャリア周波数を有するキャリア信号を生成するキャリア信号生成手段と、
    前記昇圧コンバータ回路に入力される入力電圧または入力電流に基づいて指令値信号を生成する指令値信号生成手段と、
    前記キャリア信号と前記指令値信号の比較結果から前記PWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
    して機能させることを特徴とするプログラム。
JP2008010535A 2008-01-21 2008-01-21 Pwm信号生成回路、このpwm信号生成回路を備えた系統連系インバータシステム、及びこのpwm信号生成回路を実現するためのプログラム Active JP5214258B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008010535A JP5214258B2 (ja) 2008-01-21 2008-01-21 Pwm信号生成回路、このpwm信号生成回路を備えた系統連系インバータシステム、及びこのpwm信号生成回路を実現するためのプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008010535A JP5214258B2 (ja) 2008-01-21 2008-01-21 Pwm信号生成回路、このpwm信号生成回路を備えた系統連系インバータシステム、及びこのpwm信号生成回路を実現するためのプログラム

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009177857A JP2009177857A (ja) 2009-08-06
JP2009177857A5 JP2009177857A5 (ja) 2010-12-24
JP5214258B2 true JP5214258B2 (ja) 2013-06-19

Family

ID=41032378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008010535A Active JP5214258B2 (ja) 2008-01-21 2008-01-21 Pwm信号生成回路、このpwm信号生成回路を備えた系統連系インバータシステム、及びこのpwm信号生成回路を実現するためのプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5214258B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5942219B2 (ja) * 2011-11-14 2016-06-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 太陽光発電用パワーコンディショナ
JP6051622B2 (ja) * 2012-06-29 2016-12-27 オムロン株式会社 昇圧ユニット、電源システム、昇圧ユニットの制御方法、およびプログラム
JP5934072B2 (ja) * 2012-09-28 2016-06-15 日立オートモティブシステムズ株式会社 サスペンション制御装置
JP6263898B2 (ja) * 2013-08-12 2018-01-24 株式会社オートネットワーク技術研究所 降圧装置、昇圧装置及び変圧装置
JP6273888B2 (ja) * 2014-02-18 2018-02-07 オムロン株式会社 制御装置、電力変換装置、発電システム、およびプログラム
CN106707062B (zh) * 2016-12-28 2023-08-29 深圳市华讯方舟卫星产业科技有限公司 用于微波通信装置的测试设备及其测试信号生成电路
EP3657669A4 (en) * 2017-07-19 2020-05-27 Mitsubishi Electric Corporation MOTOR DRIVE DEVICE AND HEAT PUMP DEVICE AND COOLING / AIR CONDITIONING DEVICE USING THE MOTOR DRIVE DEVICE
JP7226234B2 (ja) * 2019-10-11 2023-02-21 株式会社明電舎 チョッパ回路の制御装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4667592B2 (ja) * 2000-12-21 2011-04-13 シャープ株式会社 電力変換装置
JP2004112904A (ja) * 2002-09-18 2004-04-08 Toyota Motor Corp 電圧変換装置、電圧変換方法、電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP4363067B2 (ja) * 2003-03-18 2009-11-11 サンケン電気株式会社 力率改善回路
JP2005184964A (ja) * 2003-12-18 2005-07-07 Renesas Technology Corp 電源装置及びその制御方法
JP2006333572A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Daihatsu Motor Co Ltd 車両の電力変換装置及びそのキャリア周波数制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009177857A (ja) 2009-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5214258B2 (ja) Pwm信号生成回路、このpwm信号生成回路を備えた系統連系インバータシステム、及びこのpwm信号生成回路を実現するためのプログラム
KR100763135B1 (ko) 태양광 발전 시스템 및 그 제어방법
US8879285B2 (en) Power converter for outputting power to a system
US8547716B2 (en) Power converting apparatus, grid interconnection apparatus and grid interconnection system
US7199563B2 (en) DC-DC converter
JP6153144B1 (ja) Dc/dcコンバータの制御装置および制御方法
JP5112111B2 (ja) 直流電源装置、およびこの直流電源装置を用いた系統連系インバータシステム
US20130027997A1 (en) Maximum power point tracking for power conversion system and method thereof
JP5589096B2 (ja) 電力変換器及び太陽光発電システム
JP2014135073A (ja) 光発電システムにおける制御・状態監視方法、光発電システム、および、光発電システムにおける制御・状態監視装置
JP6201613B2 (ja) インバータ装置、パワーコンディショナ、発電システム及び、インバータ装置の制御方法
JP6185860B2 (ja) 双方向コンバータ
JP5799262B2 (ja) 力率改善コンバータ
JP2007109609A (ja) 燃料電池システムの充放電装置
JP2017060303A (ja) 電源装置
KR102149393B1 (ko) 태양전지 제어장치 및 제어 방법
JP6366083B2 (ja) インバータの制御装置
JP5323383B2 (ja) 電力変換装置
US11081961B2 (en) Power convertor, power generation system, and power generation control method
JP5195101B2 (ja) Dc/dcコンバータの制御装置及び制御方法
JP6642296B2 (ja) コンバータの異常判定方法
JP5528730B2 (ja) 電力変換装置
JP5294908B2 (ja) 電力変換装置
JP6669434B2 (ja) 電力変換装置
JP7312088B2 (ja) 電力変換装置、及び電力変換制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101108

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5214258

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160308

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250