JP5933842B2 - バスケット型把持鉗子 - Google Patents
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Description
本願は、2013年11月12日に、日本に出願された特願第2013-233973号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
バスケット型把持鉗子は、複数のワイヤによって異物を保持する構造を有しているので、大きい異物を回収しようとした場合、異物を保持したままではバスケットが管路から抜去できなくなる場合がある。たとえば、特許文献1,2,3に記載の複数のワイヤの間から異物が外れなくなってしまうと、バスケットを管路から抜去できなくなってしまう。
本発明の第1実施形態のバスケット型把持鉗子について説明する。図1は、本実施形態のバスケット型把持鉗子の全体図である。図2は、同実施形態のバスケット型把持鉗子の断面図である。図3は、図2のA−A線における断面図である。
図1に示すように、バスケット型把持鉗子1は、シース2と、シース2に挿通された本体部3と、シース2に固定された操作部15とを備える。
バスケット部4は、複数のバスケットワイヤ5と、複数のバスケットワイヤ5を固定し、バスケット部を略紡錘状とするための固定部材6とを備える。
本実施形態では、それぞれのバスケットワイヤ5は、バスケット部4の中心線を中心とした螺旋状をなしている。それぞれのバスケットワイヤ5は、遠位側に行くに従って螺旋のピッチが密になっている。すなわち、複数のバスケットワイヤ5により形成される開口の大きさは、バスケット部4の遠位端において最も小さく、バスケット部4の近位側へ行くに従って漸次大きくなっている。
遠位固定部材7の内部と近位固定部材8の内部とには、全てのバスケットワイヤ5が挿通されている。遠位固定部材7とバスケットワイヤ5とは、接着、ろう付け、はんだ付け、あるいは溶接など、公知の固定方法によって固定されている。同様に、近位固定部材8とバスケットワイヤ5とは、接着、ろう付け、はんだ付け、あるいは溶接など、公知の固定方法によって固定されている。
図1及び図2に示すように、除去機構11は、バスケット部4に取り付けられたスライドスリーブ12と、スライドスリーブ12に固定された第二ワイヤ13とを備える。
バスケット部4が略紡錘状に広がっている状態では、第二ワイヤ13は、スライドスリーブ12からシース2へと、バスケット部4の内部を通って近位側へ延びている。さらに、本実施形態では、第二ワイヤ13は、シース2の内部を通って操作部15まで延びている。第二ワイヤ13の近位端には、第二ワイヤ操作機構37が取り付けられている。
本実施形態では、センターワイヤ14の近位端は、シース2の遠位端側の開口よりも近位側まで延びており、バスケット型把持鉗子1の通常の使用状態においてバスケット部4がシース2の遠位端の開口から完全に露出された状態でも、センターワイヤ14の近位端がシース2の遠位端側の開口から出ないようになっている。
操作部15は、操作本体16と、スライダ24と、第二ワイヤ操作機構37と、を備える。
栓21が弾性変形されて第二ワイヤ13の外周面に密着すると、第二ポート19が水密に塞がれる。
第一ポート17と第二ポート19とが水密状態とされている状態で第三ポート23から液体が注入されると液体はシース2の内部に流れ込みシース2の遠位端側の開口から吐出される。
バスケット型把持鉗子1は、一般的なバスケット型医療用処置具と同様に、バスケット部4をシース2に収納した状態で内視鏡チャンネルを通じて患者体内の胆管等の管路に挿入される。スライダ24の前進操作により管路内でバスケット部4をシース2から突出させると、バスケットワイヤ5の弾性力によりバスケット部4が拡開する。
拡開したバスケット部4内に結石等の異物Xを取り込んだ後、スライダ24を引くことでバスケット部4を縮径させ、異物Xをバスケット部4内にしっかりと保持する事ができる。その後、内視鏡とともにバスケット型把持鉗子1を患者体内から抜去し、異物Xを回収する。
異物Xを放出するための従来の方法としては、緊急砕石具やレーザー等を体内に導入して異物Xを砕くなどの方法がある。しかしながら、これら従来の方法は煩雑であり、処置全体の所要時間を引き延ばす原因となる。
バスケット部4の遠位端から近位側へ移動されるスライドスリーブ12は、各バスケットワイヤ5が互いに近づくように各バスケットワイヤ5を移動させる。すなわち、スライドスリーブ12が近位側へ移動することにより、バスケット部4は、遠位側から近位側へ漸次縮径される。
本実施形態のバスケット部4の遠位側の開口の大きさと近位側の開口の大きさとを比べると、近位側の開口がより大きい。そのため、バスケット部4の縮径に伴い、バスケット部4内で近位側へと移動した異物Xは、バスケットワイヤ5の隙間からバスケット部4の外へと排出される。
次に、上記実施形態のバスケット型把持鉗子1の変形例について説明する。図6は、本変形例の構成を示す側面図である。
図6に示すように、本変形例のバスケット型把持鉗子1Aは、センターワイヤ14を備えていない。
本変形例のバスケット型把持鉗子1Aも、上記第1実施形態のバスケット型把持鉗子1と同様に、スライドスリーブ12がバスケット部4の遠位端から近位側へと移動することにより、バスケット部4が遠位側から近位側へ漸次縮径する。
このため、本変形例のバスケット型把持鉗子1Aも第1実施形態と同様の効果を奏する。
次に、上記第1実施形態のバスケット型把持鉗子1の他の変形例について説明する。図7は、本変形例の構成を示す側面図である。
図7に示すように、本変形例のバスケット型把持鉗子1Cは、上記第1実施形態とは形状が異なるバスケット部4Aを有する。
バスケット部4Aは、近位側おいて2本の素線が束ねられ中間部から遠位側に向かって1本ずつ素線が分岐する複数のバスケットワイヤ5Aを有する。本変形例のバスケット部4Aは、バスケットワイヤ5Aが分岐を有していることで、遠位側においては開口が小さく、近位側においては開口が大きい。
このため、本変形例のバスケット型把持鉗子1Aも第1実施形態と同様の効果を奏する。
次に、本発明の第2実施形態のバスケット型把持鉗子について説明する。図8は、本実施形態のバスケット型把持鉗子の構成を示す断面図である。
図8に示すように、本実施形態のバスケット型把持鉗子1Bは、第1実施形態で説明したセンターワイヤ14に代えて、操作部15まで延びるセンターワイヤ14Aを有する。
操作部15には、第四ポート30が設けられている。第四ポート30には、センターワイヤ14Aが挿通され、センターワイヤ14Aの近位端が操作部15外に引き出されており、センターワイヤ操作機構38が取り付けられている。
次に、本発明の第3実施形態のバスケット型把持鉗子について説明する。図9は、本実施形態の構成を示す断面図である。
図9に示すように、本実施形態では、第1実施形態で説明したスライドスリーブ12とは形状が異なるスライドスリーブ12Aを有している点が第1実施形態と異なっている。
すなわち、本実施形態のスライドスリーブ12Aは、遠位側から近位側へ向かって漸次内径が大きくなるテーパ状の内面12A1を有する。
次に、本発明の第4実施形態のバスケット型把持鉗子について説明する。図10は、本実施形態の構成を示す断面図である。図11は、図10のB−B線における断面図である。
図10及び図11に示すように、本実施形態のバスケット型把持鉗子1Eは、第1実施形態で説明したシース2に代えて、第一ワイヤ9及びバスケット部4を通すための第一ルーメン34と、第二ワイヤ13を通すための第二ルーメン35とが形成されたシース2Aを備える。本実施形態では、シース2Aの第一ルーメン34には、第一ワイヤ9及びバスケット部4とともにセンターワイヤ14が挿通される。
本実施形態では第三ポート23が第一ルーメン34に連通している例が示されているが、第三ポート23は第二ルーメン35に連通していてもよい。
このような構成でも上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
本実施形態では、シース2Aが複数のルーメンを有し第一ワイヤ9と第二ワイヤ13とが互いに異なるルーメン内に挿通されているので、第一ワイヤ9と第二ワイヤ13とが絡まない。
次に、上記第4実施形態のバスケット型把持鉗子のさらに他の変形例について説明する。図12は、本変形例の構成を示す断面図である。
図12に示すように、本変形例のバスケット型把持鉗子1Fは、第二ワイヤ13がシース2の外部で操作部15側まで延びている。操作部15は、第二ポート19に代えて、第二ワイヤ13を係止するフック36を有する。
このような構成でも上記第4実施形態と同様の効果を奏する。
本変形例では、シース2の外面に近づけて第二ワイヤ13を保持する手段を有していてもよい。
上述の各実施形態及び各変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
2,2A シース
3 本体部
4,4A バスケット部
5,5A バスケットワイヤ
6 固定部材
7 遠位固定部材
8 近位固定部材
9 第一ワイヤ
10 連結部材
11 除去機構
12,12A スライドスリーブ
12A1 スライドスリーブの内面
13 第二ワイヤ
14,14A センターワイヤ
15 操作部
16 操作本体
17 第一ポート
18 Oリング
19 第二ポート
20 開口部
21 栓
22 ねじ体
23 第三ポート
24 スライダ
25 シャフト
26 接続管
27 グリップ
30 第四ポート
31 開口部
32 栓
33 ねじ体
34 第一ルーメン
35 第二ルーメン
36 フック
37 第二ワイヤ操作機構
38 センターワイヤ操作機構
X 異物
Claims (4)
- シースと、
遠位端と近位端とを有し、前記シースに挿通された本体部と、
前記シースに固定され、前記本体部の近位端が取り付けられた操作部と、
を備え、
前記本体部は、
前記本体部における遠位側に設けられ、略紡錘状の形状を有し、異物を保持可能なバスケット部と、
前記バスケット部の近位側に設けられ、前記バスケット部に固定された第一ワイヤと、
前記バスケット部に取り付けられ、前記バスケット部内の前記異物を移動する除去機構と、
を備え、
前記バスケット部は、
前記バスケット部の遠位側に形成される開口の大きさよりも、前記バスケット部の前記近位側に形成される開口の大きさの方が大きくなるように、前記バスケット部の中心軸を中心として螺旋状に延びた複数のバスケットワイヤと、
前記複数のバスケットワイヤを束ねて固定する固定部材と、
を備え、
前記除去機構は、
前記複数のバスケットワイヤが挿通され、前記複数のバスケットワイヤに対して進退自在なスライドスリーブと、
前記スライドスリーブに遠位端が固定され、前記スライドスリーブを前記バスケットワイヤに対して進退可能な第二ワイヤと、
を備え、
前記スライドスリーブは、前記バスケット部が拡開した状態において前記バスケット部の遠位端に配され、前記バスケット部の前記遠位端に配された前記スライドスリーブを前記近位側へ移動させ、前記バスケット部を前記遠位側から前記近位側へ縮径させることによって、前記バスケット部により保持された異物を前記複数のバスケットワイヤの前記近位側に形成される前記開口から排出させる
バスケット型把持鉗子。 - 請求項1に記載のバスケット型把持鉗子であって、
前記本体部は、さらにセンターワイヤを有し、
前記センターワイヤは、前記バスケット部の前記遠位端に固定され、前記バスケット部の略中央を通り、少なくとも前記バスケット部の近位端まで延びる
バスケット型把持鉗子。 - 請求項2に記載のバスケット型把持鉗子であって、
前記第二ワイヤは、前記スライドスリーブから前記バスケット部の内部を通って近位側へと延びている
バスケット型把持鉗子。 - 請求項3に記載のバスケット型把持鉗子であって、
前記スライドスリーブには内腔が形成され、前記複数のバスケットワイヤおよび前記センターワイヤが前記内腔に挿通される
バスケット型把持鉗子。
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