JP5933680B1 - タングレスコイルスレッド用工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】タングレスコイルスレッド挿入体の挿入抵抗を小さくして作業性の向上を図るとともに、低コスト化を可能にした、タングレスコイルスレッド用工具を提供する。【解決手段】タングレスコイルスレッド挿入体を、取付穴に取り付け又は取り外すためのタングレスコイルスレッド用工具1である。挿入体を保持する保持部4を有し、軸線方向に沿って溝7を形成するとともに、溝7に連通する開口部8aを保持部4の先端側に形成するマンドル2と、溝7内に設けられ、先端部に挿入体の切欠に係脱可能に係合する爪部11を有するパウル3とを備える。パウル3は、爪部11が開口部8aから出没可能となるように溝7内に配置される。保持部4には、爪部11が出没する部位に、挿入体の内側螺子の谷径に対応する外径に形成された雄螺子部14が形成されるとともに、雄螺子部14の後端側に、雄螺子部14より外径が小さい小径部15が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、タングレスコイルスレッド用工具に関する。
慣用的なワイヤからなるタングレスコイルスレッド挿入体(ワイヤ・コイル状のねじ挿入体)は、外周面と内周面とにそれぞれ外側螺子と内側螺子とを形成したコイルであり、内側螺子の両端部に、取り付けあるいは取り外し用の切欠を形成している。
タングレスコイルスレッド用工具は、前記タングレスコイルスレッド挿入体の切欠に駆動力(回転力)を付与して該挿入体を他部材(母材)の取付穴(タップ穴)に取り付け、または取り外しを行うためのものである。このようなタングレスコイルスレッド用工具によって取付穴に取り付けられるタングレスコイルスレッド挿入体は、例えばアルミニウムや樹脂などの強度(硬度)の不足する部材に雌螺子を形成する場合に広く利用されており、挿入時の引っ掛け用で後に折り取る必要のあるタングが最初からないことを特徴としている。
タングレスコイルスレッド用工具としては、管状体内に、その先端部が該管状体から突出するように、かつその突出寸法が調整可能となるようにマンドルが挿入配置され、前記マンドルに、該マンドルの軸線に沿って該マンドルの側面側が開口する溝が形成されると共に、該溝内に先端部にフック部を有する長尺のパウルが挿入配置され、該パウルが、その中間部がピンを介して前記マンドルに回動自在、かつ回動したときに前記フック部が前記マンドルの先端部にて前記溝の開口部から出没自在となるように取り付けられ、前記溝内には、常態において前記フック部を前記溝の開口部から突出するように付勢する付勢部材が配置され、前記溝は、少なくとも前記ピンの位置する部位から前記先端部に到る間が前記マンドルの軸線に沿って直線的に連続する前記フック部の出没する開口部を含む開口部とされているものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3983379号公報
ところで、前記のタングレスコイルスレッド用工具では、パウルに形成したフック部(爪部)をタングレスコイルスレッド挿入体の内側螺子の切欠に係止させ、その状態でマンドルを手動又は電動機によって回転させることにより、タングレスコイルスレッド挿入体を他部材(母材)の取付穴に取り付けている。
しかしながら、このようなタングレスコイルスレッド挿入体では、取付穴にタングレスコイルスレッド挿入体を取り付ける際の挿入抵抗(トルク)が大きく、作業がしづらいという問題がある。特に、マンドルを手動で回転させる場合には、挿入抵抗が大きいことが作業を行ううえで大きな負担となっている。
また、このように挿入抵抗が大きいことから、長期の使用によるパウルやフック部の損耗が激しく、例えばフック部が折れてしまうこともある。そこで、パウルについてはより長期の使用が可能なように材質を吟味して高価なものを用い、加工についても精密仕上げを採用しているため、タングレスコイルスレッド用工具のコストに占めるパウルのコストの割合が非常に高くなっている。したがって、パウルのコストがタングレスコイルスレッド用工具の低コスト化を妨げる大きな要因となっている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、タングレスコイルスレッド挿入体を取り付ける際の挿入抵抗を小さくし、これによって作業性の向上を図るとともに、低コスト化を可能にした、タングレスコイルスレッド用工具を提供することを目的としている。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
タングレスコイルスレッド挿入体は、通常、その外側螺子が取付穴(タップ穴)の雌螺子より一回り大きく形成されており、これによって取付穴内に取り付けられた際、拡がることで取付穴内に強固に密着するようになっている。
ところで、このように外側螺子が取付穴の雌螺子より一回り大きく形成されていることから、タングレスコイルスレッド挿入体を取付穴内に挿入する際、タングレスコイルスレッド挿入体は取付穴に絞られながら挿入される。しかし、取付穴の入り口直前では、タングレスコイルスレッド挿入体は入り口の外周部に当接してこれに干渉されるため、挿入抵抗(トルク)が大きくなっている。
すなわち、タングレスコイルスレッド挿入体の、取付穴の入り口に入り込もうとする部位が、取付穴の内径に対応して入り口の外周部から逃げるように内側に容易に変形すれば、タングレスコイルスレッド挿入体は大きな挿入抵抗を生じることなく、円滑に取付穴内に入り込める。しかし、タングレスコイルスレッド挿入体を装着(保持)するマンドルの先端部には、タングレスコイルスレッド挿入体の内側螺子に螺合する雄螺子が形成されているため、この雄螺子がタングレスコイルスレッド挿入体の内側(中心軸側)への変形を規制している。
したがって、タングレスコイルスレッド挿入体の内側への変形が規制されていることにより、タングレスコイルスレッド挿入体は取付穴内に挿入される際、取付穴の入り口の外周部に当接してこれに干渉されるため、トルクが大きくなっているのが現状である。
本発明者は、このような知見に基づき、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明のタングレスコイルスレッド用工具は、コイル端部の内側螺子に切欠が形成されたタングレスコイルスレッド挿入体を、取付穴に取り付けまたはこれから取り外すためのタングレスコイルスレッド用工具であって、前記タングレスコイルスレッド挿入体を保持するための保持部を有し、軸線方向に沿って溝を形成するとともに、該溝に連通する開口部を前記保持部の先端側に形成するマンドルと、前記マンドルの前記溝内に設けられ、先端部に前記タングレスコイルスレッド挿入体の切欠に係脱可能に係合する爪部を有するパウルと、を備え、前記パウルは、前記爪部が前記マンドルの前記開口部から出没可能となるように前記溝内に配置され、前記保持部には、少なくとも前記爪部が出没する部位の側周部に、前記タングレスコイルスレッド挿入体の内側螺子の谷径に対応する外径に形成された雄螺子部が形成されるとともに、該雄螺子部の後端側に、前記雄螺子部より外径が小さい小径部が形成されていることを特徴とする。
また、前記タングレスコイルスレッド用工具において、前記小径部には、少なくとも雄螺子における谷部が形成されていることが好ましい。
また、前記タングレスコイルスレッド用工具において、前記小径部は、前記保持部が前記タングレスコイルスレッド挿入体を保持した際に、該小径部の後端が前記タングレスコイルスレッド挿入体の後端と同じかそれより後側に位置するように形成されていることが好ましい。
本発明のタングレスコイルスレッド用工具によれば、保持部の少なくとも爪部が出没する部位の側周部に、タングレスコイルスレッド挿入体の内側螺子の谷径に対応する外径に形成された雄螺子部を形成しているので、雄螺子部をタングレスコイルスレッド挿入体の内側螺子に螺合させることによってタングレスコイルスレッド挿入体を保持しつつ、パウルの爪部をタングレスコイルスレッド挿入体の切欠に係止させ、その状態でマンドルを回転させることにより、タングレスコイルスレッド挿入体を他部材(母材)の取付穴に取り付けることができる。
また、タングレスコイルスレッド挿入体を他部材(母材)の取付穴に取り付ける際、タングレスコイルスレッド挿入体の先端部を取付穴に入れた後、さらにタングレスコイルスレッド挿入体を取付穴内に挿入しようとしたとき、タングレスコイルスレッド挿入体が取付穴の入り口の外周部に当接する。しかし、保持部における雄螺子部の後端側に、前記雄螺子部より外径が小さい小径部が形成されており、この小径部によってタングレスコイルスレッド挿入体の前記外周部に当接する部位が保持されているため、タングレスコイルスレッド挿入体は小径部側、すなわち内側へ容易に変形する。
したがって、タングレスコイルスレッド挿入体は取付穴の入り口の外周部に当接しても内側へ容易に変形し、大きな挿入抵抗(トルク)を生じないため、取付穴内に円滑に挿入される。よって、本発明のタングレスコイルスレッド用工具にあっては、タングレスコイルスレッド挿入体を取り付ける際の作業性を従来に比べ格段に向上することができる。また、大きな挿入抵抗(トルク)が生じないため、パウルについての低コスト化が可能となり、したがってタングレスコイルスレッド用工具自体の低コスト化を図ることができる。
本発明のタングレスコイルスレッド用工具の第1実施形態の概略構成を示す図であり、(a)はタングレスコイルスレッド用工具の平面図、(b)は(a)のA−A線矢視断面図である。 (a)はパウルの爪部の形状を説明するための拡大図、(b)は(a)の要部拡大図である。 タングレスコイルスレッド挿入体にパウルの爪部が係合した状態を示す説明図である。 (a)〜(c)は保持部の先端側とここに保持される挿入体を模式的に示す図である。 従来の工具で取付穴に挿入体を取り付ける際の課題を説明するための断面図である。 本発明のタングレスコイルスレッド用工具の第2実施形態の概略構成を示す図であり、(a)はタングレスコイルスレッド用工具の平面図、(b)は(a)のB−B線矢視断面図である。 本発明のタングレスコイルスレッド用工具の第3実施形態の概略構成を示す図であり、(a)はタングレスコイルスレッド用工具の平面図、(b)は(a)のC−C線矢視断面図である。
以下、図面を参照して本発明のタングレスコイルスレッド用工具を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
図1(a)、(b)は本発明のタングレスコイルスレッド用工具の第1実施形態の概略構成を示す図であり、(a)はタングレスコイルスレッド用工具の平面図、(b)は(a)のA−A線矢視断面図である。これらの図において符号1はタングレスコイルスレッド用工具であり、このタングレスコイルスレッド用工具(以下、工具と記す)1は、後述するタングレスコイルスレッド挿入体を他部材(母材)の取付穴に取り付け、またはこれから取り外すためのものである。
すなわち、この工具1は、マンドル2と、図1(b)に示すようにマンドル2内に配設されたパウル3とを備えて構成されている。
マンドル2は、図1(a)に示すようにその先端側に、後述するタングレスコイルスレッド挿入体を保持するための保持部4を有し、この保持部4より後端側に柱状部5を有し、さらにこの柱状部5より後端側に操作部6を有している。柱状部5は、保持部4より大径に形成されており、操作部6は、柱状部5より大径に形成されている。
操作部6には、先端側に長細い第1凹部6aが上下に一対形成され、後端部に貫通孔6b及び一対の第2凹部6cが形成されている。これら第1凹部6aや第2凹部6c、貫通孔6bを利用することにより、手動又は電動機によって操作部6を容易に回転させることができるようになっている。
マンドル2には、図1(b)に示すようにその軸線方向に沿って溝7が形成されている。溝7は、保持部4の先端から、柱状部5の中間部よりやや後方にまで延びて形成されたもので、マンドル2の半径方向における一方の側(図1(b)において下側)に開口して形成されている。この溝7には、その先端側、すなわち保持部4の先端部に第1の連通孔8が連通して形成され、中間部、すなわち柱状部5の先端部に第2の連通孔9が連通して形成され、後端部、すなわち柱状部5の後端側に第3の連通孔10が連通して形成されている。これら第1の連通孔8、第2の連通孔9、第3の連通孔10には、図1(a)に示すようにマンドル2の半径方向における他方の側に、それぞれ第1の開口部8a、第2の開口部9a、第3の開口部10aが形成されている。
パウル3は、図1(b)に示すようにステンレス等の金属製の細長い板材によって形成されており、マンドル2の前記溝7内に挿入されて、該溝7内に保持されている。このパウル3には、その先端部に爪部11が形成され、中間部に操作片12が形成され、後端部に固定片13が形成されている。そして、細板状または柱状の固定片13が第3の連通孔10に圧入されたことにより、パウル3は溝7内に保持固定されている。
爪部11は、本実施形態では細板状の突起によって形成されており、第1の連通孔8内に移動可能に挿入配置されている。すなわち、爪部11はその細板状の突起の表裏両面が、マンドル2の軸線方向と略直交する方向に向くように形成配置されている。操作片12も、細板状の突起によって形成されており、第2の連通孔9内に移動可能に挿入配置されている。これら爪部11、操作片12は、前記固定片13と異なり、対応する連通孔8(9)内に充分なあそびを持って挿入され、したがってこれら連通孔8(9)の内面に干渉されることなく、その長さ方向に移動可能になっている。
また、これら爪部11、操作片12は、図1(b)に示した通常時にはそれぞれ第1の開口部8a、第2の開口部9aから外側に所定長さ突出するように構成されている。爪部11は、使用時において保持部4に保持されるタングレスコイルスレッド挿入体の切欠に係合可能なように突出している。また、操作片12は、これを押圧することでパウル3の先端側を撓ませ、爪部11を第1の開口部8aから下方に埋没させることができるように突出している。
また、パウル3は、その後端部の固定片13のみがマンドル2に固定され、残部は全てマンドル2に対して固定されることなく自由な状態で、溝7内に保持されている。したがって、パウル3は固定片13によって片持ち状に固定されたことにより、固定片13と反対の側、すなわち先端側が可撓性を有したもの、すなわちバネ性を有したものとなっている。そして、これによってパウル3の先端側は、第1の連通孔8や第2の連通孔9の軸方向に移動可能となっている。
また、パウル3は、図1(b)に示したように操作片12が押圧されない通常時には、その爪部11と操作片12との間がマンドル2の溝7の底部、すなわち第1の連通孔8や第2の連通孔9を形成した側に当接した状態に保持される。そして、この通常時の状態において、パウル3は前記したようにその爪部11が本発明の開口部となる第1の開口部8aより所定長さ突出し、操作片12も第2の開口部9aより所定長さ突出した状態に保持される。
このような構成のもとに、通常時の状態において第2の開口部9aより突出した操作片12を押圧すると、パウル3はその後端部の固定片13が固定されていることで先端側が溝7側に撓み(弾性変形し)、爪部11が第1の連通孔8内に埋没する。また、その状態から操作片12に対する押圧を解除すると、パウル3はバネ性(可撓性)を発揮して弾性復帰し、爪部11は第1の開口部8aから再度突出する。これにより、爪部11は第1の開口部8aから出没可能に構成されている。また、このような爪部11の出没が、操作片12の押圧操作によってなされるようになっている。
また、爪部11は、図2(a)に示すように先端側に行くに連れて漸次幅が狭くなるように形成されており、第1の開口部8aから突出する部位が、幅の狭い突出部11aとなっている。突出部11aは、図2(a)中に二点鎖線で示すタングレスコイルスレッド挿入体(以下、挿入体と記す)20の一巻目20aの切欠部に係脱可能に係合するように構成されたもので、その幅が挿入体20の一巻分(一山分)の幅にほぼ等しくなるように形成されている。
ここで、爪部11の幅を先端側の突出部11a側より広くしているのは、使用時、すなわち挿入体20の挿入時に力が突出部11aに集中してかかるため、この突出部11aを補強するためである。
また、突出部11aには、図3に示すように挿入体20の切欠20bに確実に係合するように、切欠20bに対向する側に係止切欠11bが形成されている。このように、係止面が傾斜して形成された挿入体20の切欠20bに対し、係止切欠11bも係止面が傾斜して形成されているので、係止切欠11bは切欠20bに確実に係合し、外れにくくなっている。
保持部4は、挿入体20を保持するための部位であり、図2(b)に示すように少なくとも爪部11の突出部11aが出没する部位の側周部に、雄螺子部14が形成されている。本実施形態では、保持部4の先端から2巻目まで、その側周部に雄螺子が形成されており、これによって略2巻き(2山)の雄螺子部14が形成されている。この雄螺子部14は、本実施形態の工具1が対象とする図2(a)に示した挿入体20の、内側螺子の谷径に対応する外径に形成されたもので、挿入体20の内側螺子に螺合するようになっている。雄螺子部14は、このように雄螺子が2巻き(2山)あることで、挿入体20の内側螺子に螺合し、挿入体20を保持することができる。
また、図2(b)に示すように保持部4における雄螺子部14の後端側には、雄螺子部14より外径が小さい小径部15が形成されている。小径部15は、本実施形態では雄螺子部14の螺子山の上側略半分が切り取られた高さ、すなわち有効径に対応する高さとされた螺子によって形成されている。これにより、小径部15は雄螺子部14より小さい外径に形成されている。
このような小径部15では、保持部4の先端側とここに保持される挿入体20を模式的に示す図4(a)に示すように、雄螺子における山部(螺子山)は切り取られているものの、谷部15aは残されている(形成されている)。したがって、挿入体20の内側螺子21は、雄螺子部14に螺合するのはもちろん、小径部15の谷部15aにも螺合してこれに保持されるようになる。ただし、小径部15は谷部15aでしか内側螺子21に当接せず、内側螺子21の谷部側には当接しないので、内側螺子21に対する拘束力が低くなっている。したがって、内側螺子21は小径部15内においてあそびが多くあるため、内側(中心軸側)への変形が容易になっている。
なお、小径部15については、図4(a)に示した、雄螺子における山部(螺子山)が切り取られ形状に限定されることなく、雄螺子部14より外径が小さければ、種々の形状を採用することができる。
例えば、図4(b)に示すように小径部15を構成する螺子山間の開き角度αを、通常の雄螺子部における螺子山間の開き角度である60°より大きくし、これによって螺子山の頂点を雄螺子部14の頂点より低くし、小径部15の外径を雄螺子部14より小さくしてもよい。
図4(b)では、小径部15を構成する螺子山の頂点が、雄螺子部14の頂点の高さの略半分になるように、すなわち雄螺子部14の有効径にほぼ等しい高さとなるように、小径部15を形成している。このように形成しても、小径部15は谷部15aでしか内側螺子21に当接しないので、図4(a)に示した例と同様に、内側螺子21は内側(中心軸側)への変形が容易になっている。
また、図4(c)に示すように、小径部15においては螺子山を形成せず、小径部15を、雄螺子部14の谷径にほぼ等しい外径に形成してもよい。このように小径部15を形成した場合には、小径部15が内側螺子21当接しないので、図4(a)、(b)に示した例に比べて、内側螺子21の内側(中心軸側)への変形をより容易にすることができる。なお、図示しないものの、小径部15を雄螺子部14と同じ螺子山に形成するとともに、その外径を雄螺子部14より小さい外径、例えば雄螺子部14の有効径と同じ外径に形成してもよい。
また、雄螺子部14については、図2(a)、図4(a)に示したように2巻き(2山)の雄螺子によって形成するのでなく、3巻き(3山)以上の雄螺子によって形成してもよい。例えば、図4(b)に示すように3巻き(3山)の雄螺子によって雄螺子部14を形成してもよく、図4(c)に示すように4巻き(4山)の雄螺子によって雄螺子部14を形成してもよい。
このように、爪部11が出没する部位より保持部4の後端側に、雄螺子部14を一巻き分から二巻き分程度の長さ延ばして形成することにより、雄螺子部14による挿入体20の保持力が強くなって挿入体20の保持が安定する。また、挿入体20の中心軸に対して保持部4の中心軸がぶれることが少なくなり、挿入体20を他部材の取付穴に挿入する際の挿入体20の直進性がより良好になることから、挿入体20の取り付けが容易になる。
なお、このように保持部4の後端側に雄螺子部14を延ばす構成は、図4(a)に示した形状の小径部15の場合にも採用することができる。また、逆に図4(b)や図4(c)に示した形状の小径部15の場合に、雄螺子部14を保持部4の後端側に延ばすことなく、爪部11の突出部11aが出没する部位の側周部、すなわち保持部4の先端から2巻目までだけに、雄螺子部14を形成してもよい。
また、小径部15は、図4(a)〜(c)に示すように保持部4が挿入体20を保持した際に、該小径部15の後端が挿入体20の後端と同じかそれより後側に位置するように、すなわち保持部4の先端から小径部15の後端までの範囲内に挿入体20が保持されるように、形成されている。挿入体20としては、その軸方向の長さが、挿入体20の直径の1倍、1.5倍、2倍の3種類が標準品として提供されている。したがって、これら3種類のもの全てに対応できるようにするためには、保持部4の先端から小径部15の後端までの長さを、対応する挿入体20の直径の2倍以上に形成するのが好ましい。
このように、保持部4の先端から小径部15の後端までの範囲内に挿入体20を保持することで、挿入体20を他部材(母材)の取付穴に取り付ける際、挿入体20の雄螺子部14で保持した部位を取付穴に挿入した後、続いて小径部15で保持した部位を取付穴に挿入する際、小径部15で保持した部位、すなわち挿入体20の残りの長さ全てが、内側へ容易に変形するようになる。したがって、大きな挿入抵抗(トルク)が生じなくなるため、小径部15で保持した部位が取付穴内に円滑に挿入されるようになる。
なお、図4(a)〜(c)に示した保持部4では、図2(a)に示した保持部4と異なり、溝7がマンドル2(保持部4)の先端まで達することなく、先端が閉じられている。これは、使用時、パウル3の爪部11の突出部11aで挿入体20の切欠20bを回転させた際に、突出部11aを介してトルクが第1の開口部8aの内側縁にかかり、マンドル2にクラックが生じるのを防止するためである。
ただし、本実施形態では、小径部15を設けることによって後述するようにトルク(挿入抵抗)を低くしているので、図2(a)に示したように溝7をマンドル2(保持部4)の先端まで形成することができる。このように溝7をマンドル2(保持部4)の先端まで形成し、したがって爪部11の突出部11aの位置をよりマンドル2の先端に近づけて形成することにより、他部材の取付穴が貫通孔でなく、底部がある取付穴の場合にも、挿入体20を取付穴のより深い位置にまで挿入し、取り付けることができる。したがって、本発明では、溝7の長さについては対象となる他部材の取付穴の形状等に対応して、図2(a)に示したような構成や、図4(a)〜(c)に示した構成のいずれをも採用することができる。
このような構成の工具1によって図2(a)に示すように他部材22、例えばアルミニウムや樹脂からなる強度の低い部材の取付穴23(タップ穴)に挿入体20を取り付けるには、まず、図1(a)、(b)に示した工具1の保持部4の雄螺子部14にタングレスコイルスレッド挿入体20を装着(螺着)させる。すなわち、操作片12を押圧して爪部11の突出部11aを第1の開口部8aより下に埋没させる。そして、その状態で挿入体20に対してマンドル2を前進させ、その先端側の雄螺子部14を挿入体20の中に挿入させ、かつ内側螺子21に螺合させる。また、これに連続させて、小径部15も内側螺子21に螺合させる(通す)。その際、必要に応じてマンドル2をタングレスコイルスレッド挿入体20に対して相対的に回転させる。
そして、パウル3の爪部11の突出部11aが挿入体20の一巻目を通過したら、操作片12の押圧を解除して爪部11の突出部11aを第1の開口部8aから再度突出させる。続いて、その状態で挿入体20を雄螺子部14や小径部15に対して相対的に回転させる。すると、挿入体20にはその先端部の内側螺子21に図3に示したように切欠20bが形成されているので、突出部11aの係止切欠11bが切欠20bに係合することにより、雄螺子部14や小径部15に対する挿入体20の相対的な回転が停止する。
なお、挿入体20には、その後端部の内側螺子21にも切欠20bが形成されている。ただし、挿入体20はその先端部と後端部が互いに逆方向に向いているため、切欠20bの切欠方向も逆になっている。
このようにして挿入体20の先端側の切欠20bに爪部11の突出部11aを係合させたら、図2(a)に示す他部材22の取付穴23に挿入体20を挿入する。すなわち、他部材22に対して垂直に工具1を保持し、その状態で強く押し付けないようにしながら工具1を回し、タングレスコイルスレッド挿入体20を順方向に回転させて取付穴23の所定位置まで挿入する。
このとき、図5に示すように挿入体20の外側螺子24は取付穴23の雌螺子より一回り大きく形成されていることから、図5中の従来の工具における保持部50によって挿入体20を取付穴23内に挿入すると、挿入体20は取付穴23に絞られながら挿入される。しかし、従来の工具には本発明に係る小径部が形成されておらず、保持部50全体が同じ外径の雄螺子部となっているので、挿入体20の先端部を取付穴23に挿入した後、後続の部位も取付穴23に挿入する際、取付穴23の入り口23a直前で挿入体20は入り口23aの外周部23bに当接してこれに干渉されるため、挿入抵抗(トルク)が大きくなる。
すなわち、挿入体20の、取付穴23の入り口23aに入り込もうとする部位20cが、取付穴23の内径に対応して入り口23aの外周部23bから逃げるように内側に容易に変形すれば、挿入体20は大きな挿入抵抗を生じることなく、円滑に取付穴23内に入り込める。しかし、挿入体20を装着(保持)するマンドルの保持部50(先端部)には、挿入体20の内側螺子21に螺合する雄螺子が形成されているため、この雄螺子が挿入体20に干渉してその内側(中心軸側)への変形を規制している。
このような挿入体20への雄螺子の干渉は、挿入体20がコイル状の連続体であるため、取付穴23の入り口23aの外周部23bに当接する部位20cだけでなく、図5中に丸で示すように前記部位20cの後方でも順次起こり、挿入体20の各部位が保持部50の雄螺子によって干渉され、内側への変形が規制される。
したがって、挿入体20の内側への変形が規制されていることにより、挿入体20を取付穴23内に挿入する際、大きなトルクが生じ、挿入抵抗が大きくなっている。
これに対して本実施形態でも、挿入体20の先端部を従来と同様にして取付穴23に入れた後、さらに挿入体20を取付穴23内に挿入しようとしたとき、挿入体20が取付穴23の入り口23aの外周部23bに当接する。
しかし、本実施形態では図4(a)〜(c)に示したように保持部4における雄螺子部14の後端側に、雄螺子部14より外径が小さい小径部15を形成しており、この小径部15によって挿入体20の前記外周部23bに当接する部位20cやこれに後続する部位が保持されているため、挿入体20は小径部15側、すなわち内側へ容易に変形する。したがって、挿入体20は取付穴23の入り口23aの外周部23bに当接しても内側へ容易に変形し、大きな挿入抵抗(トルク)を生じないため、取付穴23内に円滑に挿入される。
このようにして挿入体20を取付穴23の所定位置まで挿入したら、工具1を逆方向に回転させ、保持部4を挿入体20から引き出す。その際、挿入体20には後端部の内側螺子にも切欠20bが形成されているため、爪部11の突出部11aがこの切欠20bを通過するときには、操作片12を押圧して突出部11aを第1の開口部8aより下に埋没させる。これにより、突出部11aが後端部側の切欠20bに係合するのを回避することができる。このようにして工具1の保持部4を挿入体20から引き出すことにより、挿入体20を取付穴23の所定位置に取り付けることができる。
なお、挿入体20については、異なるサイズのものが複数用意されており、取付穴23の大きさ等によって適宜選択され、用いられる。一方、工具1についても、挿入体20のサイズに対応して、特に保持部4における雄螺子部14の螺子径が異なる複数種のものが用意される。また、図3に示したように爪部11の突出部11aに係止切欠11bを形成したものの場合、この係止切欠11bの向きによって挿入体20の取り付け用と取り外し用とが用意される。したがって、工具1についても、対象となる挿入体20に応じて、また取り付け、取り外しの用途に応じて、適宜選択され、用いられる。なお、挿入体20の取り付けと取り外しとを兼用できるものとして、爪部11の突出部11aに係止切欠11bを形成せず、突出部11aを平板状に形成したものを用いることもできる。
取付穴23から挿入体20を取り外す場合には、工具1を他部材22に対して垂直に保持し、その状態で操作片12を押圧し、突出部11aを第1の開口部8aより下に埋没させておく。そして、その状態で保持部4の先端部を挿入体20に回し入れる。爪部11が挿入体20の後端側の一巻目を通過したら、操作片12の押圧を解除し、突出部11aを再度突出させる。
続いて、マンドル2を逆方向に回し、突出部11aを挿入体20の後端部側の切欠20bに係合させる。そして、工具1を逆方向に回転することによって挿入体20を回転させ、この挿入体20を他部材22から取り外す。その後、再度操作片12を押圧し、突出部11aを第1の開口部8aより下に埋没させた状態で挿入体20を保持部4に対して相対的に回転させ、挿入体20を保持部4から取り外す。
本実施形態の工具1によれば、保持部4における雄螺子部14の後端側に、雄螺子部14より外径が小さい小径部15を形成したので、挿入体20が取付穴23の入り口23aの外周部23bに当接しても内側へ容易に変形するようになり、したがって大きな挿入抵抗(トルク)を生じることなく取付穴23内に円滑に挿入する。
よって、工具1にあっては、挿入体20を取り付ける際の作業性を従来に比べ格段に向上することができる。また、大きな挿入抵抗(トルク)が生じないため、爪部11などパウル3についての破損が抑えられ、したがって例えばパウル3の材質や加工法を改めることで低コスト化が可能となり、これによって工具1自体の低コスト化を図ることができる。また、使用する側にとっても、パウル3についての破損が抑えられるため、パウル3について長期の使用が可能になり、したがってランニングコストを低減することができる。
また、図4(a)、(b)に示した例では、小径部15に、少なくとも雄螺子における谷部を形成しているので、小径部15が挿入体20の内側螺子21の内側への変形を許容しつつ、内側螺子21の螺子山の頂点とその近傍を保持することにより、挿入体20を取付穴23に挿入した際、挿入体20が取付穴23の雌螺子に相対的に押圧されてピッチ飛びを起こすのを防止することができる。すなわち、挿入体20を内側から支持していないと、偏って力がかかった場合などでは挿入体20が局所的に押圧されて押圧された部位が本来螺合するべき谷部分に螺合せず、後側の谷部分に螺合するピッチ飛びが起こるおそれがある。しかし、小径部15が挿入体20の内側螺子21の頂点とその近傍を保持するので、このようなピッチ飛びを防止することができる。
また、小径部15を、保持部4が挿入体20を保持した際に、該小径部15の後端が挿入体20の後端と同じかそれより後側に位置するように形成しているので、挿入体20の雄螺子部14で保持した部位を取付穴23に挿入した後、続いて小径部15で保持した部位を取付穴23に挿入する際、小径部15で保持した部位、すなわち挿入体20の残りの長さ全てを、内側へ容易に変形させることができる。したがって、大きな挿入抵抗(トルク)が生じなくなるため、小径部15で保持した部位を取付穴23内に円滑に挿入することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図6(a)、(b)は本発明のタングレスコイルスレッド用工具の第2実施形態の概略構成を示す図であり、(a)はタングレスコイルスレッド用工具の平面図、(b)は(a)のB−B線矢視断面図である。これらの図において符号30はタングレスコイルスレッド用工具であり、このタングレスコイルスレッド用工具(以下、工具と記す)30は、第1実施形態の工具1と同様に、挿入体20を他部材22の取付穴23に取り付け、またはこれから取り外すためのものである。
この工具30が第1実施形態の工具1と主に異なるところは、工具30は基本的に手動で回転させられることなく、従来公知の電動機(図示せず)によって回転駆動させられる点である。
図6(a)、(b)に示すように工具30は、マンドル31と、図6(b)に示すようにマンドル31内に配設されたパウル32とを備えて構成されている。
マンドル31は、図6(a)に示すようにその先端側に、挿入体20を保持するための保持部33を有し、この保持部33より後端側に柱状部34を有し、さらにこの柱状部34より後端側に操作部35を有している。
保持部33は、挿入体20を保持するための部位であり、第1実施形態の保持部4と同様に、雄螺子部14と、小径部15とによって形成されている。すなわち、少なくとも爪部11の突出部11aが出没する部位の側周部に、雄螺子部14が形成されており、雄螺子部14の後端側に、雄螺子部14より外径が小さい小径部15が形成されている。これら雄螺子部14や小径部15の具体的構成は、第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
柱状部34は、保持部33より大径に形成されており、その先端部にストッパー36が設けられている。ストッパー36は、樹脂製の第1円筒部37と、金属製の第2円筒部38とによって形成されている。第1円筒部37は、図6(b)に示すように柱状部34の先端側(保持部33側)に外挿されたもので、その後端側内周部に第1係合部37aを形成している。第2円筒部38は、第1円筒部37より柱状部34の後端側に外挿されたもので、その第1円筒部37側の端面に突出筒39を形成している。突出筒39には、その先端側外周部に第1円筒部37の第1係合部37aに係合する第2係合部39aが形成されている。
また、第2円筒部38には、螺子孔38aが形成されており、この螺子孔38aには例えば六角穴付止め螺子などの螺子40が着脱可能に螺着している。このような構成のもとにストッパー36は、以下のようにして柱状部34の所望位置に配置されている。すなわち、例えば予め第2円筒部38の突出筒39に第1円筒部37を外挿し、第2係合部39aに第1円筒部37の第1係合部37aを圧入によって係合させる。これにより、第1円筒部37と第2円筒部38とは一体化してストッパー36となる。続いて、このストッパー36を柱状部34に外挿し、所望位置にて螺子孔38aに螺子40を螺着する。これにより、ストッパー36を柱状部34の所望位置に配置し、固定することができる。
このような構成からなるストッパー36は、工具30を第1実施形態の工具1と同様にして取付穴23への挿入体20の取り付けに用いた際に、取付穴23に必要以上に挿入体20を押し入れてしまうのを防止するように機能する。すなわち、ストッパー36の位置によって挿入体20の挿入深さが予め設定され、挿入体20が設定深さに到達するとストッパー36が取付穴23の入り口の外周部に当接してそれ以上の挿入を規制する。
これにより、特に電動機を用いて挿入体20を挿入する本実施形態の工具30でも、挿入体20を過剰に押し込むことで工具30や挿入体20、取付穴23の雌螺子が破損するのを防止することができる。また、取付穴23の入り口の外周部に直接当接する第1円筒部37が樹脂製であるので、他部材22の取付穴23の外周部が傷付くのを防止することもできる。
図6(a)に示すように操作部35は、横断面性六角形に形成されており、その長さ方向略中央部に、周方向に沿って係止溝35aが形成されている。これによって操作部35は、図示しない電動機の回転駆動部に連結され、係止溝35aに螺子等の係止部材が係止させられることにより、電動機に回転可能に固定される。したがって、工具30は従来の工具と同様にして、電動機により回転駆動させられる。
図6(b)に示すように、本実施形態のマンドル31にも第1実施形態と同様に、その軸線方向に沿って溝7が形成されている。溝7には、第1の連通孔8、第2の連通孔9、第3の連通孔10が連通して形成されており、これら連通孔8、9、10には、図6(a)に示すようにそれぞれ第1の開口部8a、第2の開口部9a、第3の開口部10aが形成されている。なお、柱状部34には、対象となる挿入体の螺子寸法(規格)等を表示する表示部34aが形成されている。
パウル32も、第1実施形態のパウル3とほぼ同じに形成されている。ただし、このパウル32には、図6(b)に示すように爪部11、固定片13は形成されているものの、操作片12は形成されていない。したがって、本実施形態では、操作部35を操作することでマンドル31の先端側を上下動させ、挿入体20によって突出部11aに相対的に力を加えることにより、爪部11の突出部11aを第1の開口部8aから出没させる。
このような構成からなる第2実施形態の工具30にあっても、保持部33を第1実施形態の保持部4と同様に形成しているので、挿入体20を取り付ける際の作業性を従来に比べ格段に向上することができる。また、大きな挿入抵抗(トルク)が生じないため、爪部11などパウル32についての破損が抑えられ、したがって例えばパウル32の材質や加工法を改めることで低コスト化が可能となり、これによって工具30自体の低コスト化を図ることができる。また、使用する側にとっても、パウル3についての破損が抑えられるため、パウル3について長期の使用が可能になり、したがってランニングコストを低減することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図7(a)、(b)は本発明のタングレスコイルスレッド用工具の第3実施形態の概略構成を示す図であり、(a)はタングレスコイルスレッド用工具の平面図、(b)は(a)のC−C線矢視断面図である。これらの図において符号60はタングレスコイルスレッド用工具であり、このタングレスコイルスレッド用工具(以下、工具と記す)60は、第1実施形態の工具1と同様に、挿入体20を他部材22の取付穴23に取り付け、またはこれから取り外すためのものである。
工具60は、マンドル61と、マンドル61の内部にピン62により回動自在に装着されたパウル63と、パウル63に当接された状態で装着穴64に装着されたばね65と、マンドル61の外周に取り付けられた管状体66と、該管状体66と並んでマンドル61の外周に装着されたロックナット67と、管状体66の一端に取り付けられたガード68と、を有して構成されている。
マンドル61の後端部には、図示しないクランクハンドルもしくは電動機の回転駆動力を付与する箇所となる、操作部69が形成されている。
図7(b)に示すようにマンドル61には、パウル63を挿入配置させるための溝70が、該マンドル61の軸線に沿ってその側面側(図7(b)において下側)が開口して形成されている。溝70は、後述するレリース部75の配置箇所から、後述する保持部73の先端まで直線的に連続した開口部71を有しており、この開口部71は、後述する爪部74が出没する開口部71aを含んでいる。
また、溝70内には、ばね65が装着される装着穴64と、レリース部75を操作するための操作孔72とが連通して形成されている。操作孔72は、開口部71と反対側の側面から、溝70の底面との間を貫通して形成されたものである。装着穴64と操作孔72との間には、ピン62を装着するための貫通孔(図示せず)が、マンドル61の軸心と交差する方向に形成されている。
マンドル61の軸線方向において、開口部71a側には、挿入体20を保持するための保持部73が形成されている。保持部73は、挿入体20を保持するための部位であり、第1実施形態の保持部4と同様に、雄螺子部14と、小径部15とによって形成されている。すなわち、少なくとも爪部74が出没する部位の側周部に、雄螺子部14が形成されており、雄螺子部14の後端側に、雄螺子部14より外径が小さい小径部15が形成されている。これら雄螺子部14や小径部15の具体的構成は、第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。なお、保持部73がガード68から突出する寸法は、管状体66とロックナット67の移動によって調整されるようになっている。
パウル63は長尺の板材であり、その両端に爪部74とレリース部75とが形成され、その略中央部にピン62を通すための貫通孔(図示せず)が形成されている。パウル63は、その貫通孔とマンドル61の貫通孔(図示せず)とが一致した状態で、ピン62がこれら貫通孔に挿入されることにより、マンドル61に回動自在に取り付けられている。
爪部74は、パウル63がマンドル61内に組み込まれた状態において、ピン62を中心として回動することで、開口部71aより出没自在となっている。
レリース部75は、パウル63がマンドル61に装着された際、管状体66とロックナット67の移動の妨げにならぬよう、マンドル61内から外部に突出しないようになっている。そしてこのレリース部75は、操作孔72を通して力が加えられる位置に配されている。なお、レリース部75は、直接操作が可能なように、操作孔72を通って外側に突出していてもよい。
ばね65は、爪部74とピン62とを結ぶ直線間で、かつ爪部74を開口部71aより外部へ突出するよう付勢した状態で、装着穴64内に装着されている。
このような工具60によって挿入体20を他部材22の取付穴23に取り付けるには、まず、ロックナット67および管状体66を回転させてマンドル61の軸方向に移動させ、保持部73の突出長さを調整する。
次に、第1実施形態と同様にして挿入体20を保持部73で保持した後、挿入体20を取付穴23に当接させ、操作部69を手動もしくは電動機の回転駆動力によって回転させる。すると、挿入体20は取付穴23内に回転しながら挿入される。
その際、工具60の保持部73も第1実施形態の工具1の保持部4と同様の構成からなっているので、挿入体20は取付穴23の入り口23aの外周部23bに当接しても内側へ容易に変形し、大きな挿入抵抗(トルク)を生じないため、取付穴23内に円滑に挿入される。
したがって、第3実施形態の工具60にあっても、保持部73を第1実施形態の保持部4と同様に形成しているので、挿入体20を取り付ける際の作業性を従来に比べ格段に向上することができる。また、大きな挿入抵抗(トルク)が生じないため、爪部74などパウル63についての破損が抑えられ、したがって例えばパウル63の材質や加工法を改めることで低コスト化が可能となり、これによって工具60自体の低コスト化を図ることができる。また、使用する側にとっても、パウル3についての破損が抑えられるため、パウル3について長期の使用が可能になり、したがってランニングコストを低減することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記第1実施形態では、工具1を手動用とするため、操作部をT字状に形成して、操作部を手で容易に回転させることができるようにしてもよい。その場合に、軽量化のため、操作部や柱状部を樹脂によって形成してもよい。
1、30、60…タングレスコイルスレッド用工具、2、31、61…マンドル、
3、32、63…パウル、4、33、73…保持部、7、70…溝、8…第1の連通孔、8a…第1の開口部(開口部)、11…爪部、11a…突出部、14…雄螺子部、
15…小径部、15a…谷部、20…タングレスコイルスレッド挿入体(挿入体)、
20b…切欠、21…内側螺子、22…他部材、23…取付穴、71a…開口部

Claims (2)

  1. コイル端部の内側螺子に切欠が形成されたタングレスコイルスレッド挿入体を、取付穴に取り付けまたはこれから取り外すためのタングレスコイルスレッド用工具であって、
    前記タングレスコイルスレッド挿入体を保持するための保持部を有し、軸線方向に沿って溝を形成するとともに、該溝に連通する開口部を前記保持部の先端側に形成するマンドルと、
    前記マンドルの前記溝内に設けられ、先端部に前記タングレスコイルスレッド挿入体の切欠に係脱可能に係合する爪部を有するパウルと、を備え、
    前記パウルは、前記爪部が前記マンドルの前記開口部から出没可能となるように前記溝内に配置され、
    前記保持部には、少なくとも前記爪部が出没する部位の側周部に、前記タングレスコイルスレッド挿入体の内側螺子の谷径に対応する外径に形成された雄螺子部が形成されるとともに、該雄螺子部の後端側に、前記雄螺子部より外径が小さい小径部が形成され
    前記小径部には、少なくとも雄螺子における谷部が形成されていることを特徴とするタングレスコイルスレッド用工具。
  2. 前記小径部は、前記保持部が前記タングレスコイルスレッド挿入体を保持した際に、該小径部の後端が前記タングレスコイルスレッド挿入体の後端と同じかそれより後側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1記載のタングレスコイルスレッド用工具。
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