JP5933269B2 - チーズおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な改良された食感を有するチーズ、その製造方法およびチーズの良好な食感を判定する方法に関する。
チーズは乳由来のタンパク質やカルシウムが豊富に含まれている点で、栄養面で優れた食品である。特に、成長期の子供に対する栄養補給や、骨粗鬆症を気にする女性や高齢者に対するカルシウム補給に有効である。チーズは、原料乳を凝固させホエイを排除して必要に応じて熟成されたナチュラルチーズと、ナチュラルチーズを原料として水と溶融塩を添加して溶融・乳化したプロセスチーズに大別される。
一般に、ナチュラルチーズは硬質チーズ、半硬質チーズ、軟質チーズ等に大別され、さらにそれぞれ熟成や発酵方法によって分類すると、全世界でも2000種類以上のチーズが製造されている。例えばそのうち、チェダーチーズやゴーダチーズなどの硬質チーズ、半硬質チーズに分類される熟成型ナチュラルチーズは、熟成により生じる旨味等の風味を有する一方で、ごつごつ、ボロボロした硬い食感を有することが特徴である。
ナチュラルチーズに水と溶融塩を加えて溶融、乳化したプロセスチーズは滑らかで軟らかい食感が特徴であり、保存性も良く、風味を調整したり様々な形状に加工することも容易なため広く普及し利用されている一方で、口中でべたついたり、歯に付着しやすい食感を有することが特徴である。
ハード系やセミハード系の熟成型ナチュラルチーズの組織を調整する技術として、水分および熟度を調節したチーズブロックを一旦凍結したのち解凍する方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この方法は、水分および熟度の調整が必須となり、あらゆるナチュラルチーズに適用できるものではなかった。
このように、従来のハード系やセミハード系のナチュラルチーズにおいて、水分を増やしたり脂肪を増やしたりして組成を変えたり(ハード系やセミハード系のナチュラルチーズではなくなる)、プロセスチーズにする以外に、食べ易いように食感をもろくするような技術は提案されてこなかった。
また、ナチュラルチーズやプロセスチーズ等の風味を改良する方法としては、これらのチーズ類に他の食品を混合し圧着・成型してなる圧着成型チーズ製品が提案されている(特許文献2)。しかしながら、この方法では食品を混合したことにより外観が改良されたり、チーズと食品との風味を一体として味わうことはできるという利点はあるものの、ナチュラルチーズが有する食感等の欠点を改良するものではなかった。
特開2001−275563 特開平9−299026
チェダーチーズやゴーダチーズなどのハード系やセミハード系の熟成型ナチュラルチーズをカットしたものと、6Pチーズやベビーチーズなどのプロセスチーズを一般の消費者に喫食させて嗜好を聞くと、プロセスチーズの方が好まれる調査結果になる。その主な理由は、ハード系やセミハード系のナチュラルチーズは口中でべたつかないものの、ごつごつ、ボロボロした硬い食感があり、その点が好まれないためである。プロセスチーズは、口中でべたつく食感はあるものの滑らかで軟らかいので、ハード系やセミハード系のナチュラルチーズに比して好まれている。そこで、ハード系やセミハード系のナチュラルチーズを、溶融塩を使用してプロセスチーズ化するのではなく、そのままで食べても口中で砕けやすく食べやすい組織にすれば、ナチュラルチーズの欠点を改良できるものと考えられる。
したがって、本発明は、ハード系やセミハード系のナチュラルチーズにおいて、水分を増やしたり脂肪を増やしたりして成分組成を大きく変更することなく、口中で砕けやすく、かつ口中でべたつかない食感を両立させた新規な改良された食感を有するチーズおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、チーズの良好な食感を判定する方法を提供することも目的とする。
ハード系やセミハード系のナチュラルチーズは、ミートチョッパーやグラインダーなどで粉砕するとカゼインで構成された組織が壊されるため、口中で組織が崩れやすく食べやすくなる。また、ハード系やセミハード系のナチュラルチーズは、ミートチョッパーなどで粉砕しても、水分に対するタンパク質含量が高いことから(粘土のように)ある程度の再結着性、再成形性があり、食べやすい適当な大きさや形に比較的容易に再成形することができる。
本発明者等は以上のハード系やセミハード系のナチュラルチーズの特性に着目し、鋭意研究する中で、チーズを一旦粉砕した上で、結着剤を添加するかまたは添加せず、口中で砕けやすく、かつ口中でべたつかない食感を両立させた食感になる程度に圧力をかけて再成形することによって、一定の固体状の形状を維持しながら、口中で砕けやすく食べやすいハード系やセミハード系のナチュラルチーズを提供できることを見出した。
また、本発明者らは、柔軟性が7.5mm以下、かつ付着性が4.0×10-3N・m以下であるチーズが良好な食感、特に口中で砕けやすく食べやすい食感を有することを見出した。さらに柔軟性が7.5mm以下、かつ付着性が4.0×10-3N・m以下であるチーズのうち、破断時荷重が200g以下であるチーズが更に口中で砕けやすく食べやすい良好な食感、特に噛み切りやすさを有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[18]を提供する。
[1] レオメーターによる折れ試験で、柔軟性が7.5mm以下であり、かつ、付着性試験で付着性が4.0×10-3N・m以下であるチーズ。
[2] レオメーターによる折れ試験で、柔軟性が5.0mm以下であり、かつ、付着性試験で付着性が4.0×10-3N・m以下であるチーズ。
[3] 粉砕された原料チーズ、または粉砕された原料チーズを含む混合物が、加圧再成形されてなる、[1]または[2]に記載のチーズ。
[4] 原料チーズが特別硬質チーズ、硬質チーズおよび半硬質チーズのうちの1種またはそれ以上を含む、[3]に記載のチーズ。
[5] 混合物が結着剤を含む、[3]または[4]に記載のチーズ。
[6] 結着剤が、デキストリン、澱粉、加工澱粉、卵白、卵白粉、ゼラチン、寒天、増粘多糖類、カゼイン、プロセスチーズ、軟質チーズ、ホエイ粉、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質分離物、大豆タンパク質およびグルテンからなる群から選択される少なくとも1種である、[5]に記載のチーズ。
[7] 混合物が、副原料をさらに含む、[3]〜[6]のいずれかに記載のチーズ。
[8] レオメーターによる折れ試験で、破断時荷重が200g以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載のチーズ。
[9] レオメーターによる折れ試験で、破断時荷重が150g以下である、[1]〜[8]のいずれかに記載のチーズ。
[10] 原料チーズを粉砕する工程、
必要に応じて、粉砕した原料チーズに副原料および/または結着剤を加え、混合する工程、
得られた混合物を加圧して再成形する工程、
を含む、レオメーターによる折れ試験で、柔軟性が7.5mm以下であり、かつ、付着性試験で付着性が4.0×10-3N・m以下であるチーズの製造方法。
[11] 再成形する際の、混合物中の原料チーズの組成、または原料チーズおよび結着剤の組成において、水分が52重量%以下、タンパク質と炭水化物の合計含量が18重量%以上である、[10]に記載の方法。
[12] 粉砕する工程および/または混合する工程において、チーズが凍結されている、[10]または[11]に記載のチーズの製造方法。
[13] 混合物を脱気しながら再成形する、[10]〜[12]のいずれかに記載の方法。
[14] 加圧再成形が、10〜500g/cmの圧力で行われる、[10]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15] 加圧再成形が、10〜200g/cmの圧力で行われる、[10]〜[14]のいずれかに記載の方法。
[16] レオメーターによる折れ試験で、さらに破断時荷重が200g以下である、[10]〜[15]のいずれかに記載の方法。
[17] チーズの良好な食感を判定する方法であって、
− レオメーターによる折れ試験において、柔軟性が7.5mm以下であること、および
− レオメーターによる付着性試験において、付着性が4.0×10-3N・m以下であること、
を判断することを含む、前記方法。
[18] チーズの良好な食感を判定する方法であって、
− レオメーターによる折れ試験において、柔軟性が7.5mm以下であること、および、破断時荷重が200g以下であること、
および
− レオメーターによる付着性試験において、付着性が4.0×10-3N・m以下であること、
を判断することを含む、前記方法。
ハード系やセミハード系ナチュラルチーズにおいて、固体としてのチーズの組織はカルシウムパラカゼイネートのネットワークで構成されており、このカゼインタンパク質は水に不溶性であるため、食したときに口中でべたつかないもののごつごつ、ボロボロした食感を苦手とする人は多い。一方、これらナチュラルチーズを原料として、カルシウムをキレートするものとして溶融塩(リン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩)を加えて加熱殺菌し、溶融し、乳化したものとしてプロセスチーズがある。プロセスチーズのカゼインタンパク質は水に可溶性であるため口中でなめらかな口溶けを示すが、口蓋や歯にべたつく食感は好まれていない。
本発明によれば、ごつごつした食感のハード系やセミハード系ナチュラルチーズを一旦細かく粉砕し、それをプロセスチーズ化するほどの高温に加熱したり溶融塩を加えたりすること無しに、柔軟性が7.5mm以下、かつ付着性が4.0×10-3N・m以下で表される食感になるよう圧着により再成形することで、口中でべたつかず、しかも砕けやすい良好な食感のチーズが得られる。特に硬い食感である脂肪含量の少ない(相対的にタンパク質含量の高い)チーズや低水分のチーズでも、特徴である組成を大きく変更せず、食べやすい食感に調整することができる。更に、その再成形チーズの破断時荷重が200g以下であればより顕著な効果が得られる。
また、本発明によれば、プロセスチーズのように加熱溶融しなくても、数種類のチーズを組み合わせることができ、風味や食感の調整も可能である。これにより、数種類のチーズの良さ(風味など)を取り入れた新しいナチュラルチーズ食品を実現することができる。
さらに、必要に応じて結着剤として各種安定剤、ゲル化剤、例えば澱粉、卵白等を使用するが、基本的にリン酸塩等の溶融塩を使用しないためリンの過剰摂取について考慮する必要もなく健康面でも優れている。加えて、再成形するため、単にナチュラルチーズブロックをカッティングする以上の商品形状の自由度がある。例えば動物の形、星型、ハート型、キャラクターものなど複雑な形状にカットロスなしで成形できる。また、適当な結着剤や賦形剤を添加して再成形することで、例えば細い棒状でも折れにくく、あるいは盤状でも割れにくい、利用しやすく食べやすい形状に調整することができる。
すなわち、本発明のチーズは、熟成タイプのナチュラルチーズ特有の熟成風味(旨味など)を有しつつも、これまでにナチュラルチーズにおいて好まれなかったごつごつ、ボロボロした食感から、口中で簡単に砕けやすい食感に改良することができた点で、前記課題を解決できる。
また、本発明のチーズは、口中で簡単に砕けやすく、口中でべたつかないため、咀嚼機能の低い、乳児や高齢者などであっても食べやすいという利点も提供する。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に述べる個々の形態には限定されない。なお、本明細書において特に明示しない場合は、%表示は重量%を示す。
本明細書において、ナチュラルチーズとは、例えば、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)に示す、(1)「乳、バターミルク(バターを製造する際に生じた脂肪粒以外の部分)、クリームまたはこれらを混合したもののほとんどすべてまたは一部のタンパク質を酵素その他の凝固剤により凝固させた凝乳から乳清の一部を除去したもの、またはこれらを熟成したもの」および(2)「乳等を原料として、タンパク質の凝固作用を含む製造技術を用いて製造したものであって、(1)と同様の化学的、物理的および官能的特性を有するもの」を包含する。また、本明細書において、プロセスチーズとは、「ナチュラルチーズを粉砕し、加熱溶融し、乳化したもの」を包含する。
(ベースとなる原料チーズ種)
本発明において使用するベースとなる原料チーズはナチュラルチーズであり、特別硬質チーズ、硬質チーズおよび半硬質チーズからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。
特別硬質チーズの例としては、本発明はこれには限定されないが、パルメザンチーズやグラナチーズ等が挙げられる。
硬質チーズの例としては、本発明はこれには限定されないが、ゴーダチーズ、エダムチーズ、エメンタールチーズ、チェダーチーズ等が挙げられる。
半硬質チーズの例としては、本発明はこれには限定されないが、ポールデュサリュ、セントポーリン、ブリックチーズ、ロックフォールチーズ、サムソーチーズ、マリボーチーズ等が挙げられる。
本発明の一態様において、ベースとなるチーズ種として、フレッシュチーズであっても、比較的硬いものであれば用いることができ、例えば、モッツァレラチーズを用いることもできる。
本発明のチーズにおいて、目標とするチーズの風味および食感(物性)を得るために、ベースとなる原料チーズを1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
(チーズについての例示)
本発明の効果はナチュラルチーズが有する硬くゴツゴツした食感を改良することにあるので、期待される効果の大きさは当該ナチュラルチーズが本来有している組成や物性により影響される。
例えば、クリームチーズは水分が52重量%、脂肪が33重量%、タンパク質が10%、炭水化物が3%の組成であり、軟らかく滑らかな食感であるため、本発明を適用した場合に、食感を改良する効果はあまり期待できない。
一方で、脱脂チーズは水分が49重量%、脂肪が5重量%、タンパク質が40%、炭水化物が1.5%の組成であり、非常に硬くゴツゴツしている食感であるため、本発明を適用した場合に、食感を改良する効果は大きい。
さらに、ゴーダチーズは水分が39重量%、脂肪が30重量%、タンパク質が25%、炭水化物が1.5%の組成であり、やや硬くゴツゴツしている食感であるため、本発明を適用した場合に、食感を改良する効果は大きい。
(成分調整のために混合可能な原料チーズ種)
また、ベースとなる原料チーズの成分(組成)を調整するために、低脂肪チーズ、脱脂チーズなどの脂肪の少ないチーズや、逆にクリームチーズなどの脂肪の多いチーズを組み合わせることができる。本発明はこれには限定されないが例えば、パルメザンチーズ、乾燥した粉チーズなどの水分の低いチーズとクリームチーズ、カマンベール、クワルク、カッテージなど水分の多いチーズを組み合わせることもできる。
さらに、ナチュラルチーズだけでなく、一部にプロセスチーズを使用して結着性を調整することもできる。
本発明のチーズにおいて、目標とする風味および食感(物性)を得るために、成分調整のために混合可能な原料チーズを1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、ベースとなる原料チーズの成分(組成)を調整する必要がない場合には、ベースとなるチーズ部分のみを使用することができる。
(結着剤)
結着剤としてはたんぱく質主体のもの、あるいは炭水化物主体のものを使用しうる。具体的には、本発明はこれには限定されないが、デキストリン、澱粉、加工澱粉、卵白、卵白粉、ゼラチン、寒天、増粘多糖類(例えばローカストビーンガム、グアーガム、カラギーナン、キサンタンガム、トラガントガム、タマリンドシードガム、ペクチン、アラビアガム、カードラン、タラガム、ジェランガム、ガティガム、CMC、アルギン酸ナトリウム、プルランなど)、カゼイン、プロセスチーズ、クリームチーズやカマンベールチーズなどの軟質チーズ、ホエイ粉、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質分離物、大豆タンパク質、グルテン等が挙げられる。
結着剤は、これを単独または組み合わせて、粉末のまま、あるいは水溶液にして粉砕したチーズに混合することが好ましい。混合および分散が良好にいくように、これら結着剤を添加するに当たって、油脂やデキストリンを分散媒として使用してもよい。
(原料チーズを含む混合物の組成)
本発明で使用する原料チーズ、またはこれに必要に応じて結着剤を含む混合物は、これを成形する際に、水分が52重量%未満であり、タンパク質と炭水化物の合計含量が18重量%以上であることが好ましい。より好ましくは水分が48重量%以下、タンパク質と炭水化物の合計重量が21重量%以上であり、さらに好ましくは水分が45重量%以下、タンパク質と炭水化物の合計重量が24重量%以上である。上記範囲を超えて水分が多過ぎる場合や、タンパク質と炭水化物の合計含量が少なすぎる場合にはチーズ自身が軟らかすぎてしまったり、また一定量以上のタンパク質や炭水化物がないと再結着性を得ることが困難になるため好ましくない。上記範囲の組成となるように1種または2種以上のチーズを組み合わせて組成を調整すればよい。
本発明の一態様において、原料チーズ、またはこれに必要に応じて結着剤を含む混合物は、保形性の観点から、これを成形する際に、水分が10重量%以上、好ましくは15%重量以上、特に好ましくは20%重量以上であり、タンパク質と炭水化物の合計重量が50重量%以下、好ましくは48重量%以下、特に好ましくは45重量%以下である。
本発明のチーズの再結着性および保形性の観点から、原料チーズ、またはこれに必要に応じて結着剤を含む混合物の組成は、これを成形する際に、水分が10〜52重量%、好ましくは15〜48重量%、より好ましくは20〜45重量%であり、タンパク質と炭水化物の合計含量が18〜50重量%、好ましくは21〜48重量%、より好ましくは24〜45重量%である。
(副原料)
また、粉砕したチーズに必要に応じて添加、混合される副原料としては、一つには風味や栄養機能を付与するための食品や栄養強化剤などが挙げられる。
ここで、副原料としての食品としては、例えば、調味料、香辛料、ハーブ、ナッツ、その他の食品(乾燥食品等)等が例示されるが、本発明は以下の例示に限定されるものではない。
調味料の具体例としては、砂糖、食塩、醤油、味噌、ソース、食酢等が挙げられる。
香辛料の具体例としては、クミンシード、キャラウェイシード、ペッパー、パプリカ等が挙げられる。
ハーブの具体例としては、バジル、パセリ等が挙げられる。
ナッツの具体例としては、アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、ピーナッツ等が挙げられる。
また、栄養強化剤としては、カルシウムや鉄などのミネラル強化剤、ビタミン類、オリゴ糖や食物繊維などの整腸剤等が例示される。
(その他の副原料)
さらに、その他の目的の副原料として、使用するチーズの再結着性が高い場合には、目標とする物性に調整するためにチーズ間の結着性を阻害するための副原料も使用することが可能である。このような副原料としては、粉砕されたチーズ間でチーズ粒子の結着を阻害する機能を有する食品あるいは食品添加物であれば特に限定されないが、例えばシュレッドチーズ製品において結着防止を目的に添加されるセルロースを挙げることができる。
(原料チーズの混合割合)
なお、本発明のチーズを得るにあたり、原料チーズまたはこれに必要に応じて前記の結着剤を含む混合物と、副原料とを組み合わせる場合において全体に占める原料チーズの割合は、原料チーズ自体の再結着性に鑑み、好ましくは全体の50%以上であり、さらに好ましくは全体の60%以上であり、さらに好ましくは全体の70%以上であり、さらに好ましくは全体の80%以上であり、さらに好ましくは全体の90%以上であり、さらに好ましくは全体の95%以上である。
また、本発明のチーズを得るにあたり、原料チーズまたはこれに必要に応じて前記の結着剤を含む混合物と、副原料とを組み合わせる場合において全体に占めるベースとなる原料チーズの割合は、好ましくは全体の50%以上であり、さらに好ましくは全体の60%以上であり、さらに好ましくは全体の70%以上であり、さらに好ましくは全体の80%以上であり、さらに好ましくは全体の90%以上であり、さらに好ましくは全体の95%以上である。
(チーズの製造方法)
本発明のチーズの製造方法の一例は、原料チーズを粉砕することと、粉砕した原料チーズに必要に応じて結着剤や副原料を加えて混合することと、これら混合物を加圧して再成形することとを含むものである。
(具体的製造方法)
(粉砕工程)
本発明によれば、まずチーズを適宜な装置によって粉砕する。チーズを粉砕する方法としては、ミートチョッパーなどの各種チョッパー、フローズンカッター、サイレントカッターなどの各種カッター、カッターミル、フェザーミルなどの各種ミル、グラインダー、コミトロール等の装置を用いて粉砕してもよい。この時、細かく粉砕するほどナチュラルチーズが有するカゼインで構成された組織が壊されるため、ごつごつとした食感が失われる。機器の能力により効果に差があるため一概に比較することは難しいが、例えば一般的にフローズンカッター等のカッター類でチーズを細切した場合に比べて、ミートチョッパー等により練られる工程も含みながら粉砕された方が、ごつごつとした食感は失われる。粉砕するチーズが複数種ある場合には、これらのチーズの粉砕・混合方法は特に限定されず、例えば別々に粉砕して後で混合する方法であっても、複数種同時に粉砕にかけても構わない。また、異なる粉砕方法によって調整したチーズを組み合わせることで、得られる製品に食感のアクセントを付与するといったことも可能である。
本発明のチーズは、原料チーズの種類や粉砕条件、複数種を組み合わせる場合にはその配合比、(使用する場合には)結着剤の種類や量、加圧条件などにより得られる物性が異なってくる。よって、原料チーズの粉砕条件については、以上の要因を考慮しつつ、目標とする物性が得られるように適宜設定する必要がある。
かかる物性を調整することは、当業者であれば、適宜行うことができるが、例えば、より柔軟性の低い物性を求める場合には、水分や脂肪分の低い原料チーズを使用し、加圧条件を低くして成形する方法が1例としてあげられる。また、より付着性の低い物性を求める場合には、ナチュラルチーズが有するカゼインの構造を残すように、原料チーズを粗く粉砕し、加圧成形すること等が有効である。また、より破断時荷重の低い物性を求める場合には、原料チーズとして水分や脂肪分の高いチーズを使用することや、加圧成形する際の圧力を低くする方法を例示することができる。
(添加混合工程)
つづいて、粉砕した原料チーズに、必要に応じて上述の結着剤を添加し、また必要に応じて追加の副原料を添加して混合する。添加の方法、順序、装置は特に限定されず、一般的な食品製造工業において使用される機器を使用することも可能である。
(凍結について)
なお、この粉砕工程や混合工程においては、粉砕装置や混合装置によっては装置内部にチーズなどがべたついてしまう場合がある。その場合には、べたつかないように原料チーズ等を凍結した状態で粉砕、混合することが好ましい。
原料チーズ等を凍結する場合、粉砕工程や混合工程が円滑に行えれば、凍結の条件は特に限定されず、全体または部分的に凍結させてもよく、緩慢凍結または急速凍結のいずれで行ってもよい。
(加圧再成形工程)
粉砕したチーズ、結着剤、副原料を混合した後に、加圧して再成形する。ここで、加圧して再成形するための装置としては、本発明はこれに限定されないが、各種打錠機、加圧成形機、寿司ロボット、海苔巻きロボット、エクストルーダーによる押し出し成形機、パスタマシーンなどが利用できる。例えば、エクストルーダーによる押し出し成形機等を使用すると混合と成形を同じ機器内で行うことができ、効率的に連続生産するのに適している。
(脱気について)
なお、一旦粉砕したチーズは粒状になるので、砕けたチーズを集めて再成形する際に内部に空隙を生じてしまい、この空隙に酸素がある場合、再成形したチーズにカビが生えることがある。したがって、粉砕し再成形したチーズに商品として数ヶ月の賞味期間を持たせたい場合、内部に酸素の無い密封包装にする必要がある。包装形態としては、ガス置換包装、脱酸素剤内封包装等を用いることができる。さらに、安価なガス置換包装においては、成形されたチーズ内部に酸素が残らないよう脱気(脱酸素)しながら成形することが好ましく、これにより製品の保存性を高めることができる。
(加圧条件)
ここで、本発明において再成形する際の加圧条件は、成形後の得られる発明品の物性値として柔軟性が7.5mm以下、かつ付着性が4.0×10-3N・m以下となるよう適宜選択されるべきものであり、特に限定することはできないが、本発明によるチーズは、口中で砕けやすい食感を特徴とするものであるから、口中で砕けなくなる程度まで強く結着させないように、適当な加圧条件を設定する必要がある。
さらに、再成形したチーズの破断時荷重が200g以下となるように、再成形する際の加圧条件を適宜選択することが好ましい。
ここで、本発明において再成形する際の加圧の条件は、使用するチーズの種類や分量、チーズの粉砕条件、必要に応じて添加される結着剤や副原料の種類や分量、また、得られる製品に求められる保形性や食感などの特性等により適宜選択されるものであり、特に限定されるものではないが、概ね10〜500g/cmの圧力を用いることが好ましく、10〜200g/cmの圧力を用いることがさらに好ましく、20〜100g/cmの圧力を用いることがさらに好ましい。
(溶融塩について)
本発明は基本的には溶融塩を使用しないし、加熱溶融もしない。ただし結着性の調整のため、リン酸塩、クエン酸塩等の溶融塩を使用することはできるし、多少の加温も可能である。但し本発明の食感上の利点を損なわないためには、溶融塩は少量の方が良く、加温したとしても50℃以下が好ましい。
(食感について)
本発明品の物性値として柔軟性および付着性は低いほど好ましい。本発明品の物性値として柔軟性が7.5mm以下、かつ付着性が4.0×10-3N・m以下であることが好ましい。さらに好ましくは柔軟性が5.0mm以下、かつ付着性が4.0×10-3N・m以下である。
また、本発明品の物性値として破断時荷重は低いほど好ましい。本発明の物性値として、破断時荷重が200g以下であることが好ましく、150g以下であることがさらに好ましい。
なお、柔軟性は口中での砕けやすさの指標であり、付着性は口中でのねちゃつきの指標である。また、破断時加重は、口中での砕けやすさ、特に噛み切りやすさの指標である。
本発明品の食感を表す物性値としての柔軟性や破断時荷重、付着性については低いほど好ましいが、本発明品を成形するためにはある程度の付着性が必要であり、また本製品を輸送等することを想定すると、ある程度の保形性が必要となることは言うまでもない。以下の発明の実施による実績を踏まえると、本発明のチーズは2.0mm以上、好ましくは3.0mm以上の柔軟性を有し、30g以上、好ましくは50g以上の破断時荷重を有していれば、必要な保形性を備えている。また、本発明のチーズは1.5×10-3N・m以上、好ましくは2.0×10-3N・m以上の粘着性を有していれば必要な成形性を備えている。しかしながら、結着剤等の利用により、これらの数値を下回っても、保形性や成形性が確保できれば、上述の通り柔軟性、付着性、および破断時荷重は低いほど好ましいことには変わりなく、下限値を限定するものではない。
なお、これらの物性項目はレオメーター等の物性測定装置を用いて測定する。
本発明の一態様において、本発明のチーズは、レオメーターによる折れ試験で、柔軟性が2.0〜7.5mm、好ましくは3.0〜5.0mmであり、破断時荷重が30〜200g、好ましくは50〜150gであり、レオメーターによる付着性試験で付着性が1.5×10-3〜4.0×10-3N・m、好ましくは2.0×10-3〜4.0×10-3N・mである。
(本発明のチーズの形態)
本発明によるチーズの形態は特に限定されなく、ターゲットとなる消費者層や商品コンセプトに応じて大きさ、形状等の最終製品としての形態を自由に設計できる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
[実施例1]
チェダーチーズ(明治乳業製、商品名「明治北海道十勝チェダーチーズ」)3kgをミートチョッパーで粉砕した。チーズの組成は水分重量35%、脂肪含量34重量%、タンパク質含量26重量%である。粉砕したチーズを簡易型打錠成形機を使用して100g/cmの圧力で45mm×25mm×15mmの直方体に成形し冷却した。直方体のチーズは50個試作された。その直方体のチーズは手で持っても形をしっかり維持していたが、食べると口中で崩れやすく、口溶けが良く、しかもべとつかず、良好な食感であった。
[試験例1]
(本発明品の物性評価)
実施例1で得られた直方体のチーズの物性分析を行った。レオメーター(不動工業社製)を用いて、口中での砕けやすさの指標として折れ試験による柔軟性を、口中でのねちゃつきの指標として付着性を測定した。測定方法は以下の通りである。
(折れ試験よる柔軟性評価)
実施例1で得られたチーズを45mm×15mm×8mmの形状とし、10℃に保存して品温を調節して試料とした。試料を支持台間隔30mmに調整した折試験用アダプター(不動工業社製)に載せ、試料中央に歯形プランジャー(歯形押棒A、不動工業社製)で負荷を掛けた際(試料台上昇速度2cm/分)に試料が折れるまでにプランジャーで押し込めた距離(mm)を測定して柔軟性の数値とした。実施例1のチーズの柔軟性は4.6mmであった。
(付着試験による付着性評価)
10℃に品温を調節した実施例1で得られたチーズを試料台に固定し、3mmφ円柱形ステンレス製プランジャーを用い、試料台を15cm/分の速度で上昇させてプランジャーを試料に6mm陥入させた後、同じ速度で試料台を下降させて試料からプランジャーを引き抜く際にかかる仕事量を測定し、付着性の数値とした。実施例1のチーズの付着性は3.7×10-3N・mであった。
[実施例2]
実施例1と同様に、チェダーチーズ(明治乳業製、商品名「明治北海道十勝チェダーチーズ」)3kgをミートチョッパーで粉砕した。チーズの組成は水分重量35%、脂肪含量34重量%、タンパク質含量26重量%である。粉砕したチーズを簡易型打錠成形機を使用して100g/cmの圧力で45mm×25mm×15mmの直方体に成形し冷却した。直方体のチーズは50個試作された。実施例1と同様、その直方体のチーズは手で持っても形をしっかり維持していたが、食べると口中で崩れやすく、口溶けが良く、しかもべとつかず、良好な食感であった。
[試験例2]
(本発明品の物性評価)
実施例1で得られた直方体のチーズの物性分析を行った。レオメーター(不動工業社製)を用いて、口中での砕けやすさの指標として折れ試験による柔軟性と破断時荷重を、口中でのねちゃつきの指標として付着性を測定した。測定方法は以下の通りである。
(折れ試験よる柔軟性および破断時荷重の評価)
実施例2で得られたチーズを45mm×15mm×8mmの形状とし、10℃に保存して品温を調節して試料とした。試料を支持台間隔30mmに調整した折試験用アダプター(不動工業社製)に載せ、試料中央に歯形プランジャー(歯形押棒A、不動工業社製)で負荷を掛けた際(試料台上昇速度2cm/分)に試料が折れるまでにプランジャーで押し込めた距離(mm)を測定して柔軟性の数値とし、その時にプランジャーにかかっていた試料からの応力を破断時荷重(g)とした。実施例2のチーズの柔軟性は4.6mm、破断時荷重は58gであった。
(付着試験による付着性評価)
10℃に品温を調節した実施例2で得られたチーズを試料台に固定し、3mmφ円柱形ステンレス製プランジャーを用い、試料台を15cm/分の速度で上昇させてプランジャーを試料に6mm陥入させた後、同じ速度で試料台を下降させて試料からプランジャーを引き抜く際にかかる仕事量を測定し、付着性の数値とした。実施例2のチーズの付着性は3.7×10-3N・mであった。
[比較例1]
ハード系ナチュラルチーズの例として実施例1で使用したものと同じチェダーチーズの物性分析を試験例1の方法で実施した。柔軟性は7.8mmであり、付着性は3.8×10-3N・mであった。食感を官能評価すると口中でねちゃつかないものの、壊れにくくごつごつした食感であり、本発明で規定する食感を満たすものではなかった。
[比較例2]
プロセスチーズの例として「雪印6Pチーズ」(雪印乳業製)の物性分析を試験例1の方法で実施した。柔軟性は8.4mmであり、付着性は5.0×10-3N・mであった。食感を官能評価すると、滑らかではあるものの、口中でねちゃつく食感であり、本発明で規定する食感を満たすものではなかった。
[比較例3]
実施例1で使用したものと同じチェダーチーズ3kgをミートチョッパーで粉砕し、粉砕したチーズ約200gを軽く手で加圧・圧縮して成形した後、柔軟性に富んだポリエチレン製袋に入れ、真空包装機で真空(760mmHg)包装し、冷蔵で一晩成形した。
得られたチーズの物性を試験例1の方法で測定した結果、柔軟性は8.2mm、であり、付着性は4.6×10-3N・mであった。食感を官能評価した結果、粉砕する前のチーズによく似たごつごつとした食感に戻っており、本発明で規定する食感を満たすものではなかった。
[比較例4]
ハード系ナチュラルチーズの例として実施例1で使用したものと同じチェダーチーズの破断時荷重の分析を試験例2の方法で実施した。破断時荷重は278gであった。
[比較例5]
プロセスチーズの例として「雪印6Pチーズ」(雪印乳業製)の破断時荷重の分析を試験例2の方法で実施した。破断時荷重は99gであった。
[比較例6]
実施例2で使用したものと同じチェダーチーズ3kgをミートチョッパーで粉砕し、粉砕したチーズ約200gを軽く手で加圧・圧縮して成形した後、柔軟性に富んだポリエチレン製袋に入れ、真空包装機で真空(760mmHg)包装し、冷蔵で一晩成形した。
得られたチーズの破断時荷重の分析を試験例2の方法で実施した結果、破断時荷重は88gであった。
[実施例3]
モッツァレラチーズ(明治乳業製、商品名「明治北海道十勝モッツァレラチーズ」)5kgとチェダーチーズ(明治乳業製、商品名「明治北海道十勝チェダーチーズ」)2.5kgをミートチョッパーで、パルメザンチーズ(イタリア製)2.5kgをカッターミルでそれぞれ粉砕した。合わせたチーズの組成は水分39重量%、脂肪含量27重量%、タンパク質含量29重量%である。得られたチーズを簡易型打錠成形機を使用して200g/cmの圧力で45mm×25mm×15mmの直方体に成形し冷却した。直方体のチーズは50個試作された。その直方体のチーズは手で持っても形をしっかり維持していたが、食べると口中で崩れやすく、口溶けが良く、しかもべとつかず、良好な食感であった。得られたチーズの物性を試験例1に記した方法で測定した結果、柔軟性は4.0mm、付着性は2.8×10-3N・mであった。
[実施例4]
モッツァレラチーズ(明治乳業製、商品名「明治北海道十勝モッツァレラチーズ」)5kgとチェダーチーズ(明治乳業製、商品名「明治北海道十勝チェダーチーズ」)2.5kgをミートチョッパーで、パルメザンチーズ(イタリア製)2.5kgをカッターミルでそれぞれ粉砕した。合わせたチーズの組成は水分39重量%、脂肪含量27重量%、タンパク質含量29重量%である。得られたチーズを簡易型打錠成形機を使用して200g/cmの圧力で45mm×25mm×15mmの直方体に成形し冷却した。直方体のチーズは50個試作された。その直方体のチーズは手で持っても形をしっかり維持していたが、食べると口中で崩れやすく、口溶けが良く、しかもべとつかず、良好な食感であった。得られたチーズの物性を試験例2に記した方法で測定した結果、柔軟性は4.0mm、破断時荷重は116g、付着性は2.8×10-3N・mであった。
[実施例5]
モッツァレラチーズ(明治乳業製、商品名「明治北海道十勝モッツァレラチーズ」)3kgとチェダーチーズ(明治乳業製、商品名「明治北海道十勝チェダーチーズ」)1.5kgをミートチョッパーで、パルメザンチーズ(イタリア製)1.5kgをカッターミルでそれぞれ粉砕した。合わせたチーズの組成は水分39重量%、脂肪含量27重量%、タンパク質含量29重量%である。得られたチーズを簡易型打錠成形機を使用して500g/cmの圧力で45mm×25mm×15mmの直方体に成形し冷却した。直方体のチーズは40個試作された。その直方体のチーズは手で持っても形をしっかり維持していたが、食べると口中で崩れやすく、口溶けが良く、しかもべとつかず、良好な食感であった。得られたチーズの物性を試験例2に記した方法で測定した結果、柔軟性は3.7mm、破断時荷重は154g、付着性は2.5×10-3N・mであった。
本発明により、従来のハード系およびセミハード系ナチュラルチーズの有するチーズ特有の熟成風味を有しつつも、口溶けや食感が飛躍的に改善された新食感を特徴とする、柔軟性が7.5mm以下、かつ付着性が4.0×10-3N・m以下の新規な再成形チーズ類を市場に提供することができる。

Claims (5)

  1. 原料チーズを粉砕する工程、
    必要に応じて、粉砕した原料チーズに副原料および/または結着剤を加え、混合する工程、
    得られた混合物を10〜500g/cm の圧力で加圧して再成形する工程、
    を含み、
    水を添加する工程を含まない、
    レオメーターによる折れ試験で、柔軟性が7.5mm以下であり、かつ、付着性試験で付着性が4.0×10−3N・m以下であるチーズの製造方法(ただし、チーズを粉砕し、10〜200g/cmの圧力で加圧して再成形することを含み、加熱溶融工程を有さないチーズの製造方法を除く)。
  2. 再成形する際の、混合物中の原料チーズの組成、または原料チーズおよび結着剤の組成において、水分が52重量%以下、タンパク質と炭水化物の合計含量が18重量%以上である、請求項に記載の方法。
  3. 粉砕する工程および/または混合する工程において、チーズが凍結されている、請求項1または2に記載のチーズの製造方法。
  4. 混合物を脱気しながら再成形する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のチーズの製造方法。
  5. レオメーターによる折れ試験で、さらに破断時荷重が200g以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
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