JP5933043B2 - 透明導電性薄膜形成用分散液及び透明導電性薄膜付き基材 - Google Patents

透明導電性薄膜形成用分散液及び透明導電性薄膜付き基材 Download PDF

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Description

本発明は、透明導電性薄膜を形成するための分散液に関し、特に、カーボンナノファイバーを含み、常温で透明導電性薄膜を形成するための分散液に関する。
現在、光学分野やタッチパネルでは、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂ポリカーボネート(PC)樹脂等の基材に、導電性薄膜を形成することよる導電性付与や、ハードコート薄膜を形成することによる耐摩耗性の向上が求められている。さらに、光学分野やタッチパネルでは、上記基材に、透明薄膜を形成することにより、基材の透過率を高めることも求められている。また、建築分野では、ウレタン樹脂、フッ素塗装材、太陽光パネルのガラス材、ビニールハウス用塩化ビニル、鋼板等の建材に、導電性薄膜を形成することよる帯電防止性付与および放熱性向上や、ハードコート薄膜を形成することによる耐摩耗性の向上が求められている。
薄膜に、導電性、放熱性、耐摩耗性を付与する材料として、カーボンナノファイバーが考えられる。カーボンナノファイバーの利用については、様々な研究がされているが、現状では、リチウムイオン電池や炭素繊維強化樹脂(CFRP)等の添加剤等で実用化されているのみである。カーボンナノファイバーの普及が進んでいない理由としては、カーボンナノファイバー自体のコスト、加工性が挙げられる。
カーボンナノファイバーのコストに関しては、上記用途での実用化により下がりつつある。しかし、従来、カーボンナノファイバーを実用化するためには、カーボンナノファイバーを、分散剤等を含む水やアルコール等の溶媒に分散して、カーボンナノファイバー表面を分散剤等でコーティングする必要があった(特許文献1)。このカーボンナノファイバーは、一般的なナノ粒子とは異なり、幅はnmオーダーであっても、長さはμmオーダーであるため、非常に凝集しやすく、均一分散が難しいという特徴がある。
特開2007−169121号公報
カーボンナノファイバーを分散させるための技術は非常に高度であり、一般的なナノ粒子と比べて分散剤の使用量も多めになり易い。しかし、耐候性が必要とされる用途でカーボンナノファイバーを使用するためには、カーボンナノファイバーをコーティングしている分散剤を加熱して分解させるか、耐候性の高い分散剤を使用する必要がある。なぜならば、カーボンナノファイバーをコーティングしている分散剤を加熱して分解させると、分解によりカーボンナノファイバー間に空孔が発生し、導電性、熱伝導性等の物性が低下してしまう、という問題があるからである。さらに、分散剤を分解するための加熱により、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂ポリカーボネート(PC)樹脂等の基材に劣化が起きてしまう、という問題がある。また、カーボンナノファイバー表面に分散剤が残存すると、分散剤自体がカーボンナノファイバーの導電性、熱伝導性等の物性を低下させてしまう、という問題がある。
本発明は、分散剤を用いずに、カーボンナノファイバーを含む透明導電性薄膜を常温で形成することが可能な分散液を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有することによって上記問題を解決した透明導電性薄膜形成用分散液、透明薄膜付き基材、および透明導電性薄膜付き基材の製造方法に関する。
〔1〕カーボンナノファイバーと、シリカのシングルナノ粒子と、溶媒とを含み、
透過型電子顕微鏡で測定したシングルナノ粒子の粒径が、シングルナノ粒子100質量部に対して、4〜9nm:70〜100質量部、2nm以下:0〜30質量部であり、2nm以下のシングルナノ粒子がアモルファスシリカを含むことを特徴とする、透明導電性薄膜形成用分散液。
〔2〕溶媒が、メタノールおよび水である、上記〔1〕記載の透明導電性薄膜形成用分散液。
〔3〕シングルナノ粒子が、シングルナノ粒子とカーボンナノファイバーとの合計100質量部に対して、18〜99.5質量部である、上記〔1〕または〔2〕記載の透明導電性薄膜形成用分散液。
〔4〕シングルナノ粒子が、シングルナノ粒子とカーボンナノファイバーとの合計100質量部に対して、97.7〜99.3質量部である、上記〔3〕記載の高透過率の透明導電性薄膜形成用分散液。
〔5〕基材の少なくとも一面に、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか記載の透明薄膜形成用分散液で形成された透明導電性薄膜を有する、透明導電性薄膜付き基材。
〔6〕基材が、ガラス、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂またはポリエチレンテレフタレート樹脂である、上記〔5〕記載の透明導電性薄膜付き基材。
〔7〕透明導電性薄膜をプライマー層として使用する、上記〔5〕または〔6〕記載の透明導電性薄膜付き基材。
〔8〕基材に形成されたプライマー層である透明導電性薄膜上に、フッ素樹脂コート層が形成された、上記〔7〕記載の透明導電性薄膜付き基材。
〔9〕温度:0〜10℃にした上記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の透明導電性薄膜形成用分散液を、湿度:50%以下で、基材の少なくとも一面に塗布する工程、および
透明導電性薄膜形成用分散液が塗布された基材を、温度0〜40℃で乾燥させる工程、
をこの順に含むことを特徴とする、透明導電性薄膜付き基材の製造方法。
〔10〕基材と、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の透明導電性薄膜形成用分散液で形成された透明導電性薄膜と、高屈折率導電性薄膜と、をこの順で含む複合膜付き基材。
本発明〔1〕によれば、分散剤を用いずに、カーボンナノファイバーを含む透明導電性薄膜を常温で形成することが可能な分散液を提供することができる。ここで、常温とは、0〜40℃である。本発明〔4〕によれば、分散剤を用いずに、カーボンナノファイバーを含む高透過率の透明導電性薄膜を常温で形成することが可能な分散液を提供することができる。
本発明〔9〕によれば、カーボンナノファイバーを含む透明導電性薄膜を常温で簡便に製造することができる。
本発明〔10〕によれば、反射率の低い複合膜を提供することができる。
本発明の透明導電性薄膜付き基材の断面図の一例である。 本発明の透明導電性薄膜付き基材の断面図の一例である。 本発明の透明導電性薄膜付き基材の製造方法を説明するための断面図の一例である。
〔透明導電性薄膜形成用分散液〕
本発明の透明導電性薄膜形成用分散液は、カーボンナノファイバーと、シリカのシングルナノ粒子と、溶媒とを含み、
透過型電子顕微鏡で測定したシングルナノ粒子の粒径が、シングルナノ粒子100質量部に対して、4〜9nm:70〜100質量部、2nm以下:0〜30質量部であり、2nm以下のシングルナノ粒子がアモルファスシリカを含むことを特徴とする。ここで、透明とは、波長:550nmの光を50%以上透過させることができることをいう。
カーボンナノファイバーは、特に限定されないが、カーボンナノファイバーは、繊維径が1〜100nmであり、アスペクト比が5以上であり、X線回折により測定されるグラファイト層の[002]面の間隔が0.35nm以下であると好ましい。上記繊維径とアスペクト比のカーボンナノファイバーは、溶媒中で均一に分散すると共に、相互に十分な接触点を形成することができる。X線回折により測定されるグラファイト層の[002]面の積層間隔が上記範囲内であるカーボンナノファイバーは結晶性が高いため、このカーボンナノファイバーから電気抵抗が小さく高導電の材料を得ることができる。さらに、カーボンナノファイバーの圧密体の体積抵抗率が1.0Ω・cm以下であると、良好な導電性を発揮することができる。
カーボンナノファイバーの繊維径は、透過型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を観察して求めた質量平均粒子径である(n=50)。また、カーボンナノファイバーのアスペクト比は、透過型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)を観察して、(長軸平均粒子径/短軸平均粒子径)を計算して求める(n=50)。X線回折による測定では、CuKα線を使用する。カーボンナノファイバーの圧密体の体積抵抗率は、三菱化学製ロレスタHP及びダイアインスツルメンツ製粉体測定ユニットを用いて、100kgf/cmで加圧し測定する。
また、カーボンナノファイバーは、シングルウォールカーボンナノチューブやマルチウォールカーボンナノチューブを含み、分散剤を使用しないで、溶媒中に分散可能なものであればよい。カーボンナノファイバーを溶媒中に分散可能なものにする処理としては、硫酸等の強酸による処理が挙げられる。また、分散剤を使用していないカーボンナノファイバー分散液も市販されている。
シリカのシングルナノ粒子とは、透過型電子顕微鏡で測定した粒子径(n=50)が、10nm未満のものをいう。透過型電子顕微鏡で測定したシングルナノ粒子の粒径(n=50)は、シングルナノ粒子100質量部に対して、4〜9nm:70〜100質量部、2nm以下:0〜30質量部である。ここで、10nm以上のシリカのナノ粒子を使用すると、透明導電性薄膜付き基材の透過率の増加が低くなり、透明導電性薄膜の硬度が低くなってしまう。また、2nm以下のシリカのシングルナノ粒子が、30質量部を超えると、透明導電性薄膜形成用分散液がゲル化してしまう。なお、2nm以下のシリカのシングルナノ粒子は、ハンドリング性、入手しやすさの観点から、0.5nm以上であると好ましい。
本発明の透明導電性薄膜形成用分散液は、シリカのシングルナノ粒子の凝集を制御しつつ、基材との密着力を上げることができることが顕著な効果の一つである。一般に、粒子の粒径が小さくなると、比表面積が増加し、粒子が少量でもバインダーとしての効果を発揮しやすい傾向があるが、カーボンナノファイバーのバインダーとして、シリカのシングルナノ粒子を用いることにより、カーボンナノファイバーの導電性を保持しつつ、カーボンナノファイバーと基材の密着性を得ることができる。カーボンナノファイバーのバインダーとしてのシリカのシングルナノ粒子の粒径が小さいほど、カーボンナノファイバーに対するシリカのシングルナノ粒子の量比を小さくすることができ、導電性、放熱性や基材との密着性が向上する。しかしながら、上述のように、粒径が小さい2nm以下のシリカのシングルナノ粒子の割合が増えすぎると、透明導電性薄膜形成用分散液がゲル化してしまう。なお、本発明者は、カーボンナノファイバーにより、透明導電性薄膜に導電性を付与する場合、カーボンナノファイバー間の間隔が20nm以内であると好ましい、と考えており、シリカ粒子が10nm未満であれば、カーボンナノファイバー間にシリカ粒子が2〜3個重なっても、カーボンナノファイバー間の間隔を20nm以内にすることができ、カーボンナノファイバーが少量であっても、透明導電性薄膜に導電性を付与することが可能になる。なお、透明導電性薄膜は、ヴィーデマン−フランツ則等により放熱性も有する。なお、分散液に分散剤が含有されていると、薄膜の形成時に、分散剤の分解が必要となるので、例えば、300℃以上の高温処理が必要となる。
2nm以下のシリカのシングルナノ粒子は、アモルファスシリカを含む。アモルファスであることは、X線回折で確認する。
溶媒としては、水、メタノール、エタノール等が挙げられるが、シリカのシングルナノ粒子の分散性、塗布後の乾燥速度の観点から、メタノールおよび水であると好ましい。ここで、PET等の基材への密着性の観点から、水は、メタノールおよび水の合計100質量部に対して、10質量部以下であると好ましく、5質量部以下であると、より好ましい。なお、基材が、親水性のガラスや、コロナ処理されたもの等である場合には、水がメタノールおよび水の合計100質量部に対して、90質量部以上でも使用することができるが、溶媒の揮発性が低下するため、透明導電性薄膜の緻密度が低下する傾向になる。また、水は、1質量部以上であると好ましい。
シリカのシングルナノ粒子は、シリカのシングルナノ粒子とカーボンナノファイバーとの合計100質量部に対して、18〜99.5質量部であると、好ましい。シリカのシングルナノ粒子が18質量部未満では、透明導電性薄膜の密着性が低下し易く、99.5質量部を超えると、透明導電性薄膜の導電性、放熱性が低下してしまい易い。また、シリカのシングルナノ粒子は、シリカのシングルナノ粒子とカーボンナノファイバーとの合計100質量部に対して、97.7〜99.3質量部であると、透明導電性薄膜が高透過率になるため、より好ましい。シリカのシングルナノ粒子が、97.7〜99.3質量部であると、屈折率が低くなるためである。ここで、高透過率とは、基材自体の透過率より、透明導電性薄膜付き基材の透過率が高いことをいう。
溶媒は、透明導電性薄膜形成用分散液100質量部に対して、95〜99.9質量部であると、透明導電性薄膜の形成し易さの観点から好ましい。
また、透明導電性薄膜形成用分散液は、透明導電性薄膜の耐摩耗性を向上させる観点から、ナノダイヤ粒子、ジルコニア粒子、酸化ニオブ粒子、酸化鉄粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化セリウム粒子、酸化タンタル粒子、酸化タングステン粒子、酸化ネオジウム粒子、酸化チタン粒子、酸化イリジウム粒子、酸化錫粒子等を含むと好ましく、シリカのシングルナノ粒子と粒径の異なるものが、より好ましい。ナノダイヤ粒子の粒子径が3〜20nmであり、ナノダイヤ粒子が、ナノダイヤ粒子とシリカのシングルナノ粒子との合計100質量部に対して、0.2〜4質量部であると、ハードコート性、テーバー試験後のヘーズの低下抑制の観点から、さらに好ましい。ここで、ナノダイヤ粒子は、カーボンナノファイバーとシリカのシングルナノ粒子との空間に位置するため、粒径が、20nm以下であれば使用可能であるが、粒径が大きいと、透明導電性薄膜の透過率が低下するため、例えば、3.7nm等の粒径が小さい方が好ましい。
本発明の透明導電性薄膜形成用分散液には、本発明の目的を損なわない範囲で、更に必要に応じ、添加剤等を配合することができる。
本発明の透明導電性薄膜形成用分散液は、例えば、カーボンナノファイバー、シリカのシングルナノ粒子、溶媒、およびその他添加剤等を同時にまたは別々に、必要により加熱処理を加えながら、撹拌、溶融、混合、分散させることにより得ることができる。これらの混合、撹拌、分散等の装置としては、特に限定されるものではないが、ライカイ機、ボールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミル等を使用することができる。また、これら装置を適宜組み合わせて使用してもよい。ここで、本発明者は、予め、シリカのシングルナノ粒子を含有する液を、シリカのシングルナノ粒子0.01〜2.3質量%と低含有率の液とした後、カーボンナノファイバーと混合して分散液とすることにより、分散したシリカのシングルナノ粒子を含有する透明導電性薄膜形成用分散液を作製する技術を確立した。
以上のように、カーボンナノファイバーと特定のシリカのシングルナノ粒子とを含有する透明導電性薄膜形成用分散液により、分散剤を用いずに、カーボンナノファイバーを含む透明導電性薄膜を常温で形成することが可能な分散液を提供することができ、カーボンナノファイバーを含む透明導電性薄膜形成用分散液の安価な多方面への用途開発が可能となる。
〔透明導電性薄膜付き基材〕
本発明の透明導電性薄膜付き基材は、上記透明導電性薄膜形成用分散液で形成された透明導電性薄膜を有する。透明導電性薄膜の厚さは、90〜120nmであると、透明導電性薄膜の透過率向上の観点から好ましい。図1に、本発明の透明導電性薄膜付き基材の断面図の一例を示す。図1に示すように、本発明の透明導電性薄膜付き基材1は、基材3の少なくとも一面に、上記透明導電性薄膜形成用分散液で形成された透明導電性薄膜2を有する。
基材の材質としては、ガラス、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂またはポリエチレンテレフタレート樹脂が挙げられる。
透明導電性薄膜付き基材は、透明導電性薄膜をプライマー層として使用することもできる。この透明導電性薄膜は、プライマー層として、その上に形成される層を高密着性で形成することができる。基材に形成されたプライマー層である透明導電性薄膜上に、フッ素樹脂コート層が形成することもできる。このとき、フッ素樹脂コート層の厚さが10〜20nm程度であれば、フッ素樹脂コート層上でも透明導電性薄膜による導電性を維持することができる。図2に、本発明の透明導電性薄膜付き基材の断面図の一例を示す。図2に示すように、本発明の透明導電性薄膜付き基材10は、基材13に形成されたプライマー層である透明導電性薄膜12上に、フッ素樹脂コート層14が形成される。
透明導電性薄膜付き基材は、透明薄膜と基材の間に、フッ素樹脂コート層が存在してもよい。本発明の透明導電性薄膜形成用分散液は、厚さが10nm〜500μmのフッ素樹脂コート層を有する基材のフッ素樹脂コート層上にも、導電性と密着性の高い透明導電性薄膜を形成することができる。このフッ素樹脂コートは、汚れ防止等の目的で使用することができる。
本発明の透明導電性薄膜付き基材の製造方法は、
温度:0〜10℃にした上記透明導電性薄膜形成用分散液を、湿度:50%以下で、基材の少なくとも一面に塗布する工程、および
透明導電性薄膜形成用分散液が塗布された基材を、温度0〜40℃で乾燥させる工程、
をこの順に含むことを特徴とする。図3に、本発明の透明導電性薄膜付き基材20の製造方法を説明するための断面図の一例を示す。図3に基づき説明をすると、本発明の透明導電性薄膜付き基材20の製造方法は、
温度:0〜10℃にした上記透明導電性薄膜形成用分散液を、湿度:50%以下で、基材23の少なくとも一面に塗布する工程、および
塗布された透明導電性薄膜形成用分散液22を有する基材を、温度0〜40℃で乾燥させる工程、
をこの順に含むことを特徴とする。
透明導電性薄膜形成用分散液の温度が、0℃未満では透明導電性薄膜形成用分散液中の水分が凍結するおそれがあり、10℃を超えると、透明導電性薄膜形成用分散液の揮発が早くなり、量産時での長時間の塗布中に透明導電性薄膜形成用分散液中の固形分(シリカのシングルナノ粒子とカーボンナノファイバー)濃度が上昇してしまうおそれがある。透明導電性薄膜形成用分散液を塗布するときの湿度が、50%を超えると透明導電性薄膜形成用分散液の塗膜中に雰囲気の水分を取り込みやすくなり、透明導電性薄膜形成用分散液の塗膜が白濁するおそれがある。特に、湿度が60%以上になると、透明導電性薄膜形成用分散液の塗膜が白濁する傾向が強くなる。また、塗布時の雰囲気温度は、常温である温度0〜40℃である。次に、透明導電性薄膜形成用分散液が塗布された基材を乾燥する温度は、常温である温度0〜40℃であり、5〜20℃であると好ましく、10〜15℃であると、より好ましい。
本発明の複合膜付き基材は、基材と、上記透明導電性薄膜形成用分散液で形成された透明導電性薄膜と、高屈折率導電性薄膜と、を含む。この複合膜は、反射率が低いので、光学等の透過性を求める用途に適している。
本発明について、実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、部、%はことわりのない限り、質量部、質量%を示す。
ジャパンナノコート製シリカバインダーには、4〜9nmのシリカのシングルナノ粒子20質量部と、メタノール80質量部とを混合したもの(品名:B−10)、および2nm以下のアモルファスシリカのシングルナノ粒子2質量部と、水98質量部を混合したもの(品名:B−2)を用いた。なお、比較例3では、2nm以下のシリカのシングルナノ粒子の結晶品2質量部と、水98質量部を混合したもの(品名:B−5’)を用いた。比較例4と5では、平均粒径:15nmのシリカのナノ粒子(扶桑化学製、品名:PL−1)20質量部と、メタノール80質量部とを混合したものを用いた。比較例6では、平均粒径:20nmのシリカのナノ粒子(日産化学製、品名:メタノールシリカゾル)を用いた。ここで、15nmのシリカのナノ粒子と20nmのシリカのナノ粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡写真で測定した(n=50)。
透過率の測定は、透過率が90%以上の場合には、島津製作所製分光光度計(型番:SolidSpec−3700DUV)により測定した。透過率が90%未満の場合には、EDTM製測定器(型番:Window Energy Profiler WP4500)により測定した。屈折率は、島津製作所製分光光度計(型番:SolidSpec−3700DUV)により測定した反射グラフから計算により求めた。表面抵抗値は、太洋電機産業製表面抵抗計(型番:WA−400、2点間抵抗法)で測定した。鉛筆硬度は、HB〜4Hの硬度の鉛筆を用いて、ガラス基材に形成した透明導電性薄膜をひっかき、透明導電性薄膜の欠けがでない最も硬い鉛筆の硬度とした。テープ剥離試験は、JIS K5400に準拠し、ガラス基材に形成した透明導電性薄膜に、カッターナイフで1mm×1mmの切り込みを100個入れ、ニチバン製セロファンテープを貼った後、セロファンテープを剥がし、透明導電性薄膜の剥離箇所の有無を観察した。屋外放置試験は、表面抵抗値を測定した後の試料を、1ヶ月屋外に放置して肉眼で観察した。
〔実施例1〕
ジャパンナノコート製シリカバインダーの品名:B−10と品名:B−5、およびメタノールを混合して作製した固形分2.2%液(4〜9nm:70質量部、2nm以下:30質量部)100質量部に、MDナノテック製CNF5%水分散液(品名:MDCNF/水)0.3質量部を加え、実施例1の透明導電性薄膜形成用分散液を作製した。
幅:155mm、長さ:155mm、厚さ:3mmのガラス基材(透過率:91.6%、屈折率:1.51、表面抵抗値:1013Ω)に対して、7〜10℃の実施例1の透明導電性薄膜形成用分散液を、都ローラー工業製コーティング装置を用いて、雰囲気温度:12〜18℃、湿度:36〜48%で、幅:155mm、長さ:155mmに塗布した。塗布後のガラス基材を温度:12〜18℃で1分間乾燥させ、厚さ:100μmの透明導電性薄膜付きガラス基材を得た。
得られた透明導電性薄膜付きガラス基材は、透過率:95.5%、屈折率:1.36、表面抵抗値:10Ω、鉛筆硬度:4H、テープ剥離:なし、屋外放置試験:変化なしであった。
〔実施例2〕
ジャパンナノコート製シリカバインダーの品名:B−10と品名:B−5、およびメタノールを混合して作製した固形分2.2%液(4〜9nm:85質量部、2nm以下:15質量部)100質量部に、MDナノテック製CNF5%水分散液(品名:MDCNF/水)0.3質量部を加え、実施例2の透明導電性薄膜形成用分散液を作製した。
ガラス基材(透過率:91.6%、屈折率:1.51、表面抵抗値:1013Ω)に対して、実施例1と同様にして、厚さ:100μmの透明導電性薄膜付きガラス基材を得た。
得られた透明導電性薄膜付きガラス基材は、透過率95.3%、屈折率:1.36、表面抵抗値:10Ω、鉛筆硬度:4H、テープ剥離:なし、屋外放置試験:変化なしであった。
〔実施例3〕
ジャパンナノコート製シリカバインダーの品名:B−5、およびメタノールを混合して作製した固形分2.2%液(4〜9nm:100質量部)に100質量部に、MDナノテック製CNF5%水分散液(品名:MDCNF/水)0.3質量部を加え、実施例3の透明導電性薄膜形成用分散液を作製した。
ガラス基材(透過率:91.6%、屈折率:1.51、表面抵抗値:1013Ω)に対して、実施例1と同様にして、厚さ:100μmの透明導電性薄膜付きガラス基材を得た。
得られた透明導電性薄膜付きガラス基材は、透過率:95.3%、屈折率:1.36、表面抵抗値:10Ω、鉛筆硬度:3H、テープ剥離:なし、屋外放置試験:変化なしであった。
〔実施例4〜7〕
表1に記載したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4〜7の透明導電性薄膜形成用分散液を作製し、評価を行った。表2に評価結果を示す。なお、実施例5、6は、透明導電性薄膜付きガラス基材の透過率が、ガラス基材の透過率より低下したので、透明導電性薄膜付きガラス基材の屈折率は測定しなかった。
〔比較例1〕
ジャパンナノコート製シリカバインダーの品名:B−10と品名:B−5、およびメタノールを混合して作製した固形分2.2%液(4〜9nm:60質量部、2nm以下:40質量部)を作製したが、シリカバインダー自体がゲル化し、固化した。
〔比較例2〕
ジャパンナノコート製シリカバインダーの品名:B−5、およびメタノールを混合して作製した固形分2.2%液(2nm以下:100質量部)を用意したが、シリカバインダー自体がゲル化、固化した。
〔比較例3〕
ジャパンナノコート製シリカバインダーの品名:B−10と品名:B−5’、およびメタノールを混合して作製した固形分2.2%液(4〜9nm:85質量部、シリカの結晶品の2nm以下:15質量部)100質量部に対し、MDナノテック製CNF5%水分散液(品名:MDCNF/水)0.3質量部を加え、比較例3の透明導電性薄膜形成用分散液を作製した。
ガラス基材(透過率:91.6%、表面抵抗値1013Ω)に対して、実施例1と同様にして、厚さ:100μmの透明導電性薄膜付きガラス基材を得た。
得られた透明導電性薄膜付きガラス基材は、透過率:94.1%、表面抵抗値:10Ω、鉛筆硬度:HB、テープ剥離:なし、屋外放置試験:変化なしであった。
〔比較例4〕
平均粒径:15nmのシリカのナノ粒子(扶桑化学製、品名:PL−1)20質量部と、ジャパンナノコート製シリカバインダーの品名:B−5と、メタノール80質量部を混合した固形分2.2%液(15nm:85質量部、2nm以下:15質量部)100質量部に、MDナノテック製CNF5%水分散液(品名:MDCNF/水)を0.3加え、比較例4の透明導電性薄膜形成用分散液を作製した。
ガラス基材(透過率:91.6%、表面抵抗値:1013Ω)に対して、実施例1と同様にして、厚さ:100μmの透明導電性薄膜付きガラス基材を得た。
得られた透明導電性薄膜付きガラス基材は、透過率:93.9%、表面抵抗値:1010Ω、鉛筆硬度:2H、テープ剥離:なし、屋外放置試験:変化なしであった。
〔比較例5〕
平均粒径:15nmのシリカのナノ粒子(扶桑化学製、品名:PL−1)20質量部と、メタノール80質量部を混合した固形分2.2%液(15nm:100質量部)100質量部に、MDナノテック製CNF5%水分散液(品名:MDCNF/水)0.3質量部を加え、比較例5の透明導電性薄膜形成用分散液を作製した。
ガラス基材(透過率:91.6%、表面抵抗値:1013Ω)に対し、実施例1と同様にして、厚さ:100μmの透明導電性薄膜付きガラス基材を得た。
得られた透明導電性薄膜付きガラス基材は、透過率93.5%、表面抵抗値:1010Ω、鉛筆硬度:H、テープ剥離:あり、屋外放置試験:変化なしであった。
〔比較例6〕
ジャパンナノコート製シリカバインダー固形分2.2%液(20nm:85質量部、2nm以下:15質量部)100質量部に、MDナノテック製CNF5%水分散液(品名:MDCNF/水)0.3質量部を加え、比較例6の透明導電性薄膜形成用分散液を作製した。
ガラス基材(透過率:91.6%、表面抵抗値:1013Ω)に対し、実施例1と同様にして、厚さ:100μmの透明導電性薄膜付きガラス基材を得た。
得られた透明導電性薄膜付きガラス基材は、透過率:93.2%、表面抵抗値:1010Ω、鉛筆硬度:H、テープ剥離:なし、屋外放置試験:変化なしであった。
〔比較例7〕
ジャパンナノコート製シリカバインダー固形分2.2%液(20nm:100質量部)100質量部に、MDナノテック製CNF5%水分散液(品名:MDCNF/水)0.3質量部を加え、比較例7の透明導電性薄膜形成用分散液を作製した。
ガラス基材(透過率:91.6%、表面抵抗値:1013Ω)に対し、実施例1と同様にして、厚さ:100μmの透明導電性薄膜付きガラス基材を得た。
得られた透明導電性薄膜付きガラス基材は、透過率:92.9%、表面抵抗値:1011Ω、鉛筆硬度:HB、テープ剥離:あり、屋外放置試験:変化なしであった。
〔参考例1〕
ジャパンナノコート製シリカバインダーの品名:B−10と品名:B−5、およびメタノールを混合して作製した固形分2.2%液(4〜9nm:70質量部、2nm以下:30質量部)100質量部に、分散剤を使用しているCナノ製のCNT5%分散液(分散剤を1%含有)0.3質量部を加え、比較例8の透明導電性薄膜形成用分散液を作製した。
ガラス基材(透過率:91.6%、表面抵抗値:1013Ω)に対し、実施例1と同様にして、厚さ:20μmの透明導電性薄膜付きガラス基材を得た。
得られた透明導電性薄膜付きガラス基材は、透過率:92.3%、表面抵抗値:10Ω、鉛筆硬度:2H、テープ剥離:ありであった。
次に、屋外放置試験を行ったが、透明導電性薄膜が黄変し、透過率が70%に低下した。
〔実施例1〜7、比較例1〜7、参考例1の結果のまとめ〕
実施例1〜7の全てで、透過率、表面抵抗値、鉛筆硬度、テープ剥離、屋外放置試験の結果が良好であった。特に、シングルナノ粒子が、97.7〜99.3質量部である実施例1〜4、7では、透明導電性薄膜の屈折率が低く、透明導電性薄膜付きガラス基材の透過率がガラス基材自体より高くなり、非常に良好な結果であった。
これに対して、2nm以下のシングルナノ粒子が多すぎる比較例1と2では、ゲル化し、固化してしまい、透明導電性薄膜形成用分散液が得られなかった。2nm以下のシングルナノ粒子がアモルファスシリカを含まない比較例3では、透過率、鉛筆硬度が低下した。シングルナノ粒子ではないシリカナノ粒子を使用した比較例4〜6では、表面抵抗値が高く、鉛筆硬度が低下した。20nmのシリカナノ粒子を使用した比較例7では、表面抵抗値が高く、鉛筆硬度が低下し、テープ剥離もあった。分散剤を含有する市販のCNT分散液を使用した参考例1は、鉛筆硬度が低く、テープ剥離もあり、屋外放置試験を行ったが、透明導電性薄膜が黄変し、透過率が70%に低下した。
〔実施例8〕
ジャパンナノコート製シリカバインダーの品名:B−10と品名:B−5、およびメタノールを混合して作製した固形分2.2%液(4〜9nm:70質量部、2nm以下:30質量部)20質量部に対し、メタノール75%、MDナノテック製CNF5%水分散液(品名:MDCNF−D、CNF/水)5質量部を加え,実施例7の透明導電性薄膜形成用分散液を作製した。
(1)ガラス基材(透過率:91.6%、表面抵抗値:1013Ω)に対し、実施例1と同様にして、厚さ:100μmの透明導電性薄膜付きガラス基材を得た。
得られた透明導電性薄膜付きガラス基材は、透過率:68%、表面抵抗値:10Ω、鉛筆硬度:4H、テープ剥離:なし、屋外放置試験:変化なしであった。
(2)次に、実施例7の透明導電性薄膜形成用分散液を、SHARP製超音波発生装置(型番:UT1204、電源:100V、高周波出力:最大1200W、40kHz)で10分間、超音波分散した後、都ローラー工業製転写ロール型塗布装置を使用して塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ:100μmの透明導電性薄膜付きガラス基材を得た。得られた透明導電性薄膜付きガラス基材は、透過率:72%、表面抵抗値:10Ω、鉛筆硬度:4H、テープ剥離:なし、屋外放置試験:変化なしであった。
(3)超音波分散した透明導電性薄膜形成用分散液を1日経過後に、都ローラー工業製転写ロール型塗布装置を使用して塗布したと以外は、実施例1と同様にして、厚さ:100μmの透明導電性薄膜付きガラス基材を得た。得られた透明導電性薄膜付きガラス基材は、透過率:70%、表面抵抗値10Ω、鉛筆硬度:4H、テープ剥離:なし、屋外放置試験:変化なしであった。
実施例8の(1)と(2)の比較から、透明導電性薄膜形成用分散液を超音波分散した後、転写ロール型塗布装置を使用して塗布することにより、透過率を高くし、表面抵抗値を非常に低くすることができた。実施例8の(2)と(3)の比較から、超音波分散した透明導電性薄膜形成用分散液を放置することにより、透過率が低くなった。
Figure 0005933043
Figure 0005933043
〔実施例9:フッ素樹脂コート試験1〕
アクリルフィルム(透過率:95.2%)上に、7〜10℃の実施例1の透明導電性薄膜形成用分散液を、都ローラー工業製コーティング装置を用いて、実施例1と同様に塗布、乾燥し、厚さ:100nmの透明導電性薄膜を作製した。次に、透明導電性薄膜上に、新昭和コート製工業用
フッ素樹脂コーティング剤(品名:G−140)を、都ローラー工業製コーティング装置を用いて、塗布し、常温で乾燥し、厚さ:20nmのフッ素樹脂コート層を作製した。フッ素樹脂コート層の水との接触角は、103〜109°だった。フッ素樹脂コートによる表面抵抗値の変化はなく、透過率:94.7%、屈折率:1.36、表面抵抗値10Ω、鉛筆硬度4H、テープ剥離:なしであった。
〔比較例9:フッ素樹脂コート試験1〕
アクリルフィルム上に、新昭和コート製工業用
フッ素樹脂コーティング剤(品名:G−140)を、都ローラー工業製コーティング装置を用いて、塗布し、常温で乾燥し、厚さ:20nmのフッ素樹脂コート層を作製した。フッ素樹脂コーティングの水との接触角は、90〜94°だった。
〔実施例10:フッ素樹脂コート試験2〕
ガラス基材(透過率:94.6%)上に、7〜10℃の実施例1の透明導電性薄膜形成用分散液を、都ローラー工業製コーティング装置を用いて、実施例1と同様に、塗布、乾燥し、厚さ:100nmの透明導電性薄膜を作製した。次に、透明導電性薄膜上に、新昭和コート製工業用
フッ素樹脂コーティング剤(品名:G−140)を、都ローラー工業製コーティング装置を用いて、塗布し、常温で乾燥し、厚さ:20nmのフッ素樹脂コート層を作製した。フッ素樹脂コート層の水との接触角は、111°だった。フッ素樹脂コートによる表面抵抗値の変化はなく、透過率:94.7%、屈折率:1.36、表面抵抗値10Ω、鉛筆硬度4H、テープ剥離:なしであった。
〔比較例10:フッ素樹脂コート試験2〕
ガラス基材(透過率:94.6%)上に、新昭和コート製工業用
フッ素樹脂コーティング剤(品名:G−140)を、都ローラー工業製コーティング装置を用いて、塗布し、常温で乾燥し、厚さ:20nmのフッ素樹脂コート層を作製した。フッ素樹脂コート層の水との接触角は、105°だった。透過率は、91.6であった。
〔フッ素樹脂コート試験1、2の結果のまとめ〕
実施例9、10ともに、ガラス基材上の本発明の透明導電性薄膜上にフッ素樹脂コート層を形成することにより、ガラス基材上に直接フッ素樹脂コート層を形成した比較例9、10より、水との接触角が高くなり、撥水性が向上した。この実施例9、10の構成は、導電性を有し、撥水性が向上により耐指紋性が高いので、タッチパネル、屋外ATM、屋外広告等の用途に非常に適している。
〔フッ素コート試験3〕
市販のフッ素鋼板上に、実施例1〜8、比較例3〜8の透明導電性薄膜形成用分散液を、都ローラー工業製コーティング装置を用いて、実施例1と同様に、塗布、乾燥し、厚さ:100nmの透明導電性薄膜を作製した。実施例1〜3、7では、テープ剥離:なしであったが、実施例4、5,8と比較例3〜8は、テープ剥離:ありであった。
シングルナノ粒子が、97.7〜99.3質量部である実施例1〜4、7では、フッ素鋼板との密着性も良好であった。
本発明は、光学分野やタッチパネルでは、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂ポリカーボネート(PC)樹脂等の基材に、導電性、耐摩耗性を向上させる透明導電性薄膜を形成するための分散液である。本発明は、建築分野では、ウレタン樹脂、フッ素塗装材、太陽光パネルのガラス材、ビニールハウス用塩化ビニル、鋼板等の建材に、帯電防止性、放熱性、耐摩耗性を向上させる透明導電性薄膜を形成するための分散液である。
1、10、20 透明導電性薄膜付き基材
2 透明導電性薄膜
3、13、23 基材
12 プライマー層である透明導電性薄膜
14 フッ素樹脂コート層
22 塗布された透明導電性薄膜形成用分散液

Claims (8)

  1. カーボンナノファイバーと、シリカのシングルナノ粒子と、溶媒とを含み、
    透過型電子顕微鏡で測定したシングルナノ粒子の粒径が、シングルナノ粒子100質量部に対して、4〜9nm:70〜100質量部、2nm以下:0〜30質量部であり、2nm以下のシングルナノ粒子がアモルファスシリカを含み、シングルナノ粒子が、シングルナノ粒子とカーボンナノファイバーとの合計100質量部に対して、18〜99.5質量部であることを特徴とする、透明導電性薄膜形成用分散液。
  2. 溶媒が、メタノールおよび水である、請求項1記載の透明導電性薄膜形成用分散液。
  3. シングルナノ粒子が、シングルナノ粒子とカーボンナノファイバーとの合計100質量部に対して、97.7〜99.3質量部である、請求項1または2記載の高透過率の透明導電性薄膜形成用分散液。
  4. 請求項1〜のいずれか1項記載の透明薄膜形成用分散液で形成された透明導電性薄膜を有する、透明導電性薄膜付き基材。
  5. 基材が、ガラス、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂またはポリエチレンテレフタレート樹脂である、請求項記載の透明導電性薄膜付き基材。
  6. 透明導電性薄膜をプライマー層として使用する、請求項または記載の透明導電性薄膜付き基材。
  7. 基材に形成されたプライマー層である透明導電性薄膜上に、フッ素樹脂コート層が形成された、請求項記載の透明導電性薄膜付き基材。
  8. 温度:0〜10℃にした請求項1〜のいずれか1項記載の透明導電性薄膜形成用分散液を、湿度:50%以下で、基材の少なくとも一方の面に塗布する工程、および
    透明導電性薄膜形成用分散液が塗布された基材を、温度0〜40℃で乾燥させる工程、
    をこの順に含むことを特徴とする、透明導電性薄膜付き基材の製造方法。
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