JP5932215B2 - 減摩コーティング - Google Patents

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Description

本発明は、スズに加えて、主要合金元素としてアンチモン及び銅からなる群からの少なくとも1つの元素を含有し、所望により鉛及び/又はビスマスを含有し、そして製造工程中におけるそれらの元素に由来する不可避の不純物を含有するスズベースの合金から作製された多層構造の摩擦軸受のための減摩コーティングであり、アンチモンの割合が最大で20重量%であり、銅の割合が最大で10重量%であり、鉛とビスマスの合計の割合が最大で1.5重量%であり、銅とアンチモンの合計の割合が2重量%〜22重量%であり、そしてスズが金属間相の形で結合され且つβスズ結晶粒を有するスズ相の形で自由に存在している減摩コーティングであって、多層構造の摩擦軸受は、少なくとも1つの金属ベースの層と、減摩コーティングを含み、所望により前記減摩コーティングと前記金属ベースの層との間に配置された軸受金属層を備えている、多層構造摩擦軸受のための減摩コーティングに関する。
多層構造摩擦軸受の減摩コーティングにスズベースの合金を使用することは、先行技術からすでに知られている。
例えば、文献DE 82 06 353 U1には、鋼の軸受胴と、軸受層を含み、所望により1以上の結合層及び/又は遮断層を含むとともに、最大で2重量%のCu、2〜18重量%のSb、0〜最大で0.6重量%のAs、0〜最大で0.5重量%のNi及び0〜最大で1.5重量%のCdを含有するスズベースのホワイトメタル軸受合金から作製された電着(galvanically deposited)減摩コーティングを含む、減摩軸受胴が記載されている。
文献DE 20 2007 018 616 U1には、5〜20重量%のSb、0.5〜25重量%のCu及び最大で0.7重量%のPbを含有するスズベースの合金から作製された基材層上に電着された減摩コーティングをやはり有する、減摩エレメントが記載されている。他の全ての元素の合計含有量は0.5重量%未満である。この場合における重要な特徴は、スズ結晶が大部分は球状であるということである。
上述した文献の最初のもの、DE 82 06 353 U1の場合には、銅の割合が高くなるほど減摩コーティングのトライボロジー特性の面で不利となるが、この文献DE 20 2007 018 616 U1において開示される教示は、明らかにこれと反対である。
減摩コーティングにおける銅の割合を下げる必要を避けるために、文献GB 2 375 801 Aには、二層構造の減摩コーティングを有する多層構造の軸受が記載されており、その外側の部分層は、0.5〜10重量%のCuと、所望により5重量%までのZn、In、Sb又はAgとを含有するスズベースの合金から作製され、下に位置する第2の部分層は5〜20重量%のCuを含有するスズベースの合金から作製される。
文献DE 10 2007 030 017 B4には、いわゆる溝付軸受のための、スズベースの合金を含有する減摩コーティングが開示されており、このスズベースの合金は、減摩コーティングの溝に組み込まれ、そして20重量%までのCuを含有し、所望により10重量%までのAgと15重量%までのSbを含有している。
文献DE 100 54 461 A1にも、耐腐食摩耗性を高めるように設計されたスズベースの三層構造の減摩コーティングを有する多層構造の摩擦軸受が記載されている。このスズベースの合金は、Cu、Sb、Ag、In、Zn、Ni、Co及びFeからなる群からの少なくとも1つの金属を30重量%までの割合で含有する。窒化物又は炭化物の形の硬質粒子も、25容量%までの割合で取り入れることができる。減摩コーティングの中間層は、最上部分層及び最下部分層よりもこれらの添加剤をより大きな割合で含有する。
文献DE 197 28 777には、スズに加えて、3〜20重量%のCuを含有し、所望によりそれぞれ20重量%までのBi、Ag又はNiを含有する、多層構造の摩擦軸受のための減摩コーティングが開示されている。
鉛にはスズに勝る有意の利点があることから、これまでは、鉛コーティングも減摩層として用いられることが多かった。しかしながら、鉛は、環境に優しいものではないという点において問題がある。
本発明の目的は、鉛含有量が低いか又は鉛を含まない減摩コーティングを提供することである。
この目的は、スズベースの合金中のβスズ結晶粒が少なくとも1つの優先配向をとる、上で概説した減摩コーティングを踏まえて、そして上記と関係なく、本発明によって提案される減摩コーティングを備えた上で概説した多層構造の摩擦軸受により、達成される。
前記優先配向を定量化するために、配向指数M{hkl}を次のように定義する。
Figure 0005932215
この式において、I{hkl}は減摩コーティングの{hkl}面のXRD強度(X線回折強度)を表し、I0{hkl}は完全無配向スズ粉末サンプルのXRD強度を表す(ICDD PDF 00−004−0673)。
回折強度ΣI{hkl}とΣI0{hkl}は、同じ範囲で総計する必要があり、例えば、CuKα線を使用したときには、回折角2θが30°〜90°の全ての反射に対応する{200}〜{431}の全ての反射強度を総計する必要がある。
本発明によって提案される優先配向は、配向指数が少なくとも1組のネットワークレベルM{hkl}3.0に達するかそれを超えるときに存在する。
鉛含有量が低いか又は鉛を含まない減摩コーティングの製造を目的として、本出願人もやはり、とりわけ銅及び/又はアンチモンを含有するスズベースの合金についての試験を行い、そして驚くべきことに、これらのスズベースの合金のうちの一部のものが他のものよりも有意に良好なトライボロジー特性及び/又は有意に高い疲労強度を示すことを見いだした。
X線回折法を用いてこれらのスズベースの合金の構造について試験を行うことにより、これらのスズベースの合金中のβスズ結晶子は対称性に関して等価な面の明確な配向を一方向に有することを、回折パターンから確認した。この物質はそれ自体が比較的軟質であり、そのため汚染物質粒子を取り込む能力の面で優れた特性を示すとは言え、本発明によって提案されるスズベースの合金はより良好な耐摩耗性及び/又はより高い疲労強度も示した。後者は配向したスズ結晶子によるものと考えられており、極測定により減摩コーティングの組織構成は表面に法線に対して回転対称的に形成されることが示された。
XRD試験中に、全体としてはコーティングの耐摩耗性又は疲労強度を損なわない表面におけるわずかな変化でも、測定した回折図形において著しい変化をもたらすことも分かった。しかしながら、減摩コーティングの優先配向における見掛けの変化は、X線のわずかな侵入深さにより誘起される因子である。優先配向を測定するためには、損傷を受けた表面領域を、例えばイオンエッチングにより、慎重に取り除くか、あるいはより好ましくは、その発生を完全に防止する必要がある。表面領域に対する損傷は、例えば、コーティング後の機械加工、すなわち作業中の摩耗により、又は追加のコーティング又は耐腐食コーティングの適用により、起こる可能性がある。
ミラー指数に基づく少なくとも1組のネットワークレベルの配向指数M{hkl}の値は、少なくとも6.0、とりわけ少なくとも9.0である。
驚くべきことに、本発明によって提案されるコーティングは、他の面では、例えば組成、硬さ又は表面粗さに関しては、先行技術から知られているコーティングと全く変わらない又はほとんど変わらないにもかかわらず、より良好な耐摩耗性及び増大した疲労強度を示すことが見いだされた。
この効果は、特に、βスズ結晶粒が少なくともミラー指数に基づく面{hk1}(ここでは、hはいずれの場合もkより1大きく、hは最大で4の値をとる)に配向された場合に生じた。
これの利点は、ミラー指数に基づく{321}に沿って配向したβスズ結晶粒によって生じるX線回折図形のピーク下の面、すなわち強度が、{431}に沿って配向したβスズ結晶粒によって生じるピーク下の面、すなわち強度よりも少なくとも1.2倍大きい場合に、上記の効果を更に向上させることができるということである。
しかしながら、驚くべきことに、この効果は、上述したこの原則を満たしておらず、あるいは部分的にしか満たしておらず、その代わりにスズベースの合金の構造が、配向したβスズ結晶粒によって生じたピーク下の面、すなわちそれらの強度によって表される、ミラー指数に基づく{220}に沿って、少なくとも30%まで、特に40%まで、好ましくは50%まで配向したβスズ結晶粒を含む場合にも、やはり生じた。
本発明の範囲内においては、アンチモンの割合が5重量%〜15重量%であり且つ銅の含有量が0.5重量%〜5重量%である場合が好ましい。これに基けば、製造された減摩コーティングは良好な埋め込み特性に加えて耐摩擦性もより良好であった。
特に、アンチモンの割合は7重量%〜12重量%であることができ、銅の含有量は1重量%〜3.75重量%であることができる。
本発明は基本的には無鉛の減摩コーティング得ることであったが、今でもなお許容されるであろう最大で0.1重量%、特に最大で0.05重量%の鉛含有量を選ぶことが本発明の範囲内において可能であることが分かった。本発明のこれらの実施形態は、EUの使用済み自動車に関する指令(指令2000/53/EC「ELV指令」)の意義の範囲内において、なおも無鉛と見なすことができる。
しかしながら、いくつかの用途については、スズベースの合金の鉛含有量及び/又はビスマス含有量が高い方が有利であることが立証されているが、とは言えかかる状況では、鉛含有量及び/又はビスマス含有量は0.2重量%〜0.5重量%の値、特に0.2重量%〜0.35重量%の値に制限される。鉛は粒界に蓄積し、それらの強度を増大すると考えられる。ビスマスは明らかに同じ機能を果たし、無鉛合金において鉛の代わりに用いることができる。
鉛及び/又はビスマスの含有量が1.5重量%を超えて増加すると、合金コーティングの耐熱性の急激な低下につながり、そのためいかなる利点もない。
耐摩擦性を更に向上させるため、すなわち減摩コーティングにより高い硬さを与えるためには、スズベースの合金が、合計で最大3重量%の割合で合金に添加される、ジルコニウム、ケイ素、亜鉛、ニッケル及び銀からなる群からの少なくとも1つの元素を含有すると有利である。この点について言うと、ジルコニウムの割合は最大で1.5重量%でよく、ケイ素の割合は最大で1.2%でよい。
一実施形態として、ジルコニウムとケイ素が元素としてあるいは金属間相として存在しない代わりに、スズベースの合金が酸素及び/又は炭素も含有するという選択肢があり、そしてこれはスズベースの合金中に分散しているZrO2及びSiCの硬質粒子が存在することを意味し、これは同じように減摩コーティングの強度を向上させるのを可能にする。
これに関連して、これらのZrO2粒子及びSiC粒子は平均径が0.01μm〜1μmであると有利であり、その結果よりきめの細かい構造がもたらされる。1μmを上回る粒径では上記の効果が損なわれることが観察された。
多層構造摩擦軸受の一実施形態の場合には、中間コートが軸受金属層と減摩コーティングとの間に配置され、その中間コートは、電着されるか又は拡散により適用される1以上の部分コーティングを含み、その部分コーティングのおのおの又は中間コーティング自体がクロム、ニッケル、鉄、コバルト、銅及びスズからなる群からの1以上の元素を含有する。これによると、多層構造の摩擦軸受のより良好な構造上の硬さを、特に減摩コーティングの比較的軟質なスズベースの合金に関して、得ることが可能であった。
これに関して言うと、減摩コーティングがより良好なトライボロジー特性を有し且つより軟質であるように、中間コーティングが減摩コーティングの硬さよりも少なくとも3倍大きく、そしてまた中間コーティングが適用される基材の硬さよりも大きい硬さを有し、それにより基材上の減摩コーティングにとってのより良好な支持体となると有利である。
また、中間コーティングの硬さが減摩コーティングの硬さよりも少なくとも5倍大きい場合も有利である。
より明確に理解するために、添付の図面を参照して本発明をより詳しく説明する。
これらは模式簡略図であり、以下を例示している。
半割り摩擦軸受胴の多層構造の摩擦軸受を示す図である。 SnSb11Cu4Biから作製された本発明により提案される減摩コーティングの表面のX線回折パターンを示す図である。 SnSb7CuPbZrO2から作製された本発明により提案される減摩コーティングのX線回折図形を示す図である。 SnCu3から作製された本発明により提案される減摩コーティングのX線回折図形を示す図である。 SnSb8CuPbから作製された本発明により提案される減摩コーティングを有する試験摩擦軸受について調べたX線回折図形であり、試験前に上から測定したX線回折図形と、摩耗により損傷を受けた表面領域により歪められた、試験後の中間部で測定したX線回折図形と、損傷を受けた表面領域をイオンエッチングにより除去した下部を測定したX線回折図形、を示す図である。 先行技術から知られており組成SnSb7Cu1Pbをベースとする減摩コーティングのX線回折図形を示す図である。 先行技術から知られており組成SnCu6Pb1をベースとする減摩コーティングのX線回折図形を示す図である。
図1は、摩擦軸受胴の形をした多層構造の摩擦軸受1の断面を示している。図示している実施形態は、金属の基材層2と、軸受金属層3と、減摩コーティング4とを備えている多層構造の摩擦軸受1の三層構造の実施形態である。軸受金属層3は、減摩コーティング4と金属基材層2との間に配置されている。
例えば自動車に用いられているような、かかる三層式の軸受の主構造は、先行技術から知られているものである。コーティングは、公知の方法でもって適用してよく、例えば密着性を与えるためのコーティングを減摩コーティング4と軸受金属層3及び/又は拡散バリアコーティングとの間に適用することができ、また同じように軸受金属層3と金属基材層2との間に密着コーティングを設けてもよい。
本発明の範囲内において、多層構造の摩擦軸受1は異なる設計のものでもよく、例えば、図1において破線で示されるように軸受ブッシュであってもよい。他の考えられる実施形態としては、シンクロナイザーリング、軸方向に延びるスライディングブロック又は同様のものが挙げられる。
本発明の範囲内において提供されるもう一つの可能性は、軸受金属層3をなくすことであり、この場合には減摩コーティング4は金属基材層2に直接か又は間に塗布した接着剤を用いて適用され、及び/又は金属基材層2に拡散バリアコーティングを適用することである。やはり本発明の範囲内において、直接コーティングを、例えばロッドアイを連結するために適用してもよく、この場合には金属基材層2は必ずしも層構造設計のものではない。
金属基材層2は、通常、鋼鉄、又は多層構造の摩擦軸受1に必要な構造強度を与える材料から作製される。かかる材料は先行技術から知られている。
軸受金属層3には、減摩軸受エレメントのための標準として用いられているものなどの様々な合金を用いることができる。これらの例は以下のものである。
1.アルミニウム基材を備えた軸受用金属(DIN ISO 4381及び4383に準拠)であって、次に示すもの:
AlSn6CuNi、AlSn20Cu、AlSi4Cd、AlCd3CuNi、AlSi11Cu、AlSn6Cu、AlSn40、AlSn25CuMn、AlSi11CuMgNi、AlZn4Si。
2.銅基材を備えた軸受用金属(DIN ISO 4383に準拠)であって、次に示すもの:
CuSn10、CuAl10Fe5Ni5、CuZn31Si、CuPb24Sn2、CuSn8Bi10、CuSn4Zn。
当然、上記のもの以外の軸受用金属も用いることができる。
本発明により提案されるように、減摩コーティング4は、アンチモン及び銅からなる群からの少なくとも1つの元素を含有し、所望により鉛及び/又はビスマスを含有している、スズベースの合金から作製される。アンチモンの割合は最大で20重量%、特に5重量%〜15重量%であり、銅のそれは最大で10重量%、特に0.5重量%〜5重量%である。鉛及び/又はビスマスの合計の割合は最大で1.5重量%、特に0.2重量%〜0.5重量%である。アンチモン及び銅の両方を用いる場合には、これらの元素の合計の割合は少なくとも2重量%、特に2重量%〜22重量%である。本発明により提案される無鉛スズベースの合金を得るためには、鉛含有量は最大で0.1重量%、好ましくは最大で0.05重量%に限定される。
スズのマトリックスを強化するために、もう1つの選択肢は、スズベースの合金が少なくとも、ジルコニウム、ケイ素、亜鉛、ニッケル、及び銀からなる群からの元素を含有することであり、この場合それらの割合は最大で3重量%に限定される。この点に関して言うと、ジルコニウムとケイ素は必ずしも金属間相として存在しなくてよく、その代わりにZrO2粒子又はSiC粒子の形で存在してもよい。この場合は、これらの粒子の平均径が0.01μm〜1μm、特に0.05μm〜0.75μmに制限されると有利である。
減摩コーティング4の被覆厚さは10μm〜2000μmでよい。これに関して言うと、コーティングを金属基材層1に直接適用する場合には500μm〜2000μmの被覆厚さを用いるのに対し、減摩コーティング4を例えば青銅上の鋳造ホワイトメタルの代わりとして用いる場合には100μm〜400μmの被覆厚さを用いるのが好ましく、そして減摩コーティング4を3つの材料から作製される軸受におけるランニング層として用いる場合には、15μm〜40μmの被覆厚さを選ぶことが好ましい。
上述したように、多層構造の摩擦軸受1に中間コーティングを適用してもよい。これらの中間コーティングは、単一層で構成してもよく、あるいはいくつかの部分コーティングから構成してもよい。詳しく言うと、これらの中間コーティングは、クロム、ニッケル、鉄、銅又はスズからなる群からの一元素から作製され、また、混合した態様も可能であって、例えば、これらの元素のうちの少なくとも2つ、例としてクロムとニッケル、又は鉄とスズを含有する中間コーティングを用いることが可能である。いくつかの部分コーティングで構成されている中間コーティングの場合には、個々の部分コーティングにおける割合は異なっていてよく、例えば、硬化用の合金元素、すなわちクロム、ニッケル、鉄、銅の含有量を、減摩コーティング4の下に最外部の部分コーティングから軸受金属層3に向かう方向に、例えば勾配の形でもって、適用してもよく、あるいは金属基材層2が(それぞれの)次の部分コーティングに向かって、例えば勾配の形でもって増加する部分コーティングを有してもよい。
密着力を与えることを目的として、スズコーティング又はスズベースの合金のコーティングを、本発明により提案される多層構造の摩擦軸受1の中間コーティングとして用いると有利であることが判明した。
上述の、好ましくは中間の、コーティングの代わりに、先行技術から知られている他のコーティングを用いることも可能であろう。
中間コーティングの被覆厚さ、又は部分コーティングの合計の被覆厚さは、0.5μm〜10μm、好ましくはそれぞれ1μm、4μmでよい。この中間コーティングは全体として、又は部分コーティングの少なくとも1つは、減摩コーティング4よりも3倍硬く、好ましくは基材よりも硬質であると、特に有利である。減摩コーティング4は、例えばビッカース硬さが10〜50でよく、その結果中間コーティング、又は部分コーティングの少なくとも1つは、HV80〜HV300の硬さを持つことができる。試験荷重レベルは、それ自体公知の方法により測定されるコーティングの被覆厚さに依存する。40μmの被覆厚さまでは1ポンド〜3ポンドの試験荷重、80μm〜300μmでは10ポンドの試験荷重が用いられる。
減摩コーティング4は、好ましくは電気めっき法で製造される。この目的のためには、鋼鉄の保護層と軸受金属層3から作製されるバイメタルストリップをまず最初に作り、そして所望により材料を除去して形を作り直し及び/又は加工する。本発明により提案される減摩コーティング4は軸受金属層3上に、例えば次の条件下で被着される。
{hk1}配向のSnSb6Cuの場合の電解質及び被着パラメーター:
Sn 35g/l(テトラフルオロホウ酸スズ(II)として)
Sb 3g/l(三フッ化アンチモンとして)
Cu 0.5g/l(テトラフルオロホウ酸銅(II)として)
安定剤且つ塩基性電解質、導電性塩又は錯化剤
酸化防止剤
添加剤1及び/又は2
電流密度 2A/dm2
温度 35℃
{220}配向のSnSb11Cu4Biの場合の電解質及び被着パラメーター:
Sn 50g/l(テトラフルオロホウ酸スズ(II)として)
Sb 6g/l(三フッ化アンチモンとして)
Cu 4g/l(テトラフルオロホウ酸銅(II)として)
Bi 0.5g/l(メタンスルホン酸ビスマス(III)として)
安定剤且つ塩基性電解質、導電性塩又は錯化剤
酸化防止剤
添加剤1及び/又は2
電流密度 3A/dm2
温度 15℃
スズは、テトラフルオロホウ酸スズ(II)、メタンスルホン酸スズ(II)、硫酸スズ(II)、ピロリン酸スズ(II)の形で用いることができる。一般的に言えば、電解液中のスズの濃度は0.1mol/l〜1mol/lでよい。
アンチモンは、テトラフルオロホウ酸アンチモン(III)、三フッ化アンチモン、酸化アンチモン(III)、酒石酸アンチモンカリウムの形で用いることができる。一般的に言えば、電解液中のアンチモンの濃度は最大0.3mol/lまででよい。
銅は、テトラフルオロホウ酸銅(II)、メタンスルホン酸銅(II)、硫酸銅(II)、ピロリン酸銅(II)の形で用いることができる。一般的に言えば、電解液中の銅の濃度は最大0.3mol/lまででよい。
鉛は、テトラフルオロホウ酸鉛(II)、メタンスルホン酸鉛(II)、ピロリン酸鉛(II)、酢酸鉛の形で用いることができる。一般的に言えば、電解液中の鉛の濃度は最大0.01mol/lまででよい。
ビスマスは、三フッ化ビスマス、メタンスルホン酸ビスマス(III)、硫酸ビスマス(III)、ピロリン酸ビスマス(III)の形で用いることができる。一般的に言えば、電解液中のビスマスの濃度は最大0.01mol/lまででよい。
銀は、テトラフルオロホウ酸銀、メタンスルホン酸銀、ピロリン酸銀、硫酸銀の形で用いることができる。一般的に言えば、電解液中の銀の濃度は最大0.3mol/lまででよい。
亜鉛は、テトラフルオロホウ酸亜鉛(II)、メタンスルホン酸亜鉛(II)、硫酸亜鉛(II)、ピロリン酸亜鉛(II)の形で用いることができる。一般的に言えば、電解液中の亜鉛の濃度は最大0.3mol/lまででよい。
ニッケルは、テトラフルオロホウ酸ニッケル(II)、メタンスルホン酸ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)、ピロリン酸ニッケル(II)の形で用いることができる。一般的に言えば、電解液中のニッケルの濃度は最大0.3mol/lまででよい。
考えられる安定剤且つ塩基性電解質、導電性塩又は錯化剤は、総濃度0.2mol/l〜2mol/lの、テトラフルオロホウ酸、フッ化物系の酸、メタンスルホン酸、酒石酸並びにそのアルカリ塩及びアンモニウム塩、クエン酸並びにそのアルカリ塩及びアンモニウム塩、ピロリン酸アンモニウム、ピロリン酸アルカリ塩、ホスホン酸並びにそのアルカリ塩及びアンモニウム塩、2,2−エチレンジチオジエタノール、フェノールスルホン酸、及びクレゾールスルホン酸、である。
考えられる酸化防止剤は、総濃度0.03mol/l〜0.3mol/lの、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロカテコール、ピロガロール、ホルムアルデヒド、メタノール、である。
考えられる添加剤1は、総濃度0.0005mol/l〜0.05mol/l、好ましくは0.002mol/l〜0.02mol/lの、フェノールフタレイン、チオ尿素及びその誘導体、α又はβナフトール及びそのエトキシレート、α及びβナフトールスルホン酸及びそのエトキシレート、o−トルイジン、ヒドロキシキノリン、リグニンスルホネート、ブチエンジオール、である。
考えられる添加剤2は、総濃度0g/l〜20g/lの、ゼラチン、陶砂、非イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール及びそれらの機能性誘導体、ペプトン、グリシン、である。
上記の電解質群の構成物質の混合物、例えば、1つの金属又は各金属の少なくとも2種の塩、及び/又は少なくとも2種の安定剤、及び/又は少なくとも2種の酸化防止剤、及び/又は少なくとも2種の添加剤1、及び/又は少なくとも2種の添加剤2、を用いることも可能である。
ジルコニウム及びケイ素は、浴中に分散された上記の粒度を有するZrO2又はSiC粒子の形で用いることができる。
亜鉛、ニッケル、鉛、ビスマス、銀及びその他の合金用元素は、上記の可溶性化合物又は錯体の形で適当な電解液に添加し、これらから被着させることができる。合金を形成するもう1つの方法は、前記元素をコーティング中に拡散させるか又は電解液中に懸濁された粒子からそれらを被着させることによるものである。
このようにして製造された減摩コーティング4ははっきりしたβスズ相を有し、そしてそれには金属間相が他の合金用元素の個々のものとともに及び/又は他の合金用元素間に存在する。
減摩コーティング4について行った試験中に、先行技術に対応するもの以外の例として本発明による以下の合金組成が作られた。下記の表1、表2及び表3に示した組成に関する総ての数値は重量%によるものとして読みとるべきである。いずれの事例でも100重量%にするための残りの量はスズである。
対応する減摩コーティング4についての試験結果も、表1、表2及び表3に示されている。
25〜35μm被覆厚さの減摩コーティング4を有する、鋼鉄基材層2と鉛青銅軸受金属層3から作製された図1に例示するタイプの摩擦軸受胴について、試験を行った。軸受胴についての試験は、スライド速度12m/秒で荷重を徐々に変化させながら特定の荷重振幅60Mpaで300万回の荷重サイクルをかけて行った。
試験後に、半割りの胴を測定し、こうして減摩コーティング4の摩耗を判定した。減摩コーティング4の疲労強度を視覚的に評価した。
視覚的評価での評点1〜5は、非常に良好な状態(1:円滑運転)から非常に不良の状態(5:広い表面積に顕著な永久的破損)までの範囲に及ぶ。
表1は、図2〜図7に例として回折図形を示している減摩コーティング4の試験結果を示している。それらの回折図形から読み取った強度とこれらの値から算出した配向指数も記載している。サンプル1〜4(図2〜図5)は本発明に基づく減摩コーティング4に相当している。サンプル5〜6(図6及び図7)は先行技術に基づく減摩コーティング4に相当している。
表2は、本発明により提案されるコーティングに関して得られた他の結果を提示している。
表3は、比較を可能にするために測定した、先行技術に基づく減摩コーティングに関して得られた他の結果を提示している。
Figure 0005932215
Figure 0005932215
Figure 0005932215
Figure 0005932215
Figure 0005932215
先行技術に基づく例と比べて、本発明に基づく減摩コーティング4は、特に同じ又はよく似た化学組成のコーティングを直接比較すると、摩耗及び疲労強度についてより良好な値を示したことが明らかである。
総てのまとめられた試験結果から(それらの全部をここに複製できたわけではないが)、βスズ結晶粒が少なくとも1つの顕著な度合いの配向を有する場合に、耐摩耗性及び焼付き傾向の面で有利な減摩コーティング4が得られることが分かった。少なくとも1つのという表現は、本発明の目的の範囲内において、βスズ結晶粒が主要な配向に加えて1以上の他の方向に優先配向を有することも可能であろうという意味に解釈すべきである。
上述したように、試験装置で既に試験されているか又は製造中に減摩コーティング4を被着後に加工、例えば精密中ぐり加工されている、サンプルの場合において、これらの仕上処理の影響を受けなかった減摩コーティング4の実際の構造の範囲内ではX線の侵入深さが小さいためX線回折法に関して問題が起こっており、初期処理後に至るまで十分に評価することができなかった。これらの同じ問題は、いわゆるスズフラッシュを減摩コーティング4の表面に適用する場合にも起こる。言い換えれば、測定結果は、減摩コーティングの表面処理により非常に大きく影響を受け、すなわち、サンプルを前処理しない場合、測定されるのはサンプル自体ではなく表面上の被着物である。それゆえ、試験するサンプルの表面は、前処理するか又は「露出させる」必要がある。
測定結果におけるこの表面問題の影響は図5に示されており、前処理としてイオンエッチングを選択した。よって、基体の表面には、スパッタリング法と同様の公知の方法でイオンを衝突させている。
図5は、損傷を受けていない状態の、摩擦軸受半割胴に適用されるような、SnSb6CuPbから作製された減摩コーティング4の表面の回折図形を一番上に示している。図5の中間の回折図形は、上記の試験に供した後に同じ半割胴の表面から測定したものである。測定結果は、試験中に起こった軽微な摩耗により有意の影響を受けた。
図5の一番下の回折図形は、試験し損傷を受けた領域を除いた後に同じ半割胴の表面で再び測定したものである。損傷を受けた領域を除くためには、表面をアルゴンプラズマにより6kVで毎回2分間ずつ10回イオンエッチングし、イオンビームを45°の角度で表面に向け、サンプルが過熱し融解しないように、各回のエッチングの間に5分の休止を挟んだ。
前処理の効果が上記回折図形の比較から分かることは明白であり、すなわち、配向βスズ結晶粒から生じたものではない個々のピークの強度が適切なイオンエッチングによって有意に弱くなる。
βスズ結晶粒が最小の結晶粒の大きさを有する場合に、減摩コーティング4のトライボロジー特性に対する更なる改善を達成できるということが考えられる。
例として示した実施形態は、減摩コーティング4と多層構造の摩擦軸受1の考えられる変形を示しているが、本発明はここに具体的に示した変形に限定されないことをこの段階において指摘しておくべきである。何をおいても、減摩コーティング4について表1に示した組成はそれぞれ、いずれの場合も独立した発明の対象を構成するものである。
1 多層構造の摩擦軸受
2 金属基材層
3 軸受金属層
4 減摩コーティング

Claims (12)

  1. 少なくとも1つの金属基材層(2)と減摩コーティング(4)を含む多層構造の摩擦軸受(1)であって、前記減摩コーティング(4)は、スズに加えて、銅、アンチモン、鉛、ビスマス、ジルコニウム、ケイ素、亜鉛、ニッケル及び銀からなる群からの少なくとも1種の元素、製造工程中にそれらの元素から生じる不可避の不純物からなる、スズベースの合金であって、但しこのスズベースの合金は銅とアンチモンのうちの少なくとも一方を含有することを条件とするスズベースの合金から作製されており、当該合金において、アンチモンの割合は最大で20重量%、銅の割合は最大で10重量%、鉛とビスマスの合計の割合は最大で1.5重量%、銅とアンチモンの合計の割合は2重量%〜22重量%、そしてジルコニウム、ケイ素、亜鉛、ニッケル及び銀の合計の割合は最大3重量%であり、スズが金属間相の形で且つβスズ結晶粒を有するスズ相として存在しており、前記スズベースの合金中のβスズ結晶粒が少なくとも1つの優先配向を有し、少なくとも1組のネットワークレベルM{hkl}の次の式、
    Figure 0005932215
    に基づく配向指数M{hkl}の値が3.0以上であり、I{hkl}は当該減摩コーティングの{hkl}面のX線回折強度を表し、I0{hkl}は完全無配向スズ粉末サンプルのX線回折強度を表すことを特徴とする多層構造摩擦軸受(1)。
  2. 前記減摩コーティング(4)と前記金属基材層(2)との間に配置された軸受金属層(3)を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の多層構造摩擦軸受(1)。
  3. 前記βスズ結晶粒がミラー指数による面{hk1}の少なくとも1つに沿って配向され、hがそれぞれkより1大きく、hが最大で4の値をとることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多層構造摩擦軸受(1)。
  4. ミラー指数による{321}に沿って配向されたβスズ結晶粒によって生じたピーク下の面が、ミラー指数による{431}に沿って配向されたβスズ結晶粒によって生じたピーク下の面よりも少なくとも1.2倍大きいことを特徴とする、請求項3に記載の多層構造摩擦軸受(1)。
  5. 前記βスズ結晶粒がミラー指数による{220}に沿って30%を超える程度まで配向され、前記βスズ結晶粒のこの配向によって生じたピーク下の面によって表されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多層構造摩擦軸受(1)。
  6. アンチモンの前記割合が5重量%〜15重量%であることを特徴とする、請求項1〜5の一つに記載の多層構造摩擦軸受(1)。
  7. 前記銅の含有量が0.5重量%〜5重量%であることを特徴とする、請求項1〜6の一つに記載の多層構造摩擦軸受(1)。
  8. 前記鉛の含有量及び/又は前記ビスマスの含有量が0.2重量%〜0.5重量%であることを特徴とする、請求項1〜7の一つに記載の多層構造摩擦軸受(1)。
  9. 前記鉛の含有量が最大で0.1重量%であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の多層構造摩擦軸受(1)。
  10. ジルコニウムとケイ素が前記スズベースの合金中にそれぞれZrO2粒子、SiC粒子の形で存在することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の多層構造摩擦軸受(1)。
  11. 前記ZrO2粒子及び前記SiC粒子が0.01μm〜1μmの平均径を有することを特徴とする、請求項10に記載の多層構造摩擦軸受(1)。
  12. 1以上の部分層で構成される中間層が前記軸受金属層(3)と前記減摩コーティング(4)との間に配置され、前記部分層のおのおのはクロム、ニッケル、鉄、コバルト、銅及びスズからなる群からの1以上の元素を含有しているとともに、前記減摩コーティング(4)の硬さよりも少なくとも3倍大きく且つまた前記基材の硬さよりも大きい硬さを有することを特徴とする、請求項に記載の多層構造摩擦軸受(1)。
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