JP5930788B2 - 予混合圧縮着火エンジン及びその制御方法 - Google Patents

予混合圧縮着火エンジン及びその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料と燃焼用空気との予混合気を燃焼室において圧縮して自着火燃焼させるHCCI燃焼を行って出力軸から回転動力を出力するエンジン本体と、
吸気温度を調整する温度調整手段と、
エンジン出力を検出する出力検出手段と、
前記エンジン出力に対する設定吸気温度の関係を示した制御情報を記憶する記憶手段と、
前記制御情報を参照して前記出力検出手段で検出されたエンジン出力に対する設定吸気温度を抽出し、前記温度調整手段を制御して前記吸気温度を当該抽出した設定吸気温度に設定する吸気温度制御を実行する制御手段とを備えた予混合圧縮着火エンジン及びその制御方法に関する。
低公害且つ高効率を実現し得るエンジンとして、空気と燃料とを予め混合した予混合気を燃焼室に導入し、その予混合気をピストンの断熱圧縮により自己着火させて燃焼させる所謂予混合圧縮着火(HCCI:Homogeneous Charge Compression Ignition)燃焼を行う予混合圧縮着火エンジンが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
かかる予混合圧縮着火エンジンは、圧縮比を増加させて効率の向上が可能であると共に、燃料を希薄状態で燃焼させ低NOx化が可能となり、特に、高圧噴射が困難でディーゼルエンジン用燃料としては不向きな天然ガス系都市ガス等の気体燃料を用いても、容易に予混合気を圧縮着火させて燃焼させることができるというメリットを有する。
予混合圧縮着火エンジンでは、安定した運転を維持し更には効率を向上させるために、燃焼室において予混合気を適切なタイミングで自己着火させることが重要である。例えば、吸気温度が高すぎると、自己着火タイミングが早すぎてノッキング等が発生し、逆に、吸気温度が低すぎると、自己着火タイミングが遅すぎて熱効率低下や失火等が発生するという問題がある。
そこで、上記特許文献1の予混合圧縮着火エンジンでは、エンジン出力としてのトルクが高くなるほど設定吸気温度が低くなる状態でトルクに対する設定吸気温度の関係を示した制御情報(設定吸気温度マップ)を予め記憶し、その制御情報を参照してトルクに対する設定吸気温度を抽出し、温度調整手段としての(調温装置)を制御して吸気温度を当該抽出した設定吸気温度に設定することで、吸気温度を適切な設定吸気温度に維持するように構成されている。
特開2007−224806号公報
従来の予混合圧縮着火エンジンで利用される制御情報は、定格出力で運転を行う通常運転時においてエンジン出力に対し適切に対応する設定吸気温度の関係を示したものであり、燃焼状態が不安定な起動運転時などにおいてこの制御情報を利用すると、吸気温度が安定せずに、負荷投入時間の長期化や更なる燃焼状態の不安定化を招く虞がある。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、通常運転時においてエンジン出力に対し適切に対応する設定吸気温度の関係を示した制御情報を利用して吸気温度の制御を行う予混合圧縮自着火エンジンにおいて、起動運転時においても適切な吸気温度の制御を行い、安定した運転状態を得ることができる技術を提供する点にある。
発明に係る予混合圧縮着火エンジンの特徴構成は、
燃料と燃焼用空気との予混合気を燃焼室において圧縮して自着火燃焼させるHCCI燃焼を行って出力軸から回転動力を出力するエンジン本体と、
吸気温度を調整する温度調整手段と、
エンジン出力を検出する出力検出手段と、
前記エンジン出力に対する設定吸気温度の関係を示した制御情報を記憶する記憶手段と、
前記制御情報を参照して前記出力検出手段で検出されたエンジン出力に対する設定吸気温度を抽出し、前記温度調整手段を制御して前記吸気温度を当該抽出した設定吸気温度に設定する吸気温度制御を実行する制御手段とを備えた予混合圧縮着火エンジンであって
前記記憶手段が、前記制御情報として、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなる通常用制御情報と、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなり当該通常用制御情報よりも前記エンジン出力の刻み幅が大きい起動用制御情報とを記憶し、さらに前記起動用制御情報として、冷態時用の冷態時制御情報と、当該冷態時制御情報よりも設定吸気温度を低下させた温態時制御情報とを記憶し、
前記制御手段が、前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を、起動運転時においては前記起動用制御情報とし、通常運転時においては前記通常用制御情報とし、さらに起動運転時に参照する前記起動用制御情報を、冷態状態であるときには前記冷態時制御情報とし、温態状態であるときには前記温態時制御情報とする点にある。
また、本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの制御方法の特徴構成は、
燃料と燃焼用空気との予混合気を燃焼室において圧縮して自着火燃焼させるHCCI燃焼を行って出力軸から回転動力を出力するエンジン本体と、
吸気温度を調整する温度調整手段と、
エンジン出力を検出する出力検出手段と、
前記エンジン出力に対する設定吸気温度の関係を示した制御情報を記憶する記憶手段と、
前記制御情報を参照して前記出力検出手段で検出されたエンジン出力に対する設定吸気温度を抽出し、前記温度調整手段を制御して前記吸気温度を当該抽出した設定吸気温度に設定する吸気温度制御を実行する制御手段とを備えた予混合圧縮着火エンジンの制御方法であって
前記記憶手段に、前記制御情報として、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなる通常用制御情報と、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなり当該通常用制御情報よりも前記エンジン出力の刻み幅が大きい起動用制御情報とを記憶させ、さらに前記起動用制御情報として、冷態時用の冷態時制御情報と、当該冷態時制御情報よりも設定吸気温度を低下させた温態時制御情報とを記憶させ、
前記制御手段による前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を、起動運転時においては前記起動用制御情報とし、通常運転時においては前記通常用制御情報とし、さらに前記起動用制御情報として、冷態状態であるときには前記冷態時制御情報とし、温態状態であるときには前記温態時制御情報とする点にある。
上記予混合圧縮着火エンジン及びその制御方法によれば、記憶手段には、エンジン出力が高くなるほど設定吸気温度が低くなる通常用制御情報に加えて、当該通常用制御情報と同様にエンジン出力が高くなるほど設定吸気温度が低くなるが、当該通常用制御情報よりもエンジン出力の刻み幅が大きい起動用制御情報が予め記憶される。そして、制御手段により、温度調整手段を制御して吸気温度を設定吸気温度に設定する吸気温度制御を実行するにあたり、定格出力で運転を行う通常運転時には、上記通常用制御情報を参照して抽出した設定吸気温度が利用される。一方、同吸気温度制御を実行するにあたり、燃焼状態が不安定な起動運転時には、上記通常用制御情報に代えてエンジン出力の刻み幅が大きい起動用制御情報を参照して抽出した設定吸気温度が利用されることになる。
即ち、運転開始から定格出力を得るまでの起動運転時において、起動用制御情報におけるエンジン出力の刻み幅が比較的大きく設定されているため、定格出力を得るまでの負荷投入時間を短縮することができる。
また、記憶手段には、起動用制御情報として、上記冷態時制御情報と当該冷態時制御情報よりも設定吸気温度を低下させた上記温態時制御情報とが予め記憶される。そして、制御手段により、起動運転時における吸気温度制御を実行するにあたり、エンジンの暖機状態が冷態状態であると判断したときには、冷態時制御情報を参照して抽出した設定吸気温度が利用されるが、エンジンの暖機状態が温態状態であると判断したときには、温態時制御情報を参照した抽出した上記冷態時よりも低く設定された設定吸気温度が利用されることになる。
即ち、エンジンの暖機が進行していない冷態時の起動運転においては、吸気温度が高めの設定吸気温度に設定されるので、比較的低温状態にある燃焼室においても適切なタイミングで予混合気を自己着火させることができ、自己着火タイミングが遅すぎることによる熱効率低下や失火等を回避することができる。
一方、再起動時などのようにエンジンの暖機が既に進行している温態時の起動運転においては、吸気温度が上記冷態時よりも低めの設定吸気温度に設定されるので、比較的高温状態にある燃焼室においても適切なタイミングで予混合気を自己着火させることができ、自己着火タイミングが早すぎることによるノッキング発生等を回避して、スムーズな負荷投入を実現することができる。
尚、本願において、温態状態とは、通常運転時と同程度に暖機されておりエンジン本体やエンジンオイル等が比較的高温である状態を示し、一方、冷態状態とは、その温態状態よりも暖機が不十分でありエンジン本体やエンジンオイル等が比較的低温である状態を示す。
本発明に係る予混合圧縮着火エンジンのさらなる特徴構成は
前記記憶手段が、前記制御情報として、前記エンジン出力が低くなるほど前記設定吸気温度が低くなる燃焼抑制用制御情報を記憶し、
前記制御手段は、燃焼が過剰に活発になる異常燃焼状態であるときには、前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を前記燃焼抑制用制御情報に切り替えてエンジン出力を低下させる出力低下処理を実行する点にある。
上記特徴構成によれば、上記制御手段により、例えば気筒間の燃焼状態がばらついて一部の気筒のみで燃焼が過剰に活発になり過ぎるなどの異常燃焼状態となる場合でも、その異常燃焼状態を的確に認識することができる。また、記憶手段には、これまで説明してきた通常用制御情報や起動用制御情報とは逆に、エンジン出力が低くなるほど設定吸気温度が低くなる燃焼抑制用制御情報が予め記憶される。
そして、上記制御手段により、異常燃焼状態であると判断したときには、上記出力低下処理を実行して、吸気温度制御にて参照する制御情報を燃焼抑制用制御情報に切り換えたうえでエンジン出力を低下させることで、そのエンジン出力の低下にあわせて設定吸気温度を低下させることができる。
従って、活発になり過ぎていた燃焼室における燃焼を沈静化させた状態で維持することができ、例えば異常燃焼による非常停止を回避することができる。
本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの特徴構成は、
燃料と燃焼用空気との予混合気を燃焼室において圧縮して自着火燃焼させるHCCI燃焼を行って出力軸から回転動力を出力するエンジン本体と、
吸気温度を調整する温度調整手段と、
エンジン出力を検出する出力検出手段と、
前記エンジン出力に対する設定吸気温度の関係を示した制御情報を記憶する記憶手段と、
前記制御情報を参照して前記出力検出手段で検出されたエンジン出力に対する設定吸気温度を抽出し、前記温度調整手段を制御して前記吸気温度を当該抽出した設定吸気温度に設定する吸気温度制御を実行する制御手段とを備えた予混合圧縮着火エンジンであって、
前記記憶手段が、前記制御情報として、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなる通常用制御情報と、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなり当該通常用制御情報よりも前記エンジン出力の刻み幅が大きい起動用制御情報とを記憶し、さらに、前記制御情報として、前記エンジン出力が低くなるほど前記設定吸気温度が低くなる燃焼抑制用制御情報を記憶し、
前記制御手段が、前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を、起動運転時においては前記起動用制御情報とし、通常運転時においては前記通常用制御情報とし、さらに燃焼が過剰に活発になる異常燃焼状態であるときには、前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を前記燃焼抑制用制御情報に切り替えてエンジン出力を低下させる出力低下処理を実行する点にある。
また、本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの制御方法の特徴構成は、
燃料と燃焼用空気との予混合気を燃焼室において圧縮して自着火燃焼させるHCCI燃焼を行って出力軸から回転動力を出力するエンジン本体と、
吸気温度を調整する温度調整手段と、
エンジン出力を検出する出力検出手段と、
前記エンジン出力に対する設定吸気温度の関係を示した制御情報を記憶する記憶手段と、
前記制御情報を参照して前記出力検出手段で検出されたエンジン出力に対する設定吸気温度を抽出し、前記温度調整手段を制御して前記吸気温度を当該抽出した設定吸気温度に設定する吸気温度制御を実行する制御手段とを備えた予混合圧縮着火エンジンの制御方法であって、
前記記憶手段に、前記制御情報として、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなる通常用制御情報と、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなり当該通常用制御情報よりも前記エンジン出力の刻み幅が大きい起動用制御情報とを記憶させ、さらに前記制御情報として、前記エンジン出力が低くなるほど前記設定吸気温度が低くなる燃焼抑制用制御情報を記憶させ、
前記制御手段による前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を、起動運転時においては前記起動用制御情報とし、通常運転時においては前記通常用制御情報とし、さらに燃焼が過剰に活発になる異常燃焼状態であるときには、前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を前記燃焼抑制用制御情報に切り替えて、エンジン出力低下処理を実行する点にある。
上記予混合圧縮着火エンジン及びその制御方法によれば、記憶手段には、エンジン出力が高くなるほど設定吸気温度が低くなる通常用制御情報に加えて、当該通常用制御情報と同様にエンジン出力が高くなるほど設定吸気温度が低くなるが、当該通常用制御情報よりもエンジン出力の刻み幅が大きい起動用制御情報が予め記憶される。そして、制御手段により、温度調整手段を制御して吸気温度を設定吸気温度に設定する吸気温度制御を実行するにあたり、定格出力で運転を行う通常運転時には、上記通常用制御情報を参照して抽出した設定吸気温度が利用される。一方、同吸気温度制御を実行するにあたり、燃焼状態が不安定な起動運転時には、上記通常用制御情報に代えてエンジン出力の刻み幅が大きい起動用制御情報を参照して抽出した設定吸気温度が利用されることになる。
即ち、運転開始から定格出力を得るまでの起動運転時において、起動用制御情報におけるエンジン出力の刻み幅が比較的大きく設定されているため、定格出力を得るまでの負荷投入時間を短縮することができる。
また、上記制御手段により、例えば気筒間の燃焼状態がばらついて一部の気筒のみで燃焼が過剰に活発になり過ぎるなどの異常燃焼状態となる場合でも、その異常燃焼状態を的確に認識することができる。また、記憶手段には、これまで説明してきた通常用制御情報や起動用制御情報とは逆に、エンジン出力が低くなるほど設定吸気温度が低くなる燃焼抑制用制御情報が予め記憶される。
そして、上記制御手段により、異常燃焼状態であると判断したときには、上記出力低下処理を実行して、吸気温度制御にて参照する制御情報を燃焼抑制用制御情報に切り換えた
うえでエンジン出力を低下させることで、そのエンジン出力の低下にあわせて設定吸気温度を低下させることができる。
従って、活発になり過ぎていた燃焼室における燃焼を沈静化させた状態で維持することができ、例えば異常燃焼による非常停止を回避することができる。
本発明に係る予混合圧縮着火エンジンのさらなる特徴構成は
前記燃焼室に配置された点火プラグと、
前記燃焼室における燃焼時期を検出する燃焼時期検出手段とを備え、
前記制御手段が、前記燃焼時期検出手段で検出される燃焼時期が所定の適正燃焼時期範囲内となるように前記点火プラグの点火時期を制御する点火時期制御を実行すると共に、前記点火時期制御により制御される点火時期が所定の適正点火時期範囲に対して遅角側に乖離する状態を前記異常燃焼状態であると判断する点にある。
記特徴構成によれば、燃焼室に配置した点火プラグにより燃焼室にて圧縮された希薄状態の予混合気中で火花を発生させることで、予混合気の自着火を誘発(アシスト)させることができる。そして、自着火に続いて発生する燃焼が活発になりその燃焼時期が上記適正燃焼時期範囲よりも早い側に乖離した場合には、上記点火時期制御を実行することで点火時期を遅角側に移行させて火花点火による自着火の誘発を遅らせることができる。逆に、燃焼が鈍くなりその燃焼時期が上記適正燃焼時期範囲よりも遅い側に乖離した場合には、上記点火時期制御を実行することで点火時期を早角側に移行させて火花点火による自着火の誘発を早めることができる。即ち、上述した出力低下処理の実行をできるだけ遅らせて、燃焼状態の安定化を図ることができる。
しかし、かかる点火時期制御を実行した場合においても、燃焼が活発になり過ぎて制御対象となる点火時期を上記適正点火時期範囲の遅角側限界まで遅角させても、点火時期制御での燃焼時期を適正燃焼時期に維持することができないことがあり、この場合、制御対象の点火時期は適正点火時期範囲に対して遅角側に乖離する状態となる。そこで、このような状態を異常燃焼状態と判断して、上述した出力低下処理を実行し、エンジン出力の低下にあわせて設定吸気温度を低下させることで、活発になり過ぎていた燃焼室における燃焼を沈静化させることができる。
本発明に係る予混合圧縮着火エンジンのさらなる特徴構成は
前記制御手段が、前記点火時期制御により制御される点火時期が所定の適正点火時期範囲に対して遅角側に乖離するときに前記吸気温度を前記制御情報から抽出した設定吸気温度よりも低下させる吸気温度低下処理を実行すると共に、前記吸気温度低下処理を実行した後において前記異常燃焼状態であるときには前記出力低下処理を実行する点にある。
記特徴構成によれば、点火時期制御の制御対象である点火時期を適正点火時期範囲に対して遅角側に乖離するときには、直ぐに出力低下処理を実行するのではなく、一旦上記吸気温度低下処理を行って、燃焼の沈静化を図ることができる。そして、吸気温度低下処理を実行して吸気温度を制御情報から抽出した設定吸気温度よりも低下させた後においても、点火時期が適正点火時期範囲内に維持されるその範囲に対して遅角側に乖離している場合には、その状態を異常燃焼状態として判断して、出力低下処理を実行し、エンジン出力の低下にあわせて設定吸気温度を低下させることで、活発になり過ぎていた燃焼室における燃焼を確実に沈静化させることができる。
本発明に係る予混合圧縮着火エンジンのさらなる特徴構成は
前記出力検出手段が、前記エンジン出力として、前記出力軸から出力される回転動力の
回転速度とトルクとを検出し、
前記制御情報が、前記エンジン出力として前記出力軸から出力される回転動力の回転速度とトルクとに対する前記設定吸気温度の関係を示した情報である点にある。
記特徴構成によれば、エンジン出力として回転動力の回転速度とトルクとを利用して吸気温度制御を実行することで、吸気温度を回転速度とトルクとの複合的な組み合わせに対して適切な設定吸気温度に設定することができる。また、この場合、起動用制御情報におけるエンジン出力の刻み幅を通常用制御情報よりも大きく設定するにあたり、回転動力の回転速度及びトルクの一方又は両方の刻み幅を大きく設定することができる。
本発明の実施の形態に係る予混合圧縮着火エンジンの全体概略構成図 本発明の実施の形態に係る予混合圧縮着火エンジンの制御方法の処理フローを示すフロー図 図2の制御方法における異常対応処理の処理フローを示すフロー図
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1に示す予混合圧縮着火エンジン100(以下、単に「エンジン100」と呼ぶ。)は、燃料Gと燃焼用空気Aとの予混合気Mを燃焼室1aにおいて圧縮して自着火燃焼させるHCCI燃焼を行って出力軸1bから回転動力を出力するエンジン本体1を備えており、この出力軸1bからの回転動力は発電機50の発電動力として利用されている。
エンジン本体1は、図示は省略するがシリンダの内面とピストンの頂面とで規定される燃焼室1aを備え、この燃焼室1aには吸気路3と排気路4との夫々が吸気弁又は排気弁を介して接続されており、このような構成は通常のレシプロ式エンジンと変わるところがない。
吸気路3を流通する燃焼用空気Aは、吸気路3に設けられたミキサ7において天然ガス系都市ガスの燃料Gが混合されて予混合気Mとなり、その予混合気Mが燃焼室1aに吸気される。燃焼室1aに吸気された予混合気Mは、ピストンの上昇により圧縮されて発火点まで昇温することで自己着火し燃焼する。
エンジン100には、コンピュータからなるエンジン・コントロール・ユニット(以下、ECUと呼ぶ)30(制御手段の一例)と、メモリなどからなる記憶部31(記憶手段の一例)とが設けられており、ECU30は、記憶部31にアクセスして当該記憶部31に予め記憶されている各種情報を取得可能、且つ、後述する吸気温度制御や点火時期制御などの各種制御を実行可能に構成されている。
ミキサ7への燃料Gの供給量を調整する燃料制御弁6が設けられており、当該燃料制御弁6は、ECU30によりその開度が制御される。即ち、ECU30は、排気路4に設けられ排ガスの酸素濃度を検出可能な酸素センサ16の検出結果に基づいて燃料制御弁6の開度を制御して、燃焼室1aに吸気される予混合気Mの空燃比を設定する。尚、本実施形態のエンジン100では、予混合気Mを圧縮自着火させるため、その空燃比は火炎伝播下限以下の希薄状態の空燃比に設定される。
エンジン本体1には、出力検出器1cが設けられており、この出力検出器1cは、出力軸1bから出力される回転動力の回転速度やトルクを検出しECU30に検出結果を出力する各種センサを備える。即ち、エンジン出力が出力軸1bから出力される回転動力の回転速度とトルクとの積に相当することから、この出力検出器1cは、エンジン出力を検出する出力検出手段として機能すると言える。
吸気路3には、電動式のスロットルバルブ8が設けられており、当該スロットルバルブ8は、ECU30によりその開度が制御される。即ち、ECU30は、出力検出器1cで検出される回転速度とトルクとを参照しながらスロットルバルブ8の開度を制御して、回転速度とトルクとの積である出力軸1bからの出力を定格出力などの所定の出力に設定する。
エンジン本体1には、筒内圧センサ10が設けられており、この筒内圧センサ10は、燃焼室1aの圧力である筒内圧をクランク角の変化にあわせて検出してECU30に出力する。このように検出された筒内圧の変化状況は、燃焼室1aにおける燃焼状態としての熱発生率や燃焼質量割合の変化状況を示すものとなり、この変化状況から、燃焼質量割合50%時期(50%の燃料Gの燃焼が完了した時期)や熱発生率の重心時期又は最大熱発生時期などの燃焼時期に関する状況を検出することができる。即ち、筒内圧センサ10は、燃焼室1aにおける燃焼時期を検出する燃焼時期検出手段として機能すると言える。
尚、本実施形態のエンジン100では、燃焼室1aにおいて安定して予混合気Mが燃焼していると考えられる場合の燃焼時期の適正範囲である適正燃焼時期範囲は、燃焼質量割合50%時期を燃焼時期とすると8°〜12°ATDCの範囲とされている。
更に、エンジン本体1には、エンジン本体1の暖機状態を検出するための検出手段として、エンジンオイルの温度を検出する温度センサ15が設けられている。即ち、ECU30は、この温度センサ15で検出されるエンジンオイルの温度が所定温度(例えば80℃の)よりも低い場合には、エンジン本体1が冷態状態であると判断し、逆に、エンジンオイルの温度が所定温度以上の場合には、エンジン本体1が温態状態であると判断する形態で、エンジン本体1の暖機状態を検出する。
吸気路3には、加熱器20が設けられており、この加熱器20は、シリンダ等を冷却して高温となった冷却水との熱交換により、吸気路3を流通する予混合気Mを加熱する。更に、この加熱器20を流通する冷却水の流量を調整する冷却水制御弁21が設けられており、この冷却水制御弁21の開度を調整することで、吸気路3を流通する予混合気Mに対する加熱器20による加熱量が調整できる。即ち、この加熱器20及び冷却水制御弁21は、吸気路3から燃焼室1aに吸気される予混合気Mを加熱すると共にその温度である吸気温度を調整可能な温度調整手段として機能すると言える。
エンジン本体1には、燃焼室1aにおいて火花を発生可能な点火プラグ11が設けられており、この点火プラグ11により燃焼室1aにて圧縮された希薄状態の予混合気M中で火花が発生され、予混合気Mの自着火が誘発(アシスト)されている。
また、ECU30は、筒内圧センサ10で検出される燃焼時期が所定の適正燃焼時期範囲内となるように点火プラグ11の点火時期を制御する点火時期制御を実行可能に構成されている。具体的に、この点火時期制御では、自着火に続いて発生する燃焼が活発になりその燃焼時期が上記適正燃焼時期範囲よりも早い側に乖離した場合には、点火時期を遅角側に移行させて火花点火による自着火の誘発を遅らせ、逆に、燃焼が鈍くなりその燃焼時期が上記適正燃焼時期範囲よりも遅い側に乖離した場合には、点火時期を早角側に移行させて火花点火による自着火の誘発を早めることで、燃焼状態の安定化が図られている。
尚、本実施形態のエンジン100では、点火時期制御により制御される点火時期の適正な範囲である適正点火時期範囲は、0°ATDCよりも進角側(前側)の範囲とされ、より好ましくは−5°〜−10°ATDCのの範囲またはその付近の範囲とされている。そして、燃焼室1aにおける燃焼が活発になると、この点火時期制御により制御される点火時期は遅角側に調整されるのであるが、この点火時期が上記適正点火時期範囲の遅角側限界を超えて更に遅角側に乖離すると、燃焼室1aにおける燃焼が過剰に活発になる異常燃焼状態であると判断できる。
更に、ECU30は、吸気路3の燃焼室1a近傍に設けられた温度センサ9の検出結果に基づいて冷却水制御弁21の開度を制御し加熱器20による加熱量を制御することで、吸気温度を後述する所定の設定吸気温度に設定する吸気温度制御を実行可能に構成されている。
記憶部31には、回転速度及びトルクであるエンジン出力に対する設定吸気温度の関係を示した制御情報として、詳細については後述する通常用制御情報X、起動用制御情報Yとしての冷態時制御情報Yc並びに温態時制御情報Yh、燃焼抑制用制御情報Zを予め記憶しており、ECU30は、記憶部31にアクセスして、任意の制御情報を取得可能に構成されている。即ち、ECU30は、吸気温度制御において、記憶部31から取得した制御情報を参照して出力検出器1cで検出されたエンジン出力に対する設定吸気温度を抽出し、冷却水制御弁21の開度を制御して、吸気温度を当該抽出した設定吸気温度に設定するように構成されている。
上記通常用制御情報Xは、エンジン出力が高くなるほど設定吸気温度が低くなるように、回転動力の回転速度及びトルクを所定の刻み幅で記述し、その記述された夫々の回転速度とトルクとの組み合わせに対して設定吸気温度の値を記述したものである。
そして、ECU30は、定格出力で運転を行う通常運転時における吸気温度制御では、この通常用制御情報Xを参照して設定吸気温度を抽出し、吸気温度をこの抽出した設定吸気温度に設定する。
上記起動用制御情報Yは、上記通常用制御情報Xと同様にエンジン出力が高くなるほど設定吸気温度が低くなるように夫々の回転速度とトルクとの組み合わせに対して設定吸気温度の値を記述したものであるが、上記通常用制御情報Xと比較してエンジン出力即ち回転動力の回転速度及びトルクの刻み幅が大きく(粗く)設定されている。
そして、ECU30は、定格出力に向けて出力を上昇させる起動運転時における吸気温度制御では、この起動用制御情報Yを参照して設定吸気温度を抽出し、吸気温度をこの抽出した設定吸気温度に設定する。
すると、エンジン出力がスムーズに定格出力まで上昇されることになり、結果、定格出力を得るまでの負荷投入時間が短縮されることになる。
上記起動用制御情報Yとしての冷態時制御情報Ycは、起動運転時において、エンジン本体1の暖機状態が冷態状態であると判断した場合に参照する制御情報である。
一方、上記起動用制御情報としての温態時制御情報Yhは、起動運転時において、エンジン本体1の暖機状態が温態状態であると判断した場合に参照する制御情報であり、上記冷態時制御情報よりも設定吸気温度が低めに設定されている。
即ち、ECU30は、起動運転時における吸気温度制御において、エンジン本体1の暖機状態が冷態状態であると判断したときには、冷態時制御情報Ycを参照して抽出した設定吸気温度を利用するが、エンジン本体1の暖機状態が温態状態であると判断したときには、温態時制御情報Yhを参照して抽出した上記冷態時よりも低く設定された設定吸気温度を利用する。
すると、エンジン本体1の暖機が進行していない冷態時の起動運転では、吸気温度が高めの設定吸気温度に設定されることで、比較的低温状態にある燃焼室1aにおいても適切なタイミングで予混合気Mが自己着火するので、自己着火タイミングが遅すぎることによる熱効率低下や失火等が回避される。
一方、再起動時などのようにエンジン本体1の暖機が既に進行している温態時の起動運転では、吸気温度が上記冷態時よりも低めの設定吸気温度に設定されることで、比較的高温状態にある燃焼室1aにおいても適切なタイミングで予混合気Mが自己着火するので、自己着火タイミングが早すぎることによるノッキング発生等が回避される。
上記燃焼抑制用制御情報Zは、エンジン出力が低くなるほど設定吸気温度が低くなるように、夫々の回転速度とトルクとの組み合わせに対して設定吸気温度の値を記述したものである。
そして、ECU30は、点火時期制御により制御される点火時期が適正点火時期範囲よりも進角側に乖離した状態、即ち燃焼が過剰に活発になる異常燃焼状態であるときには、吸気温度制御にて参照する制御情報をこの燃焼抑制用制御情報に切り替えてエンジン出力を低下させる出力低下処理を実行する。
すると、エンジン出力の低下に伴って吸気温度が低くなるので、例えば活発になり過ぎていた燃焼室1aにおける燃焼を確実に沈静化させた状態で維持し、異常燃焼による非常停止が回避される。
また、ECU30は、点火時期制御により制御される点火時期が所定の適正点火時期範囲に対して遅角側に乖離するとき、上記出力低下処理を実行する前に、先ず、吸気温度制御手段において設定される吸気温度を上述した制御情報から抽出した設定吸気温度よりも低下させる吸気温度低下処理を実行する。
即ち、かかる吸気温度低下処理による吸気温度の低下のみで、活発になり過ぎていた燃焼室1aにおける燃焼を沈静化させることができた場合には、上記出力低下処理による出力低下が回避される。
以上のように、ECU30により安定した運転状態を得るべく、上述した吸気温度制御、点火時期制御、出力低下処理等の各種制御及び処理を実行されるのであるが、それら制御及び処理を含めた制御方法の処理フローの詳細について、図2及び図3に基づいて以下に説明する。
先ず、ECU30は、セルモータ(図示せず)を回転させながら燃料Gの供給及び点火プラグ11による火花点火を開始してエンジン100を起動させ、その後エンジン出力を定格出力まで上昇させて維持するようにスロットルバルブ8の開度を制御する。かかる出力制御を実行するにあたり、以下に説明する処理フローを実行する。
即ち、図2に示すように、先ず、出力検出器1cで検出されるエンジン出力が所定の定格出力であるか否かが判断され(ステップ#01)、エンジン出力が定格出力に到達していないと判断された場合には、温度センサ15で検出されるエンジンオイルの温度に基づきエンジン本体1の暖機状態が検出されて冷態状態であるか否かが判断される(ステップ#02)。
そして、冷態状態であると判断された場合には、記憶部31から冷態時制御情報Ycが制御情報として取得され(ステップ#03)、逆に、冷態状態でなく温態状態であると判断された場合には、記憶部31から温態時制御情報Yhが制御情報として取得される(ステップ#04)。
一方、上記ステップ#01においてエンジン出力が定格出力に到達していると判断された場合には、記憶部31から通常用制御情報Xが制御情報として取得されたうえで(ステップ#03)、点火時期制御により制御される点火時期が5°ATDC以上であり異常燃焼状態である可能性が高いか否かが判断される(ステップ#03)。
そして、上記のように冷態時制御情報Yc又は温態時制御情報Yhが取得された後、又は通常用制御情報Xが取得され点火時期が5°ATDC以上でないと判断された後に、上述した吸気温度制御(ステップ#05)及び点火時期制御(ステップ#06)が実行される。
この吸気温度制御及び点火時期制御が実行されることにより、前述したとおり、適切な制御情報による吸気温度の制御と燃焼時期の検出に基づく点火時期の制御が行われるので、できるだけ安定した運転状態が維持されることになる。
尚、吸気温度制御(ステップ#05)及び点火時期制御(ステップ#06)の実行順序は、この記載順序に限られるものではなく、記載順序とは逆の順序又は同時に実行しても構わない。
更に、上記ステップ#03において点火時期が5°ATDC以上であり異常燃焼状態である可能性が高いと判断された場合には、所定の異常対応処理(ステップ#09、図3)が実行される。
図3に示すように、異常対応処理において、先ず、点火時期制御により制御される点火時期が0°ATDC以上であるか否かが判断される(ステップ#21)。そして、点火時期が0°ATDC以上であると判断された場合には、吸気温度を制御情報から抽出した設定吸気温度よりも低下させる吸気温度低下処理として、ステップ#21において点火時期が0°ATDC以上でないと判断されるまで、または、ステップ#23において目標吸気温度を初期の値(即ち、制御情報から抽出した値)から5℃以上低下させたと判断されるまで、目標吸気温度が0.5℃ずつ段階的に低下される。すると、上述した吸気温度制御(図2のステップ#05)にて設定される吸気温度が低下するので、燃焼の沈静化が図られる。
しかし、ステップ#23において、目標吸気温度の低下幅が5℃以上であると判断された場合には、その状態を異常燃焼状態であると判断し、それ以上の設定吸気温度の低下による燃焼沈静化は困難であるとして、記憶部31から燃焼抑制用制御情報Zが制御情報として取得され(ステップ#24)、エンジン出力の低下にあわせて設定吸気温度を低下させる出力低下処理(ステップ#25)が実行さる。すると、活発になり過ぎていた燃焼室1aにおける燃焼が確実に沈静化されることになる。
参考例
参考例について説明する。尚、以下に説明する参考例の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施の形態においては、起動用制御情報Yとして冷態時制御情報Ycと温態時制御情報Yhとを利用したが、別に、冷態時及び温態時の区別なく一の起動用制御情報Yを利用するように構成しても構わない。当然、この場合の起動用制御情報でも、エンジン出力の刻み幅は通常用制御情報よりも大きく設定される。
〔別実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
)上記実施の形態においては、点火時期制御で制御される点火時期が所定の適正点火時期範囲の遅角側限界を超えて更に遅角側に乖離する状態を異常燃焼状態として判断したが、燃焼時期が所定の適正燃焼時期範囲の進角側限界よりも更に進角側に乖離した状態や、燃焼室1aの最大圧力が所定圧力よりも高くなる状態など、別の状態を異常燃焼状態として判断しても構わない。
)上記実施の形態においては、燃焼が過剰に活発になる異常燃焼状態であるときには、吸気温度を制御情報から抽出した設定吸気温度よりも低下させる吸気温度低下処理を実行し、更に、その吸気温度低下処理を実行した後においても異常燃焼状態であるときには、吸気温度制御にて参照する制御情報をエンジン出力が低くなるほど前記設定吸気温度が低くなる燃焼抑制用制御情報に切り替えてエンジン出力を低下させる出力低下処理を実行した。しかし、別に、異常燃焼状態であると判断したときに、上記吸気温度低下処理及び上記出力低下処理の何れか一方のみを実行したり、点火プラグ11による火花点火を停止するなどの、別の方法で異常燃焼状態を回避するように構成しても構わない。
)上記実施の形態においては、エンジン出力として、出力軸1bから出力される回転動力の回転速度とトルクとを出力検出器1cにより検出し利用したが、別に、回転速度又はトルクの何れか一方を一定に維持し、他方をエンジン出力として検出し利用するなど、別の指標をエンジン出力として検出し利用するように構成しても構わない。
)上記実施の形態において、加熱器20は、シリンダ等を冷却して高温となった冷却
水との熱交換により吸気路3を流通する予混合気Mを加熱するように構成したが、この加熱器20は、別の熱源により予混合気Mを加熱するように構成しても構わない。例えば、加熱器20を、電気ヒータにより予混合気Mを加熱するように構成したり、排ガスEとの熱交換により予混合気Mを加熱するように構成することができる。
)上記実施の形態では、燃料Gとして、天然ガス系都市ガスを好適に利用したが、別に、ガソリン、プロパン、メタノール、水素等、任意の燃料を使用することができる。また、本発明に係る予混合圧縮着火エンジン100を多気筒型に構成した例を説明したが、別に単気筒型に構成しても構わない。
本発明は、燃料と燃焼用空気との予混合気を燃焼室において圧縮して自着火燃焼させるHCCI燃焼を行って出力軸から回転動力を出力するエンジン本体と、吸気温度を調整する温度調整手段と、エンジン出力を検出する出力検出手段と、前記エンジン出力に対する設定吸気温度の関係を示した制御情報を記憶する記憶手段と、前記制御情報を参照して前記出力検出手段で検出されたエンジン出力に対する設定吸気温度を抽出し、前記温度調整手段を制御して前記吸気温度を当該抽出した設定吸気温度に設定する吸気温度制御を実行する制御手段とを備えた予混合圧縮着火エンジンとして好適に利用可能である。
1 :エンジン本体
1a :燃焼室
1b :出力軸
1c :出力検出器(出力検出手段)
3 :吸気路
4 :排気路
6 :燃料制御弁
7 :ミキサ
8 :スロットルバルブ
9 :温度センサ
10 :筒内圧センサ(燃焼時期検出手段)
11 :点火プラグ
15 :温度センサ
20 :加熱器(温度調整手段)
21 :冷却水制御弁(温度調整手段)
30 :エンジン・コントロール・ユニット(ECU)(制御手段)
31 :記憶部(記憶手段)
50 :発電機
100 :予混合圧縮着火エンジン
A :燃焼用空気
G :燃料
M :予混合気
X :通常用制御情報
Y :起動用制御情報
Yc :冷態時制御情報
Yh :温態時制御情報
Z :燃焼抑制用制御情報

Claims (8)

  1. 燃料と燃焼用空気との予混合気を燃焼室において圧縮して自着火燃焼させるHCCI燃焼を行って出力軸から回転動力を出力するエンジン本体と、
    吸気温度を調整する温度調整手段と、
    エンジン出力を検出する出力検出手段と、
    前記エンジン出力に対する設定吸気温度の関係を示した制御情報を記憶する記憶手段と、
    前記制御情報を参照して前記出力検出手段で検出されたエンジン出力に対する設定吸気温度を抽出し、前記温度調整手段を制御して前記吸気温度を当該抽出した設定吸気温度に設定する吸気温度制御を実行する制御手段とを備えた予混合圧縮着火エンジンであって、
    前記記憶手段が、前記制御情報として、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなる通常用制御情報と、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなり当該通常用制御情報よりも前記エンジン出力の刻み幅が大きい起動用制御情報とを記憶し、さらに前記起動用制御情報として、冷態時用の冷態時制御情報と、当該冷態時制御情報よりも設定吸気温度を低下させた温態時制御情報とを記憶し、
    前記制御手段が、前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を、起動運転時においては前記起動用制御情報とし、通常運転時においては前記通常用制御情報とし、さらに起動運転時に参照する前記起動用制御情報を、冷態状態であるときには前記冷態時制御情報とし、温態状態であるときには前記温態時制御情報とする予混合圧縮着火エンジン。
  2. 前記記憶手段が、前記制御情報として、前記エンジン出力が低くなるほど前記設定吸気温度が低くなる燃焼抑制用制御情報を記憶し、
    前記制御手段は、燃焼が過剰に活発になる異常燃焼状態であるときには、前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を前記燃焼抑制用制御情報に切り替えてエンジン出力を低下させる出力低下処理を実行する請求項に記載の予混合圧縮着火エンジン。
  3. 燃料と燃焼用空気との予混合気を燃焼室において圧縮して自着火燃焼させるHCCI燃焼を行って出力軸から回転動力を出力するエンジン本体と、
    吸気温度を調整する温度調整手段と、
    エンジン出力を検出する出力検出手段と、
    前記エンジン出力に対する設定吸気温度の関係を示した制御情報を記憶する記憶手段と、
    前記制御情報を参照して前記出力検出手段で検出されたエンジン出力に対する設定吸気温度を抽出し、前記温度調整手段を制御して前記吸気温度を当該抽出した設定吸気温度に設定する吸気温度制御を実行する制御手段とを備えた予混合圧縮着火エンジンであって、
    前記記憶手段が、前記制御情報として、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなる通常用制御情報と、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなり当該通常用制御情報よりも前記エンジン出力の刻み幅が大きい起動用制御情報とを記憶し、さらに、前記制御情報として、前記エンジン出力が低くなるほど前記設定吸気温度が低くなる燃焼抑制用制御情報を記憶し、
    前記制御手段が、前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を、起動運転時においては前記起動用制御情報とし、通常運転時においては前記通常用制御情報とし、さらに燃焼が過剰に活発になる異常燃焼状態であるときには、前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を前記燃焼抑制用制御情報に切り替えてエンジン出力を低下させる出力低下処理を実行する予混合圧縮着火エンジン。
  4. 前記燃焼室に配置された点火プラグと、
    前記燃焼室における燃焼時期を検出する燃焼時期検出手段とを備え、
    前記制御手段が、前記燃焼時期検出手段で検出される燃焼時期が所定の適正燃焼時期範囲内となるように前記点火プラグの点火時期を制御する点火時期制御を実行すると共に、前記点火時期制御により制御される点火時期が所定の適正点火時期範囲に対して遅角側に乖離する状態を前記異常燃焼状態であると判断する請求項2又は3に記載の予混合圧縮着火エンジン。
  5. 前記制御手段が、前記点火時期制御により制御される点火時期が所定の適正点火時期範囲に対して遅角側に乖離するときに前記吸気温度を前記制御情報から抽出した設定吸気温度よりも低下させる吸気温度低下処理を実行すると共に、前記吸気温度低下処理を実行した後において前記異常燃焼状態であるときには前記出力低下処理を実行する請求項4に記載の予混合圧縮着火エンジン。
  6. 前記出力検出手段が、前記エンジン出力として、前記出力軸から出力される回転動力の回転速度とトルクとを検出し、
    前記制御情報が、前記エンジン出力として前記出力軸から出力される回転動力の回転速度とトルクとに対する前記設定吸気温度の関係を示した情報である請求項1〜5の何れか1項に記載の予混合圧縮着火エンジン。
  7. 燃料と燃焼用空気との予混合気を燃焼室において圧縮して自着火燃焼させるHCCI燃焼を行って出力軸から回転動力を出力するエンジン本体と、
    吸気温度を調整する温度調整手段と、
    エンジン出力を検出する出力検出手段と、
    前記エンジン出力に対する設定吸気温度の関係を示した制御情報を記憶する記憶手段と、
    前記制御情報を参照して前記出力検出手段で検出されたエンジン出力に対する設定吸気温度を抽出し、前記温度調整手段を制御して前記吸気温度を当該抽出した設定吸気温度に設定する吸気温度制御を実行する制御手段とを備えた予混合圧縮着火エンジンの制御方法であって、
    前記記憶手段に、前記制御情報として、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなる通常用制御情報と、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなり当該通常用制御情報よりも前記エンジン出力の刻み幅が大きい起動用制御情報とを記憶させ、さらに前記起動用制御情報として、冷態時用の冷態時制御情報と、当該冷態時制御情報よりも設定吸気温度を低下させた温態時制御情報とを記憶させ、
    前記制御手段による前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を、起動運転時においては前記起動用制御情報とし、通常運転時においては前記通常用制御情報とし、さらに前記起動用制御情報として、冷態状態であるときには前記冷態時制御情報とし、温態状態であるときには前記温態時制御情報とする予混合圧縮着火エンジンの制御方法。
  8. 燃料と燃焼用空気との予混合気を燃焼室において圧縮して自着火燃焼させるHCCI燃焼を行って出力軸から回転動力を出力するエンジン本体と、
    吸気温度を調整する温度調整手段と、
    エンジン出力を検出する出力検出手段と、
    前記エンジン出力に対する設定吸気温度の関係を示した制御情報を記憶する記憶手段と、
    前記制御情報を参照して前記出力検出手段で検出されたエンジン出力に対する設定吸気温度を抽出し、前記温度調整手段を制御して前記吸気温度を当該抽出した設定吸気温度に設定する吸気温度制御を実行する制御手段とを備えた予混合圧縮着火エンジンの制御方法であって、
    前記記憶手段に、前記制御情報として、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなる通常用制御情報と、前記エンジン出力が高くなるほど前記設定吸気温度が低くなり当該通常用制御情報よりも前記エンジン出力の刻み幅が大きい起動用制御情報とを記憶させ、さらに前記制御情報として、前記エンジン出力が低くなるほど前記設定吸気温度が低くなる燃焼抑制用制御情報を記憶させ、
    前記制御手段による前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を、起動運転時においては前記起動用制御情報とし、通常運転時においては前記通常用制御情報とし、さらに燃焼が過剰に活発になる異常燃焼状態であるときには、前記吸気温度制御にて参照する前記制御情報を前記燃焼抑制用制御情報に切り替えて、エンジン出力を低下させる出力低下処理を実行する予混合圧縮着火エンジンの制御方法。
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