JP2011241714A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼室20の混合気を燃焼室20での圧縮によって着火させる自着火燃焼制御時に失火が生じると、次回の燃焼サイクルにおいて燃焼を再開させることが困難となること。
【解決手段】イオン電流検出部62によって検出されるイオン出力値の最大値に基づき、完全失火が生じたと判断された場合、その直後の圧縮行程において、筒内噴射弁52から燃料噴射させ、点火プラグ36に放電火花を生じさせる処理を行う。一方、上記イオン出力値の最大値に基づき、部分失火が生じたと判断された場合、上記処理に加えて、吸気バルブ42が開弁するまで筒内噴射弁52及びポート噴射弁28の双方の燃料噴射を禁止させる処理を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】イオン電流検出部62によって検出されるイオン出力値の最大値に基づき、完全失火が生じたと判断された場合、その直後の圧縮行程において、筒内噴射弁52から燃料噴射させ、点火プラグ36に放電火花を生じさせる処理を行う。一方、上記イオン出力値の最大値に基づき、部分失火が生じたと判断された場合、上記処理に加えて、吸気バルブ42が開弁するまで筒内噴射弁52及びポート噴射弁28の双方の燃料噴射を禁止させる処理を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内燃機関の燃焼室に燃料を供給する燃料供給手段と、前記燃焼室に突出した点火プラグと、前記内燃機関の失火状態を検出する失火検出手段とを備える内燃機関に適用される内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば下記特許文献1に見られるように、内燃機関の吸気通路に燃料を噴射供給するポート噴射弁と、内燃機関の燃焼室に燃料を直接噴射供給する筒内噴射弁と、放電火花を発生させるべく燃焼室に突出する点火プラグとを備え、点火プラグの放電火花によって燃料と吸気との混合気を着火・燃焼させる火花点火燃焼制御が行われる内燃機関が知られている。詳しくは、この内燃機関ではまず、吸気行程においてポート噴射弁から噴射された燃料と吸気とが燃焼室に導入されることで、燃焼室に均質な混合気が形成される。そして、圧縮行程の上死点の手前において筒内噴射弁から燃料噴射させることで点火プラグ周辺にリッチな混合気を形成させ、その後点火プラグに放電火花を発生させる。こうした構成によれば、放電火花によって点火プラグ周辺のリッチな混合気が着火されることで1段目の燃焼が開始され、燃焼室の温度・圧力が上昇する。そして燃焼室の温度・圧力の上昇に伴い上記均質な混合気が圧縮自着火されることで2段目の燃焼が開始される。これにより、ノッキングや失火の発生を抑制しつつ内燃機関を運転させることが可能となる。
ところで、内燃機関の中には、上記特許文献1に記載されたもの以外に、燃焼室の混合気を燃焼室での圧縮によって着火(自着火)させる自着火燃焼制御が行われるものもある。詳しくは、混合気の燃焼に伴い発生する熱エネルギによって次回の燃焼サイクルにおける燃焼室の混合気を加熱することで、混合気の着火性を向上させ、自着火燃焼を実現している。ここで例えば、内燃機関の運転状態が燃焼室の温度等が急変する過渡状態となったり、内燃機関が低負荷領域で運転されたりする状況下においては、自着火燃焼制御時に燃焼状態が不安定となることで失火が生じることがある。自着火燃焼制御時に失火が生じると、混合気の燃焼に伴う熱エネルギの発生量が過度に少なくなること等に起因して、次回の燃焼サイクルにおける混合気の加熱を促進させることができなくなる。このため、混合気を自着火させることができなくなり、上記火花点火燃焼制御が行われる内燃機関と比較して、燃焼を再開させることが困難となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、自着火燃焼制御時に失火が生じた場合であっても、その後速やかに燃焼を再開させることのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、内燃機関の燃焼室に燃料を供給する燃料供給手段と、前記燃焼室に突出した点火プラグと、前記内燃機関の失火状態を検出する失火検出手段とを備える内燃機関に適用される内燃機関の制御装置において、前記燃料供給手段は、前記燃焼室に燃料を直接噴射供給する筒内噴射弁を含むものであり、前記燃焼室の燃料と吸気との混合気を該燃焼室での圧縮によって着火させる自着火燃焼制御を行う制御手段と、該制御手段による自着火燃焼制御時に、前記失火検出手段の検出値に基づき失火が生じたか否かを判断する失火判断手段と、該失火判断手段によって失火が生じたと判断された気筒について、該判断された直後の圧縮行程において、前記筒内噴射弁から燃料を噴射させ、前記点火プラグに放電火花を生じさせる燃焼再開手段とを備えることを特徴とする。
上記発明では、自着火燃焼制御時に失火が生じたと判断された気筒について、失火が生じたと判断された直後の圧縮行程において、筒内噴射弁からの燃料噴射によって点火プラグ周辺に局所的にリッチな混合気を形成させる。そして、点火プラグに放電火花を生じさせることで、上記局所的に形成されたリッチな混合気を着火させる。これにより、自着火燃焼制御時に失火が生じた場合であっても、その後混合気に適切に着火させることができ、ひいては速やかに燃焼を再開させることができる。更に、上記局所的にリッチな混合気を形成させるため、燃焼室全体に過度にリッチな混合気が形成される事態を回避することができ、燃焼を再開させる場合にノッキング等の異常燃焼が生じる事態の発生を回避することもできる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記内燃機関の排気行程後半から吸気行程前半までの間に排気バルブ及び吸気バルブの双方の閉弁期間を設定する手段と、該閉弁期間に前記筒内噴射弁から前記燃焼室に燃料を噴射供給させ、該筒内噴射弁による燃料噴射供給後の吸気行程において前記燃料供給手段から前記燃焼室に燃料を供給させる手段とを備えることを特徴とする。
上記発明では、排気バルブ及び吸気バルブの双方の閉弁期間(NVO期間)において燃焼室に筒内噴射弁から燃料を直接噴射供給する。これにより、噴射供給された燃料の燃焼によって燃焼室の温度を上昇させたり、噴射供給された燃料を着火性の高いものへと改質したりすることができ、ひいては吸気行程において供給された燃料によって形成された混合気の着火性を向上させることができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記失火判断手段は、前記失火が生じたか否かを判断する手段に加えて、前記自着火燃焼制御によって前記混合気の一部が燃焼した後に失火が生じる状態である部分失火が生じたか否かを判断する手段を更に備え、前記燃焼再開手段は、前記失火判断手段によって前記部分失火が生じたと判断された気筒について、前記吸気バルブが開弁するまで前記燃料供給手段から前記燃焼室への燃料供給量を制限する処理を行うことを特徴とする。
部分失火が生じた場合、膨張行程において燃焼室の混合気の一部の燃焼によって燃焼室の温度が上昇するとともに、燃焼に供されなかった高温の混合気が燃焼室に残留することとなる。その後の排気行程においては、NVO期間を設けるべく排気バルブの閉弁タイミングが早められることに起因して、燃焼室に残留した高温の混合気が燃焼室から排出されず、その後のNVO期間において燃焼室に残留することがある。この場合、膨張行程において混合気の一部の燃焼によって燃焼室の温度が上昇することと、燃焼室に高温の混合気が残留することとに起因して、NVO期間に筒内噴射弁から燃料が噴射供給されると、膨張行程でないにもかかわらずNVO期間に燃焼室で混合気が燃焼することで、内燃機関の信頼性が低下するおそれがある。更に、例えば燃料供給手段として内燃機関の吸気通路に燃焼を噴射供給するポート噴射弁が備えられる場合、NVO期間に燃焼室で混合気が燃焼すると、その後吸気バルブが開弁することで、NVO期間に燃焼に供された燃焼室の高温のガスと、ポート噴射弁から噴射供給された燃料によって形成された混合気とが接触すること等によってバックファイアが生じるおそれもある。
この点、上記発明では、部分失火が生じたと判断された気筒について、その後吸気バルブが開弁するまで燃料供給手段からの燃料供給量を制限する処理を行う。これにより、NVO期間に混合気が燃焼する等の事態の発生を抑制することができ、ひいては内燃機関の信頼性の低下を好適に抑制することができる。
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置をガソリンエンジンに適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に本実施形態にかかるシステム構成を示す。
図示されるエンジン10は、4ストロークエンジンであり、火花点火式内燃機関である。詳しくは、本実施形態では、エンジン10の吸気通路12において燃料(ガソリン)と吸気とを予め混合したもの(予混合気)を燃焼室20での圧縮により自着火(予混合圧縮自着火、Homogeneous Charge Compression Ignition:HCCI)燃焼させる内燃機関を想定している。
吸気通路12には、上流側から順に、吸入される空気量(吸気量)を検出するエアフローメータ14、DCモータ等のスロットルアクチュエータによってスロットル開度が調節される電子制御式のスロットルバルブ16及び吸気圧を検出する吸気圧センサ18が設けられている。吸気通路12のうち、吸気圧センサ18の下流側には、エンジン10の各気筒の燃焼室20に吸気を導入する吸気マニホールド22が接続されている。吸気マニホールド22において各気筒の吸気ポート近傍には、燃料ポンプ24aによって燃料タンク26から汲み上げられる燃料(ガソリン)を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁(ポート噴射弁28)が設けられている。ポート噴射弁28は、エンジン10のトルクを生成するため(出力制御用)の燃料噴射に用いられるものである。なお、吸気マニホールド22においてポート噴射弁28の下流側には、燃焼室20内に気流(スワール流やタンブル流)を生じさせる気流制御弁30が設けられている。また、吸気通路12には、スロットルバルブ16の上流側と下流側とが連通するようにバイパス通路32が接続されており、この通路には、アイドル運転時のエンジン回転速度を制御すべくこの通路を流れる吸気量を調節する電磁弁(アイドルスピードコントロールバルブ34)が設けられている。
エンジン10のシリンダヘッドには点火プラグ36が設けられており、プラグ先端に備えられた中心電極36a及び接地電極36bは燃焼室20内に突出している。
エンジン10の各気筒に複数(2つ)個ずつ設けられた吸気ポート及び排気ポートのそれぞれは、吸気バルブ42及び排気バルブ44のそれぞれにより開閉される。ここでは、吸気バルブ42の開弁によってポート噴射弁28により噴射供給される燃料と吸気との混合気が燃焼室20に導入され、点火プラグ36の放電火花によって混合気が着火され燃焼(火花点火燃焼)に供される。燃焼によって発生したエネルギは、ピストン38を介して、エンジン10の出力軸(クランク軸46)の回転エネルギとして取り出される。燃焼に供された混合気は、排気バルブ44の開弁によって排気として排気通路53に排出される。
上記吸気バルブ42及び排気バルブ44の開閉タイミング(バルブタイミング)は、吸気側及び排気側の可変バルブタイミング装置(吸気側及び排気側VVT装置48,50)により可変とされている。詳しくは、吸気側及び排気側VVT装置48,50は、クランク軸46に対する吸気側カム軸及び排気側カム軸の相対的な回転角度を調節するための吸気側及び排気側の可変バルブタイミング機構と、これら可変バルブタイミング機構の駆動力として油圧ポンプから可変バルブタイミング機構に供給される作動油の油圧を調節するための吸気側及び排気側の電磁駆動式の油圧制御弁とを備えて構成される。これら油圧制御弁が操作されることで上記油圧が調節され、吸気バルブ42及び排気バルブ44のバルブタイミングを調節することが可能となる。
エンジン10には、燃料ポンプ24bによって上記燃料タンク26から汲み上げられる燃料を燃焼室20に直接噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁(筒内噴射弁52)が設けられている。筒内噴射弁52は、後述する自着火燃焼制御のための微少燃料噴射が可能となっており、筒内噴射弁52の噴射率(単位時間当たりの燃料噴射量)は、ポート噴射弁28の噴射率よりも小さいものとなっている。
また、エンジン10には、クランク軸46付近でクランク軸46の回転角度を検出するクランク角度センサ54や、エンジン10を冷却する冷却水の温度を検出する水温センサ56等が設けられている。
電子制御装置(ECU58)は、エンジン10の各種制御に必要な各種アクチュエータを操作する制御装置である。ECU58は、CPU、RAM、ROM等からなるマイクロコンピュータ60や、イオン電流検出部62、点火制御部66等を有して構成されている。ここで、イオン電流検出部62は、後述するイオン電流検出回路64から出力されるイオン出力値を取得するとともに、この出力値をマイクロコンピュータ60へと出力する。また、点火制御部66は、点火プラグ36に放電火花を生じさせるべく、点火コイル68に点火信号を出力する。ECU58は、ユーザのアクセル操作量を検出するアクセルセンサ70や、クランク角度センサ54、更にはエアフローメータ14等の検出信号を逐次入力する。ECU58は、これらの信号に基づきポート噴射弁28による燃料噴射制御や、吸気バルブ42及び排気バルブ44のバルブタイミング制御、点火プラグ36による点火制御、上記スロットルアクチュエータによる吸気量制御、更には気流制御弁30による気流制御等、エンジン10の燃焼制御を行う。
次に、本実施形態にかかるイオン電流を検出するための構成について図2を用いて詳述する。
図示されるように、上記点火プラグ36には、点火コイル68を構成する二次コイル72の一端が接続され、二次コイル72の他端は、イオン電流検出回路64を介して接地されている。また、点火コイル68を構成する一次コイル74の一端は12Vのバッテリ76に接続され、一次コイル74の他端はパワートランジスタ78のコレクタ及びエミッタを介して接地されている。
イオン電流検出回路64は、一対のツェナーダイオード80,82や、コンデンサ84、抵抗(イオン電流検出抵抗86)等から構成されている。詳しくは、これらツェナーダイオード80,82のアノード側同士が直列に接続され、ツェナーダイオード80のカソード側が二次コイル72の一端に接続されている。また、ツェナーダイオード80,82のそれぞれには、コンデンサ84、イオン電流検出抵抗86がそれぞれ並列に接続されている。
こうした構成において、パワートランジスタ78のベースに入力される点火制御部66からのオン点火信号によってパワートランジスタ78がオンされると、バッテリ76から供給される一次電流が一次コイル74に流れる。一次コイル74への通電後、点火制御部66からのオフ点火信号によってパワートランジスタ78がオフされると、二次コイル72に高電圧が誘起され、点火プラグ36の中心電極36aと接地電極36bとの間に放電火花が生じるとともに、接地電極36bから中心電極36aへと電流(放電電流)が流れる。そして、二次コイル72を介して流れる放電電流によってツェナーダイオード80によって規定される電圧となるまでコンデンサ84に電荷が蓄積される。これにより、点火プラグ36の両電極36a,36b間には、コンデンサ84を電源として高電圧が印加される。
点火プラグ36の両電極36a,36b間にコンデンサ84により高電圧が印加される状況下、混合気が燃焼室20で着火・燃焼することでイオンが生じると、点火プラグ36の両電極36a,36b間に通電経路が形成され、コンデンサ84を電源として点火プラグ36の中心電極36aから接地電極36bへと電流(イオン電流)が流れる。イオン電流は、イオン電流検出抵抗86の接地側からこの抵抗を介してコンデンサ84へと流れるため、コンデンサ84とイオン電流検出抵抗86との間に接続されたイオン電流検出部62の入力電圧Vin(イオン出力値)がイオン電流に応じて変化する。
上記ECU58では、エンジン10の燃焼制御として、上記火花点火燃焼と、上記自着火燃焼とを適宜選択して採用する。詳しくは、ECU58は、機関運転状態に応じて火花点火燃焼させる制御(火花点火燃焼制御)と、自着火燃焼させる制御(自着火燃焼制御)とを切り替えることで、各制御に応じた上記燃料噴射制御や、バルブタイミング制御等を行う。以下、自着火燃焼制御について説明する。
この制御ではまず、排気行程の後半から吸気行程の前半までの間において、バルブタイミング制御により吸気バルブ42及び排気バルブ44の双方を閉弁させる(負のバルブオーバーラップ:NVO)期間を設定する処理(NVO設定処理)を行う。これにより、予混合気の燃焼によって生成された高温の燃焼ガス(内部EGR)を燃焼室20に残留させる。この内部EGRは、NVO期間において圧縮されることで更に高温高圧となる。そして、圧縮によって燃焼室20の温度が上昇する状況下、筒内噴射弁52から燃焼室20に燃料を噴射させることで、噴射された燃料の一部が燃焼に供される。これにより、燃焼室20の温度が更に上昇する。一方、筒内噴射弁52から噴射された燃料のうち、未燃燃料は、高温の内部EGRとともに燃焼室20に閉じ込められることで、着火性の高いものへと改質される。
上記筒内噴射弁52による燃料噴射とは別に、排気行程から吸気行程までの間に、エンジン10の出力制御用の燃料がポート噴射弁28により噴射されることで吸気通路12や吸気マニホールド22において予混合気が生成される。予混合気は、吸気バルブ42の開弁とともに燃焼室20に供給され、時間経過とともに燃焼室20にて予混合気が加熱される。その後、圧縮行程に移行することで燃焼室20の圧力・温度が上昇すると、NVO期間において改質された燃料が圧縮上死点付近で自着火することでこれが火種となり、予混合気が燃焼(メイン燃焼)に供される。なお、上記出力制御用の燃料噴射量は、上記NVO期間内に要求される燃料噴射量よりも通常は多いものとなっている。また、自着火燃焼制御時には、吸気量制御によって、基本的にはスロットル開度が全開とされる。このため、自着火燃焼によれば、予混合気のリーン化を図りつつ燃焼状態を良好なものとすることができ、燃費低減効果を向上させたり、NOxを低減させたりすることが可能となる。
ところで、自着火燃焼制御時に、エンジン10の運転状態が例えば要求トルク等が急変する過渡状態となる場合や、エンジン10が低負荷領域で運転される場合に失火が生じることがある。詳しくは、エンジン10の運転状態が過渡状態となる状況下において、吸気側及び排気側VVT装置48,50が油圧駆動式であるため燃焼状態を良好なものとする上で要求される適切なNVO期間を迅速に設定することができず、適切な量の内部EGRを燃焼室20に残留させることができなくなること等に起因して失火が生じることがある。また、エンジン10が低負荷領域で運転される状況下において、燃焼温度が低くなることで、燃焼状態が不安定となって失火が生じることがある。ここで一旦失火が生じると、混合気の燃焼に伴う熱エネルギの発生量が過度に不足することに起因して、次回の燃焼サイクルにおいて予混合気の加熱を促進することができなかったり、NVO期間において燃料の改質を適切に行うことができなかったりすることで、自着火燃焼が困難となる。
そこで本実施形態では、自着火燃焼制御時に失火が生じたと判断された気筒について、失火が生じたと判断された直後の圧縮行程において、筒内噴射弁52から燃料噴射させ、その後点火プラグ36に放電火花を生じさせることで燃焼を再開させる処理(燃焼再開制御処理)を行うことで、速やかに燃焼を再開させる。本実施形態では、燃焼再開制御処理として後述する完全失火時再開処理及び部分失火時再開処理を行い、これら処理を失火状態に応じて切り替える。
ここで上記失火状態の判断手法について説明すると、図3に示すように、圧縮上死点近傍におけるイオン電流値の最大値Vpに基づき、失火状態を判断する。詳しくは、図3(a)に示すように、イオン出力値の最大値Vpが第1の閾値X以上であると判断される場合、失火が生じていない正常燃焼であると判断する。これに対し、図3(b)に示すように、イオン出力値の最大値Vpが、第1の閾値X未満であって且つ第1の閾値Xよりも小さい値である第2の閾値Yを上回ると判断される場合、燃焼室20に存在する一部の燃料の燃焼が一旦開始されたものの途中で失火する状態(部分失火)であると判断する。一方、イオン電流値の最大値Vpが第2の閾値Y以下であると判断される場合、燃焼室20に存在する燃料が全く燃焼せず、燃焼に伴う熱が発生しない状態(完全失火)であると判断する。これは、燃焼反応が大きいほど、イオン出力値(イオン電流値)が大きくなることに基づくものである。
図4に、本実施形態にかかる上記燃焼再開制御処理を含むエンジン10の燃焼制御処理の手順を示す。この処理は、ECU58によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、アクセルセンサ70の出力値ACCPと、クランク角度センサ54の出力値Clankとを取得する。
続くステップS12では、上記アクセルセンサ70の出力値ACCPに基づきエンジン負荷(要求トルク、負荷率)KLを算出することともに、上記クランク角度センサ54の出力値Clankに基づきエンジン回転速度NEを算出する。
ステップS12の処理の完了後、ステップS14において、自着火燃焼領域であるか否かを判断する。この処理は、現在の運転領域が、自着火燃焼制御を行う運転領域であるか又は火花点火燃焼制御を行う運転領域であるかを判断するためのものである。具体的には、エンジン負荷KL及びエンジン回転速度NEと関連付けられた自着火燃焼領域及び火花点火燃焼領域を規定する予め実験等で定められたマップを用い、エンジン負荷KL及びエンジン回転速度NEに基づき、自着火燃焼領域であるか否かを判断する。なお、自着火燃焼領域は、主に高負荷高回転領域及び低負荷低回転領域を除く領域として規定され、自着火燃焼領域以外は火花点火燃焼領域として規定される。これは、高負荷高回転領域において自着火燃焼に起因するエンジン10の振動及び騒音の増大を回避したり、低負荷低回転領域においてエンジン10が低温となることに起因して自着火燃焼が困難となる事態を回避したりするためである。
ステップS14において否定判断された場合には、自着火燃焼が困難な運転領域であると判断し、ステップS16に進み、火花点火燃焼制御を行う。具体的には、火花点火燃焼制御のためのポート噴射弁28からの燃料噴射量・燃料噴射タイミング、点火プラグ36による点火タイミング及び吸気バルブ42・排気バルブ44のバルブタイミング等のそれぞれと、エンジン負荷KL及びエンジン回転速度NEとを関連付けるマップを用いて、エンジン負荷KL及びエンジン回転速度NEに基づき、燃料噴射制御処理、点火制御処理及びバルブタイミング制御処理等を行えばよい。ここで上記マップは、予め実験等により適合しておけばよい。
一方、上記ステップS14において自着火燃焼領域であると判断された場合には、ステップS18に進み、自着火燃焼制御処理を行う。具体的には、NVO期間、筒内噴射弁52からの燃料噴射量・燃料噴射タイミング及びポート噴射弁28からの燃料噴射量・燃料噴射タイミング等のそれぞれと、エンジン負荷KL及びエンジン回転速度NEとを関連付けるマップを用いて、エンジン負荷KL及びエンジン回転速度NEに基づき、上記NVO設定処理、燃料噴射制御処理等を行えばよい。ここで上記マップは、ステップS16の処理で用いられるマップと同様に、予め実験等により適合しておけばよい。
なお本実施形態では、エンジン負荷KLが所定以下であると判断された場合、点火プラグ36の放電火花によって混合気に着火させるための処理(点火アシスト処理)を行う。これは、エンジン負荷KLが低いと、NVO期間内の燃料の燃焼による熱エネルギの発生量が少なくなり、吸気行程において予混合気を十分に加熱することができなくなることに起因して失火が生じる事態を予め回避するためのものである。
続くステップS20では、失火が生じたか否かを判断する。この処理は、自着火燃焼領域が上記高負荷高回転領域及び低負荷低回転領域を除く領域として規定されたり、自着火燃焼制御中に上記点火アシスト処理が行われたりする場合であっても、エンジン10の運転状態が過渡状態になること等に起因して、失火が生じるおそれがあることに鑑みて設定されるものである。ここで失火が生じたか否かは、先の図3で示したように、イオン出力値の最大値Vpが第1の閾値X未満であるか否かで判断すればよい。
ステップS20においてイオン出力値の最大値Vpが第1の閾値X未満であると判断された場合には、失火が生じたと判断し、ステップS22において失火状態が、完全失火及び部分失火のうちいずれであるかを判断する。具体的には、先の図3に示したように、イオン出力値の最大値Vpが第2の閾値Y以下であるか否かで判断すればよい。
ステップS22においてイオン出力値の最大値Vpが第2の閾値Y以下であると判断された場合には、完全失火が生じたと判断し、ステップS24において燃焼再開制御処理として完全失火時再開処理を行う。この処理は、圧縮行程において、失火が生じた気筒に対応する筒内噴射弁52から少量の燃料を噴射させ、点火プラグ36に放電火花を生じさせる処理であり、エンジン10の信頼性の低下を回避しつつ燃焼を速やかに再開させるための処理である。つまり、自着火燃焼制御時には、基本的にはスロットル開度が全開とされることで吸気量が多くなる。このため、完全失火が生じた後、点火プラグ36の放電火花によって混合気を着火させる場合、多量の燃料を燃焼室20に供給することで混合気を形成させることが要求される。ここで完全失火が生じた後、多量の燃料によって形成された混合気を火花点火によって着火させることで燃焼を再開させると、燃焼の再開に伴い燃焼室20の圧力が急激に上昇することに起因して、騒音が増大したり、エンジン10の信頼性が低下したりするおそれがある。このため、圧縮行程において筒内噴射弁52から少量の燃料を噴射させることで、ポート噴射弁28から噴射供給された燃料と吸気とによって形成された燃焼室20の均質な混合気に対して点火プラグ36周辺に局所的にリッチな混合気(弱成層混合気)を形成させる。そしてその後、点火プラグ36の放電火花によって弱成層混合気に着火させる。これにより、多量に燃料を供給することなく燃焼を速やかに再開させることが可能となる。
なお、完全失火が生じたと判断された場合、判断された直後のNVO期間における筒内噴射弁52からの燃料噴射量や、ポート噴射弁28からの出力制御用の燃料噴射量を減量するのが望ましい。これは、失火によって燃焼に供されなかった燃料が燃焼室20に残留することによって、燃焼室20の混合気が過度にリッチとなる事態を回避するためである。
一方、上記ステップS22において否定判断された場合には、部分失火が生じたと判断し、ステップS26において燃焼再開制御処理として部分失火時再開処理を行う。この部分失火時再開処理は、上記完全失火時再開処理の内容に加えて、部分失火が生じたと判断されてから吸気バルブ42が開弁するまで筒内噴射弁52及びポート噴射弁28からの燃料噴射を禁止する処理である。この処理は、燃焼を速やかに再開させることに加えて、エンジン10の信頼性の低下を適切に回避するための処理である。つまり、部分失火が生じた場合、膨張行程において燃焼室20の混合気の一部の燃焼によって燃焼室20の温度が上昇するとともに、燃焼に供されなかった高温の混合気が燃焼室20に残留することとなる。その後の排気行程においては、NVO期間を設けるべく排気バルブ44の閉弁タイミングが進角されることに起因して、燃焼室20に残留した高温の混合気が排気通路53へと完全に排出されず、その後のNVO期間において燃焼室20に残留することがある。この場合、膨張行程において混合気の一部の燃焼によって燃焼室20の温度が上昇することと、燃焼室20に高温の混合気が残留することとに起因して、NVO期間に筒内噴射弁52から燃料が噴射供給されると、膨張行程でないにもかかわらずNVO期間に燃焼室20で混合気が燃焼することで、エンジン10の信頼性が低下するおそれがある。更に、NVO期間に燃焼室20の混合気が燃焼すると、その後吸気バルブ42の開弁によってNVO期間に燃焼に供された高温のガスが燃焼室20から吸気通路12へと逆流し、吸気通路12においてポート噴射弁28から噴射された燃料によって形成された混合気と接触することで吸気通路12内の混合気が着火されたり、燃焼中のガスが吸気通路12側へと逆流したりする現象(バックファイア)が生じるおそれがある。この場合、エンジン10の信頼性の低下が顕著となるおそれもある。このため、上記態様にて筒内噴射弁52及びポート噴射弁28の燃料噴射を禁止することで、NVO期間に混合気が燃焼する事態の発生を回避し、吸気バルブ42の開弁に伴うバックファイアの発生を回避する。これにより、エンジン10の信頼性の低下を適切に回避することが可能となる。
ちなみに本実施形態では、吸気バルブ42が開弁した後に、ポート噴射弁28に代えて筒内噴射弁52からエンジン10の出力制御用の燃料を噴射供給させる。このため、吸気バルブ42の閉弁によって燃焼室20への燃料の供給が制限されることがなく、ポート噴射弁28から噴射供給させる場合と比較して、出力制御用の燃料の噴射終了タイミングを設定する自由度を向上させることが可能となる。また、部分失火が生じたと判断された場合、上記完全失火が生じたと判断された場合と同様に、判断された直後における出力制御用の燃料噴射量を減量するのが望ましい。
なお、上記ステップS20において否定判断(正常燃焼であると判断)された場合や、ステップS16、S24、S26の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図5に、本実施形態における燃焼制御処理の一例を示す。
まず、図5(a)及び図5(1−b)〜図5(1−d)に、正常燃焼時における燃焼制御処理の一例を示す。詳しくは、図5(a)に吸気バルブ42及び排気バルブ44のリフトの推移を示し、図5(1−b)に燃焼室20の圧力(筒内圧)の推移を示し、図5(1−c)にイオン出力値の推移を示し、図5(1−d)に筒内噴射弁52又はポート噴射弁28からの燃料噴射の推移を示す。
図示されるように、正常燃焼の場合、時刻t1から時刻t2までの期間であるNVO期間内に筒内噴射弁52から少量の燃料が噴射された後、吸気行程においてポート噴射弁28から出力制御用の燃料が噴射される。これにより、その後圧縮行程において混合気が自着火し、燃焼に供される。
次に、図5(2−b)〜図5(2−d)に完全失火時における燃焼制御処理の一例を示し、図5(3−b)〜図5(3−d)に部分失火時における燃焼制御処理の一例を示す。なお、図5(2−b)〜図5(2−d)及び図5(3−b)〜図5(3−d)は、図5(1−b)〜図5(1−d)に対応している。
図示されるように、完全失火時の場合、完全失火が生じた気筒について、NVO期間経過直後の圧縮行程である時刻t3において筒内噴射弁52から少量の燃料を噴射させ、その後点火プラグ36の放電火花によって混合気に着火させる完全失火時再開処理を行う。
一方、部分失火時の場合には、部分失火が生じた気筒について、吸気バルブ42の開弁タイミング(時刻t2)まで筒内噴射弁52及びポート噴射弁28の双方からの燃料噴射を禁止し、その後上記開弁タイミングよりもやや遅れたタイミングで筒内噴射弁52から出力制御用の燃料を噴射させる部分失火時再開処理を行う。
このように、本実施形態では、自着火燃焼制御時における失火状態に応じて完全失火時再開処理又は部分失火時再開処理を行うことで、失火が生じた場合であっても、次回の燃焼サイクルにおいてエンジン10の信頼性の低下を回避しつつ速やかに燃焼を再開させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)自着火燃焼制御時においてイオン出力値の最大値Vpが第2の閾値Y以下であると判断された場合、完全失火が生じたと判断した。そして完全失火が生じたと判断された気筒について、完全失火が生じたと判断された直後の圧縮行程において、筒内噴射弁52から燃料噴射させ、点火プラグ36に放電火花を生じさせる完全失火時再開処理を行った。このため、完全失火が生じた場合であっても、その後燃焼再開時に異常燃焼が生じる事態の発生を回避することができる。これにより、エンジン10の信頼性の低下等を回避しつつ燃焼を速やかに再開させることができる。
(2)自着火燃焼制御時においてイオン出力値の最大値Vpが第1の閾値X未満であって且つ第2の閾値Yを上回ると判断された場合、部分失火が生じたと判断した。そして部分失火が生じたと判断された気筒について、上記完全失火時再開処理の内容に加えて、吸気バルブ42が開弁するまで筒内噴射弁52及びポート噴射弁28の双方の燃料噴射を禁止し、その後筒内噴射弁52から出力制御用の燃料を噴射させる部分失火時再開処理を行った。このため、部分失火が生じた場合であっても、その後バックファイアが生じる事態の発生を回避することができる。これにより、エンジン10の信頼性の低下等を回避しつつ燃焼を速やかに再開させることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態では、部分失火が生じたと判断された場合、吸気バルブ42が開弁するまで筒内噴射弁52及びポート噴射弁28の双方からの燃料噴射を禁止する処理を行ったがこれに限らない。例えば、部分失火が生じたと判断された場合であっても、その直後のNVO期間において、イオン出力値の最大値Vpに基づき燃焼室20で混合気が燃焼しないと判断された場合には、ポート噴射弁28の燃料噴射を許可する処理を行ってもよい。これは、NVO期間に混合気が燃焼しない場合には、高温の燃焼ガスが生成されないことから、吸気バルブ42の開弁に伴いバックファイアが生じるおそれがないと考えられるためである。また例えば、筒内噴射弁52やポート噴射弁28の燃料噴射量を制限する処理を行ってもよい。具体的には例えば、部分失火が生じたと判断された場合、イオン出力値の最大値Vpが大きいほど、自着火燃焼制御処理によって算出される筒内噴射弁52の燃料噴射量やポート噴射弁28の燃料噴射量を減量することで、該燃料噴射量を制限する処理とすればよい。
・上記実施形態では、失火状態に応じて、完全失火時再開処理又は部分失火時再開処理を切り替えるようにしたがこれに限らない。例えば、イオン出力値の最大値Vpが第1の閾値X未満であると判断された場合、完全失火時再開処理(又は部分失火時再開処理)のみを行うようにしてもよい。ただし、完全失火時再開処理を行う制御ロジックとする場合、部分失火であるか完全失火であるかを判断しないことから、NVO期間に混合気が燃焼する事態を回避すべく、筒内噴射弁52やポート噴射弁28の燃料噴射量を制限する処理を行うことが望ましい。
・上記実施形態では、部分失火が生じたと判断された場合、吸気バルブ42の開弁後に筒内噴射弁52から出力制御用の燃料を噴射させたがこれに限らない。例えば吸気バルブ42が開弁している期間にポート噴射弁28から出力制御用の燃料を噴射させてもよい。ただしこの場合、吸気バルブ42の開弁に伴いバックファイアが生じる事態を回避すべく、吸気バルブ42の開弁タイミングから規定期間経過したタイミングをポート噴射弁28からの燃料噴射開始タイミングとすることが望ましい。
・エンジン10に備えられる燃料噴射弁としては、筒内噴射弁52及びポート噴射弁28の双方に限らない。例えば、筒内噴射弁52のみを備え、この噴射弁からNVO期間内に要求される燃料と、エンジン10の出力制御用の燃料とを噴射させてもよい。この場合、出力制御用の燃料を、例えばNVO期間の終了タイミングから圧縮行程の前半までの間に噴射させればよい。この際、NVO期間内に要求される燃料と出力制御用の燃料とを各別の筒内噴射弁52から噴射させてもよい。
・失火状態の検出手法としては、上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、筒内圧を検出する筒内圧センサを備え、このセンサの出力値に基づく筒内圧から失火状態を検出してもよい。具体的には例えば、筒内圧の最大値が規定圧を下回ると判断された場合、失火が生じたと判断すればよい。これは、失火が生じると、筒内圧が低下することに鑑みたものである。また例えば、燃焼室20の光量や輝度等の光学的なパラメータの値を検出するセンサを備え、このセンサの出力値に基づき失火状態を検出してもよい。具体的には例えば、同センサの出力値に基づき、混合気の燃焼に伴う光が発生したか否かで失火が生じたか否かを判断したり、同センサの出力値に基づく光量に基づき完全失火又は部分失火が生じたか否かを判断したりしてもよい。これは、光量が少ないほど、燃焼反応が小さいことに鑑みたものである。
・上記実施形態において、燃焼室20に排気を供給する排気供給手段を備え、失火が生じたと判断された場合、燃焼室20に排気を供給すべく排気供給手段を操作する排気供給処理を行ってもよい。これは、失火が生じると、混合気を加熱するための熱量が不足することに鑑み、次回の燃焼サイクルにおける自着火燃焼の着火性を向上させるための処理である。ここで上記排気供給手段は、具体的には、排気通路53と吸気通路12とを接続する連結通路と、連結通路を開閉するバルブとを備える構成とすればよい。この場合、排気供給処理は、失火が生じたと判断された場合、他気筒の燃焼室20から排出される排気を失火が生じた気筒の燃焼室20に連結通路及び吸気通路12を介して供給すべく、失火直後の吸気行程においてバルブを開状態とする処理とすればよい。また排気供給手段は、具体的には、排気通路53と燃焼室20とを直接接続する連結通路と、この通路を開閉するバルブとを備えて構成としてもよい。この場合、排気供給処理は、失火が生じたと判断された場合、他気筒の燃焼室20から排出される排気を失火が生じた気筒の燃焼室20に連結通路を介して直接供給すべく、失火直後の膨張行程や吸気行程においてバルブを開状態とする処理とすればよい。
・自着火燃焼制御手法としては、上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、吸気行程の前半において排気バルブ44及び吸気バルブ42の双方を開弁させる期間を設定することで、吸気行程における排気バルブ44の開弁中に排気通路53から燃焼室20へと排気を戻すことによって混合気を加熱するための熱を確保し、自着火燃焼させる制御を行ってもよい。
・内燃機関としては、上記実施形態に例示したものに限らず、例えば、点火プラグ36付近を狙って燃料を噴射供給する筒内噴射弁を備えるスプレーガイド方式の成層燃焼を行う内燃機関であってもよい。ここでスプレーガイド方式の成層燃焼とは、圧縮行程後半において筒内噴射弁から噴射された燃料によって点火プラグ36付近に着火性の高いリッチな混合気を直接的に形成させ、その後点火プラグ36の放電火花によって混合気を着火・燃焼させるものである。
10…エンジン、20…燃焼室、28…ポート噴射弁、36…点火プラグ、42…吸気バルブ、44…排気バルブ、48…吸気側VVT装置、50…排気側VVT装置、52…筒内噴射弁、58…ECU(内燃機関の制御装置の一実施形態)、62…イオン電流検出部。
Claims (3)
- 内燃機関の燃焼室に燃料を供給する燃料供給手段と、前記燃焼室に突出した点火プラグと、前記内燃機関の失火状態を検出する失火検出手段とを備える内燃機関に適用される内燃機関の制御装置において、
前記燃料供給手段は、前記燃焼室に燃料を直接噴射供給する筒内噴射弁を含むものであり、
前記燃焼室の燃料と吸気との混合気を該燃焼室での圧縮によって着火させる自着火燃焼制御を行う制御手段と、
該制御手段による自着火燃焼制御時に、前記失火検出手段の検出値に基づき失火が生じたか否かを判断する失火判断手段と、
該失火判断手段によって失火が生じたと判断された気筒について、該判断された直後の圧縮行程において、前記筒内噴射弁から燃料を噴射させ、前記点火プラグに放電火花を生じさせる燃焼再開手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記制御手段は、前記内燃機関の排気行程後半から吸気行程前半までの間に排気バルブ及び吸気バルブの双方の閉弁期間を設定する手段と、該閉弁期間に前記筒内噴射弁から前記燃焼室に燃料を噴射供給させ、該筒内噴射弁による燃料噴射供給後の吸気行程において前記燃料供給手段から前記燃焼室に燃料を供給させる手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
- 前記失火判断手段は、前記失火が生じたか否かを判断する手段に加えて、前記自着火燃焼制御によって前記混合気の一部が燃焼した後に失火が生じる状態である部分失火が生じたか否かを判断する手段を更に備え、
前記燃焼再開手段は、前記失火判断手段によって前記部分失火が生じたと判断された気筒について、前記吸気バルブが開弁するまで前記燃料供給手段から前記燃焼室への燃料供給量を制限する処理を行うことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
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2010
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