JP3975695B2 - 自己着火式エンジン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自己着火式エンジン、例えば自動車用の4サイクル型の直噴火花点火圧縮自己着火式ガソリンエンジンにおいて、圧縮自己着火燃焼のために、火炎伝播には至らない火花点火により燃料の一部を活性化(改質)することで、燃料の着火性を改善し、所望の燃焼時期を得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮自己着火による燃焼は、燃焼室の多点で燃焼が開始されるため、通常の火花点火におけるリーン限界よりもリーン側の空燃比で燃焼を行うことができる利点を有する一方、着火時期を決定する燃料の予反応の進行度合いが圧縮行程中の温度・圧力の変化履歴で決まるため、適切な着火時期が得られる運転条件が限られるという問題がある。
【0003】
例えば、比較的負荷の高い運転条件のときに圧縮上死点前後で自己着火するように設定したエンジンの場合、負荷が低いときは圧縮上死点までに自己着火が得られず、圧縮上死点後は燃焼室内の温度・圧力が低下するので、結果的に燃焼の機会を失って失火することになる。
このような失火の発生を回避する方法としては、燃焼室内に供給した燃料を予め活性化しておき、圧縮行程中の予反応の進行を速めて自己着火の準備が整うまでの時間を短縮することが考えられる。
【0004】
例えば、特開2001−3771号公報には、排気弁を早期に閉じることによって前サイクルの既燃焼ガスを燃焼室内に残留させ、このガスの熱と補助的に行う火花点火とによって燃焼室内にラジカルを生成するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
燃料を改質してアルデヒド等の活性種を生成しようとする場合、ある程度高温の混合気中で火花点火を行うことが有効である。
上記の従来技術では、この高温を得るために前サイクルの既燃焼ガスを利用するようにしているが、この場合、冷却損失の増加による燃費の悪化が懸念される。すなわち、排気弁を早期に閉じると、ピストンが上死点まで上昇する間に圧縮仕事が発生する。この仕事は、ピストンが上死点から下降するときにトルクとして回収されるが、高温の既燃焼ガスから燃焼室壁を介して冷却水へ伝達されてしまった熱のエネルギーまで回収することはできない。燃料改質効果を高めようとして次サイクルへ残留させる既燃焼ガス量を増やすと、上記の冷却損失も大きくなってしまう。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みなされたもので、燃料活性化のために必要な高温場をできるだけ少量の空気で実現し、燃料活性化に伴う損失の発生を低減できる自己着火式エンジンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1の発明では、高温の空気と燃料とを混合して得た高温混合気を燃焼室内に直接噴射する混合気噴射弁と、燃焼室に臨んで配設される火花点火栓と、を備え、前記混合気噴射弁による高温混合気の噴射と前記火花点火栓による火炎伝播には至らない燃料活性化のための火花点火との両方を吸気行程中に実行することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明では、前記混合気噴射弁と前記火花点火栓とを互いに隣接して配置すると共に、前記混合気噴射弁による高温混合気の噴射期間中に前記火花点火栓による前記火花点火を実行することを特徴とする。
請求項3の発明では、前記混合気噴射弁による吸気行程中の噴射の他に、エンジン負荷に応じて圧縮行程中に少なくとも1回の追加の噴射を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明では、全噴射量に対する吸気行程中の噴射量の割合を、エンジン負荷が大きい程小さくすることを特徴とする。
請求項5の発明では、全噴射量に対する吸気行程中の噴射量の割合を、エンジン回転速度が大きい程大きくすることを特徴とする。
請求項6の発明では、前記火花点火の時期は、エンジン負荷が大きい程遅角することを特徴とする。
【0010】
請求項7の発明では、前記火花点火の時期は、エンジン回転速度が大きい程進角することを特徴とする。
請求項8の発明では、ノッキング検出手段を備え、該ノッキング検出手段がノッキングを検出した場合に、前記吸気行程中の噴射量の割合を減少させることを特徴とする。
【0011】
請求項9の発明では、ノッキング検出手段を備え、該ノッキング検出手段がノッキングを検出した場合に、前記火花点火の時期を遅角させることを特徴とする。
請求項10の発明では、燃焼安定度検出手段を備え、該燃焼安定度検出手段が燃焼不安定を検出した場合に、前記吸気行程中の噴射量の割合を増加させることを特徴とする。
【0012】
請求項11の発明では、燃焼安定度検出手段を備え、該燃焼安定度検出手段が燃焼不安定を検出した場合に、前記火花点火の時期を進角させることを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、吸気行程中に、高温の空気と燃料とを混合して得た高温混合気を燃焼室内に噴射すると共に、この高温混合気に対し補助的な火花点火を行うことで、燃料を活性化し、活性化された燃料を筒内に十分拡散させることによって、その後のピストンの圧縮作用による自己着火燃焼時の着火性を大幅に改善できる一方、混合気噴射弁内で混合気を形成するのに必要な空気だけを高温とすればよいので、燃料活性化に伴う損失の発生を低減できるという効果が得られる。
【0014】
請求項2の発明によれば、混合気噴射弁と火花点火栓とを互いに隣接して配置し、混合気噴射弁による高温混合気の噴射期間中に火花点火栓による火花点火を行うことで、高温混合気の温度が低下する前に良好な燃料改質を行うことができる。すなわち、燃焼室内に噴射された高温混合気は、燃焼室内に広く拡散していく過程で徐々に温度が低下することになるので、燃料改質のための火花点火は高温混合気の噴射と同時に行うのがよいのである。また、早期に活性種を生成することで、活性種を燃焼室内に広く拡散させることができる。
【0015】
尚、混合気噴射弁の場合はその内部で燃料の気化及び空気との混合が進んでいるため、噴射された混合気は既に十分均質な混合気となっている。このため、噴射された混合気に直接火花点火を行っても、ここで生じる燃料の酸化反応はほとんど部分酸化反応(改質反応)までとなる。これに対し、高温の燃焼室内へ液体燃料を噴射した場合、噴射直後の燃料噴霧内には燃料の疎密が存在しており、燃料密度が局所的に高くなっている部分(例えば燃料液滴の周囲)では酸化反応が改質反応に止まらず完全酸化(燃焼)にまで至ってしまう恐れがある。
【0016】
請求項3の発明によれば、混合気噴射弁による吸気行程中の噴射の他に、エンジン負荷に応じて圧縮行程中に少なくとも1回の追加の噴射を行うことで、自己着火燃焼の運転領域を高負荷まで広げることができる。
請求項4の発明によれば、全噴射量に対する吸気行程中の噴射量の割合を、エンジン負荷が大きい程小さくすることで、ノッキングしやすい高負荷時は、吸気行程中に噴射し補助点火を行うことで活性化させる燃料の割合を少なくし、自己着火を比較的起こしにくくして、ノッキングを回避することができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、全噴射量に対する吸気行程中の噴射量の割合を、エンジン回転速度が大きい程大きくすることで、自己着火しにくい高回転時は、吸気行程中に噴射し補助点火を行うことで活性化させる燃料の割合を多くし、自己着火し易くして、安定した自己着火を行うことができる。
請求項6の発明によれば、火花点火の時期は、エンジン負荷が大きい程遅角することで、ノッキングしやすい高負荷時は、燃料の活性化の時間を短くすることにより活性化燃料の割合を少なくし、自己着火を比較的起こしにくくして、ノッキングを回避することができる。
【0018】
請求項7の発明によれば、火花点火の時期は、エンジン回転速度が大きい程進角することで、自己着火しにくい高回転時は、燃料活性化の時間を長くすることにより活性化燃料の割合を多くし、自己着火し易くして、安定した自己着火を行うことができる。
請求項8の発明によれば、ノッキングを検出した場合に、吸気行程中の噴射量の割合を減少させることで、次サイクルから比較的自己着火しにくくなり、ノッキングを回避できる。
【0019】
請求項9の発明によれば、ノッキングを検出した場合に、火花点火の時期を遅角させることで、次サイクルから比較的自己着火しにくくなり、ノッキングを回避できる。
請求項10の発明によれば、燃焼不安定を検出した場合に、吸気行程中の噴射量の割合を増加させることで、次サイクルから自己着火し易くなり、燃焼不安定を回避できる。
【0020】
請求項11の発明によれば、燃焼不安定を検出した場合に、火花点火の時期を進角させることで、次サイクルから自己着火し易くなり、燃焼不安定を回避できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す直噴火花点火圧縮自己着火式ガソリンエンジンのシステム図である。
シリンダ1、シリンダヘッド2及びピストン3により画成される燃焼室4には、図示しないスロットル弁の制御を受けた空気が、吸気通路を構成する吸気マニフォルド5及び吸気ポート6より、吸気弁7の開時に吸入される。
【0022】
シリンダヘッド2には、その中央部付近に、高温の空気と燃料とを混合して得た高温混合気を燃焼室4内に直接噴射することのできる混合気噴射弁8が取付けられると共に、この混合気噴射弁8に隣接して燃焼室4に臨む火花点火栓9が取付けられている。
ここで、混合気噴射弁8に対しては、吸気通路のスロットル弁上流側からエアポンプ10により加圧して導いた空気をヒータ11により電気加熱して得た高温の空気を供給する空気配管12が接続されると共に、図示しない燃料タンクから燃料ポンプ13により加圧して導いた燃料を供給する燃料配管14が接続されている。
【0023】
混合気噴射弁8は、図2に概略構造図を示すように、前記空気配管12が接続される混合気噴射弁本体8aと、これに対し斜めに取付けられて前記燃料配管14が接続される燃料噴射弁8bとを備え、前記本体8aの混合室8cに高温の空気を導入すると共に、燃料噴射弁8bより燃料を噴射して、混合室8c内で高温の空気と燃料とを混合し、同時に燃料を気化させる。このようにして得た高温混合気はノズル部8dより燃焼室内に噴射供給する。
【0024】
図1に戻って、燃焼後の排気は、排気弁15の開時に、排気通路を構成する排気ポート16及び排気マニフォルド17より排出される。また、排気マニフォルド17より排気の一部を吸気マニフォルド5に還流するEGR通路18が設けられ、このEGR通路18にはEGR量(EGR率)を調整可能なEGR制御弁19が介装されている。
【0025】
エンジン制御用の電子制御装置(エンジンコントロールユニット;以下ECUという)20は、マイクロコンピュータを内蔵しており、これには、クランク角センサ31からのクランク角信号(これによりエンジン回転速度Nを検出可能)、アクセル開度センサ32からのアクセル開度信号(これによりエンジン負荷Tを検出可能)、排気温度センサ33からの排気温度信号、ノッキングセンサ34からのノッキング検出信号などが入力されている。
【0026】
ECU20は、これらの入力信号に基づいて、混合気噴射弁8、火花点火栓9、EGR制御弁19の作動を制御する。
特に、このエンジンでは、運転条件に応じた燃焼制御を行うため、ECU20は、運転条件に応じて火花点火燃焼と圧縮自己着火燃焼とのいずれの燃焼形態で運転を行うかを判断する燃焼形態判断部21を備えると共に、その判断結果に従って燃焼パラメータを各燃焼形態にて最適となるように制御する燃料噴射量制御部22、燃料噴射時期制御部23、点火時期制御部24、筒内温度制御のためのEGR率制御部25を備えている。但し、これらはマイクロコンピュータのプログラムとして実現される。
【0027】
次に、本実施形態での燃焼制御について説明する。
前記構成のもと、本実施形態では、エンジン回転速度、負荷の運転条件に応じて、火花点火燃焼と圧縮自己着火燃焼とを切換可能となっており、図3に示すように、エンジン回転速度Nと負荷Tとによる特定の運転領域(低中回転・低中負荷領域)において圧縮自己着火燃焼を行い、それ以外の運転領域においては火花点火燃焼を行う。
【0028】
図4に圧縮自己着火燃焼時のクランク角度に対する噴射時期及び点火時期と筒内圧及び熱発生率の変化とを示す。また、図5に図4中の各タイミングでのエンジンの状態を模式的に示す。
圧縮自着火燃焼時には、吸気行程において、詳しくは吸気弁7の開弁時期IVOから吸気下死点BDCまでの間に、混合気噴射弁8から高温の空気と燃料とを混合して得た高温混合気を噴射し(吸気行程噴射)、この噴射期間中に、噴射された高温混合気に対し火花点火栓9により比較的弱い点火エネルギーで補助的な火花点火(補助点火)を行う(図5(A)参照)。
【0029】
このような補助点火により燃料の一部を活性化(燃料改質)するが、火炎伝播には至らせない。混合気噴射弁8の場合はその内部で燃料の気化及び空気との混合が進んでいるため、噴射された混合気は既に十分均質な混合気となっている。このため、噴射された混合気に直接火花点火を行っても、ここで生じる燃料の酸化反応はほとんど部分酸化反応(改質反応)までとなる。
【0030】
このようにして活性化された燃料は、吸気行程の進行と共に、筒内に拡散する(図5(B)参照)。
圧縮行程においては、混合気噴射弁8より、エンジン負荷に応じて少なくとも1回の追加の噴射(圧縮行程噴射)を行う(図5(C)参照)。
圧縮行程中に噴射された燃料は、吸気行程中に噴射されて活性化し筒内に拡散している燃料と混合し、ピストン3の圧縮作用により、圧縮上死点TDC近傍で、自己着火に至り、燃焼を開始する(図5(D)参照)。
【0031】
燃料の活性化により自己着火し易い燃料成分を多く含むため、燃料の着火性が向上し、自己着火燃焼の運転領域を広げることができる。また、混合気噴射弁8内で混合気を形成するのに必要な空気だけをヒータ11などを用いて高温とすればよいので、燃料活性化に伴う損失の発生を低減できる。
ここで、圧縮自己着火燃焼においては、エンジン回転が高い程、また負荷が小さい程自己着火しにくい。従って、図6に示すように、エンジン回転速度Nが大きい程、また負荷Tが小さい程、全噴射量に対する吸気行程噴射量(活性化燃料)の割合を大きくして、自己着火を起こし易くする。
【0032】
また、補助点火時期IGTは、進角側で点火した方が、燃料活性化の時間が長くなり、自己着火し易くなる。従って、図7に示すように、エンジン回転速度Nが大きい程、また負荷Tが小さい程、補助点火時期IGTを進角し、自己着火を起こし易くする。
この場合、混合気噴射弁8による高温混合気の噴射期間中に火花点火を行うことが望ましいので、補助点火時期IGTの変更に合わせて、吸気行程噴射時期を変更するのが望ましい。
【0033】
以上に基づいて行われる本発明での燃焼制御の流れを図8のフローチャートにより説明する。
S1では、エンジン回転速度N、負荷Tを検出する。
S2では、図3のマップに基づき、エンジン回転速度Nと負荷Tとから、火花点火燃焼運転領域であるか、圧縮自己着火燃焼運転領域であるか、燃焼形態を判断する。火花点火燃焼を行うと判断された場合は、S3に進み、通常の火花点火燃焼の制御を行う。
【0034】
一方、圧縮自己着火燃焼を行うと判断された場合は、S4〜S14に示す圧縮自己着火燃焼の制御を行う。以下、この圧縮自己着火燃焼の制御について説明する。
S4では、マップ(図示せず)に基づき、エンジン回転速度Nと負荷Tとから、EGRガスにより筒内温度を適度に昇温させるためのEGR率を算出する。
【0035】
S5では、マップ(図示せず)に基づき、EGR率と、実際に検出した排気温度とから、EGR制御弁開度を算出し、制御する。ここで、目標とするEGR率が大きくなるほど、EGR制御弁開度を大きくすることは当然であるが、排気温度により筒内温度を間接的に検出し、排気温度が低くなるに従って、筒内温度上昇のためEGR制御弁開度を大側に補正する。但し、EGR率による燃焼時期制御を行わない場合はこれらS4、S5は省略される。
【0036】
S6では、吸気行程噴射量q1及び圧縮行程噴射量q2を算出する。
詳しくは、先ず、図6のマップに基づき、エンジン回転速度Nと負荷Tとから、全噴射量qに対する吸気行程噴射量の割合Mを算出する。ここで、吸気行程噴射量の割合Mは、高回転、低負荷になるにつれて大きく設定される。そして、吸気行程噴射量q1=全噴射量q×M、圧縮行程噴射量q2=全噴射量q×(1−M)として、算出する。尚、全噴射量qは吸入空気量、エンジン回転速度、目標空燃比等から周知の方法で算出される。
【0037】
但し、前サイクルのルーチンにおいて、後述するS12又はS14にて吸気行程噴射量の割合を減少又は増加すべきとの指令がある場合は、前記割合Mはマップ値を補正して用いる。
S7では、図7のマップに基づき、エンジン回転速度Nと負荷Tとから、補助点火時期IGTを算出する。ここで、補助点火時期IGTは、高回転、低負荷になるにつれて進角側に設定される。
【0038】
但し、前サイクルのルーチンにおいて、後述するS12又はS14にて補助点火時期を遅角又は進角すべきとの指令がある場合は、補助点火時期IGTの補正を行う。
S8では、吸気行程噴射を実行する。すなわち、吸気行程中の所定の噴射時期又は補助点火時期IGTに合わせて設定された噴射時期において、混合気噴射弁8により、S6で設定された吸気行程噴射量q1分の燃料噴射(混合気噴射)を行う。
【0039】
S9では、吸気行程中の補助点火を実行する。すなわち、吸気行程中、特に混合気噴射弁8による吸気行程噴射中に、S7で設定された補助点火時期IGTにおいて、火花点火栓9により、火花点火を行う。
S10では、圧縮行程噴射を実行する。すなわち、圧縮行程中の所定の噴射時期において、混合気噴射弁8により、S6で設定された圧縮行程噴射量q2分の燃料噴射(混合気噴射)を行う。
【0040】
S11では、ノッキングセンサの信号に基づいて、ノッキングの有無を判定する(この部分がノッキング検出手段に相当する)。
ノッキングを検出した場合は、S12へ進み、次サイクルでの吸気行程噴射量の割合Mを減少させるか、次サイクルでの補助点火時期IGTを遅角させるか、少なくとも一方を行うようにし、自己着火を比較的起こしにくくして、ノッキングを回避する。
【0041】
ノッキング無しの場合は、S13へ進む。
S13では、クランク角センサの信号より回転変動を検出し、これに基づいて燃焼安定性を判定する(この部分が燃焼安定度検出手段に相当する)。
燃焼不安定を検出した場合は、S14へ進み、次サイクルでの吸気行程噴射量の割合Mを増加させるか、次サイクルでの補助点火時期IGTを進角させるか、少なくとも一方を行うようにし、自己着火を起こし易くして、燃焼不安定を回避する。
【0042】
このように制御することで、ノッキングの発生や燃焼安定性の悪化を防止しつつ、安定した自己着火燃焼を実現できる。
尚、本実施形態では、混合気噴射弁8への空気配管12に電気ヒータを装着することにより高温の空気を得ているが、高温の空気を得る方法はこれに限るものではなく、電気ヒータ以外の他の加熱手段を用いてもよいし、加熱位置も混合気噴射弁8により近づけるなどしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すエンジンのシステム図
【図2】 混合気噴射弁の概略構造図
【図3】 圧縮自己着火燃焼を行う運転領域を示す図
【図4】 圧縮自己着火燃焼の制御の説明図
【図5】 図4中の各タイミングでのエンジンの状態を示す模式図
【図6】 回転速度及び負荷に対する吸気行程噴射量の割合の特性図
【図7】 回転速度及び負荷に対する補助点火時期の特性図
【図8】 燃焼制御のフローチャート
【符号の説明】
4 燃焼室
7 吸気弁
8 混合気噴射弁
8a 混合気噴射弁本体
8b 燃料噴射弁
8c 混合室
8d ノズル部
9 火花点火栓
10 エアポンプ
11 ヒータ
12 空気配管
13 燃料ポンプ
14 燃料配管
20 ECU
Claims (11)
- 高温の空気と燃料とを混合して得た高温混合気を燃焼室内に直接噴射する混合気噴射弁と、燃焼室に臨んで配設される火花点火栓と、を備え、
前記混合気噴射弁による高温混合気の噴射と前記火花点火栓による火炎伝播には至らない燃料活性化のための火花点火との両方を吸気行程中に実行することを特徴とする自己着火式エンジン。 - 前記混合気噴射弁と前記火花点火栓とを互いに隣接して配置すると共に、前記混合気噴射弁による高温混合気の噴射期間中に前記火花点火栓による前記火花点火を実行することを特徴とする請求項1記載の自己着火式エンジン。
- 前記混合気噴射弁による吸気行程中の噴射の他に、エンジン負荷に応じて圧縮行程中に少なくとも1回の追加の噴射を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自己着火式エンジン。
- 全噴射量に対する吸気行程中の噴射量の割合を、エンジン負荷が大きい程小さくすることを特徴とする請求項3記載の自己着火式エンジン。
- 全噴射量に対する吸気行程中の噴射量の割合を、エンジン回転速度が大きい程大きくすることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の自己着火式エンジン。
- 前記火花点火の時期は、エンジン負荷が大きい程遅角することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の自己着火式エンジン。
- 前記火花点火の時期は、エンジン回転速度が大きい程進角することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の自己着火式エンジン。
- ノッキング検出手段を備え、該ノッキング検出手段がノッキングを検出した場合に、前記吸気行程中の噴射量の割合を減少させることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1つに記載の自己着火式エンジン。
- ノッキング検出手段を備え、該ノッキング検出手段がノッキングを検出した場合に、前記火花点火の時期を遅角させることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の自己着火式エンジン。
- 燃焼安定度検出手段を備え、該燃焼安定度検出手段が燃焼不安定を検出した場合に、前記吸気行程中の噴射量の割合を増加させることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1つに記載の自己着火式エンジン。
- 燃焼安定度検出手段を備え、該燃焼安定度検出手段が燃焼不安定を検出した場合に、前記火花点火の時期を進角させることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の自己着火式エンジン。
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