JP2001123925A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JP2001123925A
JP2001123925A JP30307199A JP30307199A JP2001123925A JP 2001123925 A JP2001123925 A JP 2001123925A JP 30307199 A JP30307199 A JP 30307199A JP 30307199 A JP30307199 A JP 30307199A JP 2001123925 A JP2001123925 A JP 2001123925A
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ignition timing
fuel
fuel injection
injection
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JP30307199A
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Hironobu Sato
広信 佐藤
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Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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    • Y02T10/40Engine management systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の制御装置に関し、燃料噴射量のみ
ならず点火時期についても最適値に設定することにより
排ガス特性等を悪化させることなく加速応答性をを向上
できるようにする。 【解決手段】 内燃機関の運転状態に基づいて燃料噴射
量Pwを算出し、算出した量Pwの燃料を吸気行程中に
燃焼室内に直接噴射するよう噴射装置を制御するととも
に、吸気行程中に吸入された空気量A2/Ne2に基づい
て燃料の増加補正量Pwaを算出し、算出した量Pwa
の補正用燃料を圧縮行程中に燃焼室内に噴射するよう噴
射装置を制御する。また、内燃機関の運転状態に基づい
て設定した点火時期IGT1を上記の燃料噴射量Pwと
増加補正量Pwaとの総和に基づいて補正し、補正した
点火時期IGT2で点火するように点火装置を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも吸気行
程中に燃料噴射を行なう吸気行程噴射モードを有する筒
内噴射式内燃機関に用いて好適の、内燃機関の制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃焼室内に直接燃料噴射が可能な
火花点火式の筒内噴射式内燃機関が実用化されている。
この種の内燃機関では、燃焼室に臨んで配設された噴射
装置から燃焼室内に直接燃料を噴射するという特徴によ
り、吸気行程初期から圧縮行程後期までの広い範囲での
燃料供給が可能になっており、機関運転状態に応じて均
一燃焼(吸気行程噴射)と層状燃焼(圧縮行程噴射)と
を切り換えることによって高出力と低燃費との両立が可
能になっている。
【0003】ところで、筒内噴射式内燃機関における噴
射装置の制御量(燃料噴射量及び噴射時期)は、吸気行
程中に燃料噴射を行なう吸気行程噴射モードでは、排気
行程末期から吸気行程初期での機関運転状態(機関負
荷,機関回転速度等)に基づき設定される。しかしなが
ら、噴射装置の制御量が決定された後にドライバがアク
セル操作を行ない走行状態が加速側に移行した場合、例
えば、定速走行状態から加速した場合や、弱い加速から
強い加速へ移行した場合や、減速側から定速走行状態に
移行した場合には、上記の制御方法では、加速側への移
行により機関運転状態が変化したにも関わらず、加速移
行前の機関運転状態に基づき設定された制御量に基づい
て噴射装置を制御することになってしまう。このため、
加速状態への移行により吸気行程での吸入空気量が増加
した分だけ空燃比が目標値よりもリーン化してしまい、
実際にドライバが要求する出力が得られず加速応答性が
悪化してしまうことになる。
【0004】この点に関し、特公平7−59910号公
報には、吸気行程末期付近でシリンダ内に吸入された空
気量を検出し、検出した空気量から燃料噴射量の不足分
を演算して、演算結果に基づき不足分の燃料を圧縮行程
中に直接シリンダ内に追加噴射することで加速応答性を
向上させるようにした技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の技術
(特公平7−59910号)には次のような課題があ
る。内燃機関の制御においては、燃料噴射量や噴射時期
とともに点火装置の点火時期が重要になる。電子制御式
の内燃機関の場合、通常、機関負荷と機関回転速度とを
パラメータとして運転領域毎に最適点火時期がマップに
記憶されており、検出した機関負荷と機関回転速度に基
づきこのマップを参照することによって点火時期を設定
するようになっている。機関負荷としては、一般に吸入
空気量又は吸入空気量に相関するパラメータが用いられ
ている。
【0006】点火時期が最適点火時期に対してずれた場
合、例えば遅角方向にずれた場合には、出力の低下や燃
費の悪化を招いてしまい、逆に点火時期が最適点火時期
に対して進角方向へずれた場合には、ノッキングの発生
を招き機関の損傷や排ガス特性の悪化を招いてしまうこ
とにもなる。したがって、点火時期をどの時期に設定す
るかは非常に重要となる。
【0007】しかしながら、上記の特公平7−5991
0号公報には点火時期をどのように設定するかについて
は何ら記載も示唆もされていない。そこで、従来の一般
的な点火時期の設定方法が適用されるものとすると、ま
ず、排気行程初期から吸気行程初期で検出した吸入空気
量に基づき点火時期を設定することが考えられる。とこ
ろが、このような設定方法では、上記の燃料噴射量に関
する課題と同様に、吸入空気量の検出後の加速により吸
気行程での吸入空気量が増加した場合には点火時期が最
適値からずれてしまい、この場合には進角方向へずれて
しまいノッキングの発生を招き排ガス特性等を悪化させ
てしまう虞がある。
【0008】また、常に吸気行程終了時以降に実際に検
出された吸入空気量に基づいて点火時期を設定するよう
にした技術も提案されている。このような技術によれば
吸気行程で吸入空気量が増加した場合にも対応でき、上
記のような点火時期の最適値からのずれに伴う不具合を
防止することができる。ところが、この場合には機関回
転速度が高回転になったときに不具合が生じる。
【0009】つまり、電子制御式の内燃機関の場合、上
述した燃料噴射量,噴射時期及び点火時期の設定は、E
CU(電子制御ユニット)内のCPUによって演算処理
されている。上記の場合では、点火時期の演算は吸気行
程終了時以降の吸入空気量の検出時から圧縮行程での点
火時期までの間に行なう必要がある。ところが、機関回
転速度が高くなるほどサイクルタイムは短くなり、吸気
行程終了時点から点火時期までの時間も短くなるが、C
PUの演算処理速度は機関回転速度に関わらず常に一定
であるため、機関回転速度が高くなるにつれ処理負担が
高くなり、CPUの演算処理速度によっては処理が間に
合わなくなってしまう虞がある。このCPUの演算処理
速度はCPUの能力により決まるが、演算処理速度が速
いほど高性能であり、且つコストも高いのが一般的であ
る。したがって、演算処理の遅れ等の不具合を伴うこと
なく上記技術を用いるためにはコストの増大を招いてし
まうことになる。
【0010】以上のように、上記技術(特公平7−59
910号)は、吸気行程末期付近でシリンダ内に吸入さ
れた空気量から燃料噴射量の不足分を演算し、演算結果
に基づき不足分の燃料を追加噴射することで加速応答性
は確保することができるものの、点火時期については何
ら示唆されていないため、ノッキングや排ガス性能の悪
化等の不具合が発生する虞があるのである。
【0011】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、燃料噴射量のみならず点火時期についても最
適値に設定することにより排ガス特性等を悪化させるこ
となく加速応答性を向上できるようにした、内燃機関の
制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の内燃機関の制御装置では、機関運転状態検
出手段により検出された内燃機関の運転状態に基づいて
燃料噴射量算出手段により燃料噴射量を算出し、算出し
た量の燃料を吸気行程中に燃焼室内に直接噴射するよう
第一燃料噴射制御手段により噴射装置を制御するととも
に、空気量検出手段により検出された吸気行程中に吸入
された空気量に基づいて補正量算出手段により燃料の増
加補正量を算出し、算出した量の補正用燃料を第一燃料
噴射制御手段による噴射が終了した後に燃焼室内に噴射
するよう第二燃料噴射制御手段により噴射装置を制御す
る。また、機関運転状態検出手段により検出された内燃
機関の運転状態に基づいて点火時期設定手段により点火
時期を設定するとともに、燃料噴射量算出手段により算
出された燃料噴射量と補正量算出手段により算出された
増加補正量との総和と、燃焼室内に吸入された総吸入空
気量との少なくとも一方に基づいて点火時期補正手段に
より点火時期を補正し、点火時期補正手段により補正さ
れた或いは点火時期設定手段により当初設定された点火
時期で点火するように点火制御手段により点火装置を制
御する。
【0013】これにより、吸気行程での吸入空気量の増
加による燃料の不足が解消され加速応答性が向上すると
ともに、吸気行程での吸入空気量の増加による点火時期
の最適値からのずれも解消され排ガス特性の悪化等も防
止される。なお、好ましくは、吸気行程中に吸入された
空気量の増加量或いは増加率が所定値以上か否かを判定
し、空気量の増加量或いは増加率が所定値以上になった
ときにのみ、補正量算出手段による燃料の増加補正量の
算出及び第二燃料噴射制御手段による噴射装置の制御と
点火時期補正手段による点火時期の補正とを行なうよう
にする。これにより、燃料の不足や点火時期のずれが問
題になる程度に空気量が増加したときにだけ、補正量算
出手段,第二燃料噴射制御手段,点火時期補正手段によ
る各処理が行なわれるようになり、演算処理装置の負担
が軽減される。
【0014】また、機関運転状態が低回転高負荷状態の
ときには吸気行程中に自己着火し得ない量の燃料を補助
噴射してその後の圧縮行程中に主噴射する2段混合噴射
を行なう機関の場合には、該2段混合噴射時の点火時期
制御マップを参照して点火時期を補正するのが好まし
い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。なお、図1〜図5は本発明の一実
施形態としての内燃機関の制御装置を示すものである。
まず、本制御装置が適用される内燃機関の概要について
説明すると、本内燃機関は、吸気,圧縮,膨張,排気の
各行程を一作動サイクル中にそなえる内燃機関、即ち4
サイクル機関であって、火花点火式で、且つ、燃焼室内
に燃料を直接噴射可能なガソリン筒内噴射式内燃機関で
ある。燃料噴射の態様としては、予混合燃焼によるスト
イキ運転(理論空燃比運転)を実現し、出力を向上させ
るために吸気行程中に燃料噴射を行なうストイキモード
と、さらなる出力の向上のために理論空燃比よりも過濃
な空燃比で運転を行なうエンリッチモードと、予混合燃
焼によるリーン運転を実現し、緩加速による出力を得る
ために吸気行程中(特に吸気行程前半)に燃料噴射を行
なう前期リーン噴射モードと、層状燃焼によるリーン運
転を実現し、さらに燃費を向上させるために圧縮行程中
(特に、圧縮行程後半)で燃料噴射を行なう後期リーン
噴射モードとが設けられており、運転状態に応じて選択
されるようになっている。
【0016】本筒内噴射式内燃機関の概略構成について
説明すると、図1に示すように、本筒内噴射式内燃機関
(以下、エンジンという)1のシリンダヘッド2には、
吸気通路4および排気通路5が燃焼室3に連通しうるよ
うに接続されている。吸気通路4と燃焼室3とは吸気弁
6によって連通制御されるとともに、排気通路5と燃焼
室3とは排気弁7によって連通制御されるようになって
いる。また、シリンダヘッド2には、燃焼室3の頂部中
央に点火プラグ(点火装置)8がそなえられており、吸
気通路3側には、インジェクタ(噴射装置)9が、その
開口を燃焼室3に臨ませるように配置されている。この
インジェクタ9には、図示しない高圧ポンプにより加圧
された燃料が供給されるようになっている。
【0017】吸気通路4には、各気筒の燃焼室3内に吸
入空気を導入するための吸気マニホールド11が、燃焼
室3に対して比較的直立して設けられた吸気ポート10
に接続されている。吸気マニホールド11の上流には、
エアクリーナ13およびスロットルバルブ12が設けら
れており、スロットルバルブ12にはその開度を検出す
るためのスロットルポジションセンサ(TPS)14が
付設されている。また、エアクリーナ13とスロットル
バルブ12との間には、吸入空気流量Aを検出するため
の空気量検出手段としてのエアフローセンサ(AFS)
15がそなえられている。
【0018】一方、排気通路5には、各気筒の燃焼室3
から排出された排ガスを一つに集合させる排気マニホー
ルド17が排気ポート16に連接してそなえられてい
る。排気マニホールド17の下流側には排気浄化装置1
8および図示しないマフラ (消音器)が設けられてい
る。排気浄化装置18には、NOx 触媒及び三元触媒が
そなえられており、排出ガス中の有害成分(CO,H
C,NOx)を浄化するようになっている。
【0019】また、クランクシャフト19には、クラン
ク角度センサ20がそなえられている。このクランク角
度センサ20はクランクシャフト19の回転の180°
を1周期としてパルス信号を出力するようになってお
り、図5に示すように75°BTDC(435°BTD
C)と255°BTDC(615°BTDC)とでオフ
からオンへ、5°BTDC(365°BTDC)と18
5°BTDC(545°BTDC)とでオンからオフへ
信号が変化するようになっている。
【0020】本制御装置30は、上述のような構成のエ
ンジン1に適用され、機能手段として、運転モード選択
手段31と燃料噴射制御手段32と点火時期制御手段3
3とを有している。なお、本制御装置30はCPU,R
AM,ROM,I/O等の要素からなる電子制御ユニッ
ト(ECU)として構成されており、上記機能手段31
〜33はこれらの要素の協働によって実現されるように
なっている。
【0021】運転モード選択手段31は、エンジン1の
運転状態に応じて上述した各運転モードの中から一つを
選択する手段である。エンジン1の運転状態はエンジン
回転速度Neやエンジン負荷(平均有効圧力)Peから
把握することができ、エンジン回転速度Neにはクラン
ク角センサ20の検出情報から算出したものを用い、エ
ンジン負荷Peにはエンジン回転速度Ne及びAFS1
5で検出された吸入空気流量A等の各情報から算出した
ものを用いるようになっている。すなわち、ここではク
ランク角センサ20及びAFS15が機関運転状態検出
手段として機能するようになっている。
【0022】燃料噴射制御手段32は、インジェクタ9
からの燃料の噴射時期と噴射量とを制御する手段であ
り、噴射量算出手段34と第一燃料噴射制御手段35と
補正量算出手段36と第二燃料噴射制御手段37とから
構成される。各構成手段について説明すると、噴射量算
出手段34は、燃焼室3内に噴射すべき燃料量を算出す
る手段であり、まず、運転モード選択手段31で設定さ
れた運転モードに応じた燃料噴射制御マップを選択し、
選択した燃料噴射制御マップを用いて、エンジン回転速
度Ne及びエンジン負荷Peに応じた目標空燃比を設定
するようになっている。そして、前行程の末期にAFS
15で検出した吸入空気流量Aとエンジン回転速度Ne
とからA/Ne(∝吸入空気量)を演算し、演算したA
/Neと目標空燃比とから燃料噴射量(噴射パルス幅)
Pwを算出するようになっている。例えば、運転モード
が、吸気行程中に燃料噴射を行なうストイキモードや前
期リーン噴射モードの場合には、燃料噴射量Pwは排気
行程末期に検出した吸入空気流量Aとエンジン回転速度
Neとに基づき算出するようになっている。
【0023】そして、第一燃料噴射制御手段35は、噴
射量算出手段34で算出された燃料噴射量Pwと運転モ
ードに応じて決まる噴射時期とにしたがいインジェクタ
9を制御する手段である。運転モードに応じて選択され
た燃料噴射制御マップから、エンジン回転速度Ne及び
エンジン負荷Peに応じて燃料噴射終了時期を設定し、
設定した燃料噴射終了時期と燃料噴射量Pwとから燃料
噴射開始時期を算出して、インジェクタ9に噴射パルス
を出力するようになっている。
【0024】次に、補正量算出手段36及び第二燃料噴
射制御手段37について説明すると、これらの手段は、
選択された運転モードがストイキモードや前期リーン噴
射モードである場合に機能するようになっている。つま
り、吸気行程で燃料噴射を行なう場合にのみ機能する手
段である。吸気行程で燃料噴射を行なう場合、前述のよ
うに燃料噴射量Pwは排気行程末期(ここでは、365
°BTDC)に計測した吸入空気流量A1に基づき算出
される。つまり、排気行程末期に計測した吸入空気流量
1とエンジン回転速度(排気行程の平均エンジン回転
速度)Ne1とから推定される吸入空気量が、実際に吸
気行程中に吸入される吸入空気と等しいものとして燃料
噴射量Pwを算出するのである。ところが、加速等のた
めにドライバがアクセルを踏み込みスロットルバルブ1
2が開かれると、次第にブーストが上昇していき、吸入
空気量も増加していくことになる。この吸入空気量の増
加が吸気行程で生じると、実際に燃焼室3内に吸入され
る空気量は排気行程中のA1/Ne1から推定されるもの
よりも増加することになり、A1/Ne1に基づき算出し
た燃料噴射量Pwでは、目標空燃比よりもリーンな空燃
比になってしまう。
【0025】そこで、補正量算出手段36では、吸気行
程で吸入空気量が増加した場合には、その増加に応じて
燃料噴射量の補正量(噴射パルス幅)Pwaの算出を行
なうようになっている。まず、補正量算出手段36は、
吸気行程の末期(185°BTDC)においてAFS1
5により吸入空気流量A2を検出し、検出した吸入空気
流量A2とエンジン回転速度(吸気行程の平均エンジン
回転速度)Ne2とからA2/Ne2を算出して、この算
出値A2/Ne2を排気行程のA1/Ne1と比較するよう
になっている。そして、その差ΔA/Ne(ΔA/Ne
=A2/Ne2−A 1/Ne1)が所定値以上のときには、
ΔA/Neを吸入空気量の増加分とみなしてΔA/Ne
に応じた燃料噴射量Pwの補正量Pwaを算出するよう
になっている。なお、上記所定値はインジェクタ9の最
小駆動パルス幅であり、ΔA/Neがこの所定値未満の
ときには、補正燃料を噴射するメリットが得られないた
め、補正量Pwaの算出は行なわないようになってい
る。また、補正量Pwaは、ΔA/Neと目標空燃比と
から算出するようになっている。
【0026】そして、第二燃料噴射制御手段37は、補
正量算出手段36で算出された量(噴射パルス幅)Pw
aの補正燃料を燃焼室3内に噴射すべくインジェクタ9
を制御する手段であり、補正燃料量Pwaと運転モード
とに応じて圧縮行程中の所定時期にインジェクタ9を制
御して補正燃料を噴射するようになっている。なお、こ
のときの噴射時期は、ノッキング等を考慮して決定され
るようになっている。
【0027】次に、点火時期制御手段33について説明
する。点火時期制御手段33は点火プラグ8の点火時期
を制御する手段であり、点火時期設定手段38と点火制
御手段39と点火時期再設定手段(点火時期補正手段)
40とから構成されている。各構成手段について説明す
ると、まず、点火制御手段39は所定の点火時期で点火
するように点火プラグ8を制御する手段であり、次に述
べる点火時期設定手段38で設定された点火時期又は点
火時期再設定手段40により再設定(補正)された点火
時期に基づき点火プラグ8を制御するようになってい
る。
【0028】点火時期設定手段38は、点火時期IGT
を設定する手段であり、運転モード選択手段31で設定
された運転モードに応じた点火時期制御マップを選択
し、選択した点火時期制御マップを用いて、エンジン回
転速度Ne及び燃料噴射量Pwに応じた最適点火時期I
GTを設定するようになっている。ここでは、点火時期
設定手段38による点火時期IGTの演算タイミング
は、燃料噴射量Pwや噴射時期の演算タイミング(排気
行程末期)とずらして演算処理負担を軽減するため、吸
気行程中期でのクランク角信号の立ち上がり時(255
°BTDC)に設定されており、点火時期設定手段38
では、この演算タイミングに直近の排気行程末期(36
5°BTDC)に演算されたエンジン回転速度Ne1
び燃料噴射量Pwに基づき最適点火時期IGT1を設定
するようになっている。
【0029】次に、点火時期再設定手段40について説
明すると、この手段は、選択された運転モードがストイ
キモードや前期リーン噴射モードである場合に機能する
ようになっている。つまり、吸気行程で燃料噴射を行な
う場合にのみ機能する手段である。吸気行程で燃料噴射
を行なう場合、点火時期IGT1は前述のように排気行
程末期での検出情報に基づき算出したエンジン回転速度
Ne1及び燃料噴射量Pwに基づき算出される。ところ
が、燃料噴射量Pwは前述のようにA/Ne(∝吸入空
気量)に基づき算出されたものであるが、加速等のため
にドライバがアクセルを踏み込みスロットルバルブ12
が開かれると、吸入空気量は次第に増加していくことに
なる。この吸入空気量の増加が吸気行程で生じると、実
際に燃焼室3内に吸入される空気量は排気行程中のA1
/Ne1から推定されるものよりも増加することにな
り、実際に必要とされる燃料噴射量Pwも増大すること
になる。したがって、排気行程末期に計測したエンジン
回転速度Ne1及び燃料噴射量Pwに基づき算出した点
火時期IGT1では、進角方向に進みすぎることになっ
てしまう。
【0030】そこで、点火時期再設定手段40では、補
正量算出手段36により燃料噴射量Pwの補正量Pwa
の算出が行なわえた場合には、点火時期IGTの再設定
を行なうようになっている。詳述すると、点火時期再設
定手段40は、点火時期設定手段38が点火時期の設定
に用いる点火時期制御マップとは別に、エンジン回転速
度Neと総燃料噴射量とをパラメータとして点火時期を
設定する再設定専用の点火時期制御マップを運転モード
毎に有している。そして、この再設定専用マップを参照
して、吸気行程末期(185°BTDC)でのエンジン
回転速度Ne2、及び、先に噴射量算出手段34で算出
された燃料噴射量Pwと補正量算出手段36により算出
された補正量Pwaとの総和(総燃料噴射量)に応じた
最適点火時期IGT2を再設定するようになっている。
具体的にはこの再設定により、点火時期IGTはリター
ド側に補正されることになる。なお、この場合の点火時
期IGT2の演算タイミングは、圧縮行程でのクランク
角信号の立ち上がり時(75°BTDC)に設定されて
おり、吸気行程末期(185°BTDC)での補正量P
wa及び噴射時期の演算タイミングとずらして演算処理
負担を軽減させている。
【0031】次に、上記構成の内燃機関の制御装置にお
ける制御手順について、図2〜図4に示すフローチャー
トを参照しながら説明する。まず、図2に示すように、
制御手段30は、排気行程中においてクランク角度セン
サ20が365°BTDCを検出したとき(クランク角
度センサ20の出力信号がオンからオフになったと
き)、180°周期、すなわち、545°BTDCから
365°BTDCまでのクランク角180°の回転に要
した時間からエンジン回転速度Ne1を算出するととも
に(ステップS100)、AFS15により吸入空気流
量A1を検出する(ステップS110)。
【0032】そして、噴射量算出手段34では、エンジ
ン回転速度Ne1と吸入空気流量A1とからA1/Ne1
算出し(ステップS120)、算出したA1/Ne1と目
標空燃比等から燃料噴射量Pwを算出する(ステップS
130)。第一燃料噴射制御手段35では、運転モード
に応じて選択された燃料噴射制御マップからエンジン回
転速度Ne及びエンジン負荷Peに応じて燃料噴射終了
時期を設定し、設定した燃料噴射終了時期と燃料噴射量
(噴射パルス幅)Pwとから燃料噴射開始時期を算出す
る。そして、算出した燃料噴射開始時期から終了時期ま
での間、インジェクタ9から燃焼室3内に直接燃料を噴
射させる(ステップS140)。一方、点火時期設定手
段38では、吸気行程中のクランク角信号の立ち上がり
時(255°BTDC)においてエンジン回転速度Ne
1と燃料噴射量Pwとに基づき点火時期IGT1を設定す
る(ステップS150)。
【0033】次に、図3に示すように、制御手段30
は、吸気行程中においてクランク角度センサ20が18
5°BTDCを検出したとき、365°BTDCから1
85°BTDCまでの180°周期からエンジン回転速
度Ne2を算出するとともに(ステップS200)、A
FS15により吸入空気流量A2を検出する(ステップ
S210)。
【0034】そして、補正量算出手段36では、エンジ
ン回転速度Ne2と吸入空気流量A2とからA2/Ne2
算出し(ステップS220)、算出したA2/Ne2とス
テップS120で算出したA1/Ne1との差ΔA/Ne
(ΔA/Ne=A2/Ne2−A1/Ne1)を算出する
(ステップS230)。算出した差ΔA/Neを所定値
(第一の所定値)と比較したとき(ステップS24
0)、差ΔA/Neが所定値以上の場合には、補正量算
出手段36は、差ΔA/Neと目標空燃比等から補正量
Pwaを算出する(ステップS250)。そして、第二
燃料噴射制御手段37では、補正量Pwaが算出された
後の圧縮行程中においてインジェクタ9を制御して燃焼
室3内に直接補正燃料を噴射する(ステップS26
0)。
【0035】また、図4に示すように、点火時期再設定
手段40では、補正量算出手段36により補正量Pwa
の算出が行なわれたか否か、すなわち、追加噴射が実行
されるか否かを判定し(ステップS300)、追加噴射
が実行される場合には、圧縮行程中の75°BTDCに
おいて、吸気行程末期(185°BTDC)でのエンジ
ン回転速度Ne2、及び、先に噴射量算出手段34で算
出された燃料噴射量Pwと補正量算出手段36により算
出された補正量Pwaとの総和(総燃料噴射量)に応じ
て点火時期IGT2を再設定する(ステップS31
0)。
【0036】そして、点火制御手段39では、追加噴射
が実行されない場合には、点火時期設定手段38で設定
された点火時期IGT1で点火プラグ8を作動させ、追
加噴射が実行される場合には、点火時期再設定手段40
で再設定された点火時期IGT2で点火プラグ8を作動
させる(ステップS320)。以上の制御をタイムチャ
ートにより表したものが図5である。この図5を用い
て、吸気行程中に吸入空気量が増加した場合の本制御装
置による作用効果についてより具体的に説明する。
【0037】図5に示すように、排気行程中(特に排気
行程の後半)にドライバがアクセルを操作してスロット
ルバルブ12の開度を大きくしたとする。このとき、ブ
ーストもスロットル開度に応じた大きさに上昇するが、
スロットル開度の変化に完全に対応して上昇するのでは
なく、スロットル開度の変化にやや遅れて次第に上昇し
ていく。
【0038】本制御装置では、まず、排気行程末期での
クランク角信号の立ち下がり時(365°BTDC)に
おいてAFS15により吸入空気流量A1を検出し、検
出した吸入空気流量A1とエンジン回転速度Ne1とに基
づき基本燃料噴射量Pwを算出する。また、次のクラン
ク角信号の立ち上がり時(255°BTDC)におい
て、その時点での最新の情報となる365°BTDCで
のエンジン回転速度Ne 1と基本燃料噴射量Pwとに基
づき点火時期IGT1を設定する。
【0039】そして、吸気行程中の運転状態に応じた所
定時期に、算出した量Pwの燃料をインジェクタ9から
燃焼室3内に直接噴射する。このように排気行程末期に
検出した吸入空気流量A1とエンジン回転速度Ne1とか
ら吸気行程での吸入空気量を予測して燃料噴射量Pwを
算出することにより、吸気行程初期から任意のタイミン
グでの燃料噴射が可能になる。
【0040】ところが、吸入空気流量A1を検出した排
気行程末期(365°BTDC)ではブーストの変化は
まだ小さく、ブーストはその後の吸気行程にかけて大き
く上昇していき、吸入空気量が増加していく。このた
め、吸入空気流量A1に基づき算出した燃料噴射量Pw
では、この増加した吸入空気量に対しては過少であり、
空燃比は目標空燃比よりもリーンになってしまう。さら
に、燃料噴射量Pwは吸入空気流量A1に基づき算出さ
れるため、この燃料噴射量Pwに基づき算出した点火時
期IGT1では、増加した吸入空気量に対しては進角方
向に進みすぎることになり、この点火時期IGT1で点
火した場合にはノッキングが生じる虞がある。
【0041】しかしながら、本制御装置では、吸気行程
末期でのクランク角信号の立ち下がり時(185°BT
DC)において再度吸入空気流量A2を検出し、吸気行
程末期でのA2/Ne2と排気行程末期でのA1/Ne1
を比較して、その増加分ΔA/Neから吸入空気量の増
加量を予測してΔA/Neに応じた補正燃料量Pwaを
算出する。そして、ノッキングを考慮して吸気行程末期
から圧縮行程間の所定時期に、補正量Pwaをインジェ
クタ9から燃焼室3内に直接噴射する。これにより、吸
入空気量に対する燃料噴射量の不足が解消され、目標空
燃比での運転が可能になる。
【0042】さらに、本制御装置では、次のクランク角
信号の立ち上がり時(75°BTDC)において、18
5°BTDCでのエンジン回転速度Ne2と総燃料噴射
量(Pw+Pwa)とに基づき、点火時期IGT2を再
設定する。具体的には、当初の点火時期IGT1よりも
リタードさせる。そして、再設定した点火時期IGT2
で点火プラグ9を作動させ、燃焼室3内の混合気に点火
して燃焼させる。これにより、エンジン1の運転状態に
応じた最適な点火時期IGT2で点火することができ、
過早点火によるノッキングが防止される。
【0043】このように、本内燃機関の制御装置によれ
ば、吸気行程末期(185°BTDC)において吸入空
気流量A2を検出し、吸気行程末期でのA2/Ne2と排
気行程末期でのA1/Ne1とを比較して、その増加分Δ
A/Neに応じた補正量Pwaを燃焼室3内に直接噴射
するようになっているので、吸入空気量に対する燃料噴
射量の不足を解消して目標空燃比での運転が可能にな
り、加えて、吸気行程中に吸入空気量が増加したときに
は、エンジン回転速度Ne2と総燃料噴射量(Pw+P
wa)とに基づき点火時期IGT2を再設定するので、
吸気行程での吸入空気量の増加による点火時期の最適値
からのずれも解消でき、過早点火によるノッキング等を
防止して燃費の悪化や排ガス特性の悪化等を招くことな
く加速応答性を向上させることができるという利点があ
る。
【0044】また、エンジン回転速度Neが高くなって
いくにつれ、CPUの演算処理負担は大きくなり、特
に、圧縮行程中の75°BTDCにおける点火時期IG
2の演算が厳しくなっていくが、エンジン回転速度N
eが高い場合には、アクセルはある程度踏まれた状態で
あり、それからさらに踏み込まれたとしても低回転時か
らの踏み込みに比較して吸入空気量の増加は少ない。つ
まり、エンジン回転速度Neが高くなるほど吸入空気量
の増加は少なくなり、点火時期の再設定は不要になって
当初の点火時期の設定で間に合うようになる。
【0045】したがって、本制御装置によれば、高回転
時に圧縮行程中で点火時期を演算する必要がなく、吸気
行程中に設定した当初の点火時期IGT1を用いること
ができるので、エンジン回転速度Neの上昇に伴うCP
Uの演算処理負担が軽減されるという利点がある。ま
た、仮に高回転時において吸入空気量が大きく変動し、
点火時期IGT2を再設定するための演算が間に合わな
くなったとしても、吸気行程中に設定した点火時期IG
1によって点火プラグ8を作動させることができるの
で、失火による排ガス特性の悪化を防止することができ
るという利点もある。
【0046】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上述した実施形態に限定されるものでは
なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実
施することができることは言うまでもない。例えば、上
述の実施形態では、エンジン回転速度Ne2と総燃料噴
射量(Pw+Pwa)とに基づき点火時期IGT2を再
設定するようになっているが、エンジン回転速度Ne2
と補正量Pwaとに基づき当初設定した点火時期IGT
1を補正(リタード側に補正)するようにしてもよい。
【0047】また、上述の実施形態では、エンジン回転
速度Neと燃料噴射量とに基づき点火時期IGTを設定
しているが、燃料噴射量を決定する上での基礎となる吸
入空気量をパラメータとして、エンジン回転速度Neと
吸入空気量とに基づき点火時期IGTを設定するように
してもよい。この場合、点火時期設定手段38による点
火時期IGT1の設定は、排気行程末期(365°BT
DC)でのエンジン回転速度Ne1及び吸入空気量(∝
1/Ne1)に基づき設定し、点火時期再設定手段40
による点火時期IGT2の設定は、吸気行程末期(18
5°BTDC)でのエンジン回転速度Ne2及び吸入空
気量(∝A2/Ne2)に基づき設定する。
【0048】さらに、上述の実施形態では、エンジン1
の燃料噴射の態様として、ストイキモード,エンリッチ
モード,前期リーン噴射モード,後期リーン噴射モード
を有する場合について説明したが、さらに、2段混合噴
射モードを有する場合には、次のような制御を行なうこ
とができる。まず、2段混合噴射モードについて説明す
ると、この運転モードは吸気行程中に自己着火し得ない
量の燃料を補助噴射し、その後の圧縮行程中に主噴射す
ることによって、発進時のノッキングを回避しながら発
進応答性を向上させるようにしたものであり、図6の燃
料噴射マップに示すように低回転高負荷時に選択される
モードである。
【0049】一方、上述した追加燃料の噴射は、吸気行
程中に燃料噴射を行なう運転モードにおいて吸気行程中
のアクセル操作等により吸入空気量が増大した場合に行
なわれるが、このような状況が通常起こり得るのはエン
ジン1の運転状態が比較的低回転時のストイキモード或
いは前期リーン噴射モードにある場合である。そして、
このとき、ドライバのアクセル操作により吸入空気量が
増大した場合には、エンジン負荷が増大してエンジン1
の運転状態は低回転高負荷状態となるが、上記の2段混
合噴射モードが設けられている場合には、図6中の矢印
(P1→P2,P 3→P4)で示すように、エンジン1の運
転状態はストイキモード(或いは吸気リーン噴射モー
ド)から2段混合噴射モードに突入することになる。
【0050】ストイキモード(或いは吸気リーン噴射モ
ード)と2段混合噴射モードとを比較した場合、ノッキ
ングの発生し易さの違いから最適点火時期を設定するた
めの点火時期制御マップが異なっており、ストイキモー
ド(或いは吸気リーン噴射モード)から2段混合噴射モ
ードに移行する場合には、点火時期制御マップの切り換
えが必要となる。したがって、上述のように吸気行程中
のアクセル操作による吸入空気量の増大により2段混合
噴射モードに突入する場合には、点火時期の再設定を行
なうとともに点火時期制御マップの切換制御も行なう必
要がある。
【0051】そこで、このような場合には図7に示すよ
うなフローにしたがい点火時期の再設定を行なうことに
する。なお、この図7に示すフローチャートは先に説明
した図5に示すフローチャートに対応するものであり、
図3,図4に示すフローについての変更はない。以下説
明すると、まず、点火時期制御手段33では、フラグC
がオン(C=1)になっているか否か判定する(ステッ
プS400)。このフラグCは2段混合噴射モードに入
っている場合にオンになり、最初の段階ではオフ(C=
0)になっている。そして、フラグCがオフのときには
ステップS410に進む。
【0052】ステップS410では、補正量算出手段3
6により補正量Pwaの算出が行なわれたか否か、すな
わち、追加噴射が実行されるか否かを判定する。そし
て、追加噴射が実行される場合には、まず、フラグCを
オン(C=1)にし(ステップS420)、続いて圧縮
行程中の75°BTDCにおいて、点火時期再設定手段
40により点火時期の再設定を行なう。
【0053】ここでも上述の実施形態と同様に吸気行程
末期(185°BTDC)でのエンジン回転速度N
2、及び、先に噴射量算出手段34で算出された燃料
噴射量Pwと補正量算出手段36により算出された補正
量Pwaとの総和(総燃料噴射量)に応じて点火時期I
GT2を再設定するが、再設定専用の点火時期制御マッ
プを参照するのではなく、2段混合噴射モード用の点火
時期制御マップを参照して点火時期IGT2を再設定す
る(以上、ステップS430)。
【0054】そして、点火制御手段39では、ステップ
S410において追加噴射が実行されないと判定された
場合には、点火時期設定手段38で設定された点火時期
IGT1で点火プラグ8を作動させ、追加噴射が実行さ
れると判定された場合には、点火時期再設定手段40で
再設定された点火時期IGT2で点火プラグ8を作動さ
せる(ステップS450)。
【0055】また、一度追加噴射を行なうとフラグCが
オンになるので、以後、ステップS400における判定
ではステップS440に進む。この場合には運転モード
は既に2段混合噴射モードになっているので、ステップ
S440では2段混合噴射モードでの点火時期制御マッ
プを参照しながら点火時期IGTを設定し、ステップS
450では設定した2段混合噴射モード用の点火時期I
GTで点火プラグ8を作動させる。なお、この2段混合
噴射モードでの点火時期制御は所定のサイクルだけ実行
され、その後は通常の制御に移行してフラグCはリセッ
ト(C=0)される。
【0056】このような制御方法によれば、吸気行程で
の吸入空気量の増加による点火時期の最適値からのずれ
を解消できるとともに、再設定専用の点火時期制御マッ
プをそなえる必要がなく、ストイキモード(或いは前期
リーン噴射モード)から2段混合噴射モードへの点火時
期制御マップの切り換え制御の簡素化を図ることができ
るという利点がある。
【0057】さらに、上述の実施形態における筒内噴射
式内燃機関の構成はあくまでも一例であり、少なくとも
吸気行程中に燃焼室内に直接燃料を噴射可能な内燃機関
であればよい。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の内燃機関
の制御装置によれば、吸気行程末期までに空気量検出手
段により検出された吸入空気量に基づいて補正量算出手
段により燃料の補正量を算出し、算出した量の補正用燃
料を追加噴射するとともに、燃料噴射量算出手段により
算出された燃料噴射量と補正量算出手段により算出され
た増加補正量との総和と、空気量検出手段により検出さ
れた燃焼室内の吸入空気量との少なくとも一方に基づい
て点火時期を補正するので、吸気行程での吸入空気量の
増加による燃料の不足が解消され加速応答性が向上する
とともに、吸気行程での吸入空気量の増加による点火時
期の最適値からのずれも解消され排ガス特性の悪化等も
防止されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての内燃機関の制御装
置の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態としての内燃機関の制御装
置にかかる制御の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態としての内燃機関の制御装
置にかかる制御の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態としての内燃機関の制御装
置にかかる制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態としての内燃機関の制御装
置にかかる吸気行程噴射時の作用効果を説明するための
タイムチャートである。
【図6】本発明の他の実施形態としての内燃機関の制御
装置にかかる運転モード(燃料噴射モード)の設定マッ
プを示すである。
【図7】本発明の他の実施形態としての内燃機関の制御
装置にかかる制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(筒内噴射式内燃機関) 3 燃焼室 8 点火プラグ(点火装置) 9 インジェクタ(噴射装置) 15 エアーフローセンサ(空気量検出手段,機関運転
状態検出手段) 20 クランク角センサ(機関運転状態検出手段) 34 噴射量算出手段 35 第一燃料噴射制御手段 36 補正量算出手段 37 第二燃料噴射制御手段 38 点火時期設定手段 39 点火制御手段 40 点火時期再設定手段(点火時期補正手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G022 AA07 CA04 DA00 EA06 FA06 FA08 FA10 GA00 GA01 GA06 3G084 AA04 BA13 BA15 BA17 CA04 DA01 EA11 EC02 EC03 FA07 FA13 FA18 FA38 3G301 HA01 HA04 HA16 JA03 KA12 LB04 MA01 MA12 MA19 MA20 MA26 NA01 NA06 NA08 NB02 NB06 NB11 NB14 NE01 NE13 NE14 NE15 PA01Z PA11Z PA18Z PC02Z PE04Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の運転状態を検出する機関運転
    状態検出手段と、 該機関運転状態検出手段の出力に基づいて燃料噴射量を
    算出する燃料噴射量算出手段と、 該機関の燃焼室内に直接燃料を噴射する噴射装置と、 該燃料噴射量算出手段により算出された量の燃料を吸気
    行程中に噴射するように該噴射装置を制御する第一燃料
    噴射制御手段と、 該機関運転状態検出手段の出力に基づいて点火時期を設
    定する点火時期設定手段と、 該燃焼室内の混合気に点火する点火装置と、 該点火時期設定手段により設定された点火時期で点火す
    るように該点火装置を制御する点火制御手段と、 吸入された空気量を検出する空気量検出手段と、 該空気量検出手段により検出された吸入空気量に基づい
    て燃料の増加補正量を算出する補正量算出手段と、 該補正量算出手段により算出された量の燃料を該第一燃
    料噴射制御手段による噴射が終了した後に該噴射装置に
    追加噴射させる第二燃料噴射制御手段と、 該燃料噴射量算出手段により算出された燃料噴射量と該
    補正量算出手段により算出された増加補正量との総和
    と、該空気量検出手段により検出された該燃焼室内の吸
    入空気量との少なくとも一方に基づいて点火時期を補正
    する点火時期補正手段とをそなえたことを特徴とする、
    内燃機関の制御装置。
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