JP5445421B2 - 予混合圧縮自己着火エンジン - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態にかかるエンジンの全体構成を示す図である。本図に示されるエンジンは、走行駆動用の動力源として車両に搭載される往復ピストン型の多気筒ガソリンエンジンである。このエンジンのエンジン本体1は、紙面に直交する方向に並ぶ複数の気筒2(図中ではそのうちの1つのみを示す)を有するシリンダブロック3と、シリンダブロック3の上面に設けられたシリンダヘッド4と、シリンダブロック3の各気筒2に往復摺動可能に挿入されたピストン5とを有している。なお、エンジン本体1に供給される燃料は、ガソリンを主成分とするものであればよく、その中身は、全てガソリンであってもよいし、ガソリンにエタノール(エチルアルコール)等を含有させたものでもよい。
図2は、エンジンの制御系を示すブロック図である。本図に示されるECU30は、エンジンの各部を統括的に制御するための装置であり、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されている。
次に、以上のような機能を有するECU30の制御に基づき、図3に示した各運転領域(A1,A2,A3,B)で、それぞれどのような燃焼形態が選択されるのかを説明する。
エンジンが第1自着火領域A1で運転されている場合は、燃料と空気との混合気をピストン5の圧縮作用によって自着火させる、いわゆる予混合圧縮自己着火燃焼が実行される。具体的に、この第1自着火領域A1では、圧縮上死点(圧縮行程と膨張行程との間の上死点)よりもかなり手前の段階で(例えば吸気行程中に)インジェクタ21から筒内に燃料を噴射し、この噴射された燃料と、吸気通路23から筒内に導入される空気(新気)とが混合して形成された混合気を、ピストン5の圧縮作用で充分に高温、高圧化することにより、混合気を自着火させる。
エンジンが第2自着火領域A2で運転されている場合も、上記第1自着火領域A1のときと同様、混合気を自着火させる燃焼形態が選択される。ただし、第1自着火領域A1のときと異なり、インジェクタ21からの燃料噴射時期θiが大幅に遅延されて、圧縮行程後半から膨張行程前半までの間の所定時期に設定されるとともに、グロープラグ22を作動させて筒内温度を上昇させる操作が実行される(図5参照)。なお、圧縮行程後半とは、圧縮上死点(圧縮行程と膨張行程との間の上死点)からその手前90°CA(クランク角)までの範囲をいい、膨張行程前半とは、圧縮上死点からその経過後90°CAまでの範囲をいう。
エンジンが第3自着火領域A3で運転されている場合も、上記第2自着火領域A2のときと同様、グロープラグ22を用いて混合気を自着火させる燃焼形態が選択される。ただし、この第3自着火領域A3では、エンジンの回転速度Neが比較的高いため、燃料の受熱期間(燃料が圧縮上死点付近の高温環境下に晒される時間)が短く、混合気の自着火が起き難い。このため、第3自着火領域A3でのグロープラグ22の使用は、第2自着火領域A2のときのようにプリイグニッションやノッキングを防止するという目的ではなく、混合気の自着火をアシストする目的で使用される。この場合、燃料の受熱期間が短く混合気が自着火し難いという事情から、インジェクタ21からの燃料の噴射時期θiは、上記第2自着火領域A2のときよりも若干進角側にずらされる。
エンジンがSI領域Bで運転されている場合には、上述した各自着火領域A1,A2,A3のときと異なり、点火プラグ20による火花点火をきっかけに混合気を強制的に着火させる燃焼形態が選択される。
次に、実際のエンジンの運転例を想定して、インジェクタ21からの燃料の噴射時期およびグロープラグ22の通電量が運転状態の変化とともにどのように制御されるかを、図8に基づき説明する。
以上説明したように、当実施形態のエンジンは、少なくとも部分的にガソリンを含有する燃料を筒内に噴射するインジェクタ21と、筒内温度を強制的に上昇させるグロープラグ22(加熱手段)と、上記インジェクタ21およびグロープラグ22を制御するECU30(制御手段)とを備える。そして、このエンジンでは、上記ECU30の制御の下、エンジンの低回転かつ低負荷域に設定された第1自着火領域A1(図3)で、上記インジェクタ21から噴射された燃料と空気とが混合された混合気を圧縮、高温化して自着火させる予混合圧縮自己着火燃焼が行われる。一方、上記第1自着火領域A1での運転から加速が開始され、図3の矢印X1に示すように、上記第1自着火領域A1よりも負荷Tが高くかつ上記燃料の噴射量が増大される第2自着火領域A2に移行すると、上記インジェクタ21による燃料噴射時期θiを圧縮行程後半から膨張行程前半までの間の所定時期に設定し、かつ上記グロープラグ22を作動させることにより、混合気を自着火させる制御が実行される。このような構成によれば、燃料の噴射量が増大される加速時においても、適正なタイミングで混合気を自着火させることができる。
1つ目の対策として、グロープラグ22の温度Tgが所定値以上に上昇するまでの間、圧縮行程後半および膨張行程前半の少なくとも2回(θ1,θ2)に分けてインジェクタ21から燃料を噴射させることが考えられる(例えば図9参照)。このようにすれば、負荷の高まりに応じた多量の燃料を1回で噴射した場合と異なり、燃料の気化潜熱による筒内温度の低下を抑制できるため、グロープラグ22による加熱が充分でない状態でも混合気を確実に自着火させることができる(J4)。
2つ目の対策として、上記SI領域Bのときと同様、インジェクタ21による燃料噴射時期θiを膨張行程前半に設定するとともに、上記点火プラグ20による火花放電に基づき混合気を強制的に着火させるようにしてもよい。つまり、グロープラグ22が充分に昇温するまでのわずかな時間に限り、火花点火による強制燃焼に切り替えるようにする。このようにすれば、点火プラグ20から放電される火花を利用して、プリイグニッションやノッキング等を伴わない適正な燃焼を行わせることができ、グロープラグ22の温度Tgが充分に高まるまで着火性を適正に確保することができる。
21 インジェクタ
22 グロープラグ(加熱手段)
30 ECU(制御手段)
A1 第1自着火領域
A2 第2自着火領域
Claims (5)
- 少なくとも部分的にガソリンを含有する燃料により駆動され、エンジンの少なくとも低負荷域に設定された第1自着火領域で、上記燃料と空気とが混合された混合気を圧縮、高温化して自着火させる予混合圧縮自己着火エンジンであって、
上記エンジンの筒内温度を強制的に上昇させる加熱手段と、
上記燃料を筒内に噴射するインジェクタと、
上記加熱手段およびインジェクタを制御する制御手段とを備え、
上記制御手段は、上記第1自着火領域での運転から加速が開始され、上記第1自着火領域よりも負荷が高くかつ上記燃料の噴射量が増大される第2自着火領域に移行すると、少なくとも加速中の所定期間の間、上記インジェクタによる燃料噴射時期を圧縮行程後半から膨張行程前半までの間の所定時期に設定し、かつ上記加熱手段を作動させることにより、混合気を自着火させることを特徴とする予混合圧縮自己着火エンジン。 - 請求項1記載の予混合圧縮自己着火エンジンにおいて、
上記制御手段は、上記第2自着火領域での運転から、負荷の低い上記第1自着火領域での運転に復帰した後でも、上記加熱手段の温度が所定量以上低下するまでの間は、上記インジェクタによる燃料の噴射時期を上記圧縮行程後半から膨張行程前半までの間の所定時期に維持することを特徴とする予混合圧縮自己着火エンジン。 - 請求項1または2記載の予混合圧縮自己着火エンジンにおいて、
上記制御手段は、上記加熱手段の作動開始後、加熱手段の温度が所定値以上に上昇するまでの間は、圧縮行程後半および膨張行程前半の少なくとも2回に分けて上記インジェクタから燃料を噴射させることにより、混合気を自着火させることを特徴とする予混合圧縮自己着火エンジン。 - 請求項1または2記載の予混合圧縮自己着火エンジンにおいて、
筒内に火花を放電する点火プラグを備え、
上記制御手段は、上記加熱手段の作動開始後、加熱手段の温度が所定値以上に上昇するまでの間は、上記インジェクタによる燃料噴射時期を膨張行程前半に設定するとともに、上記点火プラグによる火花放電に基づき混合気を強制的に着火させることを特徴とする予混合圧縮自己着火エンジン。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の予混合圧縮自己着火エンジンにおいて、
上記加熱手段が、通電により発熱する発熱部を筒内に有したグロープラグであり、
上記制御手段は、上記グロープラグの温度が所定値以上に上昇した後、依然としてエンジンが上記第2自着火領域で運転されている場合には、上記グロープラグへの通電量を低下させつつ通電を継続することを特徴とする予混合圧縮自己着火エンジン。
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