JP5929780B2 - エンジン湿式後処理装置用の気液分離装置 - Google Patents

エンジン湿式後処理装置用の気液分離装置 Download PDF

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Description

本発明は、排気中の特定成分ガス、特にNOx成分を液体と接触させて吸収分離するエンジン用後処理装置の下流に配置されて、液体を分離回収するための気液分離装置に関する。
エンジンから排出される有害物質、例えば窒素酸化物(NOx)成分の後処理は、従来、触媒を用いて還元浄化する方式が一般的であり、例えば、尿素水を還元剤として排気に添加する選択還元型触媒が採用されている。この方式は、NOx浄化性能を発揮する触媒の作動温度(約200℃以上)に昇温する必要があり、また、尿素水を排気中に拡散させるために装置が大型となりやすい。一方、エンジンの熱効率向上、燃料消費率向上の要求に伴って、排熱回収システムが積極的に取り入れられると、下流域では排気温度が大きく低下する。このため、有害エミッションを、より低温状態で処理可能な後処理装置が求められている。
後処理装置の小型化を図りつつ、より低い温度においてNOx成分を除去する技術として、NOxを吸収可能な液体を用いる湿式後処理装置が提案されている。NOx吸収液体としては、例えば水やアルカリ水溶液、イオン液体が知られ、気液接触手段にて排気と接触させることで、NOx成分を吸収除去した後、排気を外部へ放出することができる。NOx吸収液体は、回収、再生されて貯蔵手段に戻され、再び気液接触手段に供給される。
なかでも水よりも比較的粘度の高いイオン液体を用いる湿式後処理装置は、100℃以上で用いることにより水分との分離が可能であり、揮発消失しないので回収して繰返し使用できる利点がある。ただし、イオン液体が排気に混ざってテールパイプから大気に放出されると、大気汚染等の二次被害が懸念される。そこで実用化に際し、NOx吸収後のイオン液体を排気から分離し、回収する機構が重要となる。
エンジンシステムに使用される気液分離装置として、特許文献1には、ブローバイガス中のオイルを分離回収するための装置が開示されている。この装置は、サイクロン室にブローバイガスを導入して旋回流とし、ガスに含まれるオイル分を遠心力で分離するもので、オイル分はサイクロン室の内周壁方向へ飛散させて回収する。ブローバイガスはサイクロン室の中央に開口させた導出管から上方へ排出され、バルブを介してブローバイガス流路から吸気管へ還流する。
特開平11−264312号公報
しかしながら、特許文献1の気液分離装置は、エンジンのクランクケースと吸気管を連通させた比較的流量の小さいブローバイガス流路用であり、排気管路のような大流量路では圧損が増大する要因となる。また、ブローバイガスに混入する少量のオイル分を分離するには適するが、排気処理用に供給される吸収液体用としての適用は難しく、装置も大型化しやすい。
そこで、本発明は、エンジン排気中に含まれる特定ガス成分を、液体を用いて吸収除去する湿式後処理装置において、特定ガス成分を吸収した液体を排気から確実に分離して回収し、大気に有害成分が放出されて二次被害が生じることがなく、コンパクトで高性能な気液分離装置を実現することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、エンジンの排気通路に配設され、排気に含まれる特定ガス成分を、液体を用いた気液接触手段にて処理する湿式後処理装置に付設されて、処理後の液体を分離回収する気液分離装置であって、
内外二重筒状体からなるハウジングと、
上記ハウジングの両端閉鎖の外筒内を隔壁で軸方向に区画して形成され、上記隔壁の一端側に位置する第1室および他端側に位置する第2室と、
上記ハウジングの両端開口の内筒内に形成され、一端が上記第1室の一端面から外方へ突出開口して上記気液接触手段に接続し、他端が上記第1室および上記隔壁を貫通して上記第2室内に開口する気液入口通路と、
上記第2室の下部壁に開口する第1の液体回収通路と、
上記第2室の上部壁となる上記隔壁を貫通して形成され、上記第1室と上記第2室を連通する気体導出通路と、
上記第1室に面する上記外筒壁を貫通して形成され、上記排気通路に連通する第1の気体出口通路と、
上記第1室の側方に設けられ、上記第1の気体出口通路が開口する第3室と、
を備え、
上記第3室に設けた第2の気体出口通路を介して、上記第1の気体出口通路と上記排気通路を連通させるとともに、上記第3室の下部壁に開口する第2の液体回収通路を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上記内筒の他端が上記第2室内に突き出して位置する突出壁である。
請求項3に記載の発明は、上記第1室への上記気体導出通路の開口部が、上記第1の気体出口通路が形成される上記外筒壁と、上記内筒を挟んで反対側に位置する。
請求項に記載の発明は、上記第2の気体出口通路を形成する筒状体が、上記第3室内に突き出して位置する。
請求項に記載の発明は、上記ハウジングが軸方向を上下方向として設置され、上記第2の気体出口通路は上記第3室の上部壁に形成される。
請求項に記載の発明は、上記ハウジングが軸方向を水平方向として設置され、上記第3室に開口する上記第1の気体出口通路は、上記第1室の上部壁に形成される。
請求項に記載の発明は、上記液体を、25℃における粘度が0.01Pa・s以上の液体とする。
請求項に記載の発明は、上記液体がイオン液体である。
排気通路のような大流量路の途中に配置されて、イオン液体等の比較的粘性が高い液体を効率よく回収するには、排気の流れに乗って液体が流出しないように、確実に分離する必要がある。本発明の気液分離装置は、外筒内を隔壁で第1室と第2室に区画し、内筒内を液体導入通路として湿式後処理装置の気液接触手段に接続する。液体導入通路を第2室内に開口させて、排気とともに処理後の液体を導入すると、液体は、第2室内を重力で落下し、下部壁に開口する液体回収通路から回収される。排気は、第2室内を上方へ移動し、第2室の上部壁となる隔壁に設けた気体導出通路から導出され、第1室内の気体通路を経て気体出口通路から排出される。
上記構成によれば、気液分離室となる第2室にて液体を回収し、気体通路を、第2室と区画される第1室を介して排気通路に接続して、排気流速の上昇を抑制する構成としたので、排気の流れによって液体が吹きちぎられて小液滴となり、気流に乗って運ばれるのを抑制できる。また、内外筒からなるハウジング内に効率よく通路を形成したので、コンパクトな装置となり、液体の外部への放出を防止しながら、高効率で確実に液体を分離回収することができる。
本発明の第1実施形態における気液分離装置の全体構成を示す断面図である。 図1AのIB−IB線断面図である。 第1実施形態の気液分離装置を含むエンジン用湿式後処理装置の構成を示す概略図である。 エンジン用湿式後処理装置の要部構成を示す概略断面図である。 エンジン用湿式後処理装置が適用されるエンジン全体のシステム構成図である。 第1実施形態の変形例であり、気液分離装置の横断面図である。 本発明の気液分離装置における排気流れを模式的に示す断面図である。 本発明の作用効果を説明するための比較用の気液分離装置の概略断面図である。 第2実施形態における気液分離装置の全体構成を示す断面図である。
以下、図1〜4に基づいて本発明の第1実施形態を説明する。図1A、1Bは、本発明の気液分離装置1であり、図4に示すエンジンEの排気通路に設置されて、燃焼排気ガス中の特定ガス成分を、液体を用いて除去するための後処理装置(以下、湿式後処理装置と称する)100の一部を構成している。エンジンEは、過給機付ディーゼルエンジンで、排気通路としての排気管EXの途中には、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)101、排熱回収装置102が配置され、その下流に、湿式後処理装置100が配置される。図2、3に示す本実施形態の湿式後処理装置100は、排気中の特定ガス成分、特に、窒素酸化物(NOx)成分を、NOx吸収液体を用いて吸収除去する。
図4において、エンジンEは、コンプレッサー103と排気タービン104で構成される過給機を備える。吸気管入口IN1から取り込まれた空気は、コンプレッサー103で加圧され、加圧により高温となった空気は、吸気管INに設置したインタークーラー106で冷却された後、吸気マニフォルド107の各ポートからエンジンEの燃焼室に吸入される。エンジンEの燃焼室では空気と燃料が混合され、燃焼することによってエンジン出力軸108の回転力として動力を生み出す。
燃焼を終わった排気は、エンジンEの燃焼室から排気マニフォルド105に排気される。その後、排気はコンプレッサー103と直結した排気タービン104を回して、空気を加圧する仕事をした後、排気管EXに排出される。排気はここでDPF101を通過し、排気中のパティキュレートマター(PM)をDPF101によってろ過捕集する。同時に、排気が通過するDPF101表面にコーティングされた酸化触媒によって、HC成分やCO成分も浄化される。その後、排気は、排熱回収装置102を通り、冷却されて通常では排気温度が100℃〜180℃の間に下がる。
ここで用いるDPF101は、セラミックで形成された多孔質の壁がフィルタとして働く、公知のウォールフロータイプの排気フィルタである。排熱回収装置102は、公知のランキンサイクル方式の排熱回収システムであり、例えば、排気の冷却で得た熱エネルギーは冷媒を蒸発させ高圧ガスとなってガスタービンを回し、ガスタービンと直結した発電機により電気エネルギーに変換されバッテリーに蓄えられるというようなものである。
冷却された排気は、湿式後処理装置100に導入される。ここで、排気中に含まれるNOx成分は、湿式後処理装置100内においてNOx吸収液体と接触して吸収される。ここまででPM、HC、CO、そしてNOxが除去され、クリーンな排気となって排気管出口EX1から大気中に排出される。湿式後処理装置100の上流に、図示しないオゾン供給手段を設置して、排気中に含まれるNOxを供給されるオゾンと反応させ、硝酸(HNO)またはその前駆体(N)に変換させることもできる。本発明では、窒素酸化物(NO、NO)とこれらから生成される化合物(HNO、N)を合わせてNOx成分と称する。
吸気系には、吸気管入口IN1の直下流に空気流量センサS1が配置される。また、吸気スロットル110のスロットル開度を検出するスロットル開度センサS2が配置され、吸気マニフォルド107の合流部には吸気圧センサS3が配置される。エンジン1の出力軸108の近傍には、エンジン回転数を測るエンジン回転センサS4が配置され、排気系には、DPF101の下流に排気温度を測る温度センサS5が配置される。また、図示しないアクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサS6が設けられ、これら各センサは、測定した情報をそれぞれ電気信号に変換して、接続された電気線を通して電子制御ユニット(ECU)111に送る。
次に、湿式後処理装置100の具体的な構成例を説明する。図2において、湿式後処理装置100は排気管EXの途中に介設され、気液接触手段としての気液接触器2と、その下流に設置される気液分離装置1、気液接触器2にNOx吸収液体を供給する液体供給装置3を備える。液体供給装置3は、気液接触器2の上流に設置される液体インジェクタ31を有している。気液接触器2は、筒状ハウジング22内にハニカム構造体21を収容してなり、ハニカム構造体21の内部において排気とNOx吸収液体とを気液接触させ、排気に含まれるNOx成分を吸収する。
図3に示すように、ハニカム構造体21は、例えば、波板状の気液接触板21aと平板状の気液接触板21bとを組み合わせて構成され、これらを水平方向に交互に積層して、内部に上下方向に延びる多数の気液接触通路23を形成している。気液接触板21a、21bは、通常、耐食性を有するステンレス鋼等の金属板であり、気液接触通路23に面する気液接触板21a、21bの両表面は、気液接触面として機能する。NOx吸収液体は、気液接触面を伝って流下する間に、気液接触通路23に流入する排気と接触する。
図2において、筒状ハウジング22の上端部内空間は、排気導入部24となり、排気管EXに接続される排気入口41から排気導入部24を経て、気液接触器2に排気が導入される。液体供給装置3は、液体インジェクタ31の噴射口32が、排気導入部24となる空間を挟んで、ハニカム構造体21の上端面と対向し、液体配管33から供給されるNOx吸収液体を噴射する。NOx吸収液体と排気は、気液接触器2内を同一方向(図の上下方向)に流れて、筒状ハウジング22下端部の気液集合部25に至り、直下に位置する気液分離装置1にて気液分離される。NOx吸収液体から分離された排気は、排気出口42から排気管EXに戻される。
一方、気液分離装置1は、吸収液体供給装置3の液体配管33に接続され、吸収液体の循環路を形成している。回収されたNOx吸収液体は、フィルタFを通過してポンプPに吸い上げられ、液体インジェクタ31から再び供給される。
NOx吸収液体は、NOx成分を吸収可能であり、水よりも粘性が大きく、使用環境下において液体状態を維持する液体であれば、特に制限されない。具体的には、例えば25℃における粘度が0.01Pa・s以上の液体であるとよく、好適には、NOxまたはHNO等のNOx成分を吸収するイオン液体、例えばカルボン酸塩を含むイオン液体が用いられる。好適には、カルボン酸塩のアニオンとして、C2n+1COO(nは0〜10の整数)で表されるアルキルカルボン酸イオンおよびその誘導体が挙げられ、少なくとも1種または2種以上を組み合わせて所望の吸収性能および粘性を有する吸収液体に調製することができる。
図1A、1Bに、本実施形態の気液分離装置1の詳細構成例を示す。図示するように、気液分離装置1は、内外二重筒状体からなるハウジングHを有し、軸方向を上下方向として設置されている。両端が開口する内筒H1内は、気液接触器2の気液集合部25(図2参照)に接続される気液入口通路11となっている。両端が閉鎖する外筒H2は、円筒状の内筒H1の外周を取り囲むように同軸に位置し、内部空間を上下に区画する隔壁H3が設置されて、その上方に第1室12を、下方に第2室13を形成している。本実施形態において、外筒H2は略円筒状で、上半部側方に略矩形断面の容器状ハウジングH4が一体的に設けられ、内部に第3室14を形成している。
内筒H1は、上端(一端)が外筒H2の上端面を貫通して上方に突出位置し、気液集合部25との接続部となっている。内筒H1の下端(他端)は、外筒H2上半部の第1室12内および隔壁H3を貫通し、外筒H2下半部の第2室13内に突き出す突出壁15を形成している。この突出壁15は、第2室13の軸方向中間部まで延出し、気液入口通路11を第2室13内に開口させている。外筒H2の下端部には、気液入口通路11に対向する位置に第1の液体回収通路(液体回収通路)51が接続され、第2室13の下部壁は、底面中央に開口する第1の液体回収通路51に向けて下り傾斜するテーパ面となっている。これにより、気液入口通路11に流入するNOx吸収液体は、突出壁15の下端から第2室13内に落下し、テーパ状の壁面に沿って第1の液体回収通路51に流入し、回収される。
隔壁H3には、第1室12と第2室13を連通する気体導出通路16が貫通形成される。また、第1室12の外側壁となる外筒H2の上部壁の一部は、側方に位置する第3室14との間を区画するフラットな隔壁H5となり、該隔壁H5に第1の気体出口通路17が貫通形成されている。ここで、隔壁H3は、隔壁H5側から離れるに従って壁厚が厚くなり、第1室12の底面が隔壁H5側へ向けて下り傾斜する傾斜面となるように形成される。気体導出通路16は、第1の気体出口通路17から比較的離れた位置に設けられ、内外筒H1、H2の内周形状に沿う円弧状の開口部である。また、隔壁H3の壁厚が比較的厚い部位を貫通し、第1の気体出口通路17から比較的離れた傾斜面の上部側に開口している。
気液入口通路11から第2室13に流入する排気は、重力で下方に移動するNOx吸収液体から分離して、上方へ向きを変え、気体導出通路16を通過して第1室12へ向かう流れを形成する。第2室13の頂面となる隔壁H3の下面は水平面であり、内筒H1の下端をこの水平面より下方へ突出する突出壁15とすることで、気液入口通路11から第1室12へ至る気体通路長を長くし、NOx吸収液体が壁面伝いに、あるいは排気の流れに乗って流出するのを防止する効果が高まる。突出壁15は、図示するように、端縁部を外周側から内周側へ向けて下り傾斜するエッジ部とすると、比較的粘度の高いNOx吸収液体が気液入口通路11の下端に溜まらず、落下しやすくなる。
また、第1室12内においては、気体導出通路16と第1の気体出口通路17を反対側に配置したので、流入した排気が第1室12内の環状空間を拡がりながら第3室14へ向かうことで、排気流速の上昇が極力抑えられる。したがって、排気の流れによってNOx吸収液体が上方へ運ばれにくく、NOx吸収液体の流出を抑制する効果をより高めることができる。本実施形態では、NOx吸収液体が第1室12に流れ込んだ場合に、排気管EXへの流出を防止するために、さらに第3室14を設ける。
第3室14を構成するハウジングH4は、第1の気体出口通路17からの排気流入方向を長手方向とする略長方形断面形状で、第3室14内の排気流れの下流側において、ハウジングH4の頂壁(上部壁)を貫通する筒状体H6が設けられる。該筒状体H6の内部空間は第2の気体出口通路18を形成しており、筒状体H6の下端側は第3室14内に突き出して位置している。筒状体H6の上端側はハウジングH4の上方に突出して、排気管EXに至る排気出口42(図2参照)に接続される。排気流れの上流側において、ハウジングH4の下端部には第2の液体回収通路52が接続され、第3室14の下部壁は、第1の気体出口通路17に近い底面に開口する第2の液体回収通路52へ向けて下り傾斜する傾斜壁となっている。
気液分離装置1内における圧損増大を避けるために、排気入口となる気液入口通路11、第2室13と第1室12を連通する気体導出通路16、第1室12から第3室14への第1の気体出口通路17、排気出口42に接続される第2の気体出口通路18は、それぞれ通路断面積が十分な大きさとなるように、排気流量等に応じて設定するとよい。NOx吸収液体の流出を抑制するためには、装置内の空間体積は大きい方がよいが、本発明では、気液分離室となる第2室13と気体通路となる第1室12を区画し、NOx吸収液体が排気流れに乗りにくい通路構成としたので、装置を大型化することなく、NOx吸収液体を分離・回収できる。ここでは、例えば気液入口通路11を形成する内筒H1径に対し、外筒H2径は2倍前後としてある。好適には、第1室12と第2室13の合計空間体積V2が、気液入口通路11の空間体積V1の5倍以下(V1×5≧V2)となるように設定するとよい。
第1の気体出口通路17の下端は、第1室12の傾斜する底面より下方に位置する。第2の液体回収通路52は、第1の気体出口通路17の下端より下方で、例えば第1室12の傾斜する底面の延長上に開口するように配置される。これにより、第1室12にNOx吸収液体が液滴となって流出した場合でも、排気流れと重力で液滴を第1の気体出口通路17から下方へ移動させ、第2の液体回収通路52に回収可能となる。
第1の液体回収通路51、第2の液体回収通路52は、それぞれ逆止弁53、54を介してNOx吸収液体が貯留される液体タンクTに回収される。液体タンクTは、液体供給装置3に至る液体配管33(図2参照)に接続される。
図5は、第1実施形態の変形例であり、気体導出通路16形状を変更している。気液分離室となる第2室13と第1室12とを連通する気体導出通路16は、図1では円弧状の単一の開口部としているが、図示するような円形や長円形その他形状の複数の開口部を組み合わせて形成してもよい。このように、NOx吸収液体の流出を抑制可能であり圧損を増大させない範囲であれば、大きさや形状、数等を適宜変更することができる。また、第2の液体回収通路52を、逆止弁54(図1A参照)を介して液体タンクTに接続せず、逆止弁53上流において第1の液体回収通路51に接続してもよい(図中に矢印で示す)。
図6は、第1実施形態の第1室12内における排気流れを、模式的に示している。図示するように、円弧状の気体導出通路16の全体から第1室12内に流入した排気は、気体導出通路16の両側から第1室12内の環状空間を通過し、第1の気体出口通路17に向かう。一方、図7は、隔壁H3に設けず、外筒H2内が区画されていない構成で、排気が最短距離で第1の気体出口通路17に向かうために、流速が速くなりやすい。このため、比較的粘度の高いNOx吸収液体が壁面を伝う液膜となると、気流に引っ張られて吹きちぎられ、小液滴となって流出するおそれがある。また、第2の液体回収通路52を外筒H2内に開口する構成とした場合、この通路へ外筒H2から直接排気とともに液滴が流出しやすくなることが判明した。
本発明では隔壁H3を設けて気液分離室を区画し、気体通路を極力流速が上がらないように構成したので、液膜の伝わりを遮断して、重力で速やかに落下させ、かつ液滴となって気流に乗って運ばれるのを防止できる。また、内外二重筒状のハウジングH構成としてコンパクトな空間でこれら効果を達成できる。
図8は、本発明の第2実施形態であり、気液分離装置1内への排気導入方向を変更した構成例である。気液分離装置1のハウジングHは、軸方向を水平方向とする内外二重筒状体からなる。両端が開口する内筒H1内は、気液接触器2の気液集合部25(図2参照)に接続される気液入口通路11となり、両端が閉鎖する外筒H2は、隔壁H3によって区画される第1室12と第2室13を有する基本構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、第2室13内に開口する気液入口通路11の一端(他端)に形成される突出壁15を、下半部が突出方向に徐々に下り傾斜するテーパ部19とする。気液入口通路11に流入するNOx吸収液体は、気液入口通路11の壁面を伝いながら重力で徐々に下方に落下し、この突出壁15のテーパ部19から第2室13の底部へ向かって落下する。テーパ部19と対向する第2室13の下部壁は、第1の液体回収通路51へ向けて下り傾斜するテーパ状となっており、テーパ部19先端は、第2室13のテーパ面に近傍まで延出して、対向位置している。
また、隔壁H3を貫通して形成される気体導出通路16を、内筒H1より上方位置において、第2室13の上部壁となる隔壁H3の上端部を中心とする円弧状に形成する。ハウジングHを水平方向に配置した場合には、気液入口通路11において、NOx吸収液体が重力で下方へ向かい、排気は上方へ向かいながら徐々に分離される。さらに、第1室12と第2室13を連通する気体導出通路16を、テーパ部19から最も離れた位置に形成することで、回収するNOx吸収液体の下方へ向かう流れと、上方へ向かう排気の流れを、より効果的に分離し、NOx吸収液体を効率よく分離回収することができる。
本実施形態では、第3室14を形成するハウジングH4を、第1室12を形成する外筒H2の外周を取り囲むように配置する。そして、外筒H2の上部筒壁を、側方に位置する第3室14との間を区画する隔壁H5とし、これを貫通する第1の気体出口通路17を開口させている。第1の気体出口通路17と内筒H1を挟んで反対側の外筒H2の下部筒壁には第3の液体回収通路55が接続し、第1室12の下部壁は、第3の液体回収通路55へ向けて下り傾斜する傾斜面となっている。第3の液体回収通路55は逆止弁56を介して液体タンクTへ接続される。
さらに、第3室14を形成するハウジングH4の右端面は、第2室13を形成する外筒H2の右端面(他端側の端面)の外方に位置し、両端面間の空間に排気を誘導するようになっている。ハウジングH4の右端面の中央には、第2の出口通路18を形成する筒状体H6が取り付けられ、一端側(左端側)は第3室14内に突出位置している。筒状体H6の他端側(右端側)は外方へ突出して排気出口42となり、排気管EXに接続される。筒状体H6の下方において、ハウジングH4の下端部に第2の液体回収通路52が接続し、第3室14の下部壁は第2の液体回収通路52へ向けて下り傾斜する傾斜面となっている。
本実施形態のように構成することで、気液分離装置1の装置高さが低くできるので、高さ方向のスペースに制約がある場合に有利である。したがって、例えば、車両搭載エンジン用に、車両床下を水平方向に這う排気管EXに取り付けられて、好適に使用することができる。そして、水平方向に流れる排気に対して、排気を上方から排出し、NOx吸収液体を下方から回収するように通路を構成しているので、重力により効果的に気液分離しながら、速やかにNOx吸収液体を回収することができる。
上記実施形態において、気液分離装置1が接続される気液接触器2の構成は、特に限定されるものではなく、内部に多数の気液接触通路23を形成可能な構造であればよい。また、気液分離装置1のハウジング形状や、通路形状、液体回収通路の接続位置等は、適宜変更することができる。
本発明の気液分離装置は、エンジン湿式後処理装置に付設されて、処理用の液体を高効率で回収できる。湿式後処理装置は小型で低コストであり、環境温度や運転状態の変化が大きいエンジンであっても適用可能である。このため、使用環境が厳しくスペース的な制約の大きい自動車用エンジンに好適であるが、車両用またはディーゼルエンジンに限らず任意のエンジンに適用される。また、排気中の特定成分としては、NOx成分に限らず、特定のガス成分と吸収液体を組み合わせることで、同様の高い処理性能を実現する
E エンジン
EX 排気管(排気通路)
H、H4 ハウジング
H1 内筒
H2 外筒
H3 隔壁
100 湿式後処理装置
1 気液分離装置
11 入口通路
12 第1室
13 第2室
14 第3室
15 突出壁
16 気体導出通路
17 第1の気体出口通路
18 第2の気体出口通路
2 気液接触器(気液接触手段)
3 液体供給装置
51 第1の液体回収通路(液体回収通路)
52 第2の液体回収通路

Claims (8)

  1. エンジン(E)の排気通路(EX)に配設され、排気に含まれる特定ガス成分を、液体を用いた気液接触手段にて処理する湿式後処理装置(1)に付設されて、処理後の液体を分離回収する気液分離装置であって、
    内外二重筒状体からなるハウジング(H)と、
    上記ハウジングの両端閉鎖の外筒(H2)内を隔壁(H3)で軸方向に区画して形成され、上記隔壁の一端側に位置する第1室(12)および他端側に位置する第2室(13)と、
    上記ハウジングの両端開口の内筒(H1)内に形成され、一端が上記第1室の一端面から外方へ突出開口して上記気液接触手段に接続し、他端が上記第1室および上記隔壁を貫通して上記第2室内に開口する気液入口通路(11)と、
    上記第2室の下部壁に開口する第1の液体回収通路(51)と、
    上記第2室の上部壁となる上記隔壁を貫通して形成され、上記第1室と上記第2室を連通する気体導出通路(16)と、
    上記第1室に面する上記外筒壁を貫通して形成され、上記排気通路に連通する第1の気体出口通路(17)と、
    上記第1室の側方に設けられ、上記第1の気体出口通路が開口する第3室(14)と、
    を備え、
    上記第3室(14)に設けた第2の気体出口通路(18)を介して、上記第1の気体出口通路と上記排気通路を連通させるとともに、上記第3室の下部壁に開口する第2の液体回収通路(52)を設けたことを特徴とするエンジン湿式後処理装置用の気液分離装置。
  2. 上記内筒の他端が上記第2室内に突き出して位置する突出壁(15)である請求項1記載のエンジン湿式後処理装置用の気液分離装置。
  3. 上記第1室への上記気体導出通路の開口部は、上記第1の気体出口通路が形成される上記外筒壁と、上記内筒を挟んで反対側に位置する請求項1または2記載のエンジン湿式後処理装置用の気液分離装置。
  4. 上記第2の気体出口通路を形成する筒状体が、上記第3室内に突き出して位置する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエンジン湿式後処理装置用の気液分離装置。
  5. 上記ハウジングが軸方向を上下方向として設置され、上記第2の気体出口通路は上記第3室の上部壁に形成される請求項1ないし4のいずれか1項に記載のエンジン湿式後処理装置用の気液分離装置。
  6. 上記ハウジングが軸方向を水平方向として設置され、上記第3室に開口する上記第1の気体出口通路は、上記第1室の上部壁に形成される請求項1ないし4のいずれか1項に記載のエンジン湿式後処理装置用の気液分離装置。
  7. 上記液体は、25℃における粘度が0.01Pa・s以上の液体である請求項1ないし6のいずれか1項に記載のエンジン湿式後処理装置用の気液分離装置。
  8. 上記液体がイオン液体である請求項1ないし7のいずれか1項に記載のエンジン湿式後処理装置用の気液分離装置。
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