JP5929277B2 - 3レベル電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、3レベルの直流−交流変換装置又は交流−直流変換装置の回路構成方法と、半導体スイッチング素子のサージ電圧抑制技術に関する。
図11に、特許文献1に示された従来技術による回路構成を示す。図11は単相または多相インバータの1相分を示す。ここでインバータとは直流電力を交流電力に変換する回路であるが、良く知られているように交流電力を直流電力に変換する動作も可能である。以下の記述は両方の動作、機能にあてはまるものである。
直流電源1と2の直列回路と、コンデンサ3と4の直列回路と、ダイオードが逆並列接続された半導体スイッチ(ここではIGBT)5と6の直列回路とが並列接続される。直流電源1と2の直列接続点とコンデンサ3と4の直列接続点は接続され、これらの直列接続点と半導体スイッチ5と6の直列接続点との間にそれぞれダイオードが逆並列接続された半導体スイッチ7と8を逆直列接続した双方向スイッチが接続される。また、半導体スイッチ8にはダイオード202、コンデンサ201及び抵抗203からなる電圧クランプ形のスナバが接続される。このような構成において、直流電源1と2の電圧E1及びE2は一般的には同じ値とする。双方向スイッチは、順逆両方向の電流のオンオフを制御可能である。
図11において、交流出力端U点の電位は半導体スイッチ5がオンの時直流電源の正極P点の電位に等しく、半導体スイッチ6がオンの時N点の電位に等しく、また半導体スイッチ7及び8がオンのときM点の電位に等しくなる。即ち、本回路は各半導体スイッチのオン状態によって3つの電圧レベルをU点に出力できる3レベルインバータ回路である。この回路の特徴は、双方向スイッチを構成する半導体スイッチ7、8の耐圧が半導体スイッチ5、6の耐圧の1/2ですむ点である。即ち、半導体スイッチ5には半導体スイッチ6がオンした際に直流電源PN間の電圧E1+E2が印加され、半導体スイッチ6には半導体スイッチ5がオンした際に同様に直流電源PN間の電圧E1+E2が印加されるのに対し、半導体スイッチ7には半導体スイッチ5がオンした際に直流電源1の電圧E1が、半導体スイッチ8には半導体スイッチ6がオンした際に直流電源2の電圧E2が印加されるだけで、直流電源電圧E1+E2が印加されるモードは存在しない。
100〜105は配線上に存在する寄生インダクタンス(以下、配線インダクタンスと称する)である。良く知られているように、各々の半導体スイッチが電流を遮断する際、電流変化率に比例した電圧(以下、サージ電圧と称する)が配線インダクタンス上に現れ、半導体スイッチにその電圧が多くの場合直流電圧(E1、E2又はE1+E2)に加算される形で印加される。この電圧は半導体スイッチの過電圧破壊の原因となるので抑制する必要がある。これにはスナバ回路が用いられる。
図11のスナバ回路例は、半導体スイッチ8と並列に、コンデンサ201とダイオード202との直列回路が接続され、この直列接続点と直流電源の負極Nとの間に抵抗203が接続された電圧クランプ形スナバである。コンデンサ201は抵抗203を介して直流電源2の両端に接続されているので、定常的には直流電源2の電圧E2に充電されている。例えば、M点→配線インダクタンス104→半導体スイッチ8→半導体スイッチ7のダイオード→配線インダクタンス105→U点の経路で流れている電流を半導体スイッチ8が遮断した場合、M点→配線インダクタンス104→コンデンサ201→ダイオード202→半導体スイッチ7のダイオード→配線インダクタンス105→U点の経路で電流が流れ続け、配線インダクタンス104及び105の電流変化率はスナバ回路がない場合に比べ減少する。
この時、半導体スイッチ8の両端電圧は概ねコンデンサ201の電圧Vs1と等しくなる。この動作によりコンデンサ201が充電され、電圧Vs1は直流電源2の電圧E2より高くなる。この時、U点から流出する電流は負荷のインダクタンスまたは交流リアクトル(共に図示しない)によりスイッチングの前後で一定に保たれる。このため上記経路での電流減少に対して半導体スイッチ6のダイオードが導通し、半導体スイッチ6→配線インダクタンス103→U点の経路で減少した分に相当する電流が供給されるので、U点電位はほぼN点(負極)電位と等しくなる。この状態で、コンデンサ201の電圧Vs1と直流電源2の電圧E2との差電圧が対抗電圧として配線インダクタンス104、105に印加されるので、上記経路の電流は減少し、やがて0Aとなる一方、半導体スイッチ6を介して流れる電流はU点からの出力電流に等しくなり、転流が完了する。
その後、コンデンサ201→配線インダクタンス104→直流電源2→抵抗203→コンデンサ201の経路で緩やかに放電が行われ、コンデンサ201の電圧Vs1は再び直流電源2の電圧E2となる。このスナバは電圧クランプ型RCDスナバとして良く知られている。図では省略しているが、半導体スイッチ5及び6にも同様のスナバが適用可能である。
一方、半導体スイッチ7に対しては電圧クランプ型RCDスナバの適用は困難であり、サージ電圧に対する保護が難しい。その理由を図12を用いて説明する。図12は電圧クランプ型RCDスナバを半導体スイッチ7に取り付けた場合である。半導体スイッチ5と7とが交互にオンする動作においては図中のA点(半導体スイッチ7と8との接続点)はM点電位に等しく、図11と同様の動作が可能である。
一方半導体スイッチ6がオンする動作では、A点は半導体スイッチ7が逆方向に導通し、N点電位となるので抵抗206を介してコンデンサ204の充電が行われ、コンデンサ204の電圧Vs2はE1+E2まで上昇する。再び半導体スイッチ7、8がオンすると、U点電位はM点電位に戻り抵抗206を介してコンデンサ204が放電されるのでコンデンサ204の電圧Vs2は直流電源1の電圧E1まで低下する。即ち、コンデンサ204の電圧Vs2が上昇しすぎて半導体スイッチ7の電圧を直流電源1の電圧E1付近に制限することができず、コンデンサ204の充放電が繰り返されることにより大きな損失が発生する。
スナバ回路としては大きな充放電動作を前提とした、例えばRCスナバなども知られており、このような電位変動を起こす部分にも適用可能であるが、一般にサージ電圧を抑制する性能は電圧クランプ型スナバに劣り、また充放電による損失が増大する。このため半導体スイッチにより耐圧の高いものが必要となり、上述したように双方向スイッチを構成する半導体スイッチの耐圧が直流電源のPN間に接続される半導体スイッチの耐圧の1/2で済むという利点が損なわれる。
これを解決する一手段として、図13に示すものがある。これは特許文献2に示されている3レベルインバータ回路の双方向スイッチ部にスナバを適用した特許文献3に示された回路である。図13において、双方向スイッチ部は、それぞれダイオードを逆並列接続した半導体スイッチ9〜12とコンデンサ13で構成される。半導体スイッチ9と10との直列回路と、半導体スイッチ11と12との直列回路とを並列接続して双方向スイッチを構成し、これらの直列回路と並列にコンデンサ13を接続した回路構成である。
双方向スイッチ部をオンする場合、半導体スイッチ9と11、又は10と12のゲートにオン信号を印加する。半導体スイッチ9と10、11と12は同時にオンしないものとする。これは後述するようにコンデンサ13の不要な放電を避けるためである。
次にこの回路の動作を説明する。まずコンデンサ13は前回のスイッチング動作により直流電源2の電圧E2に等しい電圧に充電されている状態とする。例えば直流電源のM点→配線インダクタンス104→半導体スイッチ12→半導体スイッチ10のダイオ−ド→配線インダクタンス105→U点の経路で電流が流れており、これを半導体スイッチ12のターンオフにより遮断すると、電流はM点→配線インダクタンス104→半導体スイッチ11のダイオード→コンデンサ13→半導体スイッチ10のダイオ−ド→配線インダクタンス105→U点の経路で流れ続け、コンデンサ13が充電され、電圧が上昇するとともに電流変化率が抑制される。この時、図11の説明と同様に半導体スイッチ6のダイオードが導通し、U点電位はおおむねN点電位と等しくなる。コンデンサ13の電圧と直流電源2の電圧E2との差電圧が配線インダクタンス104及び105に対抗電圧として印加されるので、これらの電流は減少し、やがて0Aとなる。
次に半導体スイッチ10と11のゲートをオンするとコンデンサ13→半導体スイッチ11→配線インダクタンス104→M点→直流電源2→直流電源の負極N→配線インダクタンス101→半導体スイッチ6のダイオード→配線インダクタンス103→U点→配線インダクタンス105→半導体スイッチ10→コンデンサ13の経路で放電が行われ、コンデンサ13の電圧は直流電源2の電圧E2まで低下する。放電が終了したタイミングを見計らって半導体スイッチ10と11はオフしておく。図12の回路においては放電経路が常に直流電源部に接続されているのに対し、図13の回路では半導体スイッチ9〜12のオンオフ状態により放電経路が接続されるタイミングを管理できるので、図12の回路のような不都合を避けることができる。
さらにこの回路においては半導体スイッチ9と10、11と12が直列接続された構成となっている。この構成は電力変換回路で最も一般的な形であり、直列スイッチを1つのパッケージに入れたモジュール等も広く市販されている。このようなモジュールを利用可能である点も利点として挙げられる。図11の回路の場合、逆直列接続構成は一般的でないので、1素子入りのモジュール2個を外部で接続するか、専用のモジュールを用意する必要がある。
しかしながら図13の回路には以下の欠点がある。コンデンサ13の電圧は直流電源1の電圧E1又は直流電源2の電圧E2におよそ等しく保たれており、半導体スイッチ9と10又は11と12が同時にオンするとコンデンサ13が0Vまで放電されて大きな損失を発生するので、このような動作は不適当である。このため、双方向スイッチ部のオンは半導体スイッチ9と11をオン、又は10と12をオンのどちらか一方で行うことになり、9〜12を全てオンする動作は行えない。つまりこの回路は双方向スイッチを2回路並列で有しているにもかかわらず、一度にはどちらか一方しか使えないことになる。したがって2並列使用を前提として、各々の半導体スイッチの電流容量を1/2に低減するということはできないため、半導体スイッチの総容量が大きくなり、装置寸法の大形化、価格の上昇につながる。
特開2010−288415号公報 特公昭63−38952号公報 特開2000−358359号公報
上述のように、従来の回路構成では、電圧クランプ形のスナバ回路が適用できないため、スナバ損失が大きくなること、スナバ回路を構成するために多くのスイッチ素子が必要となることなどにより、装置が大型で、変換効率が低下する問題がある。従って、本発明の課題は、回路構成が簡単で、損失の小さいスナバ回路を適用できる3レベル電力変換装置を提供することである。
上述の課題を解決するために、第1の発明においては第1の直流電源と第2の直流電源を直列接続した直流電源直列回路と、それぞれダイオードを逆並列接続した半導体スイッチを直列接続した半導体スイッチ直列回路とを並列接続し、前記直流電源直列回路の直列接続点と前記半導体スイッチ直列回路の直列接続点との間に双方向の電流をオンオフ制御可能な双方向スイッチを接続した3レベル電力変換装置において、前記双方向スイッチはそれぞれダイオードを逆並列接続した第1及び第2の半導体スイッチを直列接続した第1の半導体スイッチ直列回路と、それぞれダイオードを逆並列接続した第3及び第4の半導体スイッチを直列接続した第2の半導体スイッチ直列回路との並列回路とで構成し、前記第1及び第2の半導体スイッチ又は前記第3及び第4の半導体スイッチと並列に半導体スイッチの両端電圧を前記第1又は第2の直流電源電圧にクランプする電圧クランプ形スナバを接続する。
第2の発明においては、第1の発明における前記双方向スイッチが電流を遮断する際に、電流を流している前記電圧クランプ形スナバを並列接続した半導体スイッチの制御端子へのオフ信号は、電流を流している前記電圧クランプ形スナバを並列接続しない半導体スイッチの制御端子へのオフ信号に対して遅れて与えられる。
第3の発明においては、第1又は第2の発明における前記第1の半導体スイッチ直列回路を内蔵したモジュール及び前記第2の半導体スイッチ直列回路を内蔵したモジュールをそれぞれ複数個並列接続するに際し、前記第1の半導体スイッチ直列回路を内蔵したモジュールと前記第2の半導体スイッチ直列回路を内蔵したモジュールとを交互に並列配置する。
第4の発明においては、第1〜第3の発明における、前記直列接続される部分の半導体スイッチ又はそれを構成する半導体素子の一部または全部を、直列接続部分ごとに同一モジュール内に収納する。
第5の発明においては、第1〜第4の発明における電圧クランプ形スナバが並列接続される半導体スイッチに逆並列接続されるダイオードの順方向降下電圧は、前記電圧クランプ形スナバが並列接続されない半導体スイッチに逆並列接続されるダイオードの順方向降下電圧よりも低いダイオードとする。
第6の発明においては、第1〜第5の発明における前記電圧クランプ形スナバが並列接続される半導体スイッチに逆並列接続されるダイオードの逆回復電流は、前記電圧クランプ形スナバが並列接続されない半導体スイッチに逆並列接続されるダイオードの逆回復電流よりも大きい特性のダイオードとする。
第7の発明においては、第1の直流電源と第2の直流電源とを直列接続した直流電源直列回路と、それぞれダイオードを逆並列接続した第1〜第4の半導体スイッチをこの順に直列接続した第1の半導体スイッチ直列回路とを並列接続し、前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチとの直列接続点を交流端子とし、それぞれダイオードを逆並列接続した第5及び第6の半導体スイッチを直列接続した第2の半導体スイッチ直列回路を、前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチとの直列回路に並列に接続し、前記第2の半導体スイッチ直列回路の直列接続点と前記直流電源直列回路の直列接続点とを接続して構成される、いわゆる3レベル電力変換装置において、前記第5の半導体スイッチ及び第6半導体スイッチに、これらの半導体スイッチに印加される電圧を第1の直流電源の電圧又は第2の直流電源の電圧にクランプする、いわゆる電圧クランプ形スナバを設け、かつ前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチには直接接続されるスナバを設けないか又は前記電圧クランプ形スナバに比べ、容量の十分小さいスナバを設け、前記交流端子に正の電圧を出力する時には、前記第1及び第2の半導体スイッチをオンし、負の電圧を出力する時には前記第3及び第4の半導体スイッチをオンし、零電圧を出力する時には、前記第2、第3、第5及び第6の半導体スイッチをそれぞれオンし、零電圧出力から正電圧出力に移行する時にはまず前記第3の半導体スイッチにオフ信号を印加してから、次に前記第5及び第6の半導体スイッチにオフ信号を印加し、その後に前記第1の半導体スイッチにオン信号を印加する動作を行い、零電圧出力から負電圧出力に移行する時にはまず前記第2の半導体スイッチにオフ信号を印加してから、次に前記第5及び第6の半導体スイッチにオフ信号を印加し、その後に第4の半導体スイッチにオン信号を印加する動作を行う。
第8の発明においては、第7の発明における、前記第1及び第4の半導体スイッチは1アーム内蔵モジュールで、前記第2及び第3の半導体スイッチは2アーム内蔵モジュールで、前記第5及び第6の半導体スイッチは2アーム内蔵モジュールで、各々構成し、前記各モジュールを並列接続するに際し、前記第2及び第3の半導体スイッチを内蔵した2アーム内蔵のモジュールと前記第5及び第6の半導体スイッチを内蔵した2アーム内蔵のモジュールとを近接配置したものを並列配置する。
第9の発明においては、第7の発明における、前記第1及び第2の半導体スイッチ、前記第3及び第4の半導体スイッチ、及び前記第5及び第6の半導体スイッチは、各々2アーム内蔵のモジュールで構成し、前記各モジュールを並列接続するに際し、前記第5及び第6の半導体スイッチを内蔵したモジュールを前記第1及び第2の半導体スイッチを内蔵したモジュールと前記第3及び第4の半導体スイッチを内蔵したモジュールとの間に配置したものを並列配置する。
第10の発明においては、第7〜第9の発明における、前記第2、第3、第5、第6の半導体スイッチそれぞれに並列ダイオードを設け、前記第2及び第3の半導体スイッチの並列ダイオードの順方向降下電圧は、前記第5及び第6の半導体スイッチの並列ダイオードの順方向降下電圧より高いものを用いる。
第11の発明においては、第7〜第10の発明における、前記第2及び第3の半導体スイッチの並列ダイオードの逆回復電流は、前記第5及び第6の半導体スイッチの並列ダイオードの逆回復電流よりも小さい特性のものとする。
本発明では、双方向スイッチを用いた3レベル電力変換回路の双方向スイッチはそれぞれダイオードを逆並列接続した第1及び第2の半導体スイッチを直列接続した第1の半導体スイッチ直列回路と、それぞれダイオードを逆並列接続した第3及び第4の半導体スイッチを直列接続した第2の半導体スイッチ直列回路との並列回路で構成し、前記第1及び第2の半導体スイッチ又は前記第3及び第4の半導体スイッチと並列に半導体スイッチ素子の両端電圧を前記第1又は第2の直流電源電圧にクランプする電圧クランプ形スナバを接続する。また、上記半導体スイッチ直列回路を並列接続するに際し、電圧クランプ形スナバを設けた直列回路とスナバを設けていない直列回路を交互に配置する。
また、中性点クランプ形の3レベル電力変換回路においては、中性点クランプ用ダイオードと逆並列に半導体スイッチを接続し、各スイッチに電圧クランプ形スナバを設けることにより、これと並列接続される半導体スイッチにはスナバを不要又は極小化する。
この結果、電圧クランプ形スナバの適用が可能となり、スナバ回路の損失低減と、双方向スイッチ回路の簡素化とにより、低損失で小型の3レベル電力変換装置が実現可能となる。
本発明の第1の実施例を示す回路図である。 本発明の第2の実施例を示す回路図である。 本発明の第3の実施例を示す配線構造図である。 本発明の第4の実施例を説明するための従来回路図である。 本発明の第4の実施例を示す回路図である。 本発明の第5の実施例を説明するための回路図である。 本発明の第5の実施例を説明するための構造図である。 本発明の第6の実施例を説明するための回路図である。 本発明の第6の実施例を説明するための構造図である。 半導体モジュールの例を示す。 従来の第1の実施例を示す回路図である。 従来の第2の実施例の課題を説明するための回路図である。 従来の第3の実施例を示す回路図である。
本発明の要点は、以下の通りである。
第1の要点は、以下である。直流電源を直列接続した直流電源直列回路と、半導体スイッチを直列接続した半導体スイッチ直列回路とを並列接続し、前記直流電源直列回路の直列接続点と前記半導体スイッチ直列回路の直列接続点との間に双方向スイッチを接続した3レベル電力変換装置に関し、前記双方向スイッチはそれぞれダイオードを逆並列接続した第1及び第2の半導体スイッチを直列接続した第1の半導体スイッチ直列回路と、それぞれダイオードを逆並列接続した第3及び第4の半導体スイッチを直列接続した第2の半導体スイッチ直列回路との並列回路とで構成する。前記第1及び第2の半導体スイッチ又は前記第3及び第4の半導体スイッチと並列に半導体スイッチの両端電圧を前記第1又は第2の直流電源電圧にクランプする電圧クランプ形スナバを接続する。
第2の要点は、以下の通りである。第1の直流電源と第2の直流電源とを直列接続した直流電源直列回路と、それぞれダイオードを逆並列接続した第1〜第4の半導体スイッチをこの順に直列接続した第1の半導体スイッチ直列回路とを並列接続し、前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチとの直列接続点を交流端子とし、それぞれダイオードを逆並列接続した第5及び第6の半導体スイッチを直列接続した第2の半導体スイッチ直列回路を、前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチとの直列回路に並列に接続し、前記第2の半導体スイッチ直列回路の直列接続点と前記直流電源直列回路の直列接続点とを接続する。前記第5の半導体スイッチ及び第6半導体スイッチに、これらの半導体スイッチに印加される電圧を第1の直流電源の電圧又は第2の直流電源の電圧にクランプする、いわゆる電圧クランプ形スナバを設け、かつ前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチには直接接続されるスナバを設けないか又は前記電圧クランプ形スナバに比べ、容量の十分小さいスナバを設ける。前記交流端子に正の電圧を出力する時には、前記第1及び第2の半導体スイッチをオンし、負の電圧を出力する時には前記第3及び第4の半導体スイッチをオンする。零電圧を出力する時には、前記第2、第3、第5及び第6の半導体スイッチをそれぞれオンし、零電圧出力から正電圧出力に移行する時にはまず前記第3の半導体スイッチにオフ信号を印加してから、次に前記第5及び第6の半導体スイッチにオフ信号を印加し、その後に前記第1の半導体スイッチにオン信号を印加する。零電圧出力から負電圧出力に移行する時にはまず前記第2の半導体スイッチにオフ信号を印加してから、次に前記第5及び第6の半導体スイッチにオフ信号を印加し、その後に第4の半導体スイッチにオン信号を印加する。
図1に、本発明の第1の実施例を示す。全体回路の構成は、図13に示した従来回路において、コンデンサ13を削除し、半導体スイッチ11と12に電圧クランプ形スナバを接続した構成である。ここで、半導体スイッチとしては、IGBTを用いた実施例である。図1において、半導体スイッチ11にはダイオード207とコンデンサ209の直列回路が並列接続され、ダイオード207とコンデンサ209の直列接続点と直流電源1の正極(P点)との間に抵抗211が接続される。また、半導体スイッチ12にはダイオード208とコンデンサ210の直列回路が並列接続され、ダイオード208とコンデンサ210の直列接続点と直流電源2の負極(N点)との間に抵抗212が接続される。また106、107は双方向スイッチ部の内部における配線インダクタンスである。
本回路において双方向スイッチ部をオンする際、半導体スイッチ9〜12を同時にオンするものとする。例えば、M点からU点までの電流経路においては、M点→配線インダクタンス104→半導体スイッチ11のダイオード→配線インダクタンス106→半導体スイッチ9→配線インダクタンス105→U点の経路と、M点→配線インダクタンス104→半導体スイッチ12→配線インダクタンス107→半導体スイッチ10のダイオード→配線インダクタンス105→U点の経路が存在し、電流は1/2ずつ流れる。半導体スイッチ12をオフした時のサージ電圧からの保護動作は従来技術の説明と同様に自明である。
一方、半導体スイッチ9をオフすると配線インダクタンス106の電流が急激に減少し、その分の電流が配線インダクタンス104→コンデンサ210→ダイオード208→配線インダクタンス107→半導体スイッチ10のダイオードの経路で増加するので、配線インダクタンス107の電流が急増して、その電流変化率に比例した電圧が半導体スイッチ9に印加される。しかしこの電流成分に対しても配線インダクタンス104、105における変化率は抑制されているので、これらによるサージ電圧は抑制される。従って、配線インダクタンス106、107のインダクタンス値が十分小さければ半導体スイッチ9に印加されるサージ電圧、すなわち(コンデンサ210の電圧+配線インダクタンス106の電圧+配線インダクタンス107の電圧)は許容範囲内に抑制できる。
見方を変えれば、この時半導体スイッチ9には配線インダクタンス106、半導体スイッチ11、10、配線インダクタンス107を介して半導体スイッチ12のスナバが並列に接続されているのと等価であり、配線インダクタンス106、107によるサージ電圧の増加分はあるものの、半導体スイッチ9のサージ電圧も半導体スイッチ12のスナバにより抑制される。また半導体スイッチ9の遮断電流は負荷電流の1/2であるので、サージ電圧抑制に有利である。
これにもかかわらず半導体スイッチ9のサージ電圧が許容値を超える場合、下記の手法により回避できる。双方向スイッチ部をオフする際、まず半導体スイッチ9を他の半導体スイッチより先にオフする。その結果、配線インダクタンス106、107に電圧が発生するが、半導体スイッチ12がオンしているため、サージ電圧は(配線インダクタンス106の電圧+107の電圧)であり、上記より大幅に低減される。次に半導体スイッチ12をオフする。半導体スイッチ12をオフするまでの期間半導体スイッチ12→半導体スイッチ10のダイオードの経路に全電流が流れるが、短時間であるので損失、発熱は問題にならない程度に小さい。また半導体スイッチ12は全電流を遮断することになるが、直近にスナバを有しているのでサージ電圧も抑制できる。
図2に、本発明の第2の実施例を示す。図2は半導体スイッチにMOSFETを用いた例である。主回路構成及びスナバ構成は図1と同様である。図1と同様に双方向スイッチ部分をオンする際、MOSFET15〜18を同時にオンする。MOSFETはオン状態で電圧降下が電流に比例する抵抗特性を持つ。またゲート電圧を加えると逆方向にも導通する特性がある。このためオン抵抗の小さいMOSFET、例えばスーパージャンクションMOSFETやSiC(シリコンカーバイド)によるMOSFETでは、逆方向の電圧降下は並列ダイオード(寄生ダイオードまたは外付ダイオード)の順電圧降下よりも、MOSFET本体の電圧降下により決まる。図1の回路では双方向スイッチ部は2並列動作するものの、いずれの経路でも電圧降下としてはIGBTの飽和電圧1個分+ダイオードの順電圧降下1個分が生じる。IGBTの飽和電圧、ダイオードの順電圧降下は電流に依存しない定電圧成分を持つので2並列動作においてトータルの電圧降下は減少はするものの、1/2にはならない。
一方、図2の回路ではMOSFET2個の直列回路が2並列接続となっているので、上記の抵抗特性によりトータルの電圧降下はMOSFET1個分、すなわち双方向スイッチの内MOSFET15と17又は16と18の一方をオンした場合の1/2となり、導通損失も1/2となる。逆に言えばこれを考慮してMOSFET15〜18のオン抵抗が2倍、即ち通電部分のチップ面積が1/2のものを選定することができる。このため、図11の双方向スイッチ構成に対して見かけ上の素子数は倍になるが、トータルでの半導体量は変わらないことになる。
図3に、本発明の第3の実施例を示す。図3は図1または図2における配線インダクタンス106、107の低減手法を示すものである。図3(a)はここで用いる半導体モジュールの構成であり、MOSFET(IGBTやその他の半導体スイッチでも可)を2直列したものを1パッケージに収めた構成となっている。図3(b)はその配置及び配線方法であり、15a〜15dは図2におけるMOSFET15、16部分のモジュール、17a〜17dは図2におけるMOSFET17、18部分の半導体モジュールであり、ここではそれぞれ4個並列接続している。
また207a〜207dはダイオード207とコンデンサ209及びダイオード208とコンデンサ210を1個のモジュールに収納したスナバモジュールであり、300〜303は配線バーである。300がモジュールのP端子を8個並列接続する配線バー、301がモジュールのN端子を8個並列接続する配線バー、302がスナバが接続されていないモジュールのAC端子4個を並列接続する配線バー、303がスナバ207a〜207dが接続されているモジュールのAC端子4個を並列接続する接続バーである。配線バー303は直流電源のM点に、配線バー302は変換回路の交流端U点に接続される。モジュールの配線バーが上下に重なった部分(配線バー300と301、配線バー302と303)については、図示しない絶縁材を間に挟むことで短絡を避けるものとする。
MOSFET15、16側のモジュールとMOSFET17、18側のモジュールを交互に配置することでMOSFET 15、16側モジュールからスナバまでの距離をそれぞれ最短とし、配線インダクタンスを最小化することでサージ電圧を抑制する。さらに配線バー同士に重なり部分を持たせることで、電流が流れた際にそれぞれが発生する磁束を打ち消しあうようにし、配線バーが単独で存在する場合にくらべそのインダクタンスを大幅に小さくすることができる。これは良く知られた手法である。
ところで、サージ電圧が生じるのは半導体スイッチのターンオフ時以外に、ダイオードの逆回復時がある。例えば、図2の回路でU点から電流が流出している場合を考える。MOSFET13がオンすると、電流はMOSFET 13→配線インダクタンス102→U点の経路で外部に流れる。MOSFET13がオフする際、予めMOSFET15と18をオンしておくことにより電流はM点→配線インダクタンス104→MOSFET17→配線インダクタンス106→MOSFET15→配線インダクタンス105→U点の経路と、M点→配線インダクタンス104→MOSFET18→配線インダクタンス107→MOSFET16→配線インダクタンス105→U点の経路で流れる。この時、上述のようにMOSFET15〜18の全てのゲートにオン信号が与えられ、電流は全てMOSFET本体を流れる。次に再びMOSFET13をオンする場合、予めMOSFET16と17のゲートにオフ信号を与える(いわゆるデッドタイムを設ける)。これはMOSFET16、17が順方向に導通可能な状態でMOSFET13をオンすると、直流電源1をMOSFET13、15、17と、13、16、18で短絡してしまうためである。従って、このタイミングではMOSFET16、17の電流は並列ダイオード側を流れる。
MOSFET13がオンすることでMOSFET16、17の並列ダイオード部分に逆電圧が印加され、電流が遮断される。一般にダイオードは順電流が流れているときに逆電圧が印加されると、短時間逆方向に電流(逆回復電流)が流れた後これを遮断する、いわゆる逆回復現象を生じる。上記の場合にはMOSFET13→配線インダクタンス102→配線インダクタンス105→MOSFET16(ダイオード逆導通)→配線インダクタンス107→MOSFET18→配線インダクタンス104→M点の経路と、MOSFET13→配線インダクタンス102→配線インダクタンス105→MOSFET15→配線インダクタンス106→MOSFET17(ダイオード逆導通)→配線インダクタンス104→M点の経路で電流が流れ、MOSFET16のダイオードとMOSFET17のダイオードがこれを遮断する。
この際、半導体スイッチのターンオフと同様に配線インダクタンスにサージ電圧を生じる。MOSFET17に対するサージ電圧は、直近のスナバで抑制されるが、MOSFET16のサージ電圧はそれより大きくなる。ダイオードの遮断はゲートでタイミングをコントロールできないので、上述のようにMOSFET16を先にオフしておくことはできない。MOSFET15に関しても同様である。そこで、以下の方法でサージ電圧を低減する。
第1の方法はMOSFET15及び16の並列ダイオードの順電圧降下をMOSFET17及び18の並列ダイオードの順電圧降下よりも大きくしておくことで、デッドタイム中に電流をMOSFET17又は18側に集中させることである。順電流が小さくなるか或いは0Aになると逆回復電流も小さくなるか、或いはなくなるのでその遮断によるサージ電圧を回避できる。
第2の方法はMOSFET15及び16の並列ダイオードに、MOSFET17及び18の並列ダイオードよりも逆回復電流の小さいものを用いることである。
実際には逆回復電流の小さいダイオードは順電圧降下が大きい傾向にあるので、第1の方法と第2の方法は併用される形になる場合が多い。
図5に、本発明の第4の実施例を示す。3レベルインバータ回路としては、図4に示す中性点クランプ形と呼ばれる回路が知られている。直流電源1と2との直列回路と半導体スイッチ(IGBT)5、9、10、6の直列回路とを並列接続し、さらに、半導体スイッチ5と9の接続点及び10と6の接続点と直流電源1と2の接続点との間に各々ダイオード20又は21を接続した構成である。コンデンサ3と4は分圧コンデンサとも呼ばれる。
図5において、半導体スイッチ5と9とをオンするとU点にはP点電位が、半導体スイッチ9と10をオンするとU点にはM点電位が、半導体スイッチ6と10とをオンするとU点にはN点電位が、各々出力される。ここで、半導体スイッチ9と10の両端はいずれも電位変動点に接続されているため、直流電源としてのコンデンサ3又は4の電圧にクランプするスナバの適用は困難である。従来はたとえば特開2003-52178号公報に示されるような充放電形のRCスナバなどが用いられている。
図5にこの回路構成に対する本発明の適用例を示す。図4のダイオード20、21に代わり、半導体スイッチ11、12を設け、半導体スイッチ11にはダイオード207、コンデンサ209及び抵抗211からなる電圧クランプ形スナバが、半導体スイッチ12にはダイオード208、コンデンサ210及び抵抗212からなる電圧クランプ形スナバが、各々接続される。
以下に動作を説明する。U点電位をM点電位と等しくする際は半導体スイッチ9、10、11、12を全てオンとする。電流がU点からM点に流れるモードでは、電流はU点→半導体スイッチ9のダイオード→半導体スイッチ11→M点を通る経路とU点→半導体スイッチ10→半導体スイッチ12のダイオード→M点を通る経路とに分流する。
この状態からたとえば半導体スイッチ5と9がオンの状態に移行し、U点にP電位(E1)を出力する場合は、まず半導体スイッチ10をオフする。この時、半導体スイッチ11はオン状態であるので、半導体スイッチ10は印加電圧0Vでオフを行うことができる。この結果として、半導体スイッチ10→半導体スイッチ12のダイオードの経路を流れていた電流が、半導体スイッチ9のダイオード→半導体スイッチ11の経路に転流する。続いて半導体スイッチ11、12をオフする。この時、半導体スイッチ11にはP−M間電圧が印加され、かつ半導体スイッチ10の2倍の電流を遮断することになるが、直近にダイオード207、コンデンサ209及び抵抗211からなる電圧クランプ形スナバが設けられているのでサージ電圧から保護される。
また、半導体スイッチ9〜12がオンし、U点が零電位の状態から半導体スイッチ10、6がオンの状態に移行し、U点にN電位(−E2)を出力する場合の例を説明する。電流がM点からU点へ流れるモードでは、電流はM点→半導体スイッチ11のダイオード→半導体スイッチ9→U点を通る経路と点→半導体スイッチ12→半導体スイッチ10のダイオード→U点を通る経路とに分流する。この状態でまず半導体スイッチ9をオフする。この時半導体スイッチ12はオン状態であるので、半導体スイッチ9は印加電圧0Vでオフを行うことができる。この結果として、半導体スイッチ11のダイオード→半導体スイッチ9の経路を流れていた電流が、半導体スイッチ12→半導体スイッチ10のダイオードの経路に転流する。続いて半導体スイッチ11、12をオフする。この時、半導体スイッチ12にはM−N間電圧が印加され、かつ半導体スイッチ9の2倍の電流を遮断することになるが、直近にダイオード208、コンデンサ210及び抵抗212からなる電圧クランプ形スナバが設けられているのでサージ電圧から保護される。上述の他のモードについても同様となり、半導体スイッチは電圧クランプ形スナバにより、サージ電圧から保護される。
図2と同様に半導体スイッチにはMOSFETを用いることができる。また、半導体スイッチ9〜12の並列ダイオードの逆回復動作に対しては、上述と同様に半導体スイッチ9と10、11と12の間で、ダイオードの順方向降下電圧に差を持たせるか、逆回復電流に差を持たせることで同様の効果を発揮できる。
図2と同様に半導体スイッチにはMOSFETを用いることができる。また、半導体スイッチ9〜12の並列ダイオードの逆回復動作に対しては、上述と同様に半導体スイッチ9と10、11と12の間で、ダイオードの順方向降下電圧に差を持たせるか、逆回復電流に差を持たせることで同様の効果を発揮できる。
図6と図7に、本発明の第5の実施例を示す。図10(a)に示す1アームを内蔵した半導体モジュール(1in1モジュール)と図10(b)に示す2アームを内蔵した半導体モジュール(2in1モジュール)を2種類用いて、3レベル電力変換装置を実現するための半導体スイッチの配置と配線構造の提案である。図6の回路図において、半導体スイッチ5と6は、各々1アームを内蔵した半導体モジュールMD1、MD2で構成される。また、半導体スイッチ9と10は2アームを内蔵した半導体モジュールMD3で、半導体スイッチ11と12は2アームを内蔵した半導体モジュールMD4で、各々構成される。
図7に各半導体モジュールを3個並列接続した時の配置と配線構造例を示す。ここで、MD1a〜MD1cとMD2a〜MD2cが1アームを内蔵した半導体モジュール、MD3a〜MD3cとMD4a〜MD4cが2アームを内蔵した半導体モジュール、207a〜207cが電圧クランプ形スナバである。また、UB1は交流端子配線バー、UPB1、UNB1は中性点クランプダイオード回路の配線バー、MB1が零極の配線バーである。モジュールの配線バーが上下に重なった部分(配線バーUB1とMB1、配線バーUPB1とUNB1)については、図示しない絶縁材を間に挟むことで短絡を避けるものとする。モジュールMD3aとMD4aとの間の配線インダクタンスを小さくし、サージ電圧を効果的に抑制するため、スナバ207aを接続したMD4aとモジュールMD3aは近接配置されている。モジュールMD3b、MD4b及びスナバ207bの構成、及びモジュールMD3c、MD4c及びスナバ207cの構成も同様である。
図8と図9に、本発明の第の実施例を示す。図10(b)に示す2アームを内蔵した半導体モジュール(2in1モジュール)を用いて、3レベル電力変換装置を実現するための半導体スイッチの配置と配線構造の提案である。図8において、MD5〜MD7が2アーム分の半導体スイッチを内蔵した半導体モジュール(2in1モジュール)である。
図9に各半導体モジュールを3個並列接続した時のモジュール配置と配線構造を示す。
MD5a〜MD5c、MD6a〜MD6c、MD7a〜MD7cが図10(b)に示す2アームを内蔵した半導体モジュール(2in1モジュール)、207a〜207cが電圧クランプ形スナバである。また、UB2は交流端子配線バー、UPB2、UNB2は中性点クランプダイオード回路の配線バー、MB2が零極の配線バーで、並列接続される各々の半導体モジュールを接続している。配線インダクタンスを小さくし、サージ電圧を効果的に抑制するために、スナバ207aを接続した半導体モジュールMD7aは半導体モジュールMD6aとMD5aとの間に配置されている。モジュールMD7b、MD6b及びMD5bの構成、及びモジュールMD7c、MD6c及びMD5cの構成も同様である。
尚、上記実施例にはインバータ回路(逆変換回路)やコンバータ回路(PWM整流回路)の1相分の例を示したが、上述の回路を2回路使用すれば二相の装置を、3回路使用すれば三相の装置を構成することができる。
尚、上記実施例にはインバータ回路(逆変換回路)やコンバータ回路(PWM整流回路)の1相分の例を示したが、上述の回路を2回路使用すれば単相の装置を、3回路使用すれば三相の装置を構成することができる。
本発明は、直流電圧が高い場合や交流電圧として高い電圧が要求される場合に使用される3レベル電力変換回路であり、無停電電源装置、電動機駆動用インバータ装置などへの適用が可能である。
1、2・・・直流電源
20、21、202、205、207、208・・・ダイオード
3、4、13、201、204、209、210・・・コンデンサ
5〜12・・・半導体スイッチ(IGBT) 13〜18・・・MOSFET
203、206、211、212・・・抵抗
207a〜207d・・・スナバモジュール
15a〜15d、17a〜17d、MD3、MD4・・・半導体モジュール(2in1)
MD1、MD2・・・半導体モジュール(1in1)
300〜303、UB1、UB2、UPB1、UPB2、UNB1、UNB2・・・配線バー

Claims (11)

  1. 第1の直流電源と第2の直流電源を直列接続した直流電源直列回路と、それぞれダイオードを逆並列接続した半導体スイッチを直列接続した半導体スイッチ直列回路とを並列接続し、前記半導体スイッチ直列回路の直列接続点を交流端子とし、前記直流電源直列回路の直列接続点と前記半導体スイッチ直列回路の直列接続点との間に双方向の電流をオンオフ制御可能な双方向スイッチを接続した3レベル電力変換装置において、
    前記双方向スイッチはそれぞれダイオードを逆並列接続した第1及び第2の半導体スイッチを直列接続した第1の半導体スイッチ直列回路と、それぞれダイオードを逆並列接続した第3及び第4の半導体スイッチを直列接続した第2の半導体スイッチ直列回路との並列回路とで構成し、前記第1及び第2の半導体スイッチ又は前記第3及び第4の半導体スイッチと並列に半導体スイッチの両端電圧を前記第1又は第2の直流電源電圧にクランプする電圧クランプ形スナバを接続することを特徴とする3レベル電力変換装置。
  2. 前記双方向スイッチが電流を遮断する際に、電流を流している前記電圧クランプ形スナバを並列接続した半導体スイッチの制御端子へのオフ信号は、電流を流している前記電圧クランプ形スナバを並列接続しない半導体スイッチの制御端子へのオフ信号に対して遅れて与えられることを特徴とする請求項1に記載の3レベル電力変換装置。
  3. 前記第1の半導体スイッチ直列回路を内蔵したモジュール及び前記第2の半導体スイッチ直列回路を内蔵したモジュールをそれぞれ複数個並列接続するに際し、前記第1の半導体スイッチ直列回路を内蔵したモジュールと前記第2の半導体スイッチ直列回路を内蔵したモジュールを交互に並列配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の3レベル電力変換装置。
  4. 前記直列接続される部分の半導体スイッチ又はそれを構成する半導体素子の一部又は全部を、直列接続部分ごとに同一モジュール内に収納したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の3レベル電力変換装置。
  5. 前記電圧クランプ形スナバが並列接続される半導体スイッチに逆並列接続されるダイオードの順方向降下電圧は、前記電圧クランプ形スナバが並列接続されない半導体スイッチに逆並列接続されるダイオードの順方向降下電圧よりも低いダイオードとすることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の3レベル電力変換装置。
  6. 前記電圧クランプ形スナバが並列接続される半導体スイッチに逆並列接続されるダイオードの逆回復電流は、前記電圧クランプ形スナバが並列接続されない半導体スイッチに逆並列接続されるダイオードの逆回復電流よりも大きい特性のダイオードとすることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の3レベル電力変換装置。
  7. 第1の直流電源と第2の直流電源とを直列接続した直流電源直列回路と、それぞれダイオードを逆並列接続した第1〜第4の半導体スイッチをこの順に直列接続した第1の半導体スイッチ直列回路とを並列接続し、前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチとの直列接続点を交流端子とし、それぞれダイオードを逆並列接続した第5及び第6の半導体スイッチを直列接続した第2の半導体スイッチ直列回路を、前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチとの直列回路に並列に接続し、前記第2の半導体スイッチ直列回路の直列接続点と前記直流電源直列回路の直列接続点とを接続して構成される、いわゆる3レベル電力変換装置において、
    前記第5の半導体スイッチ及び第6の半導体スイッチに、これらの半導体スイッチに印加される電圧を第1の直流電源の電圧又は第2の直流電源の電圧にクランプする、いわゆる電圧クランプ形スナバを設け、かつ前記第2の半導体スイッチと前記第3の半導体スイッチには直接接続されるスナバを設けないか又は前記電圧クランプ形スナバに比べ、容量の十分小さいスナバを設け、前記交流端子に正の電圧を出力する時には、前記第1及び第2の半導体スイッチをオンし、負の電圧を出力する時には前記第3及び第4の半導体スイッチをオンし、零電圧を出力する時には、前記第2、第3、第5及び第6の半導体スイッチをそれぞれオンし、零電圧出力から正電圧出力に移行する時にはまず前記第3の半導体スイッチにオフ信号を印加してから、次に前記第5及び第6の半導体スイッチにオフ信号を印加し、その後に前記第1の半導体スイッチにオン信号を印加する動作を行い、零電圧出力から負電圧出力に移行する時にはまず前記第2の半導体スイッチにオフ信号を印加してから、次に前記第5及び第6の半導体スイッチにオフ信号を印加し、その後に第4の半導体スイッチにオン信号を印加する動作を行うことを特徴とする3レベル電力変換装置。
  8. 前記第1及び第4の半導体スイッチは1アーム内蔵モジュールで、前記第2及び第3の半導体スイッチは2アーム内蔵モジュールで、前記第5及び第6の半導体スイッチは2アーム内蔵モジュールで、各々構成し、前記各モジュールを並列接続するに際し、前記第2及び第3の半導体スイッチを内蔵した2アーム内蔵のモジュールと前記第5及び第6の半導体スイッチを内蔵した2アーム内蔵のモジュールとを近接配置したものを並列配置することを特徴とする請求項7に記載の3レベル電力変換装置。
  9. 前記第1及び第2の半導体スイッチ、前記第3及び第4の半導体スイッチ、及び前記第5及び第6の半導体スイッチは、各々2アーム内臓のモジュールで構成し、前記各モジュールを並列接続するに際し、前記第5及び第6の半導体スイッチを内蔵したモジュールを前記第1及び第2の半導体スイッチを内蔵したモジュールと前記第3及び第4の半導体スイッチを内蔵したモジュールとの間に配置したものを並列配置することを特徴とする請求項7に記載の3レベル電力変換装置。
  10. 前記第2、第3、第5、第6の半導体スイッチそれぞれに並列ダイオードを設け、前記第2及び第3の半導体スイッチの並列ダイオードの順方向降下電圧は、前記第5及び第6の半導体スイッチの並列ダイオードの順方向降下電圧より高いものを用いることを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の3レベル電力変換装置。
  11. 前記第2及び第3の半導体スイッチの並列ダイオードの逆回復電流は、前記第5及び第6の半導体スイッチの並列ダイオードの逆回復電流よりも小さい特性のものとすることを特徴とする請求項7〜10の何れか1項に記載の3レベル電力変換装置。
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