JP5928675B2 - 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、圧電素子、超音波センサー及び赤外線センサー - Google Patents

液体噴射ヘッド、液体噴射装置、圧電素子、超音波センサー及び赤外線センサー Download PDF

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Description

本発明は、ノズル開口に連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせ、圧電体層と圧電体層に電圧を印加する電極を有する圧電素子を具備する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びに圧電素子に関する。
液体噴射ヘッドに用いられる圧電アクチュエーターとしては、電気的機械変換機能を呈する圧電材料、例えば、結晶化した誘電材料からなる圧電体層を、2つの電極で挟んで構成された圧電素子を用いているものがある。液体噴射ヘッドの代表例としては、例えば、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴として吐出させるインクジェット式記録ヘッドがある。
このような圧電素子を構成する圧電体層(圧電セラミックス)として用いられる圧電材料には高い圧電特性が求められており、代表例として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が挙げられる(特許文献1参照)。チタン酸ジルコン酸鉛は、高い絶縁性を有し、例えば代表的な駆動電圧である25V程度の印加では、リーク電流の問題は生じない。
特開2001−223404号公報
しかしながら、例えば60V程度の高い電圧を印加すると、絶縁破壊が生じる場合があるという問題がある。したがって、より高い絶縁性が求められている。
なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッドだけではなく、勿論、インク以外の液滴を吐出する他の液体噴射ヘッドにおいても同様に存在し、また、液体噴射ヘッド以外に用いられる圧電素子においても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、リーク電流が抑制され高い絶縁性を有して絶縁破壊が防止される液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びに圧電素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室と、圧電体層と該圧電体層に設けられた電極とを備えた圧電素子と、を具備し、前記圧電体層は、鉛、ジルコニウム及びチタンを含むペロブスカイト型構造を有する複合酸化物からなり、酸素サイトに窒素を含むことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、リーク電流が抑制されて高絶縁性となり、絶縁破壊が防止された圧電素子となって、耐久性に優れたものとすることができる。
ここで、前記複合酸化物は、ペロブスカイト型構造の酸素サイトに空孔を有することが好ましい。これによれば、酸素サイトの欠損に由来するリーク電流が抑制できる。
また、前記複合酸化物は、ペロブスカイト型構造のAサイトの鉛が欠損した空孔を有していてもよい。
前記窒素が、モル比で、0.0001以上0.001以下含まれていることが好ましい。
前記鉛の一部がBサイトに含まれていてもよく、この場合、前記複合酸化物は、Bサイトは、ジルコニウムとチタンと鉛の全量1モルに対して、0.01〜0.15モルの鉛が含有されていることが好ましい。
本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。かかる態様では、リーク電流が抑制されて高絶縁性となり、絶縁破壊が防止された圧電素子を具備し、耐久性に優れた液体噴射装置を実現することができる。
本発明の他の態様は、圧電体層と該圧電体層に設けられた電極とを備え、前記圧電体層は、鉛、ジルコニウム及びチタンを含むペロブスカイト型構造を有する複合酸化物からなり、酸素サイトに窒素を含むことを特徴とする圧電素子にある。かかる態様では、リーク電流が抑制されて高絶縁性となり、絶縁破壊が防止された圧電素子となる。
実施形態1に係る記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 PZT完全結晶の電子状態密度を示す図である。 PZTに酸素サイト中で4%の酸素欠損が生じた際の電子状態密度を示す図である。 PZTのPbがAサイト中で12.5%欠陥した際の電子状態密度を示す図である。 PZTのBサイトのTi及びZrをPbが12.5%置換した際の電子状態密度を示す図である。 複合酸化物の結晶中におけるホッピング伝導を説明する模式図である。 本発明の複合酸化物の結晶中におけるホッピング伝導を説明する模式図である。 PZTの酸素サイトのOを、Nが4%置換した際の電子状態密度を示す図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す図である。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図であり、図3は図2のA−A′線断面図である。図1〜図3に示すように、本実施形態の流路形成基板10は、シリコン単結晶基板からなり、その一方の面には二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14及び連通路15を介して連通されている。連通部13は、後述する保護基板のマニホールド部31と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールドの一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路14を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。本実施形態では、流路形成基板10には、圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15からなる液体流路が設けられていることになる。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼等からなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、例えば厚さ30〜50nm程度の酸化チタン等からなり、弾性膜50等の第1電極60の下地との密着性を向上させるための密着層56が設けられている。なお、弾性膜50上に、必要に応じて酸化ジルコニウム等からなる絶縁体膜が設けられていてもよい。
さらに、この密着層56上には、第1電極60と、厚さが2μm以下、好ましくは0.2〜1.5μmの薄膜である圧電体層70と、第2電極80とが、積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。本実施形態では、第1電極60を圧電素子300の共通電極とし、第2電極80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエーター装置と称する。なお、上述した例では、弾性膜50、密着層56、第1電極60及び必要に応じて設ける絶縁体膜が振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50や密着層56を設けなくてもよい。また、圧電素子300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
以下では、遷移金属を含む複合酸化物のペロブスカイト型構造をABOで記す。ここで、Aサイト、Bサイトとは、それぞれ、順に、酸素が12配位、6配位しているサイトを指す。
本実施形態においては、圧電体層70は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)及びチタン(Ti)を含むペロブスカイト型構造を有する複合酸化物からなり、酸素サイトに空孔を有し、且つ、酸素サイトに窒素を含む。これにより、後述するように、リーク電流が抑制され、絶縁性に優れ、高い電圧を印加しても絶縁破壊が防止されたものとすることができる。
本実施形態にかかる複合酸化物としては、ペロブスカイト型構造のAサイトに鉛を含み、Bサイトにジルコニウム及びチタンを含むものが挙げられるが、Aサイトの鉛やBサイトのジルコニウム及びチタンと置換して他の元素を含むものでもよい。例えば、Aサイトの置換元素としてはランタン、バリウム、ストロンチウム、カルシウムなどが挙げられ、Bサイトの置換元素としては、鉛、ニオブを挙げることができる。
チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)(以下「PZT」とも記載する)等に含まれるPbは、製造工程、特にそのなかでも圧電体層の焼成工程において揮発しやすく、Aサイトの結晶欠陥を生じやすいという問題がある。失われたPbは製造チャンバーの雰囲気中および下部電極側に拡散してしまう。Pbが抜けると同時に、電子数のバランスを保つために酸素が欠損する。この酸素欠損、主として電極との界面付近における酸素欠陥の存在自体が、クーロンポテンシャルを介して遷移金属のd電子の軌道エネルギーを下げて圧電素子のバンドギャップを狭めて、結果としてリーク電流を生じさせる直接の原因になる。
これらの問題点を、第一原理電子状態計算を用いてさらに検討した結果、以下の知見を得た。
図4〜図7は、第一原理電子状態計算を用いて求めた各結晶の電子状態密度を示す図であり、横軸は電子のエネルギー差(eV)を示し、縦軸は電子の状態密度(DOS:Density of states)を示す。第一原理電子状態計算の条件としては、一般化された密度勾配近似(Generalized Gradient Approximation, GGA)の範囲での密度汎関数法に基づく、超ソフト擬ポテンシャル法(Ultra soft pseudopotential)を用いた。Bサイトの遷移金属原子に対しては、d電子軌道の局在性からくる強相関効果(strong correlation effect)を取り入れるために、GGA+U法(GGA plus U method)を適用した。波動関数(Wave function)のカットオフ及び電子密度(Charge density)のカットオフは、それぞれ20ハートリー、360ハートリーである。計算で用いた結晶のスーパーセルは、ABO型ペロブスカイト型構造を2×2×2=8個用いて構成した。また、逆格子点(k点)のメッシュは(4×4×4)である。なお、原子位置は最適化されている。
図4は、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr0.5Ti0.5)O)の完全結晶の電子状態密度を示す図であり、図5は、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr0.5Ti0.5)O)の酸素サイトに4%の酸素欠損が生じた場合の電子状態密度、図6は、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr0.5Ti0.5)O)のAサイトのPbが12.5%欠陥した際の電子状態密度を示す図であり、図7は、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr0.5Ti0.5)O)のBサイトにPbが12.5%含まれた際の電子状態密度である。
図4に示すように、Pb(Zr0.5Ti0.5)O完全結晶の場合、すなわち各サイトに空孔が無く、Pb、ZrやTiの他の元素による置換もない場合は、最高電子占有準位(Ef)が価電子帯のトップにあり、バンドギャップが開き絶縁性となっていた。図4では、バンドギャップに対してエネルギーが低い側の状態が価電子帯、高い側の状態が伝導帯である。なお、最高電子占有準位とは、電子状態シミュレーションで得られた一電子エネルギーにおいて、電子が占有している最高軌道エネルギーレベルを示す。各電子状態密度のグラフでは、横軸の0点を最高電子占有準位(Ef)にとる。
また、図5に示すように、Pb(Zr0.5Ti0.5)Oの酸素サイトに4%の欠損が生じると、エネルギー0eVよりもマイナス側に占有された状態密度が現れる。すなわち、最高電子占有準位が伝導帯のエネルギー領域に入り込む。従って系は絶縁性ではなくなり、電子キャリアが生じてn型となっていることがわかった。このとき占有された状態密度の面積を求めることで、酸素サイトの欠損は2個分の電子キャリアを与えることがわかる。
図6に示すように、Pb(Zr0.5Ti0.5)Oにおいて、Aサイトの鉛(Pb)の一部を欠損させて欠陥を生じさせると、エネルギー0eVよりもプラス側に空(から)の状態密度が現れる。すなわち、最高電子占有準位が価電子帯のエネルギー領域に入り込む。従って系は絶縁性ではなくなり、ホールキャリアが生じて、電気伝導タイプとしてはp型となっていることがわかった。このとき空(から)の状態密度の面積を求めることで、AサイトのPbの欠損は2個分のホールキャリアを与えることがわかる。
なお、図7に示すように、Bサイトに鉛(Pb)が含まれても、バンドギャップが保たれるため絶縁性を損なうことがないことも確認された。
従って図5〜7で見るように、Pb(Zr,Ti)O中にはn型欠陥とp型欠陥が共存している。例えば半導体の場合には、伝導帯および価電子帯のキャリアの電子状態が自由電子的であるために、p型欠陥からくるホールキャリアとn型欠陥からくる電子キャリアは空間的に広がっており、互いに打ち消しあうことができる。一方、本発明の対象となる遷移金属酸化物の場合、伝導帯および価電子帯のキャリアは局在的であり、モビリティが小さい。そのためホールキャリアと電子キャリアの打ち消しあいは完全ではない。そのため遷移金属酸化物では、互いに打ち消しあうことのできなかったキャリアがホッピング伝導として系の電気伝導に寄与する。図8は、p型欠陥とn型欠陥とが存在する遷移金属化合物におけるホッピング伝導の状態を模式的に示したものである。このように、遷移金属化合物では、p型欠陥、n型欠陥のそれぞれにおいて、それぞれホールキャリアおよび電子キャリアの移動が生じるホッピング伝導のチャンネルが形成されている。これがPb(Zr,Ti)Oで絶縁性を低下させている原因であると推測される。
これに対して、酸素サイトへ窒素をドープすることにより、n型欠陥に基づくリークが防止できることを知見した。本発明は、このような知見に基づくものであり、Pb(Zr,Ti)Oなどの遷移金属化合物である複合酸化物に、酸素サイトに窒素をドープし、n型欠陥によるリーク電流を防止し、絶縁性を向上させたものである。このような酸素サイトへの窒素のドープによると、AサイトやBサイトへのドープと比較して複合酸化物の圧電特性を大きく変えることがないという利点を有する。
このように酸素サイトに窒素をドープした本発明の遷移金属化合物におけるホッピング伝導の模式図を図9に示す。この図に示すように、Pb(Zr,Ti)Oなどの遷移金属化合物である複合酸化物の酸素サイトに窒素をドープすると、窒素ドープによりn型欠陥が打ち消される。そのため、n型欠陥の間をホッピングして生じるリーク電流も大きく低減することができる。
すなわち、本発明は、具体的には、例えば、Pb(Zr,Ti)Oの酸素サイトに窒素をドープしたものであり、ドープされた窒素は、p型ドナーとなり、n型欠陥を打ち消す。
図10は、酸素サイトの4%の酸素(O)を窒素(N)で置換した結晶について、第一原理電子状態計算を用いて求めた電子状態密度を示す図である。なお、第一原理電子状態計算の条件は、上述したものと同様である。
図10に示すように、Pb(Zr,Ti)Oの酸素の一部を強制的に窒素で置換すると、価電子帯の最上部にEfが位置する。すなわち価電子帯にホールが現れる。すなわち酸素サイトの一部を置換した窒素(N)元素は、p型ドナーとして働くことがわかる。電子状態密度をこのホールの部分に関して積分すると、酸素原子の窒素原子による置換はホール1つ分の寄与に対応することがわかる。
図5で示したようにPb(Zr,Ti)Oにおいて酸素が1つ欠損すれば、2個の電子キャリアが系に与えられる。この電子キャリアをキャンセルするためには、2個のホールキャリアが必要である。図10に基づけば、このキャンセルを実現するために、他の酸素原子2つを窒素原子2つに置換すればよい。すなわち、窒素による置換分も含めた全体としての酸素の欠損量をδとすれば、窒素は2δ/3となる。このときペロブスカイト型構造の酸素サイトにおいて、酸素にも窒素にも占められていない、まったくの空いたサイトはδ/3である。この状況に関する組成を化学式で書けば、Pb(Zr,Ti)O3−δ2δ/3となる。従って酸素サイトの酸素原子(O)と窒素原子(N)が、モル比で、O:N=3−δ:2δ/3となる。
一般にBサイトに一部のPbが位置する場合がある。この場合は図7で示したように、系に電子キャリアもホールキャリアも生じない。そのためBサイトに一部のPbが位置する場合は、窒素原子量に制限を与えない。
また、一般にPb(Zr,Ti)OはAサイトのPbが欠損する場合がある。この場合は図6で示したように、AサイトのPb欠陥はp型の欠陥であり、ホールキャリア2個分を系に供給する。従ってAサイトのPbに欠損がある場合には、窒素原子で酸素原子を置換した酸素サイトが供給するホールキャリア数と、AサイトのPb欠陥が供給するホールキャリア数の和が、化学量論組成から失われた酸素原子に由来する電子キャリア数をキャンセルしたとき、絶縁性が最も高くなる。そして、本実施形態では、窒素が、モル比で、0.0001以上0.001以下を満たす割合で、圧電体層70を構成する複合酸化物に含有されている。
また、本発明において、複合酸化物は、Aサイトに、大きなイオン半径を有するランタンを含んでいてもよい。ランタンを含むことでペロブスカイト型構造以外の異相の出現を押さえることができる。さらにランタンは鉛の場合に比べて、最近接の酸素との共有結合性がかなり弱いため、印加電界による分極モーメントの回転に対して、ポテンシャル障壁が下がる。この分極モーメントの回転を容易に起こしやすい状況が圧電特性を高める。
また、複合酸化物は、Bサイトにも鉛(Pb)を含んでいることが好ましい。Bサイトに鉛を含むことにより、耐久性が向上するためである。例えば、BサイトのZrとTiとPbの全量1モルに対して、0.01〜0.15モルのPbが含有されていることが好ましい。なお、上述したように、Bサイトに鉛が含まれていても絶縁性を損なうことはない。
かかる本実施形態の圧電体層70は、単斜晶系の結晶構造を有するものである。すなわち、ペロブスカイト型構造を有する複合酸化物からなる圧電体層70は、モノクリニックな対称性を有するものである。このような圧電体層70は、高い圧電特性を得ることができる。その理由としては、面に垂直方向にかかる印加電界に対して、圧電体層の分極モーメントが容易に回転しやすい構造となっていることが考えられる。圧電体層においては、分極モーメントの変化量と結晶構造の変形量が直接結合しており、これがまさに圧電性となる。以上より、分極モーメントの変化が起きやすい構造においては、高い圧電性を得ることができる。
また、圧電体層70は、分極方向が膜面垂直方向(圧電体層70の厚さ方向)に対して所定角度(50度〜60度)傾いているエンジニアード・ドメイン配置であることが好ましい。圧電体層70の結晶配向方向としては、前記エンジニアード・ドメインの分極方向の条件をみたすのであれば、(100)配向、(111)配向、(110)配向のいずれか、あるいはそれらの入り混じった構造であってもよい。
このような圧電素子300の個別電極である各第2電極80には、インク供給路14側の端部近傍から引き出され、弾性膜50上や必要に応じて設ける絶縁体膜上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上、すなわち、第1電極60、弾性膜50や必要に応じて設ける絶縁体膜及びリード電極90上には、マニホールド100の少なくとも一部を構成するマニホールド部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このマニホールド部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールド100を構成している。また、流路形成基板10の連通部13を圧力発生室12毎に複数に分割して、マニホールド部31のみをマニホールドとしてもよい。さらに、例えば、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と保護基板30との間に介在する部材(例えば、弾性膜50、必要に応じて設ける絶縁体膜等)にマニホールド100と各圧力発生室12とを連通するインク供給路14を設けるようにしてもよい。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子保持部32は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
また、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路120が固定されている。この駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、ボンディングワイヤー等の導電性ワイヤーからなる接続配線121を介して電気的に接続されている。
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜41によってマニホールド部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、比較的硬質の材料で形成されている。この固定板42のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、図示しない外部のインク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加し、弾性膜50、密着層56、第1電極60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
次に、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドの製造方法の一例について、図11〜図15を参照して説明する。なお、図11〜図15は、圧力発生室の長手方向の断面図である。
まず、図11(a)に示すように、シリコンウェハーである流路形成基板用ウェハー110の表面に弾性膜50を構成する二酸化シリコン(SiO2)等からなる二酸化シリコン膜を熱酸化等で形成する。次いで、図11(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜)上に、酸化チタン等からなる密着層56を、スパッタリング法や熱酸化等で形成する。
次に、図12(a)に示すように、密着層56の上に、第1電極60を構成する白金膜をスパッタリング法等により全面に形成する。
次いで、この白金膜上に、圧電体層70を積層する。圧電体層70は、金属錯体を含む溶液を塗布乾燥し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層(圧電体膜)を得るMOD(Metal−Organic Decomposition)法やゾル−ゲル法等の化学溶液法や、スパッタリング法等の気相法により形成できる。なお、圧電体層70は、その他、レーザーアブレーション法、スパッタリング法、パルス・レーザー・デポジション法(PLD法)、CVD法、エアロゾル・デポジション法などで形成してもよい。
圧電体層70の具体的な形成手順例としては、まず、図12(b)に示すように、第1電極60上に、金属錯体、具体的には、Pb、Zr及びTi、必要に応じて含有させるLa等を含有する錯体を、目的とする組成比になる割合で含むゾルやMOD溶液(前駆体溶液)をスピンコート法などを用いて、塗布して圧電体前駆体膜71を形成する(塗布工程)。
塗布する前駆体溶液は、焼成によりPb、Zr及びTi、必要に応じて含有させるLa等を含む複合酸化物を形成し得る金属錯体を、各金属が所望のモル比となるように混合し、該混合物とアンモニアとをアルコールなどの有機溶媒を用いて溶解または分散させたものである。
ここでいう「焼成によりPb、Zr及びTi、必要に応じて含有させるLa等を含む複合酸化物を形成し得る金属錯体」とは、Pb、Zr及びTi、必要に応じて含有させるLa等を含む金属錯体の混合物を指す。Pb、Zr及びTi、必要に応じて含有させるLa等をそれぞれ含む錯体としては、例えば、アルコキシド、有機酸塩、βジケトン錯体などを用いることができる。
Pbを含む金属錯体としては、例えば、酢酸鉛等を挙げることができる。Zrを含む金属錯体としては、例えば、ジルコニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート等が挙げられる。Tiを含む金属錯体としては、例えばチタニウムイソプロポキシド等のチタニウムアルコキシド等が挙げられる。Laを含む金属錯体としては、2−エチルヘキサン酸ランタン等が挙げられる。
次いで、この圧電体前駆体膜71を所定温度(例えば、300〜400℃)に加熱して一定時間乾燥させる(乾燥工程)。次に、乾燥した圧電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間保持することによって脱脂する(脱脂工程)。なお、ここで言う脱脂とは、圧電体前駆体膜71に含まれる有機成分を、例えば、NO2、CO2、H2O等として離脱させることである。乾燥工程や脱脂工程の雰囲気は限定されず、大気中でも不活性ガス中でもよい。
次に、図12(c)に示すように、圧電体前駆体膜71を所定温度(例えば650〜800℃)に加熱して一定時間保持することによって結晶化させ、圧電体膜72を形成する(焼成工程)。この焼成工程においても、雰囲気は限定されず、大気中でも不活性ガス中でもよい。
なお、乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程で用いられる加熱装置としては、例えば、赤外線ランプの照射により加熱するRTA(Rapid Thermal Annealing)装置やホットプレート等が挙げられる。
このとき圧電体膜に含まれる窒素の含有量を、2次イオン質量分析計(SIMS)による分析で調べると、モル比で0.0001以上0.001以下の範囲であった。またこの窒素の含有量がモル比で0.000025未満になると本発明のp型ドープとしての効果が低減する。
次に、図13(a)に示すように、圧電体膜72上に所定形状のレジスト(図示無し)をマスクとして第1電極60及び圧電体膜72の1層目をそれらの側面が傾斜するように同時にパターニングする。
次いで、レジストを剥離した後、上述した塗布工程、乾燥工程及び脱脂工程や、塗布工程、乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程を所望の膜厚等に応じて複数回繰り返して複数の圧電体膜72からなる圧電体層70を形成することで、図13(b)に示すように複数層の圧電体膜72からなる所定厚さの圧電体層70を形成する。例えば、塗布溶液の1回あたりの膜厚が0.1μm程度の場合には、例えば、10層の圧電体膜72からなる圧電体層70全体の膜厚は約1.1μm程度となる。なお、本実施形態では、圧電体膜72を積層して設けたが、1層のみでもよい。
このように圧電体層70を形成した後は、図14(a)に示すように、圧電体層70上に白金等からなる第2電極80をスパッタリング法等で形成し、各圧力発生室12に対向する領域に圧電体層70及び第2電極80を同時にパターニングして、第1電極60と圧電体層70と第2電極80からなる圧電素子300を形成する。なお、圧電体層70と第2電極80とのパターニングでは、所定形状に形成したレジスト(図示なし)を介してドライエッチングすることにより一括して行うことができる。その後、必要に応じて、650〜800℃の温度域でポストアニールを行ってもよい。これにより、圧電体層70と第1電極60や第2電極80との良好な界面を形成することができ、かつ、圧電体層70の結晶性を改善することができる。
次に、図14(b)に示すように、流路形成基板用ウェハー110の全面に亘って、例えば、金(Au)等からなるリード電極90を形成後、例えば、レジスト等からなるマスクパターン(図示なし)を介して各圧電素子300毎にパターニングする。
次に、図14(c)に示すように、流路形成基板用ウェハー110の圧電素子300側に、シリコンウェハーであり複数の保護基板30となる保護基板用ウェハー130を接着剤35を介して接合した後に、流路形成基板用ウェハー110を所定の厚さに薄くする。
次に、図15(a)に示すように、流路形成基板用ウェハー110上に、マスク膜52を新たに形成し、所定形状にパターニングする。
そして、図15(b)に示すように、流路形成基板用ウェハー110をマスク膜52を介してKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、圧電素子300に対応する圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15等を形成する。
その後は、流路形成基板用ウェハー110及び保護基板用ウェハー130の外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハー110の保護基板用ウェハー130とは反対側の面のマスク膜52を除去した後にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板用ウェハー130にコンプライアンス基板40を接合し、流路形成基板用ウェハー110等を図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによって、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIとする。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、流路形成基板10として、シリコン単結晶基板を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、SOI基板、ガラス等の材料を用いるようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態では、基板(流路形成基板10)上に第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を順次積層した圧電素子300を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電素子にも本発明を適用することができる。
また、これら実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図16は、そのインクジェット式記録装置IIの一例を示す概略図である。
図16に示すように、インクジェット式記録ヘッドIを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
図16に示す例では、インクジェット式記録ヘッドユニット1A、1Bは、それぞれ1つのインクジェット式記録ヘッドIを有するものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、1つのインクジェット式記録ヘッドユニット1A又は1Bが2以上のインクジェット式記録ヘッドを有するようにしてもよい。
なお、上述した実施形態では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
本発明の圧電素子は、良好な絶縁性及び圧電特性を示すため、上述したように、インクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッドの圧電素子に適用することができるものであるが、これに限定されるものではない。例えば、超音波発信機等の超音波デバイス、超音波モーター、圧電トランス、並びに赤外線センサー、超音波センサー、感熱センサー、圧力センサー及び焦電センサー等の各種センサー等の圧電素子に適用することができる。また、本発明は、強誘電体メモリー等の強誘電体素子にも同様に適用することができる。
I インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 II インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 マニホールド部、 32 圧電素子保持部、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 90 リード電極、 100 マニホールド、 120 駆動回路、 300 圧電素子

Claims (10)

  1. ノズル開口に連通する圧力発生室と、
    圧電体層と該圧電体層に設けられた電極とを備えた圧電素子と、を具備し、
    前記圧電体層は、鉛、ジルコニウム及びチタンを含むペロブスカイト型構造の複合酸化物からなり、酸素サイトに窒素を含み、当該窒素により置換分も含めた酸素の欠損量をδとした場合、酸素サイトの酸素原子(O)と窒素原子(N)とのモル比が、O:N=3−δ:2δ/3であることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記複合酸化物は、ペロブスカイト型構造の酸素サイトに空孔を有することを特徴とする請求項1に記載する液体噴射ヘッド。
  3. 前記複合酸化物は、ペロブスカイト型構造のAサイトの鉛が欠損した空孔を有することを特徴とする請求項1または2に記載する液体噴射ヘッド。
  4. 前記窒素が、モル比で、0.0001以上0.001以下含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載する液体噴射ヘッド。
  5. 前記鉛の一部がBサイトに含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載する液体噴射ヘッド。
  6. 前記複合酸化物は、Bサイトは、ZrとTiとPbの全量1モルに対して、0.01〜0.15モルのPbが含有されていることを特徴とする請求項5に記載する液体噴射ヘッド。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載する液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
  8. 圧電体層と前記圧電体層に設けられた電極とを備え、
    前記圧電体層は、鉛、ジルコニウム及びチタンを含むペロブスカイト型構造を有する複合酸化物からなり、酸素サイトに窒素を含み、当該窒素により置換分も含めた酸素の欠損量をδとした場合、酸素サイトの酸素原子(O)と窒素原子(N)とのモル比が、O:N=3−δ:2δ/3であることを特徴とする圧電素子。
  9. 請求項8に記載の圧電素子を具備することを特徴とする超音波センサー。
  10. 請求項8に記載の圧電素子を具備することを特徴とする赤外線センサー。
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