JP5927701B2 - シールド電線 - Google Patents

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本発明は、シールド電線に関する。
自動車内部等で発生するノイズの影響を抑制するため、自動車内部等の配線にはシールド効果のあるシールド電線が用いられる。係るシールド電線は、複数の電線と、ドレン線と、これら複数の電線及びドレン線の外周に巻き付けられる金属箔付きシールドとから構成される。
図6は、下記特許文献1に記載の従来のシールド電線10の構成説明図である。従来のシールド電線10は、導体11と、この導体11を被覆する絶縁体12とを備えた複数の電線13と、複数の導電性の繊維が撚られてなる一本のドレン線14と、極薄の帯状に形成されるアルミ箔からなり、且つ、複数の電線13及びドレン線14の外側に巻き付けられる金属箔付きシールド15と、絶縁性の合成樹脂からなり、これら全体に被覆されるシース16とを備える。シールド電線10は、複数の電線13とともにドレン線14が撚り合わされ、ドレン線14があたかもコイル形状に形成される。金属箔付きシールド15は、ドレン線14と導通するように縦添え(巻き寿司状)に巻き付けて形成される。
また、下記特許文献2に記載のシールド電線17は、図7に示すように、導体18と、この導体18を被覆する絶縁体19とを備えた複数の電線20と、複数の導電性の繊維が撚られてなる一本のドレン線21と、導電性の金属からなる金属箔層(図示せず)と、この金属箔層に積層され、且つ、絶縁性の合成樹脂層(図示せず)とを有し、極薄の帯状に形成される金属箔付きシールド22と、絶縁性の合成樹脂からなり、これら全体を被覆するシース23とを備える。シールド電線17は、複数の電線20が撚り合わされずに並んで配置され、そのうちの一本の電線20の外周にドレン線21が巻き付けられ、ドレン線21があたかもコイル形状に形成される。シールド電線17は、複数の電線20及びドレン線21の外側に金属箔付きシールド22の金属箔層を内側にして、ドレン線21と金属箔付きシールド22の導電性の金属箔層とが導通するように金属箔付きシールド22を縦添え(巻き寿司状)に巻き付けて形成される。
また、下記特許文献3に記載のシールド電線24は、図8に示すように導体(図示せず)と、この導体を被覆する絶縁体25とを備えた複数の電線26と、複数の導電性の繊維が撚られてなる一本のドレン線27と、これら複数の電線26及びドレン線27の外側に巻き付けられ、且つ、導電性の金属箔層(図示せず)と、この金属箔層に積層される絶縁性の合成樹脂層(図示せず)とを有する金属箔付きシールド28とを備える。シールド電線24は、ドレン線27を複数の電線26とともに巻き付けることにより、ドレン線27があたかもコイル形状に形成される(図8(a)参照)。シールド電線24は、複数の電線26及びドレン線27の外側に金属箔付きシールド28の金属箔層を内側にして、ドレン線27と金属箔層とが導通するように金属箔付きシールド28が横巻き(螺旋状)に巻き付けられて形成される。この金属箔付きシールド28の巻き付けは、ドレン線27を複数の電線26とともに巻き付ける方向と同一の方向に向かって行われる(図8(b)参照)。シールド電線24は、金属箔付きシールド28がラップするように巻き付けて形成される。すなわち、金属箔付きシールド28の絶縁性の合成樹脂層の上に金属箔層の一部を巻き付けることから、金属箔層があたかもコイル形状に形成される。
特開2005−32583号公報 特開2009−238555号公報 特開2000−251548号公報
ところで、上記特許文献1及び特許文献2に記載の従来技術にあっては、金属箔付きシールド15、22を複数の電線13、20及びドレン線14、21に対して縦添え(巻き寿司状)に巻き付けている。この時のシールド効果は良好となるものの、金属箔付きシールド15、22を縦添えの状態に維持することは困難であり、加工性が悪いという問題点を有していた。
そこで、上記特許文献3に記載の従来技術にあっては、金属箔付きシールド28を複数の電線26及びドレン線27に対して横巻き(螺旋状)に巻き付けることで、金属箔付きシールド28を巻き付けた状態を保持し易く加工性が良好となるため、上記特許文献1及び特許文献2が有する問題点に対しては有効である。
上記特許文献3に記載の従来技術は、例えば、図9に示すシールド電線30の構成を適用することもできる。シールド電線30によれば、シールド効果が低下してしまう。この問題点について、以下、説明する。尚、図9のシールド電線30におけるドレン線31と金属箔付きシールド32は、引用文献3に記載の従来技術におけるシールド電線24のドレン線31と金属箔付きシールド32と同一の構成を有するものとする。また、図9では、ドレン線31と金属箔付きシールド32以外の構成の図示を省略するものする。
図9(a)にて、シールド電線30は、ドレン線31を複数の電線(図示せず)に横巻き(螺旋状)に巻き付けている。そして、ドレン線31の外側に金属箔付きシールド32を横巻き(螺旋状)にて所定の巻き数で巻き付けている。金属箔付きシールド32は、金属箔付きシールド32の合成樹脂層(図示せず)の上に金属箔層(図示せず)の一部を巻き付けることから、金属箔層がコイル形状に形成される。
図9(b)にて、矢印Aは、金属箔付きシールド32が巻き付けられる方向を示している。また、矢印Bは、ドレン線31が巻き付けられる方向を示している。シールド電線30は、ドレン線31を複数の電線(図示せず)に巻き付ける方向(矢印B)と、ドレン線31の外側に金属箔付きシールド32を巻き付ける方向(矢印A)とが同一となっている。また、ドレン線31の巻き数と、金属箔付きシールド32の巻き数が同一となっている。上記構成より、ドレン線31は、金属箔付きシールド32と同じ巻き付け方向、及び同じ巻き数で巻き付けられ、金属箔付きシールド32は、ドレン線31が金属箔層(図示せず)に電気的に接触するように巻き付けられる。これにより、ドレン線31が、隣り合う金属箔付きシールド32の金属箔層同士を短絡させることがないため、ドレン線31と金属箔付きシールド32は、同一の方向に向かってあたかも一つのコイル形状に形成される。従って、ドレン線31と金属箔付きシールド32とによってコイル形状の回路が形成される。
そして、コイル形状に形成された金属箔付きシールド32に電流が流れると、電流は、図9(c)にて矢印Cに示す如くコイル形状に流れる。そうすると、コイル形状をした金属箔付きシールド32は、これにより生じる磁束が強くなり、自己誘導電流が発生することにより、金属箔付きシールド32の金属箔層(図示せず)に電流が流れ難くなる。このため、金属箔層をドレン線31を介してアースEに接続した際の接地抵抗が高くなり、シールド電線30内部の複数の電線(図示せず)から放射されるノイズや外来のノイズを金属箔付きシールド32で遮断してもシールド効果が低くなってしまうという問題点を有している。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、加工性の良さを維持しつつ、シールド効果を良好なものとするシールド電線を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明のシールド電線は、複数の電線と、ドレン線と、これら前記複数の電線及び前記ドレン線の外側に巻き付けられ、且つ、絶縁性の合成樹脂層と導電性の金属箔層とを有する金属箔付きシールドとを備えるシールド電線において、前記ドレン線は、前記複数の電線の外側に所定の巻き数で巻き付けられ、前記金属箔付きシールドは、前記複数の電線及び前記ドレン線の外側に所定の巻き数で、且つ、前記ドレン線が巻き付けられる方向に対して逆の方向に巻き付けられ、さらに、前記ドレン線の単位長さあたりの巻き数と前記金属箔付きシールドの単位長さあたりの巻き数は、同一であることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、シールド電線は、金属箔付きシールドがコイル形状を形成せず、シールド効果が低下しない。
また、このような特徴を有する本発明によれば、シールド電線はドレン線と金属箔付きシールドの単位長さあたりの巻き数が同一となることにより、ドレン線が金属箔付きシールドの金属箔層を確実に短絡し、シールド部がコイル形状を形成しないようにすることができる。
請求項1に記載された本発明によれば、シールド電線について、加工性の良さを維持しつつ、シールド効果をより良好なものとすることができるという効果を奏する。
本発明の一実施の形態のシールド電線の構成説明図である。 図1におけるシールド電線の断面図である。 図1におけるシールド電線の模式図である。 本発明の他の実施の形態のシールド電線の構成説明図である。 図4におけるシールド電線の断面図である。 従来のシールド電線の構成説明図である。 従来のシールド電線の構成説明図である。 従来のシールド電線の構成説明図である。 従来のシールド電線の一形態を示す模式図である。
以下、図1−図3を参照しながら本発明の一実施の形態を説明する。図1は本発明のシールド電線の一実施の形態を示す構成説明図、図2は図1(a)におけるシールド電線のA―A間の断面図、図3は図1におけるシールド電線の模式図である。
以下の説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等に合わせて適宜変更することができるものとする。
図1において、引用符号1は本発明のシールド電線を示している。シールド電線1は、複数の電線4と、ドレン線5と、金属箔付きシールド6と、シース7とを備えて構成される。
複数の電線4は、図1に示す如く、互いに撚り合わされる。複数の電線4は、それぞれ、導体2と、この導体2の外周を被覆する絶縁体3とを備えた所謂被覆電線である。導体2は、一本の素線または複数の素線が撚られて形成されており、図2に示す如く、断面形状が丸形に形成される。導体2を構成する素線は、導電性を有する金属からなる。導体2は可撓性を有している。絶縁体3は、絶縁性と可撓性とを有する合成樹脂からなる所謂被覆部である。複数の電線4は、本形態においては、2本(一例であるものとする)備えられる。
ドレン線5は、導電性の金属で構成された導体のみで構成される、所謂接地用電線である。導体は、複数の電線4の導体2と同様に、1本の素線または複数の素線が撚られて形成されており、図2に示す如く、断面形状が丸形に形成される。ドレン線5は、撚り合わされた複数の電線4の外側に所定のピッチで巻き付ける。ドレン線5の巻き付けは、図1(b)に示す如く、シールド電線1の軸方向に伸びる矢印の向きに対して、例えば時計回りに図示される矢印の方向に向かって巻き付ける。ドレン線5は、図2に示す如く、後述する金属箔付きシールド6と電気的に接触するように巻き付ける。
金属箔付きシールド6は、図1に示す如く、複数の電線4およびドレン線5を被覆するように、これらの外周に設けられる所謂シールド部材である。金属箔付きシールド6は、図2に示す如く、薄い金属箔層8と、この金属箔層8に積層され、且つ、金属箔層8に比して比較的厚みを有する薄い合成樹脂層9とを備えて、極薄のシート状に形成される。金属箔付きシールド6は、平面形状が帯状に形成されている。金属箔層8は、導電性を有する金属からなる。金属箔層8は、可撓性を有する。金属箔層8は、少なくともアルミニウムまたはアルミニウム合金、あるいは、銅または銅合金を含んでいる。合成樹脂層9は、POLYETHYLENE TEREPHTHALATE等の絶縁性と可撓性とを有する合成樹脂からなるPETフィルムにより構成される。
金属箔付きシールド6は、図2に示す如く、金属箔層8を内側にして、複数の電線4およびドレン線5の外周に対し、これらの全長に亘って横巻き(螺旋状)にして巻き付ける。金属箔付きシールド6の巻き付けは、図1(c)に示す如く、シールド電線1の軸方向に伸びる矢印の向きに対して反時計回りに図示される矢印の方向に向かって巻き付ける。すなわち、金属箔付きシールド6は、本形態において、複数の電線4の外側にドレン線5を巻き付ける方向に対して逆の方向に向かって巻き付ける。金属箔付きシールド6の単位長さあたりの巻き数は、本形態において、上述のドレン線5を複数の電線4の外側に巻き付ける際の単位長さあたりの巻き数と同一であることが好適であるものとする。金属箔付きシールド6の巻き付け方は、複数の電線4及びドレン線5の外周にラップを巻き付けるようにして行う。これにより、合成樹脂層9の上に金属箔層8の一部が重なることから、金属箔層8があたかもコイル形状に形成される。金属箔付きシールド6は、図2に示す如く、金属箔層8がドレン線5と電気的に接触する。
シース7は、例えば、ポリ塩化ビニル等の絶縁性と可撓性とを有する合成樹脂で構成される、所謂被覆部材である。シース7は、金属箔付きシールド6の外周に押出成形により設けられる。
続いて、表1に基づいて、本発明の実施例と比較例1,2との比較について説明する。
Figure 0005927701
表1は、吸収クランプ法に基づくシールド電線のシールド効果の評価実験の結果を表したグラフである。表1の縦軸は、シールド効果(dB)を表し、横軸は、測定周波数(Hz)を表したものである。表1における曲線aは実施例を、曲線bは比較例1を、曲線cは比較例2をそれぞれ表す。
表1の実施例は、本発明のシールド電線である。実施例におけるシールド電線の構成は、上述のシールド電線と同じであるので説明を省略する。実施例におけるシールド電線の諸元は、2本備える電線のそれぞれの導体の断面積を0.35sqとする。この2本の電線の外側に巻き付けるドレン線を巻き付けのピッチは、25mmとする。金属箔付きシールドは、金属箔層の厚さを10μm、合成樹脂層の厚さを25μmとする。
表1の比較例1のシールド電線は、2本の電線を備え、この2本の電線の外側に、ドレン線を巻き付け、このドレン線の外周に、金属箔付きシールドを縦添え(巻き寿司状)に巻き付けて構成される従来の縦添えシールド電線である。比較例1におけるシールド電線の諸元は、上述の実施例におけるシールド電線と同一である。
表1の比較例2のシールド電線は、2本の電線を備え、この2本の電線の外側に、ドレン線を巻き付け、このドレン線の外周に、金属箔付きシールドを、ドレン線が電線とともに巻き付けられる方向と同一の方向に向かって、且つ、上述したドレン線の巻き付けのピッチと同一のピッチで横巻き(螺旋状)に巻き付けて構成される従来の横巻きシールド電線である。上記構成より、ドレン線が、隣り合う金属箔付きシールドの金属箔層を短絡させることはない。比較例2におけるシールド電線の諸元は、上述の実施例におけるシールド電線と同一である。
表1において、周波数が3MHz以下の状態においては、実施例、比較例1及び比較例2のいずれも、シールド効果を示す数値について顕著な差異は看取できない。しかし、周波数が3MHz以上の状態において、実施例、比較例1及び比較例2のシールド効果を示す数値について顕著な差異が生じる
実施例のシールド効果は、周波数3MHzでは57dB、周波数10MHzでは53dB、周波数30MHzでは55dB、周波数40MHzでは58dB、周波数50MHzでは60dB、周波数80MHzでは53dB、周波数100MHzでは49dBである。
比較例1のシールド効果は、周波数3MHzでは55dB、周波数10MHzでは57dB、周波数30MHzでは63dB、周波数40MHzでは58dB、周波数50MHzでは55dB、周波数80MHzでは50dB、周波数100MHzでは47dBである。
比較例2のシールド効果は、周波数3MHzでは55dB、周波数10MHzでは49dB、周波数30MHzでは48dB、周波数40MHzでは50dB、周波数50MHzでは47dB、周波数80MHzでは41dB、周波数100MHzでは37dBである。
表1の比較例1と比較例2とのシールド効果を示す数値を比較すると、周波数3MHzの状態では、比較例1及び比較例2のいずれも、シールド効果は55dBであり、シールド効果を示す数値に大きな差異は見られない。しかし、周波数10MHzの状態では、比較例1が57dBであるのに対し、比較例2は49dBである。そして、周波数30MHzの状態では、比較例1が63dBであるのに対し、比較例2は48dBである。さらに、周波数40MHzの状態では、比較例1が58dBであるのに対し、比較例2は50dB、周波数50MHzの状態では、比較例1が55dBであるのに対し、比較例2が47dB、周波数80MHzの状態では、比較例1が50dBであるのに対し、比較例2が41dB、周波数100MHzの状態では、比較例1が47dBであるのに対し、比較例2が37dBである。従って、従来の横巻きシールド電線は、従来の縦添えシールド電線と比較して、周波数3MHz以上の状態ではシールド効果の点で劣ることが分かる。
表1の実施例と比較例1とのシールド効果を示す数値を比較すると、周波数3MHzの状態では、実施例は57dBであるのに対し、比較例1は55dBであり、いずれもシールド効果を示す数値に大きな差異は見られない。また、周波数10MHzの状態では、実施例は53dBであるのに対し、比較例1は57dBであり、周波数40MHzの状態では、実施例及び比較例1ともに58dBである。そして、周波数50MHzの状態では、実施例は60dBであるのに対し、比較例1は55dB、周波数80MHzの状態では、実施例は53dBであるのに対し、比較例1は50dB、周波数100MHzでは、実施例は49dBであるのに対し、比較例1は47dBである。従って、周波数3MHz以上の状態において、実施例は、比較例1と同程度のシールド効果を有していることが分かる。また、周波数40MHzを超えた状態では、実施例は比較例1と比較して、シールド効果において高い数値を示していることが分かる。
続いて、図3に基づいて、表1の実施例におけるシールド電線のシールド効果について詳細に説明する。図3のシールド電線1は、実施例におけるシールド電線と同一の本発明のシールド電線である。尚、図3にて、ドレン線5と金属箔付きシールド6以外の構成の図示を省略するものとする。図3(a)は、シールド電線1の基本構成を模式的に表したものである。図3(a)にて、シールド電線1の金属箔付きシールド6は、ドレン線5を介してアースEに接地される。
図3(b)にて、矢印Aは、金属箔付きシールド6が巻き付けられる方向を示している。また、矢印Bは、ドレン線5が巻き付けられる方向を示している。シールド電線1は、金属箔付きシールド6がドレン線5の巻き付け方向に対して逆の方向に巻き付けられ、且つ、ドレン線5の単位長さあたりの巻き数と金属箔付きシールド6の単位長さあたりの巻き数が同一となっている。上記構成より、ドレン線5は、金属箔付きシールド6とは逆の巻き付け方向に向かって、且つ、金属箔付きシールド6と同じ巻き数で巻き付けられ、金属箔付きシールド6は、ドレン線5が金属箔層8(図2参照)に電気的に接触するように巻き付けられる。これにより、ドレン線5が、隣り合う金属箔付きシールド6の金属箔層8(図2参照)同士を確実に短絡し、金属箔付きシールド6がコイル形状の回路を形成しないようにすることができる。
ここで、図9の従来技術におけるシールド電線と比較する。シールド電線30は、ドレン線31が金属箔付きシールド32と同一の方向に向かって同一の巻き数で巻き付けられ、金属箔付きシールド32は、ドレン線31が金属箔層(図示せず)に電気的に接触するように巻き付けられる。上記構成より、ドレン線31が、隣り合う金属箔付きシールド32の金属箔層同士を短絡させることがない。これにより、ドレン線31と金属箔付きシールド32とによってコイル形状の回路が形成される。そして、コイル形状に形成された金属箔付きシールド32に電流が流れると、これにより生じる磁束が強くなり、自己誘導電流が発生することにより、金属箔付きシールド32の金属箔層に電流が流れ難くなる。
これに対して、図3の本発明のシールド電線1は、ドレン線5が、隣り合う金属箔付きシールド6の金属箔層8(図2参照)同士を短絡し、コイル形状に形成されていないため、金属箔付きシールド6に電流が流れると、電流は、コイル形状に流れることなく、図3(c)にて矢印Cに示す方向に流れて、ドレン線5を介してアースEに接地される。これにより、磁束が強まることがなく、自己誘導電流の発生による金属箔付きシールド6における電流の流れ難さがなくなる。従って、シールド効果が低下しない。
以上より、実施例におけるシールド電線は、金属箔付きシールドがドレン線の巻き付け方向に対して逆の方向に巻き付けられ、且つ、ドレン線の単位長さあたりの巻き数と金属箔付きシールド6の単位長さあたりの巻き数が同一となっている構成を有することから、ドレン線が金属箔シールドの金属箔層を確実に短絡し、シールド部がコイル形状を形成しないようにすることができるため、周波数3MHz以上の状態においても、比較例1における従来の縦添えシールド電線と同程度のシールド効果を得ることができ、且つ、比較例2におけるドレン線と金属箔付きシールドとが同一の方向に向かって同一の巻き数によって巻き付けられる構成の従来の横巻きシールド電線よりも優れたシールド効果を得ることができるという数値を示していることが分かる。
以上、図1−図3を参照しながら説明してきたように、本発明のシールド電線1によれば、金属箔付きシールドを縦添えに巻き付ける構成でないことから、従来の縦添えシールド電線よりも金属箔付きシールドが保持し易く、加工性の良さを維持しつつ、シールド効果を良好なものとすることができる。また、本発明によれば、シールド電線1のシールド効果をより良好なものとすることができる。
以下、図4及び図5を参照しながら本発明の他の実施の形態を説明する。図4は本発明のシールド電線の他の実施の形態を示す構成説明図、図5(a)は図4(a)におけるシールド電線のB−B間の断面図、図5(b)は図4(b)におけるシールド電線のC−C間の断面図である。尚、上述の一実施の形態と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図4において、本発明の他の実施の形態と上述の一実施の形態とを比較すると、他の実施の形態におけるシールド電線1’、1”は、シールド電線1’、1”の最外周に設けられる被覆部材の構成が、上述の一実施の形態におけるシールド電線1と異なっている。従って、本形態においては、シールド電線1’、1”の被覆部材の構成についてのみ説明する。
図4(a)に示す如く、シールド電線1’の最外周に設ける被覆部材として、シース7の代わりに、金属箔付きシールド6の外周に絶縁テープ7’を巻き付けて構成する。絶縁テープ7’は絶縁性を有する樹脂組成物からなり、平面形状が帯状に形成される。絶縁テープ7’の巻き付けは、縦添え巻き(巻き寿司状)に巻き付けて行う。
また、上述の絶縁テープ7’の巻き付けは、図4(b)に示す如く、金属箔付きシールド6の外周に対して、横巻き(螺旋状)に巻き付けてシールド電線1”を形成しても良いものとする。絶縁テープ7’の巻き付けの方向や巻き付けのピッチは特に限定するものではなく、金属箔付きシールド6の巻き付け方向と同じ方向であっても、または、その逆の方向であっても、いずれでも良いものとする。
以上、図4−図5を参照しながら説明してきたように、本発明のシールド電線1’、1”によれば、シールド電線1’、1”について、加工性の良さを維持しつつ、シールド効果を良好なものとすることができる。また、本発明によれば、シールド電線1’、1”のシールド効果をより良好なものとすることができる。
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
1、1’、1”、10、17、24…シールド電線
2、11、18…導体
3、12、18…絶縁体
4、13、20、26…複数の電線
5、14、21、27…ドレン線
6、15、22、28…金属箔付きシールド
7、16、23…シース
7’…絶縁テープ
8…金属箔層
9…合成樹脂層

Claims (1)

  1. 複数の電線と、ドレン線と、これら前記複数の電線及び前記ドレン線の外側に巻き付けられ、且つ、絶縁性の合成樹脂層と導電性の金属箔層とを有する金属箔付きシールドとを備えるシールド電線において、
    前記ドレン線は、前記複数の電線の外側に所定の巻き数で巻き付けられ、
    前記金属箔付きシールドは、前記複数の電線及び前記ドレン線の外側に所定の巻き数で、且つ、前記ドレン線が巻き付けられる方向に対して逆の方向に巻き付けられ
    さらに、前記ドレン線の単位長さあたりの巻き数と前記金属箔付きシールドの単位長さあたりの巻き数は、同一であ
    ことを特徴とするシールド電線
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