JP2009272210A - ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】 シールド特性を維持しつつ、細線化にも対応したケーブルを提供すること。
【解決手段】 ケーブル100aは、中心導体1と、中心導体1を被覆する絶縁体2と、絶縁体2を覆うシールド体10とを備え、さらに、シールド体10は、第1金属層51を有すると共に絶縁体2に巻かれる第1シールドテープ5と、第2金属層81を有すると共に第1シールドテープ5に巻かれる第2シールドテープ81とから成ることを特徴としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、細線化に適したケーブルに関するものである。
従来より電子機器の高周波数化により、機器に用いられるケーブルから発生するノイズ、及び、このケーブルが拾うノイズが問題となっていた。そのため、中心導体とこの中心導体を被覆した絶縁体から成るコア部の周りに金属層を有したシールドテープを巻いてノイズ抑制をしていた。
しかし、更なるノイズ抑制の要請により、ケーブルには複数層のシールドが用いられるようになった。具体的には、コア部の周りを金属編組で覆い、さらにその金属編組の周りに金属層を有するシールドテープを巻くというものであった(特許文献1参照)。あるいは、このコア部の周りに金属層を有するシールドテープを巻き、そのシールドテープの周りを金属編組で覆うというものであった(特許文献2参照)。
特開2001−195924号公報 特開2003−031045号公報
近年、電子機器内の部品が高密度に実装されることに伴い、電子機器に用いられるケーブルは細線化が求められている。さらに、機器の高周波化に伴い、上述した従来のケーブルと遜色のないシールド特性を併せ持つ必要がある。
しかし、金属編組は金属線を編み込んだ構造となっているため、金属編組自体を薄くすることができず、このため金属編組を用いると、ケーブルの細線化対応が困難になるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、細線化に対応して、かつ、シールド特性を良好に維持することができるケーブルを提供する。
本発明によるケーブルは、中心導体と、前記中心導体を被覆する絶縁体と、前記絶縁体を覆うシールド体とを備え、前記シールド体は、第1金属層を有すると共に前記絶縁体に巻かれる第1シールドテープと、第2金属層を有すると共に前記第1シールドテープに巻かれる第2シールドテープとから成ることを特徴としている。
このような構成のケーブルは、シールドテープの周りに他のシールドテープを巻いてシールド体を形成しているため、各シールドテープの金属層により、シールド効果を維持することができる。また、金属編組の周りにシールドテープを巻いている場合や、シールドテープの周りに金属編組を設けている場合に比べてシールド体を薄くできる。このためケーブルの細線化対応が可能となる。
さらに本発明は、前記第1シールドテープと前記第2シールドテープは、互いに異なる周回方向に螺旋状に巻かれていれば、好適である。このような構成のケーブルに対して、第1シールドテープを緩める方向にねじれる力がかかる場合、ケーブルは、第2シールドテープが伸びる方向にねじれようとする。また、ケーブルに対して、第2シールドテープを緩める方向にねじれる力がかかる場合、ケーブルは、第1シールドテープが伸びる方向にねじれようとする。このため、ケーブルは、ケーブルにねじれる力がかかった場合においても、ねじれる力の方向に左右されず、第1シールドテープと第2シールドテープ張力により、ねじれが抑制される。
また、本発明は、前記第1シールドテープまたは第2シールドテープの少なくとも一方は、オーバーラップ部が形成されるように巻かれている構成とすれば好適である。このような構成のケーブルは、シールド体がコア部を完全に覆うことが可能となる。このため、高いシールド効果を発揮できる。
例えば、シールドテープがオーバーラップ部を形成するように螺旋状に巻かれるラップ巻きである場合は、シールドテープの幅及び巻き角度に公差がある場合でも、オーバーラップ部が公差を吸収してコア部を完全に覆って巻くことができる。
本発明にかかるケーブルによれば、細線化に対応して、かつ、シールド特性を良好に維持することが可能である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るケーブルを示した図であり、図2は、図1に示したケーブルの断面図である。図1及び図2に示すように本実施形態のケーブル100aは、コア部が一つの同軸ケーブルである。
図1及び図2において、ケーブル100aは、中心導体1及びこの中心導体1を被覆した絶縁体2から成るコア部と、このコア部を覆うシールド体10と、シールド体10を覆うジャケット15とを備えている。このシールド体10は、第1シールドテープ5及び第2シールドテープ8から成っている。
中心導体1は、例えば、銅等の導線からなる単線あるいは撚り線等から成っている。絶縁体2は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の材料が用いられ、中心導体1を被覆するように、押し出し成型で均一の厚さに形成されている。
第1シールドテープ5は、絶縁体2の外周に第1シールドテープ5の側端部同士が接触して、隙間が生じないように螺旋状に巻かれている。第2シールドテープ8は、第1シールドテープ5の外周に直接接触しながら、第2シールドテープ8の側端部同士が接触して、隙間が生じないように螺旋状に巻かれている。
図2に示すように、第1シールドテープ5は、絶縁性樹脂からなる第1基体52と、第1基体52上に設けられた第1金属層51とで構成されている。第2シールドテープ8も第1シールドテープ5と同様に、絶縁性樹脂からなる第2基体82と、第2基体82上に設けられた第2金属層81とで構成されている。
第1シールドテープ5は、第1基体52が絶縁体2側を向き、第1金属層51が第2シールドテープ8側を向いて巻かれている。第2シールドテープ8は、第2金属層81が第1シールドテープ5側を向き、第2基体82がジャケット15側を向いて巻かれている。従って、第1金属層51及び第2金属層81の表面同士は、対向して接している。
本実施形態のケーブル100aによれば、シールド体10が、金属編組とシールドテープとの組み合わせではなく、第1のシールドテープ5の外周に第2シールドテープ8を巻いた構成となっているので、シールド体10を薄く出来る。よって、ケーブル100aは、細線化に対応することができる。
また、ケーブル100aによれば、シールド体10は、第1金属層51を有した第1のシールドテープ5と、第2金属層81を有した第2シールドテープ8とから成っているので、2つの金属層を有したシールド体10により、シールド特性を良好に維持することができる。
なお、図1に示すように、第2シールドテープ8は、第1シールドテープ5と互いに異なる周回方向に螺旋状に巻かれている。このためケーブル100aにねじれる力がかかった場合でも、次に示すようにねじれが抑制される。
即ち、ケーブル100aを実装する場合や、使用する場合にケーブル100aにねじれる力がかかる場合がある。ケーブル100aに対して、第1シールドテープ5を緩める方向にねじれる力がかかる場合、ケーブル100aは、第2シールドテープ8が伸びる方向にねじれようとする。このため、ケーブル100aのねじれは、第2シールドテープ8の張力により抑制される。逆に、ケーブル100aに対して、第2シールドテープ8を緩める方向にねじれる力がかかる場合、ケーブル100aは、第1シールドテープ5が伸びる方向にねじれようとする。このため、ケーブル100aのねじれは、第1シールドテープ5の張力により抑制される。このように第1シールドテープ5と第2シールドテープ8とを互いに異なる周回方向に螺旋状に巻くことで、ケーブル100aをねじる力の方向に左右されずケーブル100aのねじれが抑制される。したがって、第1シールドテープ5、第2シールドテープ8は、緩みが抑制される。これにより、シールド体10がコア部から浮いたり、変形したりしづらくなり、ケーブル100aは、安定した導電特性を発揮することができる。
また、図2を用いて説明したように、第1金属層51と第2金属層81の表面同士は、対向して接している。このため、第1基体52または第2基体82は、第1金属層51と第2金属層81の間に入り込まず、第1金属層51と第2金属層81とを対向電極としたキャパシタの形成が抑制されている。このため、シールド体10は、ケーブル100aの信号の伝搬特性を良好に維持することができる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係るケーブルを示した図である。なお、本実施形態の説明に当たり、第1の実施形態と同一または同等の構成要素には、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態のケーブル100bにおいて、第1シールドテープ5は、ラップ巻き、すなわちオーバーラップ部5wが形成されるように螺旋状に巻かれており、第2シールドテープ8は、オーバーラップ部8wが形成されるように螺旋状に巻かれている。この点で、本実施形態のケーブル100bは、第1の実施形態で説明したケーブル100aと相違する。
本実施形態のケーブル100bによれば、第1シールドテープ5及び第2シールドテープ8は、コア部を完全に覆って巻かれることが可能である。具体的には、第1の実施形態において、シールドテープの幅や巻き角度に公差が生じると、シールドテープは、ギャップ部が形成されて巻かれてしまうことがある。しかし、本実施形態においては、第1シールドテープ5及び第2シールドテープ8は、第1及び第2シールドテープ5,8の幅及び巻き角度に公差が生じた場合でも、この公差をオーバーラップ部5w,8wが吸収してコア部を完全に覆って巻かれることができる。このためより高いシールド効果が得られる。
なお、本実施形態のケーブル100bにおいては、上述のような作用効果があるが、オーバーラップ部5w及びオーバーラップ部8wにおいて、キャパシタが形成されてしまう。しかし、本実施形態のケーブル100bにおいては、このキャパシタ成分を著しく低減している。以下、その説明を行う。
まず、オーバーラップ部5wにおけるキャパシタの形成と、そのキャパシタ成分の低減について説明する。
図4は、図3に示したケーブル100bの断面図である。図5は、図4の領域Aの拡大図である。なお、説明の容易のため、図4では、各シールドテープの金属層を省略しており、図5では、絶縁体2とジャケット15は省略している。
図4に示すように、領域Aにおいて、第1シールドテープ5の縁部が、ケーブル100bの径方向に重なり合い、オーバーラップ部5wを形成している。
そして、図5に示すように、オーバーラップ部5wでは、内側の第1金属層の縁部51aと外側の第1金属層の縁部51bとが、第1基体52を挟んで対向している。このため、対向した内側の第1金属層の縁部51aと外側の第1金属層の縁部51bとによって、キャパシタが形成されている。
しかし、外側の第1金属層51の縁部51bと第2金属層81とは、オーバーラップ部5wで対向して接している。さらに第2金属層81と内側の第1金属層51の縁部51aとは、オーバーラップ部5wから僅かに外れた接点Sにおいて接している。このため外側の第1金属層51の縁部51bと内側の第1金属層51の縁部51aとは、接点Sにて、第2金属層81を介して電気的に接続されている。このようにオーバーラップ部5wにおけるキャパシタ成分は、キャパシタを形成している内側の第1金属層51の縁部51aと外側の第1金属層51の縁部51bが短絡するため、著しく低減されている。
また、オーバーラップ部8wにおいても、キャパシタ成分の低減についてオーバーラップ部5wと同様の説明をすることが出来る。図4における領域Bにおいて、第2シールドテープ8の縁部が、ケーブル100bの径方向に重なり合い、オーバーラップ部8wが形成されている。このため、第2シールドテープ8の内側の金属層と外側の金属層により、第2シールドテープ8の基体を介した対抗電極が形成され、キャパシタが形成されている。しかし、第2シールドテープ8の内側の金属層と外側の金属層とは、第1シールドテープ8の金属層を介して短絡する。このためキャパシタ成分は、著しく低減されている。
なお、オーバーラップ部5wの幅は、第1シールドテープ5の幅の半分より小さく設定されており、オーバーラップ部8wの幅は、第2シールドテープ8の幅の半分より小さく設定されている。このように設定することで、第1シールドテープ5及び第2シールドテープ8は、それぞれ3重にオーバーラップされて巻かれることを防止される。
さらに、オーバーラップ部5wの幅は、第1シールドテープ5の幅の10%以下に設定されることがより好ましい。オーバーラップ部5wの幅が第1シールドテープ5の幅の10%以下であれば、ケーブルの伝搬する信号の減衰特性に現れる影響が非常に少なくなる。
また、オーバーラップ部8wの幅は、第2シールドテープ8の幅の25%以下に設定されることがより好ましい。
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係るケーブルを示した図である。本実施形態の説明に当たり、既に説明した実施形態と同一または同等の構成要素は、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
ケーブル100cは、第1シールドテープ5が、ギャップ巻き、すなわちギャップ部5gを有するように螺旋状に巻かれている点で第2の実施形態のケーブル100bと異なる。第1シールドテープ5の外周には、第2シールドテープ8が第2の実施形態と同様にラップ巻きに巻かれている。
本実施形態によれば、ケーブル100cが屈曲した際、ギャップ部5gが、ギャップ部5gを挟んでケーブルの長手方向に隣り合う第1シールドテープ5の側端部同士の距離の変化を吸収する。このため、ケーブル100cは、良好な屈曲性を有する。
なお、ギャップ部5gには、絶縁体2の表面と第2シールドテープ8の表面により画定される空間が形成される。この空間により、ギャップ部5gを挟んでケーブル100cの長手方向に隣り合う第1シールドテープ5の側端部と第1シールドテープ5の側端部との距離の変化を、ギャップ部が吸収し易くなっている。
この空間は、第2シールドテープ8により、ケーブル100cを組み立てる際、或いは、ケーブル100cを使用する際に、シールド体10に外力が加わっても保護され得る。例えば、ジャケット15が、シールド体10の外周に高加圧を伴って押し出し成型された場合でも、この空間は、第2シールドテープ8で覆われているため、空間を維持することが可能となる。また、例えば、第2ケーブル100aを使用する際に、ケーブル100cに押圧がかかった場合でも、この空間は、シールドテープ8により保護され、空間を維持することが可能となる。
なお、ギャップ部5gの幅は、第1シールドテープ5の幅の50%以下に設定されることがより好ましく、25%以下に設定されることがさらに好ましい。
また、オーバーラップ部8wの幅は、第2シールドテープ8の幅の25%以下に設定されることがより好ましい。
以上、本発明を第1、第2、第3の実施形態を用いて説明したが、本発明は、これに限らず種々の変形が可能である。
例えば、各実施形態のケーブルでは、コア部が1つの同軸ケーブルとなっているが、コア部を複数本まとめて、このまとめられた複数本のコア部にシールド体が形成された構成としても良い。
さらに、各実施形態のケーブルでは、第1、第2シールドテープ5、8が螺旋状に巻かれるラップ巻き、または、ギャップ巻きとしたが、細線化という観点から、一方が縦添えに巻かれても良い。一方が縦添えに巻かれた場合においても、オーバーラップ部が形成されるように巻かれる構成や、隙間が生じないように巻かれる構成とされることが可能である。
さらに、各実施形態のケーブルでは、第1シールドテープ5及び第2シールドテープ8がともに樹脂から成る基体上に金属層が設けられている構造で説明したが、強度の担保ができれば、金属のみで各シールドテープを形成しても良い。この場合には、オーバーラップ部によるキャパシタの形成そのものがなく好適である。
その他、中心導体1、絶縁体2、第1シールドテープ5、第2シールドテープ8、ジャケット15等の各材料等は、本発明の課題を解決する範囲で種々変更が可能である。さらに、本発明は、コア部とシールド体10との間に他の部材が介在することを排除せず、同様にシールド体10とジャケット15との間に他の部材が介在することを排除するものではない。
本発明の第1の実施形態に係るケーブルを示す図である。 図1のケーブルの断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るケーブルを示す図である。 図3のケーブルの断面図である。 図4における領域Aの拡大図である。 本発明の第3の実施形態に係るケーブルを示す図である。
符号の説明
100a,100b、100c・・・ケーブル、1・・・中心導体、2・・・絶縁体、10・・・シールド体、5・・・第1シールドテープ、8・・・第2シールドテープ、15・・・ジャケット

Claims (3)

  1. 中心導体と、
    前記中心導体を被覆する絶縁体と、
    前記絶縁体を覆うシールド体とを備え、
    前記シールド体は、第1金属層を有すると共に前記絶縁体に巻かれる第1シールドテープと、第2金属層を有すると共に前記第1シールドテープに巻かれる第2シールドテープとから成ること
    を特徴とするケーブル。
  2. 前記第1シールドテープと前記第2シールドテープとは、互いに異なる周回方向に螺旋状に巻かれていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル。
  3. 前記第1シールドテープおよび前記第2シールドテープの少なくとも一方は、オーバーラップ部が形成されるように巻かれていることを特徴とする請求項1または2に記載のケーブル。
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