JP2006032193A - ツイストペアケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】遮蔽効果を向上させると共に、安価なツイストペアケーブルを提供する。
【解決手段】本発明のツイストペアケーブルにおける遮蔽層4は、押え巻層3の外周に設けられる内部遮蔽層41と、内部遮蔽層41の外周に設けられる外部遮蔽層42とを備えている。
内部遮蔽層41は、それ自身の金属箔を外側に向けて例えば1/4以上のラップで重ね巻きされた片面金属箔ラミネートプラスチックテープで構成され、外部遮蔽層42は、片面金属箔ラミネートプラスチックテープの側縁部分を覆う如く、例えば1/4以上のラップで重ね巻きされた両面金属箔ラミネートプラスチックテープで構成されている。
【選択図】図1








































Description

本発明は、ツイストペアケーブルに係り、特に、LAN(Local Area Network)の伝送において、サーバルーム、データセンター、医療分野およびFA(Factory Automation System)関連等のような、厳しいイミュニティ(Immunity:妨害耐性)とEMI(Electro Magnetic Interference)の対策が求められる場合に好適するツイストペアケーブルに関する。
従来から、この種のLAN用ツイストペアケーブルとして、図9に示すような構成のものが知られている。
同図において、従来のLAN用ツイストペアケーブルは、それぞれ異なるピッチでより合わせて成る4対の対撚線1の集合体2の外周に順次設けられた押え巻3、遮蔽層4およびシ−ス5とで構成されている。なお、図中、符号6は、導体61の外周に絶縁体62を設けて成る絶縁コア線、7はドレンワイヤーを示している。
ここで、上記の遮蔽層4は、LAN用ツイストペアケーブルにおいて、イミュニティとEMI対策が求められる場合に設けられるもので、このような遮蔽層4としては、(イ)例えばアルミテープとポリエステルテープを積層して成る片面金属箔ラミネートプラスチックテープを、金属箔を外側に向けて集合体の外周に巻回したもの、(ロ)片面金属箔ラミネートプラスチックテープの巻回層の上にさらに金属編組を設けたもの、(ハ)金属箔と高磁性体の複合テープを集合体の外周に巻回したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような構成のLAN用ツイストペアケーブルにおいては、次のような難点があった。
先ず、(イ)の遮蔽層においては、工場内等での劣悪なイミュニティ環境下では十分な遮蔽効果が得られず、信号伝送の不具合が発生する虞もある。
次に、(ロ)の遮蔽層は、(イ)の遮蔽構造よりも遮蔽特性が優れているものの、編組密度が低い(60%程度)と高周波帯域では編組の網目からノイズが漏洩し(若しくはノイズが侵入し)、十分な遮蔽効果が得られない。
さらに、(ハ)の遮蔽層においては、高磁性体のテープが高価であるため、割高になる。
特開2000−164048号公報
本発明は、上述の難点を解決するためになされたもので、遮蔽層の二層化および遮蔽層の隙間の低減を図ることにより、遮蔽効果を向上させると共に、磁性体テープを使用したケーブルよりも安価なツイストペアケーブルを提供することを目的としている
本発明の第1の態様であるツイストペアケーブルは、複数の対撚線の集合体の外側に遮蔽層を設け、遮蔽層の外周にシースを備えるツイストペアケーブルにおいて、遮蔽層は、集合体の外周に巻回された金属箔ラミネートプラスチックテープから成る内部遮蔽層と、内部遮蔽層の外周に設けられ、金属箔ラミネートプラスチックテープの重ね巻部分の隙間を低減するための外部遮蔽層とを備えるものである。
本発明の第2の態様は、第1の態様であるツイストペアケーブルにおいて、外部遮蔽層は、金属箔ラミネートプラスチックテープの側縁部分を覆う如く巻回された両面金属箔ラミネートプラスチックテープで構成されているものである。
本発明の第3の態様は、第2の態様であるツイストペアケーブルにおいて、金属箔ラミネートプラスチックテープと、両面金属箔ラミネートプラスチックテープの金属箔の合計の厚さは、0.03〜0.07mmとされているものである。
本発明の第4の態様は、第1の態様乃至第3の態様の何れかの態様であるツイストペアケーブルにおいて、遮蔽層には、ドレンワイヤーが電気的に接触するように縦添えされているものである。
本発明の第5の態様は、第1の態様であるツイストペアケーブルにおいて、外部遮蔽層は、金属導線の編組から成るものである。
本発明の第6の態様は、第5の態様であるツイストペアケーブルにおいて、金属導線の編組の密度は、85%以上とされている。
本発明の第7の態様は、第6の態様であるツイストペアケーブルにおいて、属導線の素線径は0.12mm以下とされている。
本発明の第1の態様乃至第7の態様のツイストペアケーブルによれば、遮蔽層の二層化および遮蔽層の隙間の低減を図ることにより、遮蔽効果を向上させると共に、磁性体テープを使用したケーブルよりも安価なツイストペアケーブルを提供することができる。
以下、本発明のツイストペアケーブルを適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施例におけるツイストペアケーブルの横断面図を示している。なお、同図において、図9と共通する部分には同一の符号が付されている。
図1において、本発明のツイストペアケーブルは、例えば4対の対撚線1を撚り合わせて成る集合体2と、集合体2の外周に順次設けられた不織布などによる押え巻層3、後述する遮蔽層4および塩化ビニル樹脂やポリエチレン樹脂の押出被覆などにより形成されるシ−ス5とを備えている。
各対撚線1は、軟銅撚線や錫めっき軟銅撚線等の可撓性を有する導体61の外周にポリエチレン樹脂から成る絶縁体62を設けて成る絶縁コア線6を2本撚り合わせたもので構成され、各対撚線1はそれぞれ異なるピッチでより合わされている。
遮蔽層4は、押え巻層3の外周に設けられた内部遮蔽層41と、内部遮蔽層41の外周に設けられ、後述する片面金属箔ラミネートプラスチックテープの重ね巻部分の隙間を低減するための外部遮蔽層42とで構成されている。
内部遮蔽層41は、それ自身の金属箔を外側に向けて例えば1/4以上のラップで重ね巻きされたアルミテープ等の金属箔にポリエステルテープ等のプラスチックテープを積層した片面金属箔ラミネートプラスチックテープで構成され、外部遮蔽層42は、内部遮蔽層を構成する片面金属箔ラミネートプラスチックテープの側縁部分を覆う如く、例えば1/4以上のラップで重ね巻きされたポリエステルテープ等のプラスチックテープの両面にアルミテープ等の金属箔を積層した両面金属箔ラミネートプラスチックテープで構成され、この両面金属箔ラミネートプラスチックテープの巻回層の内周には長手方向に沿って金属箔と電気的に接触するように0.4〜0.5mm程度の錫めっき軟銅線などから成るドレンワイヤー7が縦添え挿入されている。
ここで、外部遮蔽層として、両面金属箔ラミネートプラスチックテープを使用する場合、内部遮蔽層を構成する片面金属箔ラミネートプラスチックテープと、外部遮蔽層を構成する両面金属箔ラミネートプラスチックテープの金属箔のみの合計の厚さ(以下「金属箔の合計厚」という。)は、0.03〜0.07mmにすることが好ましい。金属箔の合計厚を0.03mm以上としたのは、0.03mm未満では、LAN用ツイストペアケーブルの適用周波数帯域において十分な遮蔽効果を発揮させることが困難であり、また、高周波における減衰量特性が損なわれるからである。また、金属箔の合計厚を0.07mm以下としたのは、金属箔の合計厚が0.07mmを超えるとLAN用ツイストペアケーブルの可撓性が損なわれるからである。
ここで、遮蔽層4を上記のように二層構成にした理由について説明する。
先ず、LAN用ツイストペアケーブルの遮蔽効果は、遮蔽層の厚さや材質よりも、金属箔ラミネートプラスチックテープの重なり部分による隙間の影響が大きいことが知られている。そこで、従来の一層構成の遮蔽層(片面金属箔ラミネートプラスチックテープの巻回層)上に、両面金属箔ラミネートプラスチックテープを、内部遮蔽層のテープの重なり部分を覆うように例えば1/4以上のラップで重ね巻するか、または85%以上の密度からなる軟銅線、または錫めっき軟銅線の編組を片面金属箔ラミネートプラスチックテープの上から施すことで、高磁性体テープを使用した場合よりも遥かに安価で、かつ従来以上の遮蔽性能を有するLAN用ツイストペアケーブルを得ることができる。
次に、外部遮蔽層42としての両面金属箔ラミネートプラスチックテープを重ね巻きにしているのは、例えば両面金属箔ラミネートプラスチックテープを縦添えした場合には、LAN用ツイストペアケーブルに曲げや屈曲が加わると内部遮蔽層41としての片面金属箔ラミネートプラスチックテープの重なり部分に隙間が発生し易く、このため、両面金属箔ラミネートプラスチックテープを重ね巻きすることで、重なり部分における隙間の発生を防止している。
図2は、本発明の第2の実施例におけるツイストペアケーブルの横断面図を示している。なお、同図において、図1と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この実施例においては、図1に示す外部遮蔽層42としての両面金属箔ラミネートプラスチックテープおよびドレンワイヤー7に代えて、内部遮蔽層41の外側に、外部遮蔽層42としての錫めっき軟銅線等から成る金属導線の編組が設けられている。
ここで、金属導線の編組の密度は、85%以上とすることが好ましい。編組の密度が85%未満では編組の網目部分に隙間が残り、高周波数帯になるほど当該部分からのノイズの漏れや侵入が発生し易くなるからである。
また、金属導線の素線径は0.12mm以下とすることが好ましい。素線径が0.12mmを越えると、ケーブルの外径がモジュラコネクタの使用を想定した場合の上限(メーカーにより差があるが6〜7mm程度)におさめることが難しく、ケーブルの可撓性も損なわれ易くなるからである。
図3は、押え巻層の外周に遮蔽層を設けていない、いわゆる無遮蔽構造の従来のツイストペアケーブルの遮蔽特性、図4は、押え巻層の外周に一層の片面金属箔ラミネートプラスチックテープを巻回した従来のツイストペアケーブルの遮蔽特性、図5は、押え巻層の外周に金属箔と高磁性体の複合テープを巻回した従来のツイストペアケーブルの遮蔽特性、図6は、押え巻層の外周に片面金属箔ラミネートプラスチックテープを巻回し、さらにこの上に片面金属箔ラミネートプラスチックテープを巻回した従来のツイストペアケーブルの遮蔽特性、図7は、押え巻層の外周に片面金属箔ラミネートプラスチックテープを巻回し、さらにこの上に両面金属箔ラミネートプラスチックテープを巻回した本発明の第1の実施例におけるツイストペアケーブルの遮蔽特性、図8は、押え巻層の外周に片面金属箔ラミネートプラスチックテープを巻回し、さらにこの上に密度が95%の金属銅線の編組を設けた本発明の第2の実施例におけるツイストペアケーブルの遮蔽特性をそれぞれ示している。なお、これらの図において、横軸は周波数(MHz)、縦軸は放射電力(dBμV)を示している。
図3〜図6から、無遮蔽構造(図3)のものより、一層の遮蔽層(片面金属箔ラミネートプラスチックテープの巻回層)を設けた構造のもの(図4、図5)若しくは二層の遮蔽層(二層の片面金属箔ラミネートプラスチックテープの巻回層)を設けた構造のもの(図6)がより放射電力が減少していることが判るものの、一層の遮蔽層を設けた構造のものと、二層の遮蔽層を設けた構造のものとの間では放射電力に顕著な差異が認められないことが判る。
一方、二層の片面金属箔ラミネートプラスチックテープを巻回した従来のツイストペアケーブル(図6)と本発明の第1の実施例におけるツイストペアケーブル(図7)とを比較すると、第1の実施例におけるツイストペアケーブルにおける金属箔の合計厚は従来のツイストペアケーブルよりも厚いものの、第1の実施例におけるツイストペアケーブルの遮蔽特性が従来のツイストペアケーブルよりも優れていることが判る。これは、第1の実施例においては、両面金属箔ラミネートプラスチックテープを重ね巻きした場合、テープの重なり部分が導通してラップ部分の隙間がなくなることで、当該部分からノイズが漏れるのを阻止し、若しくは当該部分からノイズが侵入するのを阻止することができ、ひいては、高い遮蔽効果が得られるものと解される。
以上の原理からすれば、遮蔽層としては、両面金属箔ラミネートプラスチックテープを一層のみラップ巻きしても良いことになるが、一層のみの両面金属箔ラミネートプラスチックテープのラップ巻きでは、LAN用ツイストペアケーブルの遮蔽層より内側の構造が必ずしも真円ではないため、ツイストペアケーブルの曲げや屈曲により、却って両面金属箔ラミネートプラスチックテープのラップ巻間に隙間が生じ易く、高い遮蔽効果が得られないという難点がある。
以上のように、本発明の構成のツイストペアケーブルによれば、遮蔽層の二層化および遮蔽層の隙間の低減を図ることにより、遮蔽効果を向上させると共に、磁性体テープを使用したケーブルよりも安価なツイストペアケーブルを提供することができる。
前述の実施例においては、内部遮蔽層を片面金属箔ラミネートプラスチックテープの巻回層で形成した場合について述べているが、本発明はこれに限定されず、両面金属箔ラミネートプラスチックテープの巻回層で形成してもよい。また、前述の実施例においては、4対の対撚線を使用した場合について述べているが、本発明はこれに限定されず、必要に応じてその対数を増減することができる。さらに、前述の実施例においては、LAN用ツイストペアケーブルについて述べているが、本発明はLAN用として用いるものに限定されない。
本発明の第1の実施例におけるツイストペアケーブルの横断面図。 本発明の第2の実施例におけるツイストペアケーブルの横断面図。 従来のツイストペアケーブルの遮蔽特性を示す説明図。 従来のツイストペアケーブルの遮蔽特性を示す説明図。 従来のツイストペアケーブルの遮蔽特性を示す説明図。 従来のツイストペアケーブルの遮蔽特性を示す説明図。 本発明の第1の実施例におけるツイストペアケーブルの遮蔽特性を示す説明図。 本発明の第2の実施例におけるツイストペアケーブルの遮蔽特性を示す説明図。 従来のツイストペアケーブルの横断面図。
符号の説明
1・・・対撚線
4・・・遮蔽層
41・・・内部遮蔽層
42・・・外部遮蔽層
5・・・シ−ス
6・・・絶縁コア線
61・・・導体
62・・・絶縁体

Claims (7)

  1. 複数の対撚線の集合体の外側に遮蔽層を設け、前記遮蔽層の外周にシースを備えるツイストペアケーブルにおいて、
    前記遮蔽層は、前記集合体の外周に巻回された金属箔ラミネートプラスチックテープから成る内部遮蔽層と、前記内部遮蔽層の外周に設けられ、前記金属箔ラミネートプラスチックテープの重ね巻部分の隙間を低減するための外部遮蔽層とを備えることを特徴とするツイストペアケーブル。
  2. 前記外部遮蔽層は、前記金属箔ラミネートプラスチックテープの側縁部分を覆う如く巻回された両面金属箔ラミネートプラスチックテープで構成されていることを特徴とする請求項1記載のツイストペアケーブル。
  3. 前記金属箔ラミネートプラスチックテープと、前記両面金属箔ラミネートプラスチックテープの金属箔の合計の厚さは、0.03〜0.07mmであることを特徴とする請求項2記載のツイストペアケーブル。
  4. 前記遮蔽層には、ドレンワイヤーが電気的に接触するように縦添えされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のツイストペアケーブル。
  5. 前記外部遮蔽層は、金属導線の編組から成ることを特徴とする請求項1記載のツイストペアケーブル。
  6. 前記金属導線の編組の密度は、85%以上であることを特徴とする請求項5記載のツイストペアケーブル。
  7. 前記金属導線の素線径は0.12mm以下であることを特徴とする請求項6記載のツイストペアケーブル。
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