JP5925844B2 - 抗片頭痛化合物の送達のための経皮的方法およびシステム - Google Patents

抗片頭痛化合物の送達のための経皮的方法およびシステム Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2006年4月13日に出願された米国特許仮出願第60/791,819号および2006年6月16日に出願された米国特許仮出願第60/814,131号に基づいて優先権を主張し、双方の出願は参照により全体が本明細書に組み入れられる。
発明の背景
I.発明の分野
本発明は、一般に、イオン導入として広く公知である外部起動力(emf)の使用による活性な抗片頭痛化合物の経皮的送達に関する。具体的には、本発明は抗片頭痛薬、特にスマトリプタンおよびナラトリプタンを含むトリプタンセロトニンアゴニストの送達のための改良された装置に関する。さらに、本発明は、迅速な疼痛緩和および疼痛の再発を予防するための持続的作用を提供するために用いることができる装着可能なイオン導入のシステムを提供する。
II.関連する技術
イオン導入の過程は1908年にLeDucによって説明されて、以来、ピロカルピン、リドカインおよびデキサメタゾンなどのイオン的に荷電した治療用物質分子の送達において商業的な使用が見出されている。この送達方法において、正電荷を帯びたイオンは電解電気的システムの陽極の位置で皮膚を介して誘導されて、負電荷を帯びたイオンは電解的システムの陰極の位置で皮膚を介して誘導される。
以前の、およびいくつかの現在のイオン導入装置は典型的に接着性物質によって患者に接続される二つの電極から構成されて、それぞれは一般にマイクロプロセッサ制御式の電気的機械である離れた電源にワイヤによって接続される。
ごく最近、独立型の装着可能なイオン導入のシステムが開発されている。これらのシステムは、外部のワイヤを持たない、および大きさが大幅に小さいという点で有利である。このようなシステムの例は、米国特許第4,927,408号、第5,358,483号、第5,458,569号、第5,466,217号、第5,533,971号、第5,605,536号、第5,651,768号、第5,685,837号、第6,421,561号、第6,425,892号、第6,653,014号および第6,745,071号を含む、様々な米国特許に見出することができる。これらのシステムは、接着性物質によって患者に固定される2つの電極も含む。
片頭痛は全世界の成人人口の約10%に影響を与える状態であり、約6億人、米国だけでも約2800万人に見られる。(L. Morillo. Migraine headache. Am Fam Physician. 65:1871-1873 (2002); L.E. Morillo. Migraine headache. Clin Evid:1547-1565 (2003);およびL.E. Morillo. Migraine headache. Clin Evid:1696-1719 (2004))。女性は男性よりも3倍の高い頻度で片頭痛を患う。(E. Lawrence. Diagnosis and Management of Migraine Headaches. Southern Medical Journal. 97:1069-1077 (2004))。片頭痛は、身体活動を悪化させる重度の片側性の疼痛に至る炎症性および拡張性の血管に関連する。(The International Classification of Headache Disorders. Cephalagia. 24, Supplement 1: (2004))。頭痛に加えて、片頭痛は、下痢、四肢冷感、顔面蒼白、悪心、嘔吐、および光、音または臭いなどの外部刺激に対する過敏を含む様々なその他の症状を伴うことがある。片頭痛患者の約1/5は光のスポット、ジグザグ線または視野の灰色化などの前兆または視覚症状を経験する。(Cephalagia (2004) and J. Scholpp, R. Shellenberg, B. Moeckesch, and N. Banik. Early treatment: of a migraine attack while pain is still mild increases the efficacy of Sumatriptan. Cephalagia. 24 :925-933 :(2004))。
片頭痛は典型的には24時間まで持続するが、4から72時間までの範囲であり得て、患者はしばしば月に1〜2回の片頭痛発作を経験する。片頭痛は、生活上のストレス要因、一部の食物または食習慣、概日リズム、スケジュールまたは睡眠パターンのシフト、および気圧または高度などの気象の変化、さらには月経周期中のホルモン値の周期的変動を含む多くの異なる要因によって引き起こされ得る。(Cephalagia (2004) and F.D. Sheftell, R.E. Weeks, A.M. Rapoport, S. Siegel, S. Baskin, and F. Arrowsmith. Subcutaneous Sumatriptan in a clinical setting: the first 100 consecutive patients with acute migraine in a tertiary care center. Headache. 34:67-72 (1994))。
薬理学的介入は片頭痛治療の中核を構成して、急性治療(頓挫性)および予防(予防的)の双方に有効である。軽度の片頭痛は、しばしば、アスピリン、アセトアミノフェン、NSAID、およびカフェインを含む配合製剤を含む一般用医薬品で有効にされることができる。
トリプタンは、中等度〜重度の急性片頭痛の治療の中核である。(E. Lawrence (2004))。これらの物質が発作の早期に使用されると、トリプタンは80%を超える偏頭痛を2時間以内に食い止める。(J. Scholpp et al. (2004))。しかし、複数の異なるトリプタン製剤が入手可能であり、このクラスにおいて異なる医用薬の有効性および耐用性にバラツキがある。トリプタンも様々な製剤(経口、溶解可能タブレット、鼻腔噴霧剤および注射剤)で入手可能である。非経口製剤は、典型的には、悪心もしくは嘔吐の消化器症状を伴う患者、および/またはより迅速な作用の発現が望ましい場合に使用される。
トリプタンは、三叉神経血管神経終末のセロトニン(5-HT)レセプターを活性化して、有痛性の頭蓋血管拡張を引き起こす神経伝達物質の放出を阻害することによって作用すると考えられる。(C.M. Sumatriptan.)。さらに、トリプタンは活発な血管収縮を誘発して、頭蓋血管の5-HTレセプターを刺激することによって片頭痛の症状を緩和することができる。スマトリプタンは最も広く処方されているトリプタンであり、2002年から2004年の全トリプタン処方のほぼ半数を含む。
現在市販されているスマトリプタン製剤はそれぞれ、利点および欠点を持つ。注射および鼻腔内製剤は作用の迅速な発現をもたらして、胃腸不快感をさらに軽減させることができる。注射も大半の患者において良好な反応を示すが、より高い副作用荷重に寄与する可能性のある高い最大濃度をもたらす。しかし、多くの患者は注射の不快および不便、ならびに鼻腔内製剤の苦味を好まない。経口製剤は便利さおよび使いやすさを提供するが、信頼できない血中レベルおよび一貫しない反応を生じる。3種類のすべてのスマトリプタン製剤に伴って、再発(リバウンド)が生じる。(P. Tfelt-Hansen. Efficacy and adverse events of subcutaneous, oral, and intranasal Sumatriptan used for migraine treatment: a systemic review based on number needed to treat. Cephalagia. 18:532-538 (1998).)。再発を伴うこの広く見られる問題は、現在入手可能な製剤からの作用期間を上回る時間経過を伴う元々の事象の持続に起因する可能性が高い。これは、スマトリプタンがわずか2時間の血清中排出半減期を持ち、活性薬剤の大半が大部分の患者において4〜6時間以内に排出されることから、特にそうである。
近年の刊行物は、スマトリプタンがイオン導入を用いて効果的に経皮的に輸送されることができることを示している(Femenia-font et al, J. Pharm Sci 94, 2183-2186, 2005)。この試験において、スマトリプタンのイオン導入輸送は受動輸送よりも385倍高い速度であることが見出された。特許5,807,571は、スマトリプタンおよびその他のセロトニンアゴニストのイオン導入および受動経皮送達の双方を意図する。
もう一つの近年の試験は、イオン導入が抗片頭痛化合物の送達に有用であり得ることを結論付けている(Vyteris press release, Sept 20, 2005参照)。この試験では、ゾルマトリプタンを送達するために、ワイヤで経皮パッチに接続された電子制御装置を含む2コンパートメントのシステムが用いられた。この試験からの結果を発表しているグループは、そのイオン導入装置のプログラム可能性によって即効作用のための迅速な最初の送達を可能とし得て、持続性の低レベルの維持用量は頭痛再発の予防に利用することができると結論付けている。この装置の重大な制限は、送達システムの2コンパートメント構造にあり、装着者にとっては制御装置とパッチの間のワイヤによる接続が煩わしい。さらに、プログラム可能な制御装置は、使い切りベースで使用する場合は価格が高く、または再利用可能ベースで使用する場合は紛失、汚染、破損などがあり得る。
その他は、二段階送達特性が即効性および持続性の作用を伴う有用なイオン導入装置であり得ると推測している。例えば、特許5,207,752は、速やかに治療レベルに到達するための第一段階および血中レベルを治療レベルに維持するために緩慢な送達速度での適切な時間での第二段階を有する薬剤送達特性を創出するために使用することができる2段階イオン導入送達過程について説明する。理論的に聞こえるが、この技術は、治療レベルの達成および維持が個々の各患者において固有のタイミング要件を持つために、実際には使用が困難である。身体サイズ、薬剤代謝、治療用血中レベルなどは、高い送達速度から低い送達速度へと切り替えるために必要な正確な時期に影響を及ぼす重大な個々の要因である。
前記の'752特許は、三段階の過程を用いて治療反応の速度をさらに高めるための方法についても述べている。この態様において、第一の高レベルの電流が流されて血中レベルは平均必要治療血中レベルを上回り、血中レベルが最小必要血中レベルに到達するように電流をある期間停止して、続いて、より低い治療血中レベルを維持するために第三の時期は低レベルの電流とする。この過程は作用の発現において利点を提供し得るが、3段階の過程は複雑な電流制御機構を必要とする。単純で使い捨ての装着可能装置のための低コストの要件を考えると、複雑な三段階の過程は市販に関して実用上、装置が法外に高くなる可能性がある。
その他は、イオン導入を伴う波形送達パターンのために組み立てられた単純な低コストの装置を開示している。本発明と同一の譲渡人に譲渡された特許6,421,561は、多数の電流レベルを自動的に提供する低コストで使い捨てのパッチを作成するために用いることができる非常に単純な電子回路について説明している。該参照は本発明との使用に適した回路について説明する。
このように、上記を考慮すると、患者の片頭痛の期間に注射の必要性を伴うことなく、注射の有効時間を上回る安定した作用期間を有する、注射において見られる迅速な全身性のスマトリプタン投与の利点を提供する最適な製品の必要性がある。
発明の概要
本発明は、装着可能なイオン導入装置および該装置を操作するための方法を提供する。装置および方法はいずれも、片頭痛などのトリプタン化合物反応性の状態の治療に有用であると認識されている、例えばスマトリプタン、ナラトリプタンおよび表Iに示されるもののようなその他を含むトリプタン化合物、またはコハク酸塩、塩酸塩などのようなその塩の形の、活性なセロトニンアゴニストの送達のために特別にデザインされる。
本発明は、その後の治療恩典のための最大時間を提供しつつ、作用発現のための最小時間を提供するために用いることができる用量送達パターンを至適化した波形を提供することができるマルチ投与速度装置も提供する。本発明は、例えば、最初の最大投与量を作成するために単純化された二段階送達パターンを用いて、対象の血液中のより低い持続性の治療レベルに低下する前に1時間未満で抗片頭痛物質の有効量を供給してこの結果を提供する。
本発明のもう一つの重要な局面は皮膚刺激性に関する。電流の流れからの皮膚刺激性を最小限とするためには電流密度が低く維持されなければならないことは周知である。本発明を使って、安全な電流密度レベルを維持してそれによって皮膚刺激性の影響を最小限としつつ、望ましい最適な投与パターンが実現される。この点において、電流密度の安全なレベルは様々であり、実際には文献において示唆されたレベルよりも低いことが見出されている。安全なレベルは、使用する薬剤、装着条件、および具体的な投与パターンに特異的な影響に依存する可能性が高い。従って、本発明において輸送される物質に関して決定される好ましい電流密度は一般に1平方センチメートル当たり25〜200マイクロアンペアであることが見出されているが、一部のケースでは1平方センチメートル当たり約250マイクロアンペアの高さであることもある。安全レベルはパッチ除去直後の平均皮膚紅斑スコアが2.5以下のものと考えられるが、2.0以下の値が好ましく、1.0以下の値は非常に好ましい。
本発明は、送達中に有効な送達を維持するために必要なイオン導入送達チャンバーにおける製剤化されたトリプタン内容物をさらに提供する。例えば、パッチ内に含まれるスマトリプタンの量は均一な送達速度を提供するために望ましい送達用量よりも少なくとも3倍高くなければならないことが見出されている。本発明に従って好ましい製剤はハイドロゲル材料をさらに組み入れてもよい。ハイドロゲルは、身体の運動中に漏出する傾向の高いフリーの流動状の液体とは異なり、薬剤の製剤をレザバー内に保持するために役立つ。さらに、ハイドロゲルは、最適な皮膚接触を可能として皮膚刺激性を最小限とする極めて粘稠な液体として最もよく提供される。好ましい粘稠性液体の例は2%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはポリビニルピロリジノン(PVP)である。
対象の血液における活性物質の有効なレベルは、用いられる物質、状態の重症度などによって変動する。このため、量および持続適用の期間に関して様々なパッチ投与量が有効とされ得る。
複数の態様が開発されている。本発明の最初の態様において、50mg経口送達投与剤形と同等または優れた有効性のための二段階イオン導入経皮装置を提供するために、スマトリプタンの至適送達速度であることが見出されている装置および送達パターンが提供される。二番目の態様において、スマトリプタンに関して20mg鼻腔送達剤形の有効性と同等または優れた投与量を提供するために二段階の装置および送達パターンが説明される。第三の態様において、2.5mg経口投与剤形と同等または優れた有効性のためにナラトリプタンの送達のための二段階パターンが説明される。
いくつかの態様は対象の血液中において最初の最大投与レベルおよびその後のこれよりも低い持続性の治療レベルを作り出すために二段階送達パターンを用いるが、抗片頭痛物質は一段階を用いて対象に投与されることもできる。但し、このアプローチが用いられる場合、投与の素早い最初の最大投与レベルはいくつかのケースにおいて適切であり得るやや遅発性の持続性治療レベルによって置き変わられてもよい。
本発明の一つの局面は、イオン導入経皮パッチを用いて治療用の抗片頭痛物質を送達するための方法に関する。一つの方法は、(a)投与されるべき活性な抗片頭痛物質の量をトリプタン化合物の形で含むイオン導入経皮パッチを提供する工程、(b)好ましくは中断されずに、波形送達パターンを提供するための比較的高い速度での最初の第一段階の送達と、続いて低い速度での第二段階の送達とを含んでいてもよく、治療的に有効な投与レベルが一般に1時間未満で対象中に到達しかつ維持レベルが1時間以上長い時間継続する二段階のパターン化された送達シーケンスを用いる工程を含む。
本発明は、少なくとも一部は、波形送達パターンを生じるために最初または第一段階の送達速度が第二段階の送達速度を上回る二段階投与シーケンスに供される抗片頭痛物質の送達のためのイオン導入経皮パッチに関する。さらなる態様において、パッチは平均電流密度が250μA/cm2よりも低くなるような電力/面積比を特徴とし得る。
本発明は、トリプタン化合物またはその塩の送達のための一体型イオン導入経皮パッチも含む。パッチは、トリプタン化合物の有効量を1時間未満で対象に送達することを可能とする。パッチは対象において安定状態の濃度のトリプタン化合物を少なくとも1時間、所望の濃度に維持することができる。パッチはさらに、損傷または剥皮した皮膚を伴うことなく、電流が対象の皮膚を実質的に刺激しないように選択される電流密度を使用する。
一つの態様は、スマトリプタンまたはその塩の送達のためのイオン導入経皮パッチであって、対象にスマトリプタンまたはその塩の有効量の全身性の送達を可能とするパッチを含む。
パッチはマルチ段階のパターン化された送達を用いてもよい。1つの二段階のパターン化された送達は、約30分間の平均約3mAである第一段階と、続いて少なくとも1時間またはそれよりも長い時間の平均約1.5mAの第二段階とを含む。もう1つの二段階のパターン化された送達は、約45分間の平均約1mAの第一段階と、続いて約1時間またはそれよりも長い時間の平均約0.5mAの第二段階とを含む。
もう一つの態様は、45分間の少なくとも有意な部分の間平均約1mAである第一段階および少なくとも1時間の平均約0.25mAである第二段階を含む二段階のパターン化された送達を用いたナラトリプタンまたはその塩の送達のためのイオン導入経皮パッチを含む。
本発明は、電流が対象の皮膚を実質的に刺激しないように選択された電流密度を用いる一体型イオン導入パッチを用いて、1時間未満内にトリプタン化合物の有効量を対象に経皮的に投与することによって対象を治療するための方法にも関する。
本発明は、少なくとも1時間にわたって安定状態の濃度のトリプタン化合物を対象に経皮的に投与することによってトリプタン化合物反応性状態に関して対象を治療するための方法も含む。対象におけるトリプタン化合物反応性状態を治療するための方法は、完全な一体型パッチを用いてトリプタン化合物の有効な安定状態の濃度を経皮的に対象に投与することを可能とし得る。
[請求項1001]
イオン導入経皮パッチを用いた治療用抗片頭痛物質を送達するための方法であって、以下の工程を含む方法:
(a)投与されるべき活性な抗片頭痛物質の量をトリプタン化合物またはその塩の形で含むイオン導入経皮パッチを提供する工程;
(b)治療的に有効な用量レベルが概して1時間未満で対象中に到達しかつ維持レベルが1時間以上継続する波形送達パターンを提供するように、比較的高い速度の最初の第一段階の送達と、続いてより遅い速度の第二段階の送達とを含む、中断されない二段階のパターン化された送達シーケンスを用いる工程。
[請求項1002]
活性な抗片頭痛物質がスマトリプタンおよびナラトリプタンまたはその塩から選択される、請求項1001記載の方法。
[請求項1003]
抗片頭痛物質がスマトリプタンまたはその塩であり、二段階パターンの送達が約3mAの送達電流を30〜60分間、続いて約1.5mAを1時間から5時間使用する工程を含む、請求項1001記載の方法。
[請求項1004]
用いられる電流密度が概して25〜200μA/cm2である、請求項1003記載の方法。
[請求項1005]
パッチに含まれるスマトリプタンの量が、送達されるべき量を3倍以上上回る、請求項1004記載の方法。
[請求項1006]
スマトリプタンが流動可能なヒドロゲルに製剤化される、請求項1004記載の方法。
[請求項1007]
活性な物質がスマトリプタンであり、二段階パターンの送達が1mAの送達電流を45分間使用する第一段階、続いて約0.5mAを1時間以上の第二段階を実施する工程を含む、請求項1002記載の方法。
[請求項1008]
用いられる電流密度が約25〜約200μA/cm2である、請求項1007記載の方法。
[請求項1009]
パッチに含まれるスマトリプタンの含有量が、送達されるべき必要量を3倍以上上回る、請求項1007記載の方法。
[請求項1010]
スマトリプタンが流動可能なヒドロゲル材料に含まれる、請求項1009記載の方法。
[請求項1011]
活性な物質がナラトリプタンであり、二段階パターンの送達が約1mAの電流での60分までの第一段階の送達と、続いて約0.25mAの電流を少なくとも1時間用いた第二段階とを含む、請求項1002記載の方法。
[請求項1012]
用いられる電流密度が25〜200μA/cm2である、請求項1011記載の方法。
[請求項1013]
パッチに含まれるナラトリプタンの含有量が、送達されるべき量を3倍以上上回る、請求項1012記載の方法。
[請求項1014]
ナラトリプタンが流動可能なヒドロゲルで提供される、請求項1011記載の方法。
[請求項1015]
波形が患者の血液中の活性な物質の濃度において最初の早期ピーク、続いてより長い持続レベルを含む、請求項1001記載の方法。
[請求項1016]
治療用の抗片頭痛物質がトリプタンまたはその塩である、請求項1001記載の方法。
[請求項1017]
塩がコハク酸塩および塩酸塩の塩から選択される、請求項1016記載の方法。
[請求項1018]
波形送達パターンを生じるために最初または第一段階の送達速度が第二段階の送達速度を上回る二段階投与シーケンスに供される抗片頭痛物質の送達のためのイオン導入経皮パッチであって、平均電流密度が250μA/cm2未満となるような電力/面積比によりさらに特徴づけられる、パッチ。
[請求項1019]
抗片頭痛物質がトリプタン化合物、トリプタン誘導体またはその塩であり、パッチが、該トリプタン化合物の有効量を1時間未満で対象へ送達することを可能にする、請求項1018記載のイオン導入経皮パッチ。
[請求項1020]
トリプタン化合物がスマトリプタンである、請求項1019記載のパッチ。
[請求項1021]
有効量が対象の血液において約10ng/mL以上の濃度である、請求項1020記載のパッチ。
[請求項1022]
有効量が対象の血液において約20ng/mL以上の濃度である、請求項1020記載のパッチ。
[請求項1023]
有効量が対象の血液において約22.5ng/mL以上の濃度である、請求項1020記載のパッチ。
[請求項1024]
対象の血液において安定状態の濃度のトリプタン化合物を少なくとも1時間維持することができる、請求項1019記載のパッチ。
[請求項1025]
電流密度が、送達時間の有意な部分の間、平均約0.20mA/cm2以下である、請求項1018記載のパッチ。
[請求項1026]
パッチが対象において安定状態の濃度のトリプタン化合物を少なくとも1時間、所望の濃度に維持する、請求項1001記載の方法。
[請求項1027]
それを必要とする対象が、トリプタン化合物反応性状態を患うヒトである、請求項1001記載の方法。
[請求項1028]
所望の濃度がトリプタン化合物反応性状態の治療のための治療的濃度である、請求項1026記載の方法。
[請求項1029]
トリプタン化合物反応性状態が片頭痛である、請求項1028記載の方法。
[請求項1030]
安定状態の濃度のトリプタン化合物を送達するためのパッチの使用により、パッチ除去直後に2.50以下の平均皮膚紅斑スコアが生じる、請求項1026記載の方法。
[請求項1031]
安定状態の濃度のトリプタン化合物を送達するためのパッチの使用により、パッチ除去直後に2.00以下の平均皮膚紅斑スコアが生じる、請求項1030記載の方法。
[請求項1032]
安定状態の濃度のトリプタン化合物を送達するためのパッチの使用により、パッチ除去直後に1.00以下の平均皮膚紅斑スコアが生じる、請求項1031記載の方法。
[請求項1033]
トリプタン化合物がコハク酸スマトリプタンである、請求項1026記載の方法。
[請求項1034]
所望の濃度が約10ng/mL以上である、請求項1033記載の方法。
[請求項1035]
所望の濃度が約15ng/mL以上である、請求項1034記載の方法。
[請求項1036]
所望の濃度が約20ng/mL以上である、請求項1035記載の方法。
[請求項1037]
所望の濃度が少なくとも5時間維持される、請求項1026記載の方法。
[請求項1038]
パッチが、トリプタン化合物の送達時間の有意な部分の間、0.2mA/cm2以下の平均電流密度を使用する、請求項1037記載の方法。
[請求項1039]
第二段階が、少なくとも2時間の有意な部分の間、平均約1.5mAを含む、請求項1003記載の方法。
[請求項1040]
平均電流密度が、第一段階の有意な部分の間、約0.05から約0.2mA/cm2である、請求項1039記載の方法。
[請求項1041]
平均電流密度が、第一段階の有意な部分の間、約0.1mA/cm2である、請求項1040記載の方法。
[請求項1042]
平均電流密度が、第二段階の有意な部分の間、約0.01から約0.2mA/cm2である、請求項1039記載の方法。
[請求項1043]
平均電流密度が、第二段階の有意な部分の間、約0.05mA/cm2である、請求項1042記載の方法。
[請求項1044]
パッチが対象の血液においてスマトリプタンまたはその塩の安定状態の濃度を少なくとも2時間、治療的濃度に維持する、請求項1003記載の方法。
[請求項1045]
スマトリプタンが流動可能なヒドロゲルに製剤化される、請求項1003記載の方法。
[請求項1046]
スマトリプタンの塩がコハク酸スマトリプタンまたは塩酸スマトリプタンである、請求項1003記載の方法。
[請求項1047]
平均電流密度が、第一の段階の有意な部分の間、約0.05から約0.2mA/cm2である、請求項1007記載の方法。
[請求項1048]
平均電流密度が、第二段階の有意な部分の間、約0.01から約0.2mA/cm2である、請求項1007記載の方法。
[請求項1049]
第二段階が、2時間の少なくとも有意な部分の間、平均約0.5mAである、請求項1048記載の方法。
[請求項1050]
第二段階が、5時間の少なくとも有意な部分の間、平均約0.5mAである、請求項1048記載の方法。
[請求項1051]
スマトリプタンが流動可能なヒドロゲルに製剤化される、請求項1007記載の方法。
[請求項1052]
スマトリプタンの塩がコハク酸スマトリプタンまたは塩酸スマトリプタンである、請求項1007記載の方法。
[請求項1053]
二段階のパターン化された送達が、45分の少なくとも有意な部分の間、平均約1mAである第一段階と、続いて少なくとも1時間、平均約0.25mAである第二段階とを含む、請求項1011記載の方法。
[請求項1054]
ナラトリプタンが流動可能なヒドロゲルに製剤化される、請求項1011記載の方法。
[請求項1055]
抗片頭痛物質がパッチの電気的構成要素から分離される、請求項1018記載のパッチ。
[請求項1056]
少なくとも3カ月の有効期間を持つ、請求項1018記載のパッチ。
[請求項1057]
少なくとも6カ月の有効期間を持つ、請求項1035記載のパッチ。
[請求項1058]
少なくとも1年の有効期間を持つ、請求項1057記載のパッチ。
[請求項1059]
トリプタン化合物の不溶性の塩を形成するために、反応しない電極を含む、請求項1018記載のパッチ。
[請求項1060]
電極が亜鉛または亜鉛コーティングを含む、請求項1059記載のパッチ。
[請求項1061]
完全に一体化された、請求項1018記載のパッチ。
[請求項1062]
約0.1lb未満の重量である、請求項1018記載のパッチ。
[請求項1063]
電流密度が260μA/cm2を超えない、請求項1018記載のパッチ。
[請求項1064]
トリプタン化合物またはその塩の送達のための一体型イオン導入経皮パッチであって、該トリプタン化合物の有効量を1時間未満で対象へ送達することを可能とし、かつ電流が該対象の皮膚を実質的に刺激しないように選択された電流密度を使用する、パッチ。
[請求項1065]
対象がヒトである、請求項1064記載のパッチ。
[請求項1066]
トリプタン化合物がスマトリプタンである、請求項1064または1065記載のパッチ。
[請求項1067]
有効量が対象の血液において約10ng/mL以上の濃度である、請求項1066記載のパッチ。
[請求項1068]
有効量が対象の血液において約20ng/mL以上の濃度である、請求項1067記載のパッチ。
[請求項1069]
有効量が対象の血液において約22.5ng/mL以上の濃度である、請求項1068記載のパッチ。
[請求項1070]
対象の血液において安定状態の濃度のトリプタン化合物を少なくとも1時間維持することができる、請求項1064〜1069のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1071]
電流密度が、送達時間の有意な部分の間、平均約0.25mA/cm2以下である、請求項1064〜1070のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1072]
電流密度が、送達時間の有意な部分の間、平均約0.20mA/cm2以下である、請求項1071記載のパッチ。
[請求項1073]
トリプタン化合物の有効量を送達するためのパッチの使用により、パッチ除去直後に2.50を上回る皮膚紅斑スコアが生じないように電流密度が選択される、請求項1064〜1071のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1074]
それを必要とする対象へトリプタン化合物またはその塩を送達するためのイオン導入経皮パッチであって、該対象において安定状態の濃度の該トリプタン化合物を少なくとも1時間、所望の濃度に維持するパッチ。
[請求項1075]
それを必要とする対象がヒトである、請求項1074記載のパッチ。
[請求項1076]
ヒトがトリプタン化合物反応性状態を患うヒトである、請求項1075記載のパッチ。
[請求項1077]
所望の濃度がトリプタン化合物反応性状態の治療のための治療的濃度である、請求項1074〜1076のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1078]
トリプタン化合物反応性状態が片頭痛である、請求項1077記載のパッチ。
[請求項1079]
安定状態の濃度のトリプタン化合物を送達するためのパッチの使用により、パッチ除去直後に2.50以下の平均皮膚紅斑スコアが生じる、請求項1074〜1078のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1080]
安定状態の濃度のトリプタン化合物を送達するためのパッチの使用により、パッチ除去直後に2.00以下の平均皮膚紅斑スコアが生じる、請求項1079記載のパッチ。
[請求項1081]
安定状態の濃度のトリプタン化合物を送達するためのパッチの使用により、パッチ除去直後に1.00以下の平均皮膚紅斑スコアが生じる、請求項1080記載のパッチ。
[請求項1082]
トリプタン化合物がコハク酸スマトリプタンである、請求項1074〜1081のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1083]
所望の濃度が約10ng/mL以上である、請求項1082記載のパッチ。
[請求項1084]
所望の濃度が約15ng/mL以上である、請求項1083記載のパッチ。
[請求項1085]
所望の濃度が約20ng/mL以上である、請求項1084記載のパッチ。
[請求項1086]
所望の濃度が少なくとも5時間維持される、請求項1074〜1085のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1086]
a 所望の濃度が少なくとも7時間維持される、請求項1086記載のパッチ。
[請求項1087]
トリプタン化合物の送達時間の有意な部分の間、0.2mA/cm2以下の平均電流密度を使用する、請求項1074〜1086のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1088]
スマトリプタンまたはその塩を送達するためのイオン導入経皮パッチであって、スマトリプタンまたはその塩の有効量を対象へ全身送達することを可能にするパッチ。
[請求項1089]
対象の皮膚を刺激しないように電流密度が選択される、請求項1088記載のパッチ。
[請求項1090]
有効量が5mgを上回る、請求項1088または1089記載のパッチ。
[請求項1091]
有効量が10mgを上回る、請求項1090記載のパッチ。
[請求項1092]
有効量が15 mgを上回る、請求項1091記載のパッチ。
[請求項1093]
有効量が対象の血液においてスマトリプタンの10ng/mL以上の濃度である、請求項1088記載のパッチ。
[請求項1094]
1時間未満でのスマトリプタンの有効量の送達を可能にする、請求項1088〜1093のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1095]
波形にパターン化された送達を用いたスマトリプタンまたはその塩の送達のためのイオン導入経皮パッチであって、二段階のパターン化された送達が、約30分間平均約3mAである第一段階と、続いて少なくとも1時間以上平均約1.5mAである第二段階とを含むパッチ。
[請求項1096]
第二段階が、少なくとも2時間の有意な部分の間、平均約1.5mAを含む、請求項1095記載のパッチ。
[請求項1097]
平均電流密度が、第一段階の有意な部分の間、約0.05から約0.2mA/cm2である、請求項1095または1096記載のパッチ。
[請求項1098]
平均電流密度が、第一段階の有意な部分の間、約0.1mA/cm2である、請求項1097記載のパッチ。
[請求項1099]
平均電流密度が、第二段階の有意な部分の間、約0.01から約0.2mA/cm2である、請求項1095〜1098のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1100]
平均電流密度が、第二段階の有意な部分の間、約0.05mA/cm2である、請求項1099記載のパッチ。
[請求項1101]
第一段階が約30分であり、第二段階が約5.5時間である、請求項1095〜1100のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1102]
対象の血液においてスマトリプタンまたはその塩の安定状態の濃度を少なくとも2時間、治療的濃度に維持する、請求項1095〜1101のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1103]
スマトリプタンが流動可能なヒドロゲルに製剤化される、請求項1095〜1102のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1104]
スマトリプタンの塩がコハク酸スマトリプタンまたは塩酸スマトリプタンである、請求項1095〜1103のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1105]
二段階のパターン化された送達を用いたスマトリプタンまたはその塩の送達のためのイオン導入経皮パッチであって、二段階のパターン化された該送達が、約45分間平均約1mAである第一段階と、続いて約1時間以上平均約0.5mAである第二段階とを含む、パッチ。
[請求項1106]
対象の皮膚を刺激しないように電流密度が選択される、請求項1105記載のパッチ。
[請求項1107]
平均電流密度が、第一段階の有意な部分の間、約0.05から約0.2mA/cm2である、請求項1105または1106記載のパッチ。
[請求項1108]
平均電流密度が、第二段階の有意な部分の間、約0.01から約0.2mA/cm2である、請求項1105〜1107のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1109]
第二段階が、2時間の少なくとも有意な部分の間、平均約0.5mAである、請求項1108記載のパッチ。
[請求項1110]
第二段階が、5時間の少なくとも有意な部分の間、平均約0.5mAである、請求項1109記載のパッチ。
[請求項1111]
スマトリプタンが流動可能なヒドロゲルに製剤化される、請求項1105〜1110のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1112]
スマトリプタンの塩がコハク酸スマトリプタンまたは塩酸スマトリプタンである、請求項1105〜1111のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1113]
二段階のパターン化された送達を用いたナラトリプタンまたはその塩の送達のためのイオン導入経皮パッチであって、二段階のパターン化された該送達が、45分間の少なくとも有意な部分の間平均約1mAである第一の段階と、続いて少なくとも1時間平均約0.25mAである第二の段階とを含む、パッチ。
[請求項1114]
ナラトリプタンが流動可能なヒドロゲルに製剤化される、請求項1113記載のパッチ。
[請求項1115]
化合物がパッチの電気的構成要素から分離される、請求項1064〜1114のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1116]
少なくとも3カ月の有効期間を持つ、請求項1064〜1115のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1117]
少なくとも6カ月の有効期間を持つ、請求項1116記載のパッチ。
[請求項1118]
少なくとも1年の有効期間を持つ、請求項1117記載のパッチ。
[請求項1119]
トリプタン化合物の不溶性の塩を形成するために反応しない電極を含む、請求項1064〜1118のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1120]
非反応性電極が亜鉛である、または亜鉛コーティングを含む、請求項1119記載のパッチ。
[請求項1121]
完全に一体型である、請求項1064〜1120のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1122]
約0.5lb未満の重量である、請求項1064〜1121のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1123]
約0.1lb未満の重量である、請求項1122記載のパッチ。
[請求項1123]
a ガルバーニ電力源を含む、請求項1064〜1123のいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1123]
b リチウム電池を含む、請求項1064〜1123aのいずれか一項記載のパッチ。
[請求項1124]
電流が対象の皮膚を実質的に刺激しないように選択された電流密度を用いる一体化されたイオン導入パッチを用いて、1時間未満でトリプタン化合物の有効量を該対象へ経皮的に投与する工程を含む、対象を治療するための方法。
[請求項1125]
トリプタン化合物がスマトリプタンである、請求項1124記載の方法。
[請求項1126]
トリプタン化合物の送達時間の有意な部分の間0.25mA/cm2以下の平均電流密度を使用する、請求項1124または1125記載の方法。
[請求項1127]
対象に安定状態の濃度のトリプタン化合物を少なくとも1時間投与する工程を含む、トリプタン化合物反応性状態に関して対象を治療するための方法であって、該化合物が静脈内に投与されない、方法。
[請求項1128]
トリプタン化合物反応性状態が片頭痛である、請求項1127記載の方法。
[請求項1129]
トリプタン化合物がイオン導入パッチを用いて投与される、請求項1127または1128記載の方法。
[請求項1130]
スマトリプタン反応性状態に関して対象を治療するための方法であって、該対象が該スマトリプタン反応性状態に関して治療されるようにスマトリプタンまたはその塩の有効量を該対象へ経皮的に投与する工程を含む、方法。
[請求項1131]
経皮的投与がイオン導入パッチの使用を含む、請求項1130記載の方法。
[請求項1132]
イオン導入パッチが対象に対して実質的な皮膚刺激を惹起しない、請求項1131記載の方法。
[請求項1133]
有効量が少なくとも7時間持続する、請求項1130〜1132のいずれか一項記載の方法。
[請求項1134]
イオン導入パッチが約2mAの電流を有する、請求項1131〜1133のいずれか一項記載の方法。
[請求項1134]
a スマトリプタンがイオン導入パッチを介して対象に少なくとも4時間送達される、請求項1134記載の方法。
[請求項1134]
b スマトリプタンが少なくとも6時間送達される、請求項1134a記載の方法。
[請求項1134]
c 有効用量が実質的な副作用を伴うことなく送達されるようにスマトリプタンが送達される、請求項1130〜1134bのいずれか一項記載の方法。
[請求項1135]
対象におけるトリプタン化合物反応性状態を治療するための方法であって、該対象におけるトリプタン化合物反応性状態が治療されるように、完全に一体化されたパッチを用いてトリプタン化合物の有効な安定状態の濃度を該対象へ経皮的に投与する工程を含む、方法。
[請求項1136]
有効な濃度が少なくとも20ng/mLである、請求項1135記載の方法。
[請求項1137]
パッチが請求項1064〜1123のいずれか一項記載のパッチである、請求項1135または1136記載の方法。
[請求項1138]
パッチが、パッチ除去直後に2.00を上回る皮膚紅斑スコアを惹起しないように選択された電流密度を使用する、請求項1135〜1137のいずれか一項記載の方法。
[請求項1139]
皮膚紅斑スコアがパッチ除去直後に1.500未満である、請求項1138記載の方法。
[請求項1140]
平均電流密度が、有意な部分の時間、約0.01から約0.5mA/cm2である、請求項1131記載の方法。
[請求項1141]
対象がヒトである、請求項1124〜1140のいずれか一項記載の方法。
[請求項1142]
トリプタン化合物がスマトリプタンである、請求項1135〜1141のいずれか一項記載の方法。
[請求項1143]
トリプタン化合物反応性状態が片頭痛である、請求項1135〜1142のいずれか一項記載の方法。
[請求項1144]
トリプタン化合物の有効な安定状態の濃度が実質的な副作用を惹起しない、請求項1135〜1143のいずれか一項記載の方法。
[請求項1145]
トリプタン化合物が約6時間以上の期間に渡って投与される、請求項1135〜1144のいずれか一項記載の方法。
[請求項1146]
トリプタン化合物の安定状態の濃度が約10ng/mlであるように該トリプタン化合物が投与される、請求項1135〜1144のいずれか一項記載の方法。
[請求項1147]
安定状態の濃度が少なくとも約4時間維持される、請求項1146記載の方法。
[請求項1148]
安定状態の濃度が少なくとも約6時間維持される、請求項1147記載の方法。
3つの方法、つまり50mg経口タブレット、0.5mAの総電流を3時間適用後のイオン導入による投与、および本発明に従った送達パターンのシミュレーションによるスマトリプタン投与に基づいて測定された血中濃度レベルの図示である。 図2Aは、平均スマトリプタン血漿中濃度特性を示す。図2Aでは、データは線形スケールで表される。x軸の目盛りはそれぞれ8時間の区間の1/10、つまりそれぞれ約48分を表す。記号:三角−処理1(スマトリプタン50mg経口タブレット);四角−処理2(スマトリプタン6mg皮下注射);白抜きの丸−処理3(1.0mAパッチ、1.5時間);黒塗りの丸−処理4(0.5mAパッチ、3.0時間);星印−処理5(1.0mAパッチ2つ、3.0時間);菱形−処理6(1.0mAパッチ2つ、6.0時間)。 図2Bは、片対数スケールを用いて表したデータを示す。x軸の目盛りはそれぞれ8時間の区間の1/10、つまりそれぞれ約48分を表す。記号:三角−処理1(スマトリプタン50mg経口タブレット);四角−処理2(スマトリプタン6mg皮下注射);白抜きの丸−処理3(1.0mAパッチ、1.5時間);黒塗りの丸−処理4(0.5mAパッチ、3.0時間);星印−処理5(1.0mAパッチ2つ、3.0時間);菱形−処理6(1.0mAパッチ2つ、6.0時間)。 図3Aは、本発明の一つの可能な態様に従った一体型イオン導入経皮パッチの分解組立図である。 図3Bは、内側の部分を示す図3Aのパッチの平面図である。 図3Aおよび3Bに示すようなパッチでの使用のための可能な電気的イオン導入回路の模式図である。
詳細な説明
以下の説明は、本発明の一部の態様に関する詳細な情報を含む。これらは、それらの限定というよりはむしろ本発明の概念の例として示される。当業者に生じるようなその他の態様、変化および組み合わせも本発明の範囲内であることが意図される。
1.定義
本出願において用いられるその他で定義される任意の用語に加えて、次の定義が適用される。
「イオン導入経皮パッチ」という用語は、対象の皮膚を介してパッチからの化合物の吸収を促進するために電流を用いることによって皮膚を介しての治療用化合物の投与を可能とする一体型装置を含む。特に、本発明の治療用化合物において、トリプタン化合物はイオン導入を用いた経皮的投与に適した任意の形である。
「一体型」という用語は完全な自己完結型を意味して、薬剤、電源、および単一の装着可能パッチにおいてイオン導入により薬剤を送達するために必要なその他のすべての構成要素を含むパッチを意味する。従って、「一体型」という用語は、別の電源または制御装置を必要としないパッチを指す。
「有効期間」という用語は、完全なパッチが環境温度および湿度レベルにおいて未使用のままであり、かつ、例えば対象を治療するために所望の化合物を投与するなどのその意図された機能を実施するために依然使用することができる期間を含む。
「トリプタン化合物」という用語は、トリプタン化合物、トリプタン化合物の誘導体および塩を意味する。本用語は、2-(1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタンアミン分子を含む化合物も含む。いくつかが表Iに列記されるトリプタン化合物の例にはアルモトリプタン、フロバトリプタン、エレトリプタン、ゾルミトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン、ナラトリプタン、およびそれらの薬学的に許容される塩が含まれるが、これらに限定されるものではない。
「対象」という用語は、トリプタン化合物反応性状態を有することができる生体(例えば、哺乳動物)を含む。対象の例には、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ラットおよびマウスが含まれる。本用語は、トリプタン化合物反応性状態を患う対象を含むことを意味する。
「有効量」という用語は、特定のトリプタン化合物反応性状態を治療するために有効なトリプタン化合物の量を意味する。
「治療する」という用語は、トリプタン化合物反応性状態の1つまたはいくつかの症状の軽減または緩解を意味する。それはトリプタン化合物反応性状態の発生または再発の予防も意味し得る。
「トリプタン化合物反応性状態」という用語は、アルモトリプタン反応性状態、ゾルミトリプタン反応性状態、リザトリプタン反応性状態、スマトリプタン反応性状態、およびナラトリプタン反応性状態を意味する。本用語は、片頭痛、家族性片麻痺性片頭痛(前兆を伴うおよび伴わない)、慢性発作性頭痛、群発頭痛、片頭痛、脳底動脈型片頭痛、および自律神経症状を伴う異型頭痛も含む。典型的には、トリプタン化合物反応性状態は片頭痛である。
「送達」という用語は、パッチから対象の血液、血漿または脳脊髄液へのトリプタン化合物の輸送を意味する。
「全身性送達」という用語は非経口投与を介した対象への送達を意味する。好ましい全身投与方法は経皮投与を含む。
「送達時間」という用語は、パッチがイオン導入性に対象へのトリプタン化合物の活発な送達によって機能している時間の期間として定義される。
「安定状態の濃度を維持する」という用語は、特定の長さの時間に特定の濃度(例えば、所望の濃度、例えば、有効量)の維持を指す。
「有意な部分」という用語は文脈に伴って変わり得る。それは、送達時間の少なくとも30%もしくはそれよりも多く、送達時間の少なくとも40%もしくはそれよりも多く、送達時間の少なくとも50%もしくはそれよりも多く、送達時間の少なくとも60%もしくはそれよりも多く、送達時間の少なくとも70%もしくはそれよりも多く、送達時間の少なくとも75%もしくはそれよりも多く、送達時間の少なくとも80%もしくはそれよりも多く、送達時間の少なくとも85%もしくはそれよりも多く、送達時間の少なくとも90%もしくはそれよりも多く、または送達時間の少なくとも95%もしくはそれよりも多くを意味し得る。
「実質的に対象の皮膚を刺激しない」という用語は、パッチ除去後約2時間に2.50もしくはそれよりも低い、2.00もしくはそれよりも低い、または1.00もしくはそれよりも低い皮膚紅斑スコアを惹起するパッチを意味する。いくつかの態様において、「実質的に対象の皮膚を刺激しない」という語句は、パッチ除去直後に2.50もしくはそれよりも低い、2.00もしくはそれよりも低い、または1.00もしくはそれよりも低い皮膚紅斑スコアを惹起するパッチを含む。
「経皮性」という用語は、対象の皮膚を穿刺することなく対象の皮膚を介して起こる送達方法を含む。
2.本発明のイオン導入パッチ
本発明の一つの局面は、トリプタン化合物またはその塩の送達のための一体型イオン導入経皮パッチに関する。一つの態様において、一体型パッチは電気的構成要素、トリプタン化合物、および接着性裏打ち層を含む。
有効量を維持するための血液中のトリプタン化合物の濃度は用いられる化合物に伴って変化する。図1に示す通り、スマトリプタンの場合、10〜20ng/mLの初期用量が一般に有効であり得る。但し、15〜20、恐らく22.5ng/mlの初期濃度が望ましいとされ得る。
表Iはさらなるトリプタンの薬物動態を示して、Cmaxは患者の血液における予想最大濃度であり、AUCは総投与量である。
(表I)トリプタンの薬物動態
Figure 0005925844
本発明の方法およびパッチで用いられ得るトリプタン化合物の薬学的に許容される塩の例には、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、リン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、グルコン酸塩、メシレート、ラウリン酸塩、ドデシレート、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ココノエート、ベヒナート、オレイン酸塩、リノール酸塩、リノレン酸塩、エイコサペンタエノアート、エイコサヘキサノエート、ドコサペンタノエート、ドコサヘキサノエート、エイコサノイドなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。適切に用いられる一つのトリプタン化合物はコハク酸スマトリプタンである。一部の態様において、トリプタン化合物の塩はそれが金属電極などのパッチのその他の構成要素と反応しないように選択され得る。一部の態様において、塩は本発明のパッチの金属構成要素と接触した際に顕著な量の不溶性残渣を形成しないように有利に選択され得る。
本発明のイオン導入パッチの一つの利点は、それが一体型であり、かつ装着可能および軽量であることである。一体型イオン導入パッチの一つの例は図3Aの分解組立図および図3Bの露出部分を含む組立図に示される。一般に10の装置は放出用ライナー12の底部重層物を含む。生理食塩液および薬剤のレザバーは、それぞれ、24および22に示される。発泡材料であってもよい二重の止め輪重層物18が提供される。すべての電気的構成要素を持つ電源は重層物20に示されて、図4に示す回路図に詳細に示す。最後に、外側または重層の保護層は26に示される。
図4は、本発明に従って図3Aおよび3Bのパッチの態様またはその他のパッチにおける使用に適した回路模式図を示す。略図は概ね40に示されて、パナソニックCR2016または同様の電池であってよい多くの直列に接続された(恐らく3〜5個の)3ボルトリチウムボタン電池を含む電圧源42を含む。好ましくは亜鉛を含む、間隔をあけて分離された一対の陽極を44および46に示す。陽極は異なる能力であってもよい。例えば、陽極44は90mA minの能力を有してよく、陽極46は540mA minの能力を有してよい。回路は陰極48または塩化銀であってもよい基準電極も含み、一対のコントロールトランジスタは、それぞれ、54および56の並列の抵抗と連携する50および52に示される。トランジスタは、例えば、Fairchild半導体MMBF 5457または同等品であってもよい。抵抗54および56は、電流を1.5mAなどの所望の値に微調整するために大きさを調整する。各陽極は、58および60に示されるように、それぞれが、通常は銀の消耗性電導性の条片の薄層からなり、消耗によって切断されると、関連する接続した陽極を遮断および分離する露出した銀の「装着バー(wearbar)」により回路に接続され得る。このような装置および技術は、本発明と同一の譲渡人に譲渡されて、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み入れられたUSPN 7,013,769において図示および説明される。これらは、予めデザインされた能力に従って確実な絶縁を提供する。
図3A、3Bおよび4の例示した態様において、パッチの活性化は底部重層物または放出用ライナー12の除去後に患者の皮膚に適用することによって達成される。これは回路を完成させて、イオン導入過程を活性化させる。図4の回路の場合、治療用薬剤の最初のサージまたはボーラスを提供するために、最初の治療用材料が並列に接続された陽極44および46の双方から供給される。能力の低い陽極44が枯渇すると、予め定められた時間の後に関連する接続用の装着バー58の消耗によって断絶される。その後、陽極44の多くの倍数の能力を持ち得る陽極46からの治療用用量が供給され続ける。このようにして、装着者は最初のかなり高い早期発現投与量およびその後の長期間にわたる持続性の維持投与量を投与され得る。勿論、時間および量は値の広い範囲にわたって変動することができて、図4の回路は一つの可能な回路を例示することを意味することが認識される。当業者には多くのその他の配置が生じることができる。
様々な電極成分が本発明のパッチに用いられ得る。例えば、パッチは、不溶性の塩を形成するためにトリプタン化合物または抗片頭痛化合物と顕著に反応しない活性電極、または電極を含むべきである。亜鉛、または亜鉛とほぼ等しい反応性の金属が好ましい。例示する通り、限定されるものではないが、電極は亜鉛、亜鉛コーティングであってよく、または亜鉛を含有してもよい。
一つの局面において、本発明はスマトリプタンまたはその塩の送達のためのイオン導入経皮パッチにも関する。パッチは、例示された図4の回路の態様のように、二段階のパターン化された送達を用いることができる。このような態様は、約30分間の平均約3mAの第一段階、およびその後の続く少なくとも1時間またはそれよりも長い時間の平均約1.5mAの第二段階を含み得る。一つの態様において、第一段階は約30分であり、第二段階は約5.5時間である。
その他の態様に従って、パッチは異なる速度および時間のマルチ段階のパターン化された送達を伴うその他の時間調節可能特性を用いるために構築され得る。血中濃度レベルの最大値または最高値を示すマルチ段階送達は「波形パターン」としても言及され得て、このような二段階パターンの一つを図1に示す。
本発明のパッチは比較的軽量である。本発明のイオン導入パッチは、約0.5lb未満、約0.4lb未満、約0.3lb未満、約0.2lb未満、約0.1lb未満、または約0.05lb未満の重量であり得る。または、パッチは、約500g未満、約400g未満、約300g未満、約200g未満、約100g未満、約50g未満、約25g未満、または約10g未満の重量であり得る。
治療用抗片頭痛またはトリプタン化合物は、パッチの電気的構成要素とは別に有利に保存することができる。「別に」という用語は、パッチの電気的部分がパッチが活性化される前に薬剤と接触しないパッチを指す。
治療用化合物の別々の保存を用いた本発明のイオン導入パッチの利点はパッチがより長い「有効期間」を持ち、対象がトリプタン化合物反応性状態を患っているまたは危険があるまで保存できることである。一部の態様において、本発明のパッチの有効期間は、少なくとも1カ月もしくはそれよりも長い期間、少なくとも2カ月もしくはそれよりも長い期間、少なくとも3カ月もしくはそれよりも長い期間、少なくとも4カ月もしくはそれよりも長い期間、少なくとも5カ月もしくはそれよりも長い期間、少なくとも6カ月もしくはそれよりも長い期間、少なくとも7カ月もしくはそれよりも長い期間、少なくとも8カ月もしくはそれよりも長い期間、少なくとも9カ月もしくはそれよりも長い期間、少なくとも10カ月もしくはそれよりも長い期間、少なくとも11カ月もしくはそれよりも長い期間、少なくとも1年もしくはそれよりも長い期間、少なくとも18カ月もしくはそれよりも長い期間、または少なくとも2年もしくはそれよりも長い期間である。
3.本発明のパッチを用いて対象を治療する方法
A.トリプタン化合物送達の一般的方法
本発明のもう一つの局面は、少なくとも1時間の時間調節可能または安定状態の投与計画に従って対象にイオン導入パッチによって投与されるトリプタン化合物を投与することによって、トリプタン化合物反応性状態に関して対象を治療するための方法に関する。
本発明のパッチは、約2時間よりも短い時間、約90分よりも短い時間、約1時間よりも短い時間、約45分よりも短い時間、約30分よりも短い時間、または約20分よりも短い時間内に対象へのトリプタン化合物の有効量の送達を可能とする。
一つの態様において、特定のトリプタン化合物はスマトリプタンであり、有効量は片頭痛を治療するために有効である。このケースにおいて、スマトリプタンの有効量は、該対象の血液または血漿中約10ng/mLもしくはそれよりも高い濃度、約11ng/mLもしくはそれよりも高い濃度、約12ng/mLもしくはそれよりも高い濃度、約13ng/mLもしくはそれよりも高い濃度、約14ng/mLもしくはそれよりも高い濃度、約15ng/mLもしくはそれよりも高い濃度、約16ng/mLもしくはそれよりも高い濃度、約17ng/mLもしくはそれよりも高い濃度、約18ng/mLもしくはそれよりも高い濃度、約19ng/mLもしくはそれよりも高い濃度、約20ng/mLもしくはそれよりも高い濃度、約21ng/mLもしくはそれよりも高い濃度、約22ng/mLもしくはそれよりも高い濃度、または約22.5ng/mLもしくはそれよりも高い濃度であり得る。その他の態様において、スマトリプタンの有効量は約5mgよりも高い、約10mgよりも高い、または約15mgよりも高い。
一つの態様において、本発明は、例えばスマトリプタンまたはその塩などのトリプタン化合物の送達のためのイオン導入経皮パッチであって、対象にスマトリプタンまたはその塩の有効量の全身性の送達を可能とするパッチに関する。
その他の態様において、パッチは少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、または少なくとも5時間もしくはそれよりも長い時間に対象の血液において安定状態の濃度のトリプタン化合物を維持することができる。さらなる態様において、パッチは約1時間よりも短い時間内にスマトリプタンの有効量の送達を可能とする。
その他の態様において、対象の血液中のトリプタン化合物の濃度は平均濃度から約10ng/mlもしくはそれよりも低い値、約9ng/mlもしくはそれよりも低い値、約8ng/mlもしくはそれよりも低い値、約7ng/mlもしくはそれよりも低い値、約6ng/mlもしくはそれよりも低い値、約5ng/mlもしくはそれよりも低い値、約4ng./mlもしくはそれよりも低い値、約3ng/mlもしくはそれよりも低い値、約2ng/mlもしくはそれよりも低い値、約1ng/mlもしくはそれよりも低い値、または約0.5ng/mlよりも低い値だけ変動する。
B.投与:
本発明は、一体型イオン導入パッチを用いて1時間未満内にトリプタン化合物の有効量を対象に経皮的に投与することによって対象を治療するための方法にも関する。パッチは、電流が正常な対象の皮膚を実質的に刺激しないように選択される電流密度を使用する。パッチは、トリプタン化合物の送達時間の有意な部分の間0.25mA/cm2またはそれよりも低い平均電流密度を使用し得る。
本発明は対象におけるトリプタン化合物反応性状態を治療するための方法にも関する。これは、対象に一体型パッチを用いてトリプタン化合物の有効な安定状態の濃度を対象に経皮的に投与する工程を含む。一つの態様において、有効な濃度は少なくとも20ng/mLである。
本発明はスマトリプタン反応性状態に関して対象を治療するための方法にも関する。方法は、対象が治療されるように、スマトリプタンまたはその塩の有効量(例えば、約5mgもしくはそれよりも多く、または約10mgもしくはそれよりも多く)を対象に経皮的に投与する工程を含む。経皮的投与はイオン導入パッチの使用を含むことができる。
さらなる態様において、トリプタン化合物はアルモトリプタンであり、有効量は約30〜80ng/mL、約35〜75ng/mL、約40〜70ng/mL、約45〜65ng/mL、約50〜60ng/mL、または約50〜55ng/mLのCmaxを惹起する。もう一つの態様において、有効量は約200〜400ng.時/mL、約225〜375ng.時/mL、約250〜350ng.時/mL、約275〜325ng.時/mL、または約300〜350ng.時/mLのAUCを惹起する。
さらなる態様において、トリプタン化合物はフロバトリプタンであり、有効量は約1〜10ng/mL、約2〜9ng/mL、約3〜8ng/mL、約4〜6ng/mLまたは約5ng/mLのCmaxを惹起する。もう一つの態様において、有効量は約10〜80ng.時/mL、約15〜75ng.時/mL、約20〜70ng.時/mL、約25〜65ng.時/mL、または約30〜60ng.時/mL、約35〜55ng.時/mL、約40〜50ng.時/mL、または約45ng.時/mLのAUCを惹起する。
さらにその他の態様において、トリプタン化合物はエレトリプタンであり、有効量は約50〜400ng/mL、約75〜375ng/mL、約100〜325ng/mL、約125〜300ng/mL、約150〜250ng/mL、約175〜225ng/mL、または約200ng/mLのCmaxを惹起する。もう一つの態様において、有効量は約700〜1,900ng.時/mL、約800〜1,800ng.時/mL、約900〜1,700ng.時/mL、約1000〜1,600ng.時/mL、約1100〜1,500ng.時/mL、約1,200〜1,400ng.時/mL、または約700〜1,900ng.時/mLのAUCを惹起する。
C.マルチ段階または波形パターンを用いたトリプタン化合物送達の方法
本発明は、イオン導入経皮パッチを用いて治療用の抗片頭痛物質を送達するための方法にも関する。一つの局面において、本発明の方法は、(a)投与されるべき活性な抗片頭痛物質の量をトリプタン化合物の形で含むイオン導入経皮パッチを提供する工程、(b)中断されずに、波形送達パターンを提供するために比較的速い速度での最初の第一段階の送達と、続いて低い速度での第二段階の送達とを含んでいてもよく、治療的に有効な投与量レベルが一般に1時間未満で対象中に到達しいかつ維持レベルが1時間またはそれよりも長い時間継続する二段階のパターン化された送達シーケンスを使用する工程を含む。
図1は、50mg経口タブレットによるスマトリプタン投与、0.5mMの総電流を3時間適用後のイオン導入による投与後に測定された血中濃度レベル、および0.5mA試験の薬物動態評価から作成された好ましい送達速度パターンのシミュレーションの比較の図である。波形パターンは、より高い電流を用いるといかに迅速な作用の発現が創出され得るか、および経口投与に比べて作用期間を向上させるためにいかに持続性の作用を得ることができるかということを図示する。迅速な最大レベル、およびその後の持続性の低い維持レベルは、単純な二段階電流パターンによって達成されて、中間のオフサイクルは必要ない。
さらなる態様において、第二段階は少なくとも2時間の有意な部分の間ついて平均約1.5mAを含む。もう一つの態様において、平均電流密度は第一段階の有意な部分の間約0.05から約0.2mA/cm2(例えば、約0.1mA/cm2)である。もう一つのさらなる態様において、平均電流密度は該第二段階の有意な部分の間約0.01から約0.2mA/cm2(例えば、約0.05mA/cm2)である。
スマトリプタン送達のさらなるシミュレーションにおいて、3mAの電流レベルが45分間用いられて(第一段階)、続いて1.5mAの持続性の電流が5時間用いられる(第二段階)。この送達パターンは、経口投与に比して優れている経皮パッチにおいて用いられ得る。
スマトリプタンの有利な送達パターンのさらなるシミュレーションは、鼻腔投与よりも優れている投与の提供を示す。この配置において、1mAの電流レベルが45分間用いられて(第一段階)、続いて1時間もしくはそれよりも長い時間、2時間もしくはそれよりも長い時間、3時間もしくはそれよりも長い時間、4時間もしくはそれよりも長い時間、または5時間もしくはそれよりも長い時間に0.5mAの持続性の電流が用いられる(第二段階)。約5時間の第二段階では、この送達パターンは約3mgの総投与量を提供するはずである。さらなる態様において、この態様で用いられる平均電流密度は第一段階の有意な部分の間約0.05〜約0.2mA/cm2である。さらなる態様において、平均電流密度は第二段階の有意な部分の間約0.01から約0.2mA/cm2である。もう一つのさらなる態様において、第二段階は2時間3時間、4時間または5時間の少なくとも有意な部分の間平均約0.5mAである。
経口投与に比べて優位であり得る経皮パッチを提供し得るナラトリプタンの送達パターンの例は、1時間の期間に1mAの電流を用いて(第一段階)、続いて、約2mgの総投与量を提供するために(第二段階が約4時間持続する場合)少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、または少なくとも4時間の期間に0.25mAの電流を用いる(第二段階)。
実施例I
この実施例は、片頭痛治療における未だ満たされていない要求を橋渡しするために本発明に従ってイオン導入スマトリプタン送達システムまたはパッチの薬物動態および安全性特性について評価する試験に関する。イオン導入技術を用いて、スマトリプタンは自己完結型のガルバーニ電力源および小型で非常に薄いリチウムバッテリーを持つ薄いディスポの使い捨て装置を介して送達された。各スマトリプタンパッチは接着剤を用いて皮膚に接着させて、スマトリプタンの固定量の全身性送達のためにデザインされ、電極のデザインによって制御した。このシステムは、数時間の再発性頭痛を通して注射を行わずに迅速かつ安定した治療用血中レベルを提供するように意図された。
送達システム(パッチ)
公知の装着可能電気式ディスポーザブル薬剤送達技術(WEDD(登録商標))を用いた送達システムは電気および制御回路網を利用する。このような装置の一例を上記の図3A、3Bおよび4に示す。WEDDを用いて、医用薬が送達される速度はデリバリーおよびリターン電極パッドの間の適用電圧によって調節されて、電流制御は各パッチに組み込まれた一体型の抵抗および/またはトランジスタによって調節される。WEDDのデザインは単純であり、装着可能な使い捨てイオン導入パッチの作成に適している。
WEDD技術を用いて作成された様々なパッチに関して、複数の科学的試験が完了している。WEDDを用いたリン酸デキサメタゾンナトリウムの送達は、送達される総投与量および浸透の深さに関してヒト志願者の患者を用いて説明されている(C.R. Anderson, R.L. Morris, S.D. Boeh, P.C. Panus, and W.L. Sembrowich. Effects of iontophoresis current magnitude and duration on dexamethasone deposition and localized drug retention. Phys Ther. 83:161-170 (2003)、およびA. Chaturvedula, D.P. Joshi, C. Anderson, R. Morris, W.L. Sembrowich, and A.K. Banga. Dermal, subdermal, and systemic concentrations of granisetron by iontophoretic delivery. Pharm Res. 22:1313-1319 (2005))。WEDD技術はヒト志願者におけるフェンタニルの送達のためにも用いられており、フェンタニルの最小有効濃度は30分間適用後に見出されることが実証された。ごく最近、WEDD技術による無毛ラットを用いたグラニセトロンおよびカルシトニンの送達に関する薬物動態(PK)試験も報告されている(A. Chaturvedula et al. (2005) and A. Chaturvedula, D.P. Joshi, C. Anderson, R.L. Morris, W.L. Sembrowich, and A.K. Banga. In vivo iontophoretic delivery and pharmacokinetics of salmon calcitonin. Int J Pharm. 297:190-196 (2005))。インビトロにおける試験の結果に基づいて、イオン導入パッチによって送達される薬剤の量は一般に適用される電流に比例して、期間を通じて零次送達速度が維持されると予想される(即ち、1mAmpはスマトリプタンの約1mg/時を送達するはずである)。
方法
パッチデザイン
この試験で用いられる送達システムはスマトリプタンの経皮的イオン導入送達のためにデザインされた原型のシステムであった。この臨床試験において、薬剤の製剤はコハク酸スマトリプタンの水溶液 約1cc(重量に基づいて4%)であった。溶液は、使用時刻の24時間以内に臨床現場で調製した。イオン化した薬剤は、以下に詳記する通り0.5または1.0mAのいずれかで電流を1.5、3.0または6.0時間流すようにデザインされたイオン導入薬剤送達装置であるシステムの第二の構成要素によって角質層を介してイオン導入性に送達された。装置は、電流調節トランジスタならびにZnの陽極およびAgClの陰極に接続した4個までの3ボルトボタン電池のバッテリーを使用した。薬剤の溶液は陽極に接触した吸着性パッド上に供給される。陰極に接触した吸着性パッドには通常の生理食塩液を適用した。電流の流れおよび薬剤送達は、負荷されたパッチが縁の部分の接着剤で固定された皮膚に適用された時点で開始された。送達は、パッチがプロトコルに明記された時期に除去された時点で停止する。電流試験のためのすべてのパッチは、先行のインビトロにおけるモデルに基づいてmA/時当たり薬剤1mgの理論用量を送達するようにデザインされた。
試験デザイン
試験は、スマトリプタン(基剤)のコハク酸塩としての6mg皮下注射および50mg経口タブレットの薬物動態と比較した、スマトリプタンの2つの原型イオン導入パッチの薬物動態に関する、無作為化、単一施設、単回投与、4期間、衛星試験であった。2つのさらなる期間についてもパッチを評価した。対象に一晩絶食後、1000時±1時間にすべての投与を投与した。
対象は投与3時間前に朝食を摂取して、投与後2.5時間に昼食を、投与後7.5時間に夕食を摂取して、投与後6.5および12時間に軽食を摂取した。パッチは、対象の上背部の清潔な比較的体毛のない部分に適用した。2枚のパッチを同時に適用する条件では、対象の背部の各側に1つを適用した。
対象
8名の健常な成人対象(男性4名および女性4名)、年齢18〜50歳を本試験に参加するために選択した。対象は、試験登録前に2週間、他の医用薬(処方薬または一般大衆薬)の投与を受けなかった。試験は6拘束期間に実施されて、各期間は約2日間持続した。すべての対象は1日目の朝に拘束を開始して、各投与期間の投与後約24時間まで拘束状態とした。各投与期間の間は最低3日間であった。
条件
同一対象においてすべての製剤の比較を可能とするために6つの製剤について試験を行った。投与条件には以下が含まれた:
処理1: スマトリプタン50mg(コハク酸塩として)迅速崩壊経口タブレット(イミグランエフタブ(登録商標50)
処理2: スマトリプタン6mg(コハク酸塩として)皮下注射
処理3: −1.0mAパッチ、10cm2区画、1.5時間−理論投与量 スマトリプタン1.5mg
処理4: −0.5mAパッチ、10cm2区画、3.0時間−理論投与量 スマトリプタン1.5mg
処理5: −1.0mAパッチ2つ、それぞれ10cm2、3.0時間−理論投与量 スマトリプタン6.0mg
処理6: −1.0mAパッチ2つ、それぞれ10cm2、6.0時間−理論投与量 スマトリプタン12.0 mg
安全性の測定
安全性のエンドポイントとして次の変数が含まれた:身体部位にマッピングされた有害事象およびMedDRA用語集を用いた基本語、皮膚の紅斑、バイタルサイン、ECG、ならびに血液学および臨床化学を含む臨床検査。臨床検査は、HBsAg、HCV-Ab、HIV-Ab 1+2、妊娠検査(女性のみ)、エタノール呼吸試験および薬物スクリーニング(スクリーニング時にのみ実施するHBsAg、HCV-Ab、HIV-Ab 1+2は除く)を含めてスクリーニング時(初回投与前の28日以内)および各投与期間の1日目に実施した。投与前、投与後30分、1、2、6および12時間ならびに24時間には血圧、心拍数および体温を含むバイタルサインも評価した。接着剤、電流または薬剤に起因するパッチに対する局所性の皮膚反応の可能性のために、パッチ除去時および除去後24時間に皮膚紅斑スケールをさらに評価した(表I)。皮膚刺激性評価は、パッチ適用部位に存在する紅斑の程度を定量化するために5段階スコア評価体システムを使用した。このスコアは、環境保護局(EPA)によってそれらの健康影響試験ガイドラインにおいて急性皮膚刺激性に関して推奨された5段階順序尺度において用いられる名目カテゴリーに関して一致する。詳細な理学的検査をスクリーニング時に実施した。バイタルサインは、6回の各投与期間のスクリーニング時、1日目の入院時、ならびに投与前、投与後30分、1、2、6、12および24時間に評価した。さらに、4回目および6回目の各投与期間のスクリーニング時および2日目に心電図を実施した。バイタルサインは、4回の各投与期間のスクリーニング時、1日目の入院時、ならびに投与前、投与後30分、1、2、6、12および24時間に評価した。
薬物動態の測定
血漿中スマトリプタン濃度を調べるために、薬剤投与後に血液試料を採取した。血漿試料は有効性を確認したHPLC-MS/MS(PPD, Middleton, VA)を用いて分析した。非線形最小二乗回帰分析を伴うモデル非依存の方法を用いて、時刻0から24時間までの薬剤濃度−時間曲線下面積(AUC0-24)、無限大に外挿された最終の測定可能濃度までの薬剤濃度−時間曲線下面積(AUC∞)、最大薬剤濃度時間(Tmax)、最大観測薬剤濃度(Cmax)、全身クリアランス(Cl)、および終末排出半減期(T1/2)の算出を含む各製剤の薬物動態特性を評価した。イオン導入送達は零次送達速度を提供するという仮定に基づいて、イオン導入送達中に送達される用量の算出には6mg皮下注射から得られたクリアランスを用いた。イオン導入適用中に送達された用量は、式:F*送達された用量=AUC 0-∞イオン導入性 * 皮下投与のクリアランスを用いて算出されて、Fは全身循環中に吸収された用量の画分に等しい。さらに、臨床化学および血液学の特性はスクリーニング時および各投与期間前に得られた。16検体の血液試料を4回の各投与期間について投与後0、15、30分、ならびに1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、10、12、16および24時間に採取した。スマトリプタンパッチの4つの製剤を試験した。参照の治療には、スマトリプタン6mg皮下注射および単一の50mgタブレットとして提供される経口スマトリプタン50mgが含まれた。用量は、皮下および経口製剤についてスマトリプタンフリー塩基として表現する。
結果
対象
プロトコルに従って合計8名の対象に試験医用薬を投与して、8名の対象が試験を完了した。試験対象は全員、白色人種であり、平均年齢は32.3歳であった。
薬物動態
スマトリプタンパッチの4つの調製物を注射可能および経口調製物と比較した。各調製物のAUC(0-inf)(ng.時/mL)、AUC(0-24)(ng.時/mL)、CL(L/時)、Cmax(ng/mL)、Tmax(時)、T1/2(時)を含むすべての薬物動態評価項目を表IIIに示す。先ず、50mg経口調製物(処理1)および6mgスマトリプタン注射剤(処理2)を、0.5mAを3時間(処理3)または1mAを1.5時間(処理4)送達するパッチと比較した。理論投与量の1.5mgに比して、1mAパッチにおける1.5時間および0.5mAパッチにおける3時間において送達される薬剤の量は1.45mgであった。これらのデータは、両パッチ条件における平均AUC0-24およびCmaxが経口または注射よりも有意に低いことを示した。実施例のこの部分における双方のパッチのAUCが、経口の約20%、注射の27%であった。Cmaxは、処理3では経口の30%および注射の14%であり、処理4の経口の20%および注射の5%であった(表II)。処理3および4のパッチの好ましい安全性特性および最小の皮膚刺激性に続いて、2つの追加投与が開始された。処理5は一対の1mAパッチから合計2mAを3時間送達して、処理6は一対の1mAパッチから2mAを6時間送達した。処理5(3時間2mAパッチ)は50mg経口調製物の約86%および6mg注射剤の122%のAUC値を示した。処理6(6時間、2mAパッチ)は50mg経口調製物の約182%および6mg注射剤の257%のAUCを示した。Cmaxは、処理5の経口の108%および注射の48%、ならびに処理6の経口の131%および注射の59%であった。
傾向
パッチのAUCは電流−時間間隔の関数として比例して増大し、Cmaxは電流に比例した。パッチの見かけのTmaxは、パッチが適用される時間の長さに比例して1.5〜4.1時間の範囲であった。パッチを用いたスマトリプタンレベルの持続性のプラトーのため、Tmaxは経口および注射可能調製物において見られるようなピークではなかった。むしろ、最大血清中濃度はすべてのパッチ製剤において約1.5時間以内に到達して、パッチ除去までそのレベルに維持される。3時間および6時間2mAパッチは、経口剤の約3時間および注射可能剤の1.5時間に比して、それぞれ、4および7時間にわたって10ng/mLを上回るスマトリプタンレベルを維持した(図1)。このように、本発明のパッチは6.0mg注射可能剤よりも4倍、50mg経口調製物よりも2倍長い期間、意図される治療用スマトリプタンレベルを維持することができて、いずれの調製物よりも実質的に長い治療期間を提供する。皮下製剤の排出半減期は約2時間であった。パッチ除去後の排出半減期も2時間であり、異なるすべての治療を通してほぼ等しかった。
安全性
本発明のパッチは一般に十分な耐用性を示して、有害事象は6mg皮下注射よりも少ない。その他の製剤よりもパッチにおいてより広く見られる有害事象は、パッチ部位における軽度の限局性の感覚および反応としてのみ認められた。勿論、パッド皮膚接触部分は必要に応じて電流密度を調節して皮膚刺激性の可能性を抑制するために変えることができる。
皮膚の紅斑
皮膚紅斑スコアを表IVに示す。処理6において、1名の対象がパッチ部位の不快のために予定した時期の34分前に2つの1mAパッチを除去することを要求した。処理6では、3名の対象において薬剤および生理食塩液の漏出が見られた。パッチからの溶液の漏出は、電流密度の増加した部分を伴うパッチにおける不均一な電流密度に起因し、その結果、ある程度の刺激が生じた可能性があった。治験担当医は、液体の漏出が対象3名における紅斑のスコアに影響した可能性が高いと結論づけた。
バイタルサイン、臨床検査およびECG
この実施例では、理学的検査、心電図、臨床検査、またはバイタルサインの測定値から有害事象としての異常な所見は報告されなかった。
考察
実施例は、本発明に従って抗片頭痛医用薬であるスマトリプタンのイオン導入パッチ送達システムに関する薬物動態データおよび安全性特性を実証する。このシステムは、最も広く処方されている好ましいトリプタンの侵襲性の低い全身送達を提供することによって片頭痛ケアにおける未だ満たされていない要求を満たす可能性を有している。これは経皮用製剤であるため、顕著なまたは主な症状の中でも、時に軽症胃アトニーを伴う悪心および嘔吐を示し得る発作中の経口用医用薬の服用に関する懸念が回避される。
さらに、イオン導入パッチのシステムは安定状態の治療用薬剤レベルを皮下注射または鼻腔調製物から達成可能なよりも優位に長い時間にわたって送達することができる。これは、患者がスマトリプタンの短い半減期に起因するボーラス注射の迅速な代謝を原因とする可能性が高い再発を避けるのを助けるのに特に重要である。
改良された薬剤送達システムは、より長い半減期を持つ等しく有効な医用薬を開発するための試みに対する理論的で費用効果的かつ好都合な一つの選択肢である。(M. Hans, L. Dan, K. Winey, A. Lowman, and S.J. Siegel. Daily to Annual Biodegradable Drug Delivery Strategies for Psychoactive Compounds:. In S. K. Mallapragada (ed.), Handbook of Biodegradable Polymeric Materials & Applications, American Scientific Publishers, Stevenson Ranch, CA, 2004) 、およびS. Siegel. Extended Release Drug Delivery Strategies in Psychiatry: Theory to Practice. Psychiatry 2005. 2:22-31 (2005))。皮下調製物に伴う痛みを伴う注射または鼻腔調製物から一般的に報告される非常に不快な味の必要性も除去される。パッチのさらなる利点は同等のAUCを伴う低いCmaxを含むことであり、程度が低くて副作用の少ないより安全な送達特性が得られる。後者は、注射可能製剤よりもパッチ条件においてより少ない有害事象を伴う電流試験において明らかであった。
パッチは予想通り電流およびスマトリプタン送達の間に直線的な関連性を示して、開発中の先のインビトロにおけるモデルの有効性が確認された。(C.R. Anderson et al. (2003); G.A. Lattin, R.V. Padmanabhan, and J.B. Phipps. Electronic control of iontophoretic drug delivery. Ann N Y Acad Sci. 618:450-464 (1991);およびC. Anderson, S. Boeh, R. Morris, W. Sembrowich, and P. Panus. Quantification of Total Dexamethasone Phosphate Delivery by Iontophoresis. International Journal of Pharmaceutical Compounding. 7: (2003))。1.5mA-時パッチ(1mAを1.5時間または0.5mAを3時間)を用いた最初の試験は極めて良好な耐用性を示した。最初のパッチデザインに伴う高い耐用性に基づいて、後続のパッチはさらに高い電流−時間区間で試験された。6および12mA時を送達するパッチはより好ましいスマトリプタン全身特性を示して、2mA-6時間のデザインは10ng/mLの目標レベルを7時間を超えて維持する速度で薬剤を送達して、イオン導入スマトリプタンパッチは現在、50mg経口または6mg注射可能製剤を用いて可能なよりもより長い期間にわたって治療上適切な安定状態の薬剤レベルを維持することができ得るという仮説が支持される。
電流試験における経口製剤は予想よりも長い終末排出半減期を示したことに留意されたい。経口製剤の見かけのT1/2は5.9時間であり、恐らく対象が投与の前後に摂食を許可されたためであった。さらに、終末半減期は、用いたLCMS法の高感度(定量限界=0.20ng/mL)のために以前に報告されたよりも高い値を示した可能性があり、この結果、臨床的に意味のないレベルの定量および深部コンパートメントの存在の反映の可能性があった。(C. Duquesnoy, J. Mamet, D. Sumner, and E. Fuseau. Comparative clinical pharmacokinetics of single doses of Sumatriptan following subcutaneous, oral, rectal and intranasal administration. Eur J Pharm Sci. 6:99-104 (1998)およびS. Jhee, T. Shiovitz, A. Crawford, and N. Cutler. Pharmacokinetics and pharmacodynamics of the triptan antimigraine agents: a comparative review. Clin Pharmacokinet. 40:189-205 (2001)
(表II)パッチからの皮膚刺激性の程度を判定するために用いられる紅斑評価尺度
Figure 0005925844
(表III)経口および注射可能製剤と比較したパッチにおける薬物動態学的結果を示す。スマトリプタン薬物動態学的データの算術平均(CV%)
Figure 0005925844
*−対象8は、パッチを早期に除去したために、処理6のpK解析から除外した。
(表IV)全期間の紅斑スコア、全条件についてn=8。処理3および4は一つのパッチ適用であった。処理5および6は、これらの試験の結果に基づいて将来のデザイン変更に備えて計画された通り低い電流密度を持つより広い表面積を作り出すために、それぞれ2つのパッチを使用した。
Figure 0005925844
等価物
当業者は、ごく定型の実験を用いて、本明細書に記載される具体的手順に対する多くの同等物を認識し、または確認することができる。このような同等物は本発明の範囲内であると考えられて、添付される特許請求の範囲によって網羅される。本出願を通して記載されるすべての参照、特許および親特許出願の内容は参照により本明細書に組み入れられる。それらの特許、出願およびその他の資料の適切な構成要素、過程および方法は本発明およびその態様のために選択され得る。

Claims (13)

  1. 治療用抗片頭痛物質を送達するための一体型イオン導入パッチであって、送達が
    第一の段階および第二の段階を有する送達シーケンスにて送達される、トリプタン化合物の有効量をヒトに経皮投与する工程
    を含み、
    ここで、該パッチは、トリプタン化合物の有効血漿濃度が1時間未満で該ヒト中に到達するように、第一の段階の有意な部分の間、0.05から0.20mA/cm 2 の電流密度を使用し、かつ、トリプタン化合物の有効な安定状態の血漿濃度が1時間以上継続するように、第二の段階の有意な部分の間、0.01から0.20mA/cm 2 の電流密度を使用し、
    該第一の電流密度および第二の電流密度が実質的に該ヒトの皮膚を刺激しない、および、
    該ヒトが該片頭痛について治療されるように、トリプタン化合物の有効量が約10ng/ml以上の血漿濃度を提供する、パッチ。
  2. トリプタン化合物が、スマトリプタン、ナラトリプタンおよび学的に許容されるそれらの塩から選択される、請求項1記載のパッチ。
  3. 片頭痛が、家族性片麻痺性片頭痛(前兆を伴うおよび伴わない)、慢性発作性頭痛、群発頭痛、片頭痛、脳底動脈型片頭痛、および、自律神経症状を伴う異型頭痛から選択される、請求項1記載のパッチ。
  4. 有効量が約20 ng/ml以上の血漿濃度を提供する、請求項1記載のパッチ。
  5. トリプタン化合物の有効量の送達のためのパッチの使用により、パッチ除去直後に2.50よりも大きな皮膚紅斑スコアが生じないように、第一の電流密度および第二の電流密度が選択される、請求項1記載のパッチ。
  6. トリプタン化合物の有効量の送達のためのパッチの使用により、パッチ除去直後に2.00よりも大きな皮膚紅斑スコアが生じないように、第一の電流密度および第二の電流密度が選択される、請求項5記載のパッチ。
  7. 完全に一体化されている、請求項1記載のパッチ。
  8. 該ヒトが実質的な副作用なく治療される、請求項1記載のパッチ。
  9. トリプタン化合物が流動可能なヒドロゲルに製剤化される、請求項1記載のパッチ。
  10. イオン導入パッチが、トリプタン化合物の不溶性塩を形成するように反応しない電極を含む、請求項1記載のパッチ。
  11. 電極が亜鉛または亜鉛コーティングを含む、請求項10記載のパッチ。
  12. 安定状態の血漿濃度が約4時間以上維持される、請求項1記載のパッチ。
  13. 安定状態の血漿濃度が約6時間以上維持される、請求項12記載のパッチ。
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