JPH08317997A - 経皮透過方法 - Google Patents

経皮透過方法

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JPH08317997A
JPH08317997A JP8736596A JP8736596A JPH08317997A JP H08317997 A JPH08317997 A JP H08317997A JP 8736596 A JP8736596 A JP 8736596A JP 8736596 A JP8736596 A JP 8736596A JP H08317997 A JPH08317997 A JP H08317997A
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JP
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voltage
minutes
energizing
energization
substantially constant
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Application number
JP8736596A
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English (en)
Inventor
Katsumi Iga
勝美 伊賀
Shigeo Yanai
薫雄 柳井
Keiichiro Okabe
敬一郎 岡部
Masaki Itou
雅起 伊藤
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Aska Pharmaceutical Co Ltd
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Advance Co Ltd
Original Assignee
Teikoku Hormone Manufacturing Co Ltd
Advance Co Ltd
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオントフォレシスを利用してカルシトニン
の経皮吸収率を高める。 【解決手段】 電圧値3〜20Vの範囲内の実質的に一
定の電圧下、電流密度0.05〜0.5mA/cm2
通電するイオントフォレシスにより、カルシトニン、そ
の誘導体またはそれらの塩を経皮的に投与する。この方
法において、通電初期は高い電圧で短時間(電圧値6〜
14Vで5〜15分程度)通電した後、低電圧で長時間
(電圧値3〜9Vで30〜40分程度)通電すると、カ
ルシトニンをさらに高い吸収率で経皮的に投与できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルシトニンを経
皮的に高い吸収率で生体内へ移行させる上で有用なイオ
ントフォレシスによる経皮透過方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イオントフォレシス(Iontophoresis )
は電気を用いた経皮吸収促進システムであり、その原理
は、主に通電による陽極と陰極との間の電界中を、正に
チャージした分子が陽極から陰極へ、負にチャージした
分子が陰極から陽極へ移動する力に基づいて、薬物分子
の皮膚バリヤー透過を促進することにある[ジャーナル
・オブ・コントロールド・リリース(Journal of Conto
rolled Release)18巻、1992年、213〜220
頁;アドバンスト・ドラッグ・デリバリー・レビュー
(Advanced Drug Delivery Review)9巻、1992
年、119頁;ファルマシュウティカル・リサーチ(Pha
rmaceutical research)3巻、1986年、318〜3
26頁参照]。
【0003】最近の合成技術、遺伝子工学の進歩によ
り、天然に存在するペプチド又は蛋白質、若しくはこれ
らのアミノ酸組成を変化させたペプチド又は蛋白質や、
化学的に修飾した誘導体を、純粋にかつ大量に生産する
ことが可能となるとともに、これらのペプチドや蛋白質
を医薬品として応用することが期待されている。一方、
微量で多様な生理活性を有するこれらのペプチドや蛋白
質を限定された疾病で薬効を最大限に発揮させるととも
に副作用を最小限に抑制するためには、厳密な投薬コン
トロールが要求される。例えば、カルシトニンは骨吸収
を抑制することにより骨量の減少を抑制する作用を有
し、骨粗鬆症やページェット病などの治療に用いられて
いる。しかし、カルシトニンの過剰な投与は、食欲不振
などの副作用をもたらすとともに、前記疾患の治療に
は、頻回投与、すなわち投与時間を制御しつつ繰り返し
投与することが必要である。さらに、生理活性ペプチド
又は蛋白質は、通常、胃腸管内で消化液によって分解さ
れるとともに、消化管壁の分解酵素によって加水分解さ
れるため、吸収効率を有効に高めることが困難である。
従って、十分な薬効を期待するため、生理活性ペプチド
又は蛋白質は、通常、経口投与ではなく注射による投与
が行われている。しかし、注射剤として投与すると、患
者に与える苦痛が大きいだけでなく、自己投与ができな
いため、患者には大きな負担となる。特に上記カルシト
ニンのように、長期間に亘る繰り返し投与が要求される
場合には、患者の負担が著しく増大する。
【0004】製薬分野において、新しい薬物送達システ
ム(ドラッグデリバリーシステム)として、イオントフ
ォレシスが精力的に研究がされている。すなわち、この
イオントフォレシスを利用することにより、注射剤とし
て投与されていた薬物を、患者自身により自己投与する
ことが可能となり、薬物治療のコンプライアンスを高め
ると共に患者のQOL(quality of life)を向上でき
る。
【0005】イオントフォレシスによる薬物投与方法と
して、特開昭64−11565号公報には、皮膚に対し
て5〜20Vの電圧を1〜60秒間印加して皮膚のイン
ピーダンスを低下させる前処理を行った後、導電電圧0
〜5Vを印加し、0.1〜1mA/cm2 の電流を通電
することにより、分子量150〜400程度のイオン性
薬物を投与する方法が提案されている。特開昭64−1
1564号公報には、皮膚の電気抵抗を低下させるた
め、皮膚に対して5〜20Vの電圧を1mA/cm2
下の電流密度で1〜60秒間印加した後、導電電圧0〜
5Vを印加し、0.1〜1mA/cm2 の電流密度で通
電する方法が開示されている。特開平2−124176
号公報には、直流電圧乃至直流パルスを出力する第1の
出力手段と、分極パルスを出力する第2の出力手段とを
備えたイオントフォーレシス用デバイスが開示されてい
る。この文献には、前記直流電圧(電圧12V以下,電
流密度0.3mA/cm2 )又は直流パルスを印加した
後、分極パルスを印加し、薬液を経皮投与することも開
示されている。しかし、これらのイオントフォレシスの
方法ではカルシトニンの経皮吸収効率が十分でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、イオントフォレシスを利用して、カルシトニンを効
率よく経皮的に透過できる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、簡単な操作でカルシトニンの経皮
吸収率および生物学的利用率(バイオアベイラビリティ
ー)を著しく高めることができるカルシトニンの経皮透
過方法を提供することにある。本発明のさらに他の目的
は、イオントフォレシスを利用して、カルシトニンの経
皮吸収を促進する上で有用なイオントフォレシス用装置
および通電方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討の結果、イオントフォレシス
の通電条件を最適化することによりカルシトニンの経皮
吸収性が著しく増大することを見いだし、さらに鋭意研
究を進めた結果、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明の経皮透過方法では、電圧値3〜20Vの範
囲内の実質的に一定の電圧下、電流密度0.05〜0.
5mA/cm2 で通電するイオントフォレシスにより、
カルシトニン、その誘導体またはそれらの塩を経皮的に
透過させる。この方法において、印加電圧は、時間的な
間隔をおいて、又は時間的な間隔をおくことなく時系列
的に複数の工程で段階的に低下させてもよい。また、時
間的な間隔をおいた複数の工程で、実質的に同じレベル
の印加電圧を印加してもよい。直流電圧としては、連続
直流電圧および所定の周波数の直流パルス電圧のいずれ
も利用できる。本発明の装置は、直流電圧が印加可能な
電極と、この電極と導通可能であり、かつ皮膚に対して
接触可能であるとともに、カルシトニンを透過可能に保
持し、かつカルシトニン溶解液が供給可能であるインタ
ーフェイスとで構成されたアプリケーターと、前記電極
に直流電圧を印加するための電源と、前記電流密度を維
持しつつ、前記電源からの実質的に一定の電圧下、前記
電極に直流電圧を印加するための電圧安定化手段とを備
えている。さらに、本発明の通電方法は、前記アプリケ
ーターを用いて、イオントフォレシスによりカルシトニ
ンの経皮吸収を促進するための方法であって、電流密度
0.05〜0.5mA/cm2 を維持しつつ、電圧値3
〜20Vの範囲内の実質的に一定の電圧を前記電極に印
加する。なお、本明細書において、「実質的に一定の電
圧」とは、印加電圧が常に一定の電圧である場合に限ら
ず、例えば、印加電圧値の±20%の変動範囲で変動す
る場合を含む意味に用いる。
【0008】
【発明の実施の形態】イオントフォレシスによる本発明
の経皮透過方法では、皮膚に対して電圧値3〜20V、
好ましくは4〜15V、さらに好ましくは5〜14V程
度の範囲から選ばれる実質的に一定の電圧を印加する。
また、通電する電流密度(電流値)は、0.05〜0.
5mA/cm2 (例えば、0.05〜0.45mA/c
2 )、好ましくは0.08〜0.5mA/cm2 、さ
らに好ましくは0.08〜0.3mA/cm2 (例え
ば、0.08〜0.28mA/cm2 )程度である。局
部的な電流の流れを抑制し、カルシトニンを経皮的に均
一に吸収させるためには、0.1〜0.3mA/cm2
程度の電流密度を利用する場合が多い。
【0009】本発明の方法では、前記電圧および電流密
度の範囲から適当に選択して、連続的又は時間的に間隔
をおいて間欠的に電圧を印加して通電できる。例えば、
時間的に間隔をおいて複数の工程で通電する場合(間欠
的に複数回に亘り通電する場合)、通電時間、通電間隔
(通電停止時間)は、経皮投与効率を損なわない限り特
に制限されず、例えば、一回当たりの通電時間は、1〜
60分、好ましくは2〜45分(例えば、5〜30
分)、さらに好ましくは3〜30分(例えば、10〜3
0分)程度であり、通電間隔は、1秒〜60分程度の範
囲から適当に選択でき、例えば、30秒〜30分(例え
ば、1〜30分)程度であり、1〜10分程度である場
合が多い。
【0010】さらには、前記電圧値3〜20Vの範囲内
で、印加電圧が段階的に異なる複数の通電工程、好まし
くは時系列的に印加電圧を連続的又は段階的に低下させ
ることにより通電してよい。特に、複数の通電工程にお
いては、先行する通電工程に比べて、後続する通電工程
での電圧を連続的又は段階的に低くするのが好ましく、
後続する通電工程は先行する通電工程に引き続いて(時
間的間隔をおくことなく連続して)行ってもよく、時間
的間隔をおいて行ってもよい。このような通電方法を採
用すると、皮膚刺激性を軽減しつつカルシトニンの高い
経皮透過性を維持でき、カルシトニンの経皮吸収を促進
できる利点がある。なお、イオントフォレシスにおいて
刺激の少い条件でカルシトニンの透過性を高めることが
重要であるものの、カルシトニンの皮膚透過性を向上さ
せるため印加電圧を高くすると、皮膚刺激性も大きくな
る。一方、印加電圧を低くしたり、通電時間を短くする
と、皮膚刺激性は低減できるものの、カルシトニンの皮
膚透過性を促進できない。
【0011】より具体的には、2つの通電工程で構成さ
れる通電サイクルを採用する場合、前記印加電圧のうち
高い一定電圧で短時間通電する第1の通電工程と、この
第1の通電工程の後、第1の通電工程よりも低い一定電
圧で長時間通電する第2の通電工程とを組み合わせる
と、後続する第2の通電工程での電圧が低電圧であって
もカルシトニンの皮膚透過性を維持でき、カルシトニン
を高い効率で有効に経皮投与できる。特に第1の通電工
程での通電時間を短くすると、前記印加電圧のうち高い
一定電圧を印加しても、皮膚刺激性を軽減できる。前記
第1の通電工程(先行する通電工程)は、例えば、電圧
値4〜15V(例えば、5〜15V)、好ましくは6〜
14V程度の範囲から選ばれる一定電圧で、通電時間1
〜30分、好ましくは5〜20分、さらに好ましくは5
〜15分程度で行うことができる。電圧値は12V以下
である場合が多い。第2の通電工程(後続する通電工
程)は、例えば、電圧値1〜10V、好ましくは3〜9
V程度の範囲から選ばれる一定電圧で、通電時間15〜
100分、好ましくは20〜60分、さらに好ましくは
30〜40分程度で行うことができる。複数の通電工程
で時間的に間隔をおいて段階的に電圧を低下させる場
合、通電間隔(インターバル)は、前記の範囲から選択
できる。
【0012】また、時間的に間隔をおいた複数の通電工
程で、前記電流値を維持しつつ実質的に同一の電圧を印
加しても、皮膚刺激性を低減できる利点がある。特に、
皮膚刺激性を低減しつつカルシトニンの経皮吸収を促進
するためには、電圧値4〜15Vの範囲内の実質的に一
定の電圧で1〜30分間通電する通電工程と、1〜30
分間通電を停止する工程と、前記通電工程とで構成され
たサイクルを少くとも1回繰り返し、カルシトニンを経
皮的に吸収を促進する方法が含まれる。さらに好ましい
方法には、電流密度0.1〜0.3mA/cm2 を維持
しつつ、電圧値6〜14Vの範囲内の実質的に一定の電
圧で1〜30分通電する通電工程と、この通電工程の
後、1〜30分間通電を停止する工程と、前記通電工程
とで構成されたサイクルを少くとも1回繰り返す方法が
含まれる。
【0013】前記複数の通電工程で構成される通電サイ
クルは、1回に限らず複数回に亘り繰り返すことができ
る。また、最初の通電サイクルの後、複数の通電サイク
ルを適用する場合、後続する複数の通電サイクルにおけ
る印加電圧および通電時間は、それぞれ異なっていても
よい。
【0014】イオントフォレシスの電源は直流電圧を発
生する限り特に限定されず、連続直流電圧および直流パ
ルス電圧のいずれかを発生し、皮膚に対して印加可能で
あればよい。好ましい直流電圧には直流パルス電圧が含
まれる。直流パルス電圧は、対称波、非対称波、ノコギ
リ波、三角波などであってもよいが、方形型直流パルス
電圧が好ましい。直流パルス電圧の周波数は、広い範囲
で選択でき、例えば、0.1〜200kHz,好ましく
は1〜100kHz(例えば、10〜100kHz),
さらに好ましくは5〜80kHz(例えば、10〜50
kHz)程度の範囲から適当に選択できる。直流パルス
の周波数は、1〜60kHz(例えば、10〜60kH
z)、好ましくは1〜50kHz(例えば、30〜40
kHz)程度である場合が多い。直流パルス電圧におけ
る1サイクル当たりの電圧印加時間の割合(duty
%)は、特に制限されず、例えば、10〜90%、好ま
しくは10〜70%、より好ましくは20〜40%程度
の範囲から適宜選択できる。直流パルス電圧における1
サイクル当たりの電圧印加時間の割合(通電ONの割
合)は30〜50%程度である場合が多い。さらに、カ
ルシトニンを保持するマトリックスで構成されたインタ
ーフェースと皮膚との接触面積は、特に制限されず広い
範囲から選択でき、例えば、0.5〜100cm2 、好
ましくは1〜50cm2 程度であり、2〜25cm
2 (例えば、2〜20cm2 )程度である場合が多い。
【0015】なお、トータル通電時間は、通電条件、投
与量などに応じて選択でき、例えば、連続通電では24
時間以下、好ましくは12時間以下(例えば、10分〜
7時間)、さらに好ましくは6時間以下(例えば、20
分〜3時間程度)である。通電時間は、通常、30分〜
2時間程度である場合が多い。
【0016】本発明では、イオントフォレシスを利用し
て、カルシトニン、その誘導体またはそれらの塩を経皮
的に有効に投与できる。前記カルシトニンは、哺乳類
(例えば、ヒト、ブタなど)、鳥類(例えば、ニワトリ
など)、魚類(例えば、サケ、ウナギなど)、その他の
動植物に由来するいずれのカルシトニンであってもよ
く、ヒトとサケとのキメラ体であってもよい。また、天
然カルシトニンや、化学的に合成されたカルシトニンの
いずれも使用できる。さらには、カルシトニンを構成す
るアミノ酸、又は側鎖の構造の一部又は全部を人工的に
変化させたカルシトニンであってもよい。
【0017】代表的なカルシトニンとしては、例えば、
下記式(I)で表されるペプチド[エンドクリノロジー
(Endocrinology)1992,131/6(2885−2
890)]などが挙げられる。 Cys-Gly-Asn-Leu-Ser-Thr-Cys-Met-Leu-Gly-Lys-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His- Lys-Leu-Gln-Thr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Thr-Pro (I) さらに、カルシトニンと同様な作用を有する誘導体に
は、例えば、下記式(II)で表される化合物またはその
塩[エンドクリノロジー(Endocrinology)1992,1
31/6(2885−2890)]などが含まれる。
【0018】
【化1】 (式中、Xは2−アミノスベリン酸残基を示す) カルシトニンの塩には、例えば、塩酸、硫酸、臭化水素
酸、リン酸などの無機酸との塩;ギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸、グリコール酸、シュウ酸、琥珀酸、酒石酸、クエ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸な
どの有機酸との塩;カルシウム、マグネシウムなどの無
機化合物との錯塩などが含まれる。
【0019】イオントフォレシスによるカルシトニン類
の投与には、種々のアプリケーター(アダプター)が利
用できる。このアプリケーターは、例えば、直流電圧が
印加可能な電極と、この電極と導通可能であり、かつ皮
膚に対して接触可能であるとともに、カルシトニンを透
過可能に保持するインターフェイスと、このインターフ
ェースにカルシトニン溶解液を供給するための供給手段
とで構成できる。図1に示すアプリケーターは、柔軟性
を有するとともに、開口部が形成された支持体4と、銀
電極などの電極1を備えているとともに、NaCl含有
ポリビニルアルコール(PVA)含水ゲルなどの導電性
ゲル2を収容し、前記支持体4上のうち前記開口部に対
応する部位に配置された第1の容器3と、注射用蒸留水
(扶桑薬品工業社製)などのカルシトニン溶解用の液体
10を貯留し、前記支持体4に配置されたリザーバーを
構成する第2の容器9とを備えている。
【0020】電荷の移動のために形成された前記支持体
4の開口部には、前記容器3の導電性ゲル2と対向して
イオン交換膜5が配設されているとともに、このイオン
交換膜の外面には、前記支持体4の開口部(前記容器3
の部位)から第2の容器9の部位に至る領域に配された
不織布8を介して、多孔質構造又は毛細管構造を有する
多孔質体(マトリックス)6が積層されている。なお、
多孔質体(マトリックス)6と、この多孔質体に保持さ
れたカルシトニンとで、皮膚に対して接触可能なインタ
ーフェイスが構成されている。また、前記多孔質体6に
は、多孔質体6のうち前記支持体4の開口部に対応する
領域が皮膚に接触可能であるように、皮膚にアプリケー
ターを貼付するための粘着テープ7が取り付けられてい
る。前記第1の容器3の導電性ゲル2は、前記電極1と
導通可能であるとともに、前記開口部を通じて、イオン
交換膜5と接触可能である。なお、前記開口部の大きさ
(面積)は特に限定されないが、インターフェイスにお
ける皮膚接触面積とほぼ同程度の大きさであることが好
ましい。
【0021】なお、前記容器3,9は、例えば、ポリエ
チレンなどの合成樹脂などで形成できる。また、イオン
交換膜5としては、イオン交換能を有する種々の膜、例
えば、旭化成(株)製の商品名「AC220膜」などが
利用でき、不織布8としては、液体が浸透可能な種々の
不織布、例えば、旭化成(株)製の商品名「ベンベルグ
ハーフ」などが使用できる。さらに、多孔質体6として
は、吸着や担持などによりカルシトニンを透過可能に保
持できる種々の有機多孔質体又は無機多孔質体、例え
ば、ナイロン多孔質体などの多孔質膜(日本ポール
(株)製の商品名「バイオダインプラス」)などが使用
できる。粘着テープ7としては、皮膚に対する粘着性を
有する種々の粘着テープ、例えば、3M社製の商品名
「ブレンダーム」などが利用できる。
【0022】このようなアプリケーターは、使用時に、
針などで突き刺し、支持体4に第2の容器9内と通じる
孔を形成することにより、薬物溶解用の液体10を、不
織布8に浸透させて、カルシトニンを保持する多孔質体
6に到達させればよい。なお、前記第2の容器は必ずし
も必要ではなく、カルシトニンを溶解するための液体
は、カルシトニンを保持する多孔質体に対して注液可能
であってもよい。このようなアプリケーターでは、前記
不織布は必ずしも必要ではない。
【0023】図2は他のアプリケーターを示す断面図で
ある。このアプリケーターは、前記図1のアプリケータ
ーと同じく、支持体と、電極1を有するとともに導電性
ゲル2を収容する第1の容器3とを備えている。また、
支持体4の開口部に対応する部位には、イオン交換膜5
を介して、多孔質体6が積層されている。さらに、多孔
質体6には、支持体4の開口部に対応する部位が皮膚と
接触可能である状態で、前記と同様に、粘着テープ7が
取り付けられている。そして、前記イオン交換膜5と多
孔質体6との間には、注液可能な注液部が形成されてい
る。
【0024】このようなアプリケーターは、使用時に、
注液用チップ18のノズル先端を、イオン交換膜5と多
孔質体6との間の注液部に挿入して、注射用蒸留水など
の薬物溶解用液体をカルシトニンを保持する多孔質体6
に対して注入すればよい。液体の注入量は、アプリケー
ターのサイズ、多孔質体の表面積、カルシトニンの保持
量などに応じて、カルシトニンを溶解可能な範囲で選択
でき、通常、30〜500μl、好ましくは50〜20
0μl程度である場合が多い。
【0025】なお、多孔質体によるカルシトニンの損失
を抑制するためには、適当な吸着防止剤(例えば、血清
アルブミン、塩化ベンザルコニウムなど)で前処理した
多孔質体を用いるのが好ましい。また、薬物(カルシト
ニン)を溶解するための液体には、カルシトニンの吸収
を促進するための吸収促進剤(例えば、モノテルペン
類、脂肪酸モノグリセリド等)を含有させることも有効
である。前記アプリケーターを用いて通電によりカルシ
トニンを経皮的に投与するためには、皮膚に貼着した前
記アプリケーターの電極と対照電極とに、アプリケータ
ーの電極を陽極、塩化銀電極などを備えた対照電極を陰
極として、直流電圧を印加すればよい。すなわち、前記
アプリケーターを構成するインターフェイスの皮膚接触
面と対照電極とを皮膚に接触させ通電することにより、
皮膚を導電体として両電極間に回路を形成でき、イオン
トフォレシスによるカルシトニンの経皮投与が行える。
なお、通電時に前記電極と対照電極とは隣接して配設し
てもよいが、皮膚上の離れた部位(又は対向する部位)
に配設することが好ましい。前記電極および対照電極の
素材は特に限定されず、これらの電極は、例えば、銀な
どの金属、導電性ゴム、導電性ポリマー、アルミ箔など
の金属箔で形成されていてもよい。
【0026】このようなアプリケーターを用いると、患
者に苦痛を与えることなく経皮投与できるとともに、自
己投与できる。また、前記アプリケーターを用いて前記
の条件で通電する方法では、イオントフォレシスにより
カルシトニンの経皮吸収を大きく促進できる。本発明の
装置は、前記アプリケーターと、電源と、電圧安定化手
段とを備えている。すなわち、イオントフォレシスを利
用してカルシトニンの経皮吸収を促進するための本発明
の装置は、前記アプリケーターと、このアプリケーター
の前記電極に直流電圧を印加するための電源と、電流密
度0.05〜0.5mA/cm2 を維持しつつ、前記電
源からの電圧値3〜20Vの範囲内の実質的に一定の電
圧下、前記電極に直流電圧を印加するための電圧安定化
手段とを備えている。この電圧安定化手段には、種々の
手段、例えば、ツェナーダイオードなどの定電圧素子、
フィードバックループを利用した安定化回路などが採用
できる。前記安定化回路は、例えば、ツェナーダイオー
ドなどを利用して基準電圧を設定するための基準電圧部
と、印加電圧を検出するための検出部と、この検出部で
検出された検出値と基準電圧部の基準とを比較するため
の比較部と、この比較部による比較結果に応答して出力
電圧を安定化させるための制御部とで構成できる。
【0027】さらに、本発明装置においては、一日当た
りの投与回数および1回の通電工程を、前記アプリケー
ターと関連付けて制御装置にプログラムし、イオントフ
ォレシスによるカルシトニンの投与を制御することも可
能である。また、インターフェースの接触面積、カルシ
トニンの投与量などと関連させて、通電電圧、通電時間
および通電間隔(インターバル)を制御装置にプログラ
ムし、自動的にカルシトニンを経皮吸収させてもよい。
このような装置や通電方法では、長期間に亘り繰り返し
投与が要求されるカルシトニンであっても、簡単な操作
で効率よく経皮投与でき、血漿カルシウムレベルを減少
させることが必要な種々の疾患、例えば、骨粗鬆症、ペ
ージェット病の治療などに有用である。なお、本発明の
装置や方法は、ヒトの他、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ウ
サギ、ブタなどの哺乳類に対して適用できる。
【0028】
【発明の効果】本発明では、イオントフォレシスを利用
して特定の条件で通電するので、カルシトニンを効率よ
く経皮的に吸収させることができる。また、印加電圧と
通電する電流密度とをコントロールするという簡単な操
作でカルシトニンの経皮吸収率を著しく高めることがで
きるとともに、生物学的利用率(バイオアベイラビリテ
ィー)を高めることができる。
【0029】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例1 ペントバルビタール麻酔下にて雄性SDラット(7週
齢)の腹部をバリカンで剃毛し、シェーバーで処理した
後、70%エタノール水溶液を含む脱脂綿で軽く擦り脱
脂消毒した。図1に示すアプリケーターAまたは図2に
示すアプリケーターBを用いて、10%牛血清アルブミ
ン(BSA)で前処理され、かつ1枚当たりサケカルシ
トニン(帝国臓器製薬)を20μg(乾燥物換算)を保
持した薬物保持膜(バイオダインプラス)の皮膚接触面
を、ラット腹部皮膚に貼付して固定した。なお、図1に
示すアプリケーターAでは使用直前にリザーバーから水
を供給し乾燥薬物を溶解させた。また、図2に示すアプ
リケーターBでは皮膚へ貼付した後、注入チップより蒸
留水120μlを供給し乾燥薬物を溶解させた。さら
に、アプリケーターの貼付部と対向する部位に、2mm
厚の10%PVAゲル(0.9%のNaCl含有)から
なる導電性ゲルにより対照電極としての塩化銀電極
(2.5cm2 )を貼付して固定した。
【0030】そして、周波数40kHz、30%dut
yの条件で、アプリケーターを正極、対照電極を陰極と
して、下記のように印加電圧を変化させ、直流パルス通
電(脱分極定電圧方形パルス通電)により、15分間の
連続通電を5分間隔で合計3回行った。なお、それぞれ
の通電において、通電開始初期の実測電流値をそれぞれ
各個体について測定し、平均値として求めた電流密度は
次の通りであった。 アプリケーターA:電圧6V 電流密度約0.04mA/cm2 アプリケーターA:電圧12V 電流密度約0.24mA/cm2 アプリケーターB:電圧12V 電流密度約0.24mA/cm2 そして、頚静脈より採血し、12000rpmで10分
間遠心分離し、得られた血清試料中のサケカルシトニン
濃度をラジオイムノアッセイ法により測定した。結果を
図3に示す。
【0031】図3に示されるように、印加電圧が12V
のイオントフォレシスでは、印加電圧6Vでのイオ
ントフォレシスと比較して、血清中のサケカルシトニ
ン濃度を高めることができる。また、同一投与量換算
[実効静脈内投与量:カルシトニン0.3μg]の静脈
内投与により得られた血清中のサケカルシトニン濃度−
時間曲線下面積(AUC)値に対する試験群のAUC値
の比として生物学的利用率(バイオアベイラビリティ
ー、BA)を求めたところ、印加電圧6V(アプリケー
ターA)では4.6%、印加電圧12Vでは16.6%
(アプリケーターA)、16.6%(アプリケーター
B)であり、印加電圧6Vに比較して電圧12Vを印加
することにより、生物学的利用率を高めることができ
る。
【0032】実施例2 ペントバルビタール麻酔下にて雄性SDラット(7週
齢)の腹部をバリカンで剃毛し、シェーバーで処理した
後、70%エタノール水溶液を含む脱脂綿で軽く擦り脱
脂消毒した。図2に示すアプリケーターBを用いて、
0.01%塩化ベンザルコニウム(BAC)で前処理さ
れ、かつ1枚当たり、サケカルシトニンの保持量10μ
g(乾燥物基準)の薬物保持膜又はサケカルシトニン
の保持量20μg(乾燥物基準)の薬物保持膜の皮膚
接触面を、ラット腹部皮膚に貼付して固定した。また、
対照電極も実施例1と同様に貼付して固定した。そし
て、注入チップより蒸留水120μlを供給し乾燥薬物
を溶解させ、直流電圧12V、周波数40kHz、30
%dutyのパルス通電により、15分間の連続通電を
5分間隔で合計3回行った。なお、通電開始初期に測定
した電流密度は各個体の平均で約0.24mA/cm2
である。そして、実施例1と同様にして、血清中のサケ
カルシトニン濃度を調べたところ、図4に示す結果を得
た。
【0033】図4に示されるように、12Vの電圧を印
加するイオントフォレシスにおいて、サケカルシトニン
の保持量に応じて、血清中のサケカルシトニン濃度をコ
ントロールできた。また、生物学的利用率(BA)は、
薬物保持膜におけるカルシトニンの保持量10μgで
は23.3%、薬物保持膜におけるカルシトニンの保持
量20μgでは16.6%であり高い値を示した。
【0034】実施例3 実施例1および実施例2を繰り返すことにより得られた
合計48回の試験結果に基づいて、各々の実験での投与
後初期(1分)の電流値と、投与量20μgに換算した
AUC値との相関を調べたところ、図5に示す結果が得
られた。図5から明らかなように、投与初期の電流値が
0.2mA/2.5cm2 〜0.7mA/2.5cm2
(0.08〜0.28mA/cm2 )の範囲で高いAU
C値が得られた。
【0035】実施例4 ペントバルビタール麻酔下にて雄性SDラット(7週
齢)の腹部をバリカンで剃毛処理した後、70%エタノ
ール水溶液を含む脱脂綿で軽く擦り脱脂消毒した。図1
に示すアプリケーターAを用い、0.01%塩化ベンザ
ルコニウム(BAC)で前処理され、かつ1枚当たりサ
ケカルシトニン4μg(乾燥物換算)を保持する薬物保
持膜の皮膚接触面を、ラット腹部皮膚に貼付して固定
し、使用直前にリザーバーから水を供給し乾燥薬物を溶
解した。また、対照電極は実施例1と同様にして貼付固
定した。
【0036】そして、周波数30kHz、50%dut
yの共通する条件で、電圧12Vで5分間通電した
後、引き続き電圧7.5Vで40分間通電する方法、
電圧12Vで15分間通電した後、引き続き電圧7.5
Vで30分間通電する方法、および電圧12Vで15
分間通電する方法により、カルシトニンを経皮的に投与
した。また、実施例1と同様の方法で血清中サケカルシ
トニン濃度を調べたところ、図6に示す結果を得た。
【0037】図6に示されるように、電圧12Vで15
分間通電する方法に比べて、方法のように通電初
期に高い電圧を印加すると、その後に低い電圧で通電を
継続しても、血清中サケカルシトニン濃度が高い値を示
した。また、前記方法およびで得られた生物学的
利用率(BA)は、それぞれ、13.6%、14.2%
および3.6%であり、初期の短時間の高い電圧に引き
続き低い電圧を印加することにより高い生物学的利用率
(BA)が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例で用いたアプリケーターAの断面
図である。
【図2】図2は実施例で用いたアプリケーターBの断面
図である。
【図3】図3は実施例1における結果を示すグラフであ
る。
【図4】図4は実施例2における結果を示すグラフであ
る。
【図5】図5は実施例3における結果を示すグラフであ
る。
【図6】図6は実施例4における結果を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳井 薫雄 兵庫県姫路市市之郷町2丁目26番地 (72)発明者 岡部 敬一郎 東京都狛江市東野川3丁目14番地17号 (72)発明者 伊藤 雅起 神奈川県横浜市戸塚区南舞岡4丁目43番2 号

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧値3〜20Vの範囲内の実質的に一
    定の電圧下、電流密度0.05〜0.5mA/cm2
    通電することを特徴とするイオントフォレシスによるカ
    ルシトニン、その誘導体またはそれらの塩の経皮透過方
    法。
  2. 【請求項2】 電圧値が4〜15Vである請求項1記載
    の経皮透過方法。
  3. 【請求項3】 電流密度が0.08〜0.5mA/cm
    2 である請求項1記載の経皮透過方法。
  4. 【請求項4】 電流密度が0.08〜0.3mA/cm
    2 である請求項1記載の経皮透過方法。
  5. 【請求項5】 電圧値4〜15Vの範囲内の実質的に一
    定の電圧下、電流密度0.08〜0.3mA/cm2
    通電する請求項1記載の経皮透過方法。
  6. 【請求項6】 印加電圧を時系列的に複数の工程で段階
    的に低下させて通電する請求項1記載の経皮透過方法。
  7. 【請求項7】 電圧値5〜15Vの範囲内の実質的に一
    定の電圧で1〜30分通電する第1の通電工程と、第1
    の通電工程の後、電圧値1〜10Vの範囲内の実質的に
    一定の電圧で15〜100分通電する第2の通電工程と
    を含む請求項6記載の経皮透過方法。
  8. 【請求項8】 第1の通電工程の電圧値が6〜14Vで
    ある請求項7記載の経皮透過方法。
  9. 【請求項9】 第1の通電工程の通電時間が5〜20分
    である請求項7記載の経皮透過方法。
  10. 【請求項10】 第2の通電工程の電圧値が3〜9Vで
    ある請求項7記載の経皮透過方法。
  11. 【請求項11】 第2の通電工程の通電時間が20〜6
    0分である請求項7記載の経皮透過方法。
  12. 【請求項12】 電圧値6〜14Vの範囲内の実質的に
    一定の電圧で5〜15分通電した後、電圧値3〜9Vの
    範囲内の実質的に一定の電圧で30〜40分通電する請
    求項7記載の経皮透過方法。
  13. 【請求項13】 周波数0.1〜200kHzの直流パ
    ルス電圧を印加する請求項1記載の経皮透過方法。
  14. 【請求項14】 周波数1〜100kHzの直流パルス
    電圧を印加する請求項1記載の経皮透過方法。
  15. 【請求項15】 直流パルス電圧において1サイクル当
    たりの電圧印加時間の割合が10〜90%である請求項
    13記載の経皮透過方法。
  16. 【請求項16】 周波数1〜100kHz、1サイクル
    当たりの電圧印加時間の割合10〜70%である直流パ
    ルス電圧を利用し、電圧値4〜15Vの範囲内の実質的
    に一定の電圧下、電流密度0.08〜0.3mA/cm
    2 で通電する請求項1記載の経皮透過方法。
  17. 【請求項17】 周波数1〜100kHz、1サイクル
    当たりの電圧印加時間の割合10〜70%である直流パ
    ルス電圧を利用し、電流密度0.08〜0.3mA/c
    2 を維持しつつ、電圧値6〜14Vの範囲内の実質的
    に一定の電圧で5〜15分通電した後、電圧値3〜9V
    の範囲内の実質的に一定の電圧で30〜40分通電する
    請求項1記載の経皮透過方法。
  18. 【請求項18】 周波数1〜50kHz、1サイクル当
    たりの電圧印加時間の割合10〜70%の直流パルス電
    圧を利用し、さらにイオントフォレシスの皮膚接触面積
    として1〜50cm2 の条件で、電圧値6〜14Vの範
    囲内の実質的に一定の電圧で5〜15分通電した後、電
    圧値3〜9Vの範囲内の実質的に一定の電圧で30〜4
    0分間通電する請求項1記載の経皮透過方法。
  19. 【請求項19】 時間的間隔をおいた複数の工程で通電
    する請求項6記載の経皮透過方法。
  20. 【請求項20】 時間的間隔をおいた複数の工程で実質
    的に同じ一定の電圧を印加する請求項1記載の経皮透過
    方法。
  21. 【請求項21】 電圧値4〜15Vの範囲内の実質的に
    一定の電圧で1〜30分間通電する通電工程と、1〜3
    0分間通電を停止する工程と、電圧値4〜15Vの範囲
    内の実質的に一定の電圧で1〜30分間通電する通電工
    程とで構成された少なくとも1つのサイクルを含む請求
    項20記載の経皮透過方法。
  22. 【請求項22】 周波数1〜50kHz、1サイクル当
    たりの電圧印加時間の割合10〜70%の直流パルス電
    圧を利用し、さらにイオントフォレシスの皮膚接触面積
    として1〜50cm2 の条件で、電流密度0.1〜0.
    3mA/cm2 を維持しつつ、電圧値6〜14Vの範囲
    内の実質的に一定の電圧で1〜30分通電する通電工程
    と、この通電工程の後、1〜30分間通電を停止する工
    程と、周波数1〜50kHz、1サイクル当たりの電圧
    印加時間の割合10〜70%の直流パルス電圧を利用
    し、さらにイオントフォレシスの皮膚接触面積として1
    〜50cm2 の条件で、電流密度0.1〜0.3mA/
    cm2 を維持しつつ、電圧値6〜14Vの範囲内の実質
    的に一定の電圧で1〜30分通電する通電工程とで構成
    された少なくとも1つのサイクルを含む請求項20記載
    の経皮透過方法。
  23. 【請求項23】 直流電圧が印加可能な電極と、この電
    極と導通可能であり、かつ皮膚に対して接触可能である
    とともに、カルシトニンを透過可能に保持し、かつカル
    シトニン溶解液が供給可能であるインターフェイスとで
    構成されたアプリケーターと、 前記電極に直流電圧を印加するための電源と、 電流密度0.05〜0.5mA/cm2 を維持しつつ、
    前記電源からの電圧値3〜20Vの範囲内の実質的に一
    定の電圧下、前記電極に直流電圧を印加するための電圧
    安定化手段とを備えているイオントフォレシス用装置。
  24. 【請求項24】 直流電圧が印加可能な電極と、この電
    極と導通可能であり、かつ皮膚に対して接触可能である
    とともに、カルシトニンを透過可能に保持し、かつカル
    シトニン溶解液が供給可能であるインターフェイスとで
    構成されたアプリケーターを用いて、イオントフォレシ
    スによりカルシトニンの経皮吸収を促進するための方法
    であって、電流密度0.05〜0.5mA/cm2 を維
    持しつつ、電圧値3〜20Vの範囲内の実質的に一定の
    電圧を前記電極に印加する通電方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016163723A (ja) * 2006-04-13 2016-09-08 テバ・ファーマシューティカルズ・インターナショナル・ゲー・エム・ベー・ハー 抗片頭痛化合物の送達のための経皮的方法およびシステム

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