JPH1066733A - イオントフォレーシス用デバイス構造体 - Google Patents

イオントフォレーシス用デバイス構造体

Info

Publication number
JPH1066733A
JPH1066733A JP17889897A JP17889897A JPH1066733A JP H1066733 A JPH1066733 A JP H1066733A JP 17889897 A JP17889897 A JP 17889897A JP 17889897 A JP17889897 A JP 17889897A JP H1066733 A JPH1066733 A JP H1066733A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drug
device structure
dissolution type
exchange resin
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17889897A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeto Higo
成人 肥後
Hirotoshi Adachi
博敏 安達
Tatsuya Meya
龍也 目野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Original Assignee
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc filed Critical Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Priority to JP17889897A priority Critical patent/JPH1066733A/ja
Publication of JPH1066733A publication Critical patent/JPH1066733A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】使用前の薬物安定性を増大させ、非分極性電極
から溶出する金属イオンを特異的に遮断するとともに薬
物の逆拡散を防止し、使用時において、薬物の輸率を低
下させることなく、長時間にわたり有効な通電性を保持
するのに加え、皮膚への電極成分の付着を完全に抑制
し、薬物の高い生物学的利用率を達成するイオントフォ
レーシス用デバイスを得る。 【解決手段】(a)非分極性電極、(b)使用時に電極
から溶出するイオンの移動を特異的に阻止するイオン交
換樹脂を分散した親水性高分子ゲル層及び(c)薬物保
持体に薬物が乾燥状態に保持された薬物層を含み、デバ
イスの使用時に該薬物層を該親水性高分子ゲル層と当接
させることにより該乾燥状態の薬物を溶解するようにし
てなる使用時溶解型イオントフォレーシス用デバイス構
造体、並びに、該親水性高分子ゲル層及び/又は該薬物
層に保湿剤を含有させてなる使用時溶解型イオントフォ
レーシス用デバイス構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療分野において
薬物や生理活性物質を生体内へ送達するために適用され
る経皮又は経粘膜によって適用する使用時溶解型イオン
トフォレーシス用デバイスの構造体に関する。なお本明
細書中、薬物及び生理活性物質を併わせて適宜「薬物」
と指称する。
【0002】
【従来の技術】イオントフォレーシス(Iontoph
oresis)は外的刺激として電気を用いた経皮又は
経粘膜吸収促進システムであり、主として通電により陽
極及び陰極間に生じた電界中を正にチャージした分子が
陽極から出て陰極へ移動し、負にチャージした分子が陰
極から出て陽極へ移動する力に基づいて薬物分子の皮膚
バリヤー透過を促進させるシステムである〔ジャーナル
・オブ・コントロールド・リリース(Journal
of Controlled Release)18
巻、1992年、213−220頁;アドバンスト・ド
ラッグ・デリバリー・レビュー(Advanced D
rug Delivery Review)9巻、19
92年、119頁;ファルマシュウティカル・リサーチ
(Pharmaceutical Research)
3巻、1986年、318−326頁等参照〕。
【0003】最近の合成技術及び遺伝子工学の進歩によ
り、天然に存在するペプチドや蛋白質、若しくはこれら
のアミノ酸組成を変化させたものや化学的修飾を加えた
誘導体が、純粋にかつ大量に生産されるようになり、医
薬品としての応用が期待されている。しかしその一方
で、これらのペプチドや蛋白質に関する研究が進むにつ
れて、これらペプチドや蛋白質による多様な生理活性が
微妙で複雑な体内動態によって生理的にコントロールさ
れていることが理解されるようになり、それらのペプチ
ドや蛋白質を限定された疾病で薬効を最大限に発揮さ
せ、副作用を最小限に抑えるために、厳密な投薬コント
ロールに対応できるシステムが要求されるようになって
きた。例えば、カルシトニンは、骨吸収を抑制すること
により骨量の減少を抑制する作用を有し、骨粗鬆症やペ
ージェット病などの治療に用いられるが、過剰な投与は
食欲不振などの副作用の原因となり、また治療効果をあ
げるためには繰り返し頻回投与することが必要である。
【0004】また、ペプチドの中には投与方法如何によ
って異なる薬効を発現するものもある。例えば、副甲状
腺ホルモンは、骨吸収促進作用と骨形成促進作用との相
反する作用を有しているが、定速静注では骨吸収促進作
用が発現し、皮下注頻回投与では骨形成促進作用が強く
発現することが知られている。副甲状腺ホルモンの骨形
成作用を期待して骨粗鬆症等の治療薬として用いるため
には、徐放タイプではなく、パルス放出タイプの製剤で
なければならない。ところが、一般にこのような生理活
性ペプチド、或いは蛋白質は胃腸管内で消化液によって
分解されたり、消化管壁の分解酵素によって加水分解を
受け、吸収が悪いことが知られている。そのため、これ
らの生理活性ペプチド、或いは蛋白質は、経口投与では
充分な薬効を期待できないため、通常、注射による投与
が行われている。しかし、注射剤は患者に与える苦痛が
大きく、また自己投与が出来ないから、患者にとっては
大きな負担である。そしてこの点は、特に前述カルシト
ニンや副甲状腺ホルモンなどのように繰り返し連続投与
が要求される場合にはなおさらである。
【0005】ところで、製薬或いは医療の分野におい
て、こうした生理活性ペプチドや蛋白質の投与に対応で
きる新しい薬物送達システム(ドラッグデリバリーシス
テム)としてイオントフォレーシスが注目され、精力的
に研究されている。すなわち、従来は注射剤としてのみ
投与可能であった薬物をイオントフォレーシスにより患
者自身が自己投与し得るようにすれば、在宅治療への道
が開けることになる。また通電時間の精密な制御によ
り、任意の吸収パターンを作り出せ、特に内因性化合物
の補充療法においては、生体のサーカディアンリズムを
考慮して、より効果的な薬物治療が実現できると考えら
れる。
【0006】一方、イオントフォレーシスに使用される
デバイスに関しては、薬物を効率よく経皮吸収させるた
めの研究が精力的に行われている。このデバイスの基本
的構造は電解質を含む層と、少なくとも部分的にイオン
化された薬物からなる層からなるものであり、薬物層と
しては例えば不織布等の多孔質膜などが用いられる。そ
してその使用時には、電解質層中或いはその上面に予め
配置された電極を通じて電圧が印加され、薬物が多孔質
膜などの面から皮膚を通して生体内に送達される。
【0007】このようなデバイスにおいても、各種の数
多くの改良すべき点があり、例えば特表昭63ー502
404号では、電解質を含むキャビティと少なくとも部
分的にイオン化された薬物を含むキャビティとの間に、
電極から発生する競合イオンの移動を抑制するイオン交
換膜を介在させてなるデバイスが記載されている。また
US5,250,022やUS5,362,308にお
いては、ハウジングの中に電解質を収容した第1のチャ
ンバーとイオン化された薬物を収容した第2のチャンバ
ーとを備え、第1のチャンバーには電極から発生する競
合イオンの移動を抑制するためにイオン交換樹脂を含有
させ、さらに薬物の逆拡散を防ぐ半透膜を介在させてな
るデバイスが記載されている。
【0008】しかしこれらのデバイスにおいては、イオ
ン交換膜は乾燥させるとクラックが生じ、イオン選択性
が著しく低下する恐れがあり、そのような問題を回避す
る必要があるため、実際にデバイスを生産するに際して
はその分工程が複雑になる欠点がある。また上記両米国
特許では、第1のチャンバーにイオン交換樹脂及び半透
膜を使用しているために、半透膜と第1チャンバー部分
との接着が悪い場合、その隙間から薬物の逆拡散が起こ
ることも懸念される。また上述のとおり、これらのデバ
イスにおいては、別途イオン交換膜やイオン交換樹脂と
半透膜を介在させる点を必要不可欠としているため、そ
の構造自体が複雑である。
【0009】一方、デバイス中に含有される薬物が溶液
状態で不安定である場合、特に生理活性ペプチドや蛋白
質などでは溶液中で加水分解、会合或いは凝集などの非
可逆的な変化を起こし、保存中すなわちデバイスとして
使用する前に活性が低下してしまうことにもなってしま
う。そのような問題を改良するには薬物を乾燥状態で保
存する使用時溶解型のデバイスが有用である。その例と
してWO9324177においては、乾燥状態である電
極及び薬物を含むリザーバー層とその上部に配置した水
分供給層間のタブを引き抜くことで薬物を溶解するよう
にしたデバイスが記載され、また特開昭63ー1027
68号では乾燥状態である電極及び薬物層に水分補給用
カプセルを内設したデバイスが記載されている。
【0010】しかし、これらのデバイスでは、液体保持
のための特別な構造を有するため複雑なデバイス構造と
なってしまう。また、イオン選択機能を有するイオン交
換膜或いはイオン交換樹脂と組み合わせて使用するに
は、デバイス構造がさらに複雑となり、このためそれら
デバイスを現実に生産するにはその分多くの工程数を必
要とし、コストの面でも非常に高くなるという問題があ
る。
【0011】これまで知られた従来のイオントフォレー
シス用デバイスについての以上の諸問題点に加えて、さ
らに本発明者等は、それらのデバイスを現実に作製して
観察したところ、使用前においても薬物の逆拡散や電極
構成金属のイオン化が観察され、これらがデバイスとし
ての使用時における性能を阻害するばかりでなく、早期
に金属イオンが皮膚に達して生体内に吸収されて害毒を
及ぼし、さらにはその溶出金属イオンが移動するに伴
い、デバイスで本来送達すべき薬物の移動及び経皮吸収
を阻害することにもなっていることが観察された。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者等は、
イオントフォレーシス用デバイスについての以上の諸問
題点を解決すべく鋭意実験、研究、検討を重ねたとこ
ろ、非分極性電極と薬物層との間にイオン交換樹脂を分
散した親水性高分子からなるゲル層を配置するととも
に、該デバイスを使用時溶解型として構成することによ
り、非分極性電極から溶出する金属イオンの移動を特異
的に防止することができるとともに、使用時前において
も薬物の逆拡散が防止され、これらによってデバイス使
用時の通電性が長時間にわたって有効に保持され、薬物
が高い生物学的利用率で再現性よく経皮的に投与できる
ことを見い出し、本発明に到達するに至ったものであ
る。
【0013】すなわち、本発明は、溶液状態において不
安定な薬物をイオントフォレーシスにより投与するに際
して、保存時の薬物安定性を増大させ、かつ非分極性電
極から溶出する金属イオンの移動を特異的に防止すると
ともに、使用時前においても薬物の逆拡散を防止し、使
用時においては薬物の輸率を低下させることなく長時間
にわたり通電性を保持するとともに、皮膚への電極成分
の付着を完全に防止、抑制し、薬物の高い生物学的利用
率を与えるようにしてなるイオントフォレーシス用デバ
イス構造体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、イオン化され
る薬物を経皮又は経粘膜により生体内に投与するための
イオントフォレーシス用デバイスであって、(a)非分
極性電極、(b)使用時に電極から溶出するイオンの移
動を特異的に阻止するイオン交換樹脂を分散した親水性
高分子ゲル層及び(c)乾燥状態に保持された薬物層を
含み、該デバイスの使用時に薬物層を親水性高分子ゲル
層と当接させることにより、該乾燥状態の薬物を溶解す
るようにしてなることを特徴とする使用時溶解型イオン
トフォレーシス用デバイス構造体を提供するものであ
る。
【0015】また本発明は、イオン化される薬物を経皮
又は経粘膜により生体内に投与するためのイオントフォ
レーシス用デバイスであって、(a)非分極性電極、
(b)使用時に電極から溶出するイオンの移動を特異的
に阻止するイオン交換樹脂を分散した親水性高分子ゲル
層及び(c)薬物保持体に薬物が乾燥状態に保持された
薬物層を含み、また(d)該親水性高分子ゲル層及び該
薬物保持体の一方又は両方に保湿剤を含み、デバイスの
使用時に該薬物層を該親水性高分子ゲル層と当接させる
ことにより該乾燥状態の薬物を溶解するようにしてなる
ことを特徴とする使用時溶解型イオントフォレーシス用
デバイス構造体を提供する。なお、本発明のイオントフ
ォレーシス用デバイス構造体は通常皮膚に対して適用さ
れるが、粘膜に対しても適用できることは勿論である。
【0016】
【発明の実施の形態】上記非分極性電極は、陽極として
も陰極としても使用されるが、好ましくは陽極として使
用される。この非分極性電極が陽極として使用される場
合には、好ましくは銀又は銀を含有する混合物からなる
材料で構成される。また上記親水性高分子ゲル層として
は多糖類、その誘導体又はそれらの塩が用いられる。ま
たこの親水性高分子ゲル層に含有されるイオン交換樹脂
としては陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂の何れ
も使用されるが、好ましくは陰イオン交換樹脂が使用さ
れる。この陰イオン交換樹脂の好ましい一例としては四
級アンモニウム基を官能基とし、塩素イオンを含有する
陰イオン交換樹脂を挙げることができる。さらに薬物層
については、好ましくは多孔質又は毛細管構造を有する
部材からなる薬物層が使用される。またイオン化される
薬物としてはイオン化される経皮吸収可能な種々の薬
物、例えば分子量約8000以下の生理活性ペプチドや
蛋白質、或いは低分子量の薬物などが用いられる。この
うち生理活性ペプチドとしては例えばカルシウム調節ホ
ルモンを挙げることができ、その典型例としては副甲状
腺ホルモン、その誘導体又はそれらの塩から選ばれたカ
ルシウム調節ホルモンを挙げることができる。
【0017】本発明においては、親水性高分子ゲル層及
び/又は薬物層に保湿剤を含有させる。保湿剤により薬
物投与時に薬物溶解液からの水分の蒸発を抑制し、長期
間にわたり良好な通電性を保持するとともに、薬物の皮
膚透過の障壁となる角質に作用し、角質に傷害を与える
ことなく、通電応答的に(すなわち、薬物が、休電時に
は吸収されず、通電した時に吸収されるというように)
薬物の経皮又は経粘膜吸収性を促進させることができ
る。これによって、さらに薬物の高い生物学的利用効率
が得られる。この保湿剤については後に詳しく記載して
いるが、特に好ましくは尿素とLープロリンの混合物が
使用される。ここで「親水性高分子ゲル層及び/又は薬
物層に保湿剤を含有する」とは、親水性高分子ゲル層に
保湿剤を含有する場合と、薬物層に保湿剤を含有する場
合と、親水性高分子ゲル層と薬物層との両方に保湿剤を
含有する場合とを意味する。なお本明細書中「A及び/
又はB」という記載をしている箇所があるが、この記載
はAのみ、Bのみ(すなわちA又はBのうちの一
方)及びAとBの両者共という意味を含めた意味、す
なわちの場合との場合との場合を含めた意味であ
る。
【0018】図1は、上記使用時溶解型イオントフォレ
ーシス用デバイス構造体の使用前における一態様を示す
断面図であり、図2は、本発明における使用直前のデバ
イスの一態様を示す断面図である。図1〜図2におい
て、1は円筒状のくぼみ(円筒状の凹部)を有するカッ
プ型容器であり、容器1の下部端の周縁には延長部2が
設けられている。延長部2は、図示の態様では容器1の
本体と一体に構成しているが、容器1本体とは別体とし
て構成し、容器1下部端周縁に配置、固定するようにし
てもよい。また、3は電極、4は親水性高分子ゲル層、
5はイオン交換樹脂であり、該親水性高分子ゲル層4中
にイオン交換樹脂5が分散及び/又は混合されている。
電極3には電源と接続可能なように、カップ型容器1の
中心部に開けた小孔に接続端子(電源部へのコネクタ)
6が取付けられている。7は粘着層であり、容器1の下
部端周縁の延長部2の下面に固着して設けられ、デバイ
スとしての使用時に該粘着層7により皮膚に対して貼着
され、固定される。なお粘着層7は他の部材に比べて非
常に薄く、それで十分であるが、図では相対的に厚みを
もたせて示している。また、図1中9は水不透過性、不
透湿性のライナーであり、ライナー9により使用前には
水分の揮発が防止される。8は薬物保持膜であり、使用
時には薬物保持膜8の面が皮膚に接触するようにして用
いられる。
【0019】カップ型容器1は、図1〜図2に示す態様
では断面円形に構成されているが、その断面形状は三角
形、四角形、五角形・・・等の多角形、楕円形、雲形そ
の他適宜の形状とすることができる。この場合、親水性
高分子ゲル層4、薬物保持膜8等はカップ型容器のそれ
ら断面形状に合わせた形状で構成される。カップ型容器
1の下部端周縁の延長部2の下面は親水性高分子ゲル層
4の下面と同じレベルか又はほぼ同じレベルとなるよう
設計されている。またカップ型容器1は、図1〜図2に
示す態様ではそのようにカップ型に構成されているが、
その厚みはそのくぼみ(凹部)に配置されるゲル層4の
所要厚み等の如何により適宜設定でき、例えば皿状等に
構成することができる。
【0020】ここで、これらの容器1、電極3、粘着層
7等の各部材の材質としては各部材として所要の役割を
果たし得る材料を用いることができる。その材質及び寸
法の一具体例を述べると、カップ型容器1は例えばポリ
プロピレン製で内径約30mmとして構成することがで
きる。電極3としては例えばその底部に円形に打ち抜い
た箔型銀電極とし、直径約25mm、厚さ約0.04m
mとして構成される。親水性高分子ゲル層4は例えば寒
天ゲル層(例えばUP−16、商品番号、伊那食品社
製)で構成でき、親水性高分子ゲル層4には例えばコレ
スチラミン(強塩基性陰イオン交換樹脂)8wt%を含
有したイオン交換樹脂5が分散及び/又は混合される。
粘着層7は、例えば直径約23mmの孔を有する粘着性
シート(例えばブレンダーム、登録商標、3M社製)で
構成される。なお、図1に示した態様では、粘着層7の
直径をカップ型容器1の内径よりも小さくしているが、
両者の径は適宜選定することができる。
【0021】薬物保持膜8はその周縁部の面で粘着層7
に貼付することになるため、その径は粘着層7の孔の直
径約23mmより大きく、例えば直径約28mm程度、
厚み約0.125mm程度で構成される。薬物保持膜8
の材質としては、例えば親水デュラポア膜(登録商標、
ミリポア社製)で構成され、これに薬物が予め保持さ
れ、その面が皮膚に接触するようにして用いられる。ま
た、薬物溶解液からの水分の蒸発を抑制し、長期間にわ
たり通電性を保持すること等のため保湿剤成分、或いは
保湿剤及び緩衝液成分を用いる場合には、親水性高分子
ゲル層4及び/又は薬物保持膜8に配合させる。図2
は、本発明における使用直前のデバイスの一態様を示す
断面図であるが、図2中、矢印(↑)は粘着層7への薬
物保持膜8の当接、貼付方向を示している。デバイスと
して使用する直前に図1に示すライナー9を剥離して、
薬物保持膜8を粘着層7へ当接、貼付した後、薬物保持
膜8の下面が皮膚等の適用部に当接される。
【0022】イオントフォレーシスによる薬物の経皮投
与は、前記デバイスの電極と対照電極とに直流電圧を印
加し、通電することにより行うことができる。電源とし
ては連続直流電圧又はパルス直流電圧を印加し得る電源
がよいが、より好ましくはパルス直流電圧を印加し得る
電源が用いられる。パルス直流電圧の電源としては方形
型パルス直流電圧を印加し得る電源が特に好ましい。パ
ルス直流電圧の周波数は、好ましくは0.1から200
kHz、より好ましくは1から100kHz、特に好ま
しくは5から80kHzの範囲から適宜選択される。パ
ルス直流電圧のオン/オフ(on/off)の比は、1
/100から20/1であり、好ましくは1/50から
15/1、より好ましくは1/30から10/1の範囲
で適宜選択される。通電時間は連続通電で24時間以
下、好ましくは12時間以下、特に好ましくは6時間以
下である。他方、間欠通電では通電時間の総計が24時
間以下、好ましくは12時間以下、特に好ましくは6時
間以下である。
【0023】以下、本発明をさらに詳細に説明する。な
お、本明細書においてアミノ酸、ペプチド等に関して略
号で表示する場合には、IUPAC−IUBコミッショ
ン・オン・バイオケミカル・ノーメンクレーチャー(C
ommission onBiochemical N
omenclature)による略号又は当該分野にお
ける慣用略号に基づいて記載し、また、アミノ酸に光学
異性体があり得る場合には、特に明示しない限りL体を
意味している。
【0024】本発明のイオントフォレーシスデバイス構
造体は、非分極性電極と該電極と接するイオン交換樹脂
を含有する親水性高分子ゲル層を積層し、デバイスとし
ての使用時に、乾燥状態の有効成分を含有する薬物層を
親水性高分子ゲル層と接合させることにより薬物を溶解
させるようにしてなる使用時溶解型のイオントフォレー
シスデバイス構造体である。該構造体を補強する方法、
すなわちパッキングの組成や構造等は特に限定されるも
のではない。
【0025】本発明において使用される非分極性電極と
は、イオントフォレーシスにおいて通常用いられる溶液
組成物に対して、通電時に陽極での酸素ガス等の発生や
陰極での水素ガス等の発生がなく、それらに伴うpH変
化を起こさない電極である。その材質としては、例えば
銀、アルミニウム、亜鉛、銅又は鉄が挙げられる。中で
も、銀は抵抗値等の電気特性もよく、銀ペーストを用い
て製造すれば効率よく安価に製造することができる。ま
た、陰極用の電極に限れば、保存中に腐食などが起こら
なければ、あらゆる金属材料が使用可能である。これら
の非分極性電極においては、溶液のpH変化がなく、皮
膚刺激などに関する安全性も高い。
【0026】本発明において用いられる陽極用のイオン
交換樹脂としては、非分極性電極から溶出される金属イ
オンの移動を完全に阻止ないしは阻害し、皮膚への付着
を起こさないものであれば使用可能である。このような
性質を備えるイオン交換樹脂としては、まずキレート作
用により金属イオンの移動を阻止ないしは阻害するキレ
ート樹脂が使用される。その例としては例えばAmbe
rlite IRC−718,IRA−743(オルガ
ノ社製)、Diaion CR−10,CR−20,C
RB−02(三菱化成社製),Dowex A−1(ダ
ウ・ケミカル社製),Duolite C−467,C
S−346(ローム&ハース社製)、Lewatit
TP−207,TP−214,OC−1060(バイエ
ル社製)等を挙げることができる。
【0027】同じく本発明において用いられるイオン交
換樹脂としては、電極より溶出する金属イオンとの交換
反応を利用した陽イオン交換樹脂がある。その例として
は例えばAmberlite XT−1004,IR1
20B,IR−122,IR−124,252,XT−
1031,200C,IRC−50,IRC−76(オ
ルガノ社製)、Diaion SK−1B,SK−10
4,SK−110,PK−208,PK−216,WK
−10,WK−11,WK−20(三菱化成社製)、D
owex HCR−S,HGR−W2,88,MWC−
1H(ダウ・ケミカル社製)、Duolite C−2
0,C−26,C−264,C−3,C−433,C−
464(ローム&ハース社製)、Imac C−12,
C−16P,Z−5,GT−73,Lewatit S
−100,SP−112,SP−120,S−109,
CNP−80(バイエル社製)、或いは無機イオン交換
体である、例えばBio−Rad ZP−1,ZM−
1,ZT−1,AMP,KCF−1,HZO−1,HT
O−1(Bio−Rad社製)、AMD−Erba,H
MD−Erba,HAP−Erba,ZPH−Erb
a,TDO−Erba,COX−Erba,AAO−E
rba,CUC−Erba,CUS−Erba(Car
lo Erba社製)、Zerwat,Allasio
n Z(Dia−Prosim社製)、Ionac C
100,C101,C102,M−50(Ionac.
Chem.Comp.社製)、Decalsco(F,
Y),Zeo−Dur,Zeroliteグリーンサン
ド(Permit社製)、IXE−300,IXE−4
00,IXE−100,IXE−500,IXE−10
00(東亜合成化学工業社製)等を挙げることができ
る。
【0028】同じく本発明において用いられるイオン交
換樹脂としては、電極イオンとの化学反応を利用した陰
イオン交換樹脂がある。その例としては例えばAmbe
rlite IRA−400,IRA−401,IRA
−402,IRA−420,XT−5007,IRA−
900,IRA−904,IRA−938,IRA−4
58,IRA−958,IRA−410,IRA−41
1,IRA−416,IRA−910,IRA−68,
IRA−35(オルガノ社製)、DiaionSA−1
0A,SA−11A,SA−12A,PA−306,P
A−312,PA−318,SA−20A,SA−21
A,PA−406,PA−412,PA−418(三菱
化成社製)、Dowex SBR,SBR−P,11,
MSA−1,SAR,MSA−2,66,WGR−2
(ダウ・ケミカル社製)、Duolite A−113
プラス,A−147,A−161,A−132,A−1
16プラス,A−162,A−368,A−7(ローム
& ハース社製)、Imac A−34,A−33,A
−31,A−32,A205,A−28,Lewati
t M−500,MP−500,AP−247A,M−
600,MP−600,MP−62,OC−1059,
CA−9222(バイエル社製),コレスチラミンなど
が使用される。本発明においては、これらの何れも使用
されるが、好ましくは陰イオン交換樹脂が用いられ、さ
らに好ましくは陰イオン交換樹脂において塩素イオンを
含む四級アンナモニウム塩が用いられる。また、高分子
基体としてはスチレン系、アクリル系、メタクリル系な
どが一般に使用されるが、これらに限定されることな
く、イオン交換樹脂用の高分子基体であれば使用され
る。また、機能性に影響なければ溶解型の樹脂であって
も難溶性の樹脂であっても使用可能である。
【0029】例えば、陽極に2価金属イオン(X2+)を
含有する電極を用い、キレート樹脂としてイミノジ酢酸
型の樹脂及び溶媒として水を使用した時の樹脂層での反
応は下記式(A)で示される。
【数 1】 R−N(CH2COOH)2 + X2+ → R−N(CH2COO)2 2-・X2+ + 2H+ ・・・(A) このように、電極より溶出するイオンは樹脂層において
捕捉され、皮膚への移行が抑制される。このタイプの他
の樹脂としてポリアミン型、リン酸型、アミノリン酸
型、チオール型、ジチオカルバミン酸型、アミドキシム
型及びグルカミン型等を挙げることができる。
【0030】別の例として、陽極に1価金属イオン(X
+) を含有する電極を用い、陽イオン交換樹脂としてス
ルホン酸型の樹脂(対イオンがナトリウムイオンの場
合)及び溶媒として水を使用した時の該樹脂中での反応
は下記式(B)で示される。
【数 2】 R−SO3Na + X+ → R−SO3 -・X+ + Na+ ・・・(B) このように、電極より溶出するイオン(X+) は樹脂層
において捕捉され、皮膚への移行が防止され抑制され
る。このタイプの他の樹脂としてカルボン酸型等を挙げ
ることができる。
【0031】無機イオン交換体の場合においても、電極
より溶出する金属イオンは、無機イオン交換体中の対イ
オンとの交換により捕捉され、皮膚への移行が防止され
る。このような無機イオン交換体の例としては、合成ア
ルミノケイ酸塩、無水二酸化マンガン、含水二酸化マン
ガン、含水五酸化アンチモン、リン酸ジルコニウム、リ
ン酸チタン、リン酸スズ(IV)、モリブデン酸ジルコ
ニウム、タングステン酸ジルコニウム、シュウ酸セリウ
ム(III)、モリブドリン酸アンモニウム、ヘキサシ
アノ鉄(III)コバルト(II)カリウム、グリーン
サンド、塩化銅(I)、硫化銅(I)等を挙げることが
できる。
【0032】また別の例として、陽極に一価金属イオン
を含有する電極を用い、陰イオン交換樹脂としてトリメ
チルアミン型の四級アンモニウム塩(イオンが塩素の場
合)及び溶媒として水を使用した時の電極表面での反応
は下記式(C)で示される。金属イオンが銀イオンであ
る場合、銀イオンと塩素イオンの反応は速く、電極表面
又はその近辺での反応になる。このように電極から溶出
する銀イオンは電極表面又はその近辺において、塩化銀
となり、皮膚への移行が防止され抑制される。このタイ
プの他の樹脂としては四級アンモニウム(ジメチルアミ
ン型)のほか、一級アミン、二級アミン、三級アミン等
があり、また対イオンとしては水酸基又は塩素イオンな
どがある。
【数 3】 R-N(CH33Cl + Ag+ → R-N(CH33 + + AgCl ・・・(C)
【0033】本発明において使用される親水性高分子ゲ
ル層には、イオン交換樹脂を分散でき、デバイスとして
の使用時に薬物層中の有効成分を溶解できる素材が用い
られる。その親水性高分子ゲルは離水により薬物を溶解
させ、かつ薬物の逆拡散を抑制する機能を有する。その
ような親水性高分子ゲルには多糖類、その誘導体又はそ
れらの塩などがあり、例えば寒天、キサンタンガム、ロ
ーカストビーンガム、カラギーナン、ジェランガム、タ
マリンドガム、カードラン、ペクチン、ファーセレラ
ン、グアーガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、
タラガム、カラヤガム、セルロース及びその誘導体等が
挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合せて用
いられる。またゲル層には、必要に応じて電解質、pH
調整剤、安定化剤、増粘剤、湿潤剤、界面活性剤、溶解
補助剤、吸収促進剤、防腐剤等を添加してもよい。
【0034】次に、イオントフォレーシス用デバイスを
構成する薬物保持体としては、薬物を保持でき、薬物が
透過可能な多孔質又は毛細管構造を有する種々の部材
(本明細書中、両者を含めて単に多孔質体という場合が
ある)が用いられる。このような多孔質体としては、有
機多孔質体が好ましく用いられる。この例としては例え
ばセルロースなどの天然繊維、セルロースアセテートな
どの半合成繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイ
ロン、ポリエステルなどの合成繊維などで形成された繊
維集合体、紙などのシート、織布や不織布などの布、多
孔質ポリプロピレン、多孔質ポリスチレン、多孔質ポリ
メタクリル酸メチル、多孔質ナイロン、多孔質ポリスル
フォン、多孔質フッ素樹脂、親水性基を導入されたフッ
化ポリビニリデン等の多孔質合成樹脂などを挙げること
ができる。特に親水性基を導入されたフッ化ポリビニリ
デンはペプチドなどの薬物に対して低吸着性で、水と接
触したときに容易に薬物を放出する特性を持つためによ
り好ましく用いられる。
【0035】また、多孔質体の形状については特に制限
はなく、シート状その他適宜の形状で構成される。それ
がシート状多孔質体である場合、その厚みは薬物の保持
量などに応じて適宜選択でき、例えば約1〜約500μ
m程度、好ましくは約10〜約200μmの範囲であ
る。また多孔質体は柔軟性(含:可撓性)や可塑性を有
してもよく、また非変形性であってもよいが、この多孔
質体は皮膚への当接面となるため柔軟性や可塑性である
のが好ましい。シート状多孔質体の面積は薬物の保持
量、これが当接される皮膚や粘膜の面積などに応じて適
宜選択でき、例えば約1〜100cm2 の範囲、好まし
くは約1〜20cm2 、さらに好ましくは約2〜10c
2 の範囲である。さらにシート状多孔質体の孔径につ
いては薬物の保持量や放出性などを損なわない範囲で適
宜選択でき、例えば平均孔径0.01〜50μm、好ま
しくは約0.2〜20μmの範囲とすることができる。
【0036】また、本発明において多孔質体に保持され
る薬物としては、イオン化される経皮吸収可能な種々の
薬物、例えば分子量約8000以下の生理活性ペプチド
や蛋白質、或いは低分子量の薬物などが用いられる。イ
オン化される薬物は保持された薬物の少なくとも一部が
イオン化されればよい。イオン化される薬物は、アニオ
ン化される薬物であっても、カチオン化される薬物であ
っても使用できるが、好ましくはカチオン化される薬物
が使用される。生理活性ペプチドとしては、例えば以下
(1)〜(9)に示すようなペプチドが用いられ、これ
らの中でも好ましくは分子量5000以下のものが使用
される。
【0037】(1)黄体形成ホルモン放出ホルモン
(LH−RH)、LH−RHと同様な作用を有する誘
導体、例えば下記式(I)で表わされるポリペプチド
又はそれらの塩〔米国特許第3853837号、同第4
008209号、同第3972859号、英国特許第1
423083号、プロシーデイングス・オブ・ザ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Procee
dings of the National Aca
demy of Science)第78巻、6509
〜6512頁(1981年)参照〕。
【化 1】 (Pyr)Glu-R1-Trp-Ser-R2-R3-R4-Arg-Pro-R5 ・・ ・・・(I) 〔式(I)中、R1 はHis、Tyr、Trp又はp-
NH2-Phe 、R2 はTyr又はPhe、R3 はGl
y又はD型のアミノ酸残基、R4 はLeu、Ile又は
Nle、R5 はGly-NH-R6 (R6 はH又は水酸基
を有していてもよい低級アルキル基)又はNH-R6(R
6 は上記と同意義)を示す〕
【0038】(2)LH−RH拮抗物質、例えば下
記式(II)で表わされるポリペプチド又はそれらの塩
(米国特許第4086219号、同第4124577
号、同第4253997号、同第4317815号参
照)。
【化 2】 N-α-t-ブトキシカルボニル-O-ベンジル-Ser-Trp-Ser-Tyr-X 1-Leu-Arg-Pro-GlyNH2 ・・・・・(II) 〔式(II)中、X1 はD-Ser又はD-Trpを示
す〕
【0039】(3)インスリン、ソマトスタチン、
ソマトスタチン誘導体、例えば下記式(III)で
表わされるポリペプチド又はそれらの塩(米国特許第4
087390号、同第4093574号、同第4100
117号、同第4253998号参照)。
【化 3】 〔式(III)中、YはD-Ala、D-Ser又はD-
Val、ZはAsn又はAlaを示す〕
【0040】(4)副賢皮質刺激ホルモン(ACT
H)、メラノサイト刺激ホルモン(MSH)、甲状
腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)及びそれらの誘
導体、例えば下記式(IV)で表わされる化合物又は
それらの塩(特開昭50ー121273号、特開昭52
ー116465号参照)。
【化 4】 〔式(IV)中、Xaは4、5又は6員複素環基を、Y
aはイミダゾール−4−イル又は4−ヒドロキシフェニ
ルを、ZaはCH2 又はSを、R1a、R2aは同一又は
異なって水素若しくは低級アルキル基を、R3a は水素
又は置換基を有していてもよいアラルキル基を示す〕
【0041】(5)副甲状腺ホルモン(PTH)及び
その誘導体、例えば下記式(V)で表わされるペプチ
ド又はそれらの塩(特開平5ー32696号、特開平4
ー247034号、ヨーロッパ特許公開第510662
号、同第477885号、同第539491号公報参
照)、ヒト型PTHのN末端(1→34位)のペプチ
ドフラグメント(以下、hPTH(1→34)と略称す
る)など〔G.W.Tregearら、エンドクリノロ
ジー(Endocrinology),93,1349
一1353(1973)参照〕、バソプレシン、バソ
プレシン誘導体{デスモプレシン〔日本内分泌学会雑
誌、第54巻、第5号、第676〜691頁(197
8)〕参照}。特に、上記PTH及びその誘導体、その
ペプチド又はそれらの塩、hPTH(1→34)を用い
たイオントフォレーシス投与時の適応疾患としては骨粗
鬆症、骨折、心筋梗塞などが挙げられる。
【化 5】 R1′-Val-Ser-Glu-Leu-R2′-His-Asn-R3′-R4′-R5 ′-His-Leu-Asn-Ser-R6′-R7′-Arg-R8′-Glu-R9′-L eu-R10′-R11′-R12′-Leu-Gln-Asp-Val-His-Asn-R13 ′ ・・・・・(V) 〔式(V)中、R1′はSer又はAib、R2′はMe
t又は天然型の脂溶性アミノ酸、R3′はLeu、Se
r、Lys又は芳香族アミノ酸、R4′はGly又はD
−アミノ酸、R5′はLys又はLeu、R6′はMet
又は天然型の脂溶性アミノ酸、R7′はGlu又は塩基
性アミノ酸、R8′はVal又は塩基性アミノ酸、R9′
はTrp又は2−(1,3−ジチオラン−2−イル)T
rp、R10′はArg又はHis、R11′はLys又は
His、R12′はLys、Gln又はLeu、R13′は
Phe又はPhe−NH2を示す〕
【0042】(6)オキシトシン、カルシトニン、
カルシトニンと同様な作用を有する誘導体、例えば
下記式(VI)で表わされる化合物又はそれらの塩〔エ
ンドクリノロジー(Endocrinology)19
92,131/6(2885−2890)参照〕、グ
ルカゴン、ガストリン、セクレチン、コレシスト
キニン、アンジオテンシン。
【化 6】 〔式(VI)中、Xbは2−アミノスベリン酸である〕
【0043】(7)エンケファリン、エンケファリ
ン誘導体、例えば下記式(VII)で表わされるペプチ
ド又はそれらの塩(米国特許第4277394号、ヨー
ロッパ特許出願公開第31567号公報参照)等のオリ
ゴペプチド及びエンドルフィン。
【化 7】 〔式(VII)中、R1CとR3Cは 水素又は炭素数1から
6のアルキル基、R2Cは水素又はD−α−アミノ酸、R
4Cは水素又は炭素数1から8の置換されていてもよい脂
肪族アシル基を示す〕
【0044】(8)キョウトルフィン、インターロ
イキン(IからXI)、タフトシン、サイモポイエ
チン、胸腺液性因子(THF)、血中胸腺因子(F
TS)及びその誘導体、例えば下記式(VIII)で表わ
されるペプチド又はそれらの塩(米国特許第42294
38号参照)、及び、その他の胸腺ホルモン〔サイモ
シンα1 及び β4、サイミックファクターX等、医学の
あゆみ、第125巻,第10号,835−843頁(1
983年)参照〕。
【化 8】 PGlu-Xd-Lys-Ser-Gln-Yd-Zd-Ser-Asn-OH ・・・ ・・(VIII) 〔式(VIII)中、XdはL-Ala又はD-Ala、Yd
及びZdは各々Gly又は炭素数3から9のD−アミノ
酸を示す〕
【0045】(9)(a)モチリン、(b)デイノルフィ
ン、(c)ボムベシン、(d)ニュウロテンシン、(e)セル
レイン、(f)ブラディキニン、(g)ウロキナーゼ、(h)
サブスタンスP、(i)ポリミキシンB、(j)コリスチ
ン、(k)グラミシジン、(l)バシトラシン、(m)タンパ
ク合成刺激ペプチド、(n)胃酸分泌抑制ポリペプチド
(GIP)、(o)バソアクティブ・インティスティナル
・ポリペプチド〔vasoactive intest
inal polypeptide(VIP)〕、(p)プ
レートレット−ディライブド・グロース・ファクター
〔platelet−derived growth
factor(PDGF)〕、(q)成長ホルモン分泌因
子(GRF,ソマトクリニン)。
【0046】これらの生理活性ペプチドはヒト型でも他
の動物、例えばウシ、ブタ、ニワトリ、サケ、ウナギ由
来のものでもよく、さらにはヒトとそれら動物由来のも
ののキメラ体でもよい。さらに一部構造を変化させた活
性誘導体でもよい。例えばブタ由来のインスリンや、カ
ルシトニンではブタ、ニワトリ、サケ、ウナギ由来のも
の、或いはヒトとサケのキメラ体であって、下記式(I
X)で表わされるペプチド〔エンドクリノロジー(En
docrinology)1992,131/6(28
85−2890)参照〕などが用いられる。
【化 9】 Cys-Gly-Asn-Leu-Ser-Thr-Cys-Met-Leu-Gly- Lys-Leu-Ser-Gln-Glu-Leu-His-Lys-Leu-Gln-T hr-Tyr-Pro-Arg-Thr-Asn-Thr-Gly-Ser-Gly-Th r-Pro ・・・・・(IX)
【0047】本発明において適用される低分子量の薬物
としては、分子量が約1000以下であり、薬理活性を
有する化合物が含まれる。低分子量の薬物の種類は特に
制限されず、例えば抗生物質、抗真菌剤、抗高脂血症
剤、循環器用剤、抗血小板薬、抗腫瘍剤、解熱、鎮痛、
消炎剤、鎮咳去たん剤、鎮静剤、筋弛緩剤、抗てんかん
剤、抗潰瘍剤、抗うつ剤、抗アレルギー剤、強心剤、血
管拡張剤、降圧利尿剤、不整脈治療剤、糖尿病治療剤、
抗凝血剤、止血剤、抗結核剤、ホルモン剤、麻薬拮抗
剤、骨吸収抑制剤、血管新生阻害剤、局所麻酔剤などが
用いられる。
【0048】上記抗生物質としては、例えばゲンタンマ
イシン、リピドマイシン、シソマイシン、塩酸テトラサ
イクリン、アンピシリン、セファロチン、セフォチア
ム、セファゾリン、チエナマシン、スルファゼシンなど
が用いられる。抗真菌剤としては例えば2−[(1R,
2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル−2−ヒド
ロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル)プロピル]−4−[4−(2,2,
3,3−テトラフルオロプロポキシ)フェニル]−3
(2H,4H)−1,2,4−トリアゾロンなどが用い
られる。また抗高脂血症剤としては、例えばプラバスタ
チン、シンバスタチンなどが用いられ、循環器用剤とし
ては、例えば塩酸デラプリルなどが用いられる。
【0049】上記抗血小板薬としては、例えばチクロピ
ジン、シロスタゾール、リマプロスタット、アスピリン
などが用いられ、また抗腫瘍剤としては例えば塩酸ブレ
オマイシン、アクチノマシンD、マイトマシンC、アド
リアマイシン、フルオロウラシルなどが用いられる。解
熱、鎮痛、消炎剤としては、例えばサリチル酸ナトリウ
ム、スルピリン、インドメタシンナトリウム、ジクロフ
ナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、塩酸ブ
プレノルフィン、ペンタゾシン、臭化水素酸エプタゾシ
ン、酒石酸ブトルファノール、塩酸トラマゾール、ケト
ロラク、塩酸メペリジン、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒ
ネ、ハイドロモルフォン(ハイドロモルヒネ)、クエン
酸フェンタニル、フェンタニルなどが用いられる。また
鎮咳去たん剤としては例えば塩酸エフェドリン、リン酸
コディン、塩酸ピコペリダミンなどが用いられる。鎮静
剤としては例えば塩酸クロルプロマジン、硫酸アトロピ
ンなどが用いられ、局所麻酔剤としては例えばリドカイ
ンなどが用いられ、筋弛緩剤としては例えばメタンスル
ホン酸プリジノール、塩化ツボクラリンなどが用いら
れ、抗てんかん剤としては例えばフェニトインナトリウ
ム、エトスクシミドなどが用いられる。
【0050】上記抗潰瘍剤としては、例えばメトクロプ
ロミドなどが用いられ、抗うつ剤としては、例えばイミ
プラン、硫酸フェネルジンなどが用いられる。抗アレル
ギー剤としては、例えば塩酸ジフェニルヒドラミン、塩
酸トリペレナミン、塩酸クレミゾールなどが用いられ、
強心剤としては、例えばトランスバイオキソカンファ
ー、テオフィロールなどが用いられる。不整脈治療剤と
しては、例えば塩酸プロプラノール、塩酸オキシプレノ
ールなどが用いられる。血管拡張剤としては、例えば塩
酸オキシフェドリン、塩酸トラゾリン、硫酸パメタンな
どが用いられる。降圧利尿剤としては、例えばペントリ
ニウム、ヘキサメトニウムブロミドなどが用いられる。
糖尿病治療剤としては、例えばグリミジンナトリウム、
グリピザイド、メトフォルミンなどが用いられ、また抗
疑血剤としては、例えばクエン酸ナトリウムなどが用い
られる。
【0051】さらに上記止血剤としては、例えばメナジ
オン亜硫酸水素ナトリウム、アセトメナフトン、トラネ
キサム酸などが用いられる。抗結核剤としては、例えば
イソニアジド、エタンブトールなどが用いられる。ホル
モン剤としては、例えばβエストラジオール、テストス
テロン、コハク酸プレドニゾロン、デキサメタゾン硫酸
ナトリウム、メチマゾールなどが用いられる。麻薬拮抗
剤としては、例えば酒石酸レバロルファン、塩酸ナロル
フィンなどが用いられる。骨吸収抑制剤としては、例え
ば(硫黄含有アルキル)アミノメチレンビスフォスフォ
ン酸などが用いられる。血管新生阻害剤としては、例え
ば血管新生抑制ステロイド〔サイエンス(Scienc
e)第221巻、719頁(1983年)参照〕、フマ
ギロール誘導体〔例えば、O−モノクロロアセチルカル
バモイルフマギロール、O−ジクロロアセチルカルバモ
イルフマギロール(ヨーロッパ特許出願公開第3570
61号公報、同359036号公報、同386667号
公報、同4l5294号公報、等参照)〕などが用いら
れる。
【0052】以上の薬物は、例えば注射用蒸留水、注射
用生理食塩水等で溶液とした後に薬物保持層に、通常用
いられる方法、例えば含浸、噴霧、滴下し、乾燥するこ
とにより保持させることができる。また、イオントフォ
レーシスによる薬物投与時に保湿剤が薬物溶解液からの
水分の蒸発を抑制し、長期間にわたり通電性を保持する
とともに、薬物の皮膚透過の障壁となる角質に作用し、
角質に傷害を与えることなく通電応答的に(すなわち、
薬物が、休電時には吸収されず、通電した時に吸収され
るという態様で)薬物の経皮吸収性を促進し、薬物の高
い生物学的利用効率を与えるため、イオントフォレーシ
ス用薬物投与組成物に保湿剤を含むことを特徴とするイ
オントフォレーシス用薬物投与組成物を用いることによ
り、さらに有効に投与することができる。
【0053】上記保湿剤としては薬物溶解液からの水分
の蒸散を抑制し、皮膚表面、粘膜表面及び薬物保持体中
で水分を保留し、皮膚や粘膜に対して悪影響を及ぼすこ
となく皮膚の角質や粘膜に作用する物質であれば特に限
定されないが、好ましくはアミド類が用いられる。アミ
ド類の例としては尿素、ジメチルアセタミド、ジエチル
トルアミド、ジエチルホルマミド、ジメチルオクタミ
ド、ジメチルデカミド、生体分解性尿素(1−アルキル
−4−イミダゾリン−2−オン)、N−メチル−2−ピ
ロリドン、2−ピロリドン、1−ラウリル−2−ピロリ
ドン、1−メチル−4−カルボキシ−2−ピロリドン、
1−ヘキシル−4−メトキシカルボニール−2−ピロリ
ドン、1−ヘキシル−4−カルボキシ−2−ピロリド
ン、1−ラウリル−4−カルボキシ−2−ピロリドン、
1−メチル−4−メトキシカルボニール−2−ピロリド
ン、1−ラウリル−4−メトキシカルボニール−2−ピ
ロリドン、N−シクロヘキシルピロリドン、N−ジメチ
ルアミノプロピルピロリドン、N−ココアルキルピロリ
ドン、N−タロワルキルピロリドン、N−(2−ヒドロ
キシエチル)−2−ピロリドン、1−ドデシルアザシク
ロヘプタン−2−オン、1−ゲラニールアザシクロヘプ
タン−2−オン、1−ファルネシルアザシクルヘプタン
−2−オン、1−(3,7−ジメチルオクチル)アザシ
クロヘプタン−2−オン、1−(3,7,11−トリメ
チルドデシル)アザシクロヘプタン−2−オン、1−ゲ
ラニルアザシクロヘキサン−2−オン、1−ゲラニルア
ザシクロペンタン−2,5−ジオン、1−ファルネシル
アザシクロペンタン−2−オン、1−〔2−(デシルチ
オ)エチル〕アザシクロペンタン−2−オンが挙げられ
る。これらのうち特に好ましくは尿素やN−メチル−2
−ピロリドンなどが用いられる。尿素及びN−メチル−
2−ピロリドンの場合には、両者を併用すればさらに有
効である。
【0054】また、アミド類に加えて、イオントフォレ
ーシス投与時の皮膚刺激を更に低減するために、併用保
湿剤としてアミノ酸又はその誘導体を用い、その混合物
を用いると更に有効である。併用保湿剤としては、多価
アルコール、糖アルコール、酸性ムコ多糖、アミノ酸
(この場合はアミノ酸誘導体、環状アミノ酸を含む)が
挙げられ、これらのうちアミノ酸、アミノ酸誘導体、環
状アミノ酸については特に限定はしないが、グリシン、
アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、
スレオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、フェニル
アラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、ハイ
ドロキシプロリン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、
Lーαーアミノブチル酸、Lーメチルグルタミン酸、α
ーメチルーDーセリン、ピロリドンカルボン酸、ピペリ
ジルカルボニル、ピペリジルメチルカルボニル、ピロリ
ジニルカルボニル(プロリル)、ピロリジルメチルカル
ボニル等が好ましく用いられ、特に好ましくはL−プロ
リンが挙げられる。また、これらの保湿剤を含む薬物投
与組成物中の薬物は、好ましくは緩衝液によりカチオン
化された薬物として適用される。その緩衝液は例えばク
エン酸又はその塩及び/又は水和物等の炭素数2〜6の
水溶性脂肪属族カルボン酸を含む緩衝液として使用すれ
ば更に有効である。
【0055】また、薬物が生理活性ペプチドである場合
には、前記薬物溶液に例えば二糖類(例えばトレハロー
ス、マルトース、マンニトール、イノシトール等)など
を例えば1〜100mg/ml程度の割合で添加しても
よい。二糖類の添加により薬物の乾燥状態での安定性が
増大する。薬物を保持させた薬物保持層は、乾燥状態で
保存することにより薬物の活性を保ったまま長期間保存
することができる。具体的には、例えば薬物を保持させ
た薬物保持層を良く乾燥後、水分の透過性の低いフィル
ム(例えばアルミニウム製フィルム等)で真空密封包装
するなどの方法が用いられる。さらに乾燥状態を確実な
ものにするために、乾燥剤〔例えば、セラム(登録商
標、東海化学社製)などのゼオライト製乾燥剤やシリカ
ゲル製乾燥剤など〕を真空密封包装時に同封してもよ
い。また薬物が酸素により酸化分解を起こす場合には、
上記乾燥剤に加えて酸素吸収剤〔例えば、エイジレス
(登録商標、三菱瓦斯化学社製)等〕を同封してもよ
い。
【0056】薬物の薬物保持層への保持量は、薬物の種
類、薬物保持層の種類、投与部位などに応じた有効量で
あればよく、例えば薬物保持層1cm2 当たり約0.1
〜50000μgの範囲、好ましくは約0.5〜100
0μgの範囲で用いられる。さらに薬物を溶解する液に
は、生理活性ペプチド及び蛋白質の吸着損失を防止する
適当な吸着防止剤〔例えば牛血清アルブミン(BSA)、
ヒト血清アルブミン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベン
ゼトニウム、Tween80等〕を含有させることがで
きる。
【0057】
【実施例】以下、使用時溶解型イオントフォレーシスを
用いた実験例に基づき本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明がこれらの実施例に限定されないことは勿論
である。実験例1においては、ヒト副甲状腺ホルモン
〔hPTH(1→34)〕を例としてイオン交換樹脂に
よる電極イオンの溶出阻止効果と薬物吸収について検討
した。実験例2では、サーモンカルシトニン(sCT)
を例として薬物吸収に及ぼすイオン交換樹脂の影響につ
いて検討し、さらに実験例3及び実験例4では、hPT
H(1→34)を例とし、保湿剤を併用した場合につい
て、イオン交換樹脂による電極イオンの溶出阻止効果と
薬物吸収について検討した。以下の各成分の含量はすべ
て重量%で表記している。
【0058】《実験例1》本実験例1は、図1〜2に示
す態様のデバイスを用いて実施した。構成材料及び寸法
は図1〜2についての前記説明中具体的一例として記載
した材料や寸法で構成したものである。ペントバルビタ
ールによる麻酔下でSDラット雄性(7週令)の腹部皮
膚をバリカンで剃毛し、シェーバで処理した後、70%
エタノール水溶液を含む脱脂綿で軽く擦って脱脂消毒し
た。ラット腹側部皮膚に薬物適用アプリケータを貼付し
て、対照電極(陰電極)として12%PVAゲル(ポリ
ビニルアルコールゲル、塩化ナトリウムを0.9%含
有、厚み2mm)を用いた。前記アプリケータには銀電
極を、対照電極(陰電極)としては塩化銀電極(2.5
cm2) を固定した。
【0059】またイオントフォレーシスにおいては短絡
スイッチによるパルス脱分極(周波数:30kHz、o
n/off:3/7、電圧:10V)を用い、45分間
通電(15分間通電、5分間通電停止を3回繰り返し
た)を行った。血清中のhPTH(1→34)濃度はR
at PTH Kit(ニコルス社製)を用いてラジオ
イムノアッセイ法により測定した。薬物はhPTH(1
→34)40μgを薬物保持膜8に含有させて実験を行
った。各成分の含量はすべて重量%で表記している。図
1の親水性高分子ゲル層4の組成比として下記の組成液
を用いた。表1は実施例1〜7で用いた各イオン交換樹
脂を示したものである。
【0060】
【表 1】
【0061】〈実施例1〉 成 分 含 量(%) 寒 天 1 Amberlite IRC-718(オルガノ社製) 50 注射用蒸留水 49 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0062】〈実施例2〉 成 分 含 量(%) 寒 天 1 Amberlite IR-120B(オルガノ社製) 50 注射用蒸留水 49 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0063】〈実施例3〉 成 分 含 量(%) 寒 天 1 Amberlite CG-50(オルガノ社製) 50 注射用蒸留水 49 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0064】〈実施例4〉 成 分 含 量(%) 寒 天 1 Amberlite IRA-400(オルガノ社製) 50 注射用蒸留水 49 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0065】〈実施例5〉 成 分 含 量(%) 寒 天 1 Amberlite IRA-410(オルガノ社製) 50 注射用蒸留水 49 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0066】〈実施例6〉 成 分 含 量(%) 寒 天 1 Amberlite IRA-68(オルガノ社製) 50 注射用蒸留水 49 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0067】〈実施例7〉 成 分 含 量(%) 寒 天 1 Amberlite IRA-93ZU(オルガノ社製) 50 注射用蒸留水 49 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0068】〈比較例1〉 成 分 含 量(%) 寒 天 1 注射用蒸留水 99 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0069】〈比較例2〉 成 分 含 量(%) 寒 天 1 塩化ナトリウム 3 注射用蒸留水 96 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0070】図3及び表2は、以上実施例1〜7及び比
較例1〜2で得られた結果である。図3には、それらの
うち実施例1(図3中○印)、実施例2(図3中△
印)、実施例4(図3中□印)、実施例7(図3中◇
印)及び比較例2(図3中●印)の結果を示している。
図3から明らかなように、実施例1、実施例2、実施例
4及び実施例7では、ともに、比較例2に比べて高い血
清中ペプチド濃度が再現性よく得られ、特に実施例2、
実施例4及び実施例7の場合には格段に優れていること
が分かる。また、hPTH(1→34)を2μg/kg
で静脈内投与して得られた血清中のペプチド濃度ー時間
曲線下面積(AUC)から算出した生物学的利用率
(B.A.)は表2に示したとおりである。表2のとお
り、実施例1〜7ではイオン交換樹脂の使用により、比
較例1では見られたような銀イオンの皮膚への付着は観
察されず、高い生物学的利用率が得られた。
【0071】
【表 2】
【0072】《実験例2》本実験例2では、実験方法は
実験例1の場合と同様に行い、アプリケータとしては図
1〜2に示すものを用いた。各部片の構成材料や寸法
は、図1〜2についての前記説明中具体的一例として記
載した材料や寸法で構成した。ただし、薬物はsCT
(NOVA社製)10国際単位(2μg)を薬物保持膜
(バイオダイン膜、Paul社製)に含有させて実験を
行った。イオン交換樹脂には、強塩基性陰イオン交換樹
脂コレスチラミン(塩素イオンを含む四級アンモニウム
塩、シグマ社製)を使用した。またイオントフォレーシ
スにおいては短絡スイッチによるパルス脱分極(周波
数:30kHz、on/off:3/7、電圧値:10
V)を用い、45分間連続通電を行った。血清中のsC
T濃度はsCT Kit(Penensula Lab
oratories社製)を用いてラジオイムノアッセ
イ法により測定した。
【0073】〈実施例8〉 成 分 含 量(%) 寒 天 1 コレスチラミン 5 注射用蒸留水 94 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0074】〈比較例3〉 成 分 含 量(%) 寒 天 1 注射用蒸留水 99 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0075】以上実施例8及び比較例3で得られた結果
を図4及び表3に示す。図4から明らかなように、実施
例8では、比較例3に比べて高い血清中ペプチド濃度が
再現性よく得られたことが分かる。またsCTを2μg
/kgで静脈内投与により得られた血清中のペプチド濃
度ー時間曲線下面積(AUC)から算出した生物学的利
用率は表3に示したとおりである。表3から明らかなと
おり、実施例8では、イオン交換樹脂の使用により、銀
イオンの付着は観察されず、比較例3に比べて極めて高
い生物学的利用率が得られた。
【0076】
【表 3】
【0077】《実験例3》本実験例3は、デバイスとし
ては同じく図1〜2に示す態様のものを用い、実験方法
は実験1の場合と同様に行った。各部片の構成材料や寸
法は、図1〜2についての前記説明中具体的一例として
記載した材料や寸法で構成した。図1〜2に示すデバイ
スにおいて、電気伝導層液として寒天ゲル層4に対し
て、以下に記載した各実施例の組成液を含有させて用い
た。薬物はhPTH(1→34)40μgを薬物保持膜
8に含有させた。以下の各成分の含量はすべて重量%で
表記している。
【0078】〈実施例9〉 成 分 含 量(%) 尿 素 5 寒 天 1 コレスチラミン 8 クエン酸一水和物 0.25 クエン酸三ナトリウム二水和物 0.7 注射用蒸留水 85.05 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0079】〈実施例10〉 成 分 含 量(%) N−メチル−2−ピロリドン 5 寒 天 1 コレスチラミン 8 クエン酸一水和物 0.25 クエン酸三ナトリウム二水和物 0.7 注射用蒸留水 85.05 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0080】〈実施例11〉 成 分 含 量(%) 尿 素 5 N−メチル−2−ピロリドン 5 寒 天 1 コレスチラミン 8 クエン酸一水和物 0.25 クエン酸三ナトリウム二水和物 0.7 注射用蒸留水 80.05 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0081】図5及び表4は、以上実施例9〜11で得
られた結果を示すものである。図5から明らかなよう
に、実施例9(図5中○印)、実施例10(図5中△
印)及び実施例11(図5中□印)では、高い血清中ペ
プチド濃度が再現性よく得られたことが分かる。このう
ち実施例11(図5中□印)の場合は保湿剤として尿素
とN−メチル−2−ピロリドンを併用した場合である
が、それらの単独使用の場合である実施例9(尿素:図
5中○印)及び実施例10(N−メチル−2−ピロリド
ン:図5中△印)に比べてもさらに優れており、実施例
11の場合、2回目で約5900pg/ml、3回目で
も5700pg/mlにも及ぶ血清中副甲状腺ホルモン
hPTH(1→34)濃度を示している。また表4は、
hPTH(1→34)を2μg/kgで静脈内投与によ
り得られた血清中のペプチド濃度ー時間曲線下面積(A
UC)から算出した生物学的利用率(B.A.)を示し
ものである。表4のとおり、実施例9〜11ともに極め
て高い利用率が得られ、特に実施例11においては5
4.85%にも及ぶ生物学的利用率(B.A.)を示し
ている。またその際、電極より銀イオンの皮膚への付着
は実施例9〜11の何れの場合にも観察されなかった。
【0082】
【表 4】
【0083】《実験例4》本試験例4では、デバイスと
して図1〜2に示す態様のものを用い、実験方法として
は実験1と同様に行った。各部片の構成材料や寸法は、
図1〜2についての前記説明中具体的1例として記載し
た材料や寸法で構成した。イオントフォレーシスは短絡
スイッチによるパルス脱分極(周波数50kHz、on
/off=5/5、電流値=0.7mA)を用い、60
分間通電により実施した。図1〜2に示すデバイスにお
いて、電気伝導液として寒天ゲル層4に対して、以下に
記載した各実施例の組成を用いた。薬物はhPTH(1
→34)200μgを薬物保持膜8に含浸させた。以下
の成分の含量はすべて重量%で記載している。
【0084】〈比較例4〉 成 分 含 量(%) 寒 天 1.0 キサンタンガム 0.25 ローカストビーンガム 0.25 コレスチラミン 5.0 安息香酸 0.2 安息香酸メチル 0.2 クエン酸一水和物 0.25 クエン酸三ナトリウム二水和物 0.7 注射用蒸留水 92.15 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0085】〈実施例12〉 成 分 含 量(%) 尿 素 5.0 寒 天 1.0 キサンタンガム 0.25 ローカストビーンガム 0.25 コレスチラミン 5.0 安息香酸 0.2 安息香酸メチル 0.2 クエン酸一水和物 0.25 クエン酸三ナトリウム二水和物 0.7 注射用蒸留水 87.15 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0086】〈実施例13〉 成 分 含 量(%) L−プロリン 10.0 寒 天 1.0 キサンタンガム 0.25 ローカストビーンガム 0.25 コレスチラミン 5.0 安息香酸 0.2 安息香酸メチル 0.2 クエン酸一水和物 0.25 クエン酸三ナトリウム二水和物 0.7 注射用蒸留水 82.15 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0087】〈実施例14〉 成 分 含 量(%) 尿 素 5.0 L−プロリン 10.0 寒 天 1.0 キサンタンガム 0.25 ローカストビーンガム 0.25 コレスチラミン 5.0 安息香酸 0.2 安息香酸メチル 0.2 クエン酸一水和物 0.25 クエン酸三ナトリウム二水和物 0.7 注射用蒸留水 77.15 ─────────────────────────────── 全 量 100
【0088】図6及び表5は以上比較例4及び実施例1
2〜14で得られた結果を示すものである。図6から明
らかなように比較例4(図6中◆印)と比較して実施例
12(図6中○印)、実施例13(図6中●印)及び実
施例14(図6中△印)では顕著に高い血清中ペプチド
濃度が得られた。このうち実施例14(図6中△印)の
場合は保湿剤として尿素とL−プロリンを併用した場合
であるが、それらの単独使用の場合である実施例12
(図6中○印)及び実施例13(図6中●印)に比べて
さらに高い吸収性を示した。
【0089】また、表5はhPTH(1→34)を2μ
g/kgで静脈内投与により得られた血清中のペプチド
濃度ー時間曲線下面積(AUC)から算出した生物学的
利用率(B.A.)を示したものである。表5のとお
り、実施例12〜14ともに高い利用率が得られ、特に
実施例14においては本実験条件下(定電流=0.7m
A)においても高い利用率が得られた。
【0090】
【表 5】
【0091】
【発明の効果】本発明に係る使用時溶解型イオントフォ
レーシス用デバイス構造体は、溶液状態において不安定
な薬物のイオントフォレーシスを用いた薬物投与に際し
て、非分極性電極から溶出する金属イオンを特異的に遮
断するとともに、逆拡散を防止し、薬物の輸率を低下さ
せることなく、長時間にわたり通電性を保持することが
できる。また皮膚への電極成分の付着を完全に抑制し、
薬物の高い生物学的利用率を得ることができる。さらに
本使用時溶解型イオントフォレーシス用デバイス構造体
は経済性や生産性の点においても優れている。
【0092】また、本発明においては、親水性高分子ゲ
ル層及び/又は薬物層に保湿剤を含有させることによ
り、薬物投与時に薬物溶解液からの水分の蒸発を抑制
し、長期間にわたり良好な通電性を保持するとともに、
薬物の皮膚透過の障壁となる角質に作用し、角質に傷害
を与えることなく、通電応答的に薬物の経皮又は経粘膜
吸収性を促進させることができる。これによって、使用
薬物についてさらに高い生物学的利用効率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における使用前のデバイスの一態様を示
す断面図。
【図2】本発明における使用直前のデバイスの一態様を
示す断面図。
【図3】実施例1、2、4、7及び比較例2におけるh
PTH(1→34)の血清中濃度の時間推移を示すグラ
フ図。
【図4】実施例8及び比較例3におけるsCTの血清中
濃度の時間推移を示すグラフ図。
【図5】実施例9〜11におけるhPTH(1→34)
の血清中濃度の時間推移を示すグラフ図。
【図6】実施例12〜14及び比較例4におけるhPT
H(1→34)の血清中濃度の時間推移を示すグラフ
図。
【符号の説明】
1 円筒状のくぼみ(円筒状の凹部)を有するカップ型
容器 2 容器1の下端周縁延長部 3 電極 4 親水性高分ゲル層 5 イオン交換樹脂 6 接続端子 7 粘着層 8 薬物保持膜 9 ライナー

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン化される薬物を経皮又は経粘膜によ
    り生体内に投与するためのイオントフォレーシス用デバ
    イスであって、(a)非分極性電極、(b)使用時に電
    極から溶出するイオンの移動を特異的に阻止するイオン
    交換樹脂を分散した親水性高分子ゲル層及び(c)薬物
    保持体に薬物が乾燥状態に保持された薬物層を含み、デ
    バイスの使用時に該薬物層を該親水性高分子ゲル層と当
    接させることにより該乾燥状態の薬物を溶解するように
    してなることを特徴とする使用時溶解型イオントフォレ
    ーシス用デバイス構造体。
  2. 【請求項2】上記非分極性電極が陽極として使用され、
    かつ、上記イオン化される薬物がカチオン化される薬物
    である請求項1記載の使用時溶解型イオントフォレーシ
    ス用デバイス構造体。
  3. 【請求項3】上記陽極として使用される非分極性電極
    が、銀又は銀を含有する混合物からなる電極である請求
    項2記載の使用時溶解型イオントフォレーシス用デバイ
    ス構造体。
  4. 【請求項4】上記カチオン化される薬物が生理活性ペプ
    チド類、その誘導体又はそれらの塩である請求項2記載
    の使用時溶解型イオントフォレーシス用デバイス構造
    体。
  5. 【請求項5】上記親水性高分子ゲル層が多糖類、その誘
    導体又はそれらの塩である請求項1記載の使用時溶解型
    イオントフォレーシス用デバイス構造体。
  6. 【請求項6】上記親水性高分子ゲル層に含有されるイオ
    ン交換樹脂が陰イオン交換樹脂である請求項1記載の使
    用時溶解型イオントフォレーシス用デバイス構造体。
  7. 【請求項7】上記陰イオン交換樹脂が四級アンモニウム
    基を官能基とし、塩素イオンを含有する陰イオン交換樹
    脂である請求項6記載の使用時溶解型イオントフォレー
    シス用デバイス構造体。
  8. 【請求項8】上記薬物層の薬物保持体が、多孔質又は毛
    細管構造を有する部材からなる薬物保持体である請求項
    1記載の使用時溶解型イオントフォレーシス用デバイス
    構造体。
  9. 【請求項9】イオン化される薬物を経皮又は経粘膜によ
    り生体内に投与するためのイオントフォレーシス用デバ
    イスであって、(a)非分極性電極、(b)使用時に電
    極から溶出するイオンの移動を特異的に阻止するイオン
    交換樹脂を分散した親水性高分子ゲル層及び(c)薬物
    保持体に薬物が乾燥状態に保持された薬物層を含み、ま
    た(d)該親水性高分子ゲル層及び該薬物保持体の一方
    又は両方に保湿剤を含み、デバイスの使用時に該薬物層
    を該親水性高分子ゲル層と当接させることにより該乾燥
    状態の薬物を溶解するようにしてなることを特徴とする
    使用時溶解型イオントフォレーシス用デバイス構造体。
  10. 【請求項10】上記保湿剤がアミド類である請求項9記
    載の使用時溶解型イオントフォレーシス用デバイス構造
    体。
  11. 【請求項11】上記保湿剤がアミド類とアミノ酸又はそ
    の誘導体との混合物からなる保湿剤である請求項9記載
    の使用時溶解型イオントフォレーシス用デバイス構造
    体。
  12. 【請求項12】上記アミド類が、尿素、N−メチル−2
    −ピロリドン又はこれらの混合物からなるアミド類であ
    る請求項10又は11記載の使用時溶解型イオントフォ
    レーシス用デバイス構造体。
  13. 【請求項13】上記アミノ酸又はその誘導体が環状アミ
    ノ酸からなるアミノ酸又はその誘導体である請求項11
    記載の使用時溶解型イオントフォレーシス用デバイス構
    造体。
  14. 【請求項14】上記アミノ酸又はその誘導体がL−プロ
    リンである請求項13記載の使用時溶解型イオントフォ
    レーシス用デバイス構造体。
  15. 【請求項15】上記非分極性電極が陽極として使用さ
    れ、かつ、上記イオン化される薬物がカチオン化される
    薬物である請求項9記載の使用時溶解型イオントフォレ
    ーシス用デバイス構造体。
  16. 【請求項16】上記陽極として使用される非分極性電極
    が、銀又は銀を含有する混合物からなる電極である請求
    項15記載の使用時溶解型イオントフォレーシス用デバ
    イス構造体。
  17. 【請求項17】上記カチオン化される薬物が生理活性ペ
    プチド類、その誘導体又はそれらの塩である請求項15
    記載の使用時溶解型イオントフォレーシス用デバイス構
    造体。
  18. 【請求項18】上記親水性高分子ゲル層が多糖類、その
    誘導体又はそれらの塩である請求項9記載の使用時溶解
    型イオントフォレーシス用デバイス構造体。
  19. 【請求項19】上記親水性高分子ゲル層に含有されるイ
    オン交換樹脂が陰イオン交換樹脂である請求項9記載の
    使用時溶解型イオントフォレーシス用デバイス構造体。
  20. 【請求項20】上記陰イオン交換樹脂が四級アンモニウ
    ム基を官能基とし、塩素イオンを含有する陰イオン交換
    樹脂である請求項19記載の使用時溶解型イオントフォ
    レーシス用デバイス構造体。
  21. 【請求項21】上記薬物層の薬物保持体が、多孔質又は
    毛細管構造を有する部材からなる薬物保持体である請求
    項9記載の使用時溶解型イオントフォレーシス用デバイ
    ス構造体。
JP17889897A 1996-06-20 1997-06-19 イオントフォレーシス用デバイス構造体 Pending JPH1066733A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17889897A JPH1066733A (ja) 1996-06-20 1997-06-19 イオントフォレーシス用デバイス構造体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-181481 1996-06-20
JP18148196 1996-06-20
JP17889897A JPH1066733A (ja) 1996-06-20 1997-06-19 イオントフォレーシス用デバイス構造体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1066733A true JPH1066733A (ja) 1998-03-10

Family

ID=26498936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17889897A Pending JPH1066733A (ja) 1996-06-20 1997-06-19 イオントフォレーシス用デバイス構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1066733A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015047382A (ja) * 2013-09-03 2015-03-16 日立マクセル株式会社 電極体接続構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015047382A (ja) * 2013-09-03 2015-03-16 日立マクセル株式会社 電極体接続構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4410421B2 (ja) イオントフォレーシスデバイス
JP4414517B2 (ja) イオントフォレーシス用デバイス構造体
US6743432B1 (en) Interface for iontophoresis
US5908400A (en) Device structure for iontophoresis
US5993848A (en) Dissolution liquid for drug in iontophoresis
KR100194851B1 (ko) 이온삼투요법용 장치
KR100856693B1 (ko) 항미생물제 양립가능성 저장소 조성물을 포함하는 경피전기수송 전달 장치
US5894021A (en) Iontophoretic transdermal drug-delivery interface and skin treatment agent and treatment method using the same
EP0643981B1 (en) A matrix for iontophoreses
CA2171909A1 (en) Stabilized interface for iontophoresis
JP3905578B2 (ja) イオントフォレシス用インターフェイス
EP0813879B1 (en) Drug administration composition for iontophoresis
JPH1066733A (ja) イオントフォレーシス用デバイス構造体
JPH09103494A (ja) イオントフォレシス用薬物溶解液
JP2818771B2 (ja) イオントフォレーシス用インターフェイス
JPH1072374A (ja) イオントフォレーシス用薬物投与組成物
JPH08317996A (ja) イオントフォレシス用インターフェイス
JPH07213628A (ja) イオントフォレシス用マトリックス
JP3638316B2 (ja) イオントフォレシス用マトリックス
JP2856551B2 (ja) イオントフォレーゼ用デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061024

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070416

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070522