JP5925057B2 - セラミックパッケージ - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品が実装されるキャビティを内側に有する箱形状で且つセラミック製のパッケージ本体の表面に形成されたメタライズ層の上に直に金属蓋が接合されるか、あるいは前記メタライズ層の上方にロウ材を介して接合した金属枠体の上に金属蓋が接合されるセラミックパッケージに関する。
例えば、底板体と枠体とを一体化し且つこれらに囲まれたキャビティを有するセラミックの焼成体からなり、上記枠体の上面の全周にわたって形成する第1の導体金属膜と、上記枠体の四隅コーナー部に形成する第2の導体金属膜とからなる導体金属膜を有し、該導体金属膜の四隅コーナー部には、膜厚を厚くする厚膜導体金属膜を配置し、且つその表面を上記導体金属膜の表面と面一とすることで、反りが少なく金属蓋の接合後の接合信頼性および気密信頼性に優れた電子部品収納用セラミックパッケージが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の前記セラミックパッケージでは、四隅コーナー部の厚膜導体金属膜を含む導体金属膜の上に金属蓋をシーム溶接した際に、該溶接後の冷却に伴って金属蓋の中央側への収縮する応力によって、上記導体金属膜の外周部側がセラミックの前記焼成体から剥離することによって、接合信頼性および気密信頼性が損なわれる場合がある、という問題があった。
また、中央部に電子部品を搭載するための凹部を有する絶縁基体の前記凹部を囲む矩形枠状の表面に形成した枠状メタライズ層の上に金属枠体をロウ付けし、該金属枠体の上に金属蓋を溶接して上記凹部に収納した電子部品を封止するものであり、上記枠状メタライズ層を、金属枠体よりも幅の広い下層側の第1メタライズ層と、金属枠体よりも幅の狭い上層側の第2メタライズ層とから構成することで、金属蓋を金属枠体に溶接する際にメタライズ層を絶縁基体から剥離し難くした電子部品収納用パッケージも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2の前記電子部品収納用パッケージにおいても、上下2層構造である枠状メタライズ層の上方にロウ材を介して接合された金属枠体の上に金属蓋をシーム溶接した際に、該溶接後の冷却に伴って金属蓋の中央側への収縮する応力によって、金属枠体やロウ材層と共に、枠状メタライズ層も中央側へ引っ張られため、該枠状メタライズ層の外周部側が前記絶縁基体から剥離することにより、封止性および気密性を損なう場合がある、という問題があった。
特開2007−48798号公報(第1〜9頁、図1〜3) 特開平10−242319号公報(第1〜5頁、図1,2)
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、キャビティが開口するセラミック製のパッケージ本体の表面に設けたメタライズ層の上に直に金属蓋が溶接され、あるいは上記メタライズ層の上にロウ付けされた金属枠体の上に金属蓋が溶接され、かかる溶接時において上記メタライズ層が剥離し難く封止性に優れたセラミックパッケージを提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、メタライズ層と金属蓋との溶接直後、あるいは金属枠体と金属蓋との溶接直後に、素材ごとの熱膨張率の差に起因して、冷却過程において生じる収縮応力が金属枠体側からセラミック製のパッケージ本体側に伝達しにくくなる溝や凹部をメタライズ層の表面などに形成する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明による第1のセラミックパッケージ(請求項1)は、平面視の外形が矩形の表面および裏面を有し、該表面に開口し且つ底面および側面からなるキャビティを有するセラミック製のパッケージ本体と、平面視が矩形枠状の上記表面において、上記キャビティを囲むように形成されたメタライズ層と、を有するセラミックパッケージであって、上記メタライズ層の表面において、金属蓋の周辺部に覆われる内周側の領域を除いた外周側の領域のうち、少なくともコーナー部に、平面視で該メタライズ層の表面の外形に沿った溝あるいは凹部が形成されている、ことを特徴とする。
これによれば、前記メタライズ層は、その表面において、金属蓋の周辺部に覆われる内周側の領域を除いた外周側の領域、あるいは該領域の少なくともコーナー部に形成され且つメタライズ層の外形に沿った溝または凹部を備えている。そのため、前記キャビティに電子部品を実装した後、上記メタライズ層の表面上の内周側の領域に金属蓋の周辺部を載置し且つ該金属蓋において対向する一対の周辺部に沿ってローラ電極を転動しつつシーム溶接する際に、溶接熱による膨張後の冷却過程における収縮応力が該メタライズ層に対して生じる。この際、上記セラミック製のパッケージ本体と、金属製の金属蓋およびメタライズ層との熱膨張係数の差が大であるため、パッケージ本体の外側面と接触しているメタライズ層の外周部側との境界に対し、上記冷却収縮に伴って生じる応力が集中的に作用しようとするが、該応力の一部が前記溝あるいは凹部において吸収および分散されるので、上記応力の影響を抑制ないし低減できる。
従って、金属蓋の溶接時において、メタライズ層が剥離し難くなっているので、金属蓋によるキャビティの封止性が優れたセラミックパッケージとなる。併せて、金属蓋の溶接時における熱的な条件の範囲を拡げることも可能となる。
尚、 前記セラミックは、アルミナなどの高温焼成セラミックまたは低温焼成セラミックの一種であるガラス−セラミックからなる。
また、前記メタライズ層は、前記パッケージ本体の表面のほぼ全面に形成され、W、Mo、Cu、Agなどからなる導体である。
更に、前記溝は、断面がV字形状、U字形状、あるいは凹形状を呈し、レーザー加工あるいは刃物(型)や凸型の挿入により形成される。かかる溝は、パッケージ本体の外側面あるいはメタライズ層の表面における外周側から約10〜40μmの位置に形成される。
また、前記凹部は、該凹部と相似形の凸型を挿入する方法などで形成される。
更に、前記凹部は、平面視が円形、楕円形、長円形、あるいは、三角形以上の多角形や、円弧形状を呈する有底穴である。
また、凹部は、前記メタライズ層のコーナー部以外の位置に形成しても良い。
更に、前記溝や凹部は、それらの内側の一部にメタライズ層の上に配設されるロウ材が進入していても良い。但し、該ロウ材により内側全体が埋設されないことが必須である。
また、前記コーナー部とは、パッケージ本体の隣接する一対の外側面と、該一対の外側面と平行なキャビティの2つの側面の延長部とに囲まれた領域である。
加えて、前記セラミックパッケージは、多数個取りの形態で製造しても良い。
また、本発明による第2のセラミックパッケージ(請求項2)は、平面視の外形が矩形の表面および裏面を有し、該表面に開口し且つ底面および側面からなるキャビティを有するセラミック製のパッケージ本体と、平面視が矩形枠状の上記表面において、上記キャビティを囲むように形成されたメタライズ層と、該メタライズ層の上方にロウ材を介して接合された金属枠体と、を含むセラミックパッケージであって、上記金属枠体の外側面と上記メタライズ層の表面との間に位置する上記ロウ材における外周側の露出面の少なくともコーナー部、あるいは、該ロウ材の露出面よりも外周側に位置する上記メタライズ層の表面における少なくともコーナー部に、上記メタライズ層の表面の外形に沿った溝あるいは凹部が形成されている、ことを特徴とする。
これによれば、前記ロウ材の外周側の露出面あるいはメタライズ層の表面には、平面視において、上記ロウ材の露出面やメタライズ層の表面の少なくともコーナー部に溝または凹部が形成されている。そのため、前記キャビティに電子部品を実装した後、パッケージ本体の表面に形成したメタライズ層の上方にロウ付けされた金属枠体の表面の内周側に金属蓋の周辺部を載置し、且つ該金属蓋において対向する一対の周辺部に沿ってローラ電極を転動しつつシーム溶接する際に、溶接熱による膨張後の冷却過程における収縮応力が各構成部品に対して生じる。この際、セラミック製のパッケージ本体と、金属製の金属蓋、金属枠体、ロウ材、およびメタライズ層との熱膨張係数の差が大であるため、パッケージ本体の外側面と接触しているメタライズ層の外周部側との境界に対し、上記冷却過程において生じる収縮応力が集中的に作用するが、前記溝あるいは凹部においても上記応力の一部が吸収され且つ分散されるので、該応力の影響を抑制ないし低減できる。
従って、金属蓋の溶接時において、メタライズ層が剥離し難くなっているので、金属蓋によるキャビティの封止性が優れたセラミックパッケージとなる。併せて、金属蓋の溶接時における熱的な条件の範囲を拡げることも可能となる。
尚、前記金属枠は、42アロイ(Fe−42wt%Ni)、コバール(Fe−29wt%Ni−17wt%Co)、あるいは194合金(Cu−2.3wt%Fe−0.03wt%P)などからなる。
また、前記ロウ材は、例えば、Agロウ(Ag−Cu系合金)からなる。
更に、前記ロウ材における外側の露出面に形成される前記溝あるいは凹部は、上記ロウ材の内部だけに位置する形態に限らず、該ロウ材とその下層側のメタライズ層とに跨って位置している形態も含まれる。
また、前記溝は、パッケージ本体の外側面あるいはメタライズ層の外周側から約10〜40μmの位置に形成される。
更に、前記凹部は、前記ロウ材の露出面におけるコーナー部以外の位置に形成しても良い。
加えて、前記セラミックパッケージも、多数個取りの形態で製造しても良い。
更に、本発明には、前記溝は、平面視で前記メタライズ層の表面の外形と相似形状である単一の枠形溝、あるいは上記メタライズ層の表面の外形に沿った複数の部分溝である、セラミックパッケージ(請求項3)も含まれる。
これによれば、メタライズ層の表面の外形と相似形状となる単一の枠形溝を、上記メタライズ層の表面、あるいはロウ材における外周側の露出面に形成することによって、パッケージ本体の表面における全周において、該パッケージ本体のセラミックから上記メタライズ層の外周部側が剥離する事態を防止できる。あるいは、上記メタライズ層の表面の外形に沿った複数の部分溝を、上記メタライズ層やロウ材の各位置、特に、これらの各コーナー部に個別に形成することによっても、上記メタライズ層の剥離を抑制ないし低減することが可能となる。
尚、前記枠形溝は、平面視で矩形(ほぼ長方形または正方形)状を呈する。
また、前記部分溝には、細長い長円形や楕円形のほか、コーナー部に専用のL字形状(鈎型)も含まれる。
また、本発明には、前記メタライズ層の上方にロウ材を介して接合された金属枠体を更に備え、前記金属枠体は、平面視が矩形枠状の枠本体と、該枠本体の表面において金属蓋の周辺部に覆われる内周側の領域を除いた外周側の領域、および上記枠本体の外側面の少なくとも何れか一方に形成され、且つ上記枠本体の平面視における外形に沿って平面視が矩形枠状を呈する単一の枠状溝、あるいは、少なくとも上記枠本体のコーナー部における表面および外側面の何れか一方に形成された複数の部分溝と、を有している、セラミックパッケージ(請求項4)も含まれる。
更に、本発明には、前記金属枠体は、平面視が矩形枠状の枠本体と、該枠本体の表面において金属蓋の周辺部に覆われる内周側の領域を除いた外周側の領域、および上記枠本体の外側面の少なくとも何れか一方に形成され、且つ上記枠本体の平面視における外形に沿って平面視が矩形枠状を呈する単一の枠状溝、あるいは、上記枠本体の少なくともコーナー部における表面および外側面の何れか一方に形成された複数の部分溝と、を有している、セラミックパッケージ(請求項5)も含まれる。
これらによれば、前記メタライズ層の上方にロウ材を介して金属枠体が接合され、該金属枠体の枠本体における表面の外周側の領域および外側面の少なくとも何れか一方に更に平面視が矩形枠状を呈する単一の枠状溝が形成されている。あるいは、上記枠本体の少なくともコーナー部における上記各位置の一方に複数の部分溝が個別に形成されている。そのため、前記金属枠体の上に金属蓋をシーム溶接した直後の冷却過程で生じる前記収縮応力を、前記メタライズ層やロウ材に設けた溝や凹部に加えて、更に上記金属枠体の各溝でも吸収および分散するので、前記メタライズ層の剥離を一層防止することが可能となる。
尚、前記複数の部分溝は、前記枠本体のコーナー部以外における表面や外側面に形成するようにしても良い。
また、本発明には、前記メタライズ層の上方にロウ材を介して接合された金属枠体を更に備え、該金属枠体は、平面視が矩形枠状の枠本体と、該枠本体の表面において金属蓋の周辺部に覆われる内周側の領域を除いた外周側の領域および上記枠本体の外側面の何れか一方の少なくともコーナー部に形成された単数または複数の凹部と、を有している 、セラミックパッケージ(請求項6)も含まれる。
更に、本発明には、前記金属枠体は、平面視が矩形枠状の枠本体と、該枠本体の表面において金属蓋の周辺部に覆われる内周側の領域を除いた外周側の領域および上記枠本体の外側面の何れか一方の少なくともコーナー部に形成された単数または複数の凹部と、を有している 、セラミックパッケージ(請求項7)も含まれる。
これらによれば、前記メタライズ層の上方にロウ材を介して金属枠体が接合され、該金属枠体の枠本体において、外周側の領域の表面および外側面の何れか一方の少なくともコーナー部に単数または複数の凹部が形成されている。そのため、前記金属枠体の上に金属蓋をシーム溶接した直後に生じる前記収縮応力を、前記メタライズ層やロウ材に設けた溝や凹部に加えて、更に上記金属枠体の各凹部でも吸収および分散するので、前記メタライズ層の剥離を一層抑制することが可能となる。
尚、前記複数の凹部は、平面視の形状が同じものに限らず、異なる形状を呈する複数の凹部を、金属枠体の表面または外側面の同じコーナー部に配置しても良い。この際、複数の凹部は、平面視における該コーナー部の内外方向に対して対称となる位置に配設することが望ましい。
また、前記複数の凹部は、金属枠体の表面または外側面におけるコーナー部以外の位置に形成しても良い。
本発明による第1のセラミックパッケージの1形態を示す平面図。 図1中のX−X線の矢視に沿った垂直断面図。 図2中の一点鎖線部分Yの部分拡大断面。 異なる形態の第1のセラミックパッケージを示す平面図。 更に異なる形態の第1のセラミックパッケージを示す部分平面図。 別なる形態の第1のセラミックパッケージを示す部分平面図。 本発明による第2のセラミックパッケージの1形態を示す平面図。 図7中のU−U線の矢視に沿った垂直断面図。 図8中の一点鎖線部分Vの部分拡大断面。 異なる形態の第2のセラミックパッケージを示す平面図。 更に異なる形態の第2のセラミックパッケージを示す平面図。 図7中のZ−Z線の矢視に沿った部分垂直断面図。 別なる形態の第2のセラミックパッケージを示す部分平面図。 更に別な形態の第2のセラミックパッケージを示す部分平面図。 (a)は図14中のS−S線の矢視に沿った部分垂直断面図、(b)は応用形態のセラミックパッケージを示す上記同様の部分垂直断面図。 異なる応用形態のセラミックパッケージを示す部分平面図。 更に異なる応用形態のセラミックパッケージを示す部分平面図。 別なる応用形態のセラミックパッケージを示す部分垂直断面図。
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、1形態の第1のセラミックパッケージ1aを示す平面図。図2は、図1中のX−X線の矢視に沿った垂直断面図、図3は、図2中の一点鎖線部分Yの部分拡大断面である。
第1のセラミックパッケージ1aは、図1〜図3に示すように、直方体状のキャビティ6を内設するセラミック製のパッケージ本体2と、該パッケージ本体2の表面3のほぼ全面に形成されたメタライズ層10と、を備えている。
上記パッケージ本体2は、例えば、アルミナなどのセラミックからなり、図示すように、平面視の外形が長方形(矩形)の表面3、裏面4、および四辺の外側面5を有すると共に、上記表面3に開口し且つ底面7および四辺の側面8からなるキャビティ6を有している。かかるキャビティ6の底面7における一方(図示で左側)の短辺には、追って実装される水晶振動子(電子部品)などの電極に接続する端子(何れも図示せず)を上面に有する一対の段部9が突設されている。
また、メタライズ層10は、例えば、WまたはMoなどからなり、図1,図3に示すように、該メタライズ層10の表面10aにおいて、追って金属蓋18の周辺部に覆われる内周側の領域11を除いた外周側の領域12に、平面視で当該メタライズ層10の表面10aの外形に沿った単一の枠状溝(溝)13が形成されている。該枠状溝13は、断面がほぼV字形状を呈し、最深部の位置がメタライズ層10の最底面よりも浅い位置にあると共に、パッケージ本体2の外側面5から約10〜40μmの範囲内に形成されている。
上記枠状溝13は、パッケージ本体2となるグリーンシートの表面3にスクリーン印刷により形成されたペースト状のメタライズ層10の表面10aに対し、相似形の枠型を挿入するか、あるいは上記グリーンシートと共に焼成されたメタライズ層10の表面10aに対し、レーザー加工を施すことによって形成される。
尚、上記枠状溝13の断面形状は、U字形状または凹形状であっても良い。
予め、前記キャビティ6内に電子部品を実装した後、該キャビティ6を外部から封止するため、図3に示すように、メタライズ層10の表面10aにおける内周側の領域11上に、平面視がほぼ長方形状である金属蓋18の周辺部を載置して拘束し、かかる状態で金属蓋18において対向する一対の短辺と一対の長辺とに沿って、軸19sの両端付近に回転可能に支持された一対のローラ電極19を転動させつつ移動させるシーム溶接を、短辺と長辺とに沿って2回行った。
尚、枠状溝13を含むメタライズ層10の表面10aなどには、予め、内側のNiメッキ膜と外側のAuメッキ膜とからなる金属メッキ膜が被覆されている。
また、上記金属蓋18は、例えば、コバールや42アロイなどからなり、その底面にはNiメッキ膜が予め被覆されている。
図3に示すように、金属蓋18において対向する一対の短辺および長辺ごとに沿って、一対のローラ電極19を転動させつつ移動させるシーム溶接を行うと、一対のローラ電極19,19間のメタライズ層10に通電される溶接電流に対する抵抗によって、メタライズ層10の最外層の前記Auメッキ膜と、金属蓋18の裏面側のNiメッキ膜とが溶融した複数の接合部が、メタライズ層10と金属蓋18との間における図3の前後方向に沿って形成される。その結果、該金属蓋18の周辺部がメタライズ層10の表面10aにおける内周側の領域11の上に溶接される。
上記シーム溶接によって、金属蓋18は、一旦外周方向に熱膨張した後、冷却過程において中央部側に向かって収縮しようとする。かかる収縮により生じる応力は、当該金属蓋18と溶接されたメタライズ層10にも及ぼうとする。
しかし、前記のようなセラミックパッケージ1aによれば、メタライズ層10の表面10aにおける外周側の領域12に単一の前記枠状溝13が形成されているので、前記応力は、該枠状溝13において吸収および分散される。その結果、従来のように、パッケージ本体2のセラミックと金属蓋18およびメタライズ層10との熱膨張率の差によって、メタライズ層10の外周部側がパッケージ本体2の外側面5から剥離する事態を確実に抑制ないし低減できる。
従って、セラミックパッケージ1aによれば、内部に電子部品を実装したキャビティ6を外部から確実に封止でき、且つ該電子部品の性能を保証し得ると共に、前記シーム溶接時における熱的な溶接条件の範囲を拡げることも可能となる。
図4は、異なる形態の第1のセラミックパッケージ1bを示す平面図である。
第1のセラミックパッケージ1bも、図4に示すように、前記同様のパッケージ本体2と、その内側に設けたキャビティ6と、上記パッケージ本体2の表面3のほぼ全体に形成した前記同様のメタライズ層10と、を備えている。
かかるセラミックパッケージ1bが前記セラミックパッケージ1aと相違するのは、図4に示すように、メタライズ層10の表面10aにおいて、前記金属蓋18の周辺部に覆われる内周側の領域11を除いた外周側の領域12の四隅のコーナー部17ごとに、平面視でほぼL事形状を呈する複数(4つ)の部分溝14を、メタライズ層10の表面10aの外形に沿って個別に形成したことである。
前述したように、金属蓋18をメタライズ10層に溶接するためのシーム溶接は、金属蓋18およびメタライズ10において対向する一対の短辺および長辺ごとに沿って、2回行われるため、メタライズ10の各コーナー部17は、各辺の中間部分に比べて、冷却過程における前記収縮応力の影響を大きく受ける。
前記のようなセラミックパッケージ1bによれば、メタライズ層10の表面10aにおける各コーナー部17のみに、該メタライズ層10の表面10aの外形に沿った部分溝14を個別に形成しているため、前記シーム溶接の直後において、上記メタライズ層10の外周部側がパッケージ本体2の外側面5から剥離する事態を抑制することが可能となる。
尚、前記部分溝14の断面は、V字形状、U字形状、または凹形状でも良い。
また、前記コーナー部17ごとの部分溝14同士の間に、直線状の部分溝を更に単数あるいは複数個形成した形態のセラミックパッケージとしても良い。
また、図5は、更に異なる形態のセラミックパッケージを示す部分平面図である。該パッケージも、図5に示すように、前記同様のパッケージ本体2、キャビティ6、およびメタライズ層10を備えており、該メタライズ層10の表面10aにおいて、前記金属蓋18の周辺部に覆われる内周側の領域11を除いた外周側の領域12の四隅のコーナー部17ごとに、平面視で円形を呈する凹部15を、3つずつ形成している。該凹部15は、全体がほぼ円錐形状の有底穴であり、各コーナー部17における内外方向において、対称となる位置に形成されている。
尚、上記凹部15は、例えば、ペースト状のメタライズ層10に相似形の凸型を挿入するか、あるいは、レーザー照射を部分的に行うことで形成されている。
更に、図6は、別なる形態のセラミックパッケージを示す部分平面図である。
該パッケージも、図6に示すように、前記同様のパッケージ本体2、キャビティ6、およびメタライズ層10を備え、該メタライズ層10の表面10aにおいて、前記金属蓋18の周辺部に覆われる内周側の領域11を除いた外周側の領域12の四隅のコーナー部17ごとに、平面視で楕円形を呈する単一の凹部16を、その長軸が該コーナー部17の内外方向と直交する姿勢で形成されている。
尚、上記凹部16は、例えば、ペースト状のメタライズ層10に相似形の凸型を挿入することで形成される。また、凹部16は、複数個をメタライズ層10の外形にそれらの長軸が沿うようにして配置することも可能である。
以上のような凹部15,16をメタライズ層10の前記領域12のコーナー部17ごとに形成した第1のセラミックパッケージによっても、前記セラミックパッケージ1a,1bと同様な効果を奏することが可能である。
図7は、一形態の第2のセラミックパッケージ1cを示す平面図。図8は、図2中のU−U線の矢視に沿った垂直断面図、図9は、図8中の一点鎖線部分Vの部分拡大断面図である。
第2のセラミックパッケージ1cは、図7〜図9に示すように、キャビティ6を有する前記同様のパッケージ本体2、該本体2の表面3の全面に形成され、且つ該表面3の外周側に沿って断面がV字形状の枠状溝13が形成されたメタライズ層10、および該メタライズ層10の上方にロウ材21を介して接合(ロウ付け)された金属枠体20を備えている。
上記ロウ材21は、例えば、Agロウ(Ag−Cu系合金)からなり、メタライズ層10と金属枠体20との間において層状に介在すると共に、外周側に断面が円弧形状の露出面22を含む円弧状部(フィレット)を有している。また、上記金属枠体20は、例えば、コバールからなり、断面が矩形で且つ枠状の枠本体20aと、追って金属蓋18の周辺部が内周側の領域に溶接される表面20bと、前記ロウ材21の露出面22側が立ち上がる外側面20cとを備えている。
尚、前記メタライズ層10の枠状溝13は、ロウ材21の外周側の露出面22によって、該溝内の空間が全て埋められておらず、少なくとも溝内の空間の一部が平面視の全周に沿って残っていることが重要である。
キャビティ6内の前記段部9,9の端子に図示しない電子部品の電極を接続した後、図9に示すように、金属枠体20の表面20bにおける内周側の領域に金属蓋18の周辺部を載置した状態で、前期同様に該金属蓋18において対向する一対ずつの辺に沿って前記電極ローラ19を転動させつつシーム溶接を行ってキャビティ6の封止が成される。この際、溶接熱による膨張後の冷却過程における収縮応力が各構成部品に対して生じる。その際、セラミック製のパッケージ本体2と、金属製の金属蓋18、金属枠体20、ロウ材21、およびメタライズ層10との熱膨張係数の差が大であるので、パッケージ本体2の外側面5とこれに隣接するメタライズ層10の外周部側との境界付近に対し、上記冷却過程における金属部品(18,20,21,10)側の収縮応力が集中的に作用しようとする。
しかし、前記のようなセラミックパッケージ1cによれば、前記境界付近と金属枠体18との間に位置するメタライズ層10の表面10aの外周側に形成された前記枠状溝13においても、上記収縮応力の一部が吸収および分散されるので、該応力の影響を抑制ないし低減できる。
従って、第2のセラミックパッケージ1cによれば、金属蓋18の溶接時において、メタライズ層10が剥離し難くなっているので、金属蓋18によるキャビティ6の封止性が安定している。しかも、金属蓋18の溶接時における熱的な条件の範囲を拡げることも可能となる。
更に、図10に示すように、前記枠状溝13に替えて、メタライズ層10の表面10aにおける四隅のコーナー部17ごとにのみ、該コーナー部17の表面における外周側の位置に、平面視でほぼL字形状を呈し且つメタライズ層10の表面10aの外形に沿った部分溝14を個別に形成した第2のセラミックパッケージ1dによっても、前記セラミックパッケージ1cと同様な効果を奏することが可能である。
尚、前記枠状溝13や部分溝14も前記同様の方法によって形成されると共に、これらの断面は、U字形状または凹形状であっても良い。また、前記部分溝14に替えて、前記凹部15,16を各コーナー部17の同様な位置に形成しても良い。
図11は、異なる形態である第2のセラミックパッケージ1eを示す平面図、図12は、図11中のZ−Z線の矢視に沿った部分垂直断面図である。
第2のセラミックパッケージ1eは、図11,図12に示すように、前記同様のパッケージ本体2、その表面3上の全面に形成された前期同様のメタライズ層10、および該メタライズ10の上方にロウ材21を介して接合された金属枠体20を備えている。上記ロウ材21において、メタライズ層10の表面10aと金属枠体20の外側面20cと間に位置する外周側の露出面22には、ほぼ上向き乃至斜め外側の上向きに開口する断面V字形状の枠状溝23が上記露出面22の全周に沿って形成されている。該枠状溝23は、メタライズ層10と金属枠体20とを接合するための形成された該ロウ材21における外周側の露出面22に対し、例えば、レーザー加工を施すことによって形成される。
尚、上記枠状溝23の最深部は、図12に示すロウ材21の内部に留まっている形態のほか、直下のメタライズ層10の内部に達する形態であっても良い。
図12に示すように、金属枠体20の表面20bにおける内周側の領域に金属蓋18の周辺部を載置した状態で、前期同様に該金属蓋18において対向する一対ずつの辺に沿って前記電極ローラ19を転動させつつシーム溶接を行った際に、溶接熱による膨張後の冷却過程における収縮応力が各構成部品に対して生じるため、前記同様にセラミック製のパッケージ本体2の外側面5と、金属製のメタライズ層10の外周部側との境界付近に上記応力が集中しようとする。しかし、前記境界付近と金属枠体18の溶接部との間に位置するロウ材21における外側の露出部22に形成された枠状溝23においても、上記収縮応力の一部が吸収および分散されるので、該応力の影響を抑制ないし低減できる。
従って、第2のセラミックパッケージ1eにおいても、金属蓋18の溶接時において、メタライズ層10が剥離し難くなっているので、金属蓋18によるキャビティ6の封止性が安定していると共に、金属蓋18の溶接時における熱的な条件の範囲を拡げることも可能となる。
更に、図13に示すように、前記枠状溝23に替えて、ロウ材21の外周側の露出面22における四隅のコーナー部17ごとにのみ、平面視でほぼL字形状を呈し且つ前記メタライズ層10の表面10aの外形に沿った部分溝24を個別に形成した第2のセラミックパッケージ1fによっても、前記セラミックパッケージ1eと同様な効果を奏することが可能である。
尚、前記枠状溝23や部分溝24も前記同様の方法によって形成されると共に、これらの断面形状は、U字形状または凹形状であっても良い。また、前記部分溝24に替えて、前記凹部15,16をロウ材21の各コーナー部17における露出面22に形成しても良い。
図14は、前記セラミックパッケージ1eの応用形態であるセラミックパッケージ1gの平面図、図15(a)は、図14中のS−S線の矢視に沿った部分垂直断面図である。
該セラミックパッケージ1gは、前記同様のパッケージ本体2、露出面22に枠状溝23が形成されたロウ材21、および金属枠体20を備えており、該金属枠体20の表面20bにおいて、追って金属蓋18の周辺部に覆われない外周側に領域に断面がV字形状の枠状溝25を平面視の全周に沿って形成している。
即ち、上記セラミックパッケージ1gでは、金属蓋18を金属枠体20上に溶接した際に、これら両者の溶接部と、メタライズ層10の外周部側とパッケージ本体2の外側面5との境界付近との間に、2つの枠状溝23,25が平行状に形成されている。従って、前記溶接後の冷却過程における収縮応力が、枠状溝23,25ごとにおいて吸収および分散されるので、メタライズ層10の前記剥離を一層確実に防止することが可能となる。且つ上記溶接時の熱的条件も拡大できる。
尚、図15(a)中のカッコ書きおよび図16(a)に示したように、ロウ材21における外周側の露出面22のコーナー部17ごとにのみ前記部分溝24を形成すると共に、金属枠体20の表面20bにおけるコーナー部17ごとにのみ平面視がL字形状の部分溝26を前記同様に形成したセラミックパッケージ1iとしても良い。該パッケージ1iであっても、前記セラミックパッケージ1gと同様な効果を奏することが可能である。
あるいは、ロウ材21側に枠状溝23を形成し、且つ金属枠体20側に部分溝26を形成した形態としたり、これとは逆に、ロウ材21側に部分溝24を形成し、且つ金属枠体20側に枠状溝25を形成した形態としも良い。
更に、図16(b)に示したように、メタライズ層10のコーナー部17ごとにのみ部分溝14を形成し、且つ金属枠体20の表面20bのコーナー部17ごとにのみ部分溝26を形成した形態のセラミックパッケージ1jとしても、前記セラミックパッケージ1g,1iと同様な効果を奏することが可能である。
また、図15(b)に示すように、前記同様のパッケージ本体2、表面の外周側の前記同様の枠状溝13が形成されたメタライズ層10、露出面22に前記同様の枠状溝23が形成されたロウ材21、および表面20bの外周側の領域に前記同様の枠状溝25が形成された形態のセラミックパッケージ1hとしても良い。
該セラミックパッケージ1hによれば、金属蓋18を金属枠体20上に溶接した際に、これら両者の溶接部と、メタライズ層10の外周部側とパッケージ本体2の外側面5との境界付近との間に、3つの枠状溝13,23,25が平行状に形成されている。従って、前記溶接直後の冷却過程において生じる収縮応力が、枠状溝13,23,25ごとで吸収および分散されるので、メタライズ層10の前記剥離を一層確実に防止できる。且つ、上記溶接時の熱的条件も拡大できる。
尚、図15(b)中のカッコ書きと図16(c)とで示したように、メタライズ層10のコーナー部17ごとにのみ部分溝14を形成し、ロウ材21における外周側の露出面22のコーナー部17ごとにのみ前記部分溝24を形成すると共に、金属枠体20の表面20bにおけるコーナー部17ごとにのみ前記部分溝26を形成したセラミックパッケージ1kとしても良い。該パッケージ1kであっても、前記セラミックパッケージ1hと同様な効果を奏することが可能である。
また、前記メタライズ層10の枠状溝13あるいは部分溝14、ロウ材21の露出部22の枠状溝23あるいは部分溝24、金属枠体20の枠状溝25あるいは部分溝26を適宜組み合わせて3つの溝を形成した形態のセラミックパッケージとしても、前記パッケージ1h,1kと同様な効果を奏することが可能である。
図17(a)は、前記同様のパッケージ本体2、メタライズ層10、ロウ材21、および金属枠体20を備えたセラミックパッケージ1mを示す部分平面図である。該パッケージ1mでは、メタライズ層10のコーナー部17に平面視が円形で且つ全体が円錐形状の有底穴である凹部28と、その両側に長軸が該メタライズ層10の表面10aの外形に沿った平面視が楕円形で且つ全体が楕円錐形状の有底穴である一対の凹部29が形成されていると共に、金属枠体20の表面20bのコーナー部17ごとに1つの凹部28が形成されている。
また、図17(b)も、前記同様のパッケージ本体2、メタライズ層10、ロウ材21、および金属枠体20を備えたセラミックパッケージ1nを示す部分平面図である。該パッケージ1nでは、ロウ材21の外周側の露出面22のコーナー部17に長軸がメタライズ層10の表面10aの外形に沿った一対の凹部29が形成されると共に、金属枠体20の表面20bのコーナ部17に長軸が内外方向と直角の1つの凹部29が形成されている。
更に、図17(c)も、前記同様のパッケージ本体2、メタライズ層10、ロウ材21、および金属枠体20を備えたセラミックパッケージ1pを示す部分平面図である。該パッケージ1pでは、メタライズ層10のコーナー部17ごとに1つの凹部28と2つの凹部29とが前記同様に形成され、ロウ材21の外周側の露出面22のコーナー部17ごとに2つの凹部29が前記同様に形成されていると共に、金属枠体20の表面20bのコーナ部17ごとに1つの凹部29が前記同様に形成されている。
以上のような凹部28,29を、メタライズ層10,ロウ材21の露出面22,および金属枠体20における2種類以上の部品のコーナー部17ごとに形成したセラミックパッケージ1m,1n,1pにおいても、前記金属蓋18を金属枠体20上に溶接した際に、これら両者の溶接部と、メタライズ層10のコーナー部17ごとの外周部側とパッケージ本体2のコーナー部ごとにおける外側面5との境界付近との間に、単数または複数の凹部28,29が位置しているので、前記冷却過程における収縮応力を抑制し且つ低減することが可能となる。併せて、上記溶接時における熱的条件の範囲を拡げることも可能となる。
尚、前記凹部28,29は、コーナー部17以外のメタライズ層10の表面、ロウ材21の外周側の露出面22、および金属枠体20の表面20bにも形成しても良い。更に、前記部分溝14,24,26と、凹部28,29とを同じメタライズ層10の表面10a、ロウ材21の露出面22、および金属枠体20の表面20bに併設した形態としても良い。
図18(a)は、前記同様のパッケージ本体2、メタライズ層10、ロウ材21、および金属枠体20を備えたセラミックパッケージ1qを示す部分垂直断面図である。該パッケージ1qでは、メタライズ層10の表面10aの全周に枠状溝13あるいはコーナー部17のみに部分溝14が形成されると共に、金属枠体20の枠本体20aの外側面20cにおける全周に横向きで且つ断面がU字形状の枠状溝27あるいは外側面20cのコーナー部17のみに平面視がL字形状の部分溝27が形成されている。
尚、上記枠状溝27あるいは部分溝27は、その開口部がロウ材21の露出面22に塞がれない位置の高さにおいて、レーザー加工などによって形成される。
また、図18(b)も、前記同様のパッケージ本体2、メタライズ層10、ロウ材21、および金属枠体20を備えたセラミックパッケージ1rを示す部分垂直断面図である。該パッケージ1rでは、ロウ材21の外周側における露出面22の全周に沿った枠状溝23あるいは該露出面22のコーナ部17ごとのみに部分溝24が形成されると共に、金属枠体20の枠本体20aの外側面20cにおける全周に横向きの枠状溝27あるいは外側面20cのコーナー部17にのみ部分溝27が形成されている。
更に、図18(c)も、前記同様のパッケージ本体2、メタライズ層10、ロウ材21、および金属枠体20を備えたセラミックパッケージ1sを示す部分垂直断面図である。該パッケージ1sでは、メタライズ層10の表面に枠状溝13あるいは部分溝14が形成され、ロウ材21の外周側における露出面22に枠状溝23あるいは部分溝24が形成されると共に、金属枠体20の枠本体20aの外側面20cに枠状溝27あるいは部分溝27が形成されている。
以上のようにセラミックパッケージ1q,1r,1sによっても、前記金属蓋18を金属枠体20上に溶接した際に、これら両者の溶接部と、メタライズ層10(のコーナ部ー17ごと)の外周部側とパッケージ本体2(のコーナー部17ごと)における外側面5との境界付近との間に、枠状溝13,23,27の何れか2つあるいは全てが位置しているか、あるいは、部分溝14,24,27の何れか2つあるいは全てが位置している。そのため、前記溶接後の冷却過程における収縮応力を抑制し且つ低減することが可能となる。更に、上記溶接時における熱的条件の範囲を拡げることも可能となる。
尚、金属枠体20の枠本体20aにおける表面20bの外周側の領域に枠状溝25あるいは部分溝26を形成すると共に、当該枠本体20aにおける外側面20cに枠状溝27あるいは部分溝27を更に形成した形態としても良い。
また、前記枠状溝27あるいは部分溝27は、断面がV字形状あるいは凹形状としても良い。
更に、前記枠状溝27あるいは部分溝27に替えて、金属枠体20の枠本体20aにおけるコーナー部17ごとの表面20bや外側面20cに前記凹部28,29の何れかを形成した形態しても良い。
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記パッケージ本体2のセラミックは、アルミナ以外の窒化アルミニウムやムライトなどの高温焼成セラミックとしたり、低温焼成セラミックの一種であるガラスセラミックとしても良い。後者の場合には、同時に焼成される前記メタライズ層10には、AgやCuなどを主成分とする金属が用いられる。
また、前記パッケージ本体2およびキャビティ6の平面視における外形ないし形状は、ほぼ正方形を呈する形態であっても良い。
更に、前記キャビティは、パッケージ本体の表面に開口するものだけではなく、表面と裏面との双方に開口する物であっても良く、かかる形態では裏面側にもメタライズ層、ロウ材、および金属枠体が対称に配設された形態としても良い。
また、前記枠状溝13,23や前記部分溝14,24は、メタライズ層10の同じ表面10aやロウ材21の同じ露出面22において、2つ以上を平行に配置しても良い。あるいは、枠状溝13と部分溝14や枠状溝23と部分溝24を平行に配置することも可能である。
加えて、前記キャビティ6内に実装される電子部品は、水晶振動子に限らず、圧電素子や半導体素子も含まれ、更に、LEDのような発光素子としても良い。
本発明によれば、キャビティが開口するセラミックパッケージの表面に設けたメタライズ層の上に直に金属蓋が溶接され、あるいは該メタライズ層の上にロウ付けされた金属枠体の上に金属蓋が溶接され、かかる溶接時に上記メタライズ層が剥離し難く封止性に優れたセラミックパッケージを提供することができる。
1a〜1k,1m,1n,1p〜1s…セラミックパッケージ
2……………………………………………パッケージ本体
3……………………………………………パッケージ本体の表面
4……………………………………………パッケージ本体の裏面
6……………………………………………キャビティ
7……………………………………………キャビティの底面
8……………………………………………キャビティの側面
10…………………………………………メタライズ層
10a………………………………………メタライズ層の表面
11…………………………………………内周側の領域
12…………………………………………外周側の領域
13,23,25,27…………………枠状溝(溝)
14,24,26,27…………………部分溝(溝)
15,16,28,29…………………凹部
17…………………………………………コーナー部
18…………………………………………金属蓋
20…………………………………………金属枠体
20a………………………………………枠本体
20b………………………………………枠本体の表面
20c………………………………………枠本体の外側面
21…………………………………………ロウ材
22…………………………………………ロウ材の外周側の露出面

Claims (7)

  1. 平面視の外形が矩形の表面および裏面を有し、該表面に開口し且つ底面および側面からなるキャビティを有するセラミック製のパッケージ本体と、
    平面視が矩形枠状の上記表面において、上記キャビティを囲むように形成されたメタライズ層と、を有するセラミックパッケージであって、
    上記メタライズ層の表面において、金属蓋の周辺部に覆われる内周側の領域を除いた外周側の領域のうち、少なくともコーナー部に、平面視で該メタライズ層の表面の外形に沿った溝あるいは凹部が形成されている、
    ことを特徴とするセラミックパッケージ。
  2. 平面視の外形が矩形の表面および裏面を有し、該表面に開口し且つ底面および側面からなるキャビティを有するセラミック製のパッケージ本体と、
    平面視が矩形枠状の上記表面において、上記キャビティを囲むように形成されたメタライズ層と、
    上記メタライズ層の上方にロウ材を介して接合された金属枠体と、を含むセラミックパッケージであって、
    上記金属枠体の外側面と上記メタライズ層の表面との間に位置する上記ロウ材における外周側の露出面の少なくともコーナー部、あるいは、該ロウ材の露出面よりも外周側に位置する上記メタライズ層の表面における少なくともコーナー部に、上記メタライズ層の表面の外形に沿った溝あるいは凹部が形成されている、
    ことを特徴とするセラミックパッケージ。
  3. 前記溝は、平面視で前記メタライズ層の表面の外形と相似形状である単一の枠形溝、あるいは記メタライズ層の表面の外形に沿った複数の部分溝である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックパッケージ。
  4. 前記メタライズ層の上方にロウ材を介して接合された金属枠体を更に備え、
    上記金属枠体は、平面視が矩形枠状の枠本体と、
    上記枠本体の表面において金属蓋の周辺部に覆われる内周側の領域を除いた外周側の領域、および上記枠本体の外側面の少なくとも何れか一方に形成され、且つ上記枠本体の平面視における外形に沿って平面視が矩形枠状を呈する単一の枠状溝、あるいは、少なくとも上記枠本体のコーナー部における表面および外側面の何れか一方に形成された複数の部分溝と、を有している、
    ことを特徴とする請求項1に記載のセラミックパッケージ。
  5. 前記金属枠体は、平面視が矩形枠状の枠本体と、
    上記枠本体の表面において金属蓋の周辺部に覆われる内周側の領域を除いた外周側の領域、および上記枠本体の外側面の少なくとも何れか一方に形成され、且つ上記枠本体の平面視における外形に沿って平面視が矩形枠状を呈する単一の枠状溝、あるいは、上記枠本体の少なくともコーナー部における表面および外側面の何れか一方に形成された複数の部分溝と、を有している、
    ことを特徴とする請求項2に記載のセラミックパッケージ。
  6. 前記メタライズ層の上方にロウ材を介して接合された金属枠体を更に備え、
    上記金属枠体は、平面視が矩形枠状の枠本体と、
    上記枠本体の表面において金属蓋の周辺部に覆われる内周側の領域を除いた外周側の領域および上記枠本体の外側面の何れか一方の少なくともコーナー部に形成された単数または複数の凹部と、を有している 、
    ことを特徴とする請求項1に記載のセラミックパッケージ。
  7. 前記金属枠体は、平面視が矩形枠状の枠本体と、
    上記枠本体の表面において金属蓋の周辺部に覆われる内周側の領域を除いた外周側の領域および上記枠本体の外側面の何れか一方の少なくともコーナー部に形成された単数または複数の凹部と、を有している 、
    ことを特徴とする請求項2に記載のセラミックパッケージ。
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