JP5924510B2 - 冗長化演算処理システム - Google Patents
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Description
この従来技術では、過電圧検出回路20が、電源回路50からスイッチ30を介してCPU10に供給される電源電圧を常時、監視している。そして、電源電圧がCPU10の許容電源電圧を超えたときに過電圧検出回路20の出力信号によりスイッチ30を遮断し、CPU10への電源供給を断ってCPU10を保護している。
図5において、制御装置100は、メインCPU101及びサブCPU102を備えている。これらのCPU101,102には、直流電源108から電源回路103を介して電源電圧が供給されている。また、メインCPU101及びサブCPU102には、負荷駆動素子106,107を介して、負荷201,202がそれぞれ接続されている。なお、負荷駆動素子106,107には、直流電源108から電源電圧が供給されている。
また、図5の従来技術では、直流電源108や電源回路103の異常が直接、メインCPU101及びサブCPU102に波及するため、電源異常に対して脆弱であるという問題がある。
更に、この従来技術は、フェイルセーフ動作時に内部温度センサ105による温度検出値に基づいてサブCPU102が正常動作することが前提となっている。しかし、内部温度センサ105がサブCPU102の近傍に配置されていると、これらの周囲温度が高温になった場合、内部温度センサ105が正常に動作していても、サブCPU102にとっては周囲温度が許容動作温度を超えていて正常に動作しない可能性がある。
また、本発明の他の目的は、ハードウェアやソフトウェアの負担も少なく、低コストにて実現可能な冗長化演算処理システムを提供することにある。
上記構成において、第1の演算処理装置は、第2の電圧異常検出回路から出力される電圧異常検出信号に基づいて第2のスイッチを遮断し、また、第2の演算処理装置は、第1の電圧異常検出回路から出力される電圧異常検出信号に基づいて第1のスイッチを遮断するものである。
なお、本発明は、請求項4に記載するように、第1の演算処理装置が第2のスイッチを遮断した時に、第1の演算処理装置は警報を出力すると共に以後の演算処理を第2の演算処理装置の代わりに実行し、第2の演算処理装置が第1のスイッチを遮断した時に、第2の演算処理装置は警報を出力すると共に以後の演算処理を第1の演算処理装置の代わりに実行することが望ましい。
そして、第1の演算処理装置は、第2の温度センサによる温度検出値が第2の演算処理装置の許容動作温度の範囲外である時に第2の演算処理装置の動作を停止させ、第2の演算処理装置は、第1の温度センサによる温度検出値が第1の演算処理装置の許容動作温度の範囲外である時に第1の演算処理装置の動作を停止させるものである。
この場合、請求項8に記載するように、第1の演算処理装置が第2の演算処理装置の動作を停止させた時に、第1の演算処理装置は警報を出力すると共に以後の演算処理を第2の演算処理装置の代わりに実行し、第2の演算処理装置が第1の演算処理装置の動作を停止させた時に、第2の演算処理装置は警報を出力すると共に以後の演算処理を第1の演算処理装置の代わりに実行することが望ましい。
この場合、第1の演算処理装置は、第2の電圧異常検出回路から出力される電圧異常検出信号に基づいて第2のスイッチを遮断し、第2の温度センサによる温度検出値が第2の演算処理装置の許容動作温度の範囲外である時に第2の演算処理装置の動作を停止させる。また、第2の演算処理装置は、第1の電圧異常検出回路から出力される電圧異常検出信号に基づいて第1のスイッチを遮断し、第1の温度センサによる温度検出値が第2の演算処理装置の許容動作温度の範囲外である時に第1の演算処理装置の動作を停止させるものである。
なお、請求項10に記載するように、第1の演算処理装置は、第2の温度センサによる温度検出値が第2の演算処理装置の許容動作温度の範囲外である時に第2のスイッチを遮断し、第2の演算処理装置は、第1の温度センサによる温度検出値が第1の演算処理装置の許容動作温度の範囲外である時に第1のスイッチを遮断するようにしても良い。
更に、本発明は、回路構成や処理内容が比較的簡単であるため、ハードウェアやソフトウェアの負担も少なく、低コストにて実現可能である。
図1は、本発明の第1実施形態を示すブロック図である。図1において、11,12はそれぞれ第1,第2のCPUであり、これらのCPU11,12の演算出力は、図5に示した負荷制御素子等を介して共通の負荷に与えられている。ここで、第1,第2のCPU11,12は、同一の演算処理を実行可能であり、冗長化演算処理システムを構成している。
また、第1のスイッチ31は第2のCPU12から出力される遮断信号y1により、第2のスイッチ32は第1のCPU11から出力される遮断信号y2により、それぞれ遮断可能である。なお、第1,第2のCPU11,12は、信号a1,a2により、自己の動作情報や他方に対する制御情報等を相互に送受信可能となっている。
いま、第1のCPU11にはスイッチ31を介して電源回路51から、第2のCPU12にはスイッチ32を介して電源回路52から、それぞれ電源が供給されているものとする。ここで、第1,第2のCPU11,12は、何れか一方(例えば、第1のCPU11)をメインCPU、他方(同じく第2のCPU12)をサブCPUとして使用することを予め決めておくものとする。
これにより、第1のCPU11が過大な電源電圧により故障または破壊されるのを防止することができ、CPU11の保護や負荷の誤動作等を未然に防ぐことができる。
以後、負荷に対しては、新たにメインCPUとなった第2のCPU12の動作により所定の演算処理を実行する。
また、メインCPUとサブCPUとが入れ替わったことや警報発生等の事象については、CPU11,12間の信号a1,a2の送受信によって相互に認識することができる。
第2のCPU12側の電源回路52に異常が発生した場合の動作は、実質的に前記同様であり、容易に類推可能であるため説明を省略する。
なお、上記実施形態では、電源異常として予め定めた所定の許容電源電圧を超えて過電圧となった場合について説明したが、予め定めた所定の許容電源電圧よりも低下して低電圧となった場合でも同様の保護動作を行うようにしてもよい。低電圧では第1のCPU11または第2のCPU12が破損する可能性は低いが、動作できなくなる(動作保証外になる)点では同じである。
そこで、第1の電圧異常検出回路21は第1の電源回路51の電源電圧が第1のCPU11の予め定めた所定の許容電源電圧よりも低下したことを検出して電圧異常検出信号x1を出力し、第2の電圧異常検出回路22は、第2の電源回路52の電源電圧が第2のCPU12の予め定めた所定の許容電源電圧よりも低下したことを検出して電圧異常検出信号x2を出力する。
そして、第1のCPU11は、第2の電圧異常検出回路22から出力される電圧異常検出信号x2に基づいて遮断信号y2により第2のスイッチ32を遮断し、第2のCPU12は、第1の電圧異常検出回路21から出力される電圧異常検出信号x1に基づいて遮断信号y1により第1のスイッチ31を遮断する。
これにより、第1のCPU11または第2のCPU12が低電圧により動作できなくなるのを防止することができ、第1のCPU11または第2のCPU12の保護や負荷の誤動作等を未然に防ぐことができる。
図2において、第1のCPU11の近傍には第1の温度センサ41が配置され、第2のCPU12の近傍には第2の温度センサ42が配置されている。また、第1の温度センサ41による温度検出信号z1は第2のCPU12に入力され、第2の温度センサ42による温度検出信号z2は第1のCPU11に入力されている。
例えば、メインCPUである第1のCPU11の内部故障や周辺回路の故障等により、第1のCPU11及び第1の温度センサ41の周囲温度が上昇したとする。このとき、第1の温度センサ41による温度検出信号z1は第2のCPU12に入力されているので、第2のCPU12では、入力された温度検出値がCPU11の予め定めた所定の許容動作温度を超えるほど高い値であってCPU11の周囲温度が過熱状態にあることを認識可能である。
なお、第1のCPU11の周囲温度が許容動作温度を超えても、第2のCPU12を第1のCPU11からある程度離して配置することにより、第2のCPU12は過熱による影響を受けずに正常に動作することができる。
第1のCPU11側の過熱異常は、第2のCPU12の動作により、警報出力として表示または外部に送信すればよい。また、第1実施形態と同様に、メインCPUとサブCPUとが入れ替わったことや警報発生等の事象については、CPU11,12間の信号a1,a2の送受信によって相互に認識可能である。
第2のCPU12側に過熱異常が発生した場合の動作は、容易に類推可能であるため、ここでは説明を省略する。
なお、上記第2実施形態では、温度異常として予め定めた所定の許容動作温度を超えて過熱状態となった場合について説明したが、予め定めた所定の許容動作温度よりも低下する低温状態(例えばマイナス10°よりも低い状態等)となった場合でも同様の保護動作を行うようにしてもよい。低温状態では第1のCPU11または第2のCPU12が破損する可能性は低いが、動作できなくなる(動作保証外になる)点では同じであり、また低温になると結露が発生してCPUに問題が生じる可能性もある。
そこで、第1のCPU11は、第2の温度センサ42による温度検出値が第2のCPU12の予め定めた所定の許容動作温度よりも低下した時に温度検出信号z2に基づいて第2のCPU12の動作を停止させ、第2のCPU12は、第1の温度センサ41による温度検出値が第1のCPU11の予め定めた所定の許容動作温度よりも低下した時に温度検出信号z1に基づいて第1のCPU11の動作を停止させる。
これにより、第1のCPU11または第2のCPU12が低温状態により動作できなくなるのを防止することができ、第1のCPU11または第2のCPU12の保護や負荷の誤動作等を未然に防ぐことができる。
この第3実施形態は、図1の第1実施形態と図2の第2実施形態とを組み合わせたものに相当する。図3において、図1,図2と同一の部品、回路、信号には同一の参照符号を付してある。
そして、第1実施形態と同様に、第1のCPU11から第2のスイッチ32に遮断信号y2が出力され、第2のCPU12から第1のスイッチ31に遮断信号y1が出力されるようになっている。なお、遮断信号y1,y2は、他方のCPU側の電圧異常検出信号x1,x2を検出した場合にのみ発生させて電源を遮断しても良いし、これに加えて、他方のCPU側の温度検出信号z1,z2から過熱や低温等の温度異常を検出した場合にも発生させて電源を遮断しても良い。
この第3実施形態によれば、他方のCPU側の過電圧や低電圧等の電源異常及び過熱や低温等の温度異常の双方に対応可能な冗長化演算処理システムを提供することができる。
21,22:電圧異常検出回路
31,32:スイッチ
41,42:温度センサ
51,52:電源回路
Claims (10)
- 第1の演算処理装置及び第2の演算処理装置により、同一の演算処理を実行可能な冗長化演算処理システムにおいて、
第1の演算処理装置に第1のスイッチを介して電源を供給する第1の電源回路と、
第2の演算処理装置に第2のスイッチを介して電源を供給する第2の電源回路と、
第1の電源回路の電源電圧が第1の演算処理装置の許容電源電圧の範囲外であることを検出して電圧異常検出信号を出力する第1の電圧異常検出回路と、
第2の電源回路の電源電圧が第2の演算処理装置の許容電源電圧の範囲外であることを検出して電圧異常検出信号を出力する第2の電圧異常検出回路と、
を備え、
第1の演算処理装置は、第2の電圧異常検出回路から出力される電圧異常検出信号に基づいて第2のスイッチを遮断し、
第2の演算処理装置は、第1の電圧異常検出回路から出力される電圧異常検出信号に基づいて第1のスイッチを遮断することを特徴とする冗長化演算処理システム。 - 請求項1に記載した冗長化演算処理システムにおいて、
前記第1の電圧異常検出回路は、第1の電源回路の電源電圧が第1の演算処理装置の許容電源電圧を超えたことを検出して電圧異常検出信号を出力し、
前記第2の電圧異常検出回路は、第2の電源回路の電源電圧が第2の演算処理装置の許容電源電圧を超えたことを検出して電圧異常検出信号を出力することを特徴とする冗長化演算処理システム。 - 請求項1に記載した冗長化演算処理システムにおいて、
前記第1の電圧異常検出回路は、第1の電源回路の電源電圧が第1の演算処理装置の許容電源電圧よりも低下したことを検出して電圧異常検出信号を出力し、
前記第2の電圧異常検出回路は、第2の電源回路の電源電圧が第2の演算処理装置の許容電源電圧よりも低下したことを検出して電圧異常検出信号を出力することを特徴とする冗長化演算処理システム。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載した冗長化演算処理システムにおいて、
第1の演算処理装置が第2のスイッチを遮断した時に、第1の演算処理装置は警報を出力すると共に以後の演算処理を第2の演算処理装置の代わりに実行し、
第2の演算処理装置が第1のスイッチを遮断した時に、第2の演算処理装置は警報を出力すると共に以後の演算処理を第1の演算処理装置の代わりに実行することを特徴とする冗長化演算処理システム。 - 第1の演算処理装置及び第2の演算処理装置により、同一の演算処理を実行可能な冗長化演算処理システムにおいて、
第1の演算処理装置の近傍に配置されて第1の演算処理装置の周囲温度を検出し、その温度検出値を第2の演算処理装置に送出する第1の温度センサと、
第2の演算処理装置の近傍に配置されて第2の演算処理装置の周囲温度を検出し、その温度検出値を第1の演算処理装置に送出する第2の温度センサと、
を備え、
第1の演算処理装置は、第2の温度センサによる温度検出値が第2の演算処理装置の許容動作温度の範囲外である時に第2の演算処理装置の動作を停止させ、
第2の演算処理装置は、第1の温度センサによる温度検出値が第1の演算処理装置の許容動作温度の範囲外である時に第1の演算処理装置の動作を停止させることを特徴とする冗長化演算処理システム。 - 請求項5に記載した冗長化演算処理システムにおいて、
前記第1の演算処理装置は、第2の温度センサによる温度検出値が第2の演算処理装置の許容動作温度を超えた時に第2の演算処理装置の動作を停止させ、
前記第2の演算処理装置は、第1の温度センサによる温度検出値が第1の演算処理装置の許容動作温度を超えた時に第1の演算処理装置の動作を停止させることを特徴とする冗長化演算処理システム。 - 請求項5に記載した冗長化演算処理システムにおいて、
前記第1の演算処理装置は、第2の温度センサによる温度検出値が第2の演算処理装置の許容動作温度よりも低下した時に第2の演算処理装置の動作を停止させ、
前記第2の演算処理装置は、第1の温度センサによる温度検出値が第1の演算処理装置の許容動作温度よりも低下した時に第1の演算処理装置の動作を停止させることを特徴とする冗長化演算処理システム。 - 請求項5〜7のいずれか1項に記載した冗長化演算処理システムにおいて、
第1の演算処理装置が第2の演算処理装置の動作を停止させた時に、第1の演算処理装置は警報を出力すると共に以後の演算処理を第2の演算処理装置の代わりに実行し、
第2の演算処理装置が第1の演算処理装置の動作を停止させた時に、第2の演算処理装置は警報を出力すると共に以後の演算処理を第1の演算処理装置の代わりに実行することを特徴とする冗長化演算処理システム。 - 第1の演算処理装置及び第2の演算処理装置により、同一の演算処理を実行可能な冗長化演算処理システムにおいて、
第1の演算処理装置に第1のスイッチを介して電源を供給する第1の電源回路と、
第2の演算処理装置に第2のスイッチを介して電源を供給する第2の電源回路と、
第1の電源回路の電源電圧が第1の演算処理装置の許容電源電圧の範囲外であることを検出して電圧異常検出信号を出力する第1の電圧異常検出回路と、
第2の電源回路の電源電圧が第2の演算処理装置の許容電源電圧の範囲外であることを検出して電圧異常検出信号を出力する第2の電圧異常検出回路と、
第1の演算処理装置の近傍に配置されて第1の演算処理装置の周囲温度を検出し、温度検出値を第2の演算処理装置に送出する第1の温度センサと、
第2の演算処理装置の近傍に配置されて第2の演算処理装置の周囲温度を検出し、温度検出値を第1の演算処理装置に送出する第2の温度センサと、
を備え、
第1の演算処理装置は、第2の電圧異常検出回路から出力される電圧異常検出信号に基づいて第2のスイッチを遮断し、第2の温度センサによる温度検出値が第2の演算処理装置の許容動作温度の範囲外である時に第2の演算処理装置の動作を停止させ、
第2の演算処理装置は、第1の電圧異常検出回路から出力される電圧異常検出信号に基づいて第1のスイッチを遮断し、第1の温度センサによる温度検出値が第1の演算処理装置の許容動作温度の範囲外である時に第1の演算処理装置の動作を停止させることを特徴とする冗長化演算処理システム。 - 請求項9に記載した冗長化演算処理システムにおいて、
第1の演算処理装置は、第2の温度センサによる温度検出値が第2の演算処理装置の許容動作温度の範囲外である時に第2のスイッチを遮断し、
第2の演算処理装置は、第1の温度センサによる温度検出値が第1の演算処理装置の許容動作温度の範囲外である時に第1のスイッチを遮断することを特徴とする冗長化演算処理システム。
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