JP5923699B2 - 老化防止剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ローヤルゼリー、又はローヤルゼリーにエンド型中性プロテアーゼを作用して得られる酵素処理ローヤルゼリーを有効成分とし、インスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与する遺伝子の発現量を調整することにより、優れた抗老化作用を発揮する生体の老化防止剤に関する発明である。また、ローヤルゼリーのみに含有される脂肪酸である10−ヒドロキシ−2−デセン酸を有効成分とし、優れた老化抑制作用を発揮する生体の老化防止剤に関する発明である。
一般に、ローヤルゼリーは、羽化後3〜15日の雌のミツバチが下咽頭腺及び大腮腺から分泌する分泌物を混合して作るゼリー状の物質で、特有のタンパク質、脂肪酸及びミネラル等が含有されていることが知られている。従来より、ローヤルゼリーは、血圧降下作用、抗腫瘍作用、抗菌作用等の種々の生理作用を有していることが知られている。よって、ローヤルゼリーは、栄養価の高い健康食品のみならず、医薬品等の用途にも用いられてきた。
さらに、ローヤルゼリーは、例えば特許文献1に記載されるように、放射線障害時の延命効果等の効果を有することが知られている。また、ローヤルゼリーにより成育した幼虫は、羽化後、女王蜂となることが知られている。女王蜂の寿命は3〜4年で、働き蜂の1〜2ヶ月に対して約20倍もの長寿である。しかしながら、ローヤルゼリーの生体の延命・長寿の効能を支持する科学的な根拠は乏しく、薬理活性を有する成分及び作用機序の特定には至っていない。ローヤルゼリーは、ローヤルゼリーのみ含有される特殊な脂肪酸、そのエステルからなる脂質、水溶性タンパク質、アミノ酸、糖質、ミネラル等の多数多様な成分を含有しているため、その科学的評価や活性成分の同定を一層困難なものにさせている。したがって、ローヤルゼリー中のいかなる成分が延命・長寿の効能を発揮するのか、その科学的評価や活性成分の同定、及び作用機序の解明は、これまでほとんど行われていない。
特開2005−287411号公報
本発明は、ローヤルゼリー又はエンド型中性プロテアーゼを作用して得られる酵素処理ローヤルゼリーについて、インスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与する遺伝子の発現量を調整することにより、優れた老化抑制作用を発揮することを見出したことによりなされたものである。また、ローヤルゼリーのみに含有される脂肪酸である10−ヒドロキシデセン酸が優れた老化抑制作用を発揮することを見出したことによりなされたものである。
本発明の目的とするところは、飲食品、医薬品等の様々な用途に利用することができる老化防止剤を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明の老化防止剤は、ローヤルゼリーにエンド型中性プロテアーゼを作用して得られる酵素処理ローヤルゼリーを、さらにシリカ系吸着剤としてODSに通し、次に水、又親水性有機溶媒を5〜40容量%含む水と親水性有機溶媒との混合液を溶出用溶媒として溶出させた成分を有効成分として含有し、前記親水性有機溶媒は、メタノール及びエタノールから選ばれる少なくとも一種であり、インスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与する遺伝子の発現量を調整することにより老化防止作用を発揮することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の老化防止剤において、前記エンド型中性プロテアーゼは、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)由来のエン
ド型中性プロテアーゼであることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の老化防止剤において、前記老化防止の作用は、インスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与するins−20及びdod−3から選ばれる少なくとも一種の遺伝子の発現量の増加、又はインスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与するdod−19、dao−4、fkb−4及びins−9から選ばれる少なくとも一種の遺伝子の発現量の減少を伴うことにより発揮されることを特徴とする。
本発明によれば、飲食品、医薬品等の様々な用途に利用することができる老化防止剤を提供することができる。
実施例2の試料を線虫に投与した場合の各遺伝子の発現量を示すグラフ。(a)ins−9遺伝子の発現量を示すグラフ。(b)ins−20遺伝子の発現量を示すグラフ。 実施例2の試料を線虫に投与した場合の各遺伝子の発現量を示すグラフ。(a)dod−3遺伝子の発現量を示すグラフ。(b)dod−19遺伝子の発現量を示すグラフ。(c)dao−4遺伝子の発現量を示すグラフ。(d)fkb−4遺伝子の発現量を示すグラフ。 インスリン/IGF−1シグナル伝達系における遺伝子の発現調節を伴う寿命延長のメカニズムと実施例2の試料を線虫に投与した場合のインスリン/IGF−1シグナル伝達系の遺伝子発現に与える影響を示す図。 実施例2の試料中に含まれるタンパク質(ペプチド)の分子量分布を示すグラフ。
(第1実施形態)
以下、本発明の老化防止剤を具体化した第1実施形態について説明する。以下、ローヤルゼリーをRJと略記する。
本実施形態の老化防止剤は、有効成分としてRJ又はRJにエンド型中性プロテアーゼを作用して得られる酵素処理RJを含有する。老化防止剤は、老化防止作用をさらに向上させるために、好ましくは、有効成分としてRJ又はエンド型中性プロテアーゼを作用して得られる酵素処理RJを、さらにシリカ系吸着剤及び所定の溶出用溶媒を用いて分離した成分を含有する。原料として用いられるRJは、生RJ及び生RJを凍結乾燥処理等により乾燥させて粉末化したRJ粉末(FD−RJ)のいずれも使用することができる。本実施形態において使用される生RJ及びFD−RJの産地は、特に限定されないが、例えば中国、台湾、日本等のアジア諸国、ヨーロッパ諸国、北アメリカ諸国、ブラジル等の南アメリカ諸国、オセアニア諸国のいずれでもよい。
酵素処理RJは、エンド型中性プロテアーゼを用いてRJ中に含有されるタンパク質のペプチド結合を加水分解し、低分子化する処理により得られる。エンド型中性プロテアーゼとしては、至適pHを中性付近(pH5.0〜8.5、好ましくはpH6.5〜7.5)に有するプロテアーゼを挙げることができる。エンド型中性プロテアーゼは、ペプチドの末端から加水分解する。エンド型中性プロテアーゼとして、具体的には、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)由来のエンド型中性プロテアーゼ及びバチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)(バチルス・サーモプロテオライティクス・ロッコ(Bacillus thermoproteolyticus Rokko))由来のエンド型中性プロテアーゼであるサーモリシンを挙げることができる。これらの中で、抗老化作用の向上効果に優れるバチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)由来のエンド型中性プロテアーゼが好ましい。
バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)由来のエンド型中性プロテアーゼは、金属プロテアーゼに分類され、至適pH約6.5〜7及び至適温度55℃を有している。市販品としては、例えばプロテアーゼN「アマノ」G(天野エンザイム社製)を使用することができる。また、中性付近に至適pHを有するとともに単独で又は組み合わせることによりバチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)由来のエンド型中性プロテアーゼと同様の作用を発揮することができる他のエンド型中性プロテアーゼも使用することができる。プロテアーゼN「アマノ」G(天野エンザイム社製)を用いたタンパク質分解酵素処理は、好ましくは10〜80℃、より好ましくは35〜75℃、さらに好ましくは40〜60℃の条件下で行われる。
サーモリシンは、金属プロテアーゼに分類され、至適pHは約6.5〜8.5である。サーモリシンは、イソロイシン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン等の大きな疎水性側鎖を持つアミノ残基を含むペプチド結合を切断するエンド型ペプチダーゼである。市販品としては、例えばサモアーゼPC10F(大和化成社製)を挙げることができる。また、中性付近に至適pHを有するとともに単独で又は組み合わせることによりサーモリシンと同様の部位を切断することができる他の中性プロテアーゼも使用することができる。サーモリシンを用いたタンパク質分解酵素処理は、好ましくは10〜80℃、より好ましくは40〜75℃、さらに好ましくは50〜70℃の条件下で行われる。
酵素処理RJの製造方法は、分解工程と酵素失活工程とを備えている。分解工程は、RJに上記エンド型中性プロテアーゼを用いたタンパク質分解酵素処理を行う工程である。酵素失活工程は、前記分解工程で用いたエンド型中性プロテアーゼを失活させる工程である。
以下に各工程について記載する。分解工程では、溶液の粘度を低下させて酵素反応(分解反応)を円滑に進行させるために、上記RJを所定量の水又は緩衝液で希釈したRJ希釈液を用いるのが好ましい。RJの重量に対し、好ましくは2〜10倍量、より好ましくは2.5〜6倍量の水又は緩衝液にて希釈されるとよい。さらにこのとき、前記RJ希釈液のpHを前記エンド型中性プロテアーゼの至適pH付近に調整するのが好ましい。
RJ中には数多くの成分が含有されており、前記エンド型中性プロテアーゼに対して阻害的に働く可能性もあることから、基質に対して酵素処理を行う際、10倍量以上希釈してもよい。但し、これも反応時間との兼ね合いで任意に選択することができる。このタンパク質分解酵素処理は前記エンド型中性プロテアーゼの至適温度範囲内で行われるのが好ましい。
タンパク質分解酵素処理の処理時間は、反応温度、酵素の力価等により適宜設定されるが、好ましくは0.1〜24時間、より好ましくは0.5〜18時間である。処理時間が0.1時間未満の場合、タンパク質分解反応を十分に高めることができない。逆に、処理時間が24時間を越える場合、酵素処理RJの製造に要する時間が著しく浪費されるため不経済である。また、抗老化作用等の有用な効果が逆に低下するおそれがある。
酵素失活工程は、前記分解工程後のRJ希釈液を前記エンド型中性プロテアーゼが失活する温度に加熱する工程である。この酵素失活工程における加熱温度は、エンド型中性プロテアーゼを十分に失活させるために、80℃を超える温度で行うことが好ましい。また、加熱時間は5〜60分間であるとよい。
RJ又は上記のように得られた酵素処理RJは、老化防止作用の更なる向上の観点から、好ましくは、さらにシリカ系吸着剤を通して、分離処理される。シリカ系吸着剤を用いた分離処理は、公知の方法を適宜採用して実施することができる。例えばクロマトグラフィー法及びバッチ法を挙げることができる。クロマトグラフィー法としては、例えばカラムクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて行うことができる。各分離処理に用いられるシリカ系吸着剤としては、例えばオクタデシルシリル化シリカゲル(ODS)、フェニルシリル化シリカゲル、オクチルシリル化シリカゲル、及びトリメチルシリル化シリカゲル等が挙げられる。これらの中で、汎用性が高く、有効成分を効率よく分離することができるODSが好ましく適用される。RJをシリカ系吸着剤に通す場合、好ましくはRJの水、親水性有機溶媒、又は水と親水性有機溶媒の混合液の抽出液、より好ましくは水の抽出液をアプライする。
クロマトグラフィー法は、RJの抽出液又はプロテアーゼによる酵素反応後の水溶液を各種クロマトグラフィーの担体に通す工程、次に溶出用溶媒を用いて担体から溶出成分を溶出させる工程からなる。クロマトグラフィーを用いた分離処理は1回のみならず2回以上繰り返すこともできる。各種クロマトグラフィーの担体に通す工程は、RJの抽出液又はプロテアーゼによる酵素反応後の水溶液をそのまま担体に通してもよく、溶媒交換をした後、担体に通してもよい。尚、酵素反応後の水溶液をそのまま各種クロマトグラフィーの担体に通した場合、カラム通過液は、溶出用溶媒として水を用いて得られた画分に包含される。溶出用溶媒としては、水、親水性有機溶媒、及び水と親水性有機溶媒の混合液が用いられる。親水性有機溶媒としては、例えばアルコール(エタノール、メタノール等)、アセトン、ヘキサン、クロロホルム、グリセリン、及び氷酢酸が挙げられる。溶出用溶媒は、これらの中から担体の種類、分離条件等に応じて適宜一種又は二種以上組み合わせて適用することができる。溶出用溶媒としては、好ましくは水、及び水と親水性有機溶媒の混合液が用いられる。水と親水性有機溶媒の混合液として、好ましくは水とメタノールの混合液が用いられる。例えば水とメタノールの混合液が用いられる場合、該混合液中におけるメタノールの比率は、好ましくは5〜80容量%、より好ましくは10〜60容量%、さらに好ましくは20〜40容量%である。また、溶出用溶媒として水と親水性有機溶媒の混合液を使用する場合、グラジエントをかけて溶出処理を行ってもよい。
本実施形態の老化防止剤は、RJ又は上記酵素処理RJを有効成分として含有する。また、RJの抽出液又は上記酵素処理RJ中の成分を通したシリカ系吸着剤に所定の抽出用溶媒を添加して得られる溶出画分は、高い抗老化作用を有する。したがって、該溶出画分は、高い抗老化作用を得ることを目的とした老化防止剤の有効成分として適用される。例えば、酵素処理RJ中の成分を吸着させたシリカ系吸着剤に対し、溶出用溶媒として30容量%メタノール水を用いて溶出させた画分を本実施形態の有効成分とする場合、固形分中に分子量1万以下の比較的低分子量のタンパク質(ペプチド)が約60質量%以上、糖質が約20質量%、10−ハイドロキシ−2−デセン酸が約15〜18質量%を含有している。本実施形態の老化防止剤は、それらの成分が相乗的に作用して抗老化作用を発揮するものと推測される。
これまで長寿をもたらす寿命関連遺伝子として、例えば線虫(Caenorhabditis elegans)においては、ミトコンドリアのクロック遺伝子、インスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与する遺伝子、活性酸素を分解する酵素に関与する遺伝子の3群が知られている。これらの線虫で発見された寿命関連遺伝子は、ヒトやマウスにも同じような遺伝子が存在することが知られている。これらの遺伝子は種を越えて相同性が高いことから寿命関連遺伝子は種を越えた生物学的機能を有していることが示唆されている。例えばインスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与する遺伝子として、線虫の長寿命変異体から得られたdaf−2は、ヒトのインスリン受容体遺伝子と似ていることが知られている。つまり栄養、内分泌シグナルが個体寿命に関与していることが示唆されている。インスリン/IGF−1シグナル伝達系が制限されることによりもたらされる長寿命の効果は、マウスやラットをカロリ制限した際に観察される寿命延長と同じ分子メカニズムによって生ずることが推認されている。
本実施形態の老化防止剤は、有効成分により特にインスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与するins−20及びdod−3から選ばれる少なくとも一種の遺伝子の発現量の増加を伴うことが新たに見出されている。また、インスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与するdod−19、dao−4、fkb−4及びins−9から選ばれる少なくとも一種の遺伝子の発現量の減少を伴うことが新たに見出されている。従来より、インスリン/IGF−1シグナル伝達系の低下により、ins−20及びdod−3の各遺伝子の発現量の増加、並びにdod−19、dao−4、fkb−4及びins−9の各遺伝子の発現量の減少を伴うことが知られている。本実施形態の老化防止剤は、摂取により、寿命関連遺伝子として分類されるインスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与する遺伝子の発現に影響を与えるため、カロリ制限によりインスリン/IGF−1シグナル伝達系が制限される際に観察される寿命延長効果と同様の効果が期待される。
本実施形態の具体的な配合形態としては、それらの作用効果を得ることを目的とした飲食品、医薬品、医薬部外品、及び研究用試薬等として適用することができる。本実施形態の老化防止剤を飲食品として適用する場合は、従来品と区別するために、上記作用・効果、例えば老化防止、長寿、延命、及び寿命延長等の効果を得ることを目的とする旨の表示を付すことが好ましい。
本実施形態の老化防止剤を飲食品に適用する場合、種々の食品素材又は飲料品素材に添加することによって使用することができる。飲食品の形態としては、特に限定されず、液状、粉末状、ゲル状、固形状のいずれであってもよく、また剤形としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、ドリンク剤のいずれであってもよい。その中でも、吸湿性が抑えられることから、カプセル剤であることが好ましい。前記飲食品としては、その他の成分としてゲル化剤含有食品、糖類、香料、甘味料、油脂、基材、賦形剤、食品添加剤、副素材、増量剤等を適宜配合してもよい。
本実施形態の老化防止剤を医薬品として使用する場合は、服用(経口摂取)により投与する場合の他、血管内投与、経皮投与等のあらゆる投与方法を採用することが可能である。摂取容易性の観点から、本実施形態の老化防止剤は経口摂取により投与されることが望ましい。剤形としては、特に限定されないが、例えば、散剤、粉剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、坐剤、液剤、注射剤等が挙げられる。また、添加剤として賦形剤、基剤、乳化剤、溶剤、安定剤等を配合してもよい。
本実施形態の老化防止剤を実験用・研究用試薬として適用してもよい。老化防止作用が関係する生理作用のメカニズムの解明等を目的として用いることができる。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態において、RJ又はRJにエンド型中性プロテアーゼを作用して得られる酵素処理RJは、高い抗老化作用を有している。かかる抗老化作用は、インスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与する遺伝子の発現量を調整することにより発揮される。したがって、摂取により、生体の老化抑制、並びにそれに伴う寿命延長、及び延命等の作用効果が得られることが期待される。
(2)本実施形態において、RJ又はRJにエンド型中性プロテアーゼを作用して得られる酵素処理RJを、シリカ系吸着剤に通し、水、親水性有機溶媒、又は水と親水性有機溶媒との混合液を溶出用溶媒として溶出させた画分は、より高い抗老化作用を有している。したがって、摂取により、より優れた生体の老化抑制、並びにそれに伴う寿命延長、及び延命等の作用効果が得られることが期待される。
(3)本実施形態の老化防止剤は、好ましくは抗老化作用の発揮を目的とした飲食品及び医薬品等の分野に適用することができる。
(4)本実施形態において、好ましくはシリカ系吸着剤の溶出用溶媒として水又は水とメタノールの混合液が用いられる。したがって、より優れた抗老化作用を発揮する成分を得ることができる。
(5)本実施形態において、好ましくはエンド型中性プロテアーゼとしてバチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)由来のプロテアーゼが使用される。したがって、より優れた抗老化作用を発揮することができる。
(6)本実施形態において、好ましくは老化防止の作用がインスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与するins−20及びdod−3から選ばれる少なくとも一種の遺伝子の発現量の増加を伴う。または、インスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与するdod−19、dao−4、fkb−4及びins−9から選ばれる少なくとも一種の遺伝子の発現量の減少を伴うことにより発揮される。つまり、寿命関連遺伝子として分類されるインスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与する遺伝子の発現に影響を与えるため、カロリ制限した時に観察される寿命延長効果と同様の効果が期待される。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の老化防止剤において、好ましくはRJにエンド型中性プロテアーゼを作用して得られる酵素処理RJを、シリカ系吸着剤に通し、水、親水性有機溶媒、又は水と親水性有機溶媒との混合液を溶出用溶媒として溶出させた画分を有効成分として使用した。しかしながら、それらの製造方法に限定されることなく、RJにエンド型中性プロテアーゼを作用して得られる酵素処理RJを、シリカ系吸着剤に通し、水、親水性有機溶媒、又は水と親水性有機溶媒との混合液を溶出用溶媒として溶出させた画分と実質的に同一の成分からなり、同一の作用効果を発揮する組成物も本発明の有効成分に含まれる。
(第2実施形態)(以下、第2実施形態は参考例とする。)
以下、本発明の老化防止剤を具体化した第2実施形態について説明する。
本実施形態の老化防止剤は、有効成分として10−ハイドロキシ−2−デセン酸(以下、10HDAと略記する)を含有する。10HDAは、RJに含有する特有の脂肪酸であり、天然素材であるRJを原料として、抽出処理することにより入手することができる。また、構造式が公知のため、公知の化学的合成法を用いて人工的に入手してもよい。抽出原料として用いられるRJは、第1実施形態に記載のものと同一のものを使用することができる。RJから10HDAの抽出方法は、公知の抽出方法、各種クロマトグラフィーを用いた分離方法を適宜採用することにより実施することができる。
第2実施形態の老化防止剤は、摂取により、優れた寿命延長効果を発揮する。例えば、10HDAを有効成分とする老化防止剤は、第1実施形態と同様に、寿命関連遺伝子として分類されるインスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与する遺伝子の発現に影響を与える可能性がある。より具体的には、有効成分により特にins−20及びdod−3から選ばれる少なくとも一種の遺伝子の発現量の増加を伴うことが推認される。また、dod−19、dao−4、fkb−4及びins−9から選ばれる少なくとも一種の遺伝子の発現量の減少を伴う可能性がある。
本実施形態の具体的な配合形態としては、第1実施形態と同様に、それらの作用効果を得ることを目的とした飲食品、医薬品、医薬部外品、及び研究用試薬等として適用することができる。これらのより具体的な構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態に係る老化防止剤は、第1実施形態の効果に加えて以下の利点を有する。
(7)本実施形態において、10HDAは、高い抗老化作用を有している。したがって、摂取により、生体の老化抑制、並びにそれに伴う寿命延長、及び延命等の作用効果が得られることが期待される。
(8)本実施形態の老化防止剤は、好ましくは抗老化作用の発揮を目的とした飲食品及び医薬品等の分野に適用することができる。
なお、第1及び第2実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態における老化防止剤は、ヒトが摂取する飲食品及び医薬品等に対して適用することができるのみならず、家畜又はペット等の飼養動物の飼料にサプリメント、栄養補助食品、医薬品等として配合してもよい。
・上記実施形態における老化防止剤は、液状であっても、粉末・粒子状であってよい。粉末・粒子状の老化防止剤は、例えば真空凍結乾燥機等を用いて溶液を凍結乾燥することにより実施される。
以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<老化防止剤の製造>
(実施例1,2)
中国産生RJ(固形分32.7%)8gに水45mlを加えて5分間攪拌し、RJ希釈液を調製した。次に、前記RJ希釈液に、バチルス・サブティリス由来のエンド型中性プロテアーゼ(天野エンザイム社製プロテアーゼN)を25mg添加し、至適pHである7.0に調整した後、50℃で14時間反応させた。反応終了後、98℃で5分間加熱することにより酵素失活工程を行い、酵素処理RJを調製した。
次に、上記酵素処理RJを含有する水溶液(固形分20g相当)を、ODSカラムクロマトグラフィー(内径10cm×長さ60cm)に付した。クロマトグラフィー担体としてクロマトレックスODS−DM1020T(富士シリシア化学社製)を使用した。
次に、溶出用溶媒として水、水とメタノールの混合液、及びメタノールを使用し、段階的に溶出させた。最初に水1L通過させ、次に水:メタノール=70:30の混合液1L、次に水:メタノール=40:60の混合液を1L、最後に100%メタノール1Lを順に通過させた。水を用いて処理を行った際に得られた画分(酵素処理RJをODSカラムに付した際の通過成分を含む)を凍結乾燥し、得られた粉末状成分(15g)を実施例1の老化防止剤とした。水:メタノール=70:30の混合液を用いて溶出処理を行った際に得られた溶出画分を凍結乾燥し、得られた粉末状成分(3.8g)を実施例2の老化防止剤とした。
参考例3)
10HDA(Alfresa Pharma社製)を老化防止剤の有効成分として使用した。
参考例4)
中国産生RJ(固形分32.7%)を参考例4として使用した。
参考例5)
実施例1において調製された酵素処理RJを凍結乾燥した。得られた粉末状の試料を参考例5として使用した。
(比較例1)
参考例4のRJ1kgに水1L、ヘキサン2L及びエタノール4Lからなる混合溶媒を加えて、混合液を調整した後、室温で12時間混合しながら抽出処理した。次に、混合液をろ紙(アドバンテック東洋製No.2)でろ過した後、ろ液を加圧下で濃縮し、比較例1として使用した。尚、収率は16%であった。
(比較例2)
比較例1において、ろ紙でろ過された残渣について、減圧乾燥した後、5%エタノールで混合した。混合後の上清を凍結乾燥した。得られた粉末を比較例2として使用した。尚、収率は40.9%であった。
<線虫C.エレガンスを用いた寿命延長試験>
(線虫の調製)
NG培地上でEscherichia coli strain OP50を培養し、NGM培地(nematode growth medium)とした。次に、このNGM培地上で、線虫C.エレガンス(Caenorhabditis elegans)を大量に飼育した。野生体としてN2 Bristol Strainを使用した。変異体としてCF1038daf−16(mu86)I変異体を使用した。
同一生育ステージのC.エレガンスを得るため、大量飼育した個体群より採卵した。すなわち、次亜塩素酸ナトリウムに大量の成虫を浸漬し、成虫の体表を溶かすことにより卵だけを得た。孵化してきた幼虫を集め、NGM培地上でL4脱皮期になるまで飼育した。次世代幼虫の孵化遊出を抑制する目的で5−フルオロ−2’−デオキシウリジンを培地に添加した。L4脱皮期に移行した日を寿命試験の0日としてカウントする。参考例4,5、比較例1で得られた検体は、エタノールに溶解した。比較例2、実施例1,2で得られた検体は、水に溶解した。参考例3の10HDAはDMSOに溶解した。各試験試料を表1,2に示す各固形分濃度になるようにNGM培地に添加した。C.エレガンスを検体添加培地の上で飼育し、その寿命の変動を調査した。その結果を表1,2に示す。表1,2は各検体を投与した個体群の寿命曲線から得られた平均寿命、個体群の75%生存寿命、及び最大生存寿命の各日数を表す。尚、統計学的解析は、Kaplan−Meier法により行い、log−rank testにより検定した。
表1に示されるように、実施例1,2の試料は、ODSカラムを通過させる前のRJ及びRJを酵素処理した参考例4,5と比べ寿命が延長していることが確認された。ODSカラムから30容量%メタノール溶液で溶出させた画分からなる実施例2は、水を用いて溶出させた画分からなる実施例1より優れた寿命延長効果が認められた。RJから得られた油溶性の画分である比較例1と水溶性の画分に相当する比較例2は、ともに寿命延長効果は認められなかった。表2に示されるように、RJ含有成分である10HDAを使用した参考例3は、濃度依存的な寿命延長効果が認められた。
<DNAマイクロアレイによる解析>
線虫の遺伝子は、全遺伝子配列(約19000個)が明らかにされている。RJにより発現が変化する線虫の遺伝子を明らかにし、寿命に関連する遺伝子を見出す為にDNAマイクロアレイによる解析を行った。
実施例2において、寿命の延長効果が認められた濃度(25μg/mL)にて24時間処理した線虫(野生体使用)とコントロールの線虫を採取し、ショ糖濃度勾配法にて餌の大腸菌と分離した。分離した線虫を細胞破砕機(Precellys24:Bertin Technology社製)にて粉砕し、PureLink RNA Mini Kit(Invitrogen社製)にて総RNAを抽出した。DNAマイクロアレイは、C.elegans Gene Expression Microarray(Agilent社製)を使用した。網羅的遺伝子発現解析により、遺伝子の発現量が変化する遺伝子を複数種類同定した。それらの中に、寿命関連遺伝子であると考えられているインスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与する遺伝子として、ins−20、dod−3、dod−19、dao−4、fkb−4、及びins−9が含まれていることが確認された。
<定量的リアルタイムRT−PCRを用いた遺伝子発現量の解析>
DNAマイクロアレイによる解析により、遺伝子の発現量が変化する遺伝子として見出されたins−20、dod−3、dod−19、dao−4、fkb−4、及びins−9の各遺伝子について、定量的リアルタイムRT−PCRを用い、遺伝子発現量について解析した。
まず、全RNAをHigh Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Applied Biosystems社製)を用いてcDNAへ逆転写を行った。Thermal Cycler Dice Real Time System(Takara社製)を用いて、SYBR Premix Ex Taq II(Perfect Real Time)(Takara社製)によりリアルタイムPCRを行った。プライマーは表3に示されるものを使用した。結果を図1,2に示す。尚、グラフ中の縦軸の遺伝子の発現量は、対コントロール比を示す。グラフ中、;p<0.05、**;p<0.01(対コントロール)を示す。
図1,2に示されるように、インスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与するins−20及びdod−3の各遺伝子の発現量の増加が確認された。また、インスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与するdod−19、dao−4、fkb−4及びins−9の各遺伝子の発現量の減少が確認された。
ところで、インスリン/IGF−1シグナル伝達系は、図3に示されるように、インスリン受容体daf−2を介し、最終的にdod−3等の遺伝子の発現量が変化することにより長寿命の効果が発現するものと考えられている。インスリン/IGF−1シグナル伝達系におけるインスリンシグナルの低下により発現するFOXO転写因子のホモログとしてdaf−16の遺伝子が知られている。また、インスリン/IGF−1シグナル伝達系が遮断されている変異体として、CF1038daf−16(mu86)I変異体が知られている。
寿命延長試験として、CF1038daf−16(mu86)I変異体を使用し、実施例2(水/メタノール溶出画分)及び参考例3(10HDA)の各試料をそれぞれ投与した場合の試験も併せて行っている。結果を表1(試験区分5)及び表2(試験区分7)に示す。各表に示されるように、実施例2及び参考例3ともに変異体において寿命の延長が認められた。
実施例2の野生体25μg/mL投与時における平均寿命の変化率は、+19%であった。一方、実施例2のCF1038daf−16(mu86)I変異体25μg/mL投与時における平均寿命の変化率は、野生体よりは小さい+12%であった。つまり、実施例2のRJ処理物の老化防止作用は、寿命関連遺伝子として分類されるインスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与する遺伝子群に対し、通常のインスリンシグナルのルート及び通常のインスリンシグナルとは異なるルートの両方で遺伝子発現に影響を与えることによりもたらされることが推認された。
以上により、RJ等の摂取により、カロリ制限によりインスリン/IGF−1シグナル伝達系が制限される際に観察される寿命延長効果と同様の効果が期待できることが確認された。
参考例3の野生体50μM投与時における平均寿命の変化率は、+10%であった。一方、参考例3のCF1038daf−16(mu86)I変異体50μM投与時における平均寿命の変化率は、+15%であった。変異体の平均寿命の変化率が高い結果となった。つまり、参考例3の10HDAは、daf−16の経路とは異なるメカニズムで寿命延長をもたらすことが示唆された。
<各例の老化防止剤及び画分の成分分析>
実施例2において得られた粉末状成分について、糖質、タンパク質及び10HDAの各含有量、タンパク質(ペプチド)の分子量分布を求めた。実施例1、参考例4,5及び比較例1,2は、固形分中における10HDAの含有量のみ測定を行った。
(a)全糖分析は、オルシノール硫酸法により行った。すなわち、オルシノール硫酸液(オルシン0.5g/70%硫酸1L)5mLに試料溶液0.5mLを加え、70℃15分間加熱、放冷後、OD420を測定した。グルコースを検量線とした時の試料中の全糖含量を換算して求めた。結果を表4に示す。
(b)タンパク質(ペプチド)の含有量は、Lowly法及びBradford法を組み合わせて行った。
Lowly法は、DCプロテインアッセイキット(Bio-Rad社)を用いてタンパク質定量を行なった。すなわち、1.0mg/mLに調製した試料水溶液100μLに対し、キットA試薬を500μL、B試薬を4mL添加し撹拌後、15分間常温放置し、750nmで吸光度を測定した。検量線作成には牛血清アルブミンを用いた。
Bradford法は、1.0mg/mLに調製した試料溶液0.1mLを試験管に分注し、発色試薬(Coomassie Brilliant Blue G-250の100mgを50mLの95%エタノールに溶解し、さらに85%(v/w)リン酸100mLを加え、水で1Lに希釈)を5.0mL加え混合し、混合後10〜60分以内に595nmの吸光度を測定した。検量線作成には牛血清アルブミンを用いた。結果を表4に示す。
(c)10HDAの含有量は、ODSカラムを用いたHPLCにより求めた。HPLCは以下の条件を採用した。標準品を用い10HDAのピークを同定するとともに、ピーク面積より、試料中の10HDAの濃度を求めた。結果を表4に示す。
装置:Waters600システム
カラム:Shiseido CAPCELLPAK AG120 内径4.6mm×長さ250mm
溶媒:A液/0.1%TFAH2O B液/0.1%TFACH3CN
グラジエント:B液2%→30%(0→120分)
表4に示されるように、ODSカラムから溶出された実施例2の成分は、多くはタンパク質から構成されていることが確認された。また、実施例1においては、10HDAがほとんど含有されていないことが確認された。つまり、RJの老化防止作用は、10HDAの作用のみによるものではないことが推認される。また、老化防止作用がほとんど確認されなかった比較例1,2において10HDAが含有されていることが確認された。つまり、比較例1,2の試料中には、10HDAの老化防止作用を阻害する、若しくは打ち消すような成分が共存している可能性が示唆された。RJにおける老化防止作用は、複数の成分が複雑に作用することにより発揮していることが推認された。
(d)ペプチドの分子量分布は、Superdexpeptide10/300カラムを用い分析を行った。標準物質(スタンダード)としては所定アミノ酸からなるペプチドを用い、分子量とリテンションタイム以下、R.tから検量線を作成し、実施例2の試料中に含まれるタンパク質(ペプチド)の分子量分布を求めた。以下の測定条件で行った。結果を図4に示す。
装置:Waters 600S system
カラム:Superdexpeptide10/300
移動相:(0.1%TFA)/(30%CH3CN/H2O)
流速:0.3mL/分
検出:PDA
測定試料中の固形分濃度:25mg/mL→20μL注入
標準物質の固形分濃度:5mg/mL→20μL注入
(但し、Gly−Glyの場合は、10mg/mL→20μL注入)
図4においてR.t(2)の範囲における下限R.t52.4分はTrp−Trp−Trpの分子量相当のR.tを示す。R.t52.4分よりも短い範囲においては、Trp−Trp−Trpよりも大きい分子量であることを示す。R.t(2)の範囲における上限R.t64.7分はGly−Glyの分子量相当のR.tを示す。R.t64.7分よりも長い範囲においては、Gly−Glyよりも小さい分子量であることを示す。
R.t(2)の範囲は、全体のピーク面積の24.98%を占めた。R.t(1)(3)の範囲は、全体のピーク面積に対し、それぞれ20.72%、54.32%であった。これらペプチドの分子量分布の結果より、実施例2の試料中には比較的低分子量のペプチドが多く含まれることが確認された。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。(イ)前記シリカ系吸着剤は、ODSであることを特徴とする前記老化防止剤。(ロ)前記溶出用溶媒は、水又は水とメタノールの混合液である前記老化防止剤。(ハ)前記溶出用溶媒は、メタノールが20〜40容量%のメタノールと水の混合液である前記老化防止
剤。

Claims (3)

  1. ローヤルゼリーにエンド型中性プロテアーゼを作用して得られる酵素処理ローヤルゼリーを、さらにシリカ系吸着剤としてODSに通し、次に水、又親水性有機溶媒を5〜40容量%含む水と親水性有機溶媒との混合液を溶出用溶媒として溶出させた成分を有効成分として含有し、前記親水性有機溶媒は、メタノール及びエタノールから選ばれる少なくとも一種であり、インスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与する遺伝子の発現量を調整することにより老化防止作用を発揮することを特徴とする老化防止剤。
  2. 前記エンド型中性プロテアーゼは、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)由来のエンド型中性プロテアーゼであることを特徴とする請求項1に記載の老化防止剤。
  3. 前記老化防止の作用は、インスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与するins−20及びdod−3から選ばれる少なくとも一種の遺伝子の発現量の増加、又はインスリン/IGF−1シグナル伝達系に関与するdod−19、dao−4、fkb−4及びins−9から選ばれる少なくとも一種の遺伝子の発現量の減少を伴うことにより発揮されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の老化防止剤。
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