JP2009274961A - 吸収促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘膜を介した薬物の生体内への吸収効率を効果的に高めることのできる吸収促進剤を提供する。
【解決手段】吸収促進剤は、10−ヒドロキシ−2−デセン酸類及び10−ヒドロキシデカン酸類から選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、難吸収性の薬物と併用して投与することにより、粘膜を介した同薬物の生体内への吸収効率を高める作用を有する吸収促進剤に係り、詳しくは、10−ヒドロキシ−2−デセン酸類及び10−ヒドロキシデカン酸類から選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有する吸収促進剤に関する。
従来、10−ヒドロキシ−2−デセン酸及び10−ヒドロキシデカン酸は、ローヤルゼリー中に含有される中鎖脂肪酸として知られている。また、その生理活性機能として、例えば、アルドース還元酵素阻害作用、抗炎症作用、チロシナーゼ活性阻害作用及びエストロゲン様作用を有することが報告されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特開平7−069879号公報 特開平9−315928号公報 特開2001−261571号公報 特開2004−075543号公報 特開2006−062986号公報
この発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、粘膜を介した薬物の生体内への吸収効率を高める作用を発揮するという、10−ヒドロキシ−2−デセン酸及び10−ヒドロキシデカン酸の新規な効能を見出したことに基づいてなされたものである。その目的とするところは、粘膜を介した薬物の生体内への吸収効率を効果的に高めることのできる吸収促進剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の吸収促進剤は、10−ヒドロキシ−2−デセン酸類及び10−ヒドロキシデカン酸類から選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有することを特徴とする。
請求項2に記載の吸収促進剤は、請求項1に記載の発明において、前記10−ヒドロキシ−2−デセン酸類及び前記10−ヒドロキシデカン酸類は、ローヤルゼリーを有機溶媒により抽出処理して得られる脂溶性成分として配合されていることを特徴とする。
本発明によれば、粘膜を介した薬物の生体内への吸収効率を効果的に高めることのできる吸収促進剤を提供することができる。
以下、本発明を具体化した吸収促進剤の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の吸収促進剤は、10−ヒドロキシ−2−デセン酸類及び10−ヒドロキシデカン酸類から選ばれる少なくとも一種を有効成分とするものであり、他の薬物と併用して投与(例えば、経口投与及び経腸投与)することにより、粘膜を介した同薬物の生体内への吸収効率を高める作用を有する。また、本実施形態の吸収促進剤は、粘膜を介して生体内に吸収され難い難吸収性薬物と併用して用いることがより効果的である。難吸収性薬物としては、特に限定されず、好ましくは粘膜(例えば、口腔粘膜・胃粘膜・腸粘膜)を介して容易に吸収されない薬物に適用される。
なお、本実施形態の薬物には、治療等に用いられる薬剤、検査等の試験に用いられる試薬、健康食品や栄養補助食品等に配合される生理活性物質や栄養成分等、粘膜を介して生体内に吸収されることによりその効果・効用を発揮する物質全てが含まれる。このような薬物としては、例えば、蛍光色素、抗生物質、胃腸性疾患治療薬、及びフラボノイドが挙げられる。より具体的には、例えば、蛍光色素である5−カルボキシフルオレセイン(5-Carboxyfluorecein)、セフェム系抗生物質であるセフォタキシムナトリウム(cefotaxime Na)、胃潰瘍治療薬であるレバミピド(rebamipide)、及びフラボノイドの一種であり、抗アレルギー作用や免疫力を高める効果のあるナリンゲニン(naringenin)が挙げられる。
本実施形態の吸収促進剤の有効成分として含有される10−ヒドロキシ−2−デセン酸類としては、10−ヒドロキシ−2−デセン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。10−ヒドロキシ−2−デセン酸塩としては、薬学的に許容される塩であればよく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩及びマグネシウム塩等の金属塩、並びにモノメチルアミン、トリメチルアミン等の有機アミン塩が挙げられる。
また、本実施形態の吸収促進剤の有効成分として含有される10−ヒドロキシデカン酸類としては、10−ヒドロキシデカン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。10−ヒドロキシデカン酸塩としては、薬学的に許容される塩であればよく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩及びマグネシウム塩等の金属塩、並びにモノメチルアミン、トリメチルアミン等の有機アミン塩が挙げられる。
なお、10−ヒドロキシ−2−デセン酸類及び10−ヒドロキシデカン酸類の中でも、吸収促進作用の観点から、10−ヒドロキシ−2−デセン酸類を用いることが好ましい。
これらの10−ヒドロキシ−2−デセン酸類及び10−ヒドロキシデカン酸類としては、発酵法による生合成品、化学合成品、それらの成分を含有するローヤルゼリー等の天然物、及び同天然物から抽出・精製して得られる精製品のいずれを使用してもよい。
発酵法による生合成品を得る方法としては、例えば、以下の方法を適用することができる。カンジダ・マルトーサ(Candida maltosa)等の酵母を用いてトランス−2−デセン酸及びカプリン酸(デカン酸)をそれぞれ10−ヒドロキシ−2−デセン酸及び10−ヒドロキシデカン酸に変換することにより上記生合成品を得ることができる(愛水、日本農芸化学会2007年度大会講演要旨集、第164頁)。また、カンジダ・マルトーサを用いてトランス−2−デセン酸エチルエステルを10−ヒドロキシ−2−デセン酸エチルエステルに変換した後、エステラーゼを用いて10−ヒドロキシ−2−デセン酸に変換して上記生合成品を得ることも可能である。同様に、カンジダ・マルトーサを用いてカプリン酸エチルエステルを10−ヒドロキシデカン酸エチルエステルに変換した後、エステラーゼを用いて10−ヒドロキシデカン酸に変換して上記生合成品を得ることも可能である(松田、日本農芸化学会2008年度大会講演要旨集、第266頁)。
ローヤルゼリー等の天然物から精製品を得る方法としては、例えば、以下の方法を適用することができる。まず、ローヤルゼリーをエタノールに溶解させた後、その可溶性画分をクロロホルム及び水で分配する。次に、クロロホルム層を溶媒留去して得られた残渣に対してヘキサンを加え、その不溶性画分をODSカラム(オクタデシルシリル化シリカゲルカラム)にて分画することにより上記精製品を得ることができる(Suzuki, eCAM Advance Access published on May 17 2007.)。
10−ヒドロキシ−2−デセン酸類及び10−ヒドロキシデカン酸類の配合形態としては、生合成品、化学合成品、天然物からの精製品を吸収促進剤中へ配合してもよいし、ローヤルゼリー等の天然物から有機溶媒を用いて抽出した抽出物(脂溶性成分)を吸収促進剤中へ配合してもよい。なお、抽出に用いる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール類、及びクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。これらの中でも、抽出して得られた脂溶性成分を吸収促進剤の原料として容易に用いることができる点から、エタノールを用いることが好ましい。また、これらの10−ヒドロキシ−2−デセン酸類及び10−ヒドロキシデカン酸類は、吸収促進剤中に単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
なお、これらの10−ヒドロキシ−2−デセン酸類及び10−ヒドロキシデカン酸類の配合形態の中でも、吸収促進作用の観点から生合成品、化学合成品、及び天然物からの精製品を配合することが好ましい。さらに、吸収促進作用及び入手容易性の観点から、生合成品及び化学合成品を配合することがより好ましい。
本実施形態の吸収促進剤は、薬物の吸収効率を高める作用を効果・効用とする医薬品、医薬部外品、健康食品、特定保健用食品、健康飲料、栄養補助食品等の組成物に配合されることにより摂取される。また、医薬品、医薬部外品、健康食品、特定保健用食品、健康飲料、栄養補助食品等の組成物中に含まれる主たる薬物(生理活性物質)の吸収効率を高めるための補助成分として、同組成物中に配合されることにより摂取される。
本実施形態の吸収促進剤を医薬品として使用する場合、又は医薬品中に配合させて使用する場合における投与方法としては、例えば、服用(経口摂取)により投与する方法(経口投与)、腸内投与(経腸投与)等が挙げられる。剤形としては、特に限定されないが、例えば、ガム製剤、散剤、粉剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、坐剤、液剤、注射剤等が挙げられる。また、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤としての賦形剤、基剤、乳化剤、溶剤、安定剤等を配合してもよい。
本実施形態の吸収促進剤を飲食品として使用する場合、又は飲食品中に配合させて使用する場合は、種々の食品素材又は飲料品素材に添加することによって、例えば、ガム状、粉末状、錠剤状、顆粒状、液状(ドリンク剤等)、カプセル状、シロップ、キャンディー等の形状に加工して健康食品製剤、栄養補助食品等として使用する。上記の飲食品としては、具体的には、スポーツドリンク、茶葉やハーブなどから抽出した茶類飲料、牛乳やヨーグルト等の乳製品、ペクチンやカラギーナン等のゲル化剤含有食品、グルコース、ショ糖、果糖、乳糖やデキストリン等の糖類、香料、ステビア、アスパルテーム、糖アルコール等の甘味料、植物性油脂及び動物性油脂等の油脂等を含有する飲料品や食料品が挙げられる。また、本発明の目的を損なわない範囲において、基材、賦形剤、添加剤、副素材、増量剤等を適宜添加してもよい。
本実施形態の吸収促進剤の投与量(摂取量)は、併用して投与(摂取)される薬物の種類や量によって異なるが、通常は、成人1日当たり、好ましくは0.05〜300g、より好ましくは0.1〜50gである。また、併用して投与される薬物の投与量に対する本実施形態の吸収促進剤の投与量比率は、同薬物の種類、投与方法及び吸収促進剤に含有される有効成分の種類によって異なるが、好ましくは、モル比で10:1〜1:100(薬物:吸収促進剤中に含有される有効成分量)、より好ましくは、2:1〜1:65である。
次に本実施形態における作用効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態の吸収促進剤は、10−ヒドロキシ−2−デセン酸類及び10−ヒドロキシデカン酸類から選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有している。これにより、本実施形態の吸収促進剤を、他の薬物と併用して投与(摂取)した際に、粘膜を介した同薬物の生体内への吸収効率を効果的に高めることができる。特に、本実施形態の吸収促進剤は、難吸収性の薬物と併用して用いることが有効である。
(2)また、併用される薬物の吸収効率が高められることにより、併用される薬物の効果・効用を一定の水準に維持しつつも同薬物の投与量を減らすことが可能となる。その結果、上記薬物の投与コストを減らすことができるとともに、上記薬物を多量に投与することに起因する副作用の発現、すなわち、正常に機能している器官に及ぼす影響を抑制することができる。このような薬物を多量に投与することに起因する副作用としては、例えば、善玉の腸内細菌への影響や、消化管粘膜の障害を挙げることができる。
(3)さらに、薬物として抗生物質を併用して投与する場合には、抗生物質の投与量が低減されることにより、例えば、MRSA等の多剤耐性菌の出現を抑えることにもつながる。
(4)本実施形態の吸収促進剤は、細胞(消化管粘膜)に与える細胞障害性が低く、生体に対する安全性が高い。そのため、医薬品や飲食品等に容易に適用することができる。また、ローヤルゼリー由来の物は天然物由来のため、より安全性が高い。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 本実施形態の吸収促進剤を、例えば馬、牛等のヒト以外の動物に使用してもよい。
・ 難吸収性の薬剤と同時に投与してもよく、胃・腸管内で共存し得る多少の時間差を置いて、別々に投与してもよい。
次に、各試験例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
<吸収促進剤の吸収促進作用に関する試験>
本発明の吸収促進剤を難吸収性薬物と併せて投与することにより、本発明の吸収促進剤の吸収促進作用を評価した。本発明の吸収促進剤としては、10−ヒドロキシ−2−デセン酸(塩野香料社製)、10−ヒドロキシデカン酸(Sigma-Aldrich社製)、生ローヤルゼリー及び生ローヤルゼリーから有機溶媒を用いて抽出した抽出物(以下、RJ−オイルと記す。)の4種を用いた。また、難吸収性薬物としては、水溶性難吸収性薬物である5−カルボキシフルオレセイン(Sigma-Aldrich社製)及びセフォタキシムナトリウム(Sigma社製)、並びに難水溶性難吸収性薬物であるレバミピド(ABA Chemical社製)及びナリンゲニン(東京化成工業社製)の4種を用いた。
(試験例1−1)
10−ヒドロキシ−2−デセン酸の吸収促進作用を測定した。約16時間絶食させた状態の8週齢のWistar系の雄性ラット(200−250g)に対して、各種難吸収性薬物及び10−ヒドロキシ−2−デセン酸を投与した。なお、難吸収性薬物は、5−カルボキシフルオレセインである場合には、上記ラットの体重1kg当たり10mg、セフォタキシムナトリウム又はナリンゲニンである場合には、上記ラットの体重1kg当たり100mg、レバミピドである場合には、上記ラットの体重1kg当たり300mgとなるように投与した。また、10−ヒドロキシ−2−デセン酸は、上記ラットの体重1kg当たり100mg又は300mgとなるように投与した。
投与方法は、経口投与及び十二指腸投与をそれぞれ採用したが、難吸収性薬物がレバミピド又はナリンゲニンである場合には十二指腸投与のみ採用した。経口投与は、5%アラビアゴムに懸濁した難吸収性薬物及び10−ヒドロキシ−2−デセン酸を、胃ゾンデを用いて強制的に投与して行なった。
また、十二指腸投与は以下のようにして行なった。上記ラットを予めエーテルを吸引させて麻酔した後に開腹した。胃の幽門部を動物実験用クリップで挟み、十二指腸内容物の胃への逆流を防止した後、5%アラビアゴムに懸濁した難吸収性薬物及び10−ヒドロキシ−2−デセン酸を注射器にて十二指腸内に同時に投与した。その後、胃の幽門部を挟んだクリップを取り外した。
投与後、頸静脈より経時的に採血を行なった。そして、得られた各血液サンプルに対して遠心分離(6000rpm、15分、4℃)を行うことにより、各血液サンプル中の血漿成分を分離し、血漿成分中に含まれる各種難吸収性薬物の濃度を測定した。
なお、難吸収性薬物が5−カルボキシフルオレセインである場合には、得られた血漿成分をエタノールにより抽出した後に、蛍光分光光度計を用いて血漿中に含まれる5−カルボキシフルオレセインの濃度を測定した。
難吸収性薬物がセフォタキシムナトリウムである場合には、得られた血漿成分をメタノールにより抽出し、濃縮した後に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて血漿中に含まれるセフォタキシムナトリウムの濃度を測定した。その際のHPLCの測定条件は以下のとおりである。
[HPLC条件]
カラム:Shiseido CAPCELL PAK AG120 4.6mm φ×250mm (資生堂社製)
溶出溶媒:150mM KH2PO4 (pH6.5):メタノール=82:18のアイソクラティック溶出
流速:1 ml/min
検出:235nm
難吸収性薬物がレバミピドである場合には、得られた血漿成分をアセトニトリルにより抽出し、濃縮した後に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて血漿中に含まれるレバミピドの濃度を測定した。その際のHPLCの測定条件は以下のとおりである。
[HPLC条件]
カラム:Shiseido CAPCELL PAK AG120 4.6mm φ×250mm (資生堂社製)
溶出溶媒:1%酢酸含有H2O:1%酢酸含有アセトニトリル=85:15(0〜5分)→70:30(5〜25分で直線的にアセトニトリル増加)→70:30(25〜35分の間保持)のグラジエント溶出
流速:1 ml/min
検出:254nm
難吸収性薬物がナリンゲニンである場合には、得られた血漿成分0.1mlに酵素溶液(0.1M酢酸緩衝液(pH5.0)にスルファターゼを252U/ml、β−グルクロニダーゼを7812U/mlとなるように添加したもの)20μlを添加し、37℃にて2時間反応させて脱抱合した。その後、メタノールにより抽出し、濃縮した後に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて血漿中に含まれるナリンゲニンの濃度を測定した。その際のHPLCの測定条件は以下のとおりである。
[HPLC条件]
カラム:Shiseido CAPCELL PAK AG120 4.6mm φ×250mm (資生堂社製)
溶出溶媒:アセトニトリル:0.1M酢酸アンモニウム(pH4.9):酢酸=30:69:1のアイソクラティック溶出
流速:1 ml/min
検出:292nm
なお、上記ラットに対して、各種難吸収性薬物のみを経口投与又は十二指腸投与により投与したものを用意し、これをコントロールとして用いた。また、吸収促進剤として、10−ヒドロキシ−2−デセン酸に代えてカプリン酸(東京化成工業社製)を投与したものを用意し、これを比較例として用いた。カプリン酸は、上記ラットの体重1kg当たり300mgとなるように投与した。なお、カプリン酸は、吸収促進剤として臨床応用されている物質である。具体的には、カプリン酸ナトリウムとして、アンピシリンやセフチゾキシムと併用して投与されている(Mori, 2004, Biol. Pharm. Bull., 27, 418-421)。そして、これらのコントロール及び比較例についても、同様の操作を行い、血漿中に含まれる各種難吸収性薬物の濃度を測定した。
そして、これらの測定結果から、薬物血中濃度−時間曲線をそれぞれ作成した。一例として、セフォタキシムナトリウム及び10−ヒドロキシ−2−デセン酸を十二指腸投与した場合におけるセフォタキシムナトリウムの薬物血中濃度−時間曲線を図1に示す。そして、各薬物血中濃度−時間曲線に基づいて各種難吸収性薬物の最高血中濃度(Cmax)及び血中濃度曲線下面積(AUC)をそれぞれ算出した。その結果を表1に示す。なお、AUCは、体循環血液中に入った薬物量に比例する値であるため、体内に取り込まれた薬物の量を示す指標として用いることができる。
Figure 2009274961
表1に示すように、10−ヒドロキシ−2−デセン酸を難吸収性薬物と併せて投与した場合は、難吸収性薬物のみを投与した場合と比較して、いずれの難吸収性薬物及びいずれの投与方法においても、Cmax及びAUCの増加が認められ、難吸収性薬物の吸収量が増加したことが確認された。また、この10−ヒドロキシ−2−デセン酸による吸収促進作用は、十二指腸投与により投与した場合により顕著となった。
さらに、10−ヒドロキシ−2−デセン酸を吸収促進剤として投与した場合には、カプリン酸を吸収促進剤として投与した場合(比較例)と比較して、いずれの難吸収性薬物及びいずれの投与方法においても、Cmax及びAUCが大きく増加した。また、その増加割合は、十二指腸投与により投与した場合により顕著であった。これらの結果から、10−ヒドロキシ−2−デセン酸は、生理活性成分等の吸収効率を高める目的で医薬品及び飲食品等に好適に配合することができることが確認された。また、その吸収促進作用は、従来、吸収促進剤として使用されているカプリン酸よりも高いものであり、10−ヒドロキシ−2−デセン酸は、吸収促進剤としてカプリン酸よりも有用であることが確認された。
(試験例1−2)
10−ヒドロキシデカン酸の吸収促進作用を測定した。約16時間絶食させた状態のWistar系の8週齢の雄性ラット(200−250g)に対して、体重1kg当たり100mgの難吸収性薬物(セフォタキシムナトリウム)、及び体重1kg当たり100mg又は300mgの10−ヒドロキシデカン酸を投与した。投与方法は、十二指腸投与を採用した。十二指腸投与は試験例1−1と同様の方法にて行なった。投与後、頸静脈より経時的に採血を行なった。そして、得られた各血液サンプルに対して遠心分離(6000rpm、15分、4℃)を行うことにより、各血液サンプル中の血漿成分を分離するとともに、血漿成分中に含まれるセフォタキシムナトリウムの濃度を測定した。
また、上記ラットに対して、体重1kg当たり100mgのセフォタキシムナトリウムのみを十二指腸投与により投与したものを用意し、これをコントロールとして用いた。また、吸収促進剤として、10−ヒドロキシデカン酸に代えてカプリン酸を投与したものを用意し、これを比較例とした。カプリン酸は、上記ラットの体重1kg当たり300mgとなるように投与した。そして、このコントロール及び比較例についても、同様の操作を行い、血漿中に含まれるセフォタキシムナトリウムの濃度を試験例1−1と同様の方法にて測定した。これらの測定結果に基づいて、セフォタキシムナトリウムの最高血中濃度(Cmax)及び血中濃度曲線下面積(AUC)を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 2009274961
表2に示すように、10−ヒドロキシデカン酸をセフォタキシムナトリウムと併せて投与した場合は、セフォタキシムナトリウムのみを投与した場合と比較して、Cmax及びAUCの増加が認められ、セフォタキシムナトリウムの吸収量が増加したことが確認された。さらに、10−ヒドロキシデカン酸を吸収促進剤として投与した場合には、カプリン酸を吸収促進剤として投与した場合(比較例)と比較して、いずれの難吸収性薬物及びいずれの投与方法においても、Cmax及びAUCが大きく増加した。これらの結果から、10−ヒドロキシデカン酸は、生理活性成分等の吸収効率を高める目的で医薬品及び飲食品等に好適に配合することができることが確認された。また、その吸収促進作用は、従来、吸収促進剤として使用されているカプリン酸よりも高いものであり、10−ヒドロキシデカン酸は、吸収促進剤としてカプリン酸よりも有用であることが確認された。
(試験例1−3)
生ローヤルゼリー及びRJ−オイルの吸収促進作用を測定した。RJ−オイルは以下のようにして調製した。中国産の生ローヤルゼリー2kgにエタノール2lを加え、室温にて2時間攪拌した後、濾紙を用いて濾過した。そして、濾紙上の残留物に対して、新たにエタノールを2l加え、室温にて2時間攪拌した後、濾紙を用いて濾過した。2度の処理により得られた濾液を混合し、濾液中の溶媒を留去してRJ−オイル(385g)を調製した。
そして、約16時間絶食させた状態の8週齢のWistar系の雄性ラット(200−250g)に対して、体重1kg当たり100mgの難吸収性薬物(セフォタキシムナトリウム)、及び体重1kg当たり6000mgの生ローヤルゼリー又は体重1kg当たり1000mgのRJ−オイルを投与した。投与方法は、十二指腸投与を採用した。十二指腸投与は試験例1−1と同様の方法にて行なった。投与後、頸静脈より経時的に採血を行なった。そして、得られた各血液サンプルに対して遠心分離(6000rpm、15分、4℃)を行うことにより、各血液サンプル中の血漿成分を分離するとともに、血漿成分中に含まれるセフォタキシムナトリウムの濃度を試験例1−1と同様の方法にて測定した。
また、上記ラットに対して、体重1kg当たり100mgのセフォタキシムナトリウムのみを十二指腸投与により投与したものを用意し、これをコントロールとして用いた。そして、このコントロールについても、同様の操作を行い、血漿中に含まれるセフォタキシムナトリウムの濃度を測定した。これらの測定結果に基づいて、セフォタキシムナトリウムの最高血中濃度(Cmax)及び血中濃度曲線下面積(AUC)を算出した。その結果を表3に示す。
Figure 2009274961
表3に示すように、生ローヤルゼリー又はRJ−オイルをセフォタキシムナトリウムと併せて投与した場合は、セフォタキシムナトリウムのみを投与した場合と比較して、Cmax及びAUCの増加が認められ、セフォタキシムナトリウムの吸収量が増加したことが確認された。この結果から、生ローヤルゼリー又はRJ−オイルの形態で配合しても薬物の吸収促進作用が得られることが確認された。また、生ローヤルゼリー又はRJ−オイルは、生理活性成分等の吸収効率を高める目的で医薬品及び飲食品等に好適に配合することができることが確認された。
<吸収促進剤の細胞障害性に関する試験>
(試験例2)
本発明の吸収促進剤の細胞障害性について評価した。細胞が損傷を受けると、その細胞から細胞質が外部に放出される。そして、放出された細胞質中に含まれる特定の酵素の酵素活性は細胞の損傷の程度(細胞障害性)を示す代替値として用いることができる。本試験では、損傷を受けた細胞から放出された細胞質中に含まれる乳酸脱水素酵素(LDH)の酵素活性を測定することにより、吸収促進剤の細胞障害性の評価を行なった。
本試験で用いる吸収促進剤の試料として、10−ヒドロキシ−2−デセン酸を40mg/mlとなるように5%アラビアゴムに懸濁させた溶液を使用した。比較例として、カプリン酸を40mg/mlとなるように5%アラビアゴムに懸濁させた溶液を使用した。
約48時間絶食させた状態の8週齢のWistar系の雄性ラット(200−250g)を、エーテル麻酔下で開腹した。腸管を生理食塩水(37℃)で洗浄した後、空腸に5cmのループを作成し、その両端を縫合糸にて結紮した。そして、37℃に調温した各試料溶液を上記ループ内に投与した後に閉腹した。3時間後、上記ループを摘出し、LDH測定キットを用いてループ内液のLDH活性を測定した。その結果を表4に示す。表4に示す数値は、各試料溶液に代えてコントロール(5%アラビアゴム溶液)を投与した際のLDH活性を100とした場合の相対値が示されている。
Figure 2009274961
表4に示すように、10−ヒドロキシ−2−デセン酸を投与した場合におけるLDH活性は、カプリン酸を投与した場合におけるLDH活性よりも低いことが確認された。この結果から、本発明の吸収促進剤は、従来、吸収促進剤として使用されているカプリン酸よりも細胞障害性が低く、より容易に生体に適用することができることが確認された。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について記載する。
○ ローヤルゼリーを有機溶媒により抽出処理して得られる脂溶性成分を有効成分として含有する吸収促進剤。
○ 前記吸収促進剤を有効成分として含有する飲料組成物。
○ 経粘膜用吸収促進剤、経口投与用の吸収促進剤、及び経腸投与用の吸収促進剤である前記吸収促進剤。
○ 前記10−ヒドロキシ−2−デセン酸類は、トランス−2−デセン酸又はトランス−2−デセン酸エステルを微生物により変換して得られる生合成品であることを特徴とする吸収促進剤。
○ 前記10−ヒドロキシデカン酸類は、カプリン酸又はカプリン酸エステルを微生物により変換して得られる生合成品であることを特徴とする吸収促進剤。
○ 前記微生物は酵母であることを特徴とする吸収促進剤。
○ 前記酵母はカンジダ・マルトーサ(Candida maltosa)であることを特徴とする吸収促進剤。
セフォタキシムナトリウム及び10−ヒドロキシ−2−デセン酸を十二指腸投与した場合におけるセフォタキシムナトリウムの薬物血中濃度−時間曲線。

Claims (2)

  1. 10−ヒドロキシ−2−デセン酸類及び10−ヒドロキシデカン酸類から選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有することを特徴とする吸収促進剤。
  2. 前記10−ヒドロキシ−2−デセン酸類及び前記10−ヒドロキシデカン酸類は、ローヤルゼリーを有機溶媒により抽出処理して得られる脂溶性成分として配合されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収促進剤。
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