JP5922975B2 - 蓋付キャップ - Google Patents

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Description

本発明は、ボタンが押されて内容物が出る容器に用いられる蓋付キャップに関し、さらに詳しくはこのキャップの一部をなす蓋体の開放に伴ってこのボタンが押されて内容物が出る蓋付キャップに関するものである。
従来から、内容物が入った容器の取出口を被うキャップが多数用いられている。この場合ヒンジを介して蓋体を開放する構造になっているため、キャップの紛失や付け忘れが発生しない。しかしながらキャップ本体のフックから蓋体を外すには、指で蓋体を上方向に弾いたりもう一方の手で容器を支えながら蓋体を押し上げたりしなければならない構造であるため手間が掛かる。
そこで容器を持ちながら、この持っている手の指で押圧操作部を押して蓋部を開けるワンプッシュオープンキャップに関する発想(例えば特許文献1参照。)が提案されている。この文献では、指の押圧力により押圧操作部が直線化を招き、本体側のヒンジ溝と蓋部の折曲部との対角線距離が拡張されることにより、蓋部が開放されると説明している(段落「0024」)。
特許第4007521号
しかしながら上述した先行技術文献の発想では、容器を傾けて取出口を斜めにしなければ内容物が出ない。すなわち押圧操作部は蓋体を開放するためだけに押圧されるものである。したがって例えばボタンが押されて内容物が出るスプレータイプの容器に使用することができない。
スプレータイプにおいても、衛生や安全の観点からボタンを保護するキャップが付属されている。ところが利用者はスプレーを使用する度にキャップを外さなければならず、このキャップを紛失したり付け忘れてしまったりすることがある。そしてキャップをしなければ、放出口に埃などが付着して汚れるため、内容物が出難くなってしまう。このことからスプレーにはキャップが必須の付属品であることが伺える。したがってスプレータイプにも取り外さずに使用できる構造を備えたキャップを装着すべきである。
また通常、ボタンは容器に着脱可能で固定されていない。このため使用中に回転して放出口の向きが変わってしまう恐れがある。このためボタンが固定された状態を擬似的に形成すべきである。
またキャップとボタンとが別々だと、それぞれ異なる工程で製造しなければならないばかりでなく、それぞれ別々に品質検査したり組立したりしなければならない。したがってこの問題を解決するには、キャップとボタンとが一体の構造であるべきである。
そこで本発明の第1の目的は、キャップを取り外すことなくボタンが押されて内容物が放出する蓋付キャップを提供することにある。
本発明の第2の目的は、ボタンが押されたときに常に所望の方向に内容物が放出する蓋付キャップを提供することにある。
本発明の第3の目的は、同じ製造工程でキャップとボタンとが一体的に製造される蓋付キャップを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明による蓋付キャップは、キャップ本体に蓋体を設け、この蓋体が開放される動作に伴ってボタンが押されることを特徴としている。
すなわち本発明による蓋付キャップは、容器に装着され内容物の放出口を有するボタンを被うキャップ本体と、このキャップ本体の外郭の少なくとも一部をなす蓋体とを備え、上記蓋体は、加圧部及びヒンジ部を介して上記キャップ本体と連結しており、上記加圧部と上記キャップ本体とが連結している部分は、屈曲可能な第1の屈曲部で、上記加圧部と上記蓋体とが連結している部分は、屈曲可能な第2の屈曲部で、上記ヒンジ部と上記キャップ本体とが連結している部分は、屈曲可能な第3の屈曲部で、上記ヒンジ部と上記蓋体とが連結している部分は、屈曲可能な第4の屈曲部で、上記第1の屈曲部、上記第2の屈曲部、上記第3の屈曲部及び上記第4の屈曲部はそれぞれ平行で、上記加圧部は、上記蓋体が開放して形成される開放口と反対側に配置され、上記ヒンジ部は、上記加圧部の左右近傍の少なくとも一方に配置され、上記加圧部は、上記第1の屈曲部を中心に回動し、上記ヒンジ部は、上記第3の屈曲部を中心に回動し、上記第3の屈曲部は、上記加圧部の回動に伴って動く第2の屈曲部の軌道と横方向に平行な軌道上に位置し、上記第4の屈曲部は、上記第2の屈曲部の軌道の外側かつ上記蓋体の開放口側に位置し、上記ヒンジ部の回動半径は、上記加圧部の回動半径より小さく、上記ヒンジ部は、上記蓋体が開放したときに上記ボタンの上端に接する位置に設けられている。
また上記ボタンの外側には、上記放出口の向きと平行な側壁部が設けてあり、上記キャップ本体の内側には、上記蓋体の開放口の向きと平行な内側壁が設けてあり、上記容器に装着されたとき、上記側壁部と上記内側壁とが接することが望ましい。
また上記ボタンは、断面が円形ではない形状で、上記キャップ本体が、上記ボタンの少なくとも周方向に合致するボタンホルダーを備え、上記ボタンホルダーの下端には、上記蓋体の開放口の向きと同方向に板部材が設けられ、上記板部材は、上記キャップ本体の端部と連結していることが望ましい。
また上記ボタンは、矩形で、上記ボタンホルダーは、上記ボタンに合致するキャップ状のもので、上記ボタンホルダーの側面には、上記ボタンの放出口が開放される位置に開口が設けられていることが望ましい。
また上記ボタンは、放出口を有するボタン本体と、このボタン本体を支持する土台部とを備え、上記ボタン本体の下端には、上記放出口の向きと同方向に板部材が設けてあり、上記板部材は、上記土台部の上端縁と連結していることが望ましい。
また上記ボタンは、上記キャップ本体と一体成型されたもので、上記ボタンの下端には、上記蓋体の開放口の向きと同方向に板部材が設けてあり、上記板部材は、上記キャップ本体の端部と連結していることが望ましい。
また上記ボタンは、外方向に突き出たノズルを有し、上記放出口は、上記ノズルの先端にあり、上記蓋体の裏面には、液垂防止部が設けられており、上記液垂防止部は、上記蓋体が閉じているときに上記放出口に接する位置に設けられていることが望ましい。
ここで「キャップ本体」や「ボタン」の形状は、円柱形のみならず、楕円形や矩形も該当する。「放出口」は、例えばミスト状、液状又はムース状の内容物を放出するものが該当する。「蓋体」の形状は、上端面の一部を成す板型、上端面及び側周面の一部を成すL字型またはキャップ本体の上部全体を成す全体型が該当する。
「加圧部」とは、加圧されて蓋体を開放する応力をこの蓋体に伝えるものを意味する。「ヒンジ部」は、蓋体の回動をコントロールするものを意味する。「蓋体の開放口と反対側」とは、「蓋体の開放口」が前方とした場合、「反対側」は後方となることを意味する。「加圧部の左右近傍」とは、左右の横方向のみならず、斜め上方向も該当する。
「第1の屈曲部」、「第2の屈曲部」、「第3の屈曲部」及び「第4の屈曲部」は、部材にスリットやV字の溝を設けたものばかりでなく、蝶番も該当する。第3の屈曲部が「第2の屈曲部の回転軌道上に位置し」とは、例えば蓋体が閉じている場合に第2の屈曲部と第3の屈曲部とが一直線上に並ぶ状態が該当する。
ヒンジ部が「蓋体を開放したときにボタンの上端に接する」とは、少なくとも第2の屈曲部近傍が接することが該当する。
「側壁部」は、例えばボタンの外側を平面にカットしたものばかりでなく、平面状の凸部や、複数の凸部を設けて全体で平面を形成するものが該当する。
「断面が円形ではない形状」のボタンには、矩形や楕円形に限らず、ボタンホルダーを装着したときにこのボタンホルダーの内部で回転しないものが全て含まれる。
「ボタンホルダー」は、例えばリング状のものやキャップ状のものが該当する。それぞれの内側には、滑り止め部材や粘着素材などが付されていてもよい。
「ノズル」の向きは、横方向、縦方向又は斜め方向のいずれも含む。
本発明による蓋付キャップは、所定の位置に設けたヒンジ部の回動半径が加圧部の回動半径より小さいことにより、加圧部に加わった力に対する反力がヒンジ部から蓋体に伝わって、蓋体が回動する。さらに加圧部は蓋体が開放したときにボタンの上端に接する位置に設けられていることにより、蓋体の開放に伴ってボタンが押される。したがってキャップを取り外すことなくボタンが押され、内容物が放出する構造を実現することができる。
また容器に装着されたとき、ボタン外側の側壁部とキャップ本体内側の内側壁とが接することにより、ボタンを回転させず一定の向きに固定することができる。したがってボタンが押されたときに、常に所望の方向に内容物が放出する構造を実現することができる。
またボタンは断面が円形ではない形状で、ボタンホルダーがこのボタンの少なくとも周方向に合致することにより、ボタンを回転させず一定の向きに固定することができる。さらにボタンホルダーが蓋体の開放口の向きと同方向に設けた板部材を介してキャップ本体の端部と連結していることにより、押されたボタンの動きに応じて上下に柔軟に可動する。したがってボタンが押されたときに、常に所望の方向に内容物が放出する構造を実現することができる。
またボタンホルダーが矩形のボタンに合致するキャップ状のもので、このボタンホルダーの側面にボタンの放出口が開放される位置に開口が設けられていることにより、ボタンの動きに対してボタンホルダーが抜けたりずれたりすることなく常に所望の方向に内容物が放出する構造を実現することができる。
またボタンがキャップ本体と一体成型されたもので、このボタンが蓋体の開放口の向きと同方向に設けた板部材を介してキャップ本体の端部と連結していることにより、押された加圧部の動きに応じて柔軟に可動する。したがって同じ製造工程でキャップとボタンとが一体的に製造される構造を実現することができる。
また蓋体の裏面にある液垂防止部が、この蓋体を閉じているときにノズルの放出口を接する位置に設けられていることにより、使用後にノズルの先端に残った液が液垂防止部に塞き止められて垂れないようにすることができる。すなわち液垂防止部がノズルの放出口を塞いだ状態を形成する。
蓋付キャップの斜視図及び断面図である。 他のボタンの斜視図及び他の蓋付キャップの各種断面図である。 他のボタンの斜視図及び他の蓋付キャップの各種断面図である。 他の蓋付キャップにおける各種断面図である。 他の蓋付キャップにおける各種断面図である。 他の蓋付キャップにおける各種断面図である。 他の蓋付キャップの斜視図及び断面図である。
以下図1〜図6を参照しつつ、本発明による蓋付キャップについて説明する。初めに、図1を用いてこの蓋付キャップの基本構造について説明する。図1(a)は蓋付キャップの外観図、図1(b)及び図1(c)は既存のキャップに代えてこの蓋付キャップを使用した状態の断面図についてそれぞれ示す。なおボタンがあることを仮想して点線で表示してある。
さて図1(a)及び図1(b)に示すように、この蓋付キャップは、容器Sに装着され放出口Nを有するボタン5を被う円筒状の中空なキャップ本体1と、このキャップ本体1の上端面及び側周面の一部をなしているL字型の蓋体2とを備えている。蓋体2は、板状の加圧部3及びヒンジ部4を介してキャップ本体1と連結している。加圧部3とキャップ本体1とが連結している部分は、屈曲可能な第1の屈曲部31である。加圧部3と蓋体2とが連結している部分は、屈曲可能な第2の屈曲部32である。ヒンジ部4とキャップ本体1とが連結している部分は、屈曲可能な第3の屈曲部41である。ヒンジ部4と蓋体2とが連結している部分は、屈曲可能な第4の屈曲部である。第1の屈曲部31、第2の屈曲部32、第3の屈曲部41及び第4の屈曲部42はそれぞれ平行で、蓋体2が開放して形成される開放口Hの向きと直交する向きに設けられている。加圧部3は、蓋体2の開放口Hと反対側に配置されている。ヒンジ部4は、加圧部3の左右近傍にそれぞれ配置されている。加圧部3は、第1の屈曲部31を中心に回動する。ヒンジ部4は、第3の屈曲部41を中心に回動する。第3の屈曲部41は、加圧部3の回動に伴って動く第2の屈曲部32の軌道と横方向に平行な軌道上に位置する。第4の屈曲部42は、第2の屈曲部32の軌道の外側かつ蓋体2の開放口H側に位置する。ヒンジ部4の回動半径は、加圧部3の回動半径より小さい。加圧部3は、蓋体2が開放したときにボタン5の上端に接する位置に設けられている。
キャップ本体1、蓋体2、加圧部3及びヒンジ部4は、一体的に射出成型された構造である。キャップ本体1には、蓋体2、加圧部3及びヒンジ部4が配置する切り欠き部が設けてある。この切り欠き部は、キャップ本体1の上端面を横断し、側周面の前方及び後方に至っている。蓋体2は、切り欠き部の開放口H側の上方を被い、キャップ本体1の上端面及び側周面と面一になるように配置されている。加圧部3は、斜めにして指が宛がえるように配置されている。ヒンジ部4は、キャップ本体1の上端面及び蓋体2の上端面と面一になるように配置されている。
第1の屈曲部31は、蓋体2の開放口Hと反対側のキャップ本体1の切り欠き部端縁と連結して形成されている。第3の屈曲部41は、蓋体2の開放口Hと反対側のキャップ本体1の切り欠き部内側壁から突出している突出部の上端と連結して形成されている。
なお蓋体2の開放口Hと同じ側のキャップ本体1の切り欠き部端縁には、この蓋体を固定するフックFが設けられている。加圧部3の表面には、指の滑りを防止する突起部が設けてある。蓋体2の閉鎖時には、加圧部3と突出部とが面一になる。ボタン5の内部中央には、容器Sのバルブ先端が差し込まれる穴が設けてある。
次に図1(b)及び図1(c)を用いて、この蓋付キャップを使用した場合の動作説明をする。なおこれらの図は、図1(a)に示すA−A部分から断面視したものである。
蓋体2が閉じた状態に加圧部3が加圧されると、この加圧による応力が蓋体2の上端面に平行な方向と直角な方向とに分散する。蓋体2は、平行な方向に分散した力により横方向に動くため、フックFが外れる。フックFが外れると、直角な方向に分散した力により加圧部3が第1の屈曲部31を中心に下方に回動する。このとき蓋体2は加圧部3と連結しているため、下方に引っ張られる。しかし蓋体2は、加圧部3の回動半径より小さい回動半径で回動するヒンジ部4と連結しているため、上方に向かって回動する。すなわち蓋体2は、加圧部に加わった力に対する反力がヒンジ部から蓋体に伝わり、蓋体が回動する。第4の屈曲部42を中心に回動する。蓋体2が開放してボタン5の放出口Nが表に出始めたとき、加圧部3は少なくともボタン5の上端に接する。さらに加圧部3が加圧されると、ボタン5の後方が傾いてバルブ先端が押されて内容物が放出する。
したがってこの蓋付キャップは、所定の位置に設けたヒンジ部4の回動半径が加圧部3の回動半径より小さいことにより、この加圧部に加わった力に対する反力がこのヒンジ部から蓋体2に伝わって、この蓋体が回動する。さらに加圧部3は蓋体2が開放したときにボタン5の上端に接する位置に設けられていることにより、この蓋体の開放に伴ってこのボタンが押される。したがってキャップを取り外すことなくボタン5が押され内容物が放出する構造を実現することができる。
なお内容物の種類は、整髪料、化粧品、デオドラント、殺虫剤、防水剤、防虫剤、冷却剤、消臭剤、錆止め、香水又は調味料などに用いられるものに限らず全て該当する。蓋付キャップを装着するには、キャップ本体1の下端から容器Sの上部に嵌め込む方法や、このキャップ本体の下端をこの容器の上部に設けられた溝又は淵に嵌め込む方法がある。
図2〜図6は、他の蓋付キャップについて説明するものである。
なお図1で示した部品または部位と同等のものは、参照を容易にする等のため、図2において一律100を加えた番号にしている(以下図3〜図6も同様に、一律200〜500を加えた番号にしている。)。図1を含む各図を用いて説明したことと同じ内容についての説明は省略する。
図2(a)は代替用のボタンの斜視図、図2(b)は蓋付キャップの断面図、図2(c)はこのボタンが装着された容器の断面図、図2(d)はこの蓋付キャップを使用した状態の断面図についてそれぞれ示す。
図2(a)に示すように、ボタン105の両側面には、放出口Nの向きと平行にそれぞれ平面な側壁部151が設けられている。また図2(b)に示すように、キャップ本体101に設けた切り欠き部の内側には、蓋体102の開放口Hの向きと平行な内側壁111が設けられている。キャップ本体101が容器に装着された場合、側壁部151に内側壁111が接する。なお図2cに示すように、ボタン105は容器Sに接しておらず、浮いた状態で装着される。
次に図2(d)を用いて、この蓋付キャップを使用した場合の動作説明をする。
キャップ本体101が装着されると、ボタン105の側壁部151と内側壁111が接する。このときボタン105の放出口Nは、蓋体102の開放口Hの方向を向いて固定される。
したがってこの蓋付キャップが容器に装着されたとき、ボタン外側の側壁部とキャップ本体内側の内側壁とが接することにより、ボタン105を回転させず一定の向きに固定することができる。したがってボタン105が押されたときに常に所望の方向に内容物が放出する構造を実現することができる。
図3(a)は蓋付キャップ付属のスパウト式ボタンの斜視図、図3(b)はこの蓋付キャップの断面図及び図3(c)はこの蓋付キャップ及びスパウト式ボタンを使用した状態の断面図について示す。
図3(a)に示すように、スパウト式ボタン205は、放出口Nを有するボタン本体251と、このボタン本体を支持する円筒形の土台部252とを備えている。ボタン本体251の下端には、放出口Nと同方向に板部材251aが設けてある。板部材251aは、土台部252の上端縁と連結している。 板部材251aの幅は、土台部252と連結している部分を中心にしてボタン本体251が上下に揺動できる程度の寸法が望ましい。なおキャップ本体201は、土台部252の階段状になっている部分に嵌めこまれる。
次に図3(d)を用いて、この蓋付キャップを使用した場合の動作説明をする。
キャップ本体201が装着されると、ボタン本体251の平面部251bと内側壁211が接する。このときボタン205の放出口Nは、蓋体202の開放口Hの方向を向いて固定される。
したがってこの蓋付キャップが容器に装着されたとき、スパウト式ボタン外側の側壁部251bとキャップ本体内側の内側壁211とが接することにより、スパウト式ボタン205を回転させず一定の向きに固定することができる。したがってスパウト式ボタン205が押されたときに常に所望の方向に内容物が放出する構造を実現することができる。さらにスパウト式ボタン205と蓋付キャップとを組み合わせてセット販売することができる。
図4(a)は他の蓋付キャップの断面図、図4(b)はこの蓋付キャップを使用する容器の断面図、図4(c)はこの蓋付キャップを使用した状態の断面図についてそれぞれ示す。
図4(a)及び図4(b)に示すように、この蓋付キャップは、矩形のボタン305を有する容器Sに装着されるものである。キャップ本体301は、ボタン305に合致するキャップ状のボタンホルダー306を備えている。ボタンホルダー306の側面には、ボタン305の放出口Nが開放される位置に円形の開口361が設けられている。ボタンホルダー306の下端には、蓋体302が開放する向きと同方向に板部材362が一体的に設けてある。板部材362は、開放口H近傍のキャップ本体301の端部と連結している。板部材362の幅は、キャップ本体301の端部と連結している部分を中心にしてボタンホルダー306が上下に揺動できる程度の寸法が望ましい。
なおボタン305及びボタンホルダー306は、矩形に限らず断面が円形でも楕円形のものでもよい。この場合ボタンホルダー306はボタン305の周方向に合致するリング状のボタンホルダーでもよい。
次に図4(d)を用いて、この蓋付キャップを使用した場合の動作説明をする。
キャップ本体301が容器Sに装着されると、ボタン305がボタンホルダー306に嵌め込まれる。放出口Nは、開口361の位置に来る。蓋体302が開放してボタン305の放出口Nが表に出始めたとき、加圧部303はボタンホルダー306を介してボタン305の上端に接する。
したがってボタンホルダー306が矩形のボタン305に合致するキャップ状のもので、ボタンの放出口Nが開放される位置に開口362が設けられていることにより、このボタンの動きに対してボタンホルダーが抜けたりずれたりすることなく常に所望の方向に内容物が放出する構造を実現することができる。
図5(a)及び図5(b)はボタンと一体型の蓋付キャップを使用した状態の断面についてそれぞれ示す。
図5(a)及び図5(b)に示すように、ボタン405はキャップ本体401と一体的に成型されている。ボタン405の下端には、蓋体402の開放口Hの向きと同方向に板部材452が設けてある。板部材452は、キャップ本体401の端部と連結している。
したがってボタン405がキャップ本体401と一体成型されたもので、このボタンが蓋体402の開放口Hの向きと同方向に設けた板部材452を介してキャップ本体の端部と連結していることにより、押された加圧部403の動きに応じて柔軟に可動する。したがって同じ製造工程でキャップとボタンとが一体的に製造される構造を実現することができる。
図6(a)及び図6(b)は液垂防止部が設けてある蓋体を備えたキャップを使用した状態の断面についてそれぞれ説明する。
図6(a)及び(b)に示すように、ボタン505は、横方向に突き出たノズル553を有している。放出口Nはこのノズルの先端にある。L字型の蓋体502の前部裏面には液垂防止部521が設けられている。液垂防止部521は、蓋体502が閉じているときに放出口Nを塞ぐ位置に配置されている。液垂防止部521には、放出口Nの寸法に合致する突起部があってもよい。
したがって蓋体502の裏面にある液垂防止部521が、この蓋体が閉じているときにノズル553の放出口Nを塞ぐ位置に配置されていることにより、使用後にこのノズルの先端に残った液が液垂防止部に塞き止められて垂れないようにすることができる。
図7(a)はムースに適した蓋付キャップの斜視図、図7(b)はこの蓋付キャップを使用した状態の断面図についてそれぞれ示す。
図7(a)及び図7(b)に示すように、キャップ本体601は蓋体602の開放口Hの方が狭まった形状をしている。キャップ本体601の切り欠き部は三角状を成し、蓋体602はこの切り欠き部の上方を被っている。ボタン605は、斜め上方向に突き出たノズル653を有している。開放口Hはノズル653の先端と略同じの大きさで、このノズルの先端がこの開放口を塞いでいる。
したがってボタン605のノズル653の先端が開放口Hを塞いでいることにより、例えばムース状も下に垂れ難く放出し易い。
なお本実施形態における各種蓋付キャップの形状や構造は一例に過ぎず、例えばキャップ本体に設けたワンプッシュオープンタイプの蓋体が開放される動作に伴って容器既設のボタン、スパウト式ボタン又はこのキャップ本体に一体成型されたボタンが押圧されるものや、この容器既設のボタンやスパウト式ボタンを回転させず一定の向きに固定するもの(いわゆるボタンの位置決め機構)であれば、この各種蓋付キャップに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適時変更が可能である。また上記各種蓋付キャップは、それぞれの形状や構造を組み合わせて構成してもよい。
上記各種蓋付キャップが装着される容器は、スプレータイプのエアゾール缶やポンプ式のディスペンサーなどが該当する。エアゾール缶は、例えば容器本体と、この容器本体の上部先端に突き出たバルブ(ステム)と、このバルブが挿入され内容物を放出する際に押されるボタン(アクチュエータ)とを備え、その他の部材や部品は従来技術に沿うものであるため説明を省略する。
本発明における蓋体付キャップは、内容物を放出する容器を製造販売する業界に限らず、ボタンが押されスイッチが入ると内容物が放出する玩具やスイッチが入ると発光する電灯具などに関する産業に広く利用可能である。
1、101〜601 キャップ本体
2、102〜602 蓋体
3、103〜603 加圧部
31 第1の回転部分
32 第2の回転部分
4、104〜604 ヒンジ部
41 第3の回転部分
42 第4の回転部分
5、105〜605 ボタン
F フック
H 開放口
N 放出口
S 容器

Claims (7)

  1. 容器に装着され放出口を有するボタンを被うキャップ本体と、このキャップ本体の外郭の少なくとも一部をなす蓋体とを備え、
    上記蓋体は、加圧部及びヒンジ部を介して上記キャップ本体と連結しており、
    上記加圧部と上記キャップ本体とが連結している部分は、屈曲可能な第1の屈曲部で、
    上記加圧部と上記蓋体とが連結している部分は、屈曲可能な第2の屈曲部で、
    上記ヒンジ部と上記キャップ本体とが連結している部分は、屈曲可能な第3の屈曲部で、
    上記ヒンジ部と上記蓋体とが連結している部分は、屈曲可能な第4の屈曲部で、
    上記第1の屈曲部、上記第2の屈曲部、上記第3の屈曲部及び上記第4の屈曲部はそれぞれ平行で、
    上記加圧部は、上記蓋体が開放して形成される開放口と反対側に配置され、
    上記ヒンジ部は、上記加圧部の左右近傍の少なくとも一方に配置され、
    上記加圧部は、上記第1の屈曲部を中心に回動し、
    上記ヒンジ部は、上記第3の屈曲部を中心に回動し、
    上記第3の屈曲部は、上記加圧部の回動に伴って動く第2の屈曲部の軌道と横方向に平行な軌道上に位置し、
    上記第4の屈曲部は、上記第2の屈曲部の軌道の外側かつ上記蓋体の開放口側に位置し、
    上記ヒンジ部の回動半径は、上記加圧部の回動半径より小さく、
    上記加圧部は、上記蓋体が開放したときに上記ボタンの上端に接する位置に設けられている
    ことを特徴とする蓋付キャップ。
  2. 上記ボタンの外側には、上記放出口の向きと平行な側壁部が設けてあり、
    上記キャップ本体の内側には、上記蓋体の開放口の向きと平行な内側壁が設けてあり、
    上記容器に装着されたとき、上記側壁部と上記内側壁とが接する
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓋付キャップ。
  3. 上記ボタンは、断面が円形ではない形状で、
    上記キャップ本体が、上記ボタンの少なくとも周方向に合致するボタンホルダーを備え、
    上記ボタンホルダーの下端には、上記蓋体の開放口の向きと同方向に板部材が設けられ、
    上記板部材は、上記キャップ本体の端部と連結している
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓋付キャップ。
  4. 上記ボタンは、矩形で、
    上記ボタンホルダーは、上記ボタンに合致するキャップ状のもので、
    上記ボタンホルダーの側面には、上記ボタンの放出口が開放される位置に開口が設けられている
    ことを特徴とする請求項3に記載の蓋付キャップ。
  5. 上記ボタンは、放出口を有するボタン本体と、このボタン本体を支持する土台部とを備え、
    上記ボタン本体の下端には、上記放出口の向きと同方向に板部材が設けてあり、
    上記板部材は、上記土台部の上端縁と連結している
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蓋付キャップ。
  6. 上記ボタンは、上記キャップ本体と一体成型されたもので、
    上記ボタンの下端には、上記蓋体の開放口の向きと同方向に板部材が設けてあり、
    上記板部材は、上記キャップ本体の端部と連結している
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓋付キャップ。
  7. 上記ボタンは、外方向に突き出たノズルを有し、
    上記放出口は、上記ノズルの先端にあり、
    上記蓋体の裏面には、液垂防止部が設けられており、
    上記液垂防止部は、上記蓋体が閉じているときに上記放出口に接する位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の蓋付キャップ。
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