JP5918253B2 - 純メチラールを作製する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ホルムアルデヒドとメタノールとの混合物から純メチラール(ホルムアルデヒドジメチルアセタール、ジメチルホルマール又はジメトキシメタンとも称される)を作製する方法に関する。本発明は、第1の工程において、メタノールとホルムアルデヒドとを反応させ、メチラールを生成し、第2の工程において、少なくともメチラールと未反応のメタノール及びホルムアルデヒドとを含む反応混合物を蒸留により分離し、実質的に純粋なメチラールを得るという二段階の方法にも関する。本発明は更に、この方法に使用される装置に関する。
非特許文献1において、触媒として塩化鉄(III)を用いて工業プロセスにおいてメチラールとおよそ8%の質量分率のメタノールとの混合物を作製する方法が説明されている。この混合物から残存するメタノールを分離することは、この組成物が共沸混合物に相当することから困難である。
メタノールが含まれる反応混合物から純メチラールを回収する幾つかの方法が文献において説明されている。
Volkov及びIvanovによる論文(非特許文献2)並びにVinokurovによる更なる論文(非特許文献3)において、メタノールを金属ナトリウムと反応させることを含むメチラールの精製方法が説明されている。非特許文献4によると、メタノールは、濃塩化カルシウム水溶液による抽出、及びその後のメチラールの乾燥によっても取り出すことができる。
特許文献1において、メタノール及びホルムアルデヒドからメチラールを合成する方法が説明されており、ここでは蒸留カラムの精留部へと供給される更なる抽出剤(水又はホルムアルデヒド水溶液が好ましい)を使用する必要がある。そのため、更なる抽出精留工程が、添加された水を取り除くのに必要となり、エチレングリコールが最適な生成物として挙げられている。
特許文献2において、アセタールを作製する方法が説明されており、ここではアルコールとアルデヒドとの混合物がカラム内の反応帯へと供給され、アルコールとアセタールとの混合物がカラムのヘッド流から回収される。この反応は完全なものではなく、アセタールを含む回収された蒸留物には依然として、大量の未反応のアルコール(実施例において26.5%)が含まれる。この混合物は第2のカラムにおいて更に濃縮され、0.2%の質量分率のジメチルエーテル、3.5%の質量分率のメタノール、及び95.5%の質量分率のメチラールを含有するオーバーヘッドが得られる。
特許文献3はメチラールを作製する方法に関するものであり、ここでは少なくとも4種類の固体酸が充填されたリアクタの流出物が異なる高さで蒸留カラムへと供給され、蒸留カラムの底部で回収された液体がリアクタへと供給される。装置及びポンプ等の付属機器、ホルマリン水溶液の向流供給、及びカラムの頂部への消泡剤の添加について多大な労力が為されているにもかかわらず、98%以下の質量分率のメチラールしか達成されなかった。
特許文献4により、メタノールをホルムアルデヒド含有産業廃水に添加すること、触媒を同時に添加しながら混合物をリアクタに移すこと、及び精留塔において過剰なメタノールを分離することを伴うホルムアルデヒド含有産業廃水を処理する方法が知られている。この方法はホルムアルデヒドを産業廃水から取り除くためだけに設計されており、この方法においてメチラールとメタノールとの混合物として水から分離されるメチラールの収率及び純度については何ら教示されていない。
特許文献5において、圧力差が少なくとも8バール(0.8MPa)である、異なる圧力で作動する2つの精留カラムを伴うメタノール−メチラール混合物からメチラールを回収する方法が説明されている。第2のカラムは典型的に、9バール〜30バール(0.9MPa〜3MPa)、好ましくは10バール〜15バール(1MPa〜1.5MPa)で作動し、高圧カラムを用いる必要性が回避される。特許文献5はホルムアルデヒド水溶液の分離を説明しておらず、またメチラールの生成を教示していない。実施例1、実施例2及び実施例3では特別に調製されたメタノールとメチラールとの混合物、並びに実施例4では水とメチラールとメタノールと微量のギ酸メチル(混合物において0.8%の質量分率に相当する)との混合物が使用された。
これらの方法では更なる補助物質又は特別な機器を使用しなければならず、このことがこれらの方法を複雑かつ費用のかかるものにしている。
メチラールは燃料添加剤、溶媒、また或る特定のポリマーでは補助剤として関心が持たれている。
米国特許出願公開第2006/0129000号 米国特許第6,015,875号 米国特許出願第6,379,507号 中国特許公開第10157117号 米国特許第4,385,965号
Houben - Weyl, Methoden der organischen Chemie", vol. VI/3, Oxygen Compounds 1, Part 3 [1965], page 207 Vysokomol. Soedin. 8 (8) [1966], pages 1459 to 1461 Nauch. Doklady Vysskei Shkoly Lesoinzhener. Delo. No. 4 [1958], pages 193 to 195 Ullmann's Encyclopaedie der Technischen Chemie, third edition, vol. 3, page 15 et seq.
このため本発明の目的は、メタノール等の他の成分を混合せずに高純度メチラールを調製する方法を提供することである。本発明の更なる目的は、有機物質全体の質量分率が1%を超えず、メタノールの質量分率が0.01%未満であり、ホルムアルデヒドの質量分率が1%未満である廃水流を発生させる方法を提供することであり、それにより廃水流において許容レベルの有機不純物、及び結果として低い値のCOD(化学的酸素要求量)がもたらされる。所望の方法によって、高収率のメチラールが得られ、かなりの量のメタノールの喪失が回避され、外から物質を使用する必要がなくなる。
したがって本発明は、リアクタにおいて、好ましくは水性環境においてホルムアルデヒドとメタノールとの第1の酸触媒反応によりメチラールを作製及び単離する方法であって、中段より下方に触媒床を含む反応帯Cを備える精留カラムBにおける第1の蒸留工程を含み、そこでメチラールと水と未変換のメタノール及び未変換のホルムアルデヒドとを含む第1の反応工程の生成物流が、カラムB内の反応帯Cより上方でカラムBへと供給され、メチラールの質量分率が90%を超える、カラムヘッドBHから取り出される蒸留物、略純水である、カラム底部流BBから取り出される流、及びメタノールを多く含む、反応帯Cより下方のカラムBの側面から取り出される流という3つの異なる生成物流に分離される、方法を提供する。次いで任意で、ほとんどメチラールのみからなり、メタノールの質量分率が10%未満である、カラムヘッドBHから取り出される生成物流を精留カラムDの側面へと供給し、精留カラムDにおいてメチラールの質量分率が70%〜95%である、メチラールとメタノールとの混合物がカラム頂部から回収されるとともに、高純度メチラールがカラムDの底部からサンプ生成物として99.5%を超える純度で回収される。
本発明に関連して、
「メチラールを多く含む」は、メチラールの質量分率が少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、特に好ましくは少なくとも90%である混合物を表し、
「略純水」は、水の質量分率が少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、特に好ましくは少なくとも99%である混合物を表し、
「メタノールを多く含む」は、メタノールの質量分率が少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、特に好ましくは少なくとも90%である混合物を表し、
「純メチラール」及び「ほとんどメチラールのみからなる」は、メチラールの質量分率が少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%、特に好ましくは少なくとも99.5%である混合物を表し、メチラールの質量分率が少なくとも99.5%である混合物は「高純度メチラール」とも称される。
高純度及び良好な変換は、メタノールの物質量n(MeOH)とホルムアルデヒドの物質量n(FA)との比率が少なくとも3mol/molである、すなわち化学量論比の少なくとも150%である場合に達成することができる。
リアクタA及びカラムB内の反応帯Cが両方とも存在し、第2のカラムDが存在し、カラムDのヘッドで回収された生成物流がカラムBへと再循環する、本発明による方法を実施するためのカラムの配置の概略図である。流1(混合物M1とも称される)はホルムアルデヒドの水溶液とメタノールとの混合物である。流2(混合物M2とも称される)は、リアクタAから排出され、カラムBの中段へと供給される少なくとも部分的に反応した生成物である。カラムBは、メタノールと約6%の質量分率の水とを含む流3の排出口を備え、流4は廃水処理ユニットへと送られる略純水である。カラムBの頂部から、メチラールとメタノールとの共沸混合物(それぞれ約93%及び7%の質量分率)である流5が取り出され、圧力カラムDへと供給され、圧力カラムDにおいて共沸混合物が、サンプ生成物である流6として高純度メチラール、及びカラムBへと送り戻される流7としてメチラールとメタノールとの混合物に分割される。
本発明の対象は、メチラール及び水を少なくとも部分的に生成しながら、ホルムアルデヒドとメタノールとを含む混合物M1を酸触媒と反応させ、ホルムアルデヒドとメタノールとメチラールと水とを含む混合物M2を形成すること、
蒸留カラムBにおいて、上記混合物M2を、メチラールを多く含む、カラムヘッドBHから取り出される蒸留物、略純水である、カラム底部流BBから取り出される流、及びメタノールを多く含む、反応帯Cより下方のカラムBの側面から取り出される流という3つの異なる生成物流に分離すること、並びに、
任意で、ほとんどメチラールのみからなり、10%未満の質量分率のメタノールを更に含む、カラムヘッドBHから取り出される生成物流を、カラムBの圧力よりも高い圧力で作動する精留カラムDの側面へと供給することであって、精留カラムDにおいて、70%〜95%の質量分率のメチラールを有する、メチラールとメタノールとの混合物を含む流がカラム頂部DHから回収され、純メチラールが精留カラムDの底部DBからサンプ生成物流として99.5%を超える純度で回収されること、
によってメチラールを連続的に作製及び単離する方法であって、
混合物M1におけるメタノールの物質量とホルムアルデヒドの物質量との比率が少なくとも3mol/molであり、
メチラール及び水を少なくとも部分的に生成しながら混合物M2を形成する、ホルムアルデヒドとメタノールとの反応が別個のリアクタAにおいて行われ、混合物M2を蒸留カラムBの側面のカラムBの有効高さの40%〜70%に相当する高さにある供給点に供給すること、又は、
ホルムアルデヒドとメタノールと含む混合物を蒸留カラムBの側面のカラムBの有効高さの40%〜70%に相当する高さにある供給点に供給し、カラムBが供給点とカラムBの底部との間に位置する反応帯Cを更に備え、反応帯においてメチラールへの少なくとも部分的な変換が起こること、
を特徴とする、方法である。
蒸留カラムBの排出流3と排出流4とを分離することによって、カラムBの底部から排出される流4からメタノールが排除されるという予期せぬ利点がもたらされ、それにより排出流4を廃水処理施設に直接送達することができる。「メタノールの排除」は排出流4におけるメタノールの質量分率が好ましくは100mg/kg未満であることを意味する。
第1の好ましい実施形態において、メタノールとホルムアルデヒドとの反応がリアクタAで行われ、ここでは溶解ホルムアルデヒドの質量分率(本願では「濃度」とも称される)が好ましくは少なくとも10%、より好ましくは20%〜80%、実際的には30%〜70%である水溶液の形態のホルムアルデヒドを使用するのが好ましい。最大95%までの濃度が約120℃の温度で実現可能である。
リアクタAは撹拌リアクタ、又は好ましくは管状リアクタであり得る。特に固定床触媒を使用する場合では管状リアクタがより有益である。反応は40℃〜80℃の温度で行うのが好ましい。反応温度が高ければ反応が促進され、またより高いホルムアルデヒド濃度を使用することが可能になる。滞留時間及び温度にもよるが、この反応は通常、完了までは進行しない。好ましくは、リアクタAにおけるホルムアルデヒドの消費に基づく変換率は少なくとも80%、特に好ましくは少なくとも85%、とりわけ好ましくは少なくとも90%である。
第2の好ましい実施形態において、ホルムアルデヒドとメタノールとの混合物M1は、酸固定床触媒を含む反応帯より上方で蒸留カラムBに直接、すなわちリアクタAにおける前反応なしで供給される。
第3の好ましい実施形態において、リアクタA及びカラムBにおける反応帯Cの両方が使用される。この構成は、反応の完了、未反応のホルムアルデヒド量の最小限への抑制、及び下記で詳述するホルムアルデヒドとメタノールとの物質量の比率の選択に有益である。
ホルムアルデヒド及びメタノールそれぞれ1分子からのヘミアセタールの生成、並びに第2の段階における、水を排除しながらの更なるメタノール分子によるヘミアセタールのエーテル化によるアセタールの生成を含む、ホルムアルデヒドとメタノールとの反応は両段階とも酸によって触媒される。これらの酸はブレンステッド酸、すなわち水素カチオン、すなわちプロトンを供与することができる分子又はイオンであるのが好ましい。有用なブレンステッド酸は、硫酸、メタンスルホン酸及びリン酸、並びに固定床触媒と称される固体物質、特にプロトン化形態のイオン交換樹脂の表面に固定される酸、最も一般的には硫酸基又はスルホン酸基、任意で更には他の酸基を保有する酸である。これらの酸固定床触媒は触媒を生成物流から分離させる必要がないという利点がある。
第3の好ましい実施形態において、未反応のホルムアルデヒドと未反応の過剰なメタノールと反応において生成されるメチラールと水とを含む、リアクタAからの生成混合物は、蒸留カラムBの好ましくは中段に、すなわち好ましくはカラムBの有効高さの40%〜60%に供給される。この供給点より下方のカラムBの有効高さの20%〜55%の領域に、固体担体、好ましくは上記のプロトン化形態のイオン交換樹脂上に酸触媒を備える反応帯(反応帯Cと称される)がある。
本発明に関して、メタノールを化学量論比より過剰に用いることが重要である。化学量論ではメチラールにおけるメタノールの物質量とホルムアルデヒドの物質量との比率は2mol/molである。本発明による方法に用いられるメタノールの物質量とホルムアルデヒドの物質量との比率の範囲は、少なくとも3mol/mol、好ましくは4mol/mol〜15mol/mol、特に好ましくは5mol/mol〜12mol/molである。本発明の方法により得られるメチラールにおける不純物の質量分率が0.15%以下であり、得られるメチラールにおけるメタノールの質量分率が0.05%以下である、本発明に関して特に有用なメタノールの物質量とホルムアルデヒドの物質量との比率の範囲は、5.5mol/mol〜10mol/molであった。
カラムBからの蒸留物は、カラムBにおける温度条件及び圧力条件に応じてメチラールの質量分率が少なくとも90%の共沸混合物である。したがって、この共沸混合物を、第1のカラムよりも高い圧力で作動するカラムDにおいて更なる蒸留工程にかけ、質量分率が大きい、例えば70%〜90%のメチラールを含むメタノール含有物質流とすることが好ましく、また少なくとも99.5%のメチラールの質量分率に相当する純度の純メチラールがサンプ生成物として得られる。次いでメタノール含有化合物流をカラムDのカラムヘッドDHから取り出し、好ましくはカラムBへと再循環させる。この流はカラムBの有効高さの60%〜90%に相当する高さ、ただし常に第2の実施形態においてカラムBに供給されるメタノールとホルムアルデヒドとの混合物の供給点より上方で又は第1の実施形態及び第3の実施形態においてリアクタAから排出される混合物M2がカラムBへと供給される供給点よりも上方でカラムBへと供給されるのが好ましい。
好ましくは、カラムDの圧力はカラムBの圧力よりも少なくとも100kPa高い。カラムBは大気圧(101.3kPa)又は最大500kPaで作動させるのが好ましい。特に好ましい実施形態において、カラムDの圧力は、カラムBの圧力よりも少なくとも150kPa高い、より好ましくは少なくとも200kPa高い。
カラムBの底部BBから単離された生成物流は、メタノールもメチラールも含まず(どちらの化学物質も検出限界未満である)、1.0%未満、実験では常に0.9%未満の質量分率に相当する低い残存量のホルムアルデヒドのみを含む。
通常少なくとも90%の質量分率のメタノールと4%〜8%の質量分率の水とを含む生成物流3を好ましくは、ホルムアルデヒド生成ユニットの供給流として使用することができる。このような使用に特に好ましいのは、Ullmann's Encyclopedia of Industria Chemistry, 5th Edition, vol. A11, page 619 et seq.に記載される銀結晶触媒を用いるいわゆるBASFプロセスであり、これはこのプロセスがメタノールと水との混合物から開始するものであるためである。
更に好ましい方法の変形形態及び実施形態は従属クレームに記載されている。
本発明の更なる目的は、固定床触媒を備える反応槽Aと、2つの側部供給口、1つの側部排出口、ヘッド排出口及びサンプ排出口を備える蒸留カラムBと、任意で1つの側部供給口、並びにヘッド排出口及びサンプ排出口を備える更なる蒸留カラムDと、を含むこの方法に合わせて設計した装置である。蒸留カラムBは固定床触媒を備える反応帯Cを含むことが好ましい。この固定床触媒は好ましくはプロトン化形態のイオン交換樹脂を含む。特に好ましい実施形態はリアクタAとして管状リアクタを含む。
本発明を以下の実施例において更に説明する。
溶解ホルムアルデヒドの質量分率が50%であり、50℃の供給温度の1400kg/hのメタノールと350kg/hのホルムアルデヒド水溶液との混合物(1)を、70℃及び12分の平均滞留時間で作動する固定床触媒(スルホン酸基を有するイオン交換樹脂)を備える管状リアクタに連続的に供給した。次いで70℃の温度で得られる生成混合物(2)を底部温度が100℃であり、大気圧(101.3kPa)で作動する蒸留カラムBの中段(50%)に供給した。蒸留カラムBは、底部から起算してカラムの有効高さの35%〜45%に位置し、有効カラム高さの10%の高さを占める、プロトン化形態のイオン交換樹脂で覆われた複数の多孔板を含む反応帯を備えるものであった。有効高さの30%に位置する排出口において、1121kg/hの流(3)が68℃の温度で取り出された。カラムの底部から、203kg/gの略純水のサンプ流(4)が排出された。カラムの頂部で回収された1100kg/hの生成物流(5)は温度が40℃であり、唯一の主要副生成物としてメタノールを有する約93%の質量分率のメチラールを含んでいた。この流(5)を350kPaの圧力で作動する第2の蒸留カラムDの有効高さの50%に位置する側部注入口に供給した。99.9%の質量分率のメチラールを有する426kg/hの純メチラールの流(6)をサンプから取り出した。これは95.9%のホルムアルデヒドベースの収率に相当する。約89%のメチラールと11%のメタノールとを含む675kg/hの流(7)をカラムBにカラムBの有効高さの75%で再循環させた。
これらの流に関する測定データを以下の表にまとめる:
Figure 0005918253
FA:ホルムアルデヒド
W:水
MeOH:メタノール
Mal:メチラール
流の番号は実施例の項において括弧内に与えられるものであり、図面の番号に対応している。
カラムDをより高い圧力で作動させると、メチラールの純度を更に増大させることができることが見出された。高い収率、低い廃水COD、及び高いメチラール純度がこの改善方法を魅力的なものにしている。

Claims (11)

  1. メチラール及び水を少なくとも部分的に生成しながら、ホルムアルデヒドとメタノールとを、該メタノールの物質量と該ホルムアルデヒドの物質量との比率が少なくとも3mol/molで含む混合物M1を酸触媒と別箇のリアクタAにおいて反応させ、ホルムアルデヒドとメタノールとメチラールと水とを含む混合物M2を形成すること、および、該混合物M2を蒸留カラムBの側面のカラムBの有効高さの40%〜70%に相当する高さにある供給点に供給すること、
    該カラムBは前記供給点と該カラムBの底部との間に位置する反応帯Cを更に備え、該反応帯においてメチラールへの少なくとも部分的な変換が起こり、
    前記蒸留カラムBにおいて、前記混合物M2を、メチラールを多く含みメチラールの質量分率が少なくとも80%である、カラムヘッドBHから取り出される蒸留物(5)、略純水であり水の質量分率が少なくとも95%である、カラム底部流BBから取り出される流(4)、及びメタノールを多く含みメタノールの質量分率が少なくとも80%である、反応帯より下方の該カラムBの側面から取り出される流(3)という3つの異なる生成物流に分離すること、並びに
    とんどメチラールのみからなりメチラールの質量分率が少なくとも98%である、10%未満の質量分率のメタノールを更に含む、カラムヘッドBHから取り出される生成物流(5)を、カラムBの圧力よりも高い圧力で作動する精留カラムDの側面へと供給し、該精留カラムDにおいて、70%〜95%の質量分率のメチラールを有する、メチラールとメタノールとの混合物を含む流(7)はカラム頂部DHから回収され、高純度メチラールは該カラムDの底部DBからサンプ生成物流(6)として99.5%を超える純度で回収されること、
    によってメチラールを作製及び単離する連続的な方法。
  2. 前記混合物M2を、該蒸留カラムBの側面の有効高さの40%〜60%の間に供給する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記リアクタAは40℃〜80℃の温度で作動する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. リアクタA内の触媒は固定床触媒である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記反応帯C内の触媒は固定床触媒である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. カラムDは、カラムBの圧力よりも少なくとも100kPa高い圧力で作動し、該カラムDにおいてメチラールはサンプ生成物として回収される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. カラムDのヘッドDHからの流をカラムBへと再循環させ、該カラムBにおいて該流をカラムBの有効高さの60%〜90%の位置、ただし前記混合物M2の供給点よりも上方の側面に供給する、請求項6に記載の方法。
  8. 請求項1に記載の方法において使用される反応精製装置であって、
    固定床触媒を備える反応槽Aと、
    2つの側部供給口、1つの側部排出口、ヘッド排出口及びサンプ排出口を備える蒸留カラムBと、
    1つの側部供給口、並びにヘッド排出口及びサンプ排出口を備える第2の蒸留カラムDと、
    含む、反応精製装置。
  9. 前記蒸留カラムBは固定床触媒を備える反応帯Cを有する、請求項8に記載の装置。
  10. 前記固定床触媒はプロトン化形態のイオン交換樹脂を含む、請求項8又は9に記載の装置。
  11. 前記リアクタAは管状リアクタである、請求項8〜10のいずれか一項に記載の装置。
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