JP5917934B2 - 缶蓋 - Google Patents

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Description

本発明は、飲料缶用の金属製缶蓋、特にアルミニウム合金製缶蓋に関する。
現在、飲料缶用の缶蓋は、注ぎ口を開口した後でもタブが缶蓋と繋がっているステイオンタブ式の缶蓋(SOT缶蓋)が主流である。このSOT缶蓋では、チャックウォールを缶軸に対して緩傾斜とし、中央パネル部の直径を小さくすることで、耐圧を高めるとともに、使用するアルミニウム合金等の金属材料を削減することが行われている(例えば特許文献1参照)。
このSOT缶蓋では、一般的に、タブは中央パネル部の中央部に設けられたリベットで取り付けられている。このリベットと中央パネル部の周縁との間には開口片を画定する主切込線が刻設されている。中央パネルの周縁からは強化環状溝とチャックウォールを介して缶胴への取付け用の巻締め部が延設されている(例えば特許文献2又は3参照)。さらに、このSOT缶蓋に対して様々な改良が施されている(例えば特許文献4〜7参照)。
而して、このSOT缶蓋においては、最近になって内容物の流出量を増大させて内容物を勢いよく多量に飲みたい、即ちガブガブ飲みたいというニーズが高まっている。流出量を増大させるには注ぎ口を大きくすれば良い。
特許第4477663号公報 特開2008−81167号公報 特開2008−254797号公報 特開2006−131236号公報 特許第4800665号公報 特開平11−334735号公報 特開平10−101104号公報
しかし、中央パネル部の中央部にタブを取り付けるためのリベットが設けられた缶蓋では、リベットと中央パネル部の周縁との間のスペースが狭いし、また注ぎ口を大きくすると、バックリングの発生等によって内圧が増大したときに主切込線が不慮に破断し易くなる、即ちブローアップが発生し易くなるという問題があった。さらに、注ぎ口が大きくなるつまり開口片が大きくなることにより注ぎ口を開口するのに要する開口力(スコアブレイク力及びスコアティア力)が増大して開口性が低下するという問題も発生する。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、中央パネル部の中央部に設けられたリベットでタブが取り付けられたステイオンタブ式の缶蓋において、注ぎ口が大きく且つブローアップの発生を防止できるものを提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] 中央パネル部の周縁から補強用の強化環状溝とチャックウォールを介して取付け用巻締め部が延設されるとともに、前記中央パネル部の中央部に設けられたリベットでタブが取り付けられ、前記リベットと前記中央パネル部の周縁との間に開口片を画定する環状の主切込線が刻設されるとともに、前記主切込線がリベット近傍で開環されて開口片と外部との繋ぎ部となされ、前記タブの一端部を起こして他端部で前記開口片を押圧することにより、前記主切込線を破断させるとともに、前記開口片を前記繋ぎ部で缶内側に屈曲させて注ぎ口を開口させる缶蓋において、
前記注ぎ口の面積が、缶胴への取付け状態における缶蓋面積に対して15〜20%に設定され、
前記リベットの中心と前記開口片の先端とを通る直線をY軸線、及び、前記Y軸線に直交して前記リベット中心を通る直線をX軸線としたとき、前記リベット中心から前記注ぎ口の先端までの前記Y軸線方向の長さ(L)が18〜19.4mmに設定されるとともに、前記注ぎ口のX軸線方向の最大幅(W)が30〜32.1mmに設定され、
前記タブにおける前記リベットとの取付け部の周辺に、前記リベットを包囲するように屈曲し且つ前記開口片側に向けて開口したスリット孔が設けられるとともに、前記スリット孔の両端部のうち前記繋ぎ部側に位置する一端部が、他端部よりも前記開口片先端側に向かって突出して配置されており、
前記中央パネル部の周縁部に、当該周縁部における前記開口片先端の近傍部分を除いて、当該周縁部に沿ってコイニング加工部が連続して形成されており、
前記主切込線における前記開口片先端側の部分と前記中央パネルの周縁との間に、弱化用切込線が刻設されていることを特徴とする缶蓋。
[2] 前記中央パネル部の直径(D1)が43〜49mmに設定されている前項1記載の缶蓋。
[3] 前記弱化用切込線のX軸線方向の長さ(F)が、前記中央パネル部の周縁部における前記コイニング加工部の非形成部分のX軸線方向の長さ(E)よりも大きく設定されるとともに、
X軸線方向において前記非形成部分が前記弱化用切込線の両端位置よりも内側に配置されている前項1又は2記載の缶蓋。
[4] 前記中央パネル部の周縁よりも内側領域に、パネルリセス部がその段差面で前記リベット、タブ、開口片、繋ぎ部及び主切込線を包囲するように形成されており、
前記パネルリセス部の底周縁における前記開口片先端の近傍部分が、前記主切込線における前記開口片先端側の部分と略平行に形成されるとともに、当該近傍部分に前記弱化用切込線が前記底周縁に沿って連続して刻設されている前項1〜3のいずれかに記載の缶蓋。
[5] 前記中央パネル部における前記弱化用切込線位置での残厚(t3)は、前記主切込線位置での残厚(t1)よりも大きく、且つ、0.155〜0.175mmに設定されている前項1〜4のいずれかに記載の缶蓋。
[6] 前記スリット孔は、打抜き加工により形成されるとともに、前記開口片側に向けて開口し且つ前記リベット中心を中心に回転した平面視C字状のものである前項1〜5のいずれかに記載の缶蓋。
[7] 前記主切込線の初期破断部の前記繋ぎ部とは反対側の近傍に、圧印により形成された減厚部が、当該減厚部を前記主切込線が通過する態様に設けられている前項1〜6のいずれかに記載の缶蓋。
[8] 前記主切込線の内側近傍に、当該主切込線と略平行に補助切込線が刻設されており、
前記減厚部が、当該減厚部を前記主切込線と前記補助切込線とが通過する態様に設けられている前項7記載の缶蓋。
[9] 前記中央パネル部における前記減厚部の厚さ(t4)は、前記主切込線位置での残厚(t1)よりも大きく、且つ、0.183〜0.234mmに設定されている前項7又は8記載の缶蓋。
本発明は以下の効果を奏する。
前項[1]の缶蓋では、注ぎ口の面積が、缶胴への取付け状態における缶蓋面積に対して15〜20%に設定されることにより、注ぎ口を大きくすることができるし、更に、注ぎ口を大きくすることによる開口性の低下とブローアップの発生とを防止できる。
さらに、リベット中心から注ぎ口の先端までのY軸線方向の長さが18〜19.4mmに設定されるとともに、注ぎ口のX軸線方向の最大幅が30〜32.1mmに設定されていることにより、注ぎ口を確実に大きくすることができるし、ブローアップの発生を確実に防止できる。
さらに、スリット孔の両端部のうち繋ぎ部側に位置する一端部が、他端部よりも開口片先端側に向かって突出して配置されていることにより、主切込線のスコアブレイク力と主切込線を初期破断した後に引き裂くスコアティア力とを共に小さくすることができ、即ち注ぎ口を開口するのに要する開口力を小さくすることができ、これにより開口性が向上する。
さらに、中央パネル部の周縁部に、当該周縁部における開口片先端の近傍部分を除いて、当該周縁部に沿ってコイニング加工部が連続して形成されているので、もし仮にバックリングが発生したとしても、そのバックリングの発生位置を、中央パネル部の周縁部におけるコイニング加工部の非形成部分、即ち中央パネル部の周縁部における開口片先端の近傍部分に誘導することができる。この部分にバックリングの発生位置を誘導することにより、バックリングがタブ側に発生することによるブローアップの発生を防止することができる。すなわち、もし仮にバックリングがタブ側に発生した場合には、バックリングによりタブが起こされて開口片が缶内側に押圧され、その結果、主切込線が破断してブローアップが発生することがある。しかるに、上記のようにバックリングの発生位置を所定部位に誘導することにより、この不具合を防止することができる。
さらに、主切込線における開口片先端側の部分と中央パネルの周縁との間に弱化用切込線が設けられているので、バックリングの発生位置を、中央パネル部の周縁部における開口片先端の近傍部分に確実に誘導することができる。さらに、注ぎ口を開口するのに要する開口力を更に小さくすることができ、これにより開口性が更に向上する。
ここで、前項[1]の缶蓋における上述した構成は、中央パネル部の直径が43〜49mmである缶蓋、即ち前項[2]の缶蓋に対して特に好適に適用でき、これにより前記[1]の缶蓋における効果を確実に奏し得る。
前項[3]の缶蓋では、バックリングの発生位置を中央パネル部の周縁部における開口片先端の近傍部分に更に確実に誘導することができ、そのため、バックリングがタブ側に発生することによるブローアップの発生を確実に防止できる。
前項[4]の缶蓋では、パネルリセス部の底周縁における開口片先端の近傍部分に、弱化用切込線が底周縁に沿って連続して刻設されることにより、バックリングが中央パネル部の周縁部における開口片先端の近傍部分に発生した際に主切込線に作用する破断力を、弱化用切込線に分散することができ、そのため主切込線に作用する破断力を減少させることができる。これにより、ブローアップの発生を更に確実に防止できる。さらに、弱化用切込線の位置が主切込線に近すぎることによる開口性の低下も防止できる。
前項[5]の缶蓋では、ブローアップの発生を確実に防止できるし、開口性を更に向上させることができる。
前項[6]の缶蓋では、スリット孔は、打抜き加工により形成されるとともに、開口片側に向けて開口し且つリベット中心を中心に回転した平面視C字状のものである。これにより、スリット孔を形成するための打抜き加工パンチをリベット中心を中心に回転させて現行の加工装置にセットすることで、タブにおけるリベットとの取付け部の周辺の強度を維持したままでスリット孔を上述した所定配置に形成することができ、そのため、スリット孔の形成を容易に行うことができる。
前項[7]の缶蓋では、減厚部に加工硬化が生じているので、内容物の吹出しによる開口片の捲れ上がりや開口片のミサイル現象の発生を防止できる。
前項[8]の缶蓋では、開口片の捲れ上がりや開口片のミサイル現象の発生を確実に防止できる。
前項[9]の缶蓋では、開口片の捲れ上がりや開口片のミサイル現象の発生を確実に防止できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る缶蓋の平面図である。 図1Bは、図1A中のY軸線断面図である。 図2は、同缶蓋を缶胴に取り付けた状態を示す、図1Bに対応する断面図である。 図3Aは、図1中のA−A線断面缶蓋図である。 図3Bは、図1中のB−B線断面図及びK1部分の拡大図である。 図3Cは、図1中のC−C線断面図である。 図4は、同缶蓋においてタブを省略して示す、開口片及びその近傍の拡大平面図である。 図5は、同缶蓋のリベット及びその近傍の拡大平面図である。 図6は、図4中のG−G線断面図及びK2部分の拡大図である。
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本発明の一実施形態に係る缶蓋1は、ビール、炭酸飲料等を収容する陽圧缶に用いられる、イージーオープン型で且つステイオンタブ式のものである。さらに、この缶蓋1は、呼び径が206(2インチ+6/16インチ)径の缶に用いられるものである。缶蓋1の材質は金属製であり、詳述するとアルミニウム合金製である。
図1A及び1Bに示すように、この缶蓋1は、パネル縮径型のものであり、平面視円形状の中央パネル部2の周縁から補強用の強化環状溝3とチャックウォール4を介して取付け用巻締め部5が延設されている。缶蓋1の厚さは0.20〜0.30mmに設定されている。
環状溝3はカウンターシンクとも称されており、中央パネル部2の周縁から缶内側に窪んだ形状になっている(図3A参照)。チャックウォール4は、環状溝3の外側壁の上端から延びた下側ウォール部4aを有している。この下側ウォール部4aの、缶軸に対する傾斜角度θ1は40°〜60°の緩勾配に設定されており、これにより、缶蓋1の材料が削減されるとともに中央パネル部2の直径D1が小径化されて耐圧が高められている。巻締め部5は、有底円筒状の缶胴31の開口端部への取付け用の部分であり、チャックウォール4の上端から延設されている。そして、図2示すように、この巻締め部5が缶胴31の開口端部に巻締め固定されることにより、缶蓋1が缶胴31に取り付けられて缶30が製造される。
中央パネル部2の中央部にはリベット6が形成されている。本実施形態では、リベット6の中心6zは中央パネル部2の中心と一致している。そして、このリベット6で開口操作用タブ7が止着されており、これにより、タブ7がリベット6を支点として中央パネル部2に取り付けられている。
図4に示すように、リベット6と中央パネル部2の周縁との間には、リベット6近傍を始端部11aとし開口片9を画定する環状の破断用主切込線11が刻設されている。この主切込線11は完全には閉じられておらず、リベット6近傍で開環されて、その終端部11bと始端部11aとの間の部位が開口片9と外部とを繋ぐ繋ぎ部10とされている。
さらに、主切込線11の内側近傍には補助切込線12が主切込線11と略平行に刻設されている。この補助切込線12は、主切込線11の破断容易性を向上させること等を目的とするものであり、副切込線とも称されている。図3Bに示すように、補助切込線12の切込深さは、主切込線11の切込深さよりも浅く設定されており、これにより、中央パネル部2における補助切込線12位置での残厚(スコアレシジュアル)t2は、主切込線11位置での残厚t1よりも大きくなっている(即ちt2>t1)。また、開口片9における補助切込線12の内側には、開口片9を補強する上側に凸の環状補強ビード20が形成されている。
図1Aに示すように、タブ7は、その一端部7aを指掛け部とするとともに、その他端部7bを開口片9を缶内側へ押圧する押圧部とする板状のものである。タブ7の指掛け用一端部7aは中央パネル部2に設けられた指入れ凹所21の上側近傍に配置されており、タブ7の押圧用他端部7bは開口片9におけるリベット6近傍部分の上側に近接又は当接して配置されている(図1B参照)。
そして、この缶蓋1では、タブ7の指掛け用一端部7aに指を掛けて当該一端部7aを起こすことにより、タブ7の押圧用他端部7bが開口片9におけるリベット6近傍部分を缶内側へ強く押圧し、これにより、主切込線11が破断されるとともに、開口片9が繋ぎ部10で缶内側に屈曲されて、その結果、中央パネル部2に開口片9の欠如孔からなる幅広の注ぎ口8が開口されるものである。
さらに、図1Aに示すように、中央パネル部2の周縁よりも内側領域に、平面視略扇形状のパネルリセス部13が形成されるとともに、中央パネル部2の周縁とこのパネルリセス部13との間に平坦部2aが形成されている。さらに、図3Aに示すように、パネルリセス部13の段差面13aは平坦部2aに対して緩やかに傾斜している。パネルリセス部13は缶蓋1に生じた加工歪みを除去すること等を目的として中央パネル部2に形成されたものである。上述したリベット6、タブ7、開口片9、繋ぎ部10、主切込線11、補助切込線12、指入れ凹所21等は、パネルリセス部13の内側に配置されており、すなわち、これらの部位(6、7、9、10、11、12、21)は、中央パネル部2におけるパネルリセス部13の底部13bに設けられるとともに、これらの部位が一括してパネルリセス部13の段差面13aで包囲されている。
本実施形態の缶蓋1において、図1Bに示すように、中央パネル部2の直径D1は43〜49mmに設定されている。なお、中央パネル部2の直径D1とは、詳述すると、図3Aに示すように中央パネル部2の周縁から内側へ延びた平坦部2aの外周縁位置での直径である。
このように中央パネル部2の直径D1が小さく且つ中央パネル部2の中央部にリベット6が形成されている缶蓋1において、注ぎ口8の面積(即ち開口片9の面積)は、缶胴31への取付け状態における缶蓋面積に対して15〜20%に設定されている。なお、図4に示すように、注ぎ口8の面積とは、主切込線11とその終始両端部11a、11b同士を結んだ直線11z(二点鎖線で示す)とで囲まれた面積である。また、図2に示すように、缶胴31への取付け状態における缶蓋面積とは、缶胴31への取付けが完了した状態での缶蓋面積であって、缶胴31に取り付けられた缶蓋1の外周縁が作る円を直径Dとした面積である。以下では、缶胴31への取付け状態における缶蓋面積を単に「缶蓋面積」と略記する。
注ぎ口8の面積が缶蓋面積に対して15%未満の場合では、注ぎ口8が小さく、そのため内容物を勢いよく多量に飲みたい、つまりガブガブ飲みたいというニーズを満たすことができない。一方、20%を超える場合には、注ぎ口8が大きすぎるため、開口性が低下するし、ブローアップが発生し易くなる。したがって、注ぎ口8の面積は缶蓋面積に対して15〜20%に設定されていなければならず、こうすることにより、注ぎ口8を大きくすることができるし、更に、注ぎ口8を大きくすることによる開口性の低下とブローアップの発生とを防止できる。
ここで説明の便宜上、図1Aに示すように、リベット6の中心6zと開口片9の先端とを通る直線をY軸線、及び、Y軸線に直交してリベット中心6zを通る直線をX軸線と定義する。
本実施形態の缶蓋1では、図4に示すように、リベット中心6zから注ぎ口8先端(即ち開口片9先端)までのY軸線方向の長さLは18〜19.4mmに設定されており、さらに、注ぎ口8(即ち開口片9)のX軸線方向の最大幅Wは30〜32.1mmに設定されており、したがって注ぎ口8(即ち開口片9)は幅広に形成されている。
Lが18mm未満の場合には、リベット6と注ぎ口8先端との間に大きな注ぎ口8を形成することができない。一方、Lが19.4mmを超える場合には、主切込線11における開口片9先端側の部分が環状溝3に近すぎるため、バックリングが発生した際にブローアップが発生し易くなる。また、Wが30mm未満の場合には注ぎ口8が小さく、大きな注ぎ口8を形成するという本発明の目的を達成できない。一方、Wが32.1mmを超える場合には、注ぎ口8(開口片9)の幅が大きすぎるため、バックリングが発生した際にブローアップが発生し易くなる。したがって、Lは18〜19.4mmに設定されるとともにWは30〜32.1mmに設定されていなければならず、こうすることにより、注ぎ口8を確実に大きくすることができるし、ブローアップの発生を防止できる。
また、図1Aに示すように、タブ7におけるリベット6との取付け部7cの周辺には、リベット6を包囲するように屈曲し且つ開口片9側に向けて開口した平面視C字状のスリット孔14が打抜き加工により形成されている。本実施形態では詳述すると、図5に示すようにスリット孔14は、リベット中心6zを中心にして湾曲して開口片9側に向けて開口し且つリベット中心6zを中心に若干回転した平面視C字状のものである。したがって、このスリット孔14はY軸線に対して線対称に形成されていない。
このスリット孔14の両端部14a、14bはX軸線よりも開口片9側に配置されている。さらに、スリット孔14の両端部14a、14bのうち繋ぎ部10側に位置する一端部14a(同図では左端部)が、他端部14b(同図では右端部)よりも開口片9先端側に向かって突出して配置されている。その結果、タブ7の一端部7aを起こした際にタブ7の他端部7bが開口片9を押圧する初期押圧位置が、Y軸線上ではなくY軸線に対して繋ぎ部10側とは反対側(同図では右側)になる。これにより、主切込線11のスコアブレイク力(主切込線11を初期破断するのに要する力)を小さくすることができる。さらに、タブ7の一端部7aの起こし動作が進むにつれて押圧位置が初期押圧位置から繋ぎ部10側へ移動するようになるので、主切込線11を初期破断した後に引き裂くスコアティア力についても小さくすることができる。したがって、本実施形態のように注ぎ口8が幅広に形成されている場合であっても、主切込線11のスコアブレイク力とスコアティア力とを共に小さくすることができ、もって開口性が向上する。
Y軸線方向におけるスリット孔14の一端部14aと他端部14bとの間のずれ量hは、1.0〜1.4mmに設定されることが望ましく、こうすることにより、主切込線11のスコアブレイク力とスコアティア力とを共に確実に小さくすることができ、もって開口性を確実に向上させることができる。さらに、このような効果を確実に奏し得るようにするため、Y軸線に対するスリット孔14の回転角度θは、ずれ量hが0mmである場合(即ちスリット孔14がY軸線に対して線対称に形成されている場合)を0°としたとき、8°〜10°に設定されるのが特に望ましい。
また、このスリット孔14は、上述したように打抜き加工により形成されたものであり、更に、開口片9側に向けて開口し且つリベット中心6zを中心に若干回転した平面視C字状のものであるから、次のような利点がある。すなわち、スリット孔14を形成するための打抜き加工パンチをリベット中心6zを中心に回転させて現行の加工装置にセットすることで、タブ7におけるリベット6との取付け部7cの周辺の強度を維持したままでスリット孔14の一端部14aが他端部14bよりも開口片9先端側に向かって突出するようにスリット孔14を形成することができ、そのため、スリット孔14の形成を容易に行うことができる。一方、もしス仮にスリット孔14の形状が平面視C字状ではなく例えば平面視コ字状である場合には、打抜き加工パンチをリベット中心6zを中心に回転させて現行の加工装置にセットして打抜き加工を行うと、タブ7におけるリベット6との取付け部7cの周辺の強度が部分的に低下するという問題が発生する。これに対して、本実施形態ではスリット孔14の形状が平面視C字状であるから、そのような問題は発生せず、打抜きパンチを回転させてもタブ7におけるリベット6との取付け部7cの周辺の強度を維持することができる。
また、図1A及び4に示すように、中央パネル部2の周縁部には、当該周縁部における開口片9先端の近傍部分2zを除いて、コイニング加工部15が当該周縁部に沿って連続して形成されている。このコイニング加工部15が形成された部分は、図3B及び3Cに示すように局部的に減厚されており、当該部分に加工硬化が生じている。そのため、もし仮にバックリングが発生したとしても、そのバックリングの発生位置を、中央パネル部2の周縁部におけるコイニング加工部15の非形成部分16、即ち中央パネル部2の周縁部における開口片9先端の近傍部分2zに誘導することができる。当該近傍部分2zにバックリングの発生位置を誘導することにより、バックリングがタブ7側に発生することによるブローアップの発生を防止することができる。すなわち、もしバックリングがタブ7側に発生した場合には、バックリングによりタブ7が起こされて開口片9が缶内側に押圧され、その結果、主切込線11が破断してブローアップが発生することがある。しかるに、上記のようにバックリングの発生位置を所定部位2zに誘導することにより、この不具合を防止することができる。
さらに、図4に示すように、主切込線11における開口片9先端側の部分と中央パネル部2の周縁との間には、弱化用切込線18が主切込線11と平行に刻設されている。これにより、バックリングの発生位置を、中央パネル部2の周縁部における開口片9先端の近傍部分2zに確実に誘導することができる。さらに、注ぎ口8を開口するのに要する開口力を小さくすることができ、これにより開口性が向上する。
また、弱化用切込線18のX軸線方向の長さFは、中央パネル部2の周縁部におけるコイニング加工部15の非形成部分16のX軸線方向の長さEよりも大きく設定されており(即ちF>E)、さらに、X軸線方向において非形成部分16が弱化用切込線18の両端18a、18b位置よりも内側に配置されている。これにより、バックリングの発生位置を中央パネル部2の周縁部における開口片9先端の近傍部分2zに更に確実に誘導することができ、そのため、バックリングがタブ7側に発生することによるブローアップの発生を確実に防止できる。
このような効果を確実に奏し得るようにするため、Fは10〜34.2mmに設定されることが望ましく、さらに、Eは8〜20mmに設定されることが望ましい。
弱化用切込線18の位置について詳述すると次のとおりである。
中央パネル部2のパネルリセス部13の底周縁13cにおける開口片9先端の近傍部分13dは、主切込線11における開口片9先端側の部分と平行に形成されている。そして、当該近傍部分13dに弱化用切込線18が底周縁13cに沿って連続して刻設されている。これにより、バックリングが中央パネル部2の周縁部における開口片9先端の近傍部分2zに発生した際に主切込線11に作用する破断力を、弱化用切込線18に分散することができ、そのため主切込線11に作用する破断力を減少させることができる。これにより、ブローアップの発生を更に確実に防止できる。さらに、弱化用切込線18の位置が主切込線11に近すぎることによる開口性の低下も防止することができる。
すなわち、弱化用切込線18の位置がパネルリセス部13の外側である場合には、バックリングが所定部位2zに発生した際に主切込線11に作用する破断力に対する分散効果が少ない。一方、弱化用切込線18の位置が主切込線11に近くなるにつれて開口性が低下する。そこで、弱化用切込線18の位置を、パネルリセス部13の内側であって主切込線11から最も遠い位置であるパネルリセス部13の底周縁13cに設定している。こうすることにより、ブローアップの発生を更に確実に防止できるし、弱化用切込線18の位置が主切込線11に近すぎることによる開口性の低下についても防止できる。
図3Bに示すように、弱化用切込線18の切込深さは、主切込線11の切込深さ及び補助切込線12の切込深さよりも浅く設定されている。これにより、中央パネル部2における弱化用切込線18位置での残厚t3は、主切込線11位置での残厚t1及び補助切込線12位置での残厚t2よりも大きくなっている(即ちt3>t2>t1)。ここで、t3は0.155〜0.175mmに設定されることが特に望ましい。こうすることにより、ブローアップの発生を確実に防止できるし、開口力を確実に小さくすることができて開口性を確実に向上させることができる。
さらに、本実施形態の缶蓋1では、図4及び図5に示すように、主切込線11におけるリベット6近傍部分は、タブ7を起こしたときに最初に破断される初期破断部11cを構成している。この初期破断部11cの繋ぎ部10とは反対側(即ち初期破断部11cの右側)の近傍には、圧印により形成された減厚部19が、当該減厚部19を主切込線11と補助切込線12とが通過する態様に形成されている。この減厚部19は、中央パネル部2の上面側から圧印パンチで圧印されることにより局部的に形成されたものであり、そのためこの減厚部19には加工硬化が生じている。
減厚部19は、主切込線11及び補助切込線12に対して交差する方向に延びて形成されており、詳述すると主切込線11及び補助切込線12に対して略直交する方向に延びて形成されている。
減厚部19の形成位置はY軸線から6.0〜7.0mm離れた位置であることが望ましく、本実施形態では6.536mm離れた位置になっている。また、減厚部19の大きさは長さ1.3〜3.0mm×幅0.5〜1.5mmであることが望ましく、本実施形態では長さ(長辺)2.540mm×幅(短辺)1.000mmの長方形状になっている。
図6に示すように、中央パネル部2における減厚部19の厚さt4は、主切込線11位置での残厚t1及び補助切込線12位置での残厚t2よりも大きくなっている(即ちt4>t2>t1)。
この減厚部19は、内容物の吹出しによる開口片9の捲れ上がりや開口片9のミサイル現象の発生を防止するための部位である。すなわち、一般的に陽圧缶用の缶蓋においては、主切込線11の初期破断(ポップ)時に生じる内容物の吹出しによって主切込線11の他の部分が瞬時に破断し、その結果、開口片9が捲れ上がったり、更には開口片9の繋ぎ部10がちぎれて開口片9が吹き飛ばされる現象、即ちミサイル現象が発生したりすることがある。これに対して、本実施形態の缶蓋1では、減厚部19に加工硬化が生じているので、主切込線11の破断の進展を減厚部19で遅延させることができ、これにより、内容物の吹出しによる開口片9の捲れ上がりや開口片9のミサイル現象の発生を防止できる。
ここで、t4は0.183〜0.234mmに設定されることが望ましい。こうすることにより、開口片9の捲れ上がりや開口片9のミサイル現象の発生を確実に防止できる。特に望ましいt4の範囲は0.212〜0.226mmである。
なお、本実施形態に示したように、減厚部19は、当該減厚部19を主切込線11と補助切込線12とが通過する態様に形成されていることが、このような効果を確実に奏し得る点で特に望ましいが、本発明では、その他に、当該減厚部19を主切込線11だけが通過する態様に形成されている構成を排除するものではなく、この構成であってもこのような効果を奏し得る。
以上で本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々に変更可能である。
また、上記実施形態では、缶蓋1は、呼び径が206(2インチ+6/16インチ)径の缶に用いられるものであるが、本発明では、その他に例えば、呼び径が204(2インチ+4/16インチ)径の缶や202(2インチ+2/16インチ)径の缶に用いられるものであっても良い。
次に、本発明の効果を確認するために行った各種実験例について以下に説明する。
<実施例1〜5>
実施例1〜5では、上記実施形態に示した缶蓋1を製造した。製造した缶蓋1は、呼び径が206径の缶用のものであり、その構成は以下のとおりである。なお、本実施例1〜5の缶蓋1では、弱化用切込線18の切込深さが様々に変更されており、これに伴い中央パネル部2における弱化用切込線18位置での残厚t3が様々に変更されている。
・缶蓋1の材質:アルミニウム合金番号JIS A5182
・缶蓋1の厚さ:0.240mm
・中央パネル部2の直径D1:46.3mm
・注ぎ口8の面積の缶蓋面積に対する割合:17.2%
・リベット中心6zから注ぎ口8先端までのY軸線方向の長さL:19.4mm
・注ぎ口8のX軸線方向の最大幅W:32.1mm
・スリット孔14の両端部14a、14bのずれ量h:1.2mm(Y軸線に対するスリット孔14の回転角度θ:8.8°)
・中央パネル部2における主切込線11位置での残厚t1:0.068〜0.112mm
・中央パネル部2における補助切込線12位置での残厚t2:0.118〜0.162mm
・コイニング加工部15の非形成部分16のX軸線方向の長さE:9.0mm
・弱化用切込線18のX軸線方向の長さF:20.0mm
・中央パネル部2における弱化用切込線18位置での残厚t3:表1に記載のとおり
・中央パネル部2における減厚部19の厚さt4:0.220mm。
<比較例1>
比較例1の缶蓋では、弱化用切込線18を設けていない。その他の構成は上記実施例1〜5と同じである。
[評価方法]
実施例1〜5及び比較例1の缶蓋1のそれぞれを缶胴31に取り付けて缶を製造した。そして、各缶についてブローアップの発生数と開口性とを調べた。その結果を表1に示す。
Figure 0005917934
なお、表1の「評価項目」において、「ブローアップの発生数」とは、缶蓋1にバックリングが発生するまで缶(n=10個)に内圧を加えたときにブローアップが発生した缶の数である。また、「開口性」については、缶蓋1(n=5個)のタブ7を手で起こして注ぎ口8を開口したときの開口力を調べ、開口力が小さいほど開口性が良いものとし、開口性が良い順に「○」、「△」及び「×」と記載した。また、「総合評価」については、総合評価が良い順に「○」、「△」及び「×」と記載した。
同表1に示すように、弱化用切込線18を設けた場合(実施例1〜5)には、ブローアップの発生を防止できるし、開口性が良いことを確認し得た。特に残厚t3が0.155〜0.175mmである場合(実施例2〜4)には、ブローアップの発生を確実に防止できるし、開口性が非常に良いことを確認し得た。
<実施例6>
実施例6では、上記実施形態に示した缶蓋1を製造した。製造した缶蓋1は呼び径が206径の缶用のものであり、その構成は以下のとおりである。
・缶蓋1の材質:アルミニウム合金番号JIS A5182
・缶蓋1の厚さ:0.240mm
・中央パネル部2の直径D1:46.3mm
・注ぎ口8の面積の缶蓋面積に対する割合:17.2%
・リベット中心6zから注ぎ口8先端までのY軸線方向の長さL:19.4mm
・注ぎ口8のX軸線方向の最大幅W:32.1mm
・スリット孔14の両端部14a、14bのずれ量h:1.2mm(Y軸線に対するスリット孔14の回転角度θ:8.8°)
・中央パネル部2における主切込線11位置での残厚t1:0.068〜0.112mm
・中央パネル部2における補助切込線12位置での残厚t2:0.118〜0.162mm
・コイニング加工部15の非形成部分16のX軸線方向の長さE:9.0mm
・弱化用切込線18のX軸線方向の長さF:20.0mm
・中央パネル部2における弱化用切込線18位置での残厚t3:0.165mm
・中央パネル部2における減厚部19の厚さt4:0.220mm。
<比較例2>
比較例2の缶蓋では、スリット孔14の両端部14a、14bの位置をずらしておらず、即ちY軸線方向におけるスリット孔14の両端部14a、14b間のずれ量hを0mmに設定した。その他の構成は上記実施例6と同じである。
[評価方法]
実施例6及び比較例2の缶蓋1のそれぞれを缶胴31に取り付けて缶を製造した。そして、その缶蓋1(n=10個)の主切込線11のスコアブレイク力とスコアティア力とを調べた。その結果を表2に示す。なお、表2中に記載されたスコアブレイク力及びスコアティア力は、それぞれn=10個の平均値である。
Figure 0005917934
同表2に示すように、スリット孔14の両端部14a、14bの位置がずれている場合(実施例6)には、主切込線11のスコアブレイク力とスコアティア力とを共に小さくすることができ、したがって開口性が向上していることを確認し得た。
<実施例7〜11>
実施例7〜11では、上記実施形態に示した缶蓋1を製造した。製造した缶蓋1は呼び径が206径の缶用のものであり、その構成は以下のとおりである。なお、本実施例7〜11の缶蓋1では、中央パネル部2における減厚部19の厚さt4が様々に変更されている。
・缶蓋1の材質:アルミニウム合金番号JIS A5182
・缶蓋1の厚さ:0.240mm
・中央パネル部2の直径D1:46.3mm
・注ぎ口8の面積の缶蓋面積に対する割合:17.2%
・リベット中心6zから注ぎ口8先端までのY軸線方向の長さL:19.4mm
・注ぎ口8のX軸線方向の最大幅W:32.1mm
・スリット孔14の両端部14a、14bのずれ量h:1.2mm(Y軸線に対するスリット孔14の回転角度θ:8.8°)
・中央パネル部2における主切込線11位置での残厚t1:0.068〜0.112mm
・中央パネル部2における補助切込線12位置での残厚t2:0.118〜0.162mm
・コイニング加工部15の非形成部分16のX軸線方向の長さE:9.0mm
・弱化用切込線18のX軸線方向の長さF:20.0mm
・中央パネル部2における弱化用切込線18位置での残厚t3:0.165mm
・中央パネル部2における減厚部19の厚さt4:表1に記載のとおり。
<比較例3>
比較例3の缶蓋では、減厚部19を設けていない。その他の構成は上記実施例7〜11と同じである。
[評価方法]
実施例7〜11及び比較例3の缶蓋1のそれぞれを缶胴31に取り付けて缶を製造した。そして、その缶蓋1(n=10個)の開口片9の捲れ上がり発生数と減厚部19での破断力とを調べた。その結果を表3に示す。なお、表3中に記載された破断力はn=10個の平均値である。
Figure 0005917934
なお、表3の「評価項目」において、「開口片の捲れ上がり発生数」とは、内圧500kPa及び550kPaが加わった缶(n=10個)についてその缶蓋1の主切込線11を初期破断したときの開口片9の捲れ上がりの発生数である。また、「減厚部での破断力」とは、主切込線11の破断が減厚部19を通過した時の破断力である。ただし、比較例3の「減厚部での破断力」とは、主切込線11の破断が減厚部19に対応する位置を通過した時の破断力である。また、「総合評価」については、総合評価が良い順に「◎」、「○」及び「×」と記載した。
同表3に示すように、減厚部19を設けた場合(実施例7〜11)には、開口片9の捲れ上がりの発生を防止でき、したがって開口片9のミサイル現象の発生も防止できることを確認し得た。また、残厚t4が0.183〜0.234mmである場合(実施例7〜11)にこのような効果を奏し得ることができ、特に残厚t4が0.212〜0.226mmである場合(実施例8〜10)には、減厚部19での破断力の増加量が少なく、したがって減厚部19を形成することによる開口性の低下を抑制できるし、また開口片9の捲れ上がりの発生を更に確実に防止でき、したがって開口片9のミサイル現象の発生も更に確実に防止できることを確認し得た。
本発明は、金属製飲料缶用の金属製缶蓋、特にアルミニウム合金製缶蓋に利用可能である。
1:缶蓋
2:中央パネル部
3:強化環状溝
4:チャックウォール
5:巻締め部
6:リベット
6z:リベット中心
7:タブ
8:注ぎ口
9:開口片
10:繋ぎ部
11:主切込線
11c:初期破断部
12:補助切込線
13:パネルリセス部
13a:段差面
13c:底周縁
14:スリット孔
14a、14b:両端部
15:コイニング加工部
16:非形成部分
18:弱化用切込線
19:減厚部

Claims (10)

  1. 中央パネル部の周縁から補強用の強化環状溝とチャックウォールを介して取付け用巻締め部が延設されるとともに、前記中央パネル部の中央部に設けられたリベットでタブが取り付けられ、前記リベットと前記中央パネル部の周縁との間に開口片を画定する環状の主切込線が設けられるとともに、前記主切込線がリベット近傍で開環されて開口片と外部との繋ぎ部となされ、前記タブの一端部を起こして他端部で前記開口片を押圧することにより、前記主切込線を破断させるとともに、前記開口片を前記繋ぎ部で缶内側に屈曲させて注ぎ口を開口させる缶蓋において、
    前記注ぎ口の面積が、缶胴への取付け状態における缶蓋面積に対して15〜20%に設定され、
    前記リベットの中心と前記開口片の先端とを通る直線をY軸線、及び、前記Y軸線に直交して前記リベット中心を通る直線をX軸線としたとき、前記リベット中心から前記注ぎ口の先端までの前記Y軸線方向の長さ(L)が18〜19.4mmに設定されるとともに、前記注ぎ口のX軸線方向の最大幅(W)が30〜32.1mmに設定され、
    前記タブにおける前記リベットとの取付け部の周辺に、前記リベットを包囲するように屈曲し且つ前記開口片側に向けて開口したスリット孔が設けられるとともに、前記スリット孔の両端部のうち前記繋ぎ部側に位置する一端部が、他端部よりも前記開口片先端側に向かって突出して配置されており、
    前記中央パネル部の周縁部に、当該周縁部における前記開口片先端の近傍部分を除いて、当該周縁部に沿ってコイニング加工部が連続して形成されており、
    前記主切込線における前記開口片先端側の部分と前記中央パネルの周縁との間に、弱化用切込線が設けられていることを特徴とする缶蓋。
  2. 前記中央パネル部の直径(D1)が43〜49mmに設定されている請求項1記載の缶蓋。
  3. 前記弱化用切込線のX軸線方向の長さ(F)が、前記中央パネル部の周縁部における前記コイニング加工部の非形成部分のX軸線方向の長さ(E)よりも大きく設定されるとともに、
    X軸線方向において前記非形成部分が前記弱化用切込線の両端位置よりも内側に配置されている請求項1又は2記載の缶蓋。
  4. 前記中央パネル部の周縁よりも内側領域に、パネルリセス部がその段差面で前記リベット、タブ、開口片、繋ぎ部及び主切込線を包囲するように形成されており、
    前記パネルリセス部の底周縁における前記開口片先端の近傍部分が、前記主切込線における前記開口片先端側の部分と略平行に形成されるとともに、当該近傍部分に前記弱化用切込線が前記底周縁に沿って連続して設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の缶蓋。
  5. 前記中央パネル部における前記弱化用切込線位置での残厚(t3)は、前記主切込線位置での残厚(t1)よりも大きく、且つ、0.155〜0.175mmに設定されている請求項1〜4のいずれかに記載の缶蓋。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の缶蓋の製造方法であって、
    前記缶蓋のスリット孔は、開口片側に向けて開口し且つ前記リベット中心を中心に回転した平面視C字状のものであり、
    前記スリット孔を打抜き加工により形成する缶蓋の製造方法。
  7. 前記缶蓋の主切込線の初期破断部の繋ぎ部とは反対側の近傍に、減厚部が、当該減厚部を前記主切込線が通過する態様に設けられており、
    前記減厚部を圧印により形成する請求項6記載の缶蓋の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の缶蓋の製造方法であって、
    前記缶蓋の主切込線の初期破断部の繋ぎ部とは反対側の近傍に、減厚部が、当該減厚部を前記主切込線が通過する態様に設けられており、
    前記減厚部を圧印により形成する缶蓋の製造方法。
  9. 前記主切込線の内側近傍に、当該主切込線と略平行に補助切込線が設けられており、
    前記減厚部が、当該減厚部を前記主切込線と前記補助切込線とが通過する態様に設けられている請求項7又は8記載の缶蓋の製造方法。
  10. 前記缶蓋の中央パネル部における前記減厚部の厚さ(t4)は、前記主切込線位置での残厚(t1)よりも大きく、且つ、0.183〜0.234mmに設定されている請求項7〜9のいずれかに記載の缶蓋の製造方法。
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