JP5917067B2 - フレキシブルセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象体を取り囲むように配置して、その測定対象体についての物理量を検出するフレキシブルセンサに関するものである。
この種のフレキシブルセンサとして、特開2006−329826号公報に開示された電流検出器が知られている。この電流検出器は、被測定電流線の周囲に環状に巻付ける検出部と、検出部の両端を接合した状態に保持する保持部材と、検出部の出力線に接続されて出力信号を処理する信号処理部を備え、被測定電流線に流れる電流を検出可能に構成されている。この場合、保持部材は、検出部の一方の端部に固着されたソケット形保持部材と、検出部の他方の端部に固着されたプラグ形保持部材とを備えて構成されている。また、ソケット形保持部材の内面には凹状溝による係合部が設けられ、プラグ形保持部材の外面には凸状の係合部が設けられており、各保持部材の各係合部同士が係合することにより、検出部の各端面同士が接合される。
一方、発明者は、上記の保持部材を改良して、検出部(センサケーブル)の両端部同士をより確実に連結可能な構成として、図22〜図24に示す連結機構50を備えたフレキシブルセンサを既に開発している。このフレキシブルセンサの連結機構50は、図22に示すように、第1部材51、第2部材52および第3部材53を備えて構成されている。この場合、第1部材51は、図外のセンサケーブルにおける一方の端部に固定されている。また第1部材51には、溝部51aが外周に沿って形成されている。
第2部材52は、図外のセンサケーブルにおける他方の端部が固定されると共に、図22に示すように、第1部材51を挿入可能に構成されている。また、第2部材52には、第2部材52の径方向に沿って弾性変形可能な片持ち状の弾性片52aが設けられている。また、この弾性片52aの先端部には、第2部材52の中心軸側に向かって突出する爪部52bが形成されている。第3部材53は、長さ方に沿って第2部材52に対して相対的にスライド可能に第2部材52の外側に配設されている。また、第3部材53の先端部(同図における右端部)には、第3部材53を第2部材52の基端部(同図における左端部)に向けてスライドさせたときに第2部材52の弾性片52aの先端部に当接して弾性片52aを外側に弾性変形させるための突起部53aが設けられている。
この連結機構50では、図22に示すように、第2部材52および第3部材53の先端部(同図における右端部)側から第1部材51を挿入して第1部材51および第2部材52(センサケーブルの両端部同士)を連結する。この場合、同図に示すように、第1部材51の挿入の際に、第2部材52の弾性片52aの爪部52bに第1部材51の先端部が当接して、弾性片52aが外側に弾性変形する。次いで、第1部材51をさらに第2部材52の奥側に挿入したときには、図23に示すように、第1部材51の溝部51aに第2部材52の爪部52bが係合し、これによって第1部材51および第2部材52が連結された状態に維持される。
また、この連結機構50では、第1部材51と第2部材52との連結状態を解除するときには、図24に示すように、第3部材53を第2部材52の基端部に向けて(同図に示す矢印の向きに)押しつけるようにスライドさせる。この際に、第3部材53の突起部53aが、第2部材52の弾性片52aの先端部に当接して弾性片52aを外側に弾性変形させる。これにより、第1部材51の溝部51aと第2部材52の爪部52bとの係合が解除される。次いで、この状態で第1部材51を第2部材52および第3部材53から引き抜く。以上により第1部材51と第2部材52との連結状態が解除される。
特開2006−329826号公報(第3−4頁、第2図)
ところが、発明者が既に開発している上記のフレキシブルセンサには、改善すべき以下の課題がある。すなわち、このフレキシブルセンサでは、連結機構50における第3部材53を第2部材52の基端部側に押しつけることによって第1部材51の溝部51aと第2部材52の爪部52bとの係合を解除し、この状態で第1部材51を引き抜くことで、第1部材51と第2部材52との連結状態が解除される。この場合、第3部材53を第2部材52の基端部側に確実に押し付けるには、第2部材52を一方の手で掴み第3部材53を他方の手で掴む必要があるが、この状態でさらに第1部材51を引き抜くのは比較的困難である。このように、このフレキシブルセンサには、連結状態を解除する操作がやや困難であるという課題が存在する。また、このフレキシブルセンサでは、第3部材53を第2部材52に対してスライドする構成であるため、使用者が、第2部材52と第3部材53とを引き離して連結状態を解除するとの誤認識をすることがあり、第2部材52と第3部材53とを強引に引き離すような誤った操作によって連結機構50(特に第2部材52の弾性片52a)が破損するおそれがあるという課題も存在する。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、連結状態を解除する際の操作性を向上しつつ操作誤りによる破損の発生を防止し得るフレキシブルセンサを提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載のフレキシブルセンサは、測定対象体を取り囲むように配置された状態において当該測定対象体についての物理量を検出するセンサケーブルと、当該センサケーブルにおける両端部同士の連結および連結解除を行うための連結機構とを備えたフレキシブルセンサであって、前記連結機構は、筒状に構成されると共に外周に沿って形成された溝部を有して前記センサケーブルにおける前記両端部のいずれか一方に固定される第1部材と、筒状に形成されて前記センサケーブルにおける前記両端部の他方が基端部側から挿入されて固定されると共に先端部側から前記第1部材を挿入可能に構成された第2部材と、前記第1部材を挿入可能に形成されると共に当該第1部材の挿入および引き抜きを許容する第1位置および当該第1部材の挿入および引き抜きを規制する第2位置の間で当該第2部材に対して回動可能に当該第2部材の前記先端部側に取り付けられる環状の第3部材とを備え、前記第2部材および前記第3部材のいずれか一方の部材には、当該一方の部材の径方向に沿って弾性変形可能に構成され、かつ当該一方の部材の中心軸側に向けて突出すると共に挿入状態の前記第1部材の前記溝部に係合可能な第1凸部を有する第1弾性片が設けられ、前記第2部材および前記第3部材の他方の部材には、当該第3部材が前記第1位置に位置している状態において前記第1弾性片の外周部に当接せずに当該他方の部材に向けての前記第1弾性片の弾性変形を許容すると共に、当該第3部材が前記第2位置に位置している状態において前記第1弾性片の外周部に当接して当該他方の部材に向けての前記第1弾性片の弾性変形を規制する当接部が設けられ、前記第3部材を前記第2部材に対して着脱可能に取り付けるための取付部を備え、前記取付部は、前記第2部材および前記第3部材のいずれか一方の部材に設けられて当該一方の部材の径方向に沿って弾性変形可能に構成されると共に当該第2部材および当該第3部材の他方の部材に向けて突出する第2凸部を有する第2弾性片と、前記第2部材および前記第3部材の他方の部材に設けられて前記第2弾性片の前記第2凸部が嵌合可能な嵌合部とを備えて構成されて、当該第2凸部と当該嵌合部との嵌合状態において前記第2部材と前記第3部材とを引き離す向きへの当該第2部材に対する当該第3部材のスライドを規制し、前記第2弾性片には、第3凸部が形成され、前記第2部材および前記第3部材の他方の部材には、前記第3部材が前記第1位置に位置したときおよび当該第3部材が前記第2位置に位置したときにそれぞれ前記第3凸部に係合する複数の溝部が形成されている
また、請求項記載のフレキシブルセンサは、請求項1記載のフレキシブルセンサにおいて、前記第1弾性片が前記第3部材に設けられ、前記当接部が前記第2部材に設けられている。
また、請求項記載のフレキシブルセンサは、請求項1または2記載のフレキシブルセンサにおいて、前記第2弾性片が前記第3部材に設けられ、前記嵌合部が前記第2部材に設けられている。
請求項1記載のフレキシブルセンサでは、第1部材と、第1部材を挿入可能な第2部材と、第2部材に対して回動可能に取り付けられた第3部材とを備えて連結機構が構成され、第2部材および第3部材のいずれか一方の部材には、第1部材の溝部に係合可能な第1凸部を有する第1弾性片が設けられ、第2部材および第3部材の他方の部材には、第3部材が第1位置に位置している状態で第1弾性片の外周部に当接せずに、第3部材が第2位置に位置している状態で第1弾性片の外周部に当接する当接部が設けられている。このため、このフレキシブルセンサによれば、第2位置に位置している第3部材を第1位置に位置するように回動させるだけで、第2部材に向けての第1弾性片の弾性変形が許容されて第1部材を第2部材および第3部材から引き抜くことが可能な状態とすることができ、この状態で第1部材を引き抜くことで、第1部材と第2部材との連結状態(センサケーブルの両端部同士の連結状態)を容易に解除することができる。したがって、このフレキシブルセンサによれば、第3部材を第2部材に対して押し付けた状態でその押し付ける向きとは逆向きに第1部材を引き抜いて連結状態を解除する従来の構成と比較して操作性を十分に向上することができる。また、このフレキシブルセンサによれば、第3部材が第2部材に対してスライドしない構造であるため、第2部材と第3部材とを引き離すことによって連結状態を解除するとの使用者による誤認識が確実に防止される結果、第2部材と第3部材とを強引に引き離すような誤った操作による破損の発生を確実に防止することができる。また、このフレキシブルセンサによれば、取付部(第2弾性片および嵌合部)を備えて第2部材に対して第3部材を着脱可能な構成としたことにより、第2部材および第3部材のいずれか一方が破損したときには、その破損した一方だけを交換し、破損していない他方を再利用することができるため、コストの削減を図ることができる。
また、このフレキシブルセンサによれば、第2弾性片に第3凸部を形成し、第2部材および第3部材の他方の部材に、第3部材が第1位置に位置したとき、および第3部材が第2位置に位置したときに第3凸部に係合する溝部を形成したことにより、第1位置および第2位置に位置させた第3部材13の振動等による回動を防止することができる。
また、請求項記載のフレキシブルセンサによれば、第1弾性片を第3部材に設け、当接部を第2部材に設けたことにより、例えば、センサケーブルが接続された第2部材に第1弾性片を設けた構成とは異なり、第1弾性片が破損したとしても、交換のためにセンサケーブルから第2部材を取り外す必要がなく、第3部材を交換するだけでよいため、十分容易に交換作業を行うことができる。
また、請求項記載のフレキシブルセンサによれば、第2弾性片を第3部材に設け、嵌合部を第2部材に設けたことにより、例えば、センサケーブルが接続された第2部材に第2弾性片を設けた構成とは異なり、第2弾性片が破損したとしても、交換のためにセンサケーブルから第2部材を取り外す必要がなく、第3部材を交換するだけでよいため、十分容易に交換作業を行うことができる。
フレキシブルセンサ1の構成を示す構成図である。 第1部材11の平面図である。 第1部材11の断面図である。 第2部材12の斜視図である。 第2部材12の正面図である。 第2部材12の平面図である。 第2部材12の断面図である。 第3部材13の正面図である。 第3部材13の第1の斜視図である。 図8におけるA−A線断面図である。 第3部材13の第2の斜視図である。 図8におけるB−B線断面図である。 連結機構3の組立て方法を説明する説明図である。 フレキシブルセンサ1の使用方法を説明する第1の説明図である。 フレキシブルセンサ1の使用方法を説明する第2の説明図である。 フレキシブルセンサ1の使用方法を説明する第3の説明図である。 フレキシブルセンサ1の使用方法を説明する第4の説明図である。 フレキシブルセンサ1の使用方法を説明する第5の説明図である。 連結機構103の構成を示す第1の断面図である。 連結機構103の構成を示す第2の断面図である。 連結機構203の構成を示す第2の断面図である。 従来の連結機構50の構成を説明する第1の説明図である。 従来の連結機構50の構成を説明する第2の説明図である。 従来の連結機構50の構成を説明する第3の説明図である。
以下、フレキシブルセンサの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、フレキシブルセンサの一例としての図1に示すフレキシブルセンサ1の構成について説明する。フレキシブルセンサ1は、同図に示すように、センサケーブル2、連結機構3およびケーブル4を備えて、測定対象体100を取り囲むように配置した状態において、測定対象体100を流れる電流(測定対象体100についての物理量の一例)を検出可能に構成されている。
センサケーブル2は、コイル支持体の周囲に絶縁導線(いずれも図示せず)を巻回して形成したロゴスキーコイルであって、その絶縁導線がケーブル4を介して図外の測定器に接続される。
連結機構3は、センサケーブル2における端部2a,2b同士の連結および連結解除を行うための機構であって、図1に示すように、第1部材11、第2部材12および第3部材13を備えて構成されている。
第1部材11は、図2,3に示すように、先端部(両図における左端部)が閉塞された略円筒状(筒状の一例)に構成されている。また、第1部材11は、図1に示すように、センサケーブル2における両端部2a,2bのいずれか一方(この例では、端部2a)が開口部11a(図3参照)から挿入された状態で、端部2aに固定される。また、第1部材11には、後述する第3部材13における第1弾性片31の第1凸部31aと係合する溝部11bが外周に沿って形成されている。
第2部材12は、図4〜図7に示すように、全体として円筒状(筒状の一例)に形成されている。また、第2部材12の基端部12a側には、有底円筒状の固定部21が形成されており、センサケーブル2における両端部2a,2bの他方(この例では、端部2b)が第2部材12の基端部12a側からこの固定部21に挿入されて固定される。また、センサケーブル2を構成する絶縁導線とケーブル4との接続部分が固定部21内に収容される。
また、第2部材12は、先端部12b側に第3部材13を取り付け可能に構成されると共に、第3部材13が取り付けられた状態において、第1部材11を先端部12b側に挿入可能に構成されている。また、第2部材12を構成する外周壁22の先端部(第2部材12の先端部12b)には、図4,6,7に示すように、後述する第3部材13における第2弾性片32の第2凸部32aが嵌合可能な2つのスリット23(嵌合部に相当する)が外周に沿って形成されている。
また、図4,5,7に示すように、外周壁22におけるスリット23の形成部位よりもさらに先端部12b側には、後述する第3部材13の第3凸部33に係合する溝部25が、各スリット23における各々の両端部に近接する位置に1つずつ(1つのスリット23ついて2つ、合計で4つ)形成されている。さらに、第2部材12には、図5,7に示すように、第2部材12の先端部12bよりもやや奥側(基端部12a側)における外周壁22の内側の2箇所(例えば、2つのスリット23の形成位置の中間位置)には第2部材12の中心軸側に向かって突出する当接部24が設けられている。
第3部材13は、図8〜図12に示すように、第1部材11を挿入可能な環状(短尺の円筒状)に形成されて、第2部材12の先端部12b側に取り付けられる。また、第3部材13には、第3部材13の径方向に沿って弾性変形可能に構成された片持ち状の2つの第1弾性片31が設けられている。また、この各第1弾性片31における長さ方向の中間部位には、第3部材13の中心軸側に向かって突出して、第3部材13に挿入されている状態における第1部材11の溝部11bに係合可能な第1凸部31aが形成されている。
また、図8,9,11,12に示すように、第3部材13には、第3部材13の径方向に沿って弾性変形可能に構成された片持ち状の2つの第2弾性片32が設けられている。また、この各第2弾性片32の先端部には、第3部材13の外部に向けて突出する(つまり、第2部材12への取り付け状態において第2部材12に向けて突出する)第2凸部32aが形成されている。
この場合、図13に示すように、第2部材12の外周壁22に形成されているスリット23に第2弾性片32の第2凸部32aを係合させて第3部材13を第2部材12の先端部12b側に取り付けることにより、第3部材13が第2部材12に対して回動可能な状態となる。なお、第2部材12に形成されているスリット23と第2弾性片32とによって取付部が構成される。
ここで、図14に示すように、第3部材13における第2弾性片32の第2凸部32aがスリット23における同図における下側端部に位置している状態(以下、「第1位置に位置している状態」ともいう)では、図13に示すように、第2部材12を構成する外周壁22の内側における当接部24が形成されていない部位に第3部材13の各第1弾性片31が位置して、第1弾性片31の外周部に当接部24が当接していないため、第2部材12に向けての(外向きの)第1弾性片31の弾性変形が許容される。このため、この状態において第2部材12および第3部材13に対して挿入する向きに第1部材11を押し込んだときには、第1部材11の先端部が第1凸部31aに当接して第2部材12に向けて押圧された第1弾性片31が第2部材12に向けて弾性変形し、これによって第2部材12および第3部材13への第1部材11の挿入(センサケーブル2の端部2a,2b同士の連結)が可能となる。
また、第1部材11が第2部材12および第3部材13に挿入されて、第1部材11の溝部11bに第3部材13における第1弾性片31の第1凸部31aが係合している状態において(図16参照)、第3部材13が上記した第1位置に位置しているときには、第1弾性片31の弾性変形が許容される。このため、この状態において第2部材12および第3部材13から引き抜く向きに第1部材11を引っ張ったときには、第1部材11の溝部11bの縁部が第1凸部31aに当接して第2部材12に向けて押圧された第1弾性片31が第2部材12に向けて弾性変形し、これによって第2部材12および第3部材13からの第1部材11の引き抜きが可能となる。
一方、図17に示すように、第3部材13における第2弾性片32の第2凸部32aがスリット23における同図における上側端部に位置している状態(以下、「第2位置に位置している状態」ともいう)では、図18に示すように、第2部材12の各当接部24が第3部材13における2つの第1弾性片31の外周部に当接して、第2部材12に向けての第1弾性片31の弾性変形が規制される。このため、第1部材11が第2部材12および第3部材13に挿入されて、第1弾性片31の第1凸部31aが第1部材11の溝部11bに係合している状態(センサケーブル2の端部2a,2b同士が連結している状態)において、第3部材13が第2位置に位置しているときには、第2部材12に向けての第1弾性片31の弾性変形が規制されて、第1凸部31aが溝部11bに係合している状態が維持され、第1部材11と第2部材12と連結状態(センサケーブル2の端部2a,2b同士の連結状態)が維持される。
また、図9,11,12に示すように、第3部材13の第2弾性片32における基端部側には、第2部材12の外周壁22に形成されている溝部25に係合する第3凸部33が形成されている。この場合、上記したように、溝部25が各スリット23における各々の両端部に近接する位置に1つずつ形成されている。このため、第3部材13を第1位置に位置させたとき、および第2位置に位置させたときのいずれのときにおいても、第3凸部33と溝部25とが係合し、これによって第1位置および第2位置に位置させた第3部材13の振動等による回動が防止される。
次に、フレキシブルセンサ1の組立て方法を説明する。まず、センサケーブル2の端部2aに第1部材11を固定する。具体的には、センサケーブル2の端部2aに接着剤を塗布し、続いて、第1部材11の開口部11a(図3参照)から端部2aを挿入する。これにより、端部2aに第1部材11が固定される。
次いで、センサケーブル2の端部2bを第2部材12に固定する。具体的には、センサケーブル2を構成する絶縁導線とケーブル4とを接続し、続いて、センサケーブル2の端部2bに接着剤を塗布し、次いで、絶縁導線とケーブル4との接続部分を第2部材12の基端部12aに形成されている固定部21に収容するようにして、端部2bを固定部21に挿入する。これにより、固定部21に端部2bが固定される。
続いて、第2部材12に第3部材13を取り付ける。具体的には、図13に示すように、第2部材12を構成する外周壁22における先端部(第2部材12の先端部12b)の内側に第3部材13の各第1弾性片31および各第2弾性片32を挿入して、各第2弾性片32に形成されている第2凸部32aを外周壁22に形成されている各スリット23にそれぞれ嵌合させる。これにより、第3部材13が、上記した第1位置と第2位置との間で回動可能に第2部材12の先端部12bに取り付けられる。以上で、フレキシブルセンサ1の組立てが完了する。
次に、フレキシブルセンサ1の使用方法について、図面を参照して説明する。
このフレキシブルセンサ1を用いて、例えば、図1に示す測定対象体100に流れる電流(測定対象体100についての物理量の一例)を測定する際には、同図に示すように、測定対象体100の周囲をセンサケーブル2で取り囲む。次いで、連結機構3の第3部材13を第2部材12に対して回動させて、図14に示すように、第3部材13における第2弾性片32の第2凸部32aを第2部材12のスリット23の同図における下側端部に位置させる(第3部材13を第1位置に位置させる)。
続いて、図15に示すように、第1部材11を第2部材12および第3部材13に挿入向きに押し込む。この場合、第3部材13を第1位置に位置させた状態では、図13に示すように、第1弾性片31の外周部に第2部材12の当接部24が当接していないため、第2部材12に向けての第1弾性片31の弾性変形が許容される。このため、図15に示すように、第1部材11の押し込みによって第1部材11の先端部が第1凸部31aに当接し、これによって第2部材12に向けて押圧された第1弾性片31が第2部材12に向けて弾性変形する。この結果、図16に示すように、第2部材12および第3部材13に第1部材11が挿入される。
次いで、第1部材11に形成されている溝部11bが第1弾性片31に形成されている第1凸部31aに対向するまで第1部材11が挿入されたときには、図18に示すように、第1弾性片31の弾性力によって第1凸部31aが溝部11bに係合する。これにより、第1部材11および第2部材12(センサケーブル2の端部2a,2b同士)が連結される。
続いて、第3部材13を第2部材12に対して回動させて、図17に示すように、第2弾性片32の第2凸部32aをスリット23の同図における上側端部に位置させる(第3部材13を第2位置に位置させる)。この際に、図18に示すように、第2部材12の各当接部24が第3部材13における各第1弾性片31の外周部に当接して、第2部材12に向けての第1弾性片31の弾性変形が規制される。このため、第1弾性片31の第1凸部31aが溝部11bに係合した状態が維持され、第1部材11および第2部材12(センサケーブル2の端部2a,2b同士)の連結状態が維持される。
次いで、ケーブル4を図外の測定器に接続して、測定を開始する。この場合、測定器が、センサケーブル2に誘起した電圧をケーブル4を介して入力して測定する。続いて、測定が終了して、フレキシブルセンサ1を測定対象体100から取り外す(測定対象体100を取り囲んだ状態を解除する)ときには、連結機構3の第3部材13を第2部材12に対して回動させて、図14に示すように、第3部材13における第2弾性片32の第2凸部32aを第2部材12のスリット23の同図における下側端部に位置させる(第3部材13を第1位置に位置させる)。
この状態では、第3部材13における各第1弾性片31の外周部に対する第2部材12の各当接部24の当接が解除されて、第2部材12に向けての第1弾性片31の弾性変形が許容される。次いで、第2部材12および第3部材13から引き抜く向きに第1部材11を引っ張る。この際に、第1部材11の溝部11bの縁部が第1凸部31aに当接して第1弾性片31を第2部材12に向けて押圧する。この場合、第1弾性片31の第2部材12に向けての弾性変形が許容されているため、第1弾性片31が第2部材12に向けて弾性変形し、第1弾性片31の第1凸部31aと第1部材11の溝部11bとの係合状態が解除され、これによって第2部材12および第3部材13から第1部材11が引き抜かれて、第1部材11および第2部材12(センサケーブル2の端部2a,2b同士)の連結状態が解除される。
このフレキシブルセンサ1では、第2位置に位置している第3部材13を第1位置に位置するように回動させるだけで、第1部材11を第2部材12および第3部材13から引き抜くことが可能な状態となる。このため、この状態で第1部材11を引き抜くことで、第1部材11と第2部材12との連結状態(センサケーブル2の端部2a,2b同士の連結状態)を容易に解除することができる。したがって、このフレキシブルセンサ1では、第3部材を第2部材に対して押し付けた状態でその押し付ける向きとは逆向きに第1部材を引き抜いて連結状態を解除する従来の構成と比較して操作性が十分に向上されている。
また、このフレキシブルセンサ1では、第3部材13が第2部材12に対してスライドしない構造であるため、第2部材12と第3部材13とを引き離すことによって連結状態を解除するとの使用者による誤認識が防止される結果、第2部材12と第3部材13とを強引に引き離すような誤った操作による破損の発生を確実に防止することが可能となっている。
続いて、測定対象体100からセンサケーブル2を取り外す。以上により、測定対象体100に流れる電流の測定が終了する。次いで、他の測定対象体100に流れる電流を測定する際には、上記した手順を繰り返して行う。ここで、第1弾性片31および第2弾性片32は、弾性変形を可能とするために比較的薄手に構成されている。このため、第1弾性片31および第2弾性片32は、他の部分(厚手の部分)に比べて繰り返して使用されることによる破損が発生する可能性が高い。
この場合、例えば、第1弾性片31や第2弾性片32が第2部材12に設けられている構成では、第1弾性片31や第2弾性片32が破損したときには、センサケーブル2の端部2bを第2部材12から取り外して第2部材12を交換する必要がある。また、このような構成において、センサケーブル2の端部2bが接着剤などによって第2部材12に強固に固定されているときには、センサケーブル2から第2部材12を取り外すのが困難のため、フレキシブルセンサ1自体が使用不能となって廃棄しなければならないこともある。これに対して、このフレキシブルセンサ1では、第1弾性片31および第2弾性片32が第3部材13に設けられている。このため、このフレキシブルセンサ1では、第1弾性片31や第2弾性片32が破損したとしても、センサケーブル2の取り外しの必要がない第3部材13を交換するだけでよいため、作業性が十分に向上されている。
このように、このフレキシブルセンサ1では、第1部材11と、第1部材11を挿入可能な第2部材12と、第2部材12に対して回動可能に取り付けられた第3部材13とを備えて連結機構3が構成され、第3部材13には、第1部材11の溝部11bに係合可能な第1凸部31aを有する第1弾性片31が設けられ、第2部材12には、第3部材13が第1位置に位置している状態で第1弾性片31の外周部に当接せずに、第3部材13が第2位置に位置している状態で第1弾性片31の外周部に当接する当接部24が設けられている。このため、このフレキシブルセンサ1によれば、第2位置に位置している第3部材13を第1位置に位置するように回動させるだけで、第2部材12に向けての第1弾性片31の弾性変形が許容されて第1部材11を第2部材12および第3部材13から引き抜くことが可能な状態とすることができ、この状態で第1部材11を引き抜くことで、第1部材11と第2部材12との連結状態(センサケーブル2の端部2a,2b同士の連結状態)を容易に解除することができる。したがって、このフレキシブルセンサ1によれば、第3部材を第2部材に対して押し付けた状態でその押し付ける向きとは逆向きに第1部材を引き抜いて連結状態を解除する従来の構成と比較して操作性を十分に向上することができる。また、このフレキシブルセンサ1によれば、第3部材13が第2部材12に対してスライドしない構造であるため、第2部材12と第3部材13とを引き離すことによって連結状態を解除するとの使用者による誤認識が確実に防止される結果、第2部材12と第3部材13とを強引に引き離すような誤った操作による破損の発生を確実に防止することができる。
また、このフレキシブルセンサ1によれば、第1弾性片31を第3部材13に設け、当接部24を第2部材12に設けたことにより、例えば、センサケーブル2が接続された第2部材12に第1弾性片31を設けた構成とは異なり、第1弾性片31が破損したとしても、交換のためにセンサケーブル2から第2部材12を取り外す必要がなく、第3部材13を交換するだけでよいため、十分容易に交換作業を行うことができる。
また、このフレキシブルセンサ1によれば、取付部(第2部材12のスリット23、および第3部材13の第2弾性片32)を備えて第2部材12に対して第3部材13を着脱可能な構成としたことにより、第2部材12および第3部材13のいずれか一方が破損したときには、その破損した一方だけを交換し、破損していない他方を再利用することができるため、コストの削減を図ることができる。
また、このフレキシブルセンサ1によれば、第2弾性片32を第3部材13に設け、スリット23を第2部材12に設けたことにより、例えば、センサケーブル2が接続された第2部材12に第2弾性片32を設けた構成とは異なり、第2弾性片32が破損したとしても、交換のためにセンサケーブル2から第2部材12を取り外す必要がなく、第3部材13を交換するだけでよいため、十分容易に交換作業を行うことができる。
なお、フレキシブルセンサの構成は、上記した構成に限定されず、適宜変更が可能である。例えば、上記した連結機構3に代えて、図19,20に示す連結機構103を備えたフレキシブルセンサを採用することもできる。なお、以下の説明において、上記したフレキシブルセンサ1と同じ構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。この連結機構103は、両図に示すように、第1部材11、第2部材112および第3部材113を備えて構成されている。
第2部材112は、図19に示すように、全体として円筒状(筒状の一例)に形成されると共に、先端部112b側に第3部材113を回動可能に取り付けるように構成されている。また、第2部材112の先端部112b側には、第2部材112の径方向に沿って弾性変形可能に構成された片持ち状の2つの第1弾性片131が設けられている。また、この各第1弾性片131における長さ方向の中間部位には、第2部材112の中心軸側に向かって突出して、挿入状態におけるの第1部材11の溝部11bに係合可能な第1凸部131aが形成されている。
第3部材113は、図19に示すように、第1部材11を挿入可能な環状(短尺の円筒状)に形成されて、第2部材112の先端部112b側に取り付けられる。また、第3部材113には、図20に示すように、先端部113aよりもやや奥側における内側の2箇所に第3部材113の中心軸側に向かって突出する当接部124が設けられている。
この連結機構103では、図19に示す状態(上記した「第1位置に位置している状態」に相当する状態)では、第2部材112を構成する外周壁122の内側における第1弾性片131が形成されていない部位に第3部材113の各当接部124が位置して、第1弾性片131の外周部に当接部124が当接していないため、第3部材113に向けての(外向きの)第1弾性片131の弾性変形が許容される。このため、この状態では、第2部材112および第3部材113への第1部材11の挿入、並びに第2部材12および第3部材13からの第1部材11の引き抜きが可能となる。
一方、図20に示す状態(上記した「第2位置に位置している状態」に相当する状態)では、第3部材113の各当接部124が第2部材112における2つの第1弾性片131の外周部に当接して、第3部材113に向けての第1弾性片131の弾性変形が規制される。このため、同図に示すように、第2部材112および第3部材113に第1部材11を挿入して、第1弾性片131の第1凸部131aを第1部材11の溝部11bに係合させた後に、上記した「第2位置に位置している状態」に相当する状態とすることで、第1凸部131aと溝部11bとの係合状態が維持され、第1部材11と第2部材112との連結状態が維持される。この連結機構103を備えたフレキシブルセンサにおいても、第2位置に位置している第3部材113を第1位置に位置するように回動させるだけで、第1部材11を第2部材112および第3部材113から引き抜くことが可能な状態とすることができ、この状態で第1部材11を引き抜くことで、第1部材11と第2部材112との連結状態(センサケーブル2の端部2a,2b同士の連結状態)を容易に解除することができる。このため、このフレキシブルセンサにおいても、上記のフレキシブルセンサ1が有する効果と同様の効果を実現することができる。
また、第2弾性片32を第3部材13に設け、嵌合部としてのスリット23を第2部材12に設けた連結機構3を例に挙げて説明したが、図21に示すように、第2弾性片32と同様に機能する第2弾性片232を第2部材212に設け、スリット23と同様に機能するスリット223(嵌合部)を第3部材213に設ける連結機構203を採用することもできる。
また、センサケーブル2としてロゴスキーコイルを採用した例について説明したが、本発明におけるセンサケーブルはこれに限定されず、各種センシング用のコイルおよび導線を採用することができる。
1 フレキシブルセンサ
2 センサケーブル
2a,2b 端部
3,103,103 連結機構
11 第1部材
11b 溝部
12,112,212 第2部材
12a 基端部
12b,112b 先端部
13,113,213 第3部材
21 固定部
23,223 スリット
24,124 当接部
31,131 第1弾性片
31a,131a 第1凸部
32,232 第2弾性片
32a 第2凸部
100 測定対象体

Claims (3)

  1. 測定対象体を取り囲むように配置された状態において当該測定対象体についての物理量を検出するセンサケーブルと、当該センサケーブルにおける両端部同士の連結および連結解除を行うための連結機構とを備えたフレキシブルセンサであって、
    前記連結機構は、筒状に構成されると共に外周に沿って形成された溝部を有して前記センサケーブルにおける前記両端部のいずれか一方に固定される第1部材と、筒状に形成されて前記センサケーブルにおける前記両端部の他方が基端部側から挿入されて固定されると共に先端部側から前記第1部材を挿入可能に構成された第2部材と、前記第1部材を挿入可能に形成されると共に当該第1部材の挿入および引き抜きを許容する第1位置および当該第1部材の挿入および引き抜きを規制する第2位置の間で当該第2部材に対して回動可能に当該第2部材の前記先端部側に取り付けられる環状の第3部材とを備え、
    前記第2部材および前記第3部材のいずれか一方の部材には、当該一方の部材の径方向に沿って弾性変形可能に構成され、かつ当該一方の部材の中心軸側に向けて突出すると共に挿入状態の前記第1部材の前記溝部に係合可能な第1凸部を有する第1弾性片が設けられ、
    前記第2部材および前記第3部材の他方の部材には、当該第3部材が前記第1位置に位置している状態において前記第1弾性片の外周部に当接せずに当該他方の部材に向けての前記第1弾性片の弾性変形を許容すると共に、当該第3部材が前記第2位置に位置している状態において前記第1弾性片の外周部に当接して当該他方の部材に向けての前記第1弾性片の弾性変形を規制する当接部が設けられ、
    前記第3部材を前記第2部材に対して着脱可能に取り付けるための取付部を備え、
    前記取付部は、前記第2部材および前記第3部材のいずれか一方の部材に設けられて当該一方の部材の径方向に沿って弾性変形可能に構成されると共に当該第2部材および当該第3部材の他方の部材に向けて突出する第2凸部を有する第2弾性片と、前記第2部材および前記第3部材の他方の部材に設けられて前記第2弾性片の前記第2凸部が嵌合可能な嵌合部とを備えて構成されて、当該第2凸部と当該嵌合部との嵌合状態において前記第2部材と前記第3部材とを引き離す向きへの当該第2部材に対する当該第3部材のスライドを規制し、
    前記第2弾性片には、第3凸部が形成され、
    前記第2部材および前記第3部材の他方の部材には、前記第3部材が前記第1位置に位置したときおよび当該第3部材が前記第2位置に位置したときにそれぞれ前記第3凸部に係合する複数の溝部が形成されているフレキシブルセンサ。
  2. 前記第1弾性片が前記第3部材に設けられ、前記当接部が前記第2部材に設けられている請求項1記載のフレキシブルセンサ。
  3. 前記第2弾性片が前記第3部材に設けられ、前記嵌合部が前記第2部材に設けられている請求項1または2記載のフレキシブルセンサ。
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