以下、フレキシブルセンサの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、フレキシブルセンサの一例としての図1に示すフレキシブルセンサ1の構成について説明する。フレキシブルセンサ1は、同図に示すように、センサケーブル2、連結機構3およびケーブル4を備えて、測定対象体100を取り囲むように配置した状態(センサケーブル2の端部2a,2b同士を連結させた状態)において環状体を構成して、測定対象体100を流れる電流(測定対象体100についての物理量の一例)を検出可能に構成されている。
センサケーブル2は、コイル支持体の周囲に絶縁導線(いずれも図示せず)を巻回して形成したロゴスキーコイルであって、その絶縁導線がケーブル4を介して図外の測定器に接続される。
連結機構3は、センサケーブル2における端部2a,2b同士の連結および連結解除を行うための機構であって、図1に示すように、第1連結部3aおよび第2連結部3bを備えて構成されている。
第1連結部3aは、図1に示すように、本体部11、カバー12および操作部13を備えて構成されている。この場合、本体部11およびカバー12によって第1連結部本体60が構成される。
本体部11は、図2,3に示すように、基端部11a側が小径の円筒状(筒状の一例)に形成され、先端部11b側が大径の円筒状(筒状の一例)に形成されている。この本体部11の基端部11aには、センサケーブル2における両端部2a,2b(図1参照)のいずれか一方(この例では、端部2a)が挿入されて固定される。また、センサケーブル2を構成する絶縁導線とケーブル4との接続部分が基端部11aの内部に収容される。
また、本体部11の基端部11aには、図2,3に示すように、基端部11aの外側(接続状態のカバー12)に向けて突出する突出部21が形成されている。この突出部21は、本体部11とカバー12との接続状態(本体部11をカバー12に挿入した状態)においてカバー12の後述する爪部31と係合する。
また、本体部11は、先端部11bに操作部13を接続させる(取り付ける)ことが可能に構成されている。この場合、操作部13は、後述する第1弾性片41および第2弾性片42を先端部11bに挿入させて先端部11bに接続される。また、図2,4に示すように、本体部11の先端部11bには、スリット23が形成されている。このスリット23は、挿入された操作部13における第2弾性片42の第2凸部42aが嵌合することにより、本体部11と操作部13との接続状態を維持する機能を有している。
また、図2に示すように、本体部11における先端部11bの外周面には、溝22が形成されている。この溝22は、本体部11をカバー12に挿入して両者を接続する際にカバー12の後述するリブ32を係合させることで本体部11とカバー12とを位置決めする機能を有している。
また、図2,3に示すように、本体部11における先端部11bの縁部24は、肉厚に形成され、その縁部24には、切り欠き25が形成されている。この切り欠き25は、操作部13を本体部11の先端部11bに接続する際に操作部13の後述する指示部43を係合させることにより、本体部11および操作部13を位置決めする機能を有している。
また、図4に示すように、本体部11の先端部11bの内部におけるスリット23の形成部位よりも基端部11a側の位置には、本体部11の中心軸11c側に向かって突出する当接部26が形成されている。この当接部26は、第1連結部3aと第2連結部3bとの連結および連結解除を許容するアンロック位置(第1位置に相当する)に操作部13が位置しているときに、第1弾性片41の外向きの弾性変形を許容し、第1連結部3aと第2連結部3bとの連結および連結解除を規制するロック位置(第2位置に相当する)に操作部13が位置しているときに、操作部13の第1弾性片41に当接して、第1弾性片41の外向きの弾性変形を規制する機能を有している。
さらに、図4,5に示すように、本体部11の先端部11bの内部(操作部13が取り付けられる部分(取り付け部分))におけるスリット23の形成部位の間には、第1被嵌合部27aおよび第2被嵌合部27bが形成されている。
第1被嵌合部27aは、操作部13に形成されている後述する第1嵌合部45aを嵌合させることが可能に構成されている。具体的には、第1被嵌合部27aは、図4に示すように、第1溝部28a、第2溝部28bおよび第3溝部28cを備えて構成されている。第1溝部28aは、操作部13がアンロック位置に位置したときに操作部13の第1嵌合部45aを構成する第1リブ46a(図9参照)が嵌合する断面半円状の溝部であって、図4に示すように、本体部11の中心軸11cに沿って延在するように形成されている。第2溝部28bは、操作部13がロック位置に位置したときに第1リブ46aが嵌合する断面半円状の溝部であって、同図に示すように、本体部11の中心軸11cに沿って延在し、かつ第1溝部28aに対して平行となるように形成されている。
第3溝部28cは、操作部13の第1嵌合部45aを構成する第2リブ46b(図9参照)が嵌合する断面長方形状の溝部であって、図4に示すように、本体部11の中心軸11cに沿って延在するように形成されている。また、第3溝部28cは、同図に示すように、第1溝部28aおよび第2溝部28bよりも縁部24側に位置して、中心軸11cに沿って第1溝部28aに連続すると共に、中心軸11cに沿って第2溝部28bにも連続するように形成されている。また、第3溝部28cは、操作部13がアンロック位置に位置したときに、第3溝部28cを形成する一対の内壁29a,29b(同図参照)のうちの一方(この例では、内壁29a)に操作部13の第2リブ46bが当接し(図17参照)、操作部13がロック位置に位置したときに、各内壁29a,29bのうちの他方(この例では、内壁29b)に第2リブ46bが当接するように(図21参照)、その形状(幅)が規定されている。
第2被嵌合部27bは、操作部13に形成されている後述する第2嵌合部45bを嵌合させることが可能に構成されている。具体的には、第2被嵌合部27bは、図5に示すように、第4溝部28dおよび第5溝部28eを備えて構成されている。第4溝部28dは、操作部13がアンロック位置に位置したときに操作部13の第2嵌合部45bを構成する第3リブ46c(図10参照)が嵌合する断面半円状の溝部であって、図5に示すように、本体部11の中心軸11cに沿って延在するように形成されている。第5溝部28eは、操作部13がロック位置に位置したときに第3リブ46cが嵌合する断面半円状の溝部であって、同図に示すように、本体部11の中心軸11cに沿って延在し、かつ第4溝部28dに対して平行となるように形成されている。
カバー12は、図6に示すように、本体部11を挿入可能な円筒状(筒状の一例)に形成されて、本体部11に接続された(取り付けられた)状態において本体部11を覆うことが可能に構成されている。また、図6,7に示すように、カバー12の内周面には、本体部11の溝22に係合するリブ32が形成されている。
また、図7に示すように、カバー12の基端部12aには、爪部31(この例では、2つの爪部31)が形成されている。この爪部31は、図14に示すように、本体部11をカバー12に挿入した状態において本体部11の突出部21における先端部11b側の縁部(同図における右側の縁部)に係合して、本体部11およびカバー12を接続させる。この場合、このフレキシブルセンサ1では、同図に示すように、爪部31がカバー12の内側に形成されており、本体部11とカバー12との接続状態において爪部31に対する押圧や変形などの操作が不能となる。このため、このフレキシブルセンサ1では、本体部11をカバー12に挿入して本体部11およびカバー12を接続した後には、突出部21と爪部31との係合状態の解除が不能となっている。つまり、このフレキシブルセンサ1では、本体部11をカバー12に挿入して本体部11とカバー12とを一旦接続した後には、本体部11やカバー12を破壊しない限り本体部11とカバー12との接続状態の解除(両者の分離)ができない構造(いわゆる、はめごろし構造)となっている。
また、図6,7に示すように、カバー12の先端部12bには、解除孔33が形成されている。この解除孔33は、本体部11のスリット23に嵌合している操作部13における第2弾性片42の第2凸部42aを解除用の部材(例えば、棒状部材)で押圧する際に、その部材を挿通するのに用いられる。このため、解除孔33は、本体部11とカバー12との接続状態において本体部11のスリット23に対向する位置に形成されている。
また、図8に示すように、カバー12(第1連結部本体60)の外周面には、操作部13が上記したロック位置(第1位置)および上記したアンロック位置(第2位置)のいずれに位置するかを示す第1表示部34aおよび第2表示部34b(以下、第1表示部34aおよび第2表示部34bを区別しないときには「表示部34」ともいう)が設けられている。この場合、第1表示部34aおよび第2表示部34bは、図16に示すように、センサケーブル2の端部2a,2b同士を連結させたときに構成される環状体(図1参照:以下、「フレキシブルセンサ1によって構成される環状体」ともいう)の外側を向く部位に設けられている。より詳しくは、第1表示部34aおよび第2表示部34bは、図16に示すように、フレキシブルセンサ1によって構成される環状体におけるセンサケーブル2の中心軸2cを通る平面(同図において破線で示す中心軸2cを通る水平面)を挟んで上側に位置する部位および下側に位置する部位に、互いに接した状態でそれぞれ1つずつ設けられている。なお、この例では、同図に示すように、中心軸2cを通る平面の下側に位置する部位に第1表示部34aが設けられ、上側に位置する部位に第2表示部34bが設けられている。
操作部13は、第1連結部3aと第2連結部3bとの連結および連結解除の操作を行うための部材であって、図9〜図11に示すように、略円筒状(筒状の一例)に形成されている。また、操作部13は、図15に示すように、先端部13bを本体部11の先端部11bに挿入することによって本体部11に接続(取り付け)可能に構成されている。また、操作部13には、図10,11に示すように、操作部13の径方向に沿って弾性変形可能に構成された片持ち状の第1弾性片41および第2弾性片42が形成されている。
この場合、図9〜図11に示すように、各第1弾性片41における長さ方向の中間部位には、操作部13の中心軸側に向かって突出して、第1連結部3a(操作部13)に挿入されている状態における第2連結部3bの溝部54(図12参照)に係合可能な第1凸部41aが形成されている。また、図9〜図11に示すように、各第2弾性片42の先端部には、操作部13の外部に向けて突出する(つまり、本体部11に接続された状態において本体部11に向けて突出する)第2凸部42aが形成されている。
このフレキシブルセンサ1では、図15に示すように、本体部11の先端部11bに形成されているスリット23に第2弾性片42の第2凸部42aを係合させることにより、本体部11に対して相対的に回動可能な状態で操作部13が本体部11に接続される。
また、このフレキシブルセンサ1では、第2凸部42aがスリット23の一方の端部23a(図2における右側の端部であって、上記したアンロック位置)に位置しているときには、本体部11の当接部26が第1弾性片41に当接しない。このため、このときには、本体部11に向けての(外向きの)第1弾性片41の弾性変形が許容される。一方、第2凸部42aがスリット23の他方の端部23b(図2における左側の端部であって、上記したロック位置)に位置しているときには、図19に示すように、本体部11の当接部26が第1弾性片41に当接する。このため、このときには、本体部11に向けての(外向きの)第1弾性片41の弾性変形が規制される。
また、操作部13の基端部13aには、図9〜図11に示すように、操作部13の中心軸13cを挟んで対向する2つの位置に一対の凹部44a,44bが設けられている。この場合、基端部13aに凹部44a,44bが設けられていない(つまり、基端部13aが円筒状に形成されている)操作部13を使用者が掴んだ(摘んだ)ときには、操作部13を視認しない限り、操作部13のどの部分が使用者から見た手前側に位置するかを把握するのは困難である。これに対して、凹部44a,44bが設けられているこの操作部13では、使用者が操作部13を視認することなく掴んだとしても、この凹部44a,44bの存在によって操作部13のどの部分が使用者から見た手前側に位置するかを把握することができる。つまり、凹部44a,44bは、操作部13(操作部13が接続されている第1連結部本体60)の向きを使用者に把握させる機能を有している。
また、操作部13の基端部13aには、図10に示すように、指示部43が形成されている。この場合、指示部43は、フレキシブルセンサ1によって構成される環状体の外側を向く部位に設けられている。より詳しくは、指示部43は、操作部13の外周面に沿って各凹部44a,44bから同じ距離だけ離間した部位(外周面に沿って凹部44a,44bを結んだ曲線の中心に位置する部位)に設けられている。この指示部43は、操作部13が上記したアンロック位置(第1位置)に位置しているときに第1表示部34aに対向すると共に(図16参照)、操作部13がロック位置(第2位置)に位置しているときに第2表示部34bに対向して(図20参照)、操作部13の回動方向に沿った第1連結部本体60に対する相対位置(操作部13がアンロック位置およびロック位置のいずれに位置しているか)を指し示す機能を有している。また、この指示部43は、本体部11の先端部11bに形成されている切り欠き25(図2,3参照)に係合して操作部13を本体部11に対して位置決めする機能も有している。
さらに、図9,10に示すように、操作部13の先端部13b(操作部13が本体部11に取り付けられる部分(取り付け部分))における第1弾性片41および第2弾性片42の形成部位の間には、第1嵌合部45aおよび第2嵌合部45bが形成されている。第1嵌合部45aは、本体部11の第1被嵌合部27aに嵌合可能に構成されている。具体的には、第1嵌合部45aは、図9に示すように、第1リブ46aおよび第2リブ46bを備えて構成されている。第1リブ46aは、操作部13がアンロック位置に位置したときに本体部11における第1被嵌合部27aの第1溝部28aに嵌合し、操作部13がロック位置に位置したときに第1被嵌合部27aの第2溝部28bに嵌合する断面半円状のリブであって、同図に示すように、操作部13の中心軸13c(図11参照)に沿って延在して中心軸13cから離反する向きに突出するように形成されている。
第2リブ46bは、本体部11における第1被嵌合部27aの第3溝部28cに移動可能に嵌合する断面長方形状のリブであって、図9に示すように、操作部13の中心軸13c(図11参照)に沿って延在すると共に、中心軸13cから離反する向きに突出するように形成されている。また、第2リブ46bは、同図に示すように、第1リブ46aよりも基端部13a側に位置して、中心軸13cに沿って第1リブ46aに連続するように形成されている。この場合、第2リブ46bは、操作部13がアンロック位置に位置したときに、本体部11の第3溝部28cを形成する内壁29aに当接し(図17参照)、操作部13がロック位置に位置したときに、第3溝部28cを形成する内壁29bに当接する(図21参照)。
第2嵌合部45bは、本体部11の第2被嵌合部27bに嵌合可能に構成されている。具体的には、第2嵌合部45bは、図10に示すように、第3リブ46cを備えて構成されている。第3リブ46cは、操作部13がアンロック位置に位置したときに本体部11における第2被嵌合部27bの第4溝部28dに嵌合し、操作部13がロック位置に位置したときに第2被嵌合部27bの第5溝部28eに嵌合する断面半円状のリブであって、同図に示すように、操作部13の中心軸13c(図11参照)に沿って延在して中心軸13cから離反する向きに突出するように形成されている。
第2連結部3bは、図12に示すように、先端部51が閉塞された略円筒状に構成されている。また、第2連結部3bには、図1に示すように、センサケーブル2における両端部2a,2bの他方(この例では、端部2b)が基端部52の開口部53(図12参照)から挿入された状態で固定される。また、第2連結部3bには、操作部13における第1弾性片41の第1凸部41aと係合する溝部54が外周に沿って形成されている。
次に、フレキシブルセンサ1の組立て方法を説明する。まず、センサケーブル2をカバー12に通し(挿通させ)、次いで、センサケーブル2の端部2b(図1参照)を第2連結部3bに固定する。具体的には、センサケーブル2の端部2bに接着剤を塗布し、続いて、第2連結部3bの開口部53(図12参照)から端部2bを挿入する。これにより、端部2bが第2連結部3bに固定される。
次いで、センサケーブル2の端部2a(図1参照)を本体部11に固定する。具体的には、センサケーブル2を構成する絶縁導線とケーブル4とを接続し、続いて、センサケーブル2の端部2aに接着剤を塗布し、次いで、絶縁導線とケーブル4との接続部分を本体部11の基端部11aに挿入する。これにより、本体部11にセンサケーブル2の端部2aが固定される。
続いて、本体部11とカバー12とを接続する(本体部11をカバー12で覆う)。具体的には、図13に示すように、カバー12における先端部12b側の開口部から本体部11の基端部11aを挿入する。この際に、カバー12に形成されているリブ32を本体部11に形成されている溝22(図2参照)に係合させつつ挿入する。このように挿入することで、本体部11とカバー12とが位置決めされる。
次いで、本体部11をカバー12にさらに挿入する。この際に、図14に示すように、本体部11の突出部21における先端部11b側の縁部(同図における右側の縁部)にカバー12の爪部31が係合し、これによって本体部11とカバー12とが接続される。ここで、このフレキシブルセンサ1では、同図に示すように、爪部31がカバー12の内側に形成されているため、この状態(接続状態)では、突出部21および爪部31に対する押圧や変形などの操作をカバー12の外部から行うことができないようになっている。このため、このフレキシブルセンサ1では、本体部11をカバー12に挿入して本体部11とカバー12とを一旦接続した後には、突出部21と爪部31との係合状態の解除が不能となり、本体部11とカバー12とが接続状態(分離しない状態)に維持される。
続いて、本体部11および操作部13を接続する(本体部11に操作部13を取り付ける)。具体的には、図15に示すように、本体部11の先端部11bの内側に操作部13の第1弾性片41および第2弾性片42を挿入する。この際に、操作部13の基端部13aに形成されている指示部43(図10参照)を本体部11の先端部11bに形成されている切り欠き25(図2,3参照)に係合させる。また、本体部11の先端部11bに形成されている第1被嵌合部27a(図4参照)と操作部13の先端部13bに形成されている第1嵌合部45a(図9参照)とを嵌合させると共に、本体部11の先端部11bに形成されている第2被嵌合部27b(図5参照)と操作部13の先端部13bに形成されている第2嵌合部45b(図10参照)とを嵌合させる。このように係合および嵌合させつつ挿入することで、本体部11と操作部13とが位置決めされる。
次いで、操作部13を本体部11にさらに挿入する。この際に、図15に示すように、第2弾性片42に形成されている第2凸部42aが本体部11の先端部11bに形成されているスリット23に嵌合する。これにより、操作部13が、上記したアンロック位置とロック位置との間で回動可能に本体部11の先端部11bに接続される。以上で、フレキシブルセンサ1の組立てが完了する。
次に、フレキシブルセンサ1の使用方法について、図面を参照して説明する。
このフレキシブルセンサ1を用いて、例えば、図1に示す測定対象体100に流れる電流(測定対象体100についての物理量の一例)を測定する際には、測定対象体100の周囲をセンサケーブル2で取り囲んで、連結機構3の第2連結部3bを第1連結部3aに挿入して両者を連結させる。この場合、このフレキシブルセンサ1では、第2連結部3bを第1連結部3aに挿入する際には、操作部13をアンロック位置に位置させておく必要がある。このため、測定対象体100の周囲をセンサケーブル2で取り囲むのに先立ち、操作部13がアンロック位置およびロック位置のいずれに位置しているかを確認する。
具体的には、まず、第1連結部3aを掴む。この場合、基端部13aに凹部44a,44bが設けられていない操作部13を掴んだときには、第1連結部3aを視認しない限り、カバー12の表示部34や操作部13の指示部43が手前側(使用者から見た手前側)に位置するか否かを把握するのは困難である。これに対して、この操作部13では、凹部44a,44bが設けられているため、例えば、凹部44a,44bと指示部43との位置関係(この例では、外周面に沿って凹部44a,44bを結んだ曲線の中心に指示部43が位置する位置関係)を使用者が予め認識しているときには、連結機構3を視認せずに第1連結部3aの操作部13を掴んだ使用者は、この凹部44a,44bの存在によって表示部34や指示部43が手前側に位置するか否かを手の感触で把握することが可能となっている。このため、例えば、測定対象体100から視線をそらさずに(第1連結部3aを視認することなく)第1連結部3aを掴むような状況においても、操作部13がアンロック位置およびロック位置のいずれに位置しているかを確認可能な向きとなるように第1連結部3aを掴むことが可能となる。
次に、掴んだ第1連結部3aの表示部34および指示部43を視認した結果、例えば、操作部13がアンロック位置に位置していない(ロック位置に位置している)ことを確認したときには、図16に示すように、操作部13の指示部43がカバー12の第1表示部34aに対向するように操作部13を第1連結部本体60(本体部11)に対して回動させて、操作部13をアンロック位置(第1位置)に位置させる。
この際に、操作部13の先端部13bに形成されている第1嵌合部45aの第1リブ46aが、本体部11の先端部11bに形成されている第1被嵌合部27aの第1溝部28aに嵌合する。また、操作部13の先端部13bに形成されている第2嵌合部45bの第3リブ46cが、本体部11の先端部11bに形成されている第2被嵌合部27bの第4溝部28dに嵌合する。この場合、使用者は、第1リブ46aおよび第3リブ46cが第1溝部28aおよび第4溝部28dにそれぞれ嵌合したときの手の感触(クリック感)によって操作部13がアンロック位置に位置したことを認識することができる。
また、操作部13がアンロック位置に位置したときには、図17に示すように、本体部11における第2被嵌合部27bの第3溝部28cを形成する内壁29aに操作部13における第1嵌合部45aの第2リブ46bが当接する。このため、操作部13のそれ以上の回動(過剰な回動)が規制されて、操作部13がアンロック位置を越えて回動してアンロック位置から外れる事態が確実に回避される。
続いて、図1に示すように、測定対象体100の周囲をセンサケーブル2で取り囲む。次いで、図18に示すように、第2連結部3bを操作部13の基端部13a側から先端部13b側(第1連結部3aの奥側)に向けて挿入させる。この場合、第2弾性片42の第2凸部42aをアンロック位置に位置させているときには、第1弾性片41に本体部11の当接部26が当接していないため、本体部11に向けての第1弾性片41の弾性変形が許容される。このため、第2連結部3bの押し込みによって第2連結部3bの先端部が第1凸部41aに当接し、これによって第1弾性片41が本体部11に向けて弾性変形する。この結果、カバー12および操作部13に第2連結部3bが挿入される。
続いて、第2連結部3bがさらに挿入されたときには、図19に示すように、第1弾性片41の弾性力によって第1凸部41aが溝部54に係合する。これにより、第1連結部3aと第2連結部3bとが(センサケーブル2の端部2a,2b同士が)連結される。
次いで、図20に示すように、操作部13の指示部43がカバー12の第2表示部34bに対向するように操作部13を第1連結部本体60に対して回動させて、操作部13をロック位置(第2位置)に位置させる。この際に、図19に示すように、本体部11の当接部26が第1弾性片41の外周部に当接して、本体部11に向けての第1弾性片41の弾性変形が規制される。このため、第1弾性片41の第1凸部41aが溝部54に係合した状態が維持され、第1連結部3aと第2連結部3bとが(センサケーブル2の端部2a,2b同士が)連結状態に維持される。
また、操作部13がロック位置に位置したときには、操作部13における第1嵌合部45aの第1リブ46aが、本体部11における第1被嵌合部27aの第2溝部28bに嵌合する。また、操作部13における第2嵌合部45bの第3リブ46cが、本体部11における第2被嵌合部27bの第5溝部28eに嵌合する。この場合、使用者は、第1リブ46aおよび第3リブ46cが第2溝部28bおよび第5溝部28eにそれぞれ嵌合したときの手の感触(クリック感)によって操作部13がロック位置に位置したことを認識することができる。
また、操作部13がロック位置に位置したときには、図21に示すように、本体部11における第2被嵌合部27bの第3溝部28cを形成する内壁29bに操作部13における第1嵌合部45aの第2リブ46bが当接する。このため、操作部13のそれ以上の回動(過剰な回動)が規制されて、操作部13がロック位置を越えて回動してロック位置から外れる事態が確実に回避される。
続いて、ケーブル4を図外の測定器に接続して、測定を開始する。この場合、測定器が、センサケーブル2に誘起した電圧をケーブル4を介して入力して測定する。次いで、測定が終了して、フレキシブルセンサ1を測定対象体100から取り外す(測定対象体100を取り囲んだ状態を解除する)ときには、図16に示すように、操作部13の指示部43がカバー12の第1表示部34aに対向するように連結機構3の操作部13を第1連結部本体60に対して回動させて、操作部13をアンロック位置(第1位置)に位置させる。
この場合おいても、操作部13における第1嵌合部45aの第1リブ46aが本体部11における第1被嵌合部27aの第1溝部28aに嵌合し、操作部13における第2嵌合部45bの第3リブ46cが本体部11における第2被嵌合部27bの第4溝部28dに嵌合するため、その際の手の感触(クリック感)により、使用者は、操作部13がアンロック位置に位置したことを認識することができる。
また、操作部13がアンロック位置に位置したときには、第2被嵌合部27bの第3溝部28cを形成する内壁29aに第1嵌合部45aの第2リブ46bが当接して操作部13の過剰な回動が規制されるため、操作部13がアンロック位置から外れる事態が確実に回避される。
また、操作部13がアンロック位置に位置した際には、第1弾性片41に対する当接部26の当接が解除されて、本体部11に向けての第1弾性片41の弾性変形の規制が解除される。続いて、第1連結部3aから引き抜く向きに第2連結部3bを引っ張る。この際に、第2連結部3bの溝部54の縁部が第1弾性片41の第1凸部41aに当接して第1弾性片41がカバー12に向けて弾性変形して、第1凸部41aと溝部54との係合状態が解除される。これによって第1連結部3aから第2連結部3bが引き抜かれて、第1連結部3aと第2連結部3bとの連結状態(センサケーブル2の端部2a,2b同士の連結状態)が解除される。
このフレキシブルセンサ1では、ロック位置(第2位置)に位置している操作部13がアンロック位置(第1位置)に位置するように操作部13を回動させるだけで、第2連結部3bを第1連結部3aから引き抜くことが可能な状態となる。このため、カバーを本体部の基端部側にスライドさせて第1連結部と第2連結部との連結状態を解除する構成とは異なり、本体部とカバーとを強引に引き離すような誤操作を確実に防止することが可能となっている。また、このフレキシブルセンサ1では、カバー12の外部から操作ができない突出部21と爪部31との係合によって本体部11およびカバー12が接続されて、本体部11およびカバー12の接続状態が維持される構造となっている。このため、このフレキシブルセンサ1では、仮に本体部11とカバー12とを引き離すような操作がされたとしても、接続されている本体部11とカバー12との分離が確実に防止される。
次いで、測定対象体100からセンサケーブル2を取り外す。以上により、測定対象体100に流れる電流の測定が終了する。続いて、他の測定対象体100に流れる電流を測定する際には、上記した手順を繰り返して行う。
ここで、操作部13に形成されている第1弾性片41および第2弾性片42は、弾性変形を可能とするために比較的薄手に構成されている。このため、第1弾性片41および第2弾性片42は、他の部分(厚手の部分)に比べて繰り返して使用されることによる破損が発生する可能性が高い。この場合、繰り返しの使用によって操作部13の第1弾性片41や第2弾性片42が破損したときには、操作部13を本体部11から取り外して交換する。
操作部13を本体部11から取り外す際には、まず、カバー12に形成されている解除孔33に棒状部材を挿入し、次いで、本体部11のスリット23に嵌合している操作部13における第2弾性片42の第2凸部42aを棒状部材の先端部で押圧する。この際に、押圧によって第2弾性片42が弾性変形して第2凸部42aとスリット23との嵌合状態が解除される。続いて、操作部13を本体部11から引き抜く。これにより、操作部13が本体部11から取り外される。
上記したように、このフレキシブルセンサ1では、カバー12の解除孔33に解除用の棒状部材を挿入しなければ第2凸部42aとスリット23との嵌合状態が解除されない構造となっている。このため、このフレキシブルセンサ1では、操作部13の交換(本体部11からの取り外し)を可能としつつ、第1連結部3aと第2連結部3bとの連結を解除するための通常の操作によって操作部13が本体部11から容易に外れる事態を確実に防止することが可能となっている。
このように、このフレキシブルセンサ1では、断面半円状の第1リブ46aが操作部13に形成され、操作部13がアンロック位置およびロック位置に位置したときに第1リブ46aが嵌合する断面半円状の第1溝部28aおよび第2溝部28bが本体部11に形成されている。このため、このフレキシブルセンサ1によれば、第1リブ46aが第1溝部28aや第2溝部28bに嵌合したときの手の感触(クリック感)によって操作部13がアンロック位置やロック位置に位置したことを使用者に対して確実に認識させることができる。また、このフレキシブルセンサ1では、断面長方形状の第2リブ46bが操作部13に形成され、操作部13がアンロック位置およびロック位置に位置したときに第2リブ46bが内壁29a,29bに当接するように構成された第3溝部28cが本体部11に形成されている。このため、このフレキシブルセンサ1によれば、操作部13がアンロック位置およびロック位置に位置したときに、それ以上の過剰な回動を確実に規制することができる結果、操作部13がアンロック位置やロック位置を越えて回動してアンロック位置やロック位置から外れる事態を確実に回避することができる。
また、このフレキシブルセンサ1によれば、第1リブ46aおよび第2リブ46bを操作部13の中心軸13cに沿って連続するように形成し、第1溝部28aと第2溝部28bとが互いに平行でかつ第1溝部28aおよび第2溝部28bと第3溝部28cとが本体部11の中心軸11cに沿って連続するように形成したことにより、第1嵌合部45aおよび第1被嵌合部27aをコンパクトに構成することができる。このため、このフレキシブルセンサ1によれば、スリット23を形成するために第1被嵌合部27aを形成するスペースが限られていたり、第1弾性片41や第2弾性片42を形成するために第1嵌合部45aを形成するスペースが限られていたりする場合においても、第1被嵌合部27aおよび第1嵌合部45aをその限られたスペースに確実に形成することができる。
また、このフレキシブルセンサ1では、断面半円状の第3リブ46cが操作部13に形成され、操作部13がアンロック位置およびロック位置に位置したときに第3リブ46cが嵌合する断面半円状の第4溝部28dおよび第5溝部28eが本体部11に形成されている。このため、このフレキシブルセンサ1によれば、操作部13がアンロック位置(またはロック位置)に位置したときに、第1リブ46aと第1溝部28a(または第2溝部28b)との嵌合に加えて、第3リブ46cと第4溝部28d(または第5溝部28e)とが嵌合するため、嵌合によって生じる手の感覚を(クリック感)より明確にすることができる結果、操作部13がアンロック位置(または、ロック位置)に位置したことを使用者に対してより確実に認識させることができる。
なお、フレキシブルセンサの構成は、上記した構成に限定されず、適宜変更が可能である。例えば、本体部11に第1被嵌合部27aおよび第2被嵌合部27bを形成し、操作部13に第1嵌合部45aおよび第2嵌合部45bを形成した例について上記したが、本体部11に第1嵌合部45aおよび第2嵌合部45bを形成し、操作部13に第1被嵌合部27aおよび第2被嵌合部27bを形成する構成を採用することもできる。また、本体部11に第1被嵌合部27aおよび第2嵌合部45bを形成し、操作部13に第1嵌合部45aおよび第2被嵌合部27bを形成する構成や、本体部11に第2被嵌合部27bおよび第1嵌合部45aを形成し、操作部13に第2嵌合部45bおよび第1被嵌合部27aを形成する構成を採用することができる。さらに、第2被嵌合部27bおよび第2嵌合部45bを備えていない構成、つまり、本体部11に第1被嵌合部27aおよび第1嵌合部45aのいずれか一方のみを形成し、操作部13に第1被嵌合部27aおよび第1嵌合部45aの他方のみを形成する構成を採用することもできる。
また、第1リブ46aおよび第2リブ46bが連続するように形成し、第1溝部28aと第2溝部28bとが互いに平行でかつ各溝部28a,28bと第3溝部28cとが連続するように形成した例について上記したが、第1リブ46aおよび第2リブ46bが互いに平行でかつ不連続となるように形成し、各溝部28a,28bと第3溝部28cとが互いに平行でかつ不連続となるように形成する構成を採用することもできる。
また、センサケーブル2としてロゴスキーコイルを採用した例について説明したが、本発明におけるセンサケーブルはこれに限定されず、各種センシング用のコイルおよび導線を採用することができる。