JP5916531B2 - 画像記録装置、吐出不良検出方法、テストチャートの作成方法及びテストチャートデータ生成プログラム - Google Patents

画像記録装置、吐出不良検出方法、テストチャートの作成方法及びテストチャートデータ生成プログラム Download PDF

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Description

本発明は画像記録装置、吐出不良検出方法、テストチャートの作成方法及びテストチャートデータ生成プログラムに係り、特に液体を吐出する複数のノズルが配列された液体吐出ヘッドにおける不良ノズルを検出する技術に関する。
インクを吐出する複数のノズルが配列されたインクジェットヘッドにおいて、インクが吐出されない等の吐出不良のノズルを検出する技術が多数提案されている。
例えば、特許文献1には、画像データに基づいて、ノズルが媒体に対して相対移動方向に相対移動しつつ流体を吐出して媒体上に形成された画像を、相対移動方向において画像データの解像度よりも読取解像度が低くなるようにセンサで読取ることと、画像データに基づいて、相対移動方向において読取解像度と同じ解像度である基準データを作成することと、センサが読取ったデータにおいて相対移動方向の同一の列の上にある複数の読取データ画素と、基準データにおいて複数の読取データ画素にそれぞれ対応する複数の基準データ画素とを比較して、ノズルの吐出不良を検出することと、を有する吐出不良検出方法が開示されている。
この技術によれば、複数の読取ラインでの検出結果に基づいてノズルの吐出不良を判定するので、誤検出を防止することができる。 また、このような吐出不良検出方法によれば、吐出不良検出の精度を維持しつつ、吐出不良検出における処理データの量を削減することができる。
特開2010−240885号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術には以下のような課題がある。
(1)吐出不良検出の精度
不良ノズルの判定を、基準画像データと読取画像データとの画素を比較することにより実施するが、CMYKのインクを用いるプリンタの場合、混色した色ではどの色(何色のノズル)で不具合が発生したかの検知処理が必要になる。例えばグレー色で基準画像との差があった場合、基準画像データと読取画像データとで差があることがわかるが、どの色で発生しているかを判定する複雑な色判定処理が必要になる。
また、出力画像の絵柄によっては、位置誤差と画像不良の見分けができない場合が発生する。例えば、出力画像にノズル並び方向に直交する細かい縞模様が存在する場合等においては、ノズル並び方向の位置合わせが正確でないと、差分を取った時にスジ状のムラ(不良ノズル)と位置ズレで生じる模様との違いを見分けることは困難である。
(2)データ処理量
シングルパス方式のインクジェット記録装置において広幅で高速印字を行う場合、紙送り方向の読取解像度を低く設定したとしても、画像領域全般にわたって実画像で吐出不良検出処理を実施することは困難である。
例えば、出力機の記録解像度が縦720dpi×横1440dpiである場合に 、A2サイズ(縦594×横420mm)の画像をそのままRGB各8bitとして記録解像度で画像を取り込むと、画像データのサイズは1GB程度となる。紙送り方向の読取解像度を低下させたとしても、依然としてデータ量は大きい。また、このデータを用いて処理を行うためには、高速かつ大容量の画像処理装置が必要となる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、画像に応じて精度良くかつ高速に吐出不良を判定することができる画像記録装置、吐出不良検出方法、テストチャートの作成方法及びテストチャートデータ生成プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために画像記録装置の一の態様は、液体を吐出する複数のノズルを備えた液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、複数のノズルから液体を吐出させて記録媒体上に記録を行う制御手段と、記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得手段と、画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成手段と、テストチャートデータに基づいて、制御手段により記録媒体上にテストチャートを記録するテストチャート記録手段と、記録されたテストチャートの読取データを取得する読取画像取得手段と、テストチャートの読取データを解析して吐出不良のノズルを検出する不良検出手段と、を備え、テストチャートデータ生成手段は、画像データについて、相対移動の方向に平行な画素列毎の濃度の頻度を算出する頻度算出手段と、算出された画素列毎の濃度の頻度に基づいて、複数のノズルのパッチ濃度を決定するパッチ濃度決定手段と、を備え、決定されたパッチ濃度からテストチャートデータを生成する。
上記目的を達成するために画像記録装置の一の態様は、液体を吐出する複数のノズルを備えた液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、複数のノズルから液体を吐出させて記録媒体上に記録を行う制御手段と、記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得手段と、画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成手段と、テストチャートデータに基づいて、制御手段により記録媒体上にテストチャートを記録するテストチャート記録手段と、記録されたテストチャートの読取データを取得する読取画像取得手段と、テストチャートの読取データを解析して吐出不良のノズルを検出する不良検出手段と、を備え、データ取得手段は、出力処理される第1の画像データと、該第1の画像データよりも少なくとも相対移動の方向と直交する方向の解像度が低い第2の画像データとを取得し、テストチャートデータ生成手段は、第2の画像データに基づいてテストチャートデータを生成する。
上記目的を達成するために画像記録装置の一の態様は、液体を吐出する複数のノズルを備えた液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、複数のノズルから液体を吐出させて記録媒体上に記録を行う制御手段と、記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得手段と、画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成手段と、テストチャートデータに基づいて、制御手段により記録媒体上にテストチャートを記録するテストチャート記録手段と、記録されたテストチャートの読取データを取得する読取画像取得手段と、テストチャートの読取データを解析して吐出不良のノズルを検出する不良検出手段とを備えた。
本態様によれば、記録媒体上に記録する画像データに基づいてテストチャートデータを生成し、生成されたテストチャートデータに基づいて、記録媒体上にテストチャートを記録し、記録されたテストチャートの読取データを取得し、テストチャートの読取データを解析して吐出不良のノズルを検出するようにしたので、出力画像の絵柄に応じて不良ノズルを精度良く検出することができる。また、データ処理量が少なくて済むため、不良ノズルを高速に検出することができる。
テストチャートデータ生成手段は、画像データについて、相対移動の方向に平行な画素列毎の濃度の頻度を算出する頻度算出手段と、算出された画素列毎の濃度の頻度に基づいて、複数のノズルのパッチ濃度を決定するパッチ濃度決定手段とを備え、決定されたパッチ濃度からテストチャートデータを生成することが好ましい。これにより、適切なテストチャートデータを生成することができ、出力画像の絵柄に応じた不良ノズル検出が可能となる。
パッチ濃度決定手段は、画素列毎に頻度が最大となる濃度を算出し、算出された濃度を複数のノズルのうち画素列に対応するノズルのパッチ濃度に決定することが好ましい。これにより、適切に複数のノズルのパッチ濃度を決定することができる。
パッチ濃度決定手段は、画素列毎に頻度が所定値を超えた濃度のうち最大の濃度を算出し、算出された濃度を複数のノズルのうち画素列に対応するノズルのパッチ濃度に決定してもよい。高濃度の方がムラが目立ちやすいため、このように複数のノズルのパッチ濃度を決定することで、不良ノズルを精度良く検出することができる。
テストチャートデータ生成手段は、複数のノズルのパッチ濃度について高周波成分を低減させるスムージング処理手段を備えることが好ましい。このように、高周波の階調変動を削減しておくことで、不良ノズルを精度良く検出することができる。
取得した画像データの少なくとも相対移動の方向と直交する方向の解像度を複数のノズルの記録解像度よりも低くする解像度変換手段を備えてもよい。解像度を低くしてテストチャートデータを生成することで、高周波の階調変動を削減することができるので、不良ノズルを精度良く検出することができる。
前記データ取得手段は、出力処理される第1の画像データと、該第1の画像データよりも少なくとも前記相対移動の方向と直交する方向の解像度が低い第2の画像データとを取得し、テストチャートデータ生成手段は、第2の画像データに基づいてテストチャートデータを生成してもよい。これにより、高周波の階調変動を削減することができるので、不良ノズルを精度良く検出することができる。
不良検出手段は、読取データを相対移動の方向に積算平均し、一次元のデータに変換する積算平均手段を備えることが好ましい。これにより、不良ノズルを精度良く検出することができる。
不良検出手段は、読取データを人間の視覚特性を考慮した信号に変換する視覚特性フィルタ手段を備えることが好ましい。これにより、不良ノズルを精度良く検出することができる。
不良検出手段は、読取データと閾値とを比較して吐出不良のノズルを検出する比較手段を備えてもよい。これにより、不良ノズルを精度良く検出することができる。
閾値は、パッチ濃度の階調毎に設定されることが好ましい。これにより、不良ノズルを精度良く検出することができる。また、それぞれ異なる色の液体を吐出する複数の液体吐出ヘッドを備えている場合には、閾値は色毎に設定されることが好ましい。これにより、不良ノズルを精度良く検出することができる。
吐出不良のノズルが検出されたことをユーザに通知する通知手段を備えてもよい。また、吐出不良のノズルが検出された場合に吐出不良のノズルの回復作業を行う回復手段を備えてもよい。
テストチャートデータ生成手段は、液体吐出ヘッドの複数のノズルと記録されたテストチャートを読み取った際の読取画素との位置関係を対応付けるためのマークデータをテストチャートデータに付与することが好ましい。これにより、不良ノズルの位置を特定することができる。
テストチャートデータ生成手段は、テストチャートデータと画像データとをマージするマージ処理手段を備えてもよい。この場合、マージ処理手段は、画像データにおける相対移動の方向の下流側にテストチャートデータをマージすることが好ましい。これにより、不良ノズルを精度良く検出することができる。
それぞれ異なる色の液体を吐出する複数の液体吐出ヘッドを備え、画像データは、複数の液体吐出ヘッドによって記録される複数色の画像データであり、テストチャートデータ生成手段は、色毎の複数のテストチャートデータを生成し、マージ処理手段は、複数のテストチャートデータのうち1つのテストチャートデータを画像データにマージしてもよい。これにより、読取画像データ量を減らすことができるので、高速処理が可能となる。
前記目的を達成するためにテストチャートの作成方法の一の態様は、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ液体吐出ヘッドの複数のノズルから液体を吐出することで記録媒体上に画像を記録する画像記録装置の吐出不良のノズルを検出するためのテストチャートの作成方法であって、記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得工程と、取得した画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成工程と、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつテストチャートデータに基づいて複数のノズルから液体を吐出させることで記録媒体上にテストチャートを記録するテストチャート記録工程とを備えた。
このテストチャートの作成方法は、物(テストチャート)を生産する方法に該当する。本態様によれば、出力画像の絵柄に応じて液体吐出ヘッドの不良ノズルを精度良く検出するためのテストチャートを作成することができる。
前記目的を達成するためにテストチャートデータ生成プログラムの一の態様は、複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ複数のノズルから液体を吐出することで記録媒体上に画像を記録する画像記録装置の吐出不良のノズルを検出するためのテストチャートデータを生成する機能をコンピュータに実現させるテストチャートデータ生成プログラムであって、記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得機能と、取得した画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成機能とをコンピュータに実現させる。
本態様によれば、出力画像の絵柄に応じて液体吐出ヘッドの不良ノズルを精度良く検出するためのテストチャートのデータを生成することができる。
前記目的を達成するために吐出不良検出方法の一の態様は、複数のノズルを備えた液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ複数のノズルから液体を吐出させることで記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得工程と、取得した画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成工程と、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつテストチャートデータに基づいて複数のノズルから液体を吐出させることで記録媒体上にテストチャートを記録するテストチャート記録工程と、記録されたテストチャートを読み取り、当該テストチャートの読取データを取得する読取画像取得工程と、テストチャートの読取データを解析して吐出不良のノズルを検出する不良検出工程と備えた。
本態様によれば、出力画像の絵柄に応じて液体吐出ヘッドの不良ノズルを精度良く検出することができる。
本発明によれば、出力画像に応じて生成したテストチャートを出力し、このテストチャートを読み込んで不良ノズルを検出することで、出力画像の絵柄に応じて不良ノズルを精度良く検出することができる。また、データ処理量が少なくて済むため、不良ノズルを高速に検出することができる。
画像記録装置の構成を示すブロック図 テストチャート作成部の内部構成を示すブロック図 テストチャートの作成処理を示すフローチャート 画像データと画像位置Iにおける濃度のヒストグラムを示す図 ある画像位置における頻度分布の一例を示す図 M版のテストチャート画像データの濃度分布を示す図 テストチャート画像データがマージされた画像データの一例を示す図 不良ノズル検出部の内部構成を示すブロック図 吐出不良ノズルの検知処理を示すフローチャート 人間の視覚特性の例を示す図 読取画像の視覚特性補正前後のデータの一例を示す図 テストチャート画像データとマークデータとの一例を示す図 画像データと画像位置Iにおける濃度のヒストグラムを示す図 テストチャート画像データの濃度分布を示す図 テストチャート画像データがマージされた画像データの一例を示す図 テストチャート画像データがマージされた画像データの他の例を示す図 インクジェット記録装置の構成例を示す図 ヘッドの構造例を示す平面透視図と一部の拡大図 ヘッドの他の構造例を示す平面透視図 インク室ユニットの立体的構成を示す断面図 インクジェット記録装置のシステム構成を示すブロック図
以下、添付図面に従って本発明を実施するための形態について詳説する。
<画像記録装置の全体構成>
図1は、本実施形態に係る画像記録装置の構成を示すブロック図である。この画像記録装置10は、入力インターフェース12、CMS部13、テストチャート作成部14、ガンマ変換部16、ハーフトーン処理部18、ヘッドユニット20、搬送部22、画像読取部24、不良ノズル検出部26、及びマシーンコントロールユニット28等から構成される。
画像記録装置10は、入力インターフェース12(データ取得手段の一例)から入力された画像データを、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色インクを用いて用紙Pの記録面に記録するインクジェット方式のプリンタである。
CMS部13は、入力された画像データに対し、色を目的のターゲットに合わせる色合わせ処理を実施すると同時に、出力色であるCMYKの4色に分解する処理(3−4変換(RGB−CMYK)や4−4変換(CMYK−CMYK))を実施する。これにより、CMYKの単色階調が得られる。
テストチャート作成部14は、CMS部13において生成されたCMYKの画像データを解析し、テストチャート画像を作成する。この処理の詳細については後述する。
ガンマ変換部16は、CMYKの画像データに対して色毎にキャリブレーション処理を施し、出力特性の調整(ガンマ変換)を行う。
ハーフトーン処理部18は、ガンマ変換された各色の色データに対して誤差拡散法やディザマトリクス法を用いてハーフトーン処理を施し、各色のドットデータを生成する。
ヘッドユニット20は、CMYKの各色インク(液体の一例)を吐出するインクジェットヘッド20C、20M、20Y、20K(液体吐出ヘッドの一例)を備えている。搬送部22(移動手段の一例)は、載置された用紙Pをヘッドユニット20に対して所定の方向(搬送方向)に搬送する。
各色のインクジェットヘッド20C、20M、20Y、20Kは、それぞれ用紙Pの紙幅方向(搬送方向と直交する方向)の描画領域の全域を所定の記録解像度で一度に(1回の紙送りで)描画完成できるノズル列(複数のノズルに相当)を有している。
このノズル列により、ヘッドユニット20は、搬送部22による用紙Pの1回の搬送(シングルパス)において、所定の解像度の画像を描画する。
画像読取部24は、多数の光電変換素子(感光画素部)がライン状に配列されたリニアセンサ型の撮像デバイスを備えたスキャナである。画像読取部24は、用紙Pに描画された画像を所定の解像度で読み取り、読取画像データに変換する。
不良ノズル検出部26は、画像読取部24において取得された読取画像データに基づいて、ヘッドユニット20の各色インクジェットヘッド20C、20M、20Y、20Kの吐出不良ノズルを検出する。ここで、吐出不良ノズルとは、インクが吐出できない不吐出ノズルや、吐出方向が所定方向から所定量以上ずれる曲がりノズルを指す。
マシーンコントロールユニット28(制御手段の一例)は、画像記録装置10の各部を制御する。また、検出された吐出不良ノズルの情報に基づいて、ユーザに対して吐出不良ノズルが検知されたことの通知や、吐出不良ノズルを回復させるためのワイプや強制吐出等の処理を行う。
<第1の実施形態>
〔テストチャートの作成処理〕
図2は、テストチャート作成部14の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、テストチャート作成部14は、頻度算出部51、パッチ濃度算出部52、スムージング処理部53、マージ処理部54等を備えている。各部の動作については、後述する。
次に、テストチャートの作成処理について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。テストチャート作成部14は、CMYKの画像データに基づいて、ノズルに対応する列毎にヒストグラムを作成し、最頻度色(最頻度濃度)をその列のパッチ色(パッチ濃度)としたテストチャートを作成する。
ここでは、図4(a)に示す画像データ11が、画像記録装置10に出力用画像データとして入力された場合について説明する。この画像データ11は、いわゆる「日の丸」を示しており、中央部分の円形の領域11aは赤色であり、その他の領域11bは白色である。したがって、画像データ11を記録する場合の各領域における各色インクの割合は、領域11aについては(C,M,Y,K)=(0,100,100,0)、領域11bについては(C,M,Y,K)=(0,0,0,0)である。
なお、ここでは画像データ11の解像度とヘッドユニット20の記録解像度は一致しているものとする。一致していない場合は、解像度変換手段(不図示)において画像データ11に変倍処理を施すことで、ヘッドユニット20の記録解像度と一致させればよい。
画像記録装置10に入力された画像データ11(データ取得工程の一例)は、CMS部13において、CMYKの画像データに分解される(ステップS1)。
テストチャート作成部14の頻度算出部51(頻度算出手段の一例)は、CMYKの各色画像データ(Cyan版、Magenta版、Yellow版、blacK版)について、各ノズルに対応する画像位置i毎に(用紙搬送方向に平行な列毎に)画像データImage(i,y)に対する各濃度d[ドット%]の頻度h(d)を算出する(ステップS2、頻度算出工程の一例)。
図4(b)は、図4(a)に示した画像データ11の画像位置IにおけるYellow版(Y版)とMagenta版(M版)の濃度dのヒストグラムを示した図である。本例では、画像位置Iの濃度dの頻度は、Y版、M版ともに、0%が4割、100%が6割である。
また、図4(c)は、画像位置IにおけるBlack版(B版)とCyan版(C版)の濃度dのヒストグラムを示した図である。本例では、画像位置Iの濃度dの頻度は、B版、C版ともに、0%が10割である。
次に、パッチ濃度算出部52(パッチ濃度決定手段の一例)は、CMYKの各色画像データについて、各画像位置iにおけるパッチ濃度P(i)を算出する(ステップS3)。ここでは、各画像位置iの濃度dのヒストグラムに基づいて、頻度の最大となる濃度をその位置のパッチ濃度P(i)とする。
画像データ11の場合、Y版とM版のパッチ濃度P(i)は同一であり、領域11aが含まれる一部の位置iにおいてP(i)=100%となり、その他の位置iにおいてP(i)=0%となる。また、B版とC版のパッチ濃度P(i)は、全ての位置iにおいてP(i)=0%である。
吐出不良ノズルが存在する場合には記録した画像に白スジが発生するが、この白スジは、低濃度よりも高濃度の方が、ムラが目立ちやすいという特徴を持つ。したがって、2つ以上の頻度分布がある場合には、ある割合を超えている頻度のうち最も濃度が高い頻度を選択するという方法を用いることもできる。例えば、図5に示す頻度分布が得られた場合であれば、頻度Hを超えている頻度のうち最も濃度が高い75[%]を、その位置のパッチ濃度P(i)として選択することができる。この頻度Hの値については、求められる品質等を鑑みて適宜決めればよい。
また、本実施形態では、最も頻度の高い濃度を1つ選択してテストチャートデータを生成する例を説明するが、頻度の高い2つの濃度やN個の濃度を選択してテストチャートデータを生成することも容易に拡張することができる。
次に、テストチャート作成部14(テストチャートデータ生成手段の一例)は、各色のパッチ濃度P(i)に基づいて、ノズル配列方向にP(i)の分布を持ち、紙送り方向に一様のテストチャート画像データ(ムラ検知パターン)を作成する(ステップS4、テストチャート画像データ生成工程の一例)。
なお、吐出不良ノズル検知は、周囲画像との差分で判断するので、高周波の階調変動を削減しておく必要がある。したがって、テストチャート画像データは、後の吐出不良ノズル検出時に都合のよいように、スムージング処理部53(スムージング処理手段の一例)においてP(i)の分布に対して低周波のフィルタ処理を施し、ノズル配列方向の高周波数成分を低減させるスムージング処理を実施することが好ましい。
フィルタ処理としては、例えば最も単純な例として、以下の数1に示す移動平均法による処理を用いることで、高周波成分を除去することができる。
ここで、2n+1はフィルタのサイズを示し、高周波成分を除去できる適切な値に適宜設定すればよい。
また、高周波の成分を低減する処理であれば、様々な既知の平滑化手法を用いることができる。
図6は、M版のテストチャート画像データの濃度分布を示す図であり、ステップS3において算出したノズル位置iに対するパッチ濃度P(i)を実線で、パッチ濃度P(i)にスムージング処理を施した濃度分布を破線で示している。このスムージング処理後の濃度分布は、人間の目でムラの有無が確認できる程度に高周波成分が低減されている。例えば、日の丸の有無によるエッジ部分が数mm以上に渡って滑らかに変化するように、スムージング処理の微分係数が設定されている。
以上の説明では、画像データの解像度とヘッドユニット20の記録解像度が一致しているものとして説明したが、前記の画像データ(出力処理される画像データ)とは別に、それよりも低解像度の画像データを合わせて入力画像として入力することもできる。ここで低解像画像データは、例えば、表示に使うサムネイル画像(CMYK変換後の画像データの間引き画像、例えば72dpi程度の画像)を用いることができる。なお、低解像度画像データは、ノズル配列方向の解像度が低解像であればよい。
この低解像度画像データに基づいて、頻度の算出及びパッチ濃度の決定を行い、低解像度で各色のパッチ濃度P(i´)を生成し、拡大処理を施して記録解像度のデータP(i)を生成する。低解像度で演算を行うことで、高速にパッチを生成することができるとともに、さらに高周波の変動成分を低減するスムージング処理が不要となる。
なお、低解像度画像データを予め入力できない場合には、入力画像データを解像度変換手段(不図示)により縮小処理することで、生成すればよい。
このように作成されたテストチャート画像データは、マージ処理部54(マージ処理手段の一例)において出力画像の下流側(後端)或いは上流側(先端)にマージされ、1つの画像が生成される(ステップS5)。
図7は、出力用画像データ11の下流側に、C版のテストチャート画像データ11C、M版のテストチャート画像データ11M、Y版のテストチャート画像データ11Y、及びK版のテストチャート画像データ11Kをマージした画像データ11´の一例を示す図である。本例では、インクジェットヘッド20C、20Kは出力画像で使用されないため、テストチャート画像データ11C、11Kの部分は空白である。また、テストチャート画像データ11M、11Yは、領域11bよりも領域11aの方が多い範囲のみ、同じ濃度(100%)で吐出させるデータとなる。
一般的に、インクジェットヘッドは、描画中に徐々に吐出精度が悪化することが多いため、吐出不良ノズルの検知は、出力画像の描画後に行うことが好ましい。したがって、テストチャート画像データは、出力画像データよりも用紙Pの下流側(後端)に配置することが好ましい。なお、各色のテストチャート画像の配置順は特に限定されない。
また、不要な色のテストチャートは出力しなくてもよい。したがって、図7に示した例では、テストチャート画像データ11M、11Yのみを出力用画像データ11にマージしてもよい。
各色のテストチャート画像データ11C、11M、11Y、11Kの用紙搬送方向の長さは、用紙搬送速度や画像読取部24の読取速度等から適宜決めればよい。また、各色のテストチャート画像データ11C、11M、11Y、11Kの生成処理は、4色について並列に実施してもよいし、シリアルに実施してもよい。
この画像データ11´は、ガンマ変換、ハーフトーン変換がなされ(ステップS6)、搬送部22によって搬送される用紙Pにヘッドユニット20において1つの画像として描画される(テストチャート記録手段の一例)(ステップS7、テストチャート記録工程の一例)。
〔吐出不良ノズルの検知処理〕
図8は、不良ノズル検出部26の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、不良ノズル検出部26(不良検出手段の一例)は、積算平均部61、視覚特性フィルタ部62、比較部63、ノズル位置特定部64等を備えている。各部の動作については、後述する。
次に、吐出不良ノズルの検知処理について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。画像記録装置10は、上記のステップS7において用紙Pに描画されたテストチャート画像を読み取り、吐出不良ノズルの検知を行う。
画像読取部24(読取画像取得手段の一例)は、用紙Pに出力された画像のうち、テストチャート画像部分を読み取り、読取画像データを生成する(ステップS11)。本実施形態では、画像記録装置10に設けられた画像読取部24によって読取画像データを取得しているが、画像記録装置10の外部に設けられたスキャナによってテストチャート画像部分を読み取り、この読み取りデータを画像記録装置10が取得するように構成してもよい。
この読取画像データは、色版によって最適な信号に変換される。一般に、スキャナはRGBに分解して信号を取り込むが、それらRGB信号を加重平均して作成された信号、例えばここでは輝度値(Y値)やL*などが選択される。また、イエローは被視感度が低いため、上記の信号よりRGBのB信号を直接選択してもよい。
不良ノズル検出部26の積算平均部61(積算平均手段の一例)は、読取画像データImage_scan(X,Y)について、ノイズ低減のために用紙搬送方向に積算平均化し、一次元のデータImage_Sum(X)に変換する(ステップS12)。
次に、視覚特性フィルタ部62(視覚特性フィルタ手段の一例)において、人間の視覚の空間周波数特性(VTF;Visual Transfer Function)を考慮した視覚特性補正(VTF補正)を行う(ステップS13)。一般的な印刷用途では、印刷画像の差異や欠陥は人間が見て差が無ければ(欠陥として知覚できなければ)問題がないと考えられる。そのため、視覚特性フィルタ部62は、画像読取部24の読み込み特性と合わせるとともに、人間の視覚特性FVTFに合わせて一種のローパスフィルタ(VTF)を適用し、Image_Sum_mod1(X)を得る。
図10は、人間の視覚特性の例を示す図であり、横軸は空間周波数(サイクル/ミリメートル)、縦軸は応答である。縦軸は応答感度の最大値を「1」として規格化した相対値で表されている。人間の視覚は、例えば、空間周波数0.8サイクル/ミリメートル(c/mm)近傍で最大感度(「1」とする)となる。空間周波数が2サイクル/ミリメートル(c/mm)で応答は約0.4となり、以下、空間周波数の増加につれて応答は急激に低下し、空間周波数6〜8サイクル/ミリメートルで略ゼロ値になる特性と有する。
このような人間の視覚周波数特性のモデルについては、著者J.Sullivan, L.Ray,and R.Millerによる文献「Design of minimumvisual modulation halftone patterns」IEEE Trans. Syst. Man Cybern., vol121,No.1,33-38(1991)に詳しく述べられている。人間の視覚特性に対応したローパスフィルタを適用して画像データを変換することにより、人間には見えない高周波なムラが発生していたとしても吐出不良として判定されなくなる。
図11は、読取画像の視覚特性補正前後のデータの一例を示す図である。図11において、横軸は画像読取部24の読取画素位置、縦軸はmin値を白、max値を黒とする輝度単位の値(max−輝度値)であり、破線はImage_Sum(X)、実線はImage_Sum_mod1(X)を示している。
比較部63(比較手段の一例)は、このImage_Sum_mod1(X)と予め設定された閾値αとを比較し、閾値αより低下している部分を白スジが知覚できる部分と判断し、吐出不良ノズルと判定する(ステップS14、不良検出工程の一例)。
なお、閾値αの値は、階調毎、色毎に設定することが可能である。また、ユーザの判断基準によっても任意に決めることが可能である。
このような処理をする上では、画像読取部24の読取解像度は、視覚特性のカットオフ周波数の2倍あれば十分と考えられる。したがって、記録解像度よりも低い解像度でよく、必要以上に画像読取部24のノズル配列方向の読取解像度を高くすることなく、少ない画像データ量で吐出不良ノズルを検知することができる。
検知された吐出不良ノズルの情報は、不良ノズル検出部26(通知手段に相当)からマシーンコントロールユニット28に通知される。マシーンコントロールユニット28は、ユーザに吐出不良ノズルが検知されたことを通知するか、或いは不良ノズルを回復させる、ワイプや強制吐出等の吐出不良ノズルの回復作業を行わせる(回復手段に相当)(ステップS15)。
なお、吐出不良ノズルがどの位置のノズルであるかを簡単に特定するには、テストチャート画像と共にノズル位置(ノズル番号)を特定できるマークを描画すればよい。
用紙Pの搬送性のズレによって、用紙Pの位置がずれたり(斜行を含む)、描画時の画像の濃さによって用紙Pの記録面に付与されるインク量の違い(水分量の差)で用紙が膨張し、画像が伸び縮みすることがある。このような場合、画像読取部24の読取画素と各色のインクジェットヘッド20C、20M、20Y、20Kのノズルとの位置関係がずれてしまう。また、画像読取部24の光学系そのものの歪により、位置関係がずれることも考えられる。
このような位置ズレの補正や、画像伸縮の補正、或いは、光学系の歪みを補正するために、テストチャート画像と共に、所定のノズルで目印となるマークを描画し、このマークを画像読取部24で読み取る。この読取画像をノズル位置特定部64において解析することで、当該マークを読み取った画像読取部24の読取画素と、マークを描画したノズル番号との対応を取ることができる。
ここで、ノズル位置特定部64の動作について説明する。
図12(a)は、テストチャート画像データ11Mと、インクジェットヘッド20Mの各ノズルによって描画するマークデータ30Mとの一例を示す図である。マークデータ30Mは、用紙搬送方向に略平行な線状のパターンをノズル配列方向に所定の間隔で描画するものであり、インクジェットヘッド20Mのノズル位置と画像読取部24の読取画素位置との対応付けを行う際の基準となる。本例ではマークデータ30Mは、テストチャート画像データ11Mの下流側に配置しているが、上流側に配置してもよい。
図示した例は、前記線状のパターンが記録解像度の1画素を用いて描画されている例であるが、パターンの太さは2、3、…、Nの任意の画素数で描画されたパターンを用いることができる。また、該当位置のみ描画しないことで、背景が黒の中に白線を描画したマークデータを用いることもできる。
マークデータ30Mを記録するノズル番号は、例えば、0番、1000番、2000番、…という具合に、インクジェットヘッド20Mの実質的なノズル列におけるノズル並び方向(ノズル列方向)に既知のノズル間隔となるように予め設定される。なお、間隔は必ずしも一定間隔である必要はない。
このとき記録されるマークデータ30Mの配列において、用紙P上の一方の端(例えば図12(a)の左側の端)から、マーク番号kを付与して各マークを区別すると(ただし、kは整数)、k番目のマークを書き込むノズル番号Index_nozzle(k)は、例えば0、1000、2000、3000…という具合に、1000の倍数の数列集合で表される。
つまり、Index_nozzle(k)={0,1000,2000,3000,……}は、マークを書き込むノズル番号として予め設定される。
次に、画像読取部24の読取画素列のうち、k番目のマークを読み取った読取画素番号をIndex_CCD(k,1)とする。ここでは、M版のテストチャート画像の上余白部をn=1としている。Index_CCD(k,n)は、画像読取部24による読取画像Img_scan(i,n)からマーク位置を切り出し、切り出した画像からエッジ位置を算出することで、マーク位置が読み取り画像の何画素目であるかを算出して得ることができる。
出力ノズル解像度に変換された画像データをImg_mod2(x,n)として、各ノズル番号xの画素値を次のようにして求める。
まず、Index_nozzle(k1-1)≦x<Index_nozzle(k1)となる「k1」を求める。
倍率は上記マーク位置の線形補間を用いることができる。
内分の比率pを次式(式2)、
(式2)p={x-Index_Nozzle(k1-1)}/{Index_Nozzle(k1)-Index_Nozzle(k1-1)}
で表すとすると、ノズル解像度変換後の基準データは、
(式3)Img_mod2(x,n)=Img_scan(Index_CCD(p,1),n)
となる。ここで、Index_CCD(p,n)は、pが整数ではなく実数で扱う場合には、pの前後の整数値から補間して求めることができる。
また、次式(式4)、
(式4)Index_CCD(k,n) = {n× Index_CCD(p,1)}+{(1-n)× Index_CCD(p,N)}
を用いて、ノズル並び方向の途中のn列目のマーク読取画素番号Index_CCD(k,n)を設定することができる。
また、Index_nozzle(k)において、kをノズルの数だけ用意することで、直接各ノズルと読取画像の画素位置との対応を正確にとることも可能である。この場合、図12(b)に示したマークデータ31Mのように、各ノズルのマークを一段ずつずらして配置することで、テストチャートに描画することができる。また、図12(c)に示したマークデータ32M、32Mのように、テストチャート画像データ11Mの下流側と上流側に分けて配置してもよい。なお、マークの用紙搬送方向長さについては、画像読取部24の用紙搬送方向の読取解像度に応じて適宜決めればよい。
このように、ノズル位置特定部64において画像不良があった場所のノズルを特定することで、吐出不良ノズル補正機構(不図示)によって欠陥が目立たない画像を描画することができる。吐出不良ノズル補正機構は、例えば吐出不良ノズルの周囲画素を用いて、吐出不良ノズルの補正を行う。
以上説明したように、本実施形態では、出力画像データを考慮したテストチャートを用いて吐出不良ノズルの有無を判断しているため、誤検出が少なく、出力画像に応じた精度の高い検知が可能となる。例えば、使用していないノズルが吐出不良であっても、本実施形態では検知されない。したがって、不要な通知動作や回復作業を省略することができる。
また、テストチャート画像データは濃度が略一様なパターンとなっているため、吐出不良ノズルによる高周波ムラを判断しやすい。また、読込画像データ量が少なく、高速処理を安価に実施することができる。
さらに、画像読取部の解像度は視覚特性で決まる解像度としており、画像の記録解像度より低い解像度である。したがって、読み取り画像データ数が少なくなり、高速処理が安価で可能となる。
<第2の実施形態>
次に、図13(a)に示す画像データ41が、画像記録装置10に出力用画像データとして入力された場合について、図3のフローチャートを用いて説明する。
画像記録装置10に入力された画像データ41は、CMS部13において、CMYKの画像データに分解される(ステップS1)。
テストチャート作成部14は、CMYKの各色画像データ(Cyan版、Magenta版、Yellow版、blacK版)について、ノズル配列方向の画像位置iの画像データImage(i,y)に対する各濃度d[ドット%]の頻度h(d)を算出する(ステップS2)。
図13(b)〜(e)はそれぞれ、図13(a)に示した画像データ41の画像位置IにおけるC版、M版、Y版、K版の濃度dのヒストグラムを示した図である。
次に、CMYKの各色画像データについて、各画像位置iにおけるパッチ濃度P(i)を算出する(ステップS3)。ここでは、各画像位置iの濃度dのヒストグラムに基づいて、頻度Hを超えている頻度のうち最も高い濃度を、その位置のパッチ濃度P(i)とする。
したがって、図13(b)〜(e)に示した例では、C版のパッチ濃度P(I)は25%、M版のパッチ濃度P(I)は100%、Y版のパッチ濃度P(I)は75%、K版のパッチ濃度P(I)は75%となる。
次に、各色のパッチ濃度P(i)に基づいて、ノズル配列方向にP(i)の分布を持ち、紙送り方向に一様のテストチャート画像データを作成する(ステップS4)。第1の実施形態と同様に、P(i)の分布に対して低周波のフィルタ処理を施し、ノズル配列方向の高周波数成分を低減させるスムージング処理を実施する。
図14(a)〜(d)は、それぞれC版、M版、Y版、K版のスムージング処理後のテストチャート画像データの濃度分布を示す図である。
このように作成されたテストチャート画像データは、出力画像の下流側或いは上流側にマージされ、1つの画像が生成される(ステップS5)。
図15は、出力用画像データ41の下流側に、C版のテストチャート画像データ41C、M版のテストチャート画像データ41M、Y版のテストチャート画像データ41Y、及びK版のテストチャート画像データ41Kをマージした画像データ41´の一例を示す図である。
この画像データ11´は、ガンマ変換、ハーフトーン変換がなされ(ステップS6)、ヘッドユニットから1つの画像として用紙Pに描画される(ステップS7)。
用紙Pに描画されたテストチャート画像について、第1の実施形態と同様に読取処理を行うことで、吐出不良ノズルの検知を行うことができる。
なお、ここでは出力画像データに4色分のテストチャート画像をマージすることで、1回の画像出力につき4色分のテストチャートを出力しているが、1回の画像出力につき1色分のテストチャート画像を出力するようにしてもよい。
図16(a)〜(d)はそれぞれ、出力用画像データ41の下流側にC版のテストチャート画像データ41Cをマージした画像データ42C、出力用画像データ41の下流側にM版のテストチャート画像データ41Mをマージした画像データ42M、出力用画像データ41の下流側にY版のテストチャート画像データ41Yをマージした画像データ42Y、出力用画像データ41の下流側にK版のテストチャート画像データ41Kをマージした画像データ42K、の一例を示す図である。
この画像データ42C、42M、42Y、42Kを順に出力し、吐出不良ノズルの検知を行うことで、テストチャート画像の占める面積を減らすことができる。また、各色インクジェットヘッド20C、20M、20Y、20Kの吐出不良ノズルの検知は、それぞれ4回の画像出力につき1回ずつとなるため、吐出不良ノズル検知処理を行うデータ数が少なくなり、高速に処理を行うことができる。
なお、1回の画像出力につき2色分や3色分のテストチャート画像を出力するようにしてもよい。
<画像記録装置>
<インクジェット記録装置の構成例>
次に、図1で説明した画像記録装置10の更なる具体的な例として、インクジェット記録装置の構成例について説明する。
図17は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成例を示す図である。このインクジェット記録装置100は、描画部116の描画ドラム170に保持された記録媒体124(「媒体」に相当、以下、便宜上「用紙」と呼ぶ場合がある。)にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成する印刷機であり、インクの打滴前に記録媒体124上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体124上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
図示のように、インクジェット記録装置100は、主として、給紙部112、処理液付与部114、描画部116、乾燥部118、定着部120、及び排紙部122を備えて構成される。
(給紙部)
給紙部112は、記録媒体124を処理液付与部114に供給する機構である。給紙部112には、枚葉紙である記録媒体124が積層されている。給紙部112の給紙トレイ150から記録媒体124が一枚ずつ処理液付与部114に給紙される。ここでは記録媒体124として、枚葉紙(カット紙)を用いるが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
(処理液付与部)
処理液付与部114は、記録媒体124の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
処理液付与部114は、給紙胴152、処理液ドラム154、及び処理液塗布装置156を備えている。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)155を備え、この保持手段155の爪と処理液ドラム154の周面の間に記録媒体124を挟み込むことによって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。処理液ドラム154は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体124を処理液ドラム154の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム154の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置156が設けられる。処理液塗布装置156は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラと、アニックスローラと処理液ドラム154上の記録媒体124に圧接されて計量後の処理液を記録媒体124に転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置156によれば、処理液を計量しながら記録媒体124に塗布することができる。本実施形態では、ローラによる塗布方式を適用した構成を例示したが、これに限定されず、例えば、スプレー方式、インクジェット方式などの各種方式を適用することも可能である。
処理液付与部114で処理液が付与された記録媒体124は、処理液ドラム154から中間搬送部126を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡される。
(描画部)
描画部116は、描画ドラム170、用紙抑えローラ174、及びインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yを備えている。描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備える。
インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yはそれぞれ、記録媒体124における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yは、記録媒体124の搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
描画ドラム170上に密着保持された記録媒体124の記録面に向かって各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから、対応する色インクの液滴(液体)が吐出されることにより、処理液付与部114で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体124上での色材流れなどが防止され、記録媒体124の記録面に画像が形成される。
すなわち、描画ドラム170によって記録媒体124を一定の速度で搬送し、この搬送方向について、記録媒体124と各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、記録媒体124の画像形成領域に画像を記録することができる。かかるフルライン型(ページワイド)ヘッドによるシングルパス方式の画像形成は、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシリアル(シャトル)型ヘッドによるマルチパス方式を適用する場合に比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
なお、CMYKの標準色(4色)の構成に限らず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
描画部116で画像が形成された記録媒体124は、描画ドラム170から中間搬送部128を介して乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。
(乾燥部)
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、乾燥ドラム176、及び溶媒乾燥装置178を備えている。乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
溶媒乾燥装置178は、乾燥ドラム176の外周面に対向する位置に配置され、複数のハロゲンヒータ180と、各ハロゲンヒータ180の間にそれぞれ配置された温風噴出しノズル182とで構成される。各温風噴出しノズル182から記録媒体124に向けて吹き付けられる温風の温度と風量、各ハロゲンヒータ180の温度を適宜調節することにより、様々な乾燥条件を実現することができる。
乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体124は、乾燥ドラム176から中間搬送部130を介して定着部120の定着ドラム184へ受け渡される。
(定着部)
定着部120は、定着ドラム184、ハロゲンヒータ186、定着ローラ188、及びインラインセンサ190で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
定着ドラム184の回転により、記録媒体124は記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、ハロゲンヒータ186による予備加熱と、定着ローラ188による定着処理と、インラインセンサ190による検査が行われる。
定着ローラ188は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体124を加熱加圧するように構成される。記録媒体124は、定着ローラ188と定着ドラム184との間に挟まれ、所定のニップ圧でニップされ、定着処理が行われる。また、定着ローラ188は、ハロゲンランプなどを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度に制御される。
インラインセンサ190は、記録媒体124に形成された画像(濃度補正用のテストパターンや不吐出ノズル検出用のテストパターン、ノズル位置対応付け用のマークなども含む)を読み取り、画像の濃度、画像の欠陥などを検出するための手段であり、CCDラインセンサ、CCKカメラなどが適用される。このインラインセンサ190が図1で説明した画像読取部24に相当する。
なお、高沸点溶媒及びポリマー微粒子(熱可塑性樹脂粒子)を含んだインクに代えて、紫外線(UV)露光にて重合硬化可能なモノマー成分を含有したインクを用いてもよい。この場合、インクジェット記録装置100は、加熱定着の定着ローラ188に代えて、UVランプや紫外線LD(レーザダイオード)アレイなど、活性光線を照射する手段が設けられる。
(排紙部)
定着部120に続いて排紙部122が設けられている。排紙部122は、排出トレイ192を備えており、この排出トレイ192と定着部120の定着ドラム184との間に、これらに対接するように渡し胴194、搬送ベルト196、張架ローラ198が設けられている。記録媒体124は、渡し胴194により搬送ベルト196に送られ、排出トレイ192に排出される。搬送ベルト196による用紙搬送機構の詳細は図示しないが、印刷後の記録媒体124は無端状の搬送ベルト196間に渡されたバー(不図示)のグリッパーによって用紙先端部が保持され、搬送ベルト196の回転によって排出トレイ192の上方に運ばれてくる。
また、図19には示されていないが、本例のインクジェット記録装置100には、上記構成の他、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部114に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行うヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体124の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
<ヘッドの構造>
次に、ヘッドの構造について説明する。各ヘッド172M、172K、172C、172Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号250によってヘッドを示すものとする。
図18(a)はヘッド250の構造例を示す平面透視図であり、図18(b) はその一部の拡大図である。また、図19はヘッド250の他の構造例を示す平面透視図、図20は記録素子単位となる1チャンネル分の液滴吐出素子(1つのノズル251に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図18中のA−A線に沿う断面図)である。
図18(a)に示したように、本例のヘッド250は、インク吐出口であるノズル251と、各ノズル251に対応する圧力室252等からなる複数のインク室ユニット(液滴吐出素子)253をマトリクス状に二次元配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影(正射影)される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録媒体124の送り方向(矢印S方向;副走査方向)と略直交する方向(矢印M方向;主走査方向)に記録媒体124の描画領域の全幅Wmに対応する長さ以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図18(a) の構成に代えて、図19(a)に示すように、複数のノズル251が二次元に配列された短尺のヘッドモジュール250’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録媒体124の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成する態様や、図19(b)に示すように、ヘッドモジュール250”を一列に並べて繋ぎ合わせる態様もある。
各ノズル251に対応して設けられている圧力室252は、その平面形状が概略正方形となっており(図18(a)、(b) 参照)、対角線上の両隅部の一方にノズル251への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(供給口)254が設けられている。なお、圧力室252の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図20に示すように、ヘッド250は、ノズル251が形成されたノズルプレート251Aと、圧力室252や共通流路255等の流路が形成された流路板252P等を積層接合した構造から成る。ノズルプレート251Aは、ヘッド250のノズル面(インク吐出面)250Aを構成し、各圧力室252にそれぞれ連通する複数のノズル251が二次元的に形成されている。
流路板252Pは、圧力室252の側壁部を構成するとともに、共通流路255から圧力室252にインクを導く個別供給路の絞り部(最狭窄部)としての供給口254を形成する流路形成部材である。なお、説明の便宜上、図20では簡略的に図示しているが、流路板252Pは一枚又は複数の基板を積層した構造である。
ノズルプレート251A及び流路板252Pは、シリコンを材料として半導体製造プロセスによって所要の形状に加工することが可能である。
共通流路255はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路255を介して各圧力室252に供給される。
圧力室252の一部の面(図20において天面)を構成する振動板256には、個別電極257を備えた圧電アクチュエータ258が接合されている。本例の振動板256は、圧電アクチュエータ258の下部電極に相当する共通電極259として機能するニッケル(Ni)導電層付きのシリコン(Si)から成り、各圧力室252に対応して配置される圧電アクチュエータ258の共通電極を兼ねる。なお、樹脂などの非導電性材料によって振動板を形成する態様も可能であり、この場合は、振動板部材の表面に金属などの導電材料による共通電極層が形成される。また、ステンレス鋼(SUS)など、金属(導電性材料)によって共通電極を兼ねる振動板を構成してもよい。
個別電極257に駆動電圧を印加することによって圧電アクチュエータ258が変形して圧力室252の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル251からインクが吐出される。インク吐出後、圧電アクチュエータ258が元の状態に戻る際、共通流路255から供給口254を通って新しいインクが圧力室252に再充填される。
かかる構造を有するインク室ユニット253を図18(b)に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。かかるマトリクス配列において、副走査方向の隣接ノズル間隔をLsとするとき、主走査方向については実質的に各ノズル251が一定のピッチP=Ls/tanθで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
また、本発明の実施に際してヘッド250におけるノズル251の配列形態は図示の例に限定されず、様々なノズル配置構造を適用できる。例えば、図20で説明したマトリクス配列に代えて、一列の直線配列、V字状のノズル配列、V字状配列を繰り返し単位とするジグザク状(W字状など)のような折れ線状のノズル配列なども可能である。
なお、インクジェットヘッドにおける各ノズルから液滴を吐出させるための吐出用の圧力(吐出エネルギー)を発生させる手段は、圧電アクチュエータ(圧電素子)に限らず、サーマル方式(ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させる方式)におけるヒータ(加熱素子)や他の方式による各種アクチュエータなど様々な圧力発生素子(エネルギー発生素子)を適用し得る。ヘッドの吐出方式に応じて、相応のエネルギー発生素子が流路構造体に設けられる。
<制御系の説明>
図21は、インクジェット記録装置100のシステム構成を示すブロック図である。図21に示すように、インクジェット記録装置100は、通信インターフェース270、システムコントローラ272、画像メモリ274、ROM275、モータドライバ276、ヒータドライバ278、プリント制御部280、画像バッファメモリ282、ヘッドドライバ284等を備えている。
通信インターフェース270は、ホストコンピュータ286から送られてくる画像データを受信するインターフェース部(画像入力手段)である。通信インターフェース270にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
ホストコンピュータ286から送出された画像データは通信インターフェース270を介してインクジェット記録装置100に取り込まれ、一旦画像メモリ274に記憶される。画像メモリ274は、通信インターフェース270を介して入力された画像を格納する記憶手段であり、システムコントローラ272を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ274は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ272は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置100の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ272は、通信インターフェース270、画像メモリ274、モータドライバ276、ヒータドライバ278等の各部を制御し、ホストコンピュータ286との間の通信制御、画像メモリ274及びROM275の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ288やヒータ289を制御する制御信号を生成する。
また、システムコントローラ272は、インラインセンサ190から読み込んだ読取データから、不吐出ノズルの位置や着弾位置誤差のデータ、濃度分布を示すデータ(濃度データ)等を生成する演算処理を行う着弾誤差測定演算部272Aと、測定された着弾位置誤差の情報や濃度情報から濃度補正係数を算出する濃度補正係数算出部272Bとを含んで構成される。また、システムコントローラ272は、図8に示した不良ノズル検出部26を含んで構成される。これら各機能ブロックは、ASICやソフトウエア又は適宜の組み合わせによって実現可能である。
濃度補正係数算出部272Bにおいて求められた濃度補正係数のデータは、濃度補正係数記憶部290に記憶される。
ROM275には、システムコントローラ272のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データ(濃度補正用パラメータの計測用チャートや、不吐出ノズル位置を検出するためのテストチャートを打滴するためのデータ、不吐出ノズル情報などを含む)が格納されている。ROM275は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。また、このROM275の記憶領域を活用することで、ROM275を濃度補正係数記憶部290として兼用する構成も可能である。
画像メモリ274は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ276は、システムコントローラ272からの指示に従って搬送系のモータ288を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ278は、システムコントローラ272からの指示に従って乾燥部118等のヒータ289を駆動するドライバである。
プリント制御部280は、システムコントローラ272の制御に従い、画像メモリ274内の画像データ(多値の入力画像のデータ) から打滴制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理手段として機能するとともに、生成したインク吐出データをヘッドドライバ284に供給してヘッド250の吐出駆動を制御する駆動制御手段として機能する。
すなわち、プリント制御部280は、濃度データ生成部280Aと、補正処理部280Bと、インク吐出データ生成部280Cと、駆動波形生成部280Dとを含んで構成される。また、プリント制御部280は、図2に示したテストチャート作成部14を含んで構成される。これら各機能ブロックは、ASICやソフトウエア又は適宜の組み合わせによって実現可能である。
濃度データ生成部280Aは、入力画像のデータからインク色別の初期の濃度データを生成する信号処理手段であり、濃度変換処理(UCR処理や色変換を含む)及び必要な場合には画素数変換処理を行う。
補正処理部280Bは、濃度補正係数記憶部290に格納されている濃度補正係数を用いて濃度補正の演算を行う処理手段であり、ムラ補正処理を行う。
インク吐出データ生成部280Cは、補正処理部280Bで生成された補正後の画像データ(濃度データ)から2値又は多値のドットデータに変換するハーフトーニング処理手段を含む信号処理手段であり、2値(多値)化処理を行う。
インク吐出データ生成部280Cで生成されたインク吐出データはヘッドドライバ284に与えられ、ヘッド250のインク吐出動作が制御される。
駆動波形生成部280Dは、ヘッド250の各ノズル251に対応した圧電アクチュエータ258(図20参照)を駆動するための駆動信号波形を生成する手段であり、該駆動波形生成部280Dで生成された信号(駆動波形)は、ヘッドドライバ284に供給される。なお、駆動波形生成部280Dから出力される信号は、デジタル波形データであってもよいし、アナログ電圧信号であってもよい。
駆動波形生成部280Dは、記録用波形の駆動信号と、異常ノズル検知用波形の駆動信号とを選択的に生成する。各種波形データは予めROM275に格納され、必要に応じて使用する波形データが選択的に出力される。本例に示すインクジェット記録装置100は、ヘッド250の各圧電アクチュエータ258に対して、共通の駆動電力波形信号を印加し、各圧電アクチュエータ258の吐出タイミングに応じて各圧電アクチュエータ258の個別電極に接続されたスイッチ素子(不図示)のオンオフを切り換えることで、各圧電アクチュエータ258に対応するノズル251からインクを吐出させる駆動方式が採用されている。
プリント制御部280には画像バッファメモリ282が備えられており、プリント制御部280における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ282に一時的に格納される。なお、図21において画像バッファメモリ282はプリント制御部280に付随する態様で示されているが、画像メモリ274と兼用することも可能である。また、プリント制御部280とシステムコントローラ272とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース270を介して外部から入力され、画像メモリ274に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの多値の画像データが画像メモリ274に記憶される。
インクジェット記録装置100では、インク(色材)による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。そのため、画像メモリ274に蓄えられた元画像のデータ(例えばRGBデータ)は、システムコントローラ272を介してプリント制御部280に送られ、該プリント制御部280の濃度データ生成部280A、補正処理部280B、インク吐出データ生成部280Cを経てインク色ごとのドットデータに変換される。
ドットデータは、一般に画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行って生成される。色変換処理は、sRGBなどで表現された画像データ(たとえば、RGB8ビットの画像データ)をインクジェット印刷機で使用するインクの各色の色データ(本例では、KCMYの色データ)に変換する処理である。
ハーフトーン処理は、色変換処理により生成された各色の色データに対して誤差拡散法や閾値マトリクス法等の処理で各色のドットデータ(本例では、KCMYのドットデータ)に変換する処理である。
すなわち、プリント制御部280は、入力されたRGB画像データをK,C,M,Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。こうして、プリント制御部280で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ282に蓄えられる。この色別ドットデータは、ヘッド250のノズルからインクを吐出するためのCMYK打滴データに変換され、印字されるインク吐出データが確定する。
ヘッドドライバ284は、アンプ回路を含み、プリント制御部280から与えられるインク吐出データ及び駆動波形の信号に基づき、印字内容に応じてヘッド250の各ノズル251に対応する圧電アクチュエータ258を駆動するための駆動信号を出力する。ヘッドドライバ284にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
こうして、ヘッドドライバ284から出力された駆動信号がヘッド250に加えられることによって、該当するノズル251からインクが吐出される。記録媒体124の搬送速度に同期してヘッド250からのインク吐出を制御することにより、記録媒体124上に画像が形成される。
上記のように、プリント制御部280における所要の信号処理を経て生成されたインク吐出データ及び駆動信号波形に基づき、ヘッドドライバ284を介して各ノズルからのインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
インラインセンサ190は、図17で説明したように、多数の光電変換素子(感光画素部)がライン状に配列されたリニアセンサ型の撮像デバイスを備え、記録媒体124に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつき、光学濃度など)を検出し、その検出結果をプリント制御部280及びシステムコントローラ272に提供する。
インラインセンサ190には、例えば、RGB各色のCCDラインセンサが並んだ3CCDカラーラインセンサなど、色分解可能な撮像デバイスが用いられる。このようなカラー撮像デバイスを用いることにより、インクジェット記録装置100が印刷できる各色の情報を読み取ることができる。
インラインセンサ190は、記録媒体124の搬送方向と直交する幅方向について記録媒体上の幅分の画像を一度に(1回の搬送で)読み取ることができる光電変換素子列(読取画素列)を有しており、記録媒体搬送経路に設置されている。ヘッド250によって印刷された記録媒体を一方向に搬送しながらインラインセンサ190によって用紙上の画像を読み取り、画像信号に変換する。こうしてインラインセンサ190によって読み取られた読取画像の電子画像データ(読取データ)が生成される。
インラインセンサ190の読取解像度は、記録媒体124の幅方向にはできるだけ高解像度であることが望ましい。理想的には、ヘッド250の幅方向の記録解像度の2倍以上の読取解像度であることが望ましい。例えば、ヘッド250の記録解像度が600dpiの場合、インラインセンサ190の幅方向の読取解像度は、その2倍の1200dpi以上とすることが望ましい。ただし、本発明の実施に際しては、必ずしもこのような高解像度のスキャナを用いることは要求されない。
一方、インラインセンサ190の搬送方向の読取解像度は、インラインセンサ190のデータ処理可能な解像度に合わせて、ヘッド250の記録解像度よりも低解像度を採用すればよい。例えば、インラインセンサ190の搬送方向の読取解像度は、幅方向の読取解像度に対して1/10以下の低解像度とすることができる。具体的には、600dpiのヘッド250の場合、インラインセンサ190の搬送方向の読取解像度が100dpiとなるスキャンスピードとし、幅方向の読取解像度(例えば、1200dpi)の1/12とすることができる。
プリント制御部280は、必要に応じてインラインセンサ190から得られる情報に基づいてヘッド250に対する各種補正を行うとともに、必要に応じて予備吐出や吸引、ワイピング等のクリーニング動作(ノズル回復動作)を実施する制御を行う。
図中のメンテナンス機構294は、インク受け、吸引キャップ、吸引ポンプ、ワイパーブレードなど、ヘッドメンテナンスに必要な部材を含んだものである。
また、ユーザインターフェースとしての操作部296は、オペレータ(ユーザ)が各種入力を行うための入力装置297と表示部(ディスプレイ)298を含んで構成される。入力装置297には、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタンなど各種形態を採用し得る。オペレータは、入力装置297を操作することにより、印刷条件の入力、画質モードの選択、付属情報の入力・編集、情報の検索などを行うことができ、入力内容や検索結果など等の各種情報は表示部298の表示を通じて確認することができる。この表示部298はエラーメッセージなどの警告を表示する手段としても機能する。
なお、図21で説明した着弾誤差測定演算部272A、濃度補正係数算出部272B、濃度データ生成部280A、補正処理部280Bが担う処理機能の全て又は一部をホストコンピュータ286側に搭載する態様も可能である。また、システムコントローラ272の機能の全て又は一部をホストコンピュータ286が担う構成も可能である。また、図1で説明したマシーンコントロールユニット28は、ホストコンピュータ286に組み込まれていてもよいし、インクジェット記録装置100に組み込まれていてもよい。
<他の変形例>
上記実施形態では、記録媒体124に直接インク滴を打滴して画像を形成する方式(直接記録方式)のインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、一旦、中間転写体上に画像(一次画像)を形成し、その画像を転写部において記録紙に対して転写することで最終的な画像形成を行う中間転写型の画像形成装置についても本発明を適用することができる。
<ヘッドと用紙を相対移動させる手段について>
上述の実施形態では、停止したヘッドに対して記録媒体を搬送する構成を例示したが、本発明の実施に際しては、停止した記録媒体(被描画媒体)に対してヘッドを移動させる構成も可能である。
<記録媒体について>
「記録媒体」は、液体吐出ヘッドから吐出された液滴によってドットが記録される媒体の総称であり、印字媒体、被記録媒体、被画像形成媒体、受像媒体、被吐出媒体など様々な用語で呼ばれるものが含まれる。本発明の実施に際して、記録媒体の材質や形状等は、特に限定されず、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フィルム、布、不織布、配線パターン等が形成されるプリント基板、ゴムシート、その他材質や形状を問わず、様々な媒体に適用できる。
<装置応用例>
上記の実施形態では、グラフィック印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、カラーフィルター製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを描画するインクジェット装置に広く適用できる。
本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合せることができる。また、各実施形態を実施するためのコンピュータに実行させるプログラムも本発明の技術的範囲に含まれる。
10…画像記録装置、11,11´,41,41´,42C,42M,42Y,42K…画像データ、11a…円形の領域、11b…その他の領域、11C,11M,11Y,11K,41C,41M,41Y,41K…テストチャート画像データ、12…入力I/F、14…テストチャート作成部、20…ヘッドユニット、22…搬送部、24…画像読取部、26…不良ノズル検出部、28…マシーンコントロールユニット、30M…マークデータ、51…頻度算出部、52…パッチ濃度算出部、53…スムージング処理部、54…マージ処理部、61…積算平均部、62…視覚特性フィルタ部、63…比較部、64…ノズル位置特定部、P…用紙

Claims (24)

  1. 液体を吐出する複数のノズルを備えた液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、
    前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体とを相対的に移動させながら、前記複数のノズルから液体を吐出させて前記記録媒体上に記録を行う制御手段と、
    前記記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得手段と、
    前記画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成手段と、
    前記テストチャートデータに基づいて、前記制御手段により前記記録媒体上にテストチャートを記録するテストチャート記録手段と、
    前記記録されたテストチャートの読取データを取得する読取画像取得手段と、
    前記テストチャートの読取データを解析して吐出不良のノズルを検出する不良検出手段と、
    を備え
    前記テストチャートデータ生成手段は、
    前記画像データについて、前記相対移動の方向に平行な画素列毎の濃度の頻度を算出する頻度算出手段と、
    前記算出された画素列毎の濃度の頻度に基づいて、前記複数のノズルのパッチ濃度を決定するパッチ濃度決定手段と、
    を備え、
    前記決定されたパッチ濃度からテストチャートデータを生成する画像記録装置。
  2. 前記パッチ濃度決定手段は、前記画素列毎に頻度が最大となる濃度を算出し、該算出された濃度を前記複数のノズルのうち当該画素列に対応するノズルのパッチ濃度に決定する請求項に記載の画像記録装置。
  3. 前記パッチ濃度決定手段は、前記画素列毎に頻度が所定値を超えた濃度のうち最大の濃度を算出し、該算出された濃度を前記複数のノズルのうち当該画素列に対応するノズルのパッチ濃度に決定する請求項に記載の画像記録装置。
  4. 前記テストチャートデータ生成手段は、前記複数のノズルのパッチ濃度について高周波成分を低減させるスムージング処理手段を備えた請求項又はに記載の画像記録装置。
  5. 前記取得した画像データの少なくとも前記相対移動の方向と直交する方向の解像度を前記複数のノズルの記録解像度よりも低くする解像度変換手段を備えた請求項からのいずれか1項に記載の画像記録装置。
  6. 前記データ取得手段は、出力処理される第1の画像データと、該第1の画像データよりも少なくとも前記相対移動の方向と直交する方向の解像度が低い第2の画像データとを取得し、
    前記テストチャートデータ生成手段は、前記第2の画像データに基づいてテストチャートデータを生成する請求項1からのいずれか1項に記載の画像記録装置。
  7. 液体を吐出する複数のノズルを備えた液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、
    前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体とを相対的に移動させながら、前記複数のノズルから液体を吐出させて前記記録媒体上に記録を行う制御手段と、
    前記記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得手段と、
    前記画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成手段と、
    前記テストチャートデータに基づいて、前記制御手段により前記記録媒体上にテストチャートを記録するテストチャート記録手段と、
    前記記録されたテストチャートの読取データを取得する読取画像取得手段と、
    前記テストチャートの読取データを解析して吐出不良のノズルを検出する不良検出手段と、
    を備え
    前記データ取得手段は、出力処理される第1の画像データと、該第1の画像データよりも少なくとも前記相対移動の方向と直交する方向の解像度が低い第2の画像データとを取得し、
    前記テストチャートデータ生成手段は、前記第2の画像データに基づいてテストチャートデータを生成する画像記録装置。
  8. 前記不良検出手段は、前記読取データを前記相対移動の方向に積算平均し、一次元のデータに変換する積算平均手段を備えた請求項1から7のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  9. 前記不良検出手段は、前記読取データを人間の視覚特性を考慮した信号に変換する視覚特性フィルタ手段を備えた請求項1から8のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  10. 前記不良検出手段は、前記読取データと閾値とを比較して吐出不良のノズルを検出する比較手段を備えた請求項からのいずれか1項に記載の画像記録装置。
  11. 前記閾値は、前記パッチ濃度の階調毎に設定される請求項10に記載の画像記録装置。
  12. 前記不良検出手段は、前記読取データと閾値とを比較して吐出不良のノズルを検出する比較手段を備えた請求項から9のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  13. 吐出不良のノズルが検出されたことをユーザに通知する通知手段を備えた請求項1から1のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  14. 吐出不良のノズルが検出された場合に吐出不良のノズルの回復作業を行う回復手段を備えた請求項1から1のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  15. 前記テストチャートデータ生成手段は、前記液体吐出ヘッドの複数のノズルと前記記録されたテストチャートを読み取った際の読取画素との位置関係を対応付けるためのマークデータをテストチャートデータに付与する請求項1から1のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  16. 前記テストチャートデータ生成手段は、前記テストチャートデータと前記画像データとをマージするマージ処理手段を備えた請求項1から1のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  17. 前記マージ処理手段は、前記画像データにおける前記相対移動の方向の下流側に前記テストチャートデータをマージする請求項1に記載の画像記録装置。
  18. それぞれ異なる色の液体を吐出する複数の液体吐出ヘッドを備え、
    前記画像データは、前記複数の液体吐出ヘッドによって記録される複数色の画像データであり、
    前記テストチャートデータ生成手段は、色毎の複数のテストチャートデータを生成し、
    前記マージ処理手段は、前記複数のテストチャートデータのうち1つのテストチャートデータを前記画像データにマージする請求項1又は1に記載の画像記録装置。
  19. 液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ前記液体吐出ヘッドの複数のノズルから液体を吐出することで前記記録媒体上に画像を記録する画像記録装置の吐出不良のノズルを検出するためのテストチャートの作成方法であって、
    前記記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得工程と、
    前記画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成工程と、
    前記液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ前記テストチャートデータに基づいて前記複数のノズルから液体を吐出させることで前記記録媒体上にテストチャートを記録するテストチャート記録工程と、
    を備え
    前記テストチャートデータ生成工程は、
    前記画像データについて、前記相対移動の方向に平行な画素列毎の濃度の頻度を算出する頻度算出工程と、
    前記算出された画素列毎の濃度の頻度に基づいて、前記複数のノズルのパッチ濃度を決定するパッチ濃度決定工程と、
    を備え、
    前記決定されたパッチ濃度からテストチャートデータを生成するテストチャートの作成方法。
  20. 液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ前記液体吐出ヘッドの複数のノズルから液体を吐出することで前記記録媒体上に画像を記録する画像記録装置の吐出不良のノズルを検出するためのテストチャートの作成方法であって、
    前記記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得工程と、
    前記画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成工程と、
    前記液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ前記テストチャートデータに基づいて前記複数のノズルから液体を吐出させることで前記記録媒体上にテストチャートを記録するテストチャート記録工程と、
    を備え
    前記データ取得工程は、出力処理される第1の画像データと、該第1の画像データよりも少なくとも前記相対移動の方向と直交する方向の解像度が低い第2の画像データとを取得し、
    前記テストチャートデータ生成工程は、前記第2の画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートの作成方法。
  21. 複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ前記複数のノズルから液体を吐出することで前記記録媒体上に画像を記録する画像記録装置の吐出不良のノズルを検出するためのテストチャートデータを生成する機能をコンピュータに実現させるテストチャートデータ生成プログラムであって、
    前記記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得機能と、
    前記画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記テストチャートデータ生成機能は、
    前記画像データについて、前記相対移動の方向に平行な画素列毎の濃度の頻度を算出する頻度算出機能と、
    前記算出された画素列毎の濃度の頻度に基づいて、前記複数のノズルのパッチ濃度を決定するパッチ濃度決定機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記決定されたパッチ濃度からテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成プログラム。
  22. 複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ前記複数のノズルから液体を吐出することで前記記録媒体上に画像を記録する画像記録装置の吐出不良のノズルを検出するためのテストチャートデータを生成する機能をコンピュータに実現させるテストチャートデータ生成プログラムであって、
    前記記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得機能と、
    前記画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記データ取得機能は、出力処理される第1の画像データと、該第1の画像データよりも少なくとも前記相対移動の方向と直交する方向の解像度が低い第2の画像データとを取得し、
    前記テストチャートデータ生成機能は、前記第2の画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成プログラム。
  23. 複数のノズルを備えた液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ前記複数のノズルから液体を吐出させることで前記記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得工程と、
    前記画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成工程と、
    前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体とを相対移動させつつ前記テストチャートデータに基づいて前記複数のノズルから液体を吐出させることで前記記録媒体上にテストチャートを記録するテストチャート記録工程と、
    前記記録されたテストチャートを読み取り、当該テストチャートの読取データを取得する読取画像取得工程と、
    前記テストチャートの読取データを解析して吐出不良のノズルを検出する不良検出工程と、
    を備え
    前記テストチャートデータ生成工程は、
    前記画像データについて、前記相対移動の方向に平行な画素列毎の濃度の頻度を算出する頻度算出工程と、
    前記算出された画素列毎の濃度の頻度に基づいて、前記複数のノズルのパッチ濃度を決定するパッチ濃度決定工程と、
    を備え、
    前記決定されたパッチ濃度からテストチャートデータを生成する吐出不良検出方法。
  24. 複数のノズルを備えた液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対移動させつつ前記複数のノズルから液体を吐出させることで前記記録媒体上に記録する画像データを取得するデータ取得工程と、
    前記画像データに基づいてテストチャートデータを生成するテストチャートデータ生成工程と、
    前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体とを相対移動させつつ前記テストチャートデータに基づいて前記複数のノズルから液体を吐出させることで前記記録媒体上にテストチャートを記録するテストチャート記録工程と、
    前記記録されたテストチャートを読み取り、当該テストチャートの読取データを取得する読取画像取得工程と、
    前記テストチャートの読取データを解析して吐出不良のノズルを検出する不良検出工程と、
    を備え
    前記データ取得工程は、出力処理される第1の画像データと、該第1の画像データよりも少なくとも前記相対移動の方向と直交する方向の解像度が低い第2の画像データとを取得し、
    前記テストチャートデータ生成工程は、前記第2の画像データに基づいてテストチャートデータを生成する吐出不良検出方法。
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