JP5915858B2 - ねじ装置および照明器具 - Google Patents

Description

本発明の実施形態は、手で締め付けて仮止めできるとともに増し締めもできるねじ装置、およびこのねじ装置を用いた照明器具に関する。

例えば、投光器などの投光方向を調整可能な照明器具では、取付台に光源を有する器具本体を角度調整可能に取り付けている。

取付台に器具本体を角度調整可能に取り付けるのに、ボルトとナットを用いる場合がある。しかし、ボルトとナットを操作するためのスパナなどの工具が必要となり、工具でボルトとナットを操作している間に器具本体の角度がずれてしまいやすく、操作性がよくない。

また、手で締め付けて仮止めできるとともに締め増しもできるねじ装置がある。このねじ装置は、ねじ中心軸を中心に設けられるねじ軸、およびこのねじ軸が突出する円形のつまみを有している。つまみには、ねじ中心軸に対して交差する径方向の孔中心軸を中心に操作孔が設けられている。この操作孔の孔軸は、つまみの中心を通り、すなわちねじ中心軸を通る位置にある。

そして、つまみを手で持って回し、ねじ軸を例えば取付台を通じて器具本体に設けられているねじ孔にねじ込み、取付台と器具本体とを締め付けて仮止めする。さらに、一般的なドライバーをつまみの操作孔に差し込み、ドライバーでつまみを回すことにより、てこの原理を用いて取付台と器具本体とを増し締めする。

ところで、このようなねじ装置は、つまみにねじ軸の端部がインサート成形されていることが多いため、操作孔がねじ軸と干渉しないように設けている。そのため、つまみの径方向の寸法を大きくし、ねじ軸よりも外径側に操作孔を設けている。または、つまみのねじ中心軸方向の寸法を大きくし、ねじ軸の端面よりもつまみの外端側に操作孔を設けている。

特開２０１１−１３４４７２号公報

従来のねじ装置では、操作孔の孔軸がねじ中心軸を通る位置にあるため、つまみの径方向の寸法が大きくなったり、つまみのねじ中心軸方向の寸法が大きくなる。つまみが大きくなることで、ねじ装置を使用する照明器具などのデザイン性を損なう問題がある。

本発明が解決しようとする課題は、つまみを小形化でき、デザイン性を向上できるねじ装置、およびこのねじ装置を用いた照明器具を提供することである。

実施形態のねじ装置は、ねじ軸およびつまみを有する。ねじ軸は、ねじ中心軸を中心に設けられる。つまみは、ねじ軸の基端が挿入されていてねじ軸の先端が突出するつまみ本体、およびねじ軸のねじ中心軸に沿った方向に対して交差する方向の孔中心軸を中心につまみ本体に設けられた操作孔を有する。操作孔はねじ軸の基端の外径側で孔中心軸がねじ中心軸に交わらない位置に配置されている。

本発明によれば、つまみの操作孔をねじ中心軸から外れた位置に配置することにより、つまみを小形化でき、デザイン性を向上できる。

一実施形態を示すねじ装置の斜視図である。 ねじ装置の正面図である。 ねじ装置の側面図である。 ねじ装置を用いた照明器具の斜視図である。

以下、一実施形態を、図１ないし図４を参照して説明する。

図４に照明器具10を示す。照明器具10は、器具本体11、この器具本体11を支持する取付台12、および取付台12に器具本体11を角度調整可能に取り付けるねじ装置13を備えている。

器具本体11は、前面側が開口されているケース16、およびこのケース16の前面を覆う前面カバー17を有している。ケース16内の上部側には光源18が配設され、ケース16内の下部側には光源を点灯させる点灯装置19が配設されている。光源18には、例えばＬＥＤ素子やＥＬ素子などの半導体発光素子が用いられる。前面カバー17は、光源18の光が透過する透光性を有する透光板20、および透光板20を保持する枠21を備えている。

ケース16の両側には、円筒状の取付部22が突出されている。図３に示すように、取付部22の外端面には、平面状の取付面23が形成されている。取付部22の取付面23は、ケース16に取り付けられた前面カバー17の枠21よりも側方に突出されている。取付部22の中央には、雌ねじ24が形成されたねじ孔25が形成されている。ねじ孔25は、取付面23の中央に開口されている。

また、図４に示すように、取付台12は、設置場所に固定される固定部28、および固定部28の両端から立ち上がる脚部29を有している。脚部29の上端近傍には、挿通孔30が形成されているとともに（図３参照）、挿通孔30の孔中心軸を中心とした所定の径位置に緩み止め用の複数のねじ孔31が形成されている（図２参照）。複数のねじ孔31は、同一円周上に間隔をあけて配置されている。

また、図１ないし図３に示すように、ねじ装置13は、ねじ中心軸34を中心にそれぞれ形成されているねじ軸35およびつまみ36を有している。

ねじ軸35は、雄ねじ37が形成されており、取付台12の挿通孔30を挿通し、器具本体11のねじ孔25に螺合される。ねじ軸35の基端は、つまみ36の中心に挿入されている。

つまみ36は、例えばアルミダイカスト製で、インサート成形によりねじ軸35の基端を埋め込んで一体化した状態に形成されている。

つまみ36は、つまみ本体38、ねじ軸35が突出するつまみ本体38の端面38a側に設けられたフランジ39、およびねじ軸35が突出するつまみ本体38の端面38aから突出された当接部40を有している。

つまみ本体38には、ねじ中心軸34を中心に１２０°毎に放射方向へ向けて突出する３つのつまみ部41が形成されている。つまみ本体38の周囲で隣り合うつまみ部41間には、窪み部42が形成されている。つまみ部41には、ねじ中心軸34に対して交差（直交）する方向の孔中心軸43を中心に操作孔44が形成されている。操作孔44は、ねじ中心軸34から外れた位置であって、ねじ軸35よりも外径側に外れた位置に配置されている。すなわち、孔中心軸43はねじ中心軸34に交わらない位置に配置されている。さらに、操作孔44は、つまみ部41を貫通し、つまみ部41の両側の窪み部42に開口されている。操作孔44には、工具としてのドライバー45の軸部46を挿通可能とする。

フランジ39は、ねじ軸35が突出するつまみ本体38の端面38a側に位置され、つまみ部41の外径と略同じ外径の円板状に形成されている。隣り合うつまみ部41間の窪み部42に対向するフランジ39の部分には、ねじ中心軸34を中心とした所定の径位置に緩み止め用の緩み止め孔47が形成されている。緩み止め孔47は、ねじ中心軸34を中心として周方向に長孔状に形成されている。

ねじ軸35を取付台12の挿通孔30に挿通した状態において、緩み止め孔47が位置するねじ中心軸34を中心とした径位置は、取付台12のねじ孔31が位置する挿通孔30の孔中心軸を中心とした径位置と同じ位置とされている。そして、緩み止め用のねじ48を緩み止め孔47に通してねじ孔31に螺合することができる。つまみ36の回転角度がどの角度にあっても、いずれかの緩み止め孔47が、いずれかのねじ孔31に必ず対向するようになっている。

当接部40は、つまみ本体38の端面38aから突出された円板状に形成されている。当接部40の外径は、ねじ軸35の外径より大きくつまみ本体38の外径より小さく形成されている。

次に、照明器具10の角度調整作業について説明する。

ねじ装置13のねじ軸35を、取付台12の挿通孔30に通し、器具本体11のねじ孔25に螺合する。これにより、ねじ装置13で取付台12に器具本体11を支持し、ねじ装置13を緩めている状態ではねじ中心軸34を中心として器具本体11の角度を調整することができる。

器具本体11の角度調整後、作業者の手でねじ装置13のつまみ36を握り、そのつまみ36を締め付け方向に回してねじ軸35を器具本体11のねじ孔25にねじ込むことにより、つまみ36と器具本体11との間で取付台12を締め付け、器具本体11と取付台12とを圧接させる。これにより、器具本体11と取付台12とが圧接する摩擦力により、器具本体11と取付台12とが仮止め状態に固定される。

このとき、つまみ36は、３つのつまみ部41がねじ中心軸34を中心に放射方向に突出するとともに、つまみ部41間に窪み部42が形成されているため、手の指がつまみ36に引っ掛かりやすく、つまみ36を確実に回して締め付けることができる。

続いて、ドライバー45の軸部46をつまみ36の操作孔44に差し込み、ドライバー45をねじ中心軸34を中心として締め付け方向に旋回させることにより、てこの原理にて器具本体11と取付台12とを強固に増し締めすることができる。

このとき、３つのつまみ部41に操作孔44がそれぞれ形成されているため、３つの操作孔44の両端開口のいずれからでもドライバー45の軸部46を操作孔44に差し込んで操作することができ、また、障害物がある場合でも回避して操作することができる。

増し締めした状態では、つまみ36のいずれかの緩み止め孔47が取付台12のいずれかのねじ孔31が対向するため、緩み止め用のねじ48を緩み止め孔47に通してねじ孔31に螺合し、ねじ48を取付台12に固定する。これにより、仮にねじ装置13が緩む方向に回転しても、緩み止め孔47の縁がねじ48に当接するか、つまみ部41がねじ48の頭部に当接し、それ以上緩むのを阻止できる。

また、器具本体11の角度調整を再度行う場合には、ねじ48を外し、ドライバー45の軸部46をつまみ36の操作孔44に差し込み、ドライバー45をねじ中心軸34を中心として締め付け解除方向に旋回させることにより、てこの原理にて器具本体11と取付台12との締付を解除することができる。これにより、ねじ装置13を緩めている状態となり、ねじ中心軸34を中心として器具本体11の角度を調整することができる。角度調整後は、上述のようにねじ装置13を固定操作する。

そして、ねじ装置13では、つまみ36の操作孔44が、ねじ中心軸34に対して交差（直交）する方向の孔中心軸43を中心に形成されているとともに、ねじ中心軸34から外れた位置に配置されているため、すなわち孔中心軸43はねじ中心軸34に交わらない位置に配置されているため、つまみ36の径方向および軸方向の寸法を小さくできる。そのため、つまみ36を小形化でき、ねじ装置13のデザイン性およびねじ装置13を使用する照明器具10のデザイン性を向上できる。

また、つまみ36は、ねじ中心軸34を中心に放射方向に突出する複数のつまみ部41を有するため、つまみ36を手で握って回しやすく、つまみ36を回して締め付ける作業を容易にできる。

さらに、各つまみ部41に操作孔44を設けているため、ドライバー45の軸部46を操作孔44に差し込むことができる方向が多方向存在し、差し込みやすい方向からドライバー45の軸部46を操作孔44に差し込むことができるとともに、障害物を回避してドライバー45の軸部46を操作孔44に差し込むことができ、作業性を向上できる。

また、つまみ36は、隣り合うつまみ部41間のフランジ39に緩み止め孔47を設けることができ、緩み止め孔47を利用して緩み止め用のねじ48を取付台12に螺合することにより、ねじ装置13の緩みを規制することができる。

なお、ねじ中心軸34を中心に放射方向に突出するつまみ部41は、１２０°毎に３つ設けたが、１８０°毎に２つ設けてもよいし、９０°毎に４つ設けてもよい。

また、ねじ装置13は、照明器具10以外でも、締め付けて固定する用途に適用することができる。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

10 照明器具
11 器具本体
12 取付台
13 ねじ装置
18 光源
34 ねじ中心軸
35 ねじ軸
36 つまみ
38 つまみ本体
39 フランジ
41 つまみ部
43 孔中心軸
44 操作孔
47 緩み止め孔

Claims (4)

1. ねじ中心軸を中心に設けられたねじ軸と；
   前記ねじ軸の基端が挿入されていて前記ねじ軸の先端が突出するつまみ本体、および前記ねじ軸の前記ねじ中心軸に沿った方向に対して交差する方向の孔中心軸を中心に前記つまみ本体に設けられた操作孔を有し、前記操作孔は前記ねじ軸の前記基端の外径側で前記孔中心軸が前記ねじ中心軸に交わらない位置に配置されているつまみと；
   を具備していることを特徴とするねじ装置。
2. 前記つまみ本体は、前記ねじ中心軸を中心に放射方向に突出する複数のつまみ部を有し、前記つまみ部に前記操作孔が設けられている
   ことを特徴とする請求項１記載のねじ装置。
3. 前記つまみは、前記ねじ軸が突出する前記つまみ本体の面側で隣り合う前記つまみ部間に設けられたフランジ、および前記フランジに設けられた緩み止め孔を有している
   ことを特徴とする請求項２記載のねじ装置。
4. 光源を有する器具本体と；
   前記器具本体を支持する取付台と；
   前記取付台に前記器具本体を角度調整可能に取り付ける請求項１ないし３いずれか一記載のねじ装置と；
   を具備していることを特徴とする照明器具。

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