JP2010065789A - 脱落防止締結工具および脱落防止締結ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】 小さな弾性力であっても脱落防止締結具の脱落を効果的に防止することができる脱落防止締結工具およびこの脱落防止締結工具と脱落防止締結具とからなる脱落防止締結ユニットを提供する。
【解決手段】 ナットやボルトヘッド等の締結具の外側面51に掛止溝8が形成された脱落防止締結具5と、この脱落防止締結具5を嵌入させるソケット2とともに、このソケット2の内側に弾性力をもって突出され、前記ソケット2に脱落防止締結具5を嵌入させた状態でその脱落防止締結具5の外側面51に形成された掛止溝8に掛止する掛止突出部材3を有する脱落防止締結工具1とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 ナットやボルトヘッド等の締結具の外側面51に掛止溝8が形成された脱落防止締結具5と、この脱落防止締結具5を嵌入させるソケット2とともに、このソケット2の内側に弾性力をもって突出され、前記ソケット2に脱落防止締結具5を嵌入させた状態でその脱落防止締結具5の外側面51に形成された掛止溝8に掛止する掛止突出部材3を有する脱落防止締結工具1とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ナットやボルトが締結工具から脱落するのを防止する技術に関し、特に、脱落防止締結具を脱落させずに締結するための脱落防止締結工具およびこの脱落防止締結工具と脱落防止締結具とからなる脱落防止締結ユニットに関するものである。
従来、グレーチング蓋(格子体の溝蓋)等の凹陥状スペース内でナットやボルト等の締結具を締結する場合、ボックスレンチ等の締結工具に当該締結具を嵌入して下向きに締結作業を行うため、締結具の自重によって締結工具から脱落してしまう問題がある。そこで、このような問題を解決するため、締結工具から締結具が脱落するのを防止するための技術が提案されている。
例えば、実開平3−41220号公報では、ボルトヘッドあるいはナットの外側に軟質性のゴム等から成る摩擦層を添設し、その摩擦力によって工具に仮止めできるボルト,ナットが提案されている(特許文献1)。この特許文献1によれば、当該考案に係るボルト,ナットは工具の掴み口へ押し込むだけで摩擦層により自重以上の摩擦力を発生させて工具へ仮止めされるため、手を入れらない所や手の届かない所の螺孔、ボルトへ容易、迅速に仮締めすることができると記載されている。
また、特開平10−309676号公報では、断面六角形状のナット嵌合用の穴を有するソケットを備え、このソケットの壁面に小径の孔を貫設し、この小径孔に、弾性を有する短ピン状部材を突出するように取り付けたナット保持機構を具備するナット回転工具のソケットが提案されている(特許文献2)。この特許文献2によれば、当該発明に係るソケットは嵌合されたナットを短ピン状部材の圧接力によりソケット内に保持すると記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載された発明は、単に摩擦力によって脱落を防止するものである。このため、締結するボルトやナットが大きくなると自重が増し、脱落しやすくなるという問題がある。また、自重以上の摩擦力を発生させられたとしても、工具の掴み口へ押し込むために大きな力を必要とするため、作業性が低下するという問題がある。さらに、締結作業の際には摩擦層を介して締結力が伝達されるため、前記摩擦層の弾性変形具合によって締結力の伝達が左右され、ボルト等を確実に締結できないおそれもある。また、ゴム等の素材は劣化しやすいため、保存管理上、好ましくない。
また、特許文献2に記載された発明においても、短ピン状部材の圧接力でソケット内にナット等を保持するものであるため、上記特許文献1と同様、脱落し易いという問題を有している。また、特許文献2では、締結作業を繰り返すと短ピン状部材の先端が損傷したり、劣化しやすく、製品寿命が短いという問題もある。さらに、短ピン状部材の先端一点でのみ保持する構成であるため、特許文献1よりもさらに保持力は小さく、脱落しやすいものと考えられる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、小さな弾性力であっても脱落防止締結具の脱落を効果的に防止することができる脱落防止締結工具およびこの脱落防止締結工具と脱落防止締結具とからなる脱落防止締結ユニットを提供することを目的としている。
本発明に係る脱落防止締結工具は、脱落防止締結具を嵌入させるソケットと、このソケットの内側に弾性力をもって突出され、前記ソケットに前記締結具を嵌入させた状態でその締結具の外側面に形成された掛止溝に掛止する掛止突出部材とを有する。
本発明の一態様として、前記ソケットの内側には、前記締結具の外側面に形成された平面状の嵌合面と嵌合する複数の略平面凸状のソケット側嵌合部と、前記締結具の外側面を外方向に膨出させた締結阻害膨出部を収容する略凹状のソケット側収容部とが形成されるように構成してもよい。
また、本発明の一態様として、前記掛止突出部材は、前記ソケット側収容部において前記締結具の掛止溝に掛止する位置に突出されるように構成してもよい。
さらに、本発明の一態様として、前記掛止突出部材は、弾性力を備えた略環状の環状バネと、この環状バネの内方向に突出された掛止突起とを有しており、前記ソケットには、前記環状バネを収容するためにその外周に沿って略環状に形成されたバネ収容溝と、前記掛止突起を突出させるために前記バネ収容溝の底部から前記ソケットの内側に貫通された貫通孔とが形成されるように構成してもよい。
本発明に係る脱落防止締結ユニットは、ナットやボルトヘッド等の締結具の外側面に掛止溝が形成された脱落防止締結具と、この締結具を嵌入させるソケットとともに、このソケットの内側に弾性力をもって突出され、前記ソケットに前記締結具を嵌入させた状態でその締結具の外側面に形成された掛止溝に掛止する掛止突出部材を有する脱落防止締結工具とを備えている。
本発明によれば、小さな弾性力であっても脱落防止締結具の脱落を効果的に防止することができる。
以下、本発明に係る脱落防止締結工具、およびこの脱落防止締結工具と脱落防止締結具とを組み合わせてなる脱落防止締結ユニットの一実施形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態における脱落防止締結工具1の正面図であり、図2は脱落防止締結具5を嵌入させた状態における図1の2A−2A線断面図である。また、図4から図7は、本実施形態における脱落防止締結具5の斜視図、平面図、底面図および図5の7A−7A線断面図である。なお、本実施形態における脱落防止締結工具1および脱落防止締結具5は、例えば、図10に示すようなグレーチング蓋9の下方の凹陥状スペース内における締結作業に使用するためのものである。
本実施形態の脱落防止締結工具1は、図1および図2に示すように、主として、ボルトやナット等の脱落防止締結具5を嵌入させるソケット2と、このソケット2内に突出するようにして設けられる掛止突出部材3と、前記ソケット2に回転力を加えるハンドル4とから構成されている。
また、本実施形態の脱落防止締結ユニットは、脱落防止締結工具1と脱落防止締結具5との組合せからなり、脱落防止締結具5は、主として、脱落防止締結工具1のソケット2内に嵌合する嵌合面6と、外方向に膨出された締結阻害膨出部7と、脱落防止締結工具1の掛止突出部材3に掛止するための掛止溝8とを有している。
つぎに、本実施形態に関する説明の便宜上、脱落防止締結具5の各構成部について先に説明する。なお、当該脱落防止締結具5は、上記ナットに限定されるものではなく、図8に示す袋ナットや図9に示すボルト等、回転させて締結する機能を備えたあらゆる製品が含まれる。
図4から図7に示すように、本実施形態における脱落防止締結具5は、略六角形状に形成されており、その外側面を構成する嵌合面6は、脱落防止締結工具1のソケット2と嵌合して締結力を受けるためのものであり、略平面状に形成されている。前記嵌合面6は円周方向に間隔を隔てて複数設けられており、本実施形態においては円周方向に約120度間隔で3つ設けられ、締結力を均等に受けられるようになっている。当該嵌合面6の数は3つに限定されるものではなく、2つあるいは4つ以上であってもよい。また、嵌合面6は、脱落防止締結工具1のソケット2内に嵌入されて、後述するソケット側嵌合部21と当接することで嵌合される。
締結阻害膨出部7は、ボックスレンチ等の一般的な締結工具による取り外し等を防止するためのものであり、外方向に湾曲状に膨出されている。本実施形態において、締結阻害膨出部7は、嵌合面6と交互に3つ設けられており、嵌合面6が互いに平行にならないように形成されており、ペンチ等によっても把持できないように構成されている。
なお、本実施形態における締結阻害膨出部7は、嵌合面6と円周方向に交互に三カ所設けられているが、これに限られるものではなく、ソケット式の工具との嵌合を阻害する場合には、少なくとも一カ所あればよく、残りの他の面をすべて嵌合面6とするように構成してもよい。また、本実施形態における締結阻害膨出部7は、各面において面全体を湾曲状に膨出させているが、この形状に限られるものではなく、脱落防止締結具5の外側面51の一部が外方向に膨出されていればよい。
なお、本実施形態では、取り外し防止機能を付加するために、締結阻害膨出部7を設けているが、脱落防止のみを目的とする場合には、必ずしも締結阻害膨出部7を設けなくてもよい。例えば、一般的なボルトヘッドやナットの外側面51に別途、掛止溝8を形成してもよい。
掛止溝8は、脱落防止締結工具1に掛止して脱落を防止するためのものである。本実施形態において、掛止溝8は、図4、図6および図7に示すように、加工の容易さを考慮して締結阻害膨出部7のそれぞれに1つずつ設けられている。各掛止溝8は、締結阻害膨出部7の略中央から底面にかけて断面略凹弧状の溝として形成されている。これにより各掛止溝8の上部には、図4に示すように、下向きの掛止面81が段差状に形成されており、脱落防止締結工具1の掛止突出部材3と掛止可能に構成されている。
なお、掛止溝8の深さは、脱落防止締結具5の自重と、掛止突出部材3の弾性力との関係を考慮して定められる。具体的には、脱落防止締結具5の自重が軽いほど掛止溝8は浅くしてもよいし、逆に重い脱落防止締結具5ほど掛止溝8を深くする。また、掛止突出部材3の弾性力が強いほど、掛止溝8を浅くしてもよい。
なお、掛止溝8が形成される位置は、締結阻害膨出部7に限定されるものではなく、脱落防止締結工具1の掛止突出部材3に応じて外側面51の任意の位置に備えてよく、例えば、嵌合面6に形成してもよい。また、掛止溝8の形状は弧状凹溝に限定されるものではなく、掛止突出部材3に掛止しうる溝であれば、断面凹状や断面半円状等、適宜選択してよい。なお、本実施形態では、ホーマー加工を想定して掛止溝8を底面まで形成し、大量生産に適した形状を採用している。
本実施形態において、各掛止面81は、図7に示すように、軸線に対して垂直であって下向きの略平面状に形成されている。なお、掛止面81の形状および下向き角度は、この例に限定されるものではなく、締結具の大きさを考慮して構成された掛止突出部材3が掛止可能であれば、曲面状であってもよいし、垂直面に限る必要はない。好ましくは、掛止突出部材3の掛止突起32の先端形状にほぼ等しい形状にすれば掛止状態が安定するため望ましい。
本実施形態における外側面51の成形方法は、適宜選択されるものであり、例えば、外周を適当な円形に形成した後にフライス盤等で円周方向に約120度間隔で平面を切削して嵌合面6を形成し、残りの部分を締結阻害膨出部7としてその頂部近傍に掛止溝8を形成してもよい。また、上述したように、金型を用いてホーマー加工により成型してもよく、特に限定されるものではない。
つぎに、本発明に係る脱落防止締結工具の一実施形態について説明する。
本実施形態の脱落防止締結工具1は、脱落防止締結具5を嵌入させるソケット2と、このソケット2内に突出するようにして設けられる掛止突出部材3と、前記ソケット2に回転力を加えるハンドル4とから構成されている。
ソケット2は、脱落防止締結具5を嵌入させて締め付け力を付与するためのものであり、略円筒状に形成されている。そして、このソケット2の内側には、図2に示すように、脱落防止締結具5の嵌合面6と嵌合するソケット側嵌合部21と、脱落防止締結具5の締結阻害膨出部7を収容するソケット側収容部22とを有している。
図2に示すように、本実施形態におけるソケット側嵌合部21は、略平面凸状に形成されており、脱落防止締結具5が嵌合された状態において、脱落防止締結具5の各嵌合面6と当接するように円周方向に沿って約120度間隔で3つ設けられている。なお、ソケット側嵌合部21の表面は、嵌合面6に当接し締結力を付与しうる形状であれば特に限定されるものではなく、鋸刃状や櫛刃状の凹凸面等適宜選択してよい。
また、本実施形態におけるソケット側収容部22は、脱落防止締結具5の締結阻害膨出部7を収容する空間であり、各締結阻害膨出部7を収容可能な幅や深さを有する略凹状に形成されている。本実施形態において、ソケット側収容部22は、ソケット側嵌合部21と周方向に交互に三ヵ所設けられている。
掛止突出部材3は、脱落防止締結具5の掛止溝8に掛止する役割を果たすものであり、ソケット2内に弾性力をもって突出されるようになっている。本実施形態において、掛止突出部材3は、弾性力を備えた略環状の環状バネ31と、この環状バネ31の内方向に突出された掛止突起32とを有している。
環状バネ31は、所定の弾性力を有する材料で構成されており、図2に示すように、略円環状に形成されている。また、掛止突起32は、図2に示すように、環状バネ31の一端を内側へ略U字形状に折り曲げて構成されている。また、本実施形態において、掛止突起32の先端部は、図3に示すように、脱落防止締結具5の掛止溝8における掛止面81を掛け止められる形状に形成されている。
以上のような掛止突出部材3をソケット2内に突出させるため、本実施形態におけるソケット2には、図2および図3に示すように、環状バネ31を収容するためのバネ収容溝23と、このバネ収容溝23の底部からソケット2の内側まで貫通された貫通孔24とが形成されている。バネ収容溝23は、ソケット2の外周に沿って略環状に形成されている。また、貫通孔24は、ソケット側収容部22内に突出されるようにバネ収容溝23の底部を穿孔して構成されている。これにより、本実施形態の掛止突出部材3は、環状バネ31をバネ収容溝23に嵌め入れて、掛止突起32を貫通孔24へ挿通させることでソケット側収容部22内へ突出される。
なお、環状バネ31の形状は円環状に限定されるものではなく、バネ収容溝23に嵌め入れられれば四角形や三角形等の多角形状に形成してもよい。あるいは所定の弾性力が得られるのであれば環状バネ31の両端部を閉じていなくてもよいし、逆に環状バネ31の素材をゴム等の可撓性素材で構成して端部を閉じたリング状に形成するとともに、その内側に別体からなる掛止突起32を取り付けた構成にしてもよい。また、掛止突起32を突出させる位置も上記に限定されるものではなく、脱落防止締結具5の掛止溝8に対応していれば任意の位置に設けてよい。さらに、掛止突起32は1つに限らず複数設けてよい。
また、掛止突出部材3は、上記のように環状バネ31と掛止突起32とを一体的に形成する構成に限定されるものではなく、別個の部材を接着するようにしてもよい。あるいは、弾性力を有する材料で形成された掛止突起32をソケット2の内壁面に固着したり、埋設してもよい。例えば、ソケット2の内側に任意の深さの穴を設け、その穴にコイルバネを埋設し、このコイルバネの先端に掛止突起32を設けてソケット2の内側に突出されるように構成してもよい。
ハンドル4は、略T字形状に形成されており、ソケット2に回転力を付与するハンドル部41と、このハンドル部41の略中心位置から垂直に接続された伝達軸部42とを有している。そして、伝達軸部42の先端に、ソケット2が固定されている。なお、ハンドル4の形状は特に限定されるものではなく、略L字形状等、用途に合わせて適宜選択すればよい。また、ソケット2とハンドル4との間に着脱自由な機構を設け、様々なサイズのソケット2を交換可能に構成してもよい。
つぎに、本実施形態に係る脱落防止締結工具1および脱落防止締結ユニットの作用について、図10を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、グレーチング蓋9の下方にある凹陥状スペース内に埋設された固定ボルト91に、ワッシャー92を介して脱落防止締結具を締結する場合を例にして説明する。
まず、作業者は、脱落防止締結具5の嵌合面6および締結阻害膨出部7のそれぞれを脱落防止締結工具1のソケット側嵌合部21およびソケット側収容部22に対応するように位置合わせした後、図10(a)に示すように、ソケット2内へ脱落防止締結具5を嵌入する。これにより、嵌合面6がソケット側嵌合部21に嵌合されるとともに、締結阻害膨出部7がソケット側収容部22に収容される。
また、脱落防止締結具5をソケット2内に嵌め入れる際、締結阻害膨出部7の外側面51がソケット2内に突出された掛止突起32を外方向へと押圧し、環状バネ31を弾性変形させつつ嵌入する。そして、掛止突起32が掛止溝8に到達するまで脱落防止締結具5を押し込むと、環状バネ31が弾性力によって掛止突起32を元の位置へ押圧し、掛止溝8内に突出させる。これにより、図3に示すように、脱落防止締結具5が自重によって下向きの力を受けても、掛止突起32が掛止溝8の掛止面81を引っ掛けるようにして保持する。このため、脱落防止締結具5はソケット2内に掛け止められ、わずかな弾性力であっても簡単に脱落することがない。
つぎに、図10(b)に示すように、脱落防止締結工具1に嵌合された状態の脱落防止締結具5を固定ボルト91に合わせ、ハンドル4を回転させて締結作業を行う。このとき、各嵌合面6が、脱落防止締結工具1のソケット側嵌合部21から均等に締結力を受けるため、確実に強く締結することができる。
脱落防止締結具5の締結作業が完了すると、図10(c)に示すように、脱落防止締結工具1を上方へ引き上げる。このとき、脱落防止締結具5の掛止面81および外側面51が、掛止突起32を外方向に押圧して環状バネ31を弾性変形させ、掛止状態にある掛止突起32を掛止溝8から外す。これにより、脱落防止締結具5は、軽い力で脱落防止締結工具1から簡単に取り外される。
なお、締結後の本実施形態の脱落防止締結具5は、凹陥状スペース内に締結されているため、パイプレンチやスパナ等の一般的な工具による取り外しはできない。また、各締結阻害膨出部7が外方向に膨出されているため、ボックスレンチやソケットレンチ等のように、凹陥状スペース内でも使用可能な工具との嵌合を阻止する。
以上のような、本実施形態の脱落防止締結工具1および脱落防止締結ユニットによれば以下の効果が得られる。
1.シンプルな構成でありながら、脱落防止締結工具1から脱落防止締結具5が自重によって脱落するのを防止することができ、大きなボルトやナットであっても落とさずに安全に締結することができる。
2.摩擦力ではなく、掛止突起32を掛止溝8に掛止するため、掛止突出部材3の弾性力が弱くても、あるいは掛止溝8が浅くても安定した保持力を得ることができる。
3.軽い力で脱落防止締結具5を着脱可能なため、作業性を向上することができる。
4.一般的な締結工具では脱落防止締結具5を嵌入できないため、いたずら等による取り外しを防止することができる等の効果がある。
1.シンプルな構成でありながら、脱落防止締結工具1から脱落防止締結具5が自重によって脱落するのを防止することができ、大きなボルトやナットであっても落とさずに安全に締結することができる。
2.摩擦力ではなく、掛止突起32を掛止溝8に掛止するため、掛止突出部材3の弾性力が弱くても、あるいは掛止溝8が浅くても安定した保持力を得ることができる。
3.軽い力で脱落防止締結具5を着脱可能なため、作業性を向上することができる。
4.一般的な締結工具では脱落防止締結具5を嵌入できないため、いたずら等による取り外しを防止することができる等の効果がある。
なお、本発明に係る脱落防止締結ユニットにおける脱落防止締結具5は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、図11に示すように、掛止溝8が、軸線方向の略中央位置において略水平方向に形成されるようにしてもよい。この掛止溝8の幅は、掛止突起32の厚さと同等ないし若干大きめに形成されている。これにより、掛止溝8が、掛止突起32を上下面で保持するため、脱落防止締結具5がソケット2内で軸線方向にズレるのを規制する。したがって、ソケット2内において脱落防止締結具5を安定した状態で締め付けられる。また、図11に示すような掛止溝8は、切削加工が可能なため少量生産時には製造コストを低減することができる。
また、図12に示すように、締結阻害膨出部7が、下方に拡がるように傾斜させたテーパ状のテーパ膨出面71を有するようにしてもよい。このテーパ膨出面71は、仮にペンチ等のように側面側から挟み込む締結工具によって操作された場合であっても、上方向に滑らせたり、その回転力を軸方向の力として逃がしたりすることができるため、いたずら等により取り外されることを防止する。
このようにテーパ膨出面71を有する脱落防止締結具5によれば、凹陥状スペースではない場所に締結されても、ボックスレンチ等はもとより、ペンチ等の締結工具による取り外しを防止することができる。
1 脱落防止締結工具
2 ソケット
3 掛止突出部材
4 ハンドル
5 脱落防止締結具
6 嵌合面
7 締結阻害膨出部
8 掛止溝
9 グレーチング蓋
21 ソケット側嵌合部
22 ソケット側収容部
23 バネ収容溝
24 貫通孔
31 環状バネ
32 掛止突起
41 ハンドル部
42 伝達軸部
51 外側面
71 テーパ膨出面
81 掛止面
91 固定ボルト
92 ワッシャー
2 ソケット
3 掛止突出部材
4 ハンドル
5 脱落防止締結具
6 嵌合面
7 締結阻害膨出部
8 掛止溝
9 グレーチング蓋
21 ソケット側嵌合部
22 ソケット側収容部
23 バネ収容溝
24 貫通孔
31 環状バネ
32 掛止突起
41 ハンドル部
42 伝達軸部
51 外側面
71 テーパ膨出面
81 掛止面
91 固定ボルト
92 ワッシャー
Claims (5)
- ナットやボルト等の締結具を脱落させずに締結するための脱落防止締結工具であって、
前記締結具を嵌入させるソケットと、
このソケットの内側に弾性力をもって突出され、前記ソケットに前記締結具を嵌入させた状態でその締結具の外側面に形成された掛止溝に掛止する掛止突出部材と
を有する脱落防止締結工具。 - 請求項1において、前記ソケットの内側には、前記締結具の外側面に形成された平面状の嵌合面と嵌合する複数の略平面凸状のソケット側嵌合部と、前記締結具の外側面を外方向に膨出させた締結阻害膨出部を収容する略凹状のソケット側収容部とが形成されている脱落防止締結工具。
- 請求項2において、前記掛止突出部材は、前記ソケット側収容部において前記締結具の掛止溝に掛止する位置に突出されている脱落防止締結工具。
- 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、前記掛止突出部材は、弾性力を備えた略環状の環状バネと、この環状バネの内方向に突出された掛止突起とを有しており、前記ソケットには、前記環状バネを収容するためにその外周に沿って略環状に形成されたバネ収容溝と、前記掛止突起を突出させるために前記バネ収容溝の底部から前記ソケットの内側に貫通された貫通孔とが形成されている脱落防止締結工具。
- ナットやボルトヘッド等の締結具の外側面に掛止溝が形成された脱落防止締結具と、
この締結具を嵌入させるソケットとともに、このソケットの内側に弾性力をもって突出され、前記ソケットに前記締結具を嵌入させた状態でその締結具の外側面に形成された掛止溝に掛止する掛止突出部材を有する脱落防止締結工具と
を備えた脱落防止締結ユニット。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008234018A JP2010065789A (ja) | 2008-09-11 | 2008-09-11 | 脱落防止締結工具および脱落防止締結ユニット |
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JP (1) | JP2010065789A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013229275A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Toshiba Lighting & Technology Corp | ねじ装置および照明器具 |
-
2008
- 2008-09-11 JP JP2008234018A patent/JP2010065789A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013229275A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Toshiba Lighting & Technology Corp | ねじ装置および照明器具 |
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