JP2009228888A - 舌付き座金固定治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 他の固定物に依存せずに舌付き座金の回転を防止できるようにする。
【解決手段】 平板状部材8の一端部に、裏面側へ所要寸法突出する左右一対の係止部材9を一体に取り付ける。係止部材9同士の間隔は、舌付き座金1のフランジ4の端部で外周面側へ折り曲げるための第1舌部3aの幅寸法よりもやや広くする。平板状物体8の中央部に所要径の貫通孔10を設け、その左右両側位置に舌付き座金1の第2舌部3bを収容するための切欠部11を設けて舌付き座金固定治具7を形成する。フランジ4の周縁部に配されたボルト5に舌付き座金1を介装した状態で手で軽く閉めたナット6に、平板状部材8に設けた貫通孔10を嵌合させ、且つ左右の係止部材9の間にフランジ4の端部より外方に突出させた舌付き座金1の第1舌部3aを配置した状態で、各係止部材9をフランジ4の外周面に引っ掛けて配置させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボルトやナットの緩み止めのために用いる舌付き座金を介装した状態でボルトやナットの締め付けを行うときに、上記舌付き座金が共回りしないように該舌付き座金の周方向の角度姿勢を固定するために用いる舌付き座金固定治具に関するものである。
各種機械や建築の分野等において、一旦締めたボルトやナットが振動等で緩む虞を未然に防止するための緩み止め(回り止め)手段の1つとして、舌付き座金が広く用いられてきている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
ところで、舌付き座金の一種として、フランジ等、物体の周縁部に配置されるボルトやナットの緩み止めを図るために用いるものとして、図7(イ)に示す如く、リング状の座金本体2の外周部に周方向所要間隔、たとえば、周方向90度間隔で2つの舌部3a,3bを備えた形式(両舌付き形式)の舌付き座金1がある。
上記両舌付き形式の舌付き座金1を用いて物体の周縁部、たとえば、所要の物体のフランジ4に設けた図示しないボルト孔を通して該フランジ4より突出するボルト5に対して締め込むナット6の緩み止めを図る場合は、先ず、図7(ロ)に示すように、上記フランジ4より突出するボルト5の軸部に予め上記舌付き座金1の座金本体2を嵌めた状態でナット6を螺着させ、該ナット6の座面と上記フランジ4の表面との間に上記舌付き座金1の座金本体2を挟んだ状態で該ナット6を上記ボルト5の軸部に対して締め付ける。この際、上記舌付き座金1の第1の舌部3aが上記フランジ4の端部より突出して配置されるようにしておく。次いで、図7(ハ)に示すように、上記フランジ4の端部より突出して配置されるようにしておいた上記舌付き座金1の第1の舌部3aを、該フランジ4の端部に沿う位置で該フランジ4の外周面側へ折り曲げ、且つ上記舌付き座金1の第2の舌部3bを、上記ナット6の側面に接するように折り曲げることで、該ナット6の上記フランジ4に対する相対的な回転を上記舌付き座金1の各舌部3a及び3bにより拘束することで、該ナット6の緩みを防止できるようにしてある。
特開2001−121361号公報 特開2007−23598号公報
ところが、図7(イ)に示した両舌付き形式の舌付き座金1を使用する際、ナット6の座面とフランジ4の表面との間に上記舌付き座金1の座金本体2挟んだ状態で上記ナット6を締め付けると、該ナット6の座面と上記舌付き座金1の座金本体2との接触面に作用する摩擦力により、該舌付き座金1が上記締め付けるナット6と共回りすることがあり、このように、舌付き座金1がナット6と共回りして、該舌付き座金1の上記第1の舌部3aの上記フランジ4の端部からの突出量が減少したり、該第1の舌部3aがフランジ4の端部より突出しなくなると、上記ナット6の緩み止め効果を発揮させることができなくなってしまう。
したがって、ナット6の締め付け作業を行う際、上記のようにして舌付き座金1が締め付けるナット6と共回りして、該舌付き座金1の第1の舌部3aのフランジ4端部からの突出量がある一定量より少なくなってしまった場合は、上記ナット6を一旦緩めて上記舌付き座金1の第1の舌部3aが正規の配置となるように該舌付き座金1の周方向の角度姿勢を調整した後、再びナット6を締め付ける作業が必要となる。
しかも、上記ナット6を締め付けるときの舌付き座金1の回転量と、上記ナット6を緩めるときの舌付き座金1の回転量は必ずしも一致しないため、ナット6の締め直し作業が多くなり、該締め直し作業のための余計な作業時間がかかっているというのが実状である。
なお、上記特許文献1には、舌付き座金回り止め治具が記載されているが、これは、舌部が1つの形式の舌付き座金の回り止めを図るためのものであって、上記図7(イ)に示したような2つの舌部3a,3bを備えてなる形式の舌付き座金1の回り止めを図るものではない。しかも、特許文献1に記載されたものでは、上記治具に設けた通孔(穴)に、回り止めを図る対象となるボルトやナットの近傍に存在する他の固定物(物品)を通すことで該治具の位置決めを行うようにしてあるため、回り止めを図るべきボルトやナットの近傍に適当な大きさの固定物が存在していない場合は、使用することができないという問題がある。
そこで、本発明は、所要の物体を固定するために該物体の周縁部にてボルト又はナットの座面との間に両舌付き形式の舌付き座金を介装した状態で該ボルト又はナットを締めるときに、他の固定物の有無に依存することなく、上記舌付き座金の第1の舌部を上記物体の外周に突出させた姿勢で固定できるようにするために用いる舌付き座金固定治具を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、平板状部材の一端部の幅方向両側位置に、該平板状部材の裏面側へ所要寸法突出する一対の係止部材を、所要の隙間を隔てて取り付け、且つ上記平板状物体の中央部に所要径の貫通孔を設けてなり、該貫通孔を、所要物体の外周縁部に座金本体の外周に第1舌部と第2舌部を周方向に所要角度で備えた舌付き座金を該舌付き座金の上記第1舌部を上記所要物体の端部より外方へ突出させた姿勢で介装して締めるようにしてあるナット又はボルトの外側に嵌合できる大きさとすると共に、上記一対の係止部材の間の所要の隙間を、上記舌付き座金の第1舌部を通すことができる幅とした構成とする。
又、上記構成において、平板状部材における貫通孔の両側位置に、舌付き座金における第2舌部を収容するための切欠部を設けるようにした構成とする。
更に、上記各構成において、一対の係止部材の所要個所同士を、連結部材を介して連結するようにした構成とする。
上述の各構成において、一対の係止部材における所要個所に、押えボルトを外側から貫通させて設けるようにした構成とする。
本発明の舌付き座金固定治具によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)平板状部材の一端部の幅方向両側位置に、該平板状部材の裏面側へ所要寸法突出する一対の係止部材を、所要の隙間を隔てて取り付け、且つ上記平板状物体の中央部に所要径の貫通孔を設けてなり、該貫通孔を、所要物体の外周縁部に座金本体の外周に第1舌部と第2舌部を周方向に所要角度で備えた舌付き座金を該舌付き座金の上記第1舌部を上記所要物体の端部より外方へ突出させた姿勢で介装して締めるようにしてあるナット又はボルトの外側に嵌合できる大きさとすると共に、上記一対の係止部材の間の所要の隙間を、上記舌付き座金の第1舌部を通すことができる幅とした構成としてあるので、舌付き座金固定治具自体を、貫通孔の内側に嵌合させるナット又はボルトと、所要物体の外周面に接する一対の係止部材により上記所要物体の表面に沿う方向の変位を拘束することができ、この状態で、該舌付き座金固定治具の上記一対の係止部材の間に、上記所要物体の端部より外方へ突出させた状態で配置する上記舌付き座金の第1舌部を配置することで、該第1舌部の回転方向の変位を阻止できる。よって、ナット又はボルトを締めるときに、上記舌付き座金が共回りする虞を解消できて、該舌付き座金を、周方向の角度姿勢を正規の配置とした状態で取り付けることができる。よって、上記ナット又はボルトの締め付け作業終了後は、上記舌付き座金の第1舌部を上記所要物体の端部位置で外周面側へ確実に折り曲げることができ、又、第2舌部を上記締めたナット又はボルトの側面に接するように折り曲げることで、該舌付き座金による上記ナット又はボルトの緩み止め効果を確実に発揮させることが可能になる。
(2)上記舌付き座金固定治具は、上記所要物体と該所要物体に締め付けるナット又はボルト以外の他の固定物に依存することなく上記舌付き座金の回り止目効果を発揮できる。
(3)更に、舌付き座金固定治具が可動部のないシンプルな構成となるため、機械的な故障が生じる虞を解消できる。よって、作業性の悪い環境下であっても、片手で容易に取り扱うことができて、舌付き座金の共回りを防止した状態でのナット又はボルトの締め付け作業と、その後の上記舌付き座金を用いたナット又はボルトに対する緩み止め作業を、容易に且つ確実に行わせる効果が期待できる。
(4)平板状部材における貫通孔の両側位置に、舌付き座金における第2舌部を収容するための切欠部を設けるようにした構成とすることにより、舌付き座金の第2舌部を、ナット又はボルトの側面に沿わせて折り曲げ易くなるように、予め上記所要物体の表面より離反する方向へ折り曲げた状態としてあっても、該折り曲げた状態の第2舌部を、上記貫通孔の両側位置に設けてある切欠部のいずれかに収容できる。よって、上記第2舌部を予め上記所要物体の表面より離反する方向へ折り曲げた状態の舌付き座金を使用することができて、ナット又はボルトを締め付けた後に行うナット又はボルトに対する緩み止め作業の作業性を向上させる効果が期待できる。
(5)一対の係止部材の所要個所同士を、連結部材を介して連結するようにした構成とすることにより、左右の係止部材に作用する不均等な力を、該係止部材同士の間で連結部材を介して互いに分散できるため、舌付き座金固定治具自体に局所的に大きな力が作用する虞を低減できて、平板状部材等に歪みが生じる虞を回避することで、該舌付き座金固定治具自体の耐久性を高める効果が期待できる。
(6)一対の係止部材における所要個所に、押えボルトを外側から貫通させて設けるようにした構成とすることにより、上記(1)と同様に舌付き座金固定治具の平板状部材の貫通孔を所要物体の外周にて配されたナット又はボルトに嵌合させ、且つ一対の係止部材を上記所要物体の外周面に沿わせて配置した状態とした後、上記各係止部材に設けてある押えボルトを締めて所要物体の外周面に押し付けることで、上記ナット又はボルトの外周に嵌合させた上記平板状部材の貫通孔の内周面をナット又はボルトと接触させることができて、このナット又はボルトに接する上記平板状部材の貫通孔の内周面と、上記所要物体の外周面に押し付けた押えボルトとの間に、上記所要物体の外周部を挟むことで、該所要物体に上記舌付き座金固定治具を支持させることができる。よって、上記舌付き座金固定治具を係止部材を下方に向けて配置して使用する場合や、所要物体に対し、ナットやボルトを上向きに締め付ける必要がある場合の作業性を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1(イ)(ロ)(ハ)は本発明の舌付き座金固定治具の実施の一形態として、所要の物体を固定するために該物体のフランジ4の周縁部の図示しないボルト孔に挿通して配されたボルト5に、図7(イ)に示したと同様の両舌付き形式の舌付き座金1を介装した状態でナット6を締め込む場合の適用例を示すもので、以下のようにしてある。
すなわち、所要サイズの略矩形の平板状部材8の一端面に、該平板状部材8の裏面側へ直角方向に所要寸法突出する左右一対の係止部材9を一体に取り付け、且つ該左右の係止部材9同士の間に、図7(イ)(ロ)(ハ)に示したと同様に第1の舌部3aと第2の舌部3bを備えた両舌付き形式の舌付き座金1にてフランジ4の端部に沿う位置で該フランジ4の外周面側へ折り曲げるための第1の舌部3aの幅寸法よりもやや広い隙間が形成されるようにする。
上記平板状部材8の中央部には、上記フランジ4の外周端から該フランジ4の周縁部に配されるボルト5の軸心までの間隔に対応する寸法分、該平板状部材8の一端部より離れた位置を中心として、上記フランジ4の周縁部に配されるボルト5に螺着させるナット6よりもわずかに大きい径寸法を有する貫通孔10を設けて舌付き座金固定治具7を形成する。これにより、上記平板状部材8の貫通孔10の内側に、上記フランジ4の周縁部に配されたボルト5に螺着させたナット6を嵌合(挿通)させた状態にて、平板状部材8の一端面に取り付けてある上記左右一対の係止部材9を、上記フランジ4の外周面に引っ掛けて係止させることができるようにしてある。
更に、上記平板状部材8における上記貫通孔10の左右両側位置に、上記図7(イ)に示したと同様の両舌付き形式の舌付き座金1にてナット6の側面に接するように折り曲げるための第2の舌部3bを収容し得る大きさの矩形状の切欠部11を設ける。
これにより、舌付き座金1における上記第2の舌部3bが、ナット6の締め付け作業に伴ってフランジ4の表面に密着すると、その後の該舌部3bの折り曲げ作業が実施し難くなることに鑑みて、上記舌付き座金1の座金本体2をフランジ4の表面に密着させても上記舌部3bとフランジ4の表面との間に隙間が形成されるように、予め該舌付き座金1の第2舌部3bを、フランジ4の表面から離反させる方向へ所要角度で折り曲げた状態として使用することが多く行われるが、このように舌付き座金1の第2舌部3bを予め折り曲げた状態としてあっても、該舌部3bを上記平板状部材8の貫通孔10の左右両側位置に設けてある切欠部11のうちの片方の切欠部11に収容できるようにしてある。更に、上記切欠部11を貫通孔10の左右両側位置に設けた構成としてあることで、上記舌付き座金1を図1に示した状態から表裏を反転させた状態で使用する場合であっても、フランジ4の表面より離反させる方向へ予め折り曲げる第2舌部3bを、もう一方の切欠部11に収容できるようにしてある。
具体的には、上記平板状部材8一端部は、上記フランジ4の半径寸法に応じたアールで湾曲する形状として、該平板状部材8の一端面に上記所定の間隔を隔てて取り付けてある左右の各係止部材9の内側面を、上記フランジ4の外周面に沿わせて接した状態に配置できるようにしてある。
以上の構成としてある舌付き座金固定治具7を使用する場合は、先ず、上記フランジ4の周縁部に配されているボルト5の軸部に、上記舌付き座金1の座金本体2を嵌合させた後、該ボルト5の軸部にナット6を螺着させて、上記舌付き座金1の周方向の角度姿勢を手で容易に変更できる範囲内で、該ナット6を手等で締めておく。
次に、上記舌付き座金1の第1舌部3aがフランジ4の外方へ突出するように該舌付き座金1の周方向の角度姿勢を正規の配置に調整した後、上記舌付き座金固定治具7の平板状部材8に設けてある貫通孔10の内側に上記ナット6を嵌合させると共に、左右の係止部材9の間に、上記舌付き座金1の第1舌部3aを配置させた状態で、該各係止部材9を、上記フランジ4の外周面に引っ掛けて係止させる。
次いで、上記ナット6を、図示しないスパナ等を用いて締め付けると、該ナット6の座面と接触している上記舌付き座金1に、摩擦によりナット6の締め付け方向へ回転させようとする力が作用するようになるが、この際、該舌付き座金1の上記第1舌部3aは、上記舌付き座金固定治具7の左右一対の係止部材9の間に配置されていると共に、該舌付き座金固定治具7自体が、上記貫通孔10の内側に締め付け対象である上記ナット6を嵌合させ、且つ上記各係止部材9がフランジ4の外周面に接する状態で配置されることによって、該フランジ4と平行な面内での動きが拘束されるため、該舌付き座金固定治具7の上記左右一対の係止部材9の間に配置されている上記舌付き座金1の第1舌部3aに回転方向の変位が生じることはない。
よって、上記ナット6の締め付け後に、上記舌付き座金固定治具7を取り外すことで、上記舌付き座金1を、ナット6の座面とフランジ4の表面との間にて、上記第1舌部3aをフランジ4の外周端部より外方へ突出させた正規の配置で取り付けた状態とすることができる。
このように、本発明の舌付き座金固定治具7によれば、ナット6の座面とフランジ4の表面との間に介装させる舌付き座金1が、ナット6の締め付け時に該ナット6との共回りする虞を解消できる。よって、上記ナット6の締め付け作業終了後には、上記舌付き座金1の第1の舌部3aをフランジ4の端部と対応する位置で該フランジ4の外周面側へ確実に折り曲げることができると共に、該舌付き座金1の第2の舌部3bを上記締め付けたナット6の側面に接するように折り曲げることで、該舌付き座金1による上記ナット6の緩み止め効果を確実に発揮させることが可能になる。
更に、上記舌付き座金固定治具7では、ナット6に嵌合させる貫通孔10の左右両側位置に設けた切欠部11に、上記舌付き座金1の第2舌部3bを、予めフランジ4の表面より離反する方向へ折り曲げた状態で収容できるようにしてあるため、該舌付き座金1の第2舌部3bを上記締め付けた後のナット6の側面に沿わせて折り曲げる作業を容易に実施させることが可能になる。よって、舌付き座金1を用いたナット6の緩み止め処理のために要する手間を削減して、作業性を向上させる効果が期待できる。
しかも、上記舌付き座金固定治具7は、上記締め付け対象となるナット6以外の他の固定物に依存することなく上記舌付き座金1の第1の舌部3aの回り止めを図ることができる。更には、可動部のないシンプルな構成としてあるため、機械的な故障が生じる虞を解消できる。よって、たとえば、ダイバーが厚い手袋を装着した状態でナット6の締め付け作業を水中作業として実施するような作業性の悪い環境下であっても、該舌付き座金固定治具7を片手で容易に取り扱うことができて、舌付き座金1の共回りを防止した状態でのナット6の締め付け作業と、その後の締め付けたナット6の緩み止め作業を、容易に且つ確実に行わせる効果が期待できる。
次に、図2(イ)(ロ)(ハ)は本発明の実施の他の形態として、図1(イ)(ロ)(ハ)の実施の形態の応用例を示すもので、図1(イ)(ロ)(ハ)に示したと同様の構成において、左右一対の係止部材9における平板状部材8の裏面側へ突出する端部の外側面同士を、左右方向に延びる連結部材12を介して一体に連結して舌付き座金固定治具7aを構成したものである。
なお、上記左右の係止部材9の突出端部の外側面同士を上記連結部材12を介して連結することにより、上記左右の係止部材9の隙間は、一端側が上記平板状部材8により、又、他端側が上記連結部材12によって閉塞されるようになる。よって、フランジ4の周縁部に配されているボルト5の軸部に舌付き座金1を介装した状態でナット6を螺着させて、該ナット6を手動等により軽く締め、更に、上記舌付き座金1の第1舌部3aをフランジ4の端部より外方へ突出するように該舌付き座金1の周方向の角度姿勢を正規の配置に調整した状態にて、上記舌付き座金固定治具7aを、先ず、フランジ4の端部より外方へ突出させてある上記舌付き座金1の第1の舌部3aを、上記舌付き座金固定治具7aにおける左右の係止部材9と平板状部材8と連結部材12との内側に形成された空間に挿通させてから、上記平板状部材8に設けてある貫通孔10を上記ナット6の外周へ嵌合させる操作を実施できるように、所要サイズの空間が上記左右の係止部材9と平板状部材8と連結部材12の内側に形成されるよう上記連結部材12の各係止部材9に対する取付位置が設定してあるものとする。
その他の構成は図1(イ)(ロ)(ハ)に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
以上の構成としてある本実施の形態の舌付き座金固定治具7aによれば、ナット6の締め付け時に、舌付き座金1の周り止めを図る該舌付き座金固定治具7aの上記左右の係止部材9に作用する不均等な力を、上記連結部材12を介して該各係止部材9同士の間で互いに分散させることができる。このため、舌付き座金固定治具7aに局所的に大きな力が作用する虞を低減できて、舌付き座金固定治具7aにおける平板状部材8等に歪みが生じる虞を回避することで、該舌付き座金固定治具7aの耐久性を高める効果が期待できる。
次いで、図3(イ)(ロ)(ハ)は本発明の実施の更に他の形態として、図1(イ)(ロ)(ハ)に示した実施の形態の変形例を示すもので、図1(イ)(ロ)(ハ)と同様の構成において、平板状部材8の中央部に設けた貫通孔10の左右両側位置に、舌付き座金1におけるナット6の側面に沿わせて折り曲げるための第2の舌部3bの平面形状に対応した矩形状の切欠部11をそれぞれ設ける構成に代えて、平板状部材8の裏面側における貫通孔10の左右両側位置に、上記舌付き座金1の第2の舌部3bの平面形状に対応する矩形状の所要深さの窪み13を、上記貫通孔10と繋がるように設けてなる構成として舌付き座金固定治具7bを形成したものである。
更に、上記平板状部材8の裏面側における上記貫通孔10と、該平板状部材8の一端部における左右一対の係止部材9同士の間の位置との間を繋ぐように、上記舌付き座金1の第1の舌部3aの幅寸法と対応する幅で且つ舌付き座金1の厚み寸法に応じた深さを有する溝14を設けた構成とする。これにより、上記平板状部材8の裏面側に設けた溝14の内側に舌付き座金1の第1舌部3aを、又、上記平板状部材8の裏面側に設けた窪み13の内側に舌付き座金1の第2舌部3bをそれぞれ収容させることで、該平板状部材8の裏面を、フランジ4の表面に密着させることができるようにして、舌付き座金固定治具7bを使用するときの安定性をより高めることができるようにしてある。
なお、本実施の形態では、円形のフランジ4に代えて、多角形状等の外周部に直線状の辺を備えた形状のフランジ4aに対応できるようにするために、上記平板状部材8を、その一端部が湾曲した形状とすることに代えて、平板状部材8を、一端部がフラットな矩形状としてある。その他の構成は図1(イ)(ロ)(ハ)に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
本実施の形態の舌付き座金固定治具7bによっても、図1(イ)(ロ)(ハ)に示した舌付き座金固定治具7と同様に、フランジ4aの周縁部に配設されたボルト5に舌付き座金1を介装した状態でナット6を螺着させ、該ナット6を手で軽く締めた状態にて、フランジ4aの外周より突出する正規の配置とした上記舌付き座金1の第1舌部3aを、左右の係止部材9の間に配置すると共に、平板状部材8の貫通孔10を上記ナット6の外周に嵌合させた状態としてから、該ナット6の締め付けを行うようにすることで、上記ナット6の座面に接する上記舌付き座金1が、該ナット6と共回りする虞を防止できて、該舌付き座金1を、第1舌部3aをフランジ4aの外方へ突出させた正規の周方向角度姿勢で取り付けることができる。
図4(イ)(ロ)(ハ)は本発明の実施の更に他の形態として、図3(イ)(ロ)(ハ)の実施の形態の応用例を示すもので、図3(イ)(ロ)(ハ)に示したと同様の構成において、平板状部材8の一端面に取り付けてある左右の各係止部材9の所要個所に、板厚方向に貫通する図示しないねじ穴を設け、且つ該各係止部材9の図示しないねじ穴に、外側より押えボルト15をそれぞれ取り付けて舌付き座金固定治具7cを構成したものである。
その他の構成は図3(イ)(ロ)(ハ)に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
以上の構成としてある本実施の形態の舌付き座金固定治具7cによれば、上記図3(イ)(ロ)(ハ)に示した舌付き座金固定治具7bと同様に、フランジ4aの周縁部に配設されたボルト5に舌付き座金1を介装した状態でナット6を螺着させ、該ナット6を手で軽く締めた状態にて、フランジ4aの外周より突出するよう正規の配置とした上記舌付き座金1の第1の舌部3aを、左右の係止部材9の間に配置すると共に、平板状部材8の貫通孔10を上記ナット6の外周に嵌合させた状態としてから、上記各係止部材9の図示しないねじ穴に取り付けてある各押えボルト15を締め込むと、該押えボルト15の先端部が上記フランジ4aの外周面に押し付けられた後、舌付き座金固定治具7c全体が、上記フランジ4aの外周側へ変位させられるようになるため、平板状部材8の貫通孔10の周壁における該平板状部材8の他端寄りの領域が、上記ナット6へ押し当てられるようになる。よって、このナット6へ押し当てられた貫通孔10の周壁と、上記各係止部材9の押えボルト15との間に、上記ナット6及びボルト5を介して上記フランジ4aの外周縁部を挟むことで、該舌付き座金固定治具7cが、上記フランジ4cに支持されるようになる。
よって、その後は、上記舌付き座金固定治具7cを作業者が手で支持する必要がなくなることから、フランジ4aが鉛直方向に配置してあり、且つ該フランジ4aの周縁部に配されたボルト5に舌付き座金1を介装してナット6を螺合させる際、該ナット6よりも下方に位置するフランジ4aの端部より舌付き座金1の第1舌部3aを突出させた状態でナット6を締め込む必要がある場合や、下向きのフランジ4aより下方へ突出するボルト5に対し、舌付き座金1を介装した状態でナット6を上向きに締める場合に有利なものとすることができる。なお、上記舌付き座金固定治具7cの貫通孔10の内周面の一部が上記ナット6と接することになるが、該貫通孔10は上記ナット6の外形よりもやや大きい径の丸孔としてあるため、該貫通孔10の内面と上記ナット6との接触部を周方向に滑らせるようにすることで、上記ナット6を締め付け方向へ回すことができる。
なお、上記各実施の形態では、1つのフランジ4,4aの周縁部に配された単一のボルト5を対象として該ボルト5に舌付き座金1を介装した状態でナット6を締める場合について示したが、たとえば、図5に示す如く、上記各実施の形態と同様の舌付き座金固定治具7,7a,7b,7cを、フランジ4,4aの周方向に配列されている複数本のボルト5の配列に対応させて複数連結してなる構成(図では図1(イ)(ロ)(ハ)の実施の形態の舌付き座金固定治具7をフランジ4の外周に沿う方向に3つ並べて連結した構成のものが示してある。)として、上記フランジ4,4aの周方向に配列されている複数本のボルト5にそれぞれ舌付き座金1を介装した状態でナット6を締める際に、上記複数個の舌付き座金1について、それぞれ第1の舌部3aをフランジ4,4aの端縁より突出させた正規の角度姿勢に一度に保持した状態で、上記複数本のボルト5にそれぞれナット6を締め付ける作業を行うことができるようにしてもよい。
又、たとえば、図6に示す如く、一対のフランジ4同士の連結部にて、該各フランジ4の周縁部に設けたボルト孔16に挿通させた両ナットボルト17の両端部に、それぞれ舌付き座金1を介装した状態でナット6を締める場合は、各ナット6を手で軽く締めた状態とした後、各々のフランジ4の周縁部で上記両ナットボルト17の両端部にそれぞれ螺着されている2つのナット6に対し、上記各実施の形態の舌付き座金固定治具7,7a,7b,7c(図では図1(イ)(ロ)(ハ)の実施の形態の舌付き座金固定治具7を用いた状態が示してある。)を、上記各舌付き座金1の第1舌部3aをフランジ4の端部より外方へ突出させた正規の配置で左右の係止部材9の間に配置した状態で個別に装着した後、上記一対のフランジ4を挟んで対向配置された上記2つの舌付き座金固定治具7,7a,7b,7c同士を、図6に示すように、略コの字型の弾性を備えた鋼製のクリップ18で挟み込むことにより、上記各舌付き座金固定治具7,7a,7b,7cを、上記フランジ4の両側に支持させるようにして用いるようにしてもよい。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、フランジ4,4aの外周端部からボルト5が配されている個所までの距離や、ナット6のサイズ、ナット6の締め付け時に舌付き座金1のフランジ4,4aの端部より外方へ突出させる第1の舌部3aを回転しないよう保持する際に舌付き座金固定治具7,7a,7b,7cに作用する力の大きさ等に応じて、該舌付き座金固定治具7,7a,7b,7cを構成する平板状部材8や係止部材9のサイズや厚み寸法を適宜変更してもよい。
平板状部材8に、貫通孔10を該平板状部材8の他端側へ連通させる開口部を設けると共に、該開口部の一端縁部に、上記開口部を開閉するための開閉部材の基端部をヒンジ機構等を介して回転可能に取り付けると共に、該開閉部材の先端部を、上記開口部の他端縁部に、ラッチ機構等を介して着脱可能に連結できるようにした構成として、上記開閉部材を開放した状態で、上記開口部を通してナット6を横方向から挿入した後、上記開閉部材を閉じる操作により、平板状部材8の貫通孔10に上記ナット6を嵌合させることができるようにした構成としてもよい。
本発明の舌付き座金固定治具7,7a,7b,7cは物体の周縁部に配されたボルト5に該物体の端部に係止させるための舌部3aを備えた舌付き座金1を介装した状態でナット6を締め付ける個所であれば、フランジ4,4a以外の個所での使用に適用してもよい。又、物体の周縁部にて該物体の端部に係止させるための舌部3aを備えた舌付き座金1を介装した状態でボルトを締める場合にも適用できる。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の舌付き座金固定治具の実施の一形態を示すもので、(イ)は概略平面図、(ロ)は一部切断概略側面図、(ハ)はフランジの外側から見た図である。 本発明の実施の他の形態を示すもので、(イ)は概略平面図、(ロ)は一部切断概略側面図、(ハ)はフランジの外側から見た図である。 本発明の実施の更に他の形態を示すもので、(イ)は概略平面図、(ロ)は一部切断概略側面図、(ハ)はフランジの外側から見た図である。 本発明の実施の更に他の形態を示すもので、(イ)は概略平面図、(ロ)は一部切断概略側面図、(ハ)はフランジの外側から見た図である。 本発明の実施の他の形態を示す概略平面図である。 本発明の舌付き座金固定治具の使用例を示す概略切断側面図である。 従来用いられている舌付き座金の一例として両舌付き形式の舌付き座金を示すもので、(イ)は概略平面図、(ロ)はナットの座面とフランジとの間に介装した状態を示す概略斜視図、(ハ)はナットの回り止めを図った状態を示す概略斜視図である。
符号の説明
1 舌付き座金
3a,3b 舌部
4,4a フランジ(所要物体)
6 ナット(ナット又はボルト)
8 平板状部材
9 係止部材
10 貫通孔
11 切欠部
12 連結部材
15 押えボルト

Claims (4)

  1. 平板状部材の一端部の幅方向両側位置に、該平板状部材の裏面側へ所要寸法突出する一対の係止部材を、所要の隙間を隔てて取り付け、且つ上記平板状物体の中央部に所要径の貫通孔を設けてなり、該貫通孔を、所要物体の外周縁部に座金本体の外周に第1舌部と第2舌部を周方向に所要角度で備えた舌付き座金を該舌付き座金の上記第1舌部を上記所要物体の端部より外方へ突出させた姿勢で介装して締めるようにしてあるナット又はボルトの外側に嵌合できる大きさとすると共に、上記一対の係止部材の間の所要の隙間を、上記舌付き座金の第1舌部を通すことができる幅とした構成を有することを特徴とする舌付き座金固定治具。
  2. 平板状部材における貫通孔の両側位置に、舌付き座金における第2舌部を収容するための切欠部を設けるようにした請求項1記載の舌付き座金固定治具。
  3. 一対の係止部材の所要個所同士を、連結部材を介して連結するようにした請求項1又は2記載の舌付き座金固定治具。
  4. 一対の係止部材における所要個所に、押えボルトを外側から貫通させて設けるようにした請求項1、2又は3記載の舌付き座金固定治具。
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