JP6307371B2 - 穴吊りクランプ - Google Patents

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Description

本発明は、取付や組立などのためにあらかじめ形成された穴を利用して鋼材などのワークを吊り上げる穴吊りクランプ(穴吊り冶具)に関する。
たとえば建築現場で鉄骨を組み立てる作業を行う際に、鉄骨に設けられている組立用のボルト穴や鉄骨に付属するアイプレートの穴を利用して穴吊りクランプを装着して、クレーンで鉄骨を吊り上げることが広く行われている。このような穴吊りクランプは、たとえば特許文献1,2などに公知であり、一般に、一対の脚部の間に下向きに開口するワーク挿入口を備えた本体と、この本体の一対の脚部間に係脱自在に架け渡されるボルトないし吊ピンとから構成され、本体のワーク挿入口にワークの端部を挿入し且つ該ワークの端部を貫通する穴にボルトないし吊ピンを通した状態で該ワークを吊り上げるように構成されている。
特開2003−335494号公報 特開2012−012146号公報
これら従来技術による穴吊りクランプでは、本体の一方の側からボルトないし吊りピンを通して反対側でナットやストッパーなどでワークから脱落しないように装着するので、本体の両側で作業する必要があり、作業効率および安全性の面で問題があった。
また、従来技術による穴吊りクランプでは、本体の一対の脚部の間に吊り上げようとするワークを挿入するので、ワークの肉厚変化に対応することができない。すなわち、吊り上げようとするワークの肉厚より大きい脚部間隔を有する穴吊りクランプを用いる必要があるが、ワークの両側に穴吊りクランプを密接させた状態とすることができないため、吊り上げ作業中にワークが軸方向にずれてしまい、安定した吊り上げを行うことができない。また、吊り上げ作業中にボルトないし吊りピンの軸方向に対して横方向からの外力が加わると、ボルトないし吊りピンに大きな曲げ力が作用し、最悪の場合にはボルトないし吊りピンが折損してワークを落下させる危険があった。
したがって、本発明の課題は、異なる肉厚を有する多種多様なワークを効率的且つ安全に穴吊りすることができる新規構成の穴吊りクランプを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、本体スリーブと、本体スリーブに設けられるシャックルと、本体スリーブに対して軸方向に移動可能に設けられて本体スリーブの軸方向一端から突出する本体ボルトと本体スリーブの軸方向他端から突出する挿入端部とを有するシャフトと、本体スリーブに対して軸方向移動不能且つ回転可能に設けられる回転体と、シャフトの挿入端部の両側に突出する突出位置とシャフトの挿入端部内に実質的に収容される埋没位置とを取り得る可動プレートと、可動プレートを常に突出位置に向けて付勢する付勢手段と、付勢手段の付勢力に抗して可動プレートを埋没位置に向けて回転させるための操作手段と、を有し、回転体は、本体スリーブに対して回転自在に収容される内筒と、本体スリーブの軸方向一端に実質的に当接するように内筒の一端に一体に設けられて本体ボルトを螺通する調整ナットと、本体スリーブの軸方向他端に実質的に当接するように内筒の他端に一体に設けられるカラーとを有してなり、調整ナットと本体ボルトとの螺合を介してワークの板厚に応じた軸方向位置に移動させた回転体のカラーと突出位置にある可動プレートとの間にワークを挟んで締付可能に構成されたことを特徴とする穴吊りクランプである。
請求項2に係る本発明は、請求項1記載の穴吊りクランプにおいて、前記可動プレートは、突出位置にあるときに、シャフトの軸心に直交する面に対して所定角度、付勢手段による付勢力が作用する方向に傾斜していることを特徴とする。
請求項に係る本発明は、請求項1または2記載の穴吊りクランプにおいて、前記付勢手段は前記本体ボルトに内蔵される圧縮バネであり、前記操作手段はこの圧縮バネと係合して前記本体ボルトの頭部に軸方向移動可能に収容される開放ボタンであり、開放ボタンを圧縮バネの付勢力に抗して押し込んだときに可動プレートを突出位置から埋没位置に移動させるように構成されてなることを特徴とする。
請求項に係る本発明は、請求項記載の穴吊りクランプにおいて、前記開放ボタンがボルト頭部に対して回転することを防止する回転防止手段が設けられることを特徴とする。
請求項に係る本発明は、請求項3または4記載の穴吊りクランプにおいて、前記開放ボタンにその一端が固着された開放アームが前記シャフトの内部を通ってその他端が前記可動プレートに固着され、開放ボタンの軸方向移動が開放アームを介して可動プレートに伝達されて可動プレートを回転させることを特徴とする。
請求項1に係る本発明によれば、操作手段により可動プレートを埋没位置とした状態でシャフトの第二突出部をワークの一面側から穴に挿入し、第二突出部をワークの他面側に突出させた後に操作手段による操作を解除して可動プレートを突出位置に戻すことにより、ワークを本体スリーブと可動プレートとの間に挟んで吊り上げることができる。したがって、従来技術のように、ワークの両面側での作業が不要となり、片面側からの作業のみで効率的且つ安全にワークを吊り上げることができる。
また、シャフトを本体スリーブに対して軸方向に移動させることにより、吊り上げようとするワークの肉厚に応じて本体スリーブと可動プレートとの間の間隔を自在に調整することができる。したがって、この穴吊りクランプを、異なる肉厚を有する各種のワークに適用しても、軸方向にずれを生じさせることなく、安全に穴吊り作業を行うことができる。
また、本体スリーブに対して軸方向移動不能且つ回転可能に設けられる回転体に対してシャフトが軸方向に移動可能に設けられるので、吊り上げようとするワークの肉厚に応じて本体スリーブと可動プレートとの間の間隔を調整した状態において、その間隔を保持したまま、本体スリーブと回転体(およびシャフト)とを相対的に回転させることができる。したがって、ワークに対する可動プレートの当接位置やシャックルの向きを必要に応じて自在に変えることにより、最適な条件の下で安全且つ効率的にワークを吊り上げることができる。
さらに、回転体のたとえばカラーを片手で押えながら、回転体の調整ナットに螺合される本体ボルトをその頭部を手で持って回すことにより、吊り上げようとするワーク肉厚に応じた間隔調整を容易に行うことができる。また、回転体を押さえずに本体ボルトの頭部を手で回せば、シャフトと回転体とが一体となって本体スリーブに対して回転するので、可動部レートやシャックルの位置ないし向きを変える操作も円滑に行うことができる。
請求項2に係る本発明によれば、可動プレートが突出位置にあるときの回転角度位置が付勢方向に傾斜しているので、操作手段による操作を解除してワークに当接させたときに、突出位置から付勢力に抗して傾斜角度分(またはワーク面が傾斜しているときはその傾斜角度との差または和に相当する角度分)だけ回転して、ワーク面に密接する。したがって、ワークを本体スリーブと可動プレートとの間の間隔をワークの肉厚に応じて調整することによる作用に加えて、可動プレートを介して付勢手段の付勢力をワークに与えて締め付ける作用が発揮されるので、穴吊り作業の安全性をより向上させることができる。
請求項に係る本発明によれば、ワーク肉厚に応じた間隔調整を行う際にはボルト頭部を手で回して操作し、可動プレートを突出位置から埋没位置に移動させる際にはボルト頭部に内設された開放ボタンを押して操作するので、いずれも同じボルト頭部での操作であって分かりやすく且つ片手で容易に操作することができる。
請求項に係る本発明によれば、開放ボタンがボルト頭部に対して軸方向移動のみが許容されて相対回転が防止されるので、その押し込み動作が安定し、円滑な操作が可能である。
請求項に係る本発明によれば、開放ボタンと可動プレートが開放アームを介して連結されているので、開放ボタンの押し込み動作により可動プレートを突出位置から埋没位置に移動させ、この押し込み動作を解除することにより可動プレートを突出位置に復帰させる操作を簡単な構成で容易に実現させることができる。
本発明の一実施形態による穴吊りクランプの正面図である。 この穴吊りクランプの側面図である。 この穴吊りクランプで吊り上げ可能な最小肉厚のワークに使用する場合の状態図である。 この穴吊りクランプで吊り上げ可能な最大肉厚のワークに使用する場合の状態図である。 この穴吊りクランプを用いてワークを吊り上げる際の予備的な動作状態を示す図である。 この穴吊りクランプを用いてワークを吊り上げる際の最終的な動作状態を示す図である。 この穴吊りクランプを用いてワークを一般的な吊り上げ方向に吊り上げる際の動作状態図である。 この穴吊りクランプを用いてワークを他の吊り上げ方向に吊り上げる際の動作状態図である。 この穴吊りクランプの本体ボルトの頭部上面拡大図である。 この穴吊りクランプを用いてみぞ形鋼を吊り上げる際の動作説明図である。 この穴吊りクランプを用いてI形鋼を吊り上げる際の動作説明図である。 この穴吊りクランプを用いてみぞ形鋼を吊り上げる際の動作説明図である。 この穴吊りクランプを用いてI形鋼を吊り上げる際の動作説明図である。
本発明について実施例を挙げて添付図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において幅広い実施形態を取り得るものである。
図1および図2を参照して、穴吊りクランプ10は、略円筒状に形成された本体スリーブ11を有する。本体スリーブ11の側方には、一対の取付片12,12が所定間隔をおいて平行に形成され、これら取付片12,12に通したシャックルボルト13により略U字形のシャックル14が回動自在に連結されている。この実施例では、固定の頭部13aを有するシャックルボルト13を延長部12,12のボルト穴(符号省略)の一方から通して他方の外側でナット32を締着することによってシャックル14を連結し、ナット32のさらに外側に位置するように形成されたシャックルボルト13の先端穴(符号省略)に割ピン15を通してナット32の抜け落ちを防止している。
本体スリーブ11には回転体16が装着されている。回転体16は、本体スリーブ11内に相対回転自在に収容される内筒17と、この内筒17の一端(図1および図2において上端)に設けられる調整ナット18と、内筒17の他端(図1および図2において下端)に設けられるカラー19とを有して一体に形成され、調整ナット18は本体スリーブ11の一端面(上端面)に実質的に当接して位置し、カラー19は本体スリーブ11の他端面(下端面)に実質的に当接して位置している。したがって、回転体16は内筒17、調整ナット18およびカラー19が一体となって本体スリーブ11に対して相対回転自在であるが、調整ナット18とカラー19で本体スリーブ11を軸方向両端から挟み込んでいるので、本体スリーブ11に対して軸方向には実質的に移動不能である。
本体スリーブ11に対して軸方向に移動可能に設けられるシャフト20は、一端(上端)に頭部21aを有する本体ボルト21(第一突出部)と、本体ボルト21から他端(下端)方向に延長する挿入端部22(第二突出部)とを有して一体に形成されている。本体ボルト21は本体スリーブ11の一端(上端)において回転体16の調整ナット18に螺合されて本体スリーブ11および内筒17内を挿通し、挿入端部22は本体スリーブ11の他端(下端)から突出している。
挿入端部22は、本体ボルト21の軸径の範囲内に形成された一対の平行片23,23を有する。これら平行片23,23は、それらの先端においてカラー33を介してカシメピン24で連結されることにより所定間隔を保持しており、さらに、該間隔内にはカシメピン25を介して可動プレート26が回動自在に設けられている。可動プレート26は、平行片23,23同士の間隔に応じた厚み寸法を有すると共に、略方形状の平面形状を有しており、その平面形状の幅方向中心にカシメピン25を通すことにより該カシメピン25を回転中心として回動自在とされている。可動プレート26が図1に示す位置にあるとき、可動プレート26は本体ボルト21の軸径を超えて挿入端部22の両側に突出しているが、この状態から約90度回転すると可動プレート26は本体ボルト21の軸径寸法内に納まって挿入端部22内に埋没する。
既述したように本体ボルト21は回転体16の調整ナット18に螺合されているので、回転体16が本体スリーブ11に対して回転しないように調整ナット18やカラー19を片手で押えながらボルト頭部21aを回すと、本体ボルト21や挿入端部22などを含むシャフト20が本体スリーブ11に対して軸方向に移動するので、これによりカラー19(ワークの一側面に対する当接面を与える)と可動プレート26(ワークの他側面に対する当接面を与える)との間の間隔Xを、吊り上げようとするワークの肉厚に応じて調整可能である。一方、調整ナット18やカラー19を押さえずにボルト頭部21aを回したときは、シャフト20が回転体16と共に本体スリーブ11に対して回転(空転)するので、本体スリーブ11に対する軸方向移動は行われず、上記間隔Xを保持したままシャックル14や可動プレート26の向き(本体スリーブ11に対する回転角度位置)を変えることができる。
ボルト頭部21aは円筒状に形成され、その中空部21bに操作手段としての開放ボタン27が収容されている。開放ボタン27は、中空部21bの軸方向長さの範囲内でボルト頭部21a(したがって本体ボルト21ないしシャフト20)に対して軸方向に移動可能であるが、ボルト頭部21aの開放端部に嵌着されたスナップリング28により抜け止めされている。また、開放ボタン27の外周面には軸方向に延長する溝(符号省略)が形成されており、中空部21bの内面から突出して軸方向に延長するように設けられたピン29(該内面に形成された突条であっても良い)がこの溝に嵌合することにより、開放ボタン27がボルト頭部21a(したがって本体ボルト21ないしシャフト20)に対して回転することを防止している。すなわち、これらの溝およびピン29(または突条)は、開放ボタン27がボルト頭部21aに対して軸方向にスムーズに移動することを許容すると共に相対回転を防止する回転防止手段として働く。なお、スナップリング28およびピン29の配置については図9を併せて参照されたい。
ボルト頭部21aの中空部21bはその奥方においてより小径に形成されたボルト中空部21cに連続している。開放ボタン27は全体がT字形の断面形状を有するものとして形成され、その軸部27aがこの中空部21cに挿入されている。そして、中空部21cの奥底部には付勢手段としての圧縮バネ30が配置され、この圧縮バネ30が開放ボタン軸部27aの先端面に当接することにより、常に開放ボタン27を図の上方に向けて付勢する付勢力を与えている。したがって、開放ボタン27を圧縮バネ30の付勢力に抗して押し込む力を与えない限り、開放ボタン27はスナップリング28によって抜け止めされた位置を維持する。
さらに、開放ボタン27の軸部27aから図の下方に向けて延長する開放アーム31が設けられている。開放アーム31は鋼線などで形成され、その一端が開放ボタン27に固定され、ボルト中空部21cおよびその下方の穴21dを通って挿入端部22の一対の突出片23,23間の間隔23aに導かれ、他端が可動プレート26に固定されている。開放アーム31の可動プレート26に対する固定点は、可動プレート26の回転中心(カシメピン25)から幅方向に偏倚している。したがって、図1および図2の状態から開放ボタン27を圧縮バネ30の付勢力に抗して押し込むと、開放ボタン27と共に軸方向に移動する開放アーム31を介して可動プレート26を所定方向(この実施例では図1において反時計方向)に回転させることができる。開放ボタン27の移動ストロークは、その厚さとボルト中空部21bの軸方向長さとの関係によって決定され、開放ボタン27を最大限に押し込んだときに可動プレート26を約90度回転させることができるように設計される。開放アーム31は、本体ボルト21の軸心を通って図において下方に延長するが、可動プレート26の回転動作に干渉しない位置で折り曲げられて、可動プレート26の偏心位置に固定されている。
以上に説明した構成を有する穴吊りクランプ10の作用ないし用法について説明する。
まず、図3および図4を参照して、この穴吊りクランプ10が所定範囲内において異なる肉厚のワークに適用可能であることについて説明する。この特徴は、既述したように本体ボルト21が回転体16の調整ナット18に螺合されていることによって実現される。すなわち、回転体16が本体スリーブ11に対して回転しないように調整ナット18やカラー19を片手で押えながら、ボルト頭部21aを一方向(この実施例では時計方向)に回すとボルト頭部21aが調整ナット18に徐々に近付いていくのでカラー19(ワークの一側面に対する当接面を与える)と可動プレート26(ワークの他側面に対する当接面を与える)との間の間隔Xが大きくなり、ボルト頭部21aを反対方向に回すとボルト頭部21aが調整ナット18から徐々に離れていくので間隔Xが小さくなる。このようにして、吊り上げようとするワークの肉厚に応じて間隔Xを調整することができる。図3はこの間隔Xを最小寸法X1にした場合を示し、図4はこの間隔を最大寸法X2にした場合を示す。すなわち、この穴吊りクランプ10は、肉厚がX1〜X2の範囲にあるワークを安全に吊り上げることができるように設計されたものである。
次に、図5および図6を参照して、この穴吊りクランプ10を用いてワークWを穴吊りする際の作用ないし用法を説明する。ワークWはH形鋼、鋼板、みぞ形鋼、I形鋼などであり、組立用などに用いられる穴Hを有する。ワークWを穴吊りする作業を開始する前に、上述した本体ボルト21の回転操作により、該ワークWの肉厚に応じて間隔XをX1〜X2の範囲内で調整しておく。
図5には、穴吊りクランプ10のシャフト20の挿入端部22をワークWの一面Wa側から穴Hに挿入して他面Wb側に突出させた状態が示されている。この例では、平行に保持されたワークWの上方から挿入端部22を穴Hに挿入している。既述したように、常態においては圧縮バネ30の付勢力により可動プレート26は挿入端部22の両側に突出した回転角度位置(図1、図5に二点鎖線で示す位置、以下「突出位置」)に維持されているので、カラー19をワークWの上面Waに押し付けながら、開放ボタン27を押して可動プレート26を図において反時計方向に回転させて挿入端部22の外径内に収容される位置(図5に実線で示す位置、以下「埋没状態」)に移動させ、このままの状態で挿入端部22をワークWの穴Hに挿入していく。そして、可動プレート26をワークWの他面Wb側に完全に突出させた後に開放ボタン27から手を離すことにより、可動プレート26は圧縮バネ30の付勢力を受けた開放アーム31に引っ張られて図において時計方向(図5中の矢印方向)に回転して、前記突出位置に自動的に復帰する。
この時点では図5に示すように可動プレート26とワーク下面Wbとの間には隙間があるので、調整ナット18の上に手を当ててカラー19をワーク上面Waに押し付けた状態を維持しながらボルト頭部21aを回すことができ、これによってワーク下面Wbに対する可動プレート26の当接位置を任意に調整することができる。
必要に応じて上記調整を行った後に穴吊りクランプ10を引き上げていくと、突出位置にある可動プレート26の上面がワークWの下面Wbに密接して、カラー19との間でワークWを両側から挟み込む。既述したようにカラー19と可動プレート26の上面との間の間隔XはワークWの肉厚に応じてあらかじめ調整されているので、可動プレート26に働く圧縮バネ30の付勢力とも相俟って(詳しくは後述)、ワークWを両側から締め付けてしっかり保持する。これでワークWに対する穴吊りクランプ10のセットが完了し、クレーンなど(図示せず)でシャックル14を介して穴吊りクランプ10を吊り上げることにより、吊り上げ中にワークWが軸方向にずれることなく、安定した姿勢で穴吊り作業を行うことができる。シャックル14はシャックルボルト13を介して本体スリーブ11に対して回転自在に連結されているので、ワークWの板面に垂直な方向に吊り上げる一般的な吊り上げ方向(図7)のほか、ワークWの板面に平行な方向に吊り上げることも可能である(図8)。
可動プレート26が突出位置にあるときの回転角度位置は、ボルト頭部21aが圧縮バネ30により上方に押し上げられてスナップリング28で位置規制されたときの回転角度位置であるところ、カラー19の下面と平行になるように設計しても良いが、この実施例では、図1、図3および図4に示すように、カラー19の下面(鋼板上面Waに対する当接面)に対してわずかな角度θ(図3に表示、たとえば約7度)だけ圧縮バネ30の付勢方向に傾いた回転角度位置を取るように設計されている。このように設計することにより、図5の状態から穴吊りクランプ10の挿入端部22を引き上げていくと、挿入端部22の両側に突出する可動プレート26の両側部分のうちまず傾斜上方(図において左側)側部分の上面がワークWの下面Wbに当たり、さらに引き上げることにより可動プレート26が圧縮バネ30の付勢力に抗して傾斜角度θ分だけ反時計方向に回転して、可動プレート26の上面がワーク下面Wbに面で密接する図6の状態へと移行することになる。このとき、開放ボタン27はスナップリグ28によって規制された上限位置からわずかに押し下げられた位置を取る。したがって、ワーク下面Wbには可動プレート26を介して圧縮バネ30が上限位置に復帰しようとする付勢力が働くことになり、カラー19との間でワークWを両側から締め付けて保持する作用をより顕著に発揮することができる。
図5〜図8においてワークWを鋼板として示したが、この穴吊りクランプ10で穴吊り可能なワークWはこれに限定されない。たとえば、図10はこの穴吊りクランプ10を用いてみぞ形鋼Wを吊り上げる場合を示す。みぞ形鋼Wは傾斜勾配α(たとえば約5度)を有するフランジ部Wcに取付穴Hが形成されたものが多いが、この場合も、前述したと同様にして穴吊りクランプ10を取付穴Hに装着することが可能である。可動プレート26はバネ無負荷時の突出位置にあるときにその上面が角度θだけ傾斜しているので、可動プレート26の上面をフランジ部Wcの下面に密接させた状態(図10)ではそれらの傾斜角度の差(θ−α)に相当する角度だけ圧縮バネ30の付勢力に抗して回転した状態となっている。したがって、鋼板Wを穴吊りする場合(図6)と同様に、フランジ部Wcの下面に圧縮バネ30の付勢力を働かせて、カラー19との間でみぞ形鋼Wを強固に締め付けて保持することができる。
図11はこの穴吊りクランプ10を用いてI形鋼Wを吊り上げる場合を示す。I形鋼Wは傾斜勾配β(たとえば約8度)を有するフランジ部Wdに取付穴Hが形成されたものが多いが、この場合も、前述したと同様にして穴吊りクランプ10を取付穴Hに装着することが可能である。すなわち、可動プレート26はバネ無負荷時の突出状態においてその上面が角度θだけ傾斜しており、しかもこの傾斜方向はフランジ部Wdの下面の傾斜方向とは反対方向であるので、可動プレート26の上面をフランジ部Wdの下面に密接させた状態(図10)ではそれらの傾斜角度の和(θ+β)に相当する角度だけ圧縮バネ30の付勢力に抗して回転した状態となっている。したがって、鋼板Wを穴吊りする場合(図6)と同様に、フランジ部Wdの下面に圧縮バネ30の付勢力を働かせて、カラー19との間でI形鋼Wを強固に締め付けて保持することができる。
図10および図11では、フランジ部Wc,Wdの下面に対して可動プレート26の上面がフランジ延長方向に沿って当接する角度位置で穴吊りクランプ10がセットされているが、フランジ部Wc,Wdの突出長によっては、この角度位置で可動プレート26を当接させると、可動プレート26の一部がフランジ部Wc,Wdの先端から突出してしまったり、あるいはワークWのウエブWe,Wfに干渉してしまうことがある。このような場合は、図12および図13に示すように、可動プレート26を図10、図11の角度位置から約90度回転させた状態でフランジ部Wc,Wdの下面に当接させて穴吊りを行えば良い。これは、挿入端部22をワークWの反対側に完全に突出させた状態(図5の状態)でボルト頭部21aを手で回してシャフト20全体を任意方向に任意角度だけ回転することによって容易に実現可能である。既述したように、シャフト20は回転体18と共に本体スリーブ11に対して回転自在であるから、ボルト頭部21aを手で持ってシャフト20を回転させれば、ワークWの肉厚に応じて調整した間隔Xを保持したまま、本体スリーブ11に対して空転させて可動プレート26の角度位置を自在に変更することができる。また、シャックル14は本体プレート11に対して回転自在であるから、穴吊りクランプ10をワークWにセットした状態でシャックル14を回転させて、クレーンなどによる吊り上げに適した角度位置にシャックル14を移動させることができる。
10 穴吊りクランプ
11 本体スリーブ
12 取付片
13 シャックルボルト
14 シャックル
15 割ピン
16 回転体
17 内筒
18 調整ナット
19 カラー
20 シャフト
21 本体ボルト(第一突出部)
21a ボルト頭部
21b ボルト頭部の中空部
21c ボルトの中空部
22 挿入端部(第二突出部)
23 平行片
24 カシメピン
25 カシメピン
26 可動プレート
27 開放ボタン(操作手段)
28 スナップリング
29 ピン(回転防止手段)
30 圧縮バネ
31 開放アーム
32 ナット
33 平行片間の間隔
W ワーク
Wa ワークの一面(上面)
Wb ワークの他面(下面)
Wc フランジ部
Wd フランジ部
We ウエブ
Wf ウエブ
H ワークの穴
X ワークの肉厚に応じて調整可能な間隔
X1 Xの最小値
X2 Xの最大値

Claims (5)

  1. 本体スリーブと、本体スリーブに設けられるシャックルと、本体スリーブに対して軸方向に移動可能に設けられて本体スリーブの軸方向一端から突出する本体ボルトと本体スリーブの軸方向他端から突出する挿入端部とを有するシャフトと、本体スリーブに対して軸方向移動不能且つ回転可能に設けられる回転体と、シャフトの挿入端部の両側に突出する突出位置とシャフトの挿入端部内に実質的に収容される埋没位置とを取り得る可動プレートと、可動プレートを常に突出位置に向けて付勢する付勢手段と、付勢手段の付勢力に抗して可動プレートを埋没位置に向けて回転させるための操作手段と、を有し、回転体は、本体スリーブに対して回転自在に収容される内筒と、本体スリーブの軸方向一端に実質的に当接するように内筒の一端に一体に設けられて本体ボルトを螺通する調整ナットと、本体スリーブの軸方向他端に実質的に当接するように内筒の他端に一体に設けられるカラーとを有してなり、調整ナットと本体ボルトとの螺合を介してワークの板厚に応じた軸方向位置に移動させた回転体のカラーと突出位置にある可動プレートとの間にワークを挟んで締付可能に構成されたことを特徴とする穴吊りクランプ。
  2. 前記可動プレートは、突出位置にあるときに、シャフトの軸心に直交する面に対して所定角度、付勢手段による付勢力が作用する方向に傾斜していることを特徴とする、請求項1記載の穴吊りクランプ。
  3. 前記付勢手段は前記本体ボルトに内蔵される圧縮バネであり、前記操作手段はこの圧縮バネと係合して前記本体ボルトの頭部に軸方向移動可能に収容される開放ボタンであり、開放ボタンを圧縮バネの付勢力に抗して押し込んだときに可動プレートを突出位置から埋没位置に移動させるように構成されてなることを特徴とする、請求項1または2記載の穴吊りクランプ。
  4. 前記開放ボタンがボルト頭部に対して回転することを防止する回転防止手段が設けられることを特徴とする、請求項記載の穴吊りクランプ。
  5. 前記開放ボタンにその一端が固着された開放アームが前記シャフトの内部を通ってその他端が前記可動プレートに固着され、開放ボタンの軸方向移動が開放アームを介して可動プレートに伝達されて可動プレートを回転させることを特徴とする、請求項3または4記載の穴吊りクランプ。
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