JP5915287B2 - スライドシート用のワイヤハーネス配索構造 - Google Patents
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Description
前記スライドシートのシート脚部の車輪を回転自在に嵌合するシートレールの上面にカバーとして装着されている樹脂製のモールと一体であると共に前記シートレールの側壁外面に沿って延在するワイヤハーネス挿通用のボックス部と、
前記スライドシートのシート脚部に連結されていると共に前記ボックス部にスライド自在に嵌合されているスライダを備え、
前記ボックス部の中空からなるワイヤハーネス挿通路に一端開口から通す前記ワイヤハーネスを前記スライダの内部を通して前記スライドシートへ引き出して配索しているスライドシート用のワイヤハーネス配索構造を提供している。
前記モールは、シートレールの上面中央に全長に沿って設けられる車輪支持部挿通用の開口をできるだけ少なくして、シートレール内部への塵や埃等の異物侵入を防止すると共に、シートレールをフロア表面に露出させないために従来よりシートレールに装着されているものである。従来例の前記図13に示すように、従来のモールMはシートレール105の上壁を覆うように装着する水平材からなり、車体のフロアパネルの上面に敷設され、フロアパネル上面に装着するフロアカーペットとモールとで平坦面を形成している。
本発明では、従来からシートレールに取り付けられているモールを改良して、ワイヤハーネス挿通路を設けることにより部品点数および取付手数の削減を図り、しかも、シートレールの側壁に沿ってボックス部が延在するためにワイヤハーネス挿通路をスペースを取ることなく設けることができる。
通常、1つのスライドシートは左右2カ所に車輪を取り付けており、これら左右の車輪をスライド自在に嵌合するシートレールを左右2カ所に設置している。前記ワイヤハーネスは左右のシートレールのいずれか一方に沿って配索すればよく、かつ、左右いずれか一方のシートレールの上面に装着する前記モールの分割体の一方に前記ワイヤハーネス挿通路を設けるボックス部を一体成形している。
なお、モールと一体成形するワイヤハーネス挿通路を形成するボックス部はモールの全長、すなわち、シートレールの全長に設けてもよいし、全長に設けずに、前半側等の部分的に設けてもよい。
前記余長収容ボックスは楕円形状の浅底の本体と、前記ワイヤハーネスを収容した前記本体に被せる蓋とからなり、前記本体は前端側の円弧部にクロスする引込路と出入路を備え、かつ、前記蓋の前端側に近接した内部中央位置に円弧状凹部からなるストッパー部を備え、
スライドシート移動時に前記引込路から引き出されるワイヤハーネスを前記余長収容ボックス内で円弧形状に保持した状態で前記ストッパー部で停止できる構成としていることが好ましい。
前記スライダは前記シートレールの上壁に装着する前記モールの上板部の上面と隙間をあけて移動するように取り付けている。
前記プロテクタは組立式四角筒状のキャタピラ型とし、帯状の平板に長さ方向に延在する4本の折曲ラインを幅方向の中間部に間隔をあけて備え、かつ、該幅方向の両側縁の一方側に突設している係止突片と、他方側に前記係止突片を挿入係止する係止穴を備え、
さらに、前記4本の折曲ラインを結ぶ幅方向の切込ラインを長さ方向に間隔をあけて備え、該切込ラインで四角筒の3辺を分離して折り曲げ自在に連結された形状としていることが好ましい。
かつ、平板を打抜加工して形成し、これを折り曲げて組み立てるだけであるため、本発明で用いる組立式四角筒状のキャタピラ型プロテクタは従来のコルゲートチューブより安価であり、かつ、運搬時は平板形状のままであるため嵩ばらない。しかも、閉鎖された筒状でないため、ワイヤハーネスに容易に外装することができる。
かつ、既存のモールにワイヤハーネス挿通路を構成するボックス部を一体に設けて、シートレールの側壁外面に沿って配置するため、スペースをとらず、簡単かつ安価に実施できる。
図1乃至図10に本発明の第1実施形態を示す。
図1に示すように、自動車に搭載するスライドシート1に装着した電装品(図示せず)に給電するために、車体フロアからスライドシート1へワイヤハーネス5を配索している。スライドシート1の下面には図2に示すように、シート脚部3を左右一対設け、各シート脚部3をフロアパネル2の凹部21に設けた左右一対のシートレール6にスライド自在に取り付けている。
図9(A)はスライドシート1が最も後方位置にある場合を示し、図9(B)はスライドシート1が最も前方位置にある場合を示す。スライドシート1のシート脚部3を前方から後方へとスライドさせていくと、余長収容ボックス20内に収容されていたワイヤハーネス5が出入口15bから引き出され、モール10のワイヤハーネス挿通路12iに挿通されていくと共に、余長収容ボックス20内のワイヤハーネス5のU形状の屈曲部が余長収容ボックス20の前方側へ移動し、最終的にストッパー部16aに接触して停止する。
かつ、モール10に設けるワイヤハーネス挿通路12iを断面矩形状としているため、挿通されるワイヤハーネス5を四角筒状のキャタピラ型のプロテクタ30で外装すると、安定した姿勢でスライド自在に挿通させることができる。かつ、スライドシート1の作動時等にワイヤハーネス5がシートレール6の上面開口から外側に飛び出して噛み込みが発生するのを防止できる。
第2実施形態ではモール10に一体成形で付設するボックス部50の形状を変更している。ボックス部50はシートレール6の上壁に被覆する上板部10aの外端に連続して下向き内側壁50a、底壁50b、外側壁50c、上壁50dを順次90度屈曲して設け、断面矩形状の中空からなるワイヤハーネス挿通路50iを設けている。
前記外側壁50cは上板部10aより上方へ突出させ、前記上壁50dは上板部10aの外側上方まで突出させ、ワイヤハーネス挿通路50iは内側が開口として上壁50dの内側薄肉部50fと上板部10aの間にスライダ挿通空間50hを設けている。
前記ワイヤハーネス挿通路50iに四角筒状のキャタピラ型のプロテクタ30で外装したワイヤハーネス5をスライド自在に内嵌し、該ワイヤハーネス5の先端を前記スライダ60の外端に設けたワイヤハーネス挿入筒部60aに内嵌固定している。該ワイヤハーネス挿入筒部60aの先端に内側に突出した後に後方へ突出したL字状の横枠部60bを設け、ワイヤハーネス挿入筒部60aから引き出したワイヤハーネス5を挿通している。該横枠部60bは上板部10aの上面と隙間をあけて位置する。
該スライダ60の横枠部60bは第1実施形態のスライダと同様に、先端側の上面にワイヤハーネス引き出し開口を備えている。かつ、シート脚部3と固定した支持部材とボルトで連結固定し、スライドシート1に連動してスライダ60が移動するものとしている。
3 シート脚部
2 フロアパネル
6 シートレール
10、11 モール
12 ボックス部
12i ワイヤハーネス挿通路
12k スライダ挿通空間
14 スライダ
20 余長収容ボックス
30 キャタピラ型のプロテクタ
Claims (5)
- 車体フロア側の固定位置とスライドシート側の固定位置との間で余長部を持たせて配索しているスライドシート用のワイヤハーネスの配索構造であって、
前記スライドシートのシート脚部の車輪を回転自在に嵌合するシートレールの上面にカバーとして装着されている樹脂製のモールと一体であると共に前記シートレールの側壁外面に沿って延在するワイヤハーネス挿通用のボックス部と、
前記スライドシートのシート脚部に連結されていると共に前記ボックス部にスライド自在に嵌合されているスライダを備え、
前記ボックス部の中空からなるワイヤハーネス挿通路に一端開口から通す前記ワイヤハーネスを前記スライダの内部を通して前記スライドシートへ引き出して配索しているスライドシート用のワイヤハーネス配索構造。 - 前記モールはシートレールの中央開口を挟む左右両側に分割して設置されており、左右いずれかの分割されたモールに前記ボックス部が一体成形で設けられている請求項1に記載のスライドシート用のワイヤハーネス配索構造。
- 前記モールのボックス部のワイヤハーネス挿通路の一端開口から引き出される前記ワイヤハーネスは、左右のシートレールに挟まれた領域に配置したUターン式の余長収容ボックスを通して車体フロア側の固定位置に引き出されており、
前記余長収容ボックスは楕円形状の浅底の本体と、前記ワイヤハーネスを収容した前記本体に被せる蓋とからなり、前記本体は前端側の円弧部にクロスする引込路と出入路を備え、かつ、前記蓋の前端側に近接した内部中央位置に円弧状凹部からなるストッパー部を備え、
スライドシート移動時に前記引込路から引き出されるワイヤハーネスを前記余長収容ボックス内で円弧形状に保持した状態で前記ストッパー部で停止できる構成としている請求項1または請求項2に記載のスライドシート用のワイヤハーネス配索構造。 - 前記スライダは前記シートレールの上壁に装着する前記モールの上板部の上面と隙間をあけて移動するように取り付けている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスライドシート用のワイヤハーネス配索構造。
- 前記モールに設けたボックス部のワイヤハーネス挿通路および前記スライダ内部に挿通するワイヤハーネスにはプロテクタを外装しており、
前記プロテクタは組立式四角筒状のキャタピラ型とし、帯状の平板に長さ方向に延在する4本の折曲ラインを幅方向の中間部に間隔をあけて備え、かつ、該幅方向の両側縁の一方側に突設している係止突片と、他方側に前記係止突片を挿入係止する係止穴を備え、
さらに、前記4本の折曲ラインを結ぶ幅方向の切込ラインを長さ方向に間隔をあけて備え、該切込ラインで四角筒の3辺を分離して折り曲げ自在に連結された形状としている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のスライドシート用のワイヤハーネス配索構造。
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