JP5914895B2 - フレネルレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、フレネルレンズに関するものである。
フレネルレンズとしては、図12に示すように、断面が山形形状を呈した複数個のプリズム部が同心円状に設けられたフレネルレンズ101が知られている(特許文献1)。このフレネルレンズ101は、各プリズム部が、レンズ面102と、このレンズ面102と相対する非レンズ面103とを有している。
また、フレネルレンズ101は、レンズ面102と基準面のなす角(プリズム角)φが、当該フレネルレンズ101の中心に近いレンズ面102ほど小さくなっている。また、フレネルレンズ101は、各プリズム部の非レンズ面103に表面粗さRmaxが1μm以上の微小凹凸形状を有し、当該微小凹凸形状の各々の凸部斜面と当該フレネルレンズ101の平面とのなす角βを90°以下としてある。なお、特許文献1には、微小凹凸構造により、非レンズ面103で不要光を散乱させることができる旨が記載されている。
特許第2901727号公報
図12に示すフレネルレンズ101のように光軸に対して回転対称のものでは、各プリズム部における非レンズ面103の角度(逃げ角)αが3°程度なので、当該フレネルレンズ101の平面に入射した光線のうちレンズ面102と非レンズ面103との境界近くにおいてレンズ面102で屈折された光線が隣のプリズム部の非レンズ面103に入射して光線のけられが発生したり、迷光が発生してしまうことがある。
また、外界から第一面へ斜め入射する光線を利用する傾斜光学系を構成するフレネルレンズでは、第一面とは反対側の第二面の非レンズ面と第一面とのなす角度を大きくすると、輪帯状のプリズム部のうち焦点から遠い領域においてレンズ面の面積が小さくなって、外界から第一面へ斜め入射する光線に対する効率が低下してしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、外界から第一面へ斜め入射する光線を利用する場合に効率を向上させることが可能で且つ迷光を減少させることが可能なフレネルレンズを提供することにある。
本発明のフレネルレンズは、第一面とは反対側の第二面がレンズ面と非レンズ面とからなる複数の輪帯を有するフレネルレンズであって、前記レンズ面が、楕円錐の側面の一部からなり、前記第一面上の各点の法線のうち前記楕円錐の側面の一部からなる前記レンズ面に交差する任意の法線と、当該任意の法線が交差する前記レンズ面に対応する前記楕円錐の中心軸とが、非平行であり、像面に平行で前記第一面に接する基準平面に対する前記輪帯の境界線の投影線の対称線の中点から投影線上に垂線を下ろしたときの2つの交点を、前記境界線に逆投影した2つの点を境として、前記非レンズ面は、前記対称線及び焦点を含む平面において、前記焦点に近い側の第1の母線が、前記境界線と前記平面との交差点と、前記焦点と、を通り前記基準平面に斜交する直線上にあり、外側の前記輪帯ほど前記第1の母線と前記基準平面の法線とのなす角度が小さく、前記焦点から遠い側の第2の母線に関して、レンズ材料の屈折率をn、前記平面内での前記基準平面上の各点のうち前記境界線と前記平面との交差点に最も近い点での前記基準平面の法線に対して前記焦点側とは反対側への傾き角をθ〔rad〕とすると、
Figure 0005914895
の条件を満たしていることを特徴とする。
このフレネルレンズにおいて、前記非レンズ面は、前記逆投影した2つの点を境として、前記焦点に近い側の領域では、前記第1の母線から離れるにつれて前記基準平面の法線に対する傾きが小さくなっていることが好ましい。
本発明のフレネルレンズにおいては、外界から第一面へ斜め入射する光線を利用する場合に効率を向上させることが可能で且つ迷光を減少させることが可能となる。
(a)は実施形態1のフレネルレンズに入射する光線の進行経路の説明図、(b)は実施形態1のフレネルレンズの説明図である。 (a)は実施形態1のフレネルレンズの断面図、(b)は実施形態1のフレネルレンズの第二面側から見た平面図である。 実施形態1のフレネルレンズの非レンズ面の模式説明図である。 (a)は実施形態1のフレネルレンズに入射する光線の進行経路の説明図、(b)は比較例1のフレネルレンズに入射する光線の進行経路の説明図である。 (a)は実施形態1のフレネルレンズに入射する光線の進行経路の他の説明図、(b)は比較例2のフレネルレンズに入射する光線の進行経路の他の説明図である。 実施形態1のフレネルレンズの他の構成例に入射する光線の進行経路の説明図である。 実施形態1のフレネルレンズの製造方法の説明図である。 (a)は実施形態1のフレネルレンズの応用例を示す概略断面図、(b)は応用例の要部概略下面図、(c)は(b)の拡大図である。 (a)は実施形態2のフレネルレンズの断面図、(b)は実施形態2のフレネルレンズに入射する光線の進行経路の説明図である。 実施形態2のフレネルレンズの製作方法の説明図である。 (a)は実施形態3のフレネルレンズの断面図、(b)は実施形態3のフレネルレンズに入射する光線の進行経路の説明図である。 (a)は従来例のフレネルレンズの全体を示す斜視図、(b)は従来例のフレネルレンズの部分断面を示す拡大図である。
(実施形態1)
以下では、本実施形態のフレネルレンズについて図1〜図6を参照しながら説明する。
本実施形態のフレネルレンズ1は、第一面10が平面であり、第一面10とは反対側の第二面20がレンズ面21と非レンズ面22とからなる複数(図示例では、2つ)の輪帯23を有している。
フレネルレンズ1の像面Iに平行で第一面10に接する基準平面Gに対する輪帯23の境界線23cの投影線Lは、図1(b)のようになる。なお、本実施形態では、第一面10が平面なので、基準平面Gが第一面10の全面に接する。
輪帯23の境界線23cは、隣り合う輪帯23同士の境界、あるいは、互いに隣り合う輪帯23とレンズ面21との境界を意味している。隣り合う輪帯23同士の境界は、一方の輪帯23の非レンズ面22と他方の輪帯23のレンズ面21との境界である。また、互いに隣り合う輪帯23とレンズ面21との境界は、輪帯23の非レンズ面22と当該輪帯23に隣り合うレンズ面21との境界である。以下では、説明の便宜上、後者の境界からなる境界線23cの投影線Lを第1の投影線L1と称し、前者の境界からなる境界線23cの投影線Lを第2の投影線L2と称することもある。
投影線Lを輪郭とする2次元の図形は、境界線23cを像面Iの法線方向に沿って投影した水平投影図である。また、投影線Lを輪郭とする2次元の図形は、線対称な図形であり、対称軸を有している。本実施形態では、この対称軸を投影線Lの対称線Mと呼ぶことにする。また、本実施形態における対称線Mは、焦点Fを基準平面Gに投影した点FFを通る直線である。したがって、対称線M及び焦点を含む平面Eは、図1(a)の紙面となる。
投影線Lの対称線Mの中点Qから投影線L上に垂線Vを下ろしたときの2つの交点S、Rを、境界線23cに逆投影した2つの点BS、BR(図3参照)を境として、非レンズ面22は、対称線M及び焦点Fを含む平面Eにおいて、焦点Fに近い側の母線22a(第1の母線22a1)が、境界線23cと平面Eの交差点と焦点Fとを通る直線T(図1(a)参照)上にある。なお、図1(b)では、内側の境界線23cと外側の境界線23cとで、対称線Mが共通している。また、図1(b)では、第1の投影線L1の対称線Mの中点QをQ1とし、この中点Q1から第1の投影線L1上に垂線V(V1)を下ろしたときの2つの交点S、RをS1、R1としてある。また、図1(b)では、第2の投影線L2の対称線Mの中点QをQ2とし、この中点Q2から第2の投影線L2上に垂線V(V2)を下ろしたときの2つの交点S、RをS2、R2としてある。
また、非レンズ面22は、焦点Fから遠い側の母線22a(第2の母線22a2)に関して、レンズ材料の屈折率をn、平面E内での基準平面G上の各点のうち平面Eと境界線23cの交点に最も近い点Dの法線H(図5(a)参照)に対して焦点F側とは反対側への傾き角をθ〔rad〕とすると、下記の(1)式の条件を満たしている。
Figure 0005914895
ここで、傾き角θは、法線Hに対して時計回りの方向に傾いている場合に、正の値となり、法線Hに対して反時計回りの方向に傾いている場合に、負の値となるように定義している。
次に、フレネルレンズ1の各構成要素について詳細に説明する。
フレネルレンズ1は、第一面10が平面であり、第一面10とは反対側の第二面20が複数(図示例では、3つ)のレンズ面21を有している。このフレネルレンズ1は、中心レンズ部1aと、中心レンズ部1aを取り囲む複数(図示例では、2つ)の輪帯状レンズ部1bとを有している。輪帯状レンズ部1bの数は、特に限定するものではなく、3つ以上でもよい。フレネルレンズ1は、第一面10とは反対側の第二面20が複数のレンズ面21を有する集光レンズであり、中心レンズ部1aのレンズ面21が凸面となっている。要するに、フレネルレンズ1は、凸レンズに比べて厚みを薄くすることが可能な集光レンズである。
各輪帯状レンズ部1bは、第二面20側に山部11bを有している。山部11bは、中心レンズ部1a側の側面からなる非レンズ面22と、中心レンズ部1a側とは反対側の側面からなるレンズ面21とを有している。したがって、フレネルレンズ1の第二面20は、各輪帯状レンズ部1bそれぞれにおけるレンズ面21を有している。また、フレネルレンズ1の第二面20は、中心レンズ部1aにおけるレンズ面21も有している。なお、図1(a)、図4(a)及び図5(a)には、第一面10を入射面、第二面20を出射面とした場合について、光線の進行経路を細い実線で示して矢印を付してある。本実施形態のフレネルレンズ1では、図1(a)に示したように、フレネルレンズ1の第一面10の法線に斜交する方向から第一面10に入射した光線が、フレネルレンズ1の第二面20側の焦点Fに集光されていることが分かる。
ところで、一般的に、フレネルレンズの入射面である平面の法線を含む断面形状において各レンズ面の断面形状が直線であれば、バイトを工作物に対して傾けて刃の側面を線接触させて切削加工を行うことにより、レンズ面あるいはレンズ面に応じた曲面の形成が可能であるため、加工時間を大幅に短縮することが可能となる。ここで、出射面における各レンズ面の形状が入射面の法線を回転軸として回転対称となるフレネルレンズにおいては、各レンズ面を円錐台の側面により近似することで、各レンズ面の断面形状を直線とできることが知られている(米国特許第4787722号明細書)。
しかしながら、出射面における各レンズ面の形状が入射面の法線を回転軸として回転対称となるフレネルレンズにおいて、各レンズ面を円錐台の側面により近似したものでは、軸外収差が発生してしまう。
これに対して、本実施形態のフレネルレンズ1は、各レンズ面21が、それぞれ、楕円錐30の側面の一部からなり、第一面10上の各点の法線のうち楕円錐30の側面の一部からなるレンズ面21に交差する任意の法線と、当該任意の法線が交差するレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸とが、非平行である(つまり、傾いている)。ここにおいて、各楕円錐30は、第二面20側に頂点Pが位置するとともに第一面10側に底面(図示せず)が位置している。また、本実施形態のフレネルレンズ1では、第一面10が平面なので、楕円錐30の中心軸は、第一面10上の各点の各々における法線に対して斜交する。また、第一面10上の点と、その点における法線がレンズ面21に交差する交点とを結ぶ方向を、レンズ厚さ方向と規定した場合、第一面10が平面であれば、第一面10上の各点における法線に沿った方向がレンズ厚さ方向となる。したがって、図1(a)及び図2(a)の各々においては、上下方向が、レンズ厚さ方向となる。よって、フレネルレンズ1は、各レンズ面21それぞれが、第二面20側に頂点Pが位置するとともに第一面10側に底面が位置し且つ中心軸がレンズ厚さ方向に対して斜交する楕円錐30の側面の一部により構成されている。なお、レンズ厚さ方向に沿った1つの仮想直線を含む断面形状(ここでは、第一面10の法線を含む断面形状)において、第一面10に平行な面と各レンズ面21とのなす角度は鈍角である。
本願発明者らは、外界から第一面10へ斜め入射する入射光を利用する場合に軸外収差の発生を抑制することが可能であり、且つ、低コスト化が可能であるという課題を解決するために、まず、第二面20を、主軸が第一面10の法線に対して斜交する複数の双曲面(二葉双曲面の一方の双曲面)25それぞれの一部により構成した基本構造に関して、レンズ厚さ方向に沿った1つの仮想直線を含む断面形状において、複数の双曲面25それぞれの上記一部を直線で近似することを考えた。
ここで、双曲面25は、当該双曲面25の回転軸に直交する断面上の各点における接線の集合が円錐となる。したがって、出射面における各レンズ面の形状が入射面の法線を回転軸として回転対称となるフレネルレンズにおいては、各レンズ面を円錐の側面の一部により近似することができる。
ところで、任意の平面の中心を原点として、当該任意の平面において互いに直交するx軸とy軸とを規定し、当該任意の平面に直交するz軸を規定した直交座標系においては、円錐の任意の点の座標を(x,y,z)とし、b,cを係数として、円錐の方程式は下記の(2)式の標準形で表される。ここで、係数cは、zに無関係な定数である。
Figure 0005914895
この円錐をxy平面に平行な2つの面で切り取った円錐台では、上述の基準構造における各双曲面25それぞれの上記一部を近似することはできない。
一方、双曲面25は、当該双曲面25の回転軸に垂直でない断面上の各点における接線40の集合が楕円錐となる。ここで、本願発明者らは、上述の基準構造における双曲面25を、双曲面25の主軸に斜交する平面と双曲面25との交線上の各点において、双曲面25と接する楕円錐30で近似できる点に着目し、各レンズ面21それぞれを、第二面20側に頂点Pが位置するとともに第一面10側に底面(図示せず)が位置し且つ中心軸(図示せず)がレンズ厚さ方向に対して斜交する楕円錐30の側面の一部により構成することを考えた。
図1のフレネルレンズ1において、それぞれ楕円錐30の一部により構成されるレンズ面21に着目すれば、楕円錐30が、その楕円錐30に内接する双曲面25をもち、楕円錐30と双曲面25との交線上の各点においては両者の接線の傾きが一致するので、楕円錐30と双曲面25との交線上の各点を通る光線は、双曲面25の回転軸上の一点に集光される。本実施形態のフレネルレンズ1では、複数のレンズ面21のうちの少なくとも1つのレンズ面21を、楕円錐30と双曲面25の交線を含むように楕円錐30の一部を切り取った形状とすることによって、外界から第一面10へ斜め入射する入射光を利用する場合に軸外収差の発生を抑制することが可能となり、且つ、低コスト化が可能となる。ここにおいて、フレネルレンズ1は、山部11bの高さが低いほど、この山部11bを通る光線を一点に集光しやすくなるので、楕円錐30と楕円錐30に内接する双曲面25の交線が、山部11bと交わることが望ましい。
各山部11bの高さ及び隣り合う山部11bの頂点間の間隔は、フレネルレンズ1において集光対象とする電磁波の波長以上の値に設定する必要がある。例えば、波長10μmの赤外線を集光対象とする場合には、各山部11bの高さ及び隣り合う山部11bの頂点間の間隔を10μm以上とする必要がある。一方、フレネルレンズ1では、各山部11bの高さ及び隣り合う山部11bの頂点間の間隔が大きくなると、軸外収差が大きくなるという課題、第一面10側からレンズ模様が視認可能となるという課題が生じてしまうことが考えられる。そこで、フレネルレンズ1は、軸外収差の許容値(目標値)を例えば焦点Fに配置する赤外線用の光電変換素子の大きさである0.6×0.6mm以下とする場合、山部11の最大高さを150μm以下とすることが好ましい。また、フレネルレンズ1は、第一面10から30cmだけ離れたところから意識せずに眺めた場合に第二面20側のレンズ模様を視認できないことを要求されるような場合、隣り合う山部11b間の間隔を0.3mm以下とすることが好ましい。一方、隣り合う山部11b間の間隔を小さくするほど山部11の数が増えるので、隣り合う山部11b間の間隔は、例えば0.1〜0.3mmの範囲で設定することが、より好ましい。
本実施形態のフレネルレンズ1では、レンズ厚さ方向に直交し(つまり、平面からなる第一面10に平行で)且つ輪帯状レンズ部1bにおける山部11bの谷からの高さが山部11bの最大高さの1/2となる平面15上に、楕円錐30と楕円錐30に内接する双曲面25との交線が存在する。したがって、本実施形態のフレネルレンズ1では、図1(a)に示すように、レンズ面21と平面15との交点上を通る光線を、焦点Fに集光する。
一般の楕円錐の方程式は、任意の平面の中心を原点として、当該任意の平面において互いに直交するx軸とy軸とを規定し、当該任意の平面に直交するz軸を規定した直交座標系において、楕円錐の任意の点の座標を(x,y,z)とし、a,b,cを係数として、下記の(3)式の標準形で表される。ここで、係数cは、zに無関係な定数である。
Figure 0005914895
以下では、説明の便宜上、図2(a)のフレネルレンズ1において、3つの楕円錐30にそれぞれ異なる符号を付して説明する。ここでは、中央のレンズ面21に対応するものを楕円錐30、中央のレンズ面21に最も近い輪帯23(第1輪帯)のレンズ面21に対応するものを楕円錐30、中央のレンズ面21に2番目に近い輪帯23(第2輪帯)のレンズ面21に対応するものを楕円錐30とする。要するに、中央のレンズ面21に対応する楕円錐30を除いた楕円錐30のうち、中央のレンズ面21に近い側から順に数えてn(n≧1)番目の輪帯23(第n輪帯)のレンズ面21に対応するものを楕円錐30とする。また、ここでは、各楕円錐30,30,30それぞれの頂点P,P,Pを頂点P,P,Pとし、各楕円錐30,30,30それぞれの中心軸をCA,CA,CAとする。要するに、ここでは、第n輪帯のレンズ面21に対応する楕円錐30の頂点をPとし、その楕円錐30の中心軸をCAとする。そして、各楕円錐30,30,30それぞれについて、頂点P,P,Pを原点として、中心軸CA,CA,CAをz軸とし、z軸に直交する断面における楕円の長径方向に沿ってx軸、短径方向に沿ってy軸を規定した直交座標系を定義する。すると、各楕円錐30,30,30の式は、各直交座標系において、上述の(3)式で表すことができる。なお、図2(a)では、楕円錐30,30,30に内接する双曲面25,25,25をそれぞれ双曲面25,25,25としてある。
一実施例のフレネルレンズ1として、それぞれ楕円錐30の側面の一部からなる6つのレンズ面21を備えたものを例示する。この一実施例のフレネルレンズ1において、6つの楕円錐30のうち中央のレンズ面21に対応するものを楕円錐30、第1輪帯〜第5輪帯それぞれのレンズ面21に対応するものを楕円錐30〜30とする。この一実施例のフレネルレンズ1では、各山部11b以外の部分からなるベース部分の厚みtを0.5mm、各輪帯状レンズ部1bにおいて焦点Fに最も近い点での山部11bの高さ(レンズ段差)Δtを0.05mm、レンズ材料を屈折率が1.53のポリエチレンとした場合、(3)式における係数a,b,cが表1に示す値となる。ただし、表1に示した係数a,b,cは、フレネルレンズ1の第一面10に平行な像面Iから第一面10までの距離を5.5mmとし、入射角が45°で入射する光線を焦点Fに集光させることを前提条件として求めた値である。
Figure 0005914895
また、第一面10上の各点の各々における法線に対して、その法線が交わる第二面20のレンズ面21の中心軸は傾いている。以下では、説明の便宜上、図2(a)のフレネルレンズ1において、第一面10の点A1、A2,B1,B2,C1,C2それぞれにおける法線と第二面20との交点をA1’,A2’、B1’,B2’,C1’,C2’とし、第一面10の点A1、A2,B1,B2,C1,C2それぞれにおける法線をA1−A1’,A2−A2’,B1−B1’,B2−B2’,C1−C1’,C2−C2’と称する。ここにおいて、中央のレンズ面21に交差する法線A1−A1’,A2−A2’と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、中央のレンズ面21に最も近い第1輪帯のレンズ面21に交差する法線B1−B1’,B2−B2’と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、中央のレンズ面21に2番目に近い第2輪帯のレンズ面21に交差する法線C1−C1’,C2−C2’と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθとする。同様に、第3輪帯のレンズ面21に交差する法線と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、第4輪帯のレンズ面21に交差する法線と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、第5輪帯のレンズ面21に交差する法線と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθとすれば、θ〜θは、下記の表2に示す値となる。
Figure 0005914895
表2から、フレネルレンズ1は、第一面10上の各点における法線と、その法線が交わる第二面20の各レンズ面21の中心軸とがなす角度が、外側の輪帯状レンズ部1bほど大きくなることが分かる。
このフレネルレンズ1の焦点Fにおける集光スポットの大きさは、フレネルレンズ1の焦点Fに合わせて配置する光電変換素子の大きさ以下であればよい。本願発明者らは、上述の一実施例のフレネルレンズ1によれば、集光スポットサイズを0.6×0.6mm以下にでき、0.6×0.6mm以下の光電変換素子に効率良く集光可能であることをスポットダイアグラムにより確認している。
本実施形態のフレネルレンズ1では、レンズ厚さ方向に沿った1つの仮想直線を含む断面形状(第一面10の法線を含む断面形状)において、各レンズ面21が直線である。これにより、本実施形態のフレネルレンズ1では、図7に示すようにバイト130を工作物(フレネルレンズ1を直接形成するための基材や、金型を形成するための基材)140に対して傾けて刃の側面を線接触させて切削加工を行うことで、レンズ面21あるいはレンズ面21に応じた曲面の形成が可能となる。したがって、本実施形態のフレネルレンズ1では、フレネルレンズ1やフレネルレンズ1用の金型の製作時においてバイト130による工作物140の加工時間を短縮することが可能となる。フレネルレンズ1の材料であるレンズ材料については、光線の波長などに応じて適宜選択すればよく、例えば、プラスチック(ポリエチレン、アクリル樹脂など)、ガラス、シリコン、ゲルマニウムなどから、適宜選択すればよい。例えば、光線の波長が赤外線の波長域にある場合には、ポリエチレン、シリコン、ゲルマニウムなどを選択すればよく、光線の波長が可視光の波長域に有る場合には、アクリル樹脂、ガラスなどを選択すればよい。また、金型の材料は特に限定するものではないが、例えば、リン青銅などを採用することができる。なお、金型を用いてフレネルレンズ1を成形する場合には、例えば、射出成形法や圧縮成形法などにより成形すればよい。
上述のように、フレネルレンズ1は、第一面10が平面であり、第二面20が複数のレンズ面21を有するものであり、各レンズ面21それぞれが、第二面20側に頂点Pが位置するとともに第一面10側に底面が位置し且つ中心軸がレンズ厚さ方向に対して斜交する楕円錐30の側面の一部により構成されている。ここで、フレネルレンズ1は、第一面10上の各点の法線のうち楕円錐30の側面の一部からなるレンズ面21に交差する任意の法線と、当該任意の法線が交差するレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸とが、非平行である。しかして、このフレネルレンズ1では、外界から第一面10へ斜め入射する入射光を利用する場合に軸外収差の発生を抑制することが可能であり、且つ、低コスト化が可能となる。なお、フレネルレンズ1は、少なくとも各レンズ面21のうちの1つを、楕円錐30の側面の一部により構成することにより、外界から第一面10へ斜め入射する入射光を利用する場合に軸外収差の発生を抑制することが可能であり、且つ、低コスト化が可能となる。
ところで、本実施形態のフレネルレンズ1では、上述のように、像面Iに平行で第一面10に接する基準平面Gに対する輪帯23の境界線23cの投影線Lの対称線Mの中点Qから投影線L上に垂線Vを下ろしたときの2つの交点S、Rを、境界線23cに逆投影した2つの点BS、BRを境として、非レンズ面22の傾きを異ならせてある。
さらに説明すれば、フレネルレンズ1における非レンズ面22は、上述の対称線M及び焦点Fを含む平面Eにおいて、焦点Fに近い側の第1の母線22a1が、境界線と平面Eの交差点と焦点Fとを通る直線T上にある。ここで、本実施形態のフレネルレンズ1と基本構成が略同じで、図4(b)に示すように非レンズ面22が焦点Fに近い側で平面Eにおいて第一面10の1つの点D1の法線H1上にあるものを比較例1のフレネルレンズとする。この比較例1のフレネルレンズでは、レンズ面21のうち隣の輪帯23との境界に近い部位から出射した光線が、当該隣の輪帯23の非レンズ面22に入射して迷光となることがある。これに対して、本実施形態のフレネルレンズ1では、図4(a)に示すように、レンズ面21のうち隣の輪帯23との境界に近い部位から出射した光線が、当該隣の輪帯23の非レンズ面22に入射されるのを抑制することが可能となる。これにより、本実施形態のフレネルレンズ1は、迷光の発生を抑制することが可能となり、且つ、効率を向上させることが可能となる。
また、フレネルレンズ1における非レンズ面22は、焦点Fから遠い側の第2の母線22a2に関して、上述の傾き角θが、上述の(1)式の条件を満たしている。ここで、本実施形態のフレネルレンズ1と基本構成が略同じで、図5(b)に示すように傾き角θが、上述の(1)式の条件を満たさず、上限値よりも大きいものを比較例2のフレネルレンズとする。なお、上述の(1)式から、傾き角θは、レンズ材料を屈折率nが1.53のポリエチレンとした場合、−40.8°以上8.4°以下であればよい。図5(b)では、傾き角θが上限値である8.4°よりも大きくなっており、図5(b)においてハッチングを施した部分が、傾き角θを上限値である8.4°とした場合に比べて減少した部分を示している。比較例2のフレネルレンズは、この減少により、レンズ面21の面積が小さくなり、効率が低下してしまう。また、この比較例2のフレネルレンズでは、レンズ面21の傾き角θが上限値よりも大きいことに起因して非レンズ面22から出射する光線が迷光となってしまう。これに対して、本実施形態のフレネルレンズ1では、図5(a)に示すように、非レンズ面22に入射する光線を全反射させることが可能となり、迷光を減少させることが可能となる。これにより、本実施形態のフレネルレンズ1は、効率を向上させることが可能となり、且つ、迷光の発生を抑制することが可能となる。
また、図6には、傾き角θを−40.8°とした場合を例示してある。この場合には、第一面10に斜め入射する光線が非レンズ面22に入射する可能性を低減することが可能となる。これにより、本実施形態のフレネルレンズ1は、効率を向上させることが可能となり、且つ、迷光の発生を抑制することが可能となる。
本実施形態のフレネルレンズ1は、上述のように、平面Eにおいて、焦点Fに近い側の第1の母線22a1が、境界線と平面Eの交差点と焦点Fとを通る直線T上にあり、焦点Fから遠い側の第2の母線22a2に関して傾き角θが(1)式の条件を満たしている。これにより、本実施形態のフレネルレンズ1では、外界から第一面10へ斜め入射する光線を利用する場合に効率を向上させることが可能で且つ迷光を減少させることが可能となる。
非レンズ面22は、上述の2つの交点S、Rを境界線23cに逆投影した点BS、BRを境として、焦点Fに近い側の領域において、第1の母線22a1から離れるにつれて基準平面Gの法線Hに対する傾きが小さくなっていることが好ましい。この場合、フレネルレンズ1の非レンズ面22は、図3に示すように、焦点Fに近い側の領域において、第1の母線22a1から離れるにつれて母線22aの傾きが連続的に小さくなり、焦点Fから遠い側の領域において、第2の母線22a2以外の母線22aの傾きが第2の母線22a2の傾きと同じになっている。なお、図3中の破線は、各母線22aそれぞれの、像面I側への延長線であり、同図中の一点鎖線は、各延長線それぞれと像面Iとの交点を結んだ線である。
本実施形態のフレネルレンズ1は、上述のように非レンズ面22を、上述の2つの交点S、Rを境界線23cに逆投影した点BS、BRを境として、焦点Fに近い側の領域において、第1の母線22a1から離れるにつれて基準平面Gの法線Hに対する傾きが小さくなる形状とすることにより、レンズ面21の面積が必要以上に減少するのを抑制することが可能となり、光線のけられを減少させることが可能となる。
上述のフレネルレンズ1の応用例としては、例えば、図8に示す構成のセンサ装置がある。このセンサ装置では、プリント配線板からなる回路基板8に、パッケージ4が実装されている。このパッケージ4は、円盤状のステム5と、このステム5に接合される有底円筒状のキャップ6と、このキャップ6の底部に形成された開口部6aを閉塞するように配置され所望の光線を透過する機能を有する光線透過部材7とで構成されている。また、パッケージ4内には、光電変換素子2を保持した素子保持部材(例えば、MID基板など)3が収納されている。そして、センサ装置は、3つのフレネルレンズ1,1’,1からなるマルチレンズを有するカバー部材9が、パッケージ4を覆うように回路基板8の一表面側に配置されている。光電変換素子2としては、例えば、焦電素子などの赤外線センサ素子や、フォトダイオードなどの受光素子などを用いることができる。なお、光電変換素子2として赤外線センサ素子を用いる場合には、光線透過部材7として、シリコン基板やゲルマニウム基板などを用いることが好ましい。
マルチレンズにおける真ん中のフレネルレンズ1’は、第二面20’における各レンズ面21’それぞれを、第二面20’側に頂点(図示せず)が位置するとともに第一面10’側に底面(図示せず)が位置し且つ中心軸が第一面10’の中心の法線に一致する円錐の側面の一部により構成してある。したがって、上述のマルチレンズは、製造コストの低コスト化を図ることが可能となる。また、センサ装置は、光電変換素子2として例えば赤外線センサ素子を用いた場合に、画角の広い赤外線センサを実現することが可能となる。
なお、マルチレンズにおけるフレネルレンズ1,1’の数は、特に限定するものではない。
(実施形態2)
以下では、本実施形態のフレネルレンズについて図9を参照しながら説明する。
本実施形態のフレネルレンズ1は、実施形態1と略同じ基本構成であり、複数のレンズ面21のうち中央のレンズ面21を、回転軸がレンズ厚さ方向に対して斜交し且つ曲率が連続的に変化する非球面である双曲面25の一部としてある点が実施形態1と相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
上述のように、実施形態1のフレネルレンズ1では、複数のレンズ面21の全てを楕円錐30の一部により構成している。しかしながら、複数のレンズ面21の全てを楕円錐30の一部により構成した場合には、中心レンズ部1aのレンズ面21が楕円錐30の頂点Pを含んでしまい、この頂点Pにおいて曲面が不連続となるため、頂点Pを通る光線が焦点Fに集光されいくい。
これに対して、本実施形態のフレネルレンズ1では、複数のレンズ面21のうち中央のレンズ面21、言い換えれば、中心レンズ部1aのレンズ面21を、上述の双曲面25の一部としてある。
しかして、本実施形態のフレネルレンズ1は、実施形態1のフレネルレンズ1に比べて、収差を小さくすることが可能となり、集光性能を向上させることが可能となる。したがって、実施形態1で説明したセンサ装置において、本実施形態のフレネルレンズ1を応用したものは、感度を、より向上させることが可能となる。
本実施形態のフレネルレンズ1では、中心レンズ部1aのレンズ面21を双曲面25の一部により構成することにより、双曲面25以外の非球面の一部により構成する場合に比べて、収差を小さくすることが可能になる。中心レンズ部1aのレンズ面21が双曲面25の一部である場合、フレネルレンズ1用の金型の製作にあたっては、図10(a),(b)に示すようにバイト130のすくい面131をレンズ面21に応じた曲面に対して垂直となるように傾けながら動かすことにより加工できる。この場合は、バイト130のノーズ半径が、双曲面25の曲率半径よりも小さければ加工できるので、中レンズ部1aのレンズ面21が双曲面25の一部であっても加工時間を短縮することが可能となる。
本実施形態のフレネルレンズ1は、中心レンズ部1aのレンズ面21が、双曲面25に限らず、対称軸がレンズ厚さ方向に対して斜交し且つ曲率が連続的に変化する非球面であれば、実施形態1のフレネルレンズ1に比べて、集光性能の向上が可能となる。要するに、フレネルレンズ1は、複数のレンズ面21のうち中央のレンズ面21を、曲率が連続的に変化する非球面の一部とし、第一面10上の各点の法線のうち非球面の一部からなる中央のレンズ面21に交差する任意の法線と、当該任意の法線が交差する中央のレンズ面21に対応する非球面の対称軸(非球面が双曲面25の場合には双曲面25の回転軸OP1)とが、非平行である(つまり、傾いている)ことが好ましい。これにより、フレネルレンズ1は、集光性能を向上させることが可能となる。ここにおいて、フレネルレンズ1は、上述の非球面にとっての対称軸と、中央のレンズ面21を第一面10の中心軸に平行な方向へ投影したときの第一面10での投影領域における各点の法線とが、非平行であればよい。
本実施形態のフレネルレンズ1は、実施形態1のフレネルレンズ1と同様に、楕円錐30と楕円錐30に内接する双曲面25との交線が、山部11bと交わることが望ましい。図9のフレネルレンズ1では、レンズ厚さ方向に直交し(つまり、平面からなる第一面10に平行で)且つ輪帯状レンズ部1bにおける山部11bの谷からの高さが山部11bの最大高さの1/2となる平面15上に、楕円錐30と楕円錐30に内接する双曲面25の交線が存在する。したがって、本実施形態のフレネルレンズ1では、図9(b)に示すように、レンズ面21と平面15との交点上を通る光線を、焦点Fに集光する。
図9のフレネルレンズ1において、中心レンズ部1aのレンズ面21となる双曲面25は、焦点Fを原点、双曲面25の回転軸OP1をz軸とし、z軸にそれぞれ直交するx軸、y軸を有する直交座標系を定義すると、下記の(4)式で表される。
Figure 0005914895
また、各楕円錐30,30は、それぞれ、頂点P,Pを原点として、中心軸CA,CAをz軸とし、z軸に直交する断面における楕円の長径方向に沿ってx軸、短径方向に沿ってy軸を規定した直交座標系を定義すると、上述の(3)式で表すことができる。
一実施例のフレネルレンズ1として、双曲面25の一部からなる中央のレンズ面21と、それぞれ楕円錐30の側面の一部からなる5つのレンズ面21とを備えたものを例示する。この一実施例のフレネルレンズ1において、5つの楕円錐30のうち第1輪帯〜第5輪帯それぞれのレンズ面21に対応するものを楕円錐30〜30とする。この一実施例のフレネルレンズ1では、各山部11b以外の部分からなるベース部分の厚みtを0.5mm、各輪帯状レンズ部1bにおいて焦点Fに最も近い点での山部11bの高さ(レンズ段差)Δtを0.05mm、レンズ材料を屈折率が1.53のポリエチレンとした場合、(4)式または(3)式における係数a,b,cが表3に示す値となる。ここで、表3は、双曲面25について、(4)式におけるa,b,cの値を記載してあり、楕円錐30〜30について、(3)式におけるa,b,cの値を記載してある。ただし、表3に示した係数a,b,cは、フレネルレンズ1の第一面10に平行な像面Iから第一面10までの距離を5.5mmとし、入射角が45°で入射する光線を焦点Fに集光させることを前提条件として求めた値である。
Figure 0005914895
第一面10に対して入射角が45°で入射する光線を焦点Fに集光させる場合、中心レンズ部1aの双曲面25の回転軸OP1と第一面10の法線とのなす角度は、スネルの法則により、27.5°とすればよい。すなわち、回転軸OP1は、第一面10の法線に対して27.5°だけ傾ければよい。また、第一面10上の各点の各々における法線に対して、その法線が交わる第二面20のレンズ面21の中心軸は傾いている。中央のレンズ面21に最も近い第1輪帯のレンズ面21に交差する法線B1−B1’,B2−B2’と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、中央のレンズ面21に2番目に近い第2輪帯のレンズ面21に交差する法線C1−C1’,C2−C2’と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθとする。同様に、第3輪帯のレンズ面21に交差する法線と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、第4輪帯のレンズ面21に交差する法線と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、第5輪帯のレンズ面21に交差する法線と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθとすれば、θ〜θは、下記の表4に示す値となる。
Figure 0005914895
表4から、フレネルレンズ1は、第一面10上の各点における法線と、その法線が交わる第二面20の各レンズ面21の中心軸とがなす角度が、外側の輪帯状レンズ部1bほど大きくなることが分かる。
本願発明者らは、本実施例のフレネルレンズ1によれば、実施形態1で説明した実施例のフレネルレンズ1に比べて収差を小さくできることを、スポットダイアグラムにより確認している。
なお、フレネルレンズ1は、複数の輪帯状レンズ部1bのうちの少なくとも1つの輪帯状レンズ部1bのレンズ面21を、楕円錐30の側面の一部により構成することにより、外界から第一面10へ斜め入射する入射光を利用する場合に軸外収差の発生を抑制することが可能であり、且つ、低コスト化が可能となる。
(実施形態3)
以下では、本実施形態のフレネルレンズ1について図11を参照しながら説明する。本実施形態のフレネルレンズ1は、実施形態2と略同じ基本構成であり、第一面10が第二面20側とは反対側に凸となる曲面である点が実施形態2と相違する。なお、本実施形態のフレネルレンズ1では、第一面10が曲率半径の大きな球面の一部からなるが、球面の一部に限定するものではない。
ところで、実施形態2のフレネルレンズ1では、レンズ材料としてポリエチレンを採用した場合、第一面10が平面であるため、射出成形の冷却、固化過程で生じる収縮むらなどにより、ひけ(sink mark)や、うねりが発生し、外観が損なわれてしまう懸念がある。また、例えば図8に示した構成のセンサ装置をテレビやエアコンなどの機器に搭載する場合、フレネルレンズ1は、機器の外観の一部をなすので、機器のデザイン性を損なわないために、第一面10を、機器の表面における第一面10の周辺部と略面一となる形状とすることが好ましい。
そこで、レンズ材料としてポリエチレンを採用し射出成形により製作する場合、フレネルレンズ1の第一面10は、図11に示すように、曲率半径が大きな曲面(曲率が小さな曲面)とすることが好ましい。この場合、レンズ厚さ方向は、第一面10上の各点の各々における法線方向である。本実施形態のフレネルレンズ1では、第一面10を、第二面20側とは反対側に凸となる曲面とすることにより、うねりの方向を一方向に抑制することが可能となり、外観が損なわれるのを防止することが可能となる。なお、フレネルレンズ1は、第一面10を、非球面である双曲面25の一部からなる中央のレンズ面21よりも曲率半径が大きく且つ双曲面25とは反対側に凸となるなだらかな曲面とすることが好ましい。いずれにしても、本実施形態のフレネルレンズ1では、基準平面Gが第一面10の一点と接することになる。
本実施形態のフレネルレンズ1では、軸外収差が許容値を超えない範囲(光電変換素子の大きさ以下)で、第一面10の曲率を設計すれば、レンズ材料がポリエチレンの場合でも、軸外収差の発生を抑制しつつ、ひけや、うねりの発生を抑制することが可能となる。さらに、フレネルレンズ1の外観面となる第一面10を、機器の表面における第一面10の周辺部と同じ曲率とすれば、機器のデザイン性を高めることが可能となる。
本実施形態のフレネルレンズ1では、実施形態2と同様に、中心レンズ部1aのレンズ面21が双曲面25の一部により構成されているが、実施形態2の一実施例と同様に双曲面25の回転軸OP1を27.5°だけ傾けた場合、45°の入射角で入射する光線に対して軸外収差が大きくなる。そこで、本実施形態のフレネルレンズ1のように、第一面10が球面の一部からなる場合には、さらに、双曲面25の回転軸OP1を、この双曲面25に関して実施形態1において定義した直交座標系のxz面内で双曲面25の頂点Pxのまわりに回転して傾けることにより、軸外収差を小さくすることが可能となる。
本実施形態のフレネルレンズ1は、実施形態1のフレネルレンズ1及び実施形態2のフレネルレンズ1と同様に、楕円錐30と楕円錐30に内接する双曲面25の交線が、山部11bと交わることが望ましい。図11のフレネルレンズ1では、輪帯状レンズ部1bにおける山部11bの谷からの高さが山部11bの最大高さの1/2となる平面15上に、楕円錐30と楕円錐30に内接する双曲面25との交線が存在する。したがって、本実施形態のフレネルレンズ1では、図11(b)に示すように、レンズ面21と平面15との交点上を通る光線を、焦点Fに集光する。
図11のフレネルレンズ1において、中心レンズ部1aの双曲面25は、双曲面25の焦点を原点、回転軸OP1をz軸とし、z軸にそれぞれ直交するx軸、y軸を有する直交座標系を定義すると、上述の(4)式で表される。また、各楕円錐30,30は、それぞれ、頂点P,Pを原点として、中心軸CA,CAをz軸とし、z軸に直交する断面における楕円の長径方向に沿ってx軸、短径方向に沿ってy軸を規定した直交座標系を定義すると、上述の(3)式で表すことができる。
一実施例のフレネルレンズ1として、双曲面25の一部からなる中央のレンズ面21と、それぞれ楕円錐30の側面の一部からなる5つのレンズ面21とを備えたものを例示する。この一実施例のフレネルレンズ1において、5つの楕円錐30のうち第1輪帯〜第5輪帯それぞれのレンズ面21に対応するものを楕円錐30〜30とする。この一実施例のフレネルレンズ1では、第一面10を曲率半径が100mmの球面の一部とし、山部11b以外の部分からなるベース部分の最小高さtを0.5mm、各輪帯状レンズ部1bにおいて焦点Fに最も近い点での山部11bの高さ(レンズ段差)Δtを0.05mm、レンズ材料を屈折率が1.53のポリエチレンとした場合、(4)式または(3)式における係数a,b,cが表5に示す値となる。ここで、表5は、双曲面25について、(4)式におけるa,b,cの値を記載してあり、楕円錐30〜30について、(3)式におけるa,b,cの値を記載してある。ただし、表5に示した係数a,b,cは、フレネルレンズ1の像面Iから像面Iに平行で第一面10に接する平面までの距離を5.5mm、とし、入射角が45°で入射する光線を焦点Fに集光させることを前提条件として求めた値である。
Figure 0005914895
ここにおいて、フレネルレンズ1は、中心レンズ部1aのレンズ面21に対応する双曲面25に関して、実施形態2の中心レンズ部1aの双曲面25の回転軸OP1を、上述のxz面内で双曲面25の頂点Pxのまわりに2.5°だけ回転して傾けることにより、軸外収差を小さくすることができる。また、第一面10上の各点における法線は、第一面10の曲率中心に向かっており、その法線が交わる第二面20の各レンズ面21の中心軸CA,CAとは傾いている。像面Iの法線と第1輪帯のレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、像面Iと第2輪帯のレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθとする。同様に、像面Iの法線と第3輪帯のレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、像面Iの法線と第4輪帯のレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、像面Iの法線と第5輪帯のレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθとすれば、θ〜θは、下記の表6に示す値となる。
Figure 0005914895
本願発明者らは、本実施例のフレネルレンズ1によれば、実施形態2で説明した実施例のフレネルレンズ1と同等に収差を小さくできることを、スポットダイアグラムにより確認している。
1 フレネルレンズ
10 第一面
20 第二面
21 レンズ面
22 非レンズ面
22a1 第1の母線
22a2 第2の母線
23 輪帯
23c 境界線
BS 点
BR 点
D 点
E 平面
G 基準平面
H 法線
L 投影線
M 対称線
Q 中点
S 交点
R 交点
T 直線
θ 傾き角

Claims (2)

  1. 第一面とは反対側の第二面がレンズ面と非レンズ面とからなる複数の輪帯を有するフレネルレンズであって、前記レンズ面が、楕円錐の側面の一部からなり、前記第一面上の各点の法線のうち前記楕円錐の側面の一部からなる前記レンズ面に交差する任意の法線と、当該任意の法線が交差する前記レンズ面に対応する前記楕円錐の中心軸とが、非平行であり、像面に平行で前記第一面に接する基準平面に対する前記輪帯の境界線の投影線の対称線の中点から投影線上に垂線を下ろしたときの2つの交点を、前記境界線に逆投影した2つの点を境として、前記非レンズ面は、前記対称線及び焦点を含む平面において、前記焦点に近い側の第1の母線が、前記境界線と前記平面との交差点と、前記焦点と、を通り前記基準平面に斜交する直線上にあり、外側の前記輪帯ほど前記第1の母線と前記基準平面の法線とのなす角度が小さく、前記焦点から遠い側の第2の母線に関して、レンズ材料の屈折率をn、前記平面内での前記基準平面上の各点のうち前記境界線と前記平面との交差点に最も近い点での前記基準平面の法線に対して前記焦点側とは反対側への傾き角をθ〔rad〕とすると、
    Figure 0005914895
    の条件を満たしていることを特徴とするフレネルレンズ。
  2. 前記非レンズ面は、前記逆投影した2つの点を境として、前記焦点に近い側の領域では、前記第1の母線から離れるにつれて前記基準平面の法線に対する傾きが小さくなっていることを特徴とする請求項1記載のフレネルレンズ。
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