JP5914380B2 - 電池用包装材料 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁性が高く、耐久性に優れた電池用包装材料に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されている。これらの電池において、電極、電解質などにより構成される電池素子は、包装材料などにより封止される必要がある。電池用包装材料としては、金属製の包装材料が多用されている。
近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パーソナルコンピュータ、カメラ、携帯電話などの高性能化に伴い、多様な形状を有する電池が求められている。また、電池には、薄型化、軽量化なども求められている。しかしながら、従来多用されている金属製の包装材料では、電池形状の多様化に追従することが困難である。また、金属製であるため、包装材料の軽量化にも限界がある。
そこで、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、基材層/金属層/シーラント層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている。
例えば、特許文献1には、外側層としての2軸延伸ポリアミドフィルム層と、内側層としての熱可塑性樹脂未延伸フィルム層と、これら両フィルム層間に配設されたアルミニウム箔層とを含む電池ケース用包材が開示されている。
特開2008−287971号公報
しかしながら、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、特許文献1に開示されたような電池用包装材料では、電池用包装材料を電池に適用した場合、絶縁性が低下する場合があるという新たな課題が見出された。
そこで、本発明者がさらに鋭意検討を重ねた結果、電池の製造工程において、電極活物質や電極タブの破片などの微小な異物が、シーラント層の表面に付着する場合があり、電池素子を電池用包装材料でヒートシールする際の熱と圧力によって、シーラント層の異物が付着した部分が薄肉になる場合があることが明らかとなった。例えば、シーラント層同士がヒートシールされる部分などにおいて、シーラント層が薄肉になると、電池用包装材料の絶縁性が不十分となる場合があるという問題がある。
さらに、電極活物質や電極タブの破片などの微小な異物は、一般に導電性を有する。電極タブとシーラント層との間に導電性の異物が存在する場合、ヒートシール時の熱と圧力によって、異物がシーラント層を貫通すると、電極タブと電池用包装材料の金属層とが電気的に接続されて短絡するおそれがある。
本発明は、これらの問題に鑑みなされた発明である。すなわち、本発明は、電極活物質や電極タブの破片などの微小な異物が、シーラント層同士の界面や電極タブとシーラント層との間などのヒートシールされる部分に存在する場合にも、高い絶縁性を有する電池用包装材料を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、電池用包装材料を、少なくとも、基材層と、金属層と、絶縁層と、シーラント層とがこの順に積層された積層体により構成し、さらに、絶縁層を、不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとで変性された変性ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物により形成することにより、絶縁性の高い電池包装用材料が得られることを見出した。さらに、当該電池用包装材料では、絶縁層と金属層またはシーラント層との接着性が高く、耐久性に優れることも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の電池用包装材料、その製造方法、及び電池を提供する。
項1. 少なくとも、基材層と、金属層と、絶縁層と、シーラント層とがこの順に積層された積層体からなり、
絶縁層は、不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとで変性された変性ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物により形成されてなる、電池用包装材料。
項2. 変性ポリプロピレン系樹脂は、ホモポリプロピレン及びプロピレン共重合体の少なくとも一方のプロピレン系樹脂が、不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとで変性されて形成されたものである、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 絶縁層の厚みが、0.1μm〜20μmである、項1または2に記載の電池用包装材料。
項4. 樹脂組成物が、硬化剤をさらに含む、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 硬化剤は、多官能イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物及びオキサゾリン化合物からなる群から選択された少なくとも1種を含む、項4に記載の電池用包装材料。
項6. 硬化剤は、2種類以上の化合物により構成されている、項4または5に記載の電池用包装材料。
項7. 樹脂組成物において、前記硬化剤の含有量は、前記変性ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部の範囲にある、項4〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
項8. 金属層がアルミニウム箔により形成されている、項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
項9. 正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料により封止されてなる、電池。
項10. 少なくとも、基材層と、金属層と、絶縁層と、シーラント層とをこの順に積層して積層体を得る工程を備え、
前記工程において、不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとで変性された変性ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物から絶縁層を形成する、項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料の製造方法。
項11. 前記工程後に、積層体をシーラント層の融点以上の温度で加熱する工程をさらに備える、項10に記載の製造方法。
本発明の電池用包装材料によれば、電極活物質や電極タブの破片などの微小な異物が、シーラント層同士の界面や電極タブとシーラント層との間などのヒートシールされる部分に存在する場合にも、絶縁性が高い電池用包装材料を提供することができる。さらに、本発明の電池用包装材料は、絶縁層と金属層またはシーラント層との接着性が高いため、耐久性にも優れている。すなわち、本発明の電池用包装材料によって電池素子を封止することにより、電池の絶縁性を高めることができ、さらに電池の耐久性を向上させることができる。
本発明に係る電池用包装材料の一例の略図的断面図である。 本発明に係る電池用包装材料の一例の略図的断面図である。 本発明に係る電池用包装材料の一例の略図的断面図である。 本発明に係る電池用包装材料の一例の略図的断面図である。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層と、金属層と、絶縁層と、シーラント層とがこの順に積層された積層体からなり、絶縁層が、不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとで変性された変性ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物により形成されてなることを特徴とする。以下、図1〜4を参照しながら、本発明の電池用包装材料、その製造方法、及び電池素子が本発明の電池用包装材料により封止された本発明の電池について詳述する。
1.電池用包装材料の積層構造
本発明の電池用包装材料は、例えば図1に示されるように、少なくとも、基材層1、金属層2、絶縁層3、及びシーラント層4がこの順に積層された積層体からなる。電池用包装材料において、基材層1が最外層となり、シーラント層4は最内層になる。すなわち、電池の組み立て時に、電池用包装材料のシーラント層4が電池の内側となるようにして、電池用包装材料で電池素子を包み込み、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士を熱溶着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層1、金属層2、絶縁層3、及びシーラント層4を備えていればよく、さらに他の層を有していてもよい。例えば、後述の通り、本発明の電池用包装材料において、例えば図2に示されるように、基材層1と金属層2との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層5が設けられていてもよい。また、例えば図3に示されるように、金属層2と絶縁層3との間に、電池用包装材料の端面からの水分透過性を抑え、電池の耐久性を向上させるために、必要に応じて水分バリア樹脂層6が設けられていてもよい。また、例えば図4に示されるように、絶縁層3とシーラント層4との間に水分バリア樹脂層6が設けられてもよい。さらに、基材層1の外側には、例えば意匠性を付与することなどを目的として、他の層がさらに形成されていてもよい。
2.電池用包装材料を形成する各層の組成
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は、電池を組み立てた時に、最外層を構成する層である。基材層1を形成する素材は、絶縁性を備えるものであれば特に制限されない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、珪素樹脂、フェノール樹脂、及びこれらの混合物や共重合物などの樹脂フィルムが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネートなどが挙げられる。また、ポリアミド樹脂としては、具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などが挙げられる。基材層1を形成する素材としては、これらの中でも、好ましくはナイロン、ポリエステル、さらに好ましくは2軸延伸ナイロン、2軸延伸ポリエステル、特に好ましくは2軸延伸ナイロンが挙げられる。
基材層1は、1層の樹脂フィルムから形成されていてもよく、2層以上の多層樹脂フィルムから形成されていてもよい。基材層1が多層樹脂フィルムにより形成されている場合には、本発明の電池用包装材料の耐ピンホール性や絶縁性を向上し得る。基材層1を多層の樹脂フィルムで形成する場合、2以上の樹脂フィルムは、例えば、接着剤などを介して積層させることができる。このとき使用される接着剤の種類、量などについては、後述する接着層5の場合と同様とすることができる。
基材層1の厚みは、特に制限されないが、例えば、5μm〜50μm程度、好ましくは12μm〜30μm程度とすることができる。
[金属層2]
本発明の電池用包装材料において、金属層2は、電池用包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止するためのバリア層として機能する層である。金属層2を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタンなどが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。金属層2は、金属箔や金属蒸着などにより形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔により形成することがさらに好ましい。電池用包装材料の製造時に、金属層2にしわやピンホールが発生することを防止する観点からは、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O、JIS A8079P−O)など軟質アルミニウム箔により形成することが特に好ましい。
金属層2の厚みは、特に制限されないが、例えば、10μm〜200μm程度、好ましくは20μm〜100μm程度とすることができる。
また、金属層2は、接着の安定化、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも一方の面、好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、金属層の表面に耐酸性皮膜を形成する処理をいう。化成処理としては、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどのクロム酸化合物を用いたクロム酸クロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などのリン酸化合物を用いたリン酸クロメート処理;下記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理などが挙げられる。
一般式(1)〜(4)中、Xは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基またはベンジル基を示す。また、R1及びR2は、それぞれ同一または異なって、ヒドロキシル基、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)〜(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシル基またはヒドロキシアルキル基であることが好ましい。一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500〜100万であることが好ましく、1000〜2万程度であることがより好ましい。
また、金属層2に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、金属層2の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層をさらに形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト共重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールなどが挙げられる。これらのカチオン性ポリマーとしては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤などが挙げられる。これらの架橋剤としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
化成処理は、1種類の化成処理のみを行ってもよいし、2種類以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。さらに、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。化成処理の中でも、クロム酸クロメート処理や、クロム酸化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせたクロメート処理などが好ましい。
化成処理において金属層2の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えば、上記のクロメート処理を行う場合であれば、金属層2の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、リン化合物がリン換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、及びアミノ化フェノール重合体が約1mg〜約200mg、好ましくは約5.0mg〜150mgの割合で含有されていることが望ましい。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、金属層の表面に塗布した後に、金属層の温度が70℃〜200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、金属層に化成処理を施す前に、予め金属層を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、金属層の表面の化成処理をより効率的に行うことが可能となる。
[絶縁層3]
本発明において、絶縁層3は、金属層2とシーラント層4との間に設けられる層である。絶縁層3は、不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとで変性された変性ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物により形成される。変性ポリプロピレン系樹脂は、不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとを併用して、ポリプロピレン系樹脂を酸変性することにより得られるものである。本発明の電池用包装材料においては、金属層2とシーラント層4との間に、このような特定の樹脂組成物により形成された絶縁層3が設けられているため、電極活物質や電極タブの破片などの微小な異物が電池素子とシーラント層との間に存在する場合にも、電池用包装材料の絶縁性や耐久性が高められている。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、「アクリル酸エステル」または「メタアクリル酸エステル」を意味する。
絶縁層3は、2層以上の多層構造としてもよい。これにより、シーラント層4と共に第1の絶縁層に薄肉部分や貫通孔が形成された場合にも、第2、第3の絶縁層で絶縁性を保つことができる。
変性されるポリプロピレン系樹脂は、少なくともモノマー単位としてプロピレンを含む樹脂であれば、特に限定されない。ポリプロピレン系樹脂は、例えば、ホモポリプロピレン及びプロピレン共重合体の少なくとも一方により構成することができる。プロピレン共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体などのプロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。プロピレン共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。また、プロピレン共重合体は、結晶性、非晶性のいずれであってもよく、これらの共重合物または混合物であってもよい。ポリプロピレン系樹脂は、1種類のホモポリマーまたは共重合体により形成されていてもよいし、2種類以上のホモポリマーまたは共重合体により形成されていてもよい。
ポリプロピレン系樹脂に含まれるプロピレン単位の割合は、電池用包装材料の絶縁性や耐久性をより高める観点から、50モル%〜100モル%程度とすることが好ましく、80モル%〜100モル%程度とすることがより好ましい。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。また、酸無水物としては、上記例示した不飽和カルボン酸の酸無水物が好ましく、無水マレイン酸および無水イタコン酸がより好ましい。変性ポリプロピレン系樹脂は、1種類の不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性されたものであってもよいし、2種類以上の不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性されたものであってもよい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数が1〜30のアルコールとのエステル化物、好ましくは(メタ)アクリル酸と炭素数が1〜20のアルコールとのエステル化物が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。変性ポリプロピレン系樹脂は、1種類の(メタ)アクリル酸エステルで変性されたものであってもよいし、2種類以上の(メタ)アクリル酸エステルで変性されたものであってもよい。
変性ポリプロピレン系樹脂中における不飽和カルボン酸またはその酸無水物の割合は、0.1質量%〜30質量%程度であることが好ましく、0.1質量%〜20質量%程度であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、電池用包装材料の絶縁性や耐久性をより高め得る。
また、変性ポリプロピレン系樹脂中における(メタ)アクリル酸エステルの割合は、0.1質量%〜40質量%程度であることが好ましく、0.1質量%〜30質量%程度であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、電池用包装材料の絶縁性や耐久性をより高め得る。
なお、上記の変性ポリプロピレン系樹脂中の不飽和カルボン酸またはその酸無水物の割合及び(メタ)アクリル酸エステルの割合は、1H−NMR分析によって求めることができる。
変性ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量は、6000〜200000程度であることが好ましく、8000〜150000程度であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、金属層2とシーラント層4に対する絶縁層3の親和性を安定化できるため、金属層2とシーラント層4の接着性を長期に安定化させることができる。さらに、耐熱性も向上させることができるため、電池用包装材料の絶縁性や耐久性をより高め得る。なお、変性ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量は、標準サンプルとしてポリスチレンを用いた条件で測定された、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値である。また、変性ポリプロピレン系樹脂の融点は、それぞれ、60℃〜160℃程度であることが好ましく、70℃〜140℃程度であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、金属層2とシーラント層4に対する絶縁層3の親和性を安定化できるため、金属層2とシーラント層4の接着性を長期に安定化させることができる。さらに、耐熱性も向上させることができるため、電池用包装材料の絶縁性や耐久性をより高め得る。なお、本発明において、変性ポリオレフィン樹脂の融点とは、示差走査熱量測定における吸熱ピーク温度をいう。
ポリプロピレン系樹脂を変性する方法は、特に限定されず、不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとがポリプロピレン系樹脂と共重合されていればよい。このような共重合としては、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられ、好ましくはグラフト共重合が挙げられる。
上述の通り、電池の製造工程において、電極活物質や電極タブの破片などの微小な異物が、シーラント層の表面に付着する場合があり、これによって、シーラント層に薄肉部分や貫通孔が生じ、電池用包装材料の絶縁性が低下する虞がある。これに対して、本発明の電池用包装材料においては、上記のような変性ポリプロピレン系樹脂から形成され、ヒートシール時などの熱が加わったときの高い耐熱機械的強度を有し、柔軟性も高く、屈曲などの応力による微細クラックの発生を抑制できる絶縁層3が形成されている。このため、シーラント層4において、薄肉部分で発生し易い微細クラック、異物などによる貫通孔、電解液を噛み込んだ状態でヒートシールされた場合に発生するシーラント層の発泡による空隙などが形成された場合にも、絶縁層3によって電解液が直接金属層と接触することが防止でき、金属層2が保護される。また、シーラント層4が異物などを噛み込んだ時なども、耐熱性が高く、機械的強度と柔軟性も高い絶縁層3によって、異物による電池用包装材料の絶縁性低下を防止できる。さらに、本発明において、絶縁層3は、金属層2やシーラント層4との親和性が高いため、絶縁層3と金属層2またはシーラント層4との接着性が高く、耐久性に優れる。
絶縁層3を形成する樹脂組成物は、硬化剤をさらに含んでいてもよい。樹脂組成物が硬化剤を含むことにより、絶縁層3の機械的強度を高めることができる。
硬化剤は、上記の変性ポリプロピレン系樹脂を硬化させるものであれば、特に限定されない。硬化剤としては、例えば、多官能イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば、特に限定されない。多官能イソシアネート化合物の具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらをポリマー化やヌレート化したもの、これらの混合物や他ポリマーとの共重合物などが挙げられる。
カルボジイミド化合物は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に限定されない。カルボジイミド化合物としては、カルボジイミド基を少なくとも2つ以上有するポリカルボジイミド化合物が好ましい。特に好ましいカルボジイミド化合物の具体例としては、下記一般式(5):
[一般式(5)において、nは2以上の整数である。]
で表される繰り返し単位を有するポリカルボジイミド化合物、
下記一般式(6):
[一般式(6)において、nは2以上の整数である。]
で表される繰り返し単位を有するポリカルボジイミド化合物、
及び下記一般式(7):
[一般式(7)において、nは2以上の整数である。]
で表されるポリカルボジイミド化合物が挙げられる。一般式(4)〜(7)において、nは、通常30以下の整数であり、好ましくは3〜20の整数である。
エポキシ化合物は、少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂が挙げられる。
オキサゾリン化合物は、オキサゾリン骨格を有する化合物であれば、特に限定されない。オキサゾリン化合物としては、具体的には、日本触媒社製のエポクロスシリーズなどが挙げられる。
絶縁層3の機械的強度を高めるなどの観点から、硬化剤は、2種類以上の化合物により構成されていてもよい。
樹脂組成物において、硬化剤の含有量は、変性ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部の範囲にあることが好ましく、0.1質量部〜30質量部の範囲にあることがより好ましい。また、樹脂組成物において、硬化剤の含有量は、変性ポリプロピレン系樹脂中のカルボキシル基1当量に対して、硬化剤中の反応基として1当量〜30当量の範囲にあることが好ましく、1当量〜20当量の範囲にあることがより好ましい。これにより、電池用包装材料の絶縁性や耐久性をより高め得る。
絶縁層3の厚みは、電池用包装材料に適した厚みであれば特に限定されないが、例えば、0.1μm〜20μm程度、好ましくは0.5μm〜15μm程度とすることができる。本発明の電池用包装材料は、電池の形状に合わせて種々の形状に成型されるため、ある程度の柔軟性も求められている。電池用包装材料において、絶縁層3の厚みをこのような範囲とすることにより、電池用包装材料の柔軟性を保持しつつ、絶縁性や耐久性をより高め得る。また、絶縁層3の融点は、後述のシーラント層4の融点よりも低いことが好ましい。このことで、シール時にかかるシーラント層4の応力を緩和することができ、シーラント層4の薄膜化による絶縁性低下を防止することができる。なお、本発明において、絶縁層の融点とは、絶縁層を構成する成分の融点を意味する。絶縁層が樹脂組成物により形成されている場合には、絶縁層の融点とは、当該樹脂組成物の示差走査熱量測定における吸熱ピーク温度をいう。
さらに、絶縁層3にオレフィン系ゴム様添加剤や炭化水素系蝋を添加することにより、絶縁層3により高い柔軟性を持たせ、圧縮時の応力分散による異物噛み込み時のつぶれの抑制や、延伸時の微細クラック防止などが可能となる。オレフィン系ゴム様添加剤としては、三井化学のタフマーP、タフマーA、タフマーH、タフマーXM、タフマーBL、タフマーPNや、住友化学のタフセレン等のαオレフィンコポリマー等が挙げられる。また、炭化水素系蝋としてはパラフィン等が挙げられる。
[シーラント層4]
本発明の電池用包装材料において、シーラント層4は、電池を組み立てた時に、本発明の電池用包装材料の最内層を構成する層である。電池の組み立て時に、シーラント層4の表面同士を互いに接触させ、接触した部分を熱溶着して電池素子を密封することができる。
シーラント層4を形成するための樹脂成分は、シーラント層4同士が互いに熱溶着可能となるものであれば、特に限定されない。このような樹脂成分としては、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンなどが挙げられる。
ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)などの結晶性または非晶性のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマーなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、ポリエチレン及びポリプロピレンが好ましい。
環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体である。オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。また、環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネンなどの環状アルケン;シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエンなどの環状ジエンなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、環状アルケンが好ましく、ノルボルネンがさらに好ましい。
カルボン酸変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィンをカルボン酸で変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β―不飽和カルボン酸またはその酸無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β―不飽和カルボン酸またはその酸無水物をブロック共重合またはグラフト共重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンは、上記の環状ポリオレフィンと同様とすることができる。また、変性に使用されるカルボン酸としては、上記の酸変性シクロオレフィンコポリマーの変性に用いられるものと同様とすることができる。
これらの樹脂成分の中でも、好ましくは結晶性または非晶性のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、及びこれらのブレンドポリマー;さらに好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとノルボルネンの共重合体、及びこれらの中の2種類以上のブレンドポリマーが挙げられる。
シーラント層4は、1種類の樹脂成分のみから形成されていてもよく、2種類以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーから形成されていてもよい。さらに、シーラント層4は、1層のみで形成されていてもよく、同一または異なる樹脂成分によって2層以上により形成されていてもよい。
シーラント層4の厚みは、特に制限されないが、例えば、2μm〜2000μm程度、好ましくは5μm〜1000μm程度、さらに好ましくは10μm〜500μmとすることができる。
[接着層5]
本発明の電池用包装材料においては、基材層1と金属層2とを強固に接着させることなどを目的として、基材層1と金属層2との間に接着層5をさらに設けてもよい。
接着層5は、基材層1と金属層2とを接着可能な接着剤成分によって形成される。接着層5の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。また、接着層5の形成に使用される接着剤成分の接着機構についても、特に限定されず、例えば、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型などが挙げられる。
接着層5の形成に使用できる接着剤成分の具体的としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミドなどのポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂などのアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴム;シリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの接着剤成分は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
接着層5の厚みは、特に制限されないが、例えば、1μm〜40μm程度とすることが好ましく、2μm〜30μm程度とすることがより好ましい。
[水分バリア樹脂層6]
本発明の電池用包装材料においては、金属層2と絶縁層3との間及び絶縁層3とシーラント層4との間の少なくとも一方に水分バリア樹脂層6を設けることにより、電池用包装材料の耐湿性をさらに向上させることができる。すなわち、電池用包装材料を水分が透過して、電解質などが劣化することをより効果的に抑制し得る。
水分バリア樹脂層6を構成する素材は、電池用包装材料の耐湿性を向上することができるものであれば特に限定されない。水分バリア樹脂層6は、例えば、フッ素系樹脂などにより形成することができる。水分バリア樹脂層6は、好ましくは水酸基を含有するフッ素含有共重合体と該フッ素含有共重合体と反応する硬化剤とにより形成される。これにより、金属層2と絶縁層3および絶縁層3とシーラント層4との接着性を長期に安定化させることができるとともに、耐熱を向上させることができるため、電池用包装材料の絶縁性や耐久性をより高め得る。
水酸基を含有するフッ素含有共重合体としては、特に制限されないが、例えば、有機溶剤に可溶で、分子中の架橋部位としてアルコール性水酸基(OH基)を有するものなどが挙げられる。
このようなフッ素含有共重合体としては、例えば、
1)式:CF2=CFX〔式中、Xはフッ素原子、水素原子、またはトリフルオロメチル基である〕で表されるフルオロオレフィン単量体、
2)式:CH2=CR(CH2)〔式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基である〕で表されるβ−メチル置換α−オレフィン単量体、
3)式:CH2=CHR1〔式中、R1は−OR2又は−CH2OR2(但し、R2は水酸基を有するアルキル基)である〕で表される水酸基含有単量体、
4)架橋性官能基を有さず、かつ、前記単量体1)、2)、3)と共重合し得る他の単量体から導かれるフッ素含有共重合体などを挙げることができる。
フルオロオレフィン単量体としては、例えば、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等を挙げることができる。また、β−メチル置換α−オレフィン単量体としては、例えば、イソブチレン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン等を挙げることができる。また、水酸基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル等を挙げることができる。フルオロオレフィン単量体は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
また、フルオロオレフィン単量体、β−メチル置換α−オレフィン単量体、水酸基含有単量体と共重合し得る他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,(イソ)酪酸ビニル,カプロン酸ビニル,ラウリン酸ビニル,ステアリン酸ビニル,安息香酸ビニル,キサフルオロプロピオン酸ビニル,リフルオロ酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、マレイン酸又はフマル酸ジメチル,ジエチル,ジプロピル,ジブチル,ジトリフルオロメチル,ジトリフルオロメチル,ジヘキサフルオロプロピルなどのマレイン酸又はフマル酸のジエステル、メチルビニルエーテル,エチルビニルエーテル,n−プロピルビニルエーテル,iso−ブチルビニルエーテル,tert−ブチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、シクロペンチルビニルエーテル,シクロヘキシルビニルエーテルなどのシクロアルキルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル等の芳香族基を有するビニルエーテル類、あるいは、パーフルオロエチルビニルエーテル,パーフルオロプロピルビニルエーテル等のフルオロアルキルビニルエーテル類等の他に、クロトン酸、ビニル酢酸、マレイン酸、スチレン等を挙げることができる。これらの他の単量体は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
水酸基を有するフッ素含有共重合体は、例えば、上記式1)〜4)の単量体を乳化重合、溶液重合、懸濁重合等の周知の方法で共重合することにより得ることができる。水酸基を有するフッ素含有共重合体は、例えば、標準サンプルとしてポリスチレンを用いたGPCで測定される数平均分子量が1,000〜500,000程度、好ましくは3,000〜100,000程度のものが用いられる。
また、硬化剤としては、架橋部位である水酸基との反応性の高い有機ポリイソシアネート化合物が適当であり、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、n−ペンタン−1,4−ジイソシアネート、これらの三量体、これらのアダクト体やビューレット体、これらの重合体で2個以上のイソシアネート基を有するもの、さらに、ブロック化されたイソシアネート類等を挙げることができる。有機ポリイソシアネート化合物は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
例えば、このような水酸基を含有するフッ素含有共重合体と硬化剤とを反応させることにより、フッ素系接着剤の硬化物で構成される水分バリア樹脂層6を形成することができる。例えば、フッ素含有共重合体を溶媒に溶解し、該フッ素含有共重合体中の水酸基(−OH基)1当量に対して0.3当量以上、好ましくは0.5〜2.0当量となるように上記硬化剤を添加するのが適当である。0.3当量未満の場合は、積層強度が低くなる場合があり、また、2.0当量超の場合は未反応のイソシアネート基が多量に残存し、積層強度が低下する場合がある。
水分バリア樹脂層6の厚みは、特に制限されないが、例えば、0.1μm〜20μm程度とすることが好ましく、0.5μm〜15μm程度とすることがより好ましい。
また、絶縁層3とシーラント層4との間に水分バリア樹脂層6を形成する場合、絶縁層3の厚みは、絶縁層3とシーラント層4とを直接積層する場合と比較して、薄くすることが好ましく、例えば、絶縁層3の厚みは1μm以下とすることがより好ましい。これにより、シール時に水分バリア樹脂層6にかかる応力を金属層2と絶縁層3とに分散することができ、水分バリア樹脂層6の割れを防ぎ、電池用包装材料の耐湿性をより高め得る。
3.電池用包装材料の製造方法
本発明の電池用包装材料の製造方法は、所定の組成の各層を積層させた上記の積層体が得られる限り、特に制限されないが、例えば、以下の方法を例示することができる。
少なくとも、基材層1と、金属層2と、絶縁層3と、シーラント層4とをこの順に積層して積層体を得る。具体的には、まず、基材層1と金属層2とを積層する。この積層は、例えば、接着層5を形成する上記の接着剤成分などを用いたドライラミネート法などにより行うことができる。また、基材層1と金属層2とを積層する方法としては、基材層1を形成する樹脂を金属層2の上に押出し形成する方法や、基材層1の上に金属を蒸着して金属層2を形成する方法などが挙げられる。次に、金属層2の基材層1とは反対側の表面上に絶縁層3の形成に用いられる上記の樹脂組成物を、塗布し、乾燥させる。樹脂組成物の塗布は、押出し法、グラビアコート法、ロールコート法などの塗布方法を採用することができる。なお、基材層1、金属層2、及び絶縁層3を積層する前に、金属層2を構成する金属の片面または両面を上記のように化成処理してもよい。次に、樹脂組成物の上からシーラント層4を積層する。この積層は、例えば、ドライラミネート法などにより行うことができる。なお、電池用包装材料の端面からの水分透過性を抑え、電池の耐久性を向上させるために、必要に応じて、金属層2の表面上に水分バリア樹脂層6を形成する成分を塗布し、乾燥させた後、絶縁層3を形成する樹脂組成物を塗布、乾燥し、さらにその上からシーラント層4を形成してもよい。
得られた積層体における各層の接着性を高めるために、エージング処理などを行ってもよい。エージング処理は、例えば、積層体を30〜100℃程度の温度下に1〜200時間加熱することにより行うことができる。さらに、得られた積層体における各層の接着性をさらに高めるために、得られた積層体をシーラント層4の融点以上の温度で加熱してもよい。このときの温度は、シーラント層4の融点+5℃以上、融点+100℃以下であることが好ましく、融点+10℃以上、融点+80℃以下であることがより好ましい。なお、本発明において、シーラント層の融点とは、シーラント層を構成する樹脂成分の示差走査熱量測定における吸熱ピーク温度をいう。エージング処理での加熱及びシーラント層4の融点以上での加熱は、それぞれ、例えば、熱ロール接触式、熱風式、近または遠赤外線式などの方式により行うことができる。
本発明の電池用包装材料において、積層体を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性などを向上または安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理などの表面活性化処理が施されていてもよい。
4.電池用包装材料の用途
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質などの電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
具体的には、少なくとも、正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、正極及び負極の各々に接続された金属端子を外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(シーラント層同士が接触する領域)が形成できるようにして、本発明の電池用包装材料で被覆する。次に、フランジ部のシーラント層同士をヒートシールして密封させることによって、本発明の電池用包装材料で密封された電池が提供される。本発明の電池用包装材料を用いて電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料のシーラント層4が内側(電池素子と接する面)になるようにして用いられる。
本発明の電池用包装材料は、一次電池、二次電池のいずれにも用いることができるが、特に二次電池に用いることが適している。本発明の電池用包装材料が適用される二次電池の種類としては、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシタなどが挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
<実施例1〜13及び比較例1〜11>
金属層を形成するアルミニウム箔として、軟質アルミニウム((JIS H4160 A8021H−O)からなるアルミニウム箔(厚さ40μm)の両面を化成処理したものを用いた。アルミニウム箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をロールコート法により金属層の両面に塗布して皮膜を形成し、皮膜温度が180℃以上となる条件で20秒間焼付けすることにより行った。次に、化成処理を行ったアルミニウム箔の一方の表面上に、接着層を形成するため、主剤にポリエステル−ポリオール樹脂を用い、硬化剤にTMPアダクトタイプのTDI系硬化剤を使用した接着剤を、厚みが4μmとなるように塗布し、乾燥させた。次に、この接着剤の上から、基材層となる2軸延伸ナイロンフィルム20μmをドライラミネート法により貼り合わせた。さらに、アルミニウム箔の他方の表面上に、絶縁層を形成するため、それぞれ表1に記載の組成を有する変性ポリオレフィン系樹脂と硬化剤とを含む樹脂組成物を厚さ5μmとなるように塗布し、乾燥させた。なお、変性ポリオレフィンの変性割合は、1H-NMR分析(バリアン社製、300MHz)で求めた。次に、乾燥させた樹脂組成物の上から、シーラント層を形成する無延伸ポリプロピレンフィルム(エチレン-プロピレンランダム共重合タイプ、融点140℃、厚さ30μm)を積層し、ドライラミネート法で各層を貼り合わせて積層体を得た。さらに得られた積層体を80℃の温度下で24時間エージングし、さらに190℃で2分間加熱することにより、基材層、接着層、金属層、絶縁層、シーラント層がこの順に積層された実施例1〜13及び比較例1〜11の電池用包装材料を得た。
実施例14に関しては、絶縁層3の厚さが0.2μmとなるように金属層2に塗布したこと以外は、実施例4と同様の方法でサンプルを作製した。
実施例15に関しては絶縁層3の厚さが15μmとなるように金属層2に塗布したこと以外は、実施例4と同様の方法でサンプルを作製した。
<耐久性評価>
上記で得られた実施例1〜15及び比較例1〜11の電池用包装材料をそれぞれ、60mm(MD方向、縦方向)×150mm(TD方向、横方向)に裁断した。次に、裁断した電池用包装材料をTD方向においてシーラント層同士が対向するようにして2つ折りにし、TD方向の対向する1辺とMD方向の1辺を熱溶着し、TD方向の1辺が開口する袋状の電池用包装材料を作製した。なお、熱溶着の条件は、温度190℃、面圧1.0MPa、加熱・加圧時間3秒とした。次に、開口部から3gの電解液を注入し、開口部を7mm幅で、上記と同じ条件で熱溶着した。なお、電解液は、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1の容積比で混合した溶液に6フッ化リン酸リチウムを混合して得られたものである。次に、電池用包装材料の開口部が位置していた部分を上向きにして、85℃の恒温層内に24時間静置した。
次に、各電池用包装材料を恒温層から取り出して、電池用包装材料を開封して電解液を取り出した。次に、電池用包装材料の折り返されていた部分を15mm巾の短冊状に切り取り試験片を得た。得られた試験片のシーラント層と金属層とを引張り機(島津製作所製の商品名AGS−50D)を用いて、50mm/分の速度で引張り、試験片の剥離強度(N/15mm)を測定した(耐久性試験後の剥離強度)。一方、実施例1〜15及び比較例1〜11で得られた電池用包装材料を15mm巾に切り取った試験片について、同様にして剥離強度を測定した(耐久性試験前の剥離強度)。結果を表1に示す。
<絶縁性評価>
実施例1〜15及び比較例1〜11で得られた電池用包装材料を幅40mm、長さ100mmのサイズに切り取り試験片を得た。次に、この試験片を短辺同士が対向するように折り返し、試験片のシーラント層の表面が互いに対向するように配置した。次に、互いに対向するシーラント層の表面の間に25μmφのワイヤーを挿入した。次に、この状態で電池用包装材料の長さ方向に直交する方向に上下共に7mm幅の平板状熱板からなるヒートシール機でシーラント層同士をヒートシールした。次に、電池用包装材料のワイヤーが挟まれた部分が中央になるようにして、両側の基材層の表面にテスターの端子をそれぞれ接続した。次に、テスター間に100Vの電圧をかけ、短絡するまでの時間(秒)を測定した。結果を表1に示す。
硬化剤として用いたIPDIは、イソホロンジイソシアネート(ヌレートタイプ、NCOの含有量17質量%)、HDIは、ヘキサメチレンジイソシアネート(ヌレートタイプ、NCOの含有量21質量%)、TDIは、トリレンジイソシアネート(TMPアダクトタイプ、NCOの含有量17質量%)、MDIは、ジフェニルメタンジイソシアネート(プレポリマータイプ、NCOの含有量31質量%)、カルボジイミドは、カルボジライトV−05(日清紡ケミカル社製)、エポキシ樹脂は、jER828(三菱化学社製)、オキサゾリンは、エポクロスWS−500(日本触媒社製)である。
ポリプロピレン系樹脂を無水マレイン酸とアクリル酸エステルとで変性した変性ポリプロピレン系樹脂から形成された絶縁層を有する実施例1〜15の電池用包装材料は、ポリプロピレン系樹脂を無水マレイン酸のみで変性した変性ポリプロピレン系樹脂から形成された絶縁層を有する比較例1〜7の電池用包装材料に比して、異物を噛み込んだ場合に短絡するまでの時間が長く、高い絶縁性を示すことが明らかとなった。また、主骨格となるポリエチレン樹脂(エチレンホモポリマー)を無水マレイン酸とアクリル酸エステルとで変性した変性ポリエチレン樹脂を用いた比較例8〜11と比較しても、同様に、異物を噛みこんだ場合に短絡するまでの時間が長く、高い絶縁性を示すことが明らかとなった。また、実施例1〜15の電池用包装材料は、電池素子の電解液に晒される前後において、剥離強度がほぼ同じであるのに対して、比較例1〜11の電池用包装材料は、剥離強度が大幅に低下していた。この結果から、実施例1〜15の電池用包装材料は、耐久性にも優れることが明らかとなった。
1…基材層
2…金属層
3…絶縁層
4…シーラント層
5…接着層
6…水分バリア樹脂層

Claims (11)

  1. 少なくとも、基材層と、金属層と、絶縁層と、シーラント層とがこの順に積層された積層体からなり、
    前記絶縁層は、不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとで変性された変性ポリプロピレン系樹脂と、硬化剤とを含む樹脂組成物の硬化物であり、
    前記変性ポリプロピレン系樹脂におけるプロピレン単位の割合が、50モル%〜100モル%である、電池用包装材料。
  2. 前記変性ポリプロピレン系樹脂は、ホモポリプロピレン及びプロピレン共重合体の少なくとも一方のプロピレン系樹脂が、前記不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとで変性されたものである、請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記絶縁層の厚みが、0.1μm〜20μmである、請求項1または2に記載の電池用包装材料。
  4. 前記変性ポリプロピレン系樹脂におけるプロピレン単位の割合が、80モル%〜100モル%である、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
  5. 前記硬化剤は、多官能イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物及びオキサゾリン化合物からなる群から選択された少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
  6. 前記硬化剤は、2種類以上の化合物により構成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
  7. 前記樹脂組成物において、前記硬化剤の含有量は、前記変性ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部の範囲にある、請求項〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
  8. 前記金属層がアルミニウム箔により形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
  9. 正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料により封止されてなる、電池。
  10. 少なくとも、基材層と、金属層と、絶縁層と、シーラント層とをこの順に積層して積層体を得る工程を備え、
    前記工程において、不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとで変性された変性ポリプロピレン系樹脂と、硬化剤とを含む樹脂組成物から前記絶縁層を形成し、
    変性ポリプロピレン系樹脂におけるプロピレン単位の割合が、50モル%〜100モル%である、請求項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料の製造方法。
  11. 前記工程後に、前記積層体を前記シーラント層の融点以上の温度で加熱する工程をさらに備える、請求項10に記載の製造方法。
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