図1に示されるように、パチンコ機10は、パチンコ機10の外郭を構成するとともにホールの島設備に設置される矩形状の外枠12を備えている。外枠12の前面には矩形額縁状の内枠14が配置されており、内枠14は、外枠12に設けられた一対のヒンジ部16、18に左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。また外枠12の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り20が取り付けられている。
内枠14の前面上部には、ガラス板22を装着したガラス枠26が配置されており、ガラス枠26は左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられている。また、ガラスフレーム24に装着されたガラス板22は、図1の紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行に配置された一対のガラス板からなる二重構造となっている。このガラス枠26の裏面側には、交換可能とされた遊技盤100(図2参照)がセットされており、遊技盤100は、ガラス枠26を内枠14に閉塞した状態でガラス枠26(ガラス板22)に覆われるようになっている。
ガラス枠26の前面には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による演出効果を生み出す照明演出用の表示灯142がガラス板22を取り囲むように配置されており、さらに左上隅及び右上隅には、賞球払出エラー及び払出状態エラー等の各種エラーを報知するエラー用の表示灯144が配置されている。また、各エラー用の表示灯144の内側には、遊技の効果音をステレオ出力するスピーカ146L、146Rが配設されている。
内枠14の前面下部には、一般的な上皿及び下皿の機能を兼ね備える打球供給皿としての一体皿30が配置されている。一体皿30は、パネル部材32の左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられており、パネル部材32の前面には、上部に遊技球PBを貯える球皿部34が形成された球皿本体36が突設されている。
図示を省略するが、球皿部34の底面は双方向に傾斜しており、一方は図1の正面視にて左側から右側に下る傾斜を手前側に配置し、他方は右側から左側に下る傾斜を奥側に配置し、両傾斜は正面視にて右側で円滑に連続形成されている。
手前側の傾斜はパチンコ機10間に設けられた現金用遊技球貸出機(図示省略)を球皿部34の正面視、左側から受け入れて、右側に転動案内する一方、奥側の傾斜は球皿部34に受け入れた遊技球PB、後述する賞品球、あるいはカード式貸出機を介した貸出球などを球排出口46から受け入れて正面視、右側から左側に向かって転動案内する。
この奥側の傾斜は、当該傾斜の下位方向に沿って遊技球転動流路の幅寸法を漸次、狭く形成されており、これにより、球皿部34にある遊技球PBがパネル部材32の裏面に配置された球送り装置(図示省略)に一列に整列させながら送り込まれる。
パネル部材32の前面の右側上部には、パチンコ機10内に設けられた払出装置160(図3参照)から払い出された賞球が排出される球排出口46が形成されている。
また、パネル部材32の前面における左側下部には灰皿38が設けられ、右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するための発射ハンドル39が取り付けられている。
(遊技盤の構成)
図2に示される遊技盤100は、基板となるベニヤ板に樹脂製シート状のセルが貼着されてそのセルの表面が盤面100Aとなっており、盤面100Aの外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、発射装置40(図3参照)から発射されて打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域101とされている。
遊技盤100の遊技領域101におけるほぼ中央には、大型で中央部が矩形状に開口されたセンター役物105が配置されている。その開口内には、表示画面に特別図柄の抽選(変動及び停止)や各種演出等の映像を表示する液晶表示器106が設けられている。以下、必要に応じてLCD106という。
センター役物105の図2の左右側には、普通図柄始動入賞口としての通過ゲート(スルー・チャッカー)118が配置されている。また、センター役物105の真下には、特別図柄始動入賞口(スタート・チャッカー)108が配設され、その開口部の直下位置には、電動チューリップ110が取り付けられている。この特別図柄始動入賞口108のさらにその下方には、遊技領域101の下端部付近に位置して大入賞口としてのアタッカー112が配置されている。
アタッカー112には、開閉扉116が開放又は閉塞することによって開口又は閉口するようになっており、開閉扉116の開放時には、開閉扉116上に落下した遊技球PBが開閉扉116に案内されてアタッカー112へ入賞する。
また、遊技領域101には、風車122や、遊技領域101内を自重落下する遊技球PBを所定の経路に誘導する多数の遊技釘(図示省略)が設けられており、最下位置に、外れ球を遊技盤100の裏側へ排出するアウト口124が設けられている。さらに、この遊技領域101に設けられたセンター役物105や盤面周縁には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による演出効果を生み出す照明演出用の発光素子126(図3参照)が多数設けられている。
(制御系の構成)
次に、図3を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。図3に示されるように、本実施形態に係るパチンコ機10の制御系は、主制御部150を中心として構成されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
主制御部150には、特別図柄始動入賞口108への入賞球を検出する始動入賞センサ180、普通図柄始動口である通過ゲート118への入賞球を検出する通過ゲート入賞センサ184、特別遊技状態の際に開放するアタッカー112への入賞球を検出する大入賞センサ186がそれぞれ接続されており、これらの各センサは、入賞球の検出時にその検出信号を主制御部150へ出力する。なお、必要に応じて、アタッカー112内には、大当たり処理のラウンドを継続するきっかけとなるVゾーンが設けられている場合には、このVゾーンを通過したことを検出するVゾーンセンサ188が配設される。
さらに、主制御部150には、電動チューリップを作動させる普通電動役物ソレノイド174、アタッカー112の開閉扉116を開放/閉塞させるソレノイド175、保留ランプ176、及び普通図柄表示装置107がそれぞれ接続されている。
ここで、遊技球PBが通過ゲート118を通過すると、これを通過ゲート入賞センサ184で検出することで普通図柄の当たり/外れの抽選(以下、「普図抽選」という)が主制御部150にて実行され、その抽選結果が当たりとなった場合は、主制御部150が普通電動役物ソレノイド174を駆動制御して電動チューリップ110を所定時間開放する。
また、遊技球PBが特別図柄始動入賞口108に入賞すると、これを始動入賞センサ180で検出することで特別図柄の当たり/外れの特図抽選が主制御部150にて実行され、この特図抽選の結果が当たりとなった場合は、通常遊技状態から特別遊技状態へ遊技状態が移行するように主制御部150にて制御する。
特別遊技状態とは、前記アタッカー112が所定時間(一般には30秒)開放し、その後閉止する動作を1ラウンドとした場合に、複数ラウンド(一般には15ラウンド)繰り返される遊技状態を言い、この結果、多くの遊技球PBがアタッカー112へ入賞し、多くの入賞が期待できる。なお、通常は、1ラウンド中の最大入賞数が10個と制限されている。
なお、この特図抽選の当たりを契機として、確変(時短)抽選が実行され(特図抽選と確変(時短)抽選は同時の場合もある)、この確変(時短)抽選に当選すると、前述した特別遊技状態の終了後に、次の当たり確率がアップする「確変」、或いは図柄変動パターン時間を短縮する「時短」が付加される(特典遊技の付与)。なお、特典遊技は、通常遊技状態の下で実行されるものであり、特別遊技とは異なる。
本実施の形態では、確変を主体とし、確変にならなかった場合に、所定回数(例えば、100回)の時短を特典として付与する遊技仕様となっている。
さらに、本実施の形態では、大当たり当選、並びに落選とは別に、突然確変当選を設定している。突然確変当選は、後述する突然確変を導出するためのきっかけとして適用される。
主制御部150からは枠用外部端子191を介してホールコンピュータへ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり信号、図柄確定回数信号)が送信される。
さらに、主制御部150には、演出制御部152と、払出制御部154とがそれぞれ接続されており、これらの制御部は、主制御部150からのコマンド送信により制御される。
演出制御部152には、図柄制御部156を介してLCD106が接続されている。また、演出制御部152は、遊技盤100の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子126、並びに、ガラス枠26に設けられた照明演出用の表示灯142及びエラー用の表示灯144の点灯、消灯、及び点滅を制御し、さらに、ガラス枠26前面に設けられたスピーカ146L、146Rを作動させて効果音等の出力を制御する。
この演出制御部152に制御されるLCD106には、特図抽選の結果を報知するための図柄変動パターンの演出映像が表示され、スピーカ146L、146Rからはその図柄変動パターン演出時のBGMが出力される。これにより、遊技者は、視覚及び聴覚を通じて、特図抽選の結果に対応した演出図柄による演出を楽しむことができる。なお、普通図柄表示装置107や保留ランプ176による表示内容は、このLCD106で表示するようにしてもよい。
図柄変動パターンには、特別図柄変動パターン及び演出図柄変動パターンがあり、双方共に特図抽選の結果を報知するものであるが、特別図柄変動パターンは予め定められた変動及び停止を行い特図抽選の結果を所定時間経過後に正式に報知する性質のものであるのに対し、演出図柄変動パターンはその特図抽選の結果を報知するまでの過程に演出を加味し、当たり/外れかに一喜一憂させながら報知する性質のものである。
本実施形態のパチンコ機10では、LCD106の表示画面の大部分において、演出図柄変動パターンを表示し、表示画面における極めて小さい領域に特別図柄変動パターンを表示するようにしている。なお、特別図柄変動パターンは、別途独立した表示装置で表示するようにしてもよい。
ここで、特図抽選の結果が「大当たり当選」となり、LCD106における図柄変動パターン演出並びにスピーカ146L、146RからのBGM出力によって、そのことを報知し終えると、前述した特別遊技状態(大当たり処理)が実行される。
また、前述したように、LCD106において、図柄変動パターン演出を実行中に新たに特別図柄始動入賞口108に入賞した場合、並びに大当たり処理中に特別図柄始動入賞口108に入賞した場合、保留ランプ176の点灯数がその入賞数に応じて最大4個まで増える。
一方、前回の図柄変動パターン演出が終了する、或いは大当たり処理が終了すると、LCD106では、保留分の特図抽選結果を報知するために、新たな図柄変動パターン演出が開始される。これに伴い、保留ランプ176が1個消灯し、保留分の消化を遊技者に報知する。
また、払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置40が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者による発射ハンドル39(図1参照)の操作により発射装置40を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、発射ハンドル39の操作量に応じた発射力を制御する。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータへ送信するようになっている。
本実施の形態におけるパチンコ機10では、突然確変機能を備えている。
確変は、通常は特別遊技状態の終了を契機として実行されるものであるが、この突然確変機能とは、見掛け上、通常遊技状態で突然確変状態に移行することを言う。
通常遊技状態から突然確変状態に移行する遊技仕様は、特図抽選の大当たり当選を経るという現状の遊技仕様に対して全く異なるものとなるため、本実施の形態では、特図抽選を経た上で確変状態に移行するという、現状の遊技仕様に則して、突然確変を確立している。
より具体的には、特図抽選において、大当たり当選の他に突然確変当選を設定する。この突然確変当選の場合、前記アタッカー112の動作として、開放時間0.5秒、ラウンド数を2回とする(ちなみに、通常の動作は、開放時間30秒、ラウンド数15回)。
このアタッカー112の動作では、アタッカー112への入賞はほとんど期待できず、かつ、短時間で終了してしまう、見掛け上の特別遊技状態となる。
この見掛け上の特別遊技状態を経ることで、遊技を進行している遊技者から見ると、突然に確変状態に移行したと感じられる。
このように、遊技者が感覚的に突然に確変状態となったと感じさせる動作を、遊技仕様を変えずに実行可能とした。
また、本実施の形態では、この突然確変を含む、確変状態となったことを報知する時期として、演出図柄変動パターン演出直後の停止図柄での報知、並びに、大当たり処理中に実行される大当たり処理中演出画像の中での報知の何れかを選択する構成としている。
さらに、本実施の形態では、演出図柄変動パターンモードとして、通常時に実行される演出図柄変動パターンモード(以下に示す、第1の図柄変動パターンモード)と、非突然確変の状態から突然確変になったときに実行される演出図柄変動パターンモード(以下に示す、第2の図柄変動パターンモード)と、を設定し、当選状況情報(後述)に基づいて、適宜切り替えて実行する構成としている。
図4は、主制御部150における、上記特図抽選に基づく遊技の進行モードの設定制御を機能的に示したブロック図である。
主制御部150には、遊技の進行全般を司る遊技実行制御部200が設けられ、始動入賞センサ180が接続されている。
また、遊技実行制御部200には、アタッカー動作制御部202が接続されている。このアタッカー動作制御部202は、遊技実行制御部200からの指示信号に基づいて、特別遊技の実行の際にアタッカー動作制御を行う。すなわち、ソレノイドドライバ204を介してソレノイド175を通電・非通電し、アタッカー112(図2参照)の開閉動作を行う。
なお、この特別遊技におけるアタッカー開閉制御は、特図抽選の結果に応じて、大当たり当選用(30秒開放、15ラウンド)と、突然確変用(0.5秒開放、2ラウンド)との何れかが実行される。
遊技実行制御部200では、遊技状態(通常遊技/特別遊技)、始動入賞の保留状態、図柄変動パターン演出状態等から、特図抽選を実行する時期を判別し、特図抽選の時期になった時点で、特図抽選部206に対して抽選指示信号を送出する。なお、この遊技実行制御部200からは特図抽選部206に対して、当選確率情報も出力される。
特図抽選部206では、設定された特選確率に基づいて、特図抽選が実行される。この特図抽選は、通常確率の下では約1/300〜350の当選確率、確変時の高確率の下では約1/50程度の当選確率で抽選が実行される。
特図抽選部206には、図柄変動パターンモード選択指示部208、当選状況確認部210が接続されている。特図抽選部206において、抽選の結果が外れの場合は外れ信号が図柄変動パターンモード選択指示部208へ送出される。また、特図抽選部206において、抽選の結果が大当たり当選又は突然確変当選の場合は、当選状況確認部210に当選信号が送出される。
図柄変動パターンモード選択指示部208は、当選状況確認部210からの当選状況情報(詳細後述)に基づいて、図柄変動パターンモードを選択し、選択結果を遊技実行制御部200へ送出すると共に、図柄変動パターン種指示部214へ送出する。
図柄変動パターン種指示部214では、それぞれの図柄変動パターンモードにおける変動パターン種を決定し、遊技実行制御部200へ送出すると共に、出力部216を介して前記図柄変動パターンモード種と共にこの図柄変動パターン種を演出制御部152へ送出される。
ここで、前記当選状況確認部210は、当選したときの状況を認識するものであり、まず、当選時の遊技状態を判別部210Aで判別する(確変中か非確変中か)。次に、当選種を判別部210Bで判別する(大当たりか突然確変当たりか)。最後に、大当たり当選の場合に特典(確変)が付与されるか否かを判別部210Cで判別し、これらの結果(当選状況情報)を前記図柄変動パターンモード選択指示部208へ送出する。
この当選状況情報から、以下の状況に分類することができる。
当選状況(1) 通常確変遊技状態から大当たり当選し、かつ確変付与(第1の図柄変動パターンモード→第2の図柄変動パターンモード)
当選状況(2) 突然確変遊技状態から大当たり当選し、かつ確変付与(第2の図柄変動パターンモード→第2の図柄変動パターンモード)
当選状況(3) 通常確変遊技状態から大当たり当選し、かつ非確変(第1の図柄変動パターンモード→第1の図柄変動パターンモード)
当選状況(4) 突然確変遊技状態から大当たり当選し、かつ非確変(第2の図柄変動パターンモード→第1の図柄変動パターンモード)
当選状況(5) 通常確変遊技状態から突然確変(第1の図柄変動パターンモード→第2の図柄変動パターンモード)
当選状況(6) 突然確変遊技状態から突然確変(第2の図柄変動パターンモード→第2の図柄変動パターンモード)
当選状況(7) 非確変遊技状態から大当たり当選し、かつ確変付与(第1の図柄変動パターンモード→第1の図柄変動パターンモード)
当選状況(8) 非確変遊技状態から大当たり当選し、かつ非確変(第1の図柄変動パターンモード→第1の図柄変動パターンモード)
当選状況(9) 非確変遊技状態から突然確変(第1の図柄変動パターンモード→第2の図柄変動パターンモード)
本実施の形態では、第1の図柄変動パターンモードが起動している状態で、上記分類された当選遊技状況の内、突然確変になった時点(前記(5)、(9)の遊技状況)で第2の図柄変動パターンモードに切り替えられる。
また、第2の図柄変動パターンモードが起動している状態で、突然確変遊技状態から大当たり当選かつ非確変になった時点(前記(4)の遊技状況)で第1の図柄変動パターンモードに切り替えられる。
その他の遊技状況では、現在の図柄変動パターンモードが維持される。
図5は、演出制御部152における主として図柄変動パターンや大当たり中等の画像表示を制御するための機能ブロック図である。
前記主制御部150の出力部216(図4参照)からの信号(コマンド)は、コマンド解析部250に入力する。
コマンド解析部250には、非画像演出処理制御部252、図柄変動パターンモードプログラム読出部254、図柄変動パターン実行制御部256及び大当たり中画像読出部258が接続されている。
非画像演出処理制御部252は、LCD106以外のデバイス(例えば、表示灯142、144やスピーカ146L、146R等)を制御する役目を有しており、コマンド解析部250において、当該LCD106以外のデバイスを対象とするコマンドは、この非画像演出処理制御部252へ実行信号として送出される。
また、コマンド解析部250による解析により、モード種コマンドである場合は、図柄変動パターンモードプログラム読出部254へ送出される。この図柄変動パターンモードプログラム読出部254には、図柄変動パターンモードプログラムモードメモリ260が接続されている。
本実施の形態では、図柄変動パターンモードプログラムとして2種類の図柄変動パターンモードプログラムを記憶している。
第1の図柄変動パターンプログラムは、図柄としては数字図柄(例えば、0〜9)が用いられ、2種類に分類する条件として、奇数と偶数を設定している(図6参照)。
変動は、LCD106上において、3列の数字図柄列をそれぞれスクロール変動する表示を行い、最終的に各列の数字図柄が同一の数字図柄であった場合に当選する。また、奇数図柄での当選の場合は確変、偶数図柄での当選の場合は非確変とし、図柄変動パターンの停止直後に確変か非確変かを報知するようになっている。
次に、第2の図柄変動パターンプログラムは、図柄としては絵図柄(例えば、スロットマシンに多用される、リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、赤7の各絵図柄)を用いられている(図7参照)。絵図柄の分類は設定していない。
変動は、LCD106上において、3列の絵図柄列をそれぞれスクロール変動する表示を行い、最終的に各列の絵図柄が同一の絵図柄であった場合に当選する。また、各絵図柄には、確変の期待値(%)が設定されており、ここでは、リプレイ図柄が20%、ベル図柄が40%、スイカ図柄が60%、チェリー図柄が80%、赤7図柄が100%に設定され、不確実に確変か非確変かを報知するようになっている。このため、この第2の図柄変動パターンモードでは、大当たり当選時に演出される画像(大当たり演出画像)の中で確変か非確変かを報知する。
図柄変動パターンモードプログラム読出部254では、コマンド解析部250から入力するモード種コマンドに基づいて、第1の図柄変動パターンモードプログラムデータ、又は第2の図柄変動パターンモードプログラムデータが読み出され、図柄変動パターン実行制御部256へ送出する。
この図柄変動パターン実行制御部256では、読み出された何れかのプログラムによって動作する。
また、図柄変動パターン実行制御部256には、コマンド解析部250から変動コマンドが入力される。この変動コマンドに基づいて、図柄変動パターン実行制御部256は、第1の図柄変動パターンデータ管理部262又は第2の図柄変動パターンデータ管理部264から指定された図柄変動パターンデータを特定する識別符号等を読み出し、演出画像出力制御部266を介して、図柄制御部156のデータ読出部268へ送出する。
前記コマンド解析部250は、大当たり中画像読出部258に対して、モード種コマンドと大当たりコマンドを出力する。
これらのコマンドに基づいて、大当たり中画像読出部258では、大当たり中画像データ管理部270から、第1の図柄変動パターンモード用、或いは第2の図柄変動パターンモード用の何れかの大当たり中画像データを特定する識別符号を読み出し、前記演出画像出力制御部266へ送出する。演出画像出力制御部266では、前記図柄変動パターンと同様に、大当たり中画像データを特定する識別符号を図柄制御部156のデータ読出部268へ送出する。
図柄制御部156のデータ読出部268には、各種画像データメモリ272が接続され、前記演出画像出力制御部266から入力された識別符号等に基づいて、画像データを読み出し、画像出力制御部274へ送出する。
画像出力制御部274では、LCD106を制御して画像を表示する。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
(パチンコ機10の遊技の流れ)
パチンコ機10による遊技では、遊技者が発射ハンドル39を操作すると、一体皿30の球皿部34に貯えられている遊技球PBは球送り装置により一球づつ発射装置40に供給され、発射装置40によって上方へ発射される。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って遊技盤100の遊技領域101に打ち込まれ、遊技釘に当たり方向を変えながら遊技領域101内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域101の下端部に至った遊技球PBはアウト口124からパチンコ機10内に回収される。
また、遊技球PBが通過ゲート118を通過すると、主制御部150において普通図柄の当たり/外れの抽選処理(普図抽選)が実行され、その普図抽選結果は、普通図柄表示装置107に、2桁の普通図柄が変動されその変動後に停止図柄の組み合わせによって表示される。
この普図抽選の結果が「当たり」となった場合は、電動チューリップ110が所定時間開放され、遊技球PBが特別図柄始動入賞口108に入賞しやすい状態となる。
また、特別図柄始動入賞口108へ入賞すると、主制御部150において特別図柄の当たり/外れの特図抽選処理(第1の抽選)が実行され、その特図抽選結果は、LCD106の下部の一部の領域(あるいは、独立した別の領域)では、2個の特別図柄が所定のパターンで変動されその変動パターンを経た停止図柄の組み合わせによって表示される。また、この表示に伴い、LCD106のほぼ全域では、演出図柄が所定のパターンで変動されその変動パターンを経て停止表示される。この演出図柄変動パターンの演出映像には、例えば、リーチを経た当たり図柄の表示又は外れ図柄の表示、あるいはリーチなしの外れ図柄表示など、様々な演出や趣向を加味した数多くのパターンが用意されており、遊技者は、それらの演出を受け特別図柄の抽選結果を期待感も持って観察する。
特図抽選結果には、大当たり、小当たり、外れがある。
(大当たり処理)
LCD106の表示画面に、例えば「444」や「777」等の予め定められた所定の大当たり図柄の組み合わせが表示されるとともに、照明演出用の表示灯142の点滅やスピーカ146L、146Rからの効果音出力などによる演出を加えて、大当たりが発生したことを遊技者に報知し、所定の大当たり処理を実行する。
大当たり処理としては、開閉扉116の開閉動作によってアタッカー112が例えば10カウント(入賞個数)又は最大30秒間(1回の開放時間)/最高15ラウンド(継続回数)開放される。
なお、アタッカー112内にVゾーンを設けた遊技仕様の場合には、1回のアタッカー112開放時にVゾーンへの入賞を果たすことで次ラウンドを継続するといった動作が行われる。
これにより、遊技者は、発射した遊技球PBをアタッカー112へ容易に入賞させ、例えば入賞1個当たり15個の払い出しを受けるなどして、大量の賞球を獲得できるようになる。またこのときは、払出装置160が作動して所定数の賞球を払い出し、その払い出された賞球は、球排出口46から一体皿30の球皿部34に排出される。
また、当たり図柄が、例えば「777」等の予め定められた所定の図柄であり、かつここでは、当該所定の図柄が奇数の組み合わせとなった場合には、上述した大当たり処理(特別遊技状態)の終了後に、次の大当たり確率がアップする「確率変動機能」、並びに、普通図柄表示装置107の変動時間が短縮され、始動口108が開放し易くなって球持ちをよくする「時短機能」といった付加機能が作動して、遊技者にとって有利な遊技状態が展開される。
(突然確変処理)
LCD106の表示画面に、予め定められた図柄列の組み合わせが表示されると、その後、突然確変処理を実行する。
突然確変処理としては、開閉扉116の開閉動作によってアタッカー112が最大0.5秒間(1回の開放時間)/最高2ラウンド開放される。
この場合、遊技者は、アタッカー112への入賞は、ほとんど期待できない。言い換えれば、この突然確変処理の遊技状態は、見掛け上の特別遊技であり、その後に実行される確変の有無が主体となる。
すなわち、突然確変の場合、見掛け上の特別遊技状態の終了後に、次の特図抽選の確率がアップする「確率変動機能」を実行する。
ここで、本実施の形態では、この突然確変を含む、確変状態の報知に関して、図柄変動パターンモードを変更すると共に、それぞれの図柄変動パターンモードにおける確変報知時期を異ならせている。
以下、図8のフローチャートに従い、図柄変動パターンモード切替制御について説明する。なお、便宜上、前述した遊技の流れの説明と重複する。
このルーチンは、電源投入時に起動し、デフォルトとして第1の図柄変動パターンモードプログラムが起動し、処理が開始される。
ステップ300では始動入賞があったか否かが判断され、肯定判定されるとステップ302へ移行して特図抽選が実行される。このとき、併せて確変抽選も実行される。
次のステップ304では、(演出)図柄変動パターンを実行する。この図柄変動パターンは、設定されている図柄変動パターンモードの下で実行されるため、第1の図柄変動パターンモードでは、数字図柄による変動が実行され、第2の図柄変動パターンモードでは、絵図柄による変動が実行される。
このとき、数字図柄の場合には、この図柄変動パターンが終了したときの停止図柄配列によって、確変か否かが決定する(当選が前提で、奇数図柄が確変、偶数図柄が非確変)。
一方、絵図柄の場合は、停止図柄配列では確変か否かが不確実であり、それぞれの絵図柄によって期待度が告知される(当選が前提で、リプレイ図柄が20%、ベル図柄が40%、スイカ図柄が60%、チェリー図柄が80%、赤7図柄が100%)。
次のステップ306では、特図抽選が当選したか否かが判断され、否定判定(外れ)の場合には、ステップ300へ戻る。
また、ステップ306で肯定判定されると、ステップ308へ移行して、今回の抽選結果に基づいて、当選状況情報を更新し、ステップ310へ移行する。
ステップ310では、更新された当選状況情報に基づいて、それぞれ分岐する。
すなわち、当選状況が(2)、(3)、(7)、(8)の場合には、現在の図柄変動パターンモードが維持され(当選状況(3)、(7)、(8)は第1の図柄変動パターンモードが維持され、当選状況(2)は第2の図柄変動パターンモードが維持され)、ステップ316へ移行する。
また、当選状況が(4)の場合には、ステップ310からステップ312へ移行して第2の図柄変動パターンモードから第1の図柄変動パターンモードへ移行し、ステップ316へ移行する。
さらに、当選状況が(5)、(9)の場合には、ステップ310からステップ314へ移行して、第1の図柄変動パターンモードから第2の図柄変動パターンモードへ移行し(当選状況(6)の場合は第2の図柄変動パターンモードを維持)、ステップ318へ移行する。
ステップ316では、大当たり処理が実行される。なお、この大当たり処理は、前記ステップ304でのモードに準ずる。
この大当たり処理では、アタッカー112の開閉制御に加え、LCD106上で大当たり中演出画像が表示され、ステップ300へ戻る。このとき、第2の図柄変動パターンモードである場合は、この大当たり中演出画像の途中で、確変か非確変かを報知する。すなわち、絵図柄での不確実な報知とは異なり、確実に確変の有無を報知する。
一方、ステップ318では、疑似大当たり処理が実行され(アタッカーの短い開閉)、ステップ300へ戻る。
以上説明したように本実施の形態では、図柄変動パターンモードとして、数字図柄を用い、奇数図柄での当選で確変確定、偶数図柄での当選で非確変確定とすることで、確変の報知時期を図柄変動パターン終了直後とする第1の図柄変動パターンモードと、絵図柄を用い、所定の期待値を持つそれぞれの絵図柄での当選で不確実に確変の有無を報知する第2の図柄変動パターンモードと、を選択的に切り替えるようにした。また、第2の図柄変動パターンモードから第1の図柄変動パターンモードへの移行は、突然確変状態で当選し、かつ非確変が確定したときのみとしたため、突然確変状態(第2の図柄変動パターンモード)を長く維持することができ、遊技者に優位感を持たせることができる。また、このときの確変報知を図柄変動パターン時では、前述のように不確実とし、大当たり中演出のなかで確実に報知するようにしたため、遊技者は大当たり中演出に興味を持ち、遊技の趣向性を持続することができる。
なお、本実施の形態では、第1の図柄変動パターンモードに適用する図柄を数字図柄、第2の図柄変動パターンモードに適用する図柄を絵図柄としたが、特に限定されるものではなく、第1の図柄変動パターンモードに適用する図柄としては所定の条件で2種類に分類できるものであればよい。
また、突然確変図柄を数字図柄の昇順又は降順、絵図柄のリーチ状態図柄としたが、このような条件は一例であり、他の図柄配列を突然確変図柄としてもよい。