以下に、添付図面を参照して、本発明の操作装置を備えた画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
<操作装置及び画像形成装置>
以下に、本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図1は、本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。但し、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。尚、本発明の画像形成装置は、例えば、プリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等を備えた画像形成装置として機能する。以下に、例えば、コピー機能を利用する場合の複合機100(MFP:Multi Function Peripheral)の動作を簡単に説明する。
先ず、ユーザが複合機100を利用する場合、原稿Pを複合機100の上面に備えられている原稿台101a又は自動原稿給紙部101bに載置し、コピー機能の設定を操作部102から入力する。当該操作部102には、複合機100が提供するコピー機能に関連する印刷画面(初期画面など)が表示され、コピー機能に関連する複数の設定項目キーが選択可能に表示されている。ユーザは、前記印刷画面を介して、コピー機能に関する設定条件の入力を行う。
ユーザが、設定条件の入力を完了すると、操作部102に設けられたスタートキーを押下して、複合機100にコピー機能の処理を開始させる。
複合機100がコピー機能の処理を開始すると、画像読取部103において、光源104から照射された光が、前記原稿台101aに置かれた原稿に反射される。反射された光は、ミラー105、106、107によって撮像素子108に導かれる。導かれた光は前記撮像素子108により光電変換されて、基本的な補正処理、画質処理、圧縮処理等を施され、前記原稿に対応する画像データが生成される。
尚、前記画像データは、前記撮像素子108に接続された通信部20から取得されても構わない。前記通信部20は、ネットワーク30を介して所定の端末装置と通信可能であり、前記画像データは、当該端末装置から送信された画像データであっても構わない。
さて、前記画像データをトナー像として転写する駆動部が画像形成部109である。前記画像形成部109には感光体ドラム110が備えられている。前記感光体ドラム110は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器111、露光ユニット112、現像器113、転写器114、クリーニングユニット115などが配置されている。
前記帯電器111は、前記感光体ドラム110の表面を一様に帯電させる。前記露光ユニット112は、帯電された前記感光体ドラム110の表面に、前記画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。前記現像器113は、搬送された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、前記転写器114により、記録媒体(例えば、シート)に転写される。前記クリーニングユニット115は、前記感光体ドラム110の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、前記感光体ドラム110が回転することにより実行される。
前記シートは、前記複合機100に備えられた複数の給紙カセット116から搬送される。搬送される時は、前記シートはピックアップローラ117により何れか1つの前記給紙カセット116から搬送路へ引き出される。前記各給紙カセット116には、それぞれ異なる紙種のシートが収容されており、前記設定条件に関する設定に基づいてシートが給紙される。
搬送路に引き出された前記シートは、搬送ローラ118やレジストローラ119により感光体ドラム110と転写器114の間に送り込まれる。送り込まれると、前記シートは前記転写器114により前記トナー像が転写され、定着装置120に搬送される。
前記トナー像が転写されたシートが前記定着装置120に備えられた加熱ローラ121と加圧ローラ122の間を通過すると、前記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像がシートに定着される。前記加熱ローラ121の熱量は紙種に応じて最適に設定され、前記定着が適切に行われる。前記可視像がシートに定着されて画像形成が終了し、可視像が定着されたシートは、定着装置120を経て排紙トレイ123へ排紙され、積載、収容される。
前記手順により、複合機100はコピー機能をユーザに提供する。
図2は、本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。ユーザは、前記操作部102を用いて、上述のような画像形成についての設定条件を入力したり、入力された設定条件を確認したりする。前記設定条件が入力される場合、前記操作部102に備えられたタッチパネル201(操作パネル)、タッチペン202、操作キー203が用いられる。
前記タッチパネル201には、アナログ抵抗膜方式が採用され、透光性を有する上部フィルムと下部ガラス基板とがスペーサを介して重ね合わされた構成となっており、上部フィルムと下部ガラス基板との各々の対向面には、ITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明電極層が設けられている。更に、上部フィルムがユーザにより押下されると、当該押下位置に対応する上部フィルム側の透明電極層と下部ガラス基板側の透明電極層とが接触するよう構成されている。上部フィルム又は下部ガラス基板に電圧を印加し、下部ガラス基板又は上部フィルムから押下位置に対応する電圧値を取り出すことにより、当該電圧値に対応する座標値(押下位置)を検出する。検出された押下位置が、タッチパネル上に表示された画面内の設定項目キー等の表示領域内に含まれると、当該設定項目の内容が入力(設定)される。
又、下部ガラス基板の下方には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部が設けられており、当該表示部が、例えば、初期画面、コピー機能画面等の画面を表示することにより、タッチパネル201上に特定の画面が表示される。これにより、タッチパネル201には、設定条件等を入力する機能と当該設定条件等を表示する機能が兼ね備えられる。
又、タッチパネル201の近傍には、タッチペン202が備えられており、ユーザがそのタッチペン202の先をタッチパネル201に接触させると、当該接触位置(押下位置)に対応する座標値が、前記と同様に出力され、ユーザはタッチペン202により、表示された設定項目キー等を押下・選択することが可能となる。
更に、タッチパネル201近傍には、所定数の操作キー203が設けられ、例えば、テンキー204、スタートキー205、クリアキー206、ストップキー207、リセットキー208、電源キー209が備えられている。
次に、図3を用いて、複合機100及び操作部102の制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、本発明に係る複合機100及び操作部102の制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305を内部バス306によって接続している。前記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、前記ROM302、HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305と操作部102からのデータや指示を授受し、前記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU301がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。
又、制御回路の内部バス306には、内部インターフェイス307も接続されており、当該内部インターフェイス307は、操作部102の制御回路等と複合機100の制御回路とを接続する。CPU301は、内部インターフェイス307を介して操作部102等の制御回路からの命令信号を受信したり、操作部102等の制御回路へ命令信号、データ等を送信したりする。
又、操作部102の制御回路には、内部バス315に、CPU309、ROM310、RAM311、LCD312、操作キー313(203)、タッチパネル314(201)、内部インターフェイス308を備える。操作キー313やタッチパネル314をユーザが操作すると、CPU309は、内部インターフェイス308を介して、当該操作に基づく命令信号を複合機100の制御回路に送信する。又、CPU309、ROM310、RAM311の機能も前記と同様であり、後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU309がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。前記ROM310には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
<本発明の実施形態>
次に、図4、図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図4は、本発明の複合機及び操作部の機能ブロック図である。図5は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
先ず、ユーザが、複合機100の電源を投入すると、複合機100とともに操作部102が起動し、操作部102の表示受付手段401が、所定のメモリに予め記憶されたコピー機能の設定条件に対応する設定項目の初期値(例えば、「用紙サイズ」であれば、「A4」、「倍率」であれば、縦倍率「100%」、横倍率「100%」等)を取得して、初期設定条件とするとともに、当該初期設定条件に基づいて、予め設定された初期画面(例えば、コピー機能画面)をタッチパネル201上に表示する(図5:S101)。尚、前記設定項目のうち、所定の設定項目、例えば、「原稿サイズ」や「原稿の向き」については、原稿の画像データが取得された時点で決定される。
前記初期画面600には、図6(A)に示すように、コピー機能の設定条件を入力するための設定項目キー601(例えば、「原稿サイズ」キー601a、「用紙サイズ」キー601b、「倍率」キー601c、「原稿の向き」キー601d等)と、原稿台101に載置された原稿の画像データを読み取って原稿のプレビュー画像として表示させる「プレビュー」キー602とが表示される。
ここで、ユーザが、例えば、前記設定項目キー601のうち、「用紙サイズ」キー601bを押下すると、前記表示受付手段401は、当該「用紙サイズ」キー601bの押下を受け付けて、前記初期画面600から用紙サイズを入力可能な用紙サイズ画面に切り替え表示する。
前記用紙サイズ画面603には、図6(B)に示すように、設定項目を示す「用紙サイズ」604と、当該「用紙サイズ」に対応する設定値の設定値キー605(例えば、「A4」キー605a、「A3」キー605b等)と、OKキー606とが表示される。
尚、前記設定値キー605のうち、現時点で入力を受け付けている設定値キー(例えば、初期値に対応する「A4」キー605a)の背景色は、他の設定値キー605の背景色と異なる色で表示される。
ユーザが、前記用紙サイズ画面603を見ながら、自己の所望する設定値キー605(例えば、「A3」キー605b)を押下して、OKキー606を押下すると、前記表示受付手段401が、当該「A3」キー605bと当該OKキー606との押下を受け付けて、前記「用紙サイズ」の設定値(上述では、初期値「A4」)を当該「A3」キー605bの「A3」に変更し(図5:S102YES)、前記用紙サイズ画面603から前記初期画面600に切り替え表示することになる。尚、前記「用紙サイズ」は、初期値のままでも構わない(図5:S102NO)。
次に、ユーザが、原稿台101上に所定の原稿Pを所定のプラテンガラスに所定の向き(例えば、縦向き)に載置して、前記初期画面600の「プレビュー」キー602を押下すると(図5:S103YES)、前記表示受付手段401は、当該「プレビュー」キー602の押下を受け付けて、その旨を画像読取手段402に通知する。当該通知を受けた画像読取手段402は、原稿台101に載置された原稿の画像データを読み取り(図5:S104)、当該原稿の画像データを画像データ記憶手段403に記憶させる。
そして、前記画像読取手段402が、前記原稿の画像データを画像データ記憶手段403に記憶させると、その旨を表示受付手段401に通知し、当該通知を受けた表示受付手段401は、当該原稿の画像データの縦横サイズから原稿サイズ(例えば、「A4」)と、当該原稿の向き(例えば、「縦向き」)を取得し、各設定項目の設定値とする。
次に、前記表示受付手段401は、前記原稿の画像データと、その原稿サイズ(「A4」)と、原稿の向き(「縦向き」)と、前記プレビュー画面の表示領域のサイズとに対応して、当該表示領域に表示可能な原稿プレビュー画像を生成する。又、前記表示受付手段401は、前記用紙サイズ(「A3」)と、所定のメモリに予め記憶された用紙の画像データと、前記プレビュー画面の表示領域のサイズとに対応して、当該表示領域に表示可能な用紙プレビュー画像を生成する。更に、前記表示受付手段401は、前記初期画面600から、前記原稿プレビュー画像を前記用紙プレビュー画像に重ねたプレビュー画面をタッチパネル201上に表示する(図5:S105)。
前記プレビュー画面700には、図7(A)に示すように、所定の表示領域700aにおいて、前記原稿プレビュー画像701の一端(左端701a)と、これに対応した前記用紙プレビュー画像702の一端(左端702a)とが一致された状態で、当該原稿プレビュー画像701と当該用紙プレビュー画像702とが重ね合わされて表示される。
これにより、ユーザが、前記原稿プレビュー画像701と前記用紙プレビュー画像702との関係を視覚的に確認することで現時点における前記原稿サイズ(「A4」)と前記用紙サイズ(「A3」)との関係を直感的に認識することが可能となる。
尚、前記原稿プレビュー画像701の色(例えば、「青色」)と前記用紙プレビュー画像702の色(例えば、「黄色」)は相互に色分けされて表示され、更に、当該原稿プレビュー画像701は半透明で当該用紙プレビュー画像702の上に被せた状態で表示される。これにより、上述した視覚的な確認を更に容易にする。
又、前記プレビュー画面700には、前記原稿プレビュー画像701と前記用紙プレビュー画像702とに対応して、各サイズを示すサイズ表示703(例えば、縦向きA4サイズを示す「A4E」、横向きA4サイズを示す「A4R」、横向きA3サイズを示す「A3R」など)と、OKキー704も表示される。
更に、前記表示受付手段401は、ユーザが前記原稿プレビュー画像701の一部を接触(タッチ)して、その状態で縦方向(上下方向)又は横方向(左右方向)に移動可能(ドラッグ可能)に表示している。
さて、前記プレビュー画面700を見ながら、ユーザが、図7(A)に示すように、前記原稿プレビュー画像701の一部(例えば、右下角部701b)を指で接触して、その指を右方向(横方向)へ移動させると、前記表示受付手段401が、それを検知して(図5:S106YES)、その旨を変更手段404に通知する。当該通知を受けた変更手段404は、前記原稿プレビュー画像701の倍率を前記移動量と移動方向(右方向)に対応して変更する(図5:S107)。
具体的には、ユーザが、前記原稿プレビュー画像701の一部701bを右方向に移動させた場合、当該移動方向が当該原稿プレビュー画像701の横倍率を増加させる方向であるため、前記変更手段404は、前記プレビュー画面700で最初に表示された原稿プレビュー画像701の倍率(縦倍率「100%」、横倍率「100%」)を基準として、当該原稿プレビュー画像701の横倍率(「100%」)を、前記一部701bが移動した移動量に対応する倍率(例えば、「10%」)だけ増加して、変更後の横倍率(「110%」)とする。尚、前記原稿プレビュー画像701の基準となる倍率は、前記OKキー704が押下されるまで固定される。
尚、前記原稿プレビュー画像701の一部701bが左方向に移動された場合には、当該移動方向が当該原稿プレビュー画像701の横倍率を減少させる方向であるため、前記変更手段404は、前記原稿プレビュー画像701の横倍率(「100%」)を、前記移動量に対応する倍率だけ減少する。
又、前記原稿プレビュー画像701の一部701bが上方向に移動された場合には、当該移動方向が当該原稿プレビュー画像701の縦倍率を減少させる方向であるため、前記変更手段404は、前記原稿プレビュー画像701の縦倍率(「100%」)を、前記移動量に対応する倍率だけ減少する。
更に、前記原稿プレビュー画像701の一部701bが下方向に移動された場合には、当該移動方向が当該原稿プレビュー画像701の縦倍率を増加させる方向であるため、前記変更手段404は、前記原稿プレビュー画像701の縦倍率(「100%」)を、前記移動量に対応する倍率だけ増加する。
つまり、前記原稿プレビュー画像701の倍率の変更は、いわゆる独立変倍処理である。
さて、前記変更手段404が、前記原稿プレビュー画像701の倍率を変更すると、その旨を判定手段405に通知し、当該通知を受けた判定手段は、前記変更された原稿プレビュー画像701の倍率が、予め設定された基準倍率と一致したか否かを判定する(図5:S108)。
ここで、前記基準倍率には、前記原稿プレビュー画像701の縦倍率又は横倍率が増加(拡大)された場合と、前記原稿プレビュー画像701の縦倍率又は横倍率が減少(縮小)された場合との2種類の倍率が設定される。
前記拡大倍率の場合には、例えば、横向きの用紙の用紙サイズ(「A3」)の横サイズ(「420mm」)に、縦向きの用紙で、当該用紙サイズの次に小さい用紙サイズ(所定の原稿サイズ)(「A4」)の縦サイズ(「297mm」)を除算した拡大基準倍率(「141%」)が設定される。一方、前記縮小倍率の場合には、縦向きの用紙の用紙サイズ(「A4」)の縦サイズ(「297mm」)に、横向きの用紙で、当該用紙サイズの次に大きい用紙サイズ(「A3」)の横サイズ(「420mm」)を除算した縮小基準倍率(「71%」)が設定される。これにより、後述する回転処理をする場合に、前記原稿プレビュー画像701のイメージが崩れ難く、原稿の画像の品質の劣化を防止することが可能となる。
さて、前記判定の結果、前記変更された原稿プレビュー画像701の倍率(図7(A)では横倍率)が、前記拡大基準倍率又は縮小基準倍率に一致しない場合(図5:S108NO)、前記判定手段405は、前記原稿プレビュー画像701の倍率をそのまま変更してもイメージ崩れが生じないと判定し、何もしない。この場合は、ユーザのドラッグ操作に対応して前記原稿プレビュー画像701の倍率がそのまま変更される。
一方、ユーザが、前記原稿プレビュー画像701の一部701bを右方向に継続して移動させたため、前記判定の結果、図7(B)に示すように、前記変更された原稿プレビュー画像701の倍率(横倍率)が、前記拡大基準倍率又は縮小基準倍率(ここでは、前記拡大基準倍率「141%」)に一致した場合(図5:S108YES)、前記判定手段405は、前記原稿プレビュー画像701が縦長又は横長(ここでは、横長)となり、イメージ崩れが生じると判定し、その旨を回転手段406に通知する。当該通知を受けた回転手段406は、前記原稿プレビュー画像701の向きを90度回転させる(図5:S109)。
具体的には、前記回転手段406は、前記変更された原稿プレビュー画像701の倍率が増加することにより、当該倍率が前記(拡大)基準倍率と一致した場合には、図7(B)に示すように、当該原稿プレビュー画像701の左上部701cを中心として、当該原稿プレビュー画像701を90度反時計回りに回転させる。そして、前記回転手段406は、図8(A)に示すように、前記プレビュー画面800における、前記回転後の原稿プレビュー画像801の一端(左端801a)を、前記用紙プレビュー画像802の一端(左端802a)に一致させて、当該原稿プレビュー画像801と当該用紙プレビュー画像802とを重ね合わせて表示させる。
これにより、ユーザが前記原稿プレビュー画像801の独立変倍処理を行うことにより、当該原稿プレビュー画像801のイメージが崩れてしまう場合であっても、当該イメージ崩れを回避して、当該イメージの縦横比率を所定の比率に保持し、画像品質の劣化を防止することが可能となる。
尚、前記回転手段406が、上述した回転処理をした後に、ユーザが、前記原稿プレビュー画像801の一部801bを、上述と同一方向(右方向)に継続して移動させる場合、前記原稿プレビュー画像801が90度回転したことにより、当該原稿プレビュー画像801の変更される倍率が、回転前の移動方向の倍率(横倍率)から、当該回転前の移動方向と直交する方向の倍率(縦倍率)に変更される。
そのため、図8(B)に示すように、ユーザが、最初から前記原稿プレビュー画像701の一部701bを右方向に継続して移動させると、前記回転処理により、当該原稿プレビュー画像701の原稿サイズを「A4」から「A3」にイメージを崩すことなく拡大させることが可能となる。
一方、ユーザが、例えば、図8(B)に示す原稿プレビュー画像801の一部801bを左方向に移動させて、当該原稿プレビュー画像801の倍率を変更する場合は、以下のようになる。
即ち、ユーザが、図8(B)に示す原稿プレビュー画像801の一部801bを左方向に移動させると、前記表示受付手段401が、それを検知し(図5:S106YES)、前記変更手段404が、当該原稿プレビュー画像801の倍率(例えば、横倍率「150%」)を前記移動量と移動方向(左方向)に対応して変更する(図5:S107)。
そして、前記変更手段404による前記原稿プレビュー画像801の倍率(横倍率)の変更に伴い、前記判定手段405は、前記変更された原稿プレビュー画像801の倍率(横倍率)が、前記拡大基準倍率又は縮小基準倍率と一致したか否かを判定する(図5:S108)。
ここで、ユーザが、前記原稿プレビュー画像801の一部801bを左方向に継続して移動させたため、前記判定の結果、図9(A)に示すように、前記変更された原稿プレビュー画像801の倍率(横倍率)が、前記拡大基準倍率又は縮小基準倍率(ここでは、前記拡大基準倍率「141%」)に一致した場合(図5:S108YES)、前記判定手段405は、イメージ崩れが生じると判定し、前記回転手段406は、前記原稿プレビュー画像801の向きを90度回転させる(図5:S109)。
具体的には、前記回転手段406は、前記変更された原稿プレビュー画像801の倍率が減少することにより、当該倍率が前記(拡大)基準倍率と一致した場合には、図9(A)に示すように、当該原稿プレビュー画像801の左下部801dを中心として、当該原稿プレビュー画像801を90度時計回りに回転させる。そして、前記回転手段406は、図9(B)に示すように、前記プレビュー画面900における、前記回転後の原稿プレビュー画像901の一端(左端901a)を、前記用紙プレビュー画像902の一端(左端902a)に一致させて、当該原稿プレビュー画像901と当該用紙プレビュー画像902とを重ね合わせて表示させる。
これにより、ユーザが前記原稿プレビュー画像901の倍率を減少させたとしても、その画像品質の劣化を防止することが可能となる。
さて、ユーザが、前記原稿プレビュー画像901を前記用紙プレビュー画像802に一致させて、前記プレビュー画面900を見ながら、前記OKキー904(704)を押下すると、前記表示受付手段401が、当該OKキー904の押下を受け付けて(図5:S109YES)、前記変更後の原稿プレビュー画像901に対応する「原稿サイズ」(例えば、「A3」)と、原稿画像の「倍率」(例えば、縦倍率「141%」、横倍率「141%」)と、「原稿の向き」(例えば、「横向き」)を各設定項目の設定値として受け付ける(図5:S111)。
これにより、ユーザが、前記プレビュー画面900内で原稿プレビュー画像901をドラッグ操作することで、当該ドラッグ操作に対応する各設定項目の設定値を簡単に入力することが可能となる。又、視覚的に確認しながら入力出来るため、ミスコピー等も防止することが出来る。
そして、前記表示受付手段401が、前記プレビュー画面900から前記初期画面600に切り換え表示する。
ここで、ユーザは、前記初期画面600を見ながら、スタートキー205を押下すると、前記表示受付手段401が、当該スタートキー205の押下を受け付けて(図5:S112YES)、当該スタートキー205の押下と、今まで受け付けた設定条件(各設定項目の設定値)とを画像形成手段407に通知する。当該通知を受けた画像形成手段407は、前記画像データ記憶手段403を参照して、前記原稿の画像データを取得し、前記設定条件に基づいて、当該原稿の画像データを用紙に画像形成する(図5:S113)。
ここで、前記設定条件は、ユーザが前記原稿プレビュー画像901で前記用紙プレビュー画像902に対応させて入力した設定値が含まれているため、前記画像形成の実行により得られる印刷物は、ユーザの意図を反映されたものとなり、ユーザは、自己の所望する印刷物を確実に手に入れることが可能となる。
尚、S112において、ユーザが、スタートキー205を選択しない場合は(図5:S112NO)、S102に戻って、前記表示受付手段401が、用紙サイズの入力(図5:S102)や「プレビュー」キーの押下(図5:S103)等を受け付けることになる。
このように、本発明の操作部102では、ユーザにより、前記原稿プレビュー画像701の一部701bが接触された状態で移動されると、当該原稿プレビュー画像701の倍率を前記移動量と移動方向に対応して変更する変更手段404と、前記変更された原稿プレビュー画像701の倍率が、予め設定された基準倍率と一致したか否かを判定する判定手段405と、前記判定の結果、前記原稿プレビュー画像405の倍率が前記基準倍率と一致した場合、前記原稿プレビュー画像405の向きを90度回転させる回転手段406とを備える。
これにより、原稿の画像データのイメージを崩すことなく、その画像品質を維持したままで、ユーザに当該原稿プレビュー画像の倍率を独立変倍で変更させることが可能となる。
尚、本発明の実施形態に係る操作部102では、前記基準倍率として、前記拡大基準倍率「141%」と、縮小基準倍率「71%」とを採用したが、これに限定する必要は無く、当該基準倍率は、管理者、製造者等が予め設定した値(例えば、プレビュー画面の表示領域のサイズに対応した値、「80%」等)としても構わない。
又、本発明の実施形態に係る操作部102では、前記基準倍率として、前記拡大基準倍率と、縮小基準倍率との2種類を採用したが、これに限定する必要は無く、例えば、4種類、6種類など、段階的に設定された倍率を採用しても構わない。例えば、第一の拡大基準倍率が、「A3」と「A4」に対応する「141%」であれば、第二の拡大基準倍率を、「A4」と「A2」に対応する「200%」、第三の拡大基準倍率を、「A4」と「A1」に対応する「283%」としても良い。又、例えば、第一の縮小基準倍率が、「A3」と「A4」に対応する「71%」であれば、第二の拡大基準倍率を、「A4」と「A2」に対応する「50%」、第三の拡大基準倍率を、「A4」と「A1」に対応する「35%」としても良い。もちろん、前記変更された原稿プレビュー画像の倍率が、上述した複数の基準倍率のいずれかと一致した場合には、前記回転手段406が、前記原稿プレビュー画像の向きを90度回転させることになる。
又、本発明の実施形態に係る操作部102では、前記回転手段406は、最初に表示された原稿プレビュー画像の向きが縦向きであると、前記原稿プレビュー画像の倍率が増加することにより、前記基準倍率と一致した場合、当該原稿プレビュー画像の向きを90度反時計回りに回転させ、前記原稿プレビュー画像の倍率が減少することにより、前記基準倍率と一致した場合、当該原稿プレビュー画像の向きを90度時計回りに回転させるよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、最初に表示された原稿プレビュー画像の向きが横向きであると、前記回転手段406は、前記原稿プレビュー画像の倍率が増加することにより、前記基準倍率と一致した場合、当該原稿プレビュー画像の向きを90度時計回りに回転させ、前記原稿プレビュー画像の倍率が減少することにより、前記基準倍率と一致した場合、当該原稿プレビュー画像の向きを90度反時計回りに回転させるよう構成しても良い。
尚、本発明の実施形態に係る操作部102では、操作部102を複合機100に適用した場合について説明したが、タッチパネル301を有する操作部102(操作装置)を備えた各種画像形成装置、各種画像処理装置、各種画像加工装置、各種画像表示装置等に適用しても、同一の作用効果を奏する。
又、本発明の実施形態では、複合機100の操作部102が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、上記プログラムを操作部102又は複合機100に読み出させ、その操作部102又は複合機100が上記各手段を実現する。その場合、上記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。